JPH11318449A - ストロメライシン―2(mmp―10)に対する抗体 - Google Patents

ストロメライシン―2(mmp―10)に対する抗体

Info

Publication number
JPH11318449A
JPH11318449A JP11061973A JP6197399A JPH11318449A JP H11318449 A JPH11318449 A JP H11318449A JP 11061973 A JP11061973 A JP 11061973A JP 6197399 A JP6197399 A JP 6197399A JP H11318449 A JPH11318449 A JP H11318449A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mmp
monoclonal antibody
antibody
human
cells
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11061973A
Other languages
English (en)
Inventor
Eiko Ouchi
栄子 大内
Yasunori Okada
保典 岡田
Hiroyuki Nakamura
博幸 中村
Yoshinori Tejima
美紀 手嶋
Kayoko Yonezawa
佳代子 米沢
Shinichi Yoshida
真一 吉田
Kazushi Iwata
和士 岩田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fuji Chemical Industries Co Ltd
Fuji Chemical Industrial Co Ltd
Original Assignee
Fuji Chemical Industries Co Ltd
Fuji Chemical Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Chemical Industries Co Ltd, Fuji Chemical Industrial Co Ltd filed Critical Fuji Chemical Industries Co Ltd
Priority to JP11061973A priority Critical patent/JPH11318449A/ja
Publication of JPH11318449A publication Critical patent/JPH11318449A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 頭頸部癌、肺癌、肝癌、扁平上皮癌等悪性腫
瘍組織や癌細胞で高頻度で発現しているとされるヒトマ
トリックスメタロプロテアーゼ10(ヒトMMP-10)と称さ
れるストロメライシン−2を、各種癌疾患のマーカーも
しくは診断に利用するために、上記各種疾患との関わり
を解析する上で役立つMMP-10の正確な定量或いは測定検
知法の提供。 【解決手段】 MMP-10の特定のアミノ酸配列又はその近
傍を含む領域を免疫原として細胞融合法でヒトMMP-10と
特異的に免疫学的反応するモノクローナル抗体を得る。
このモノクローナル抗体を測定試薬とした、特にサンド
イッチ酵素免疫学的にヒトMMP-10の測定を行う方法及び
試薬。それらは現在増加している頭頸部癌、肺癌、肝
癌、扁平上皮癌を始め各種癌疾患に見いだされるMMP-10
を検出、測定及び定量できる。これらモノクローナル抗
体は更に組織や細胞の免疫学的染色のための試薬として
も有用。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ストロメライシン
-2(マトリックスメタロプロテアーゼ 10; MMP-10)に対
するモノクローナル抗体及びそのモノクローナル抗体を
用いた免疫学的測定法、及び免疫組織染色に関し、特に
は酵素免疫測定並びに各種の測定法に基づき検体中に存
在するMMP-10を定量する方法に関する。また、本発明
は、医学生理学的分野に用いられるMMP-10の免疫学的定
量法及びそれに用いる試薬に関する。
【0002】
【従来の技術】血管やリンパ管及び関節軟骨の基底膜や
結合組織の構成タンパク、いわゆる細胞外マトリックス
は、IV型コラーゲン等のコラーゲン、プロテオグリカ
ン、エラスチン、フィブロネクチン、ラミニン、ヘパラ
ン硫酸等の接着性糖タンパク質をはじめとする複雑な成
分から構成されている (Martinez-Hernandez et al., L
ab. Invest., 48, 656-677, 1983) が、この細胞外マト
リックスの分解には、基質特異性を異にするマトリック
スメタロプロテアーゼ(matrix metalloproteinases; M
MPs)と総称される一群の酵素が関与している。MMP-10
は、Muller et al. (Biochem. J. 253, 187-192, 1988)
によって遺伝子がクローニングされ、MMP の遺伝子ファ
ミリーとして存在することが報告された。そして、スト
ロメライシン-1 (MMP-3)と同様な基質特異性を持つこと
より、ストロメライシン群のサブグループに属してい
る。
【0003】Nicholson et al. (Biochemistry 28, 519
5-5203) は、MMP-3 及びMMP-10が潜在型間質コラゲナー
ゼ(MMP-1) や潜在型好中球コラゲナーゼ(MMP-8) を活性
化することを報告している。また、潜在型MMP-10の分子
量は56,000ダルトン(56 kDa)であり、4-アミノフェニル
酢酸水銀(APMA)処理した場合、47 kDaの中間型を経て24
kDa及び22 kDaの活性型へ変換されることを報告してい
る。Muller et al. (Int. J. Cancer 48, 550-556, 199
1)は、MMP-10が、ヒト頭頸部癌及び肺癌で高い頻度で発
現していることを報告している。また、Lichtinghagen
et al. (Eur. J. Clin. Chem. Clin. Biochem. 33, 65-
71, 1995) はMMP-10がヒト肝癌細胞において産生される
ことを報告している。
【0004】Saarialho et al. (J. Clin. Invest. 94,
79-88) は慢性の皮膚傷害であるケラチノサイトにMMP-
10が発現していることを報告している。Nagase (Method
s Enzymol. 248, 449-470)は、MMP-10はトリプシン、キ
モトリプシン及びプラスミンなどのセリンプロテアーゼ
により活性化されること、さらに活性化されたMMP-10が
潜在型MMP-9 を活性化し、ヒト癌細胞において細胞外マ
トリックスを破壊することを報告している。我々は、ヒ
ト口腔扁平上皮癌細胞の培養液からヒトMMP-10を単離
し、この酵素がMMP-9 やMMP-7 を活性化することを明ら
かにし、MMP-10は他のMMPsの活性化を行い癌の湿潤、転
移に重要な役割を果たしていることを推論した。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】MMP-10は、生体内で潜
在型及び活性型で存在し、各種疾患、病状などと密接な
関連を持つと予測される、あるいはそれらとMMPsの特異
的阻害剤であるティシュ・インヒビター・オブ・メタロ
プロテアーゼ類(tissue inhibitors of Metalloprotei
nases; TIMPs)及び他のMMPsとのバランスが各種疾患、
病状などと密接な関連を持つと予測されるにもかかわら
ず、MMP-10を測定する方法は、今までのところ存在しな
い。また、MMP-10のみと特異的に免疫反応する抗体も存
在しない。
【0006】ところで、MMPsは一般に分解しやすく不安
定で、抗原として大量に確保することが難しい。したが
って、それらMMPsと特異的に免疫反応する抗体を得るこ
とはなかなか容易ではない。またMMPsの一部のアミノ酸
配列に相当する合成ペプチドを免疫原とするなどの方法
により、抗体を作製することは原理的には可能である
が、MMPsはそのアミノ酸配列が互いに類似しており、特
定のMMP のみと特異的に免疫反応するがその他のMMPsと
は免疫反応しないような抗体を得ることは一般的には簡
単なことではない。例えば、あるMMP において他のMMPs
とはその分子の立体構造等が異なるアミノ酸配列部分が
存在した場合、その配列部分を含む合成ペプチドを免疫
原として選んでも該合成ペプチドが長すぎれば、得られ
た抗体が当該特定のMMP のみならず、その他のMMPsと免
疫反応する可能性が非常に高くなるし、また、合成ペプ
チドが短すぎれば、抗体は得られないという問題があ
る。
【0007】また、免疫原として用いた合成ペプチドの
アミノ酸配列が対象とする特定のMMP の分子構造の内部
にあった場合などは、該合成ペプチドを用いて得られた
その抗体は、当該MMP と免疫反応することはできない。
近年、タンパク質分子の構造は、アミノ酸配列よりある
程度解析できるようになってきているが、しかしなが
ら、実際に免疫原を選択し、ある特定のMMP のみと特異
的に免疫反応する抗体を得ることは、非常に困難である
のが実情である。すなわち、特定のMMP のみと特異的に
免疫反応するが、それ以外のMMPsとは反応しない抗体を
得ること、またその抗体を得るための免疫原となるペプ
チド領域を選択することは、簡単でない。
【0008】MMP-10はストロメライシン群のサブグルー
プに属し、非常によく似たアミノ酸配列を有する領域を
持ったMMPs分子が他に存在しているし、特にMMP-3 と非
常によく似た基質特異性を持っている (このことは、そ
の基質に対する酵素活性を指標にしてはMMP-10のみを特
異的に測定することを実質上不可能にしている) などの
事情があるため、MMP-10と特異的に免疫反応するモノク
ローナル抗体を得ることは、容易ではない。まして、MM
P-10を検出できる免疫学的測定法を開発することは、非
常に困難であった。こうして、これまでMMP-10を定性的
および定量的に測定することはできなかった。しかしな
がら、上記したようにMMP-10はストロメライシン群のサ
ブグループに属し、MMP-3 と非常によく似た基質特異性
を持っていることから、上記したような臨床上の理由も
あり、MMP-10のみを特異的に測定したり、検知するため
の方法が強く求められている。
【0009】
【課題の解決】本発明者らは、MMP-10タンパクを定性的
及び定量的に測定するには、それを特異的に認識しうる
モノクローナル抗体、すなわちMMP-10に対するモノクロ
ーナル抗体を得るべきと考え、鋭意研究の結果、MMP-10
に対するモノクローナル抗体を作製することに成功し
た。その結果、モノクローナル抗体を用いて、現在増加
している頭頸部癌、肺癌を始めとし各種癌疾患のマーカ
ーもしくは診断法を提供することが可能となる。本発明
は、MMP-10と特異的に免疫反応することのできるモノク
ローナル抗体、そのモノクローナル抗体を測定試薬とし
て用いたMMP-10の免疫学的測定法、さらにその測定法に
用いる試薬を提供する。本発明は、さらにMMP-10に対し
て免疫学的に反応性を有するモノクローナル抗体及びそ
のモノクローナル抗体を用いるMMP-10の免疫測定法をも
提供するものである。本発明によれば、潜在型、中間型
及び/又は活性型MMP-10と免疫反応するモノクローナル
抗体を各々組合わせて測定試薬として用い、免疫学的に
MMP-10の測定を行う方法及び試薬が提供される。
【0010】より詳しくは、本発明は、 (1) MMP-10 と特異的に免疫反応することを特徴とす
るモノクローナル抗体またはそのフラグメント; (2) MMP-10 の AYPLSGAAKEEDSNKDLAQQY (R17-37) 又
は ASTEEPLVPTKSVPSGSEM (R267-285) のアミノ酸配列又
はその近傍を含む領域を認識することを特徴とする上記
(1)記載のモノクローナル抗体またはそのフラグメン
ト; (3) 上記(1)または(2)記載のモノクローナル
抗体またはそのフラグメントを用いることを特徴とする
免疫学的測定法; (4) 上記(1)または(2)記載のモノクローナル
抗体またはそのフラグメントを用いることを特徴とする
免疫組織染色法; (5) 上記(1)または(2)記載のモノクローナル
抗体またはそのフラグメントを含むことを特徴とする免
疫学的測定用試薬;及び (6) 上記(1)または(2)記載のモノクローナル
抗体を産生することを特徴とするハイブリドーマ細胞を
提供する。
【0011】別の態様では、本発明は (7) MMP-10 と特異的に免疫反応するモノクローナル
抗体あるいはそのフラグメントを使用することを特徴と
するMMP-10の測定方法; (8) 測定されるべき検体試料中のMMP-10を免疫反応
を利用して測定する方法であって、検体試料を (a) 標識された可溶性の抗体またはそのフラグメント
及び (b) 固相化抗体またはそのフラグメント と接触せしめ、標識を検知して測定の指標とし、そして
上記(a) 及び(b) の少なくとも一方はMMP-10と特異的に
免疫反応するモノクローナル抗体あるいはそのフラグメ
ントであることを特徴とするMMP-10の測定方法; (9) 使用する抗体またはそのフラグメントが、該
(a) 及び(b) の双方ともMMP-10と特異的に免疫反応する
モノクローナル抗体あるいはそのフラグメントであるこ
とを特徴とする上記(8)記載のMMP-10の測定方法;
【0012】(10) 使用する抗体またはそのフラグメ
ントが、一方はMMP-10と特異的に免疫反応するモノクロ
ーナル抗体あるいはそのフラグメントであり、他方はTI
MPs のいずれか一つと特異的に免疫反応するモノクロー
ナル抗体あるいはそのフラグメントであることを特徴と
する上記(8)記載のMMP-10の測定方法; (11) MMP-10 と特異的に免疫反応するモノクローナル
抗体あるいはそのフラグメントが、クローン No. B-6又
は C-6であるモノクローナル抗体あるいはそのフラグメ
ントであることを特徴とする上記(7)〜(10)のいず
れか一記載のMMP-10の測定方法; (12) 癌疾患マーカーとしてMMP-10を利用することを
特徴とする免疫組織染色法;
【0013】(13) MMP-10 と特異的に免疫反応するモ
ノクローナル抗体あるいはそのフラグメントが、クロー
ン No. B-6又は C-6であるモノクローナル抗体あるいは
そのフラグメントであることを特徴とする上記(4)ま
たは(12)記載の方法; (14) 癌を検出するために用いることを特徴とする上
記(5)記載の免疫学的測定用試薬; (15) 固相化されていることを特徴とする上記(5)
記載の免疫学的測定用試薬;及び (16) アビジン−ビオチン系標識、酵素標識、蛍光物
質標識、色素物質標識、化学ルミネッセンス化合物標
識、発光物質標識、発色物質標識、磁気物質標識、金属
粒子標識、および放射性物質標識からなる群から選ばれ
た標識を有することを特徴とする上記(5)記載の免疫
学的測定用試薬を提供する。本発明の免疫反応の典型的
な形態としては、抗原とその抗原決定基に対する抗体あ
るいは該抗原決定基に対する抗体フラグメントとの間の
免疫学的結合反応が挙げられる。本発明のその他の目
的、特徴、優秀性及びその有する観点は、以下の記載よ
り当業者にとっては明白であろう。しかしながら、以下
の記載及び具体的な実施例等の記載を含めた本件明細書
の記載は本発明の好ましい態様を示すものであり、説明
のためにのみ示されているものであることを理解された
い。本明細書に開示した本発明の意図及び範囲内で、種
々の変化及び/又は改変(あるいは修飾)をなすこと
は、以下の記載及び本明細書のその他の部分からの知識
により、当業者には容易に明らかであろう。本明細書で
引用されている全ての特許文献及び参考文献は、説明の
目的で引用されているもので、それらは本明細書の一部
としてその内容はここに含めて解釈されるべきものであ
る。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明に従えば、MMP-10と特異的
に免疫反応することのできるモノクローナル抗体を得る
ことができ、その得られたモノクローナル抗体を測定試
薬として用いて、MMP-10の免疫学的測定を行うことがで
き、さらにその測定に用いられる各種試薬を製造するこ
とができる。本発明によれば、さらにMMP-10に免疫反応
性を有するモノクローナル抗体を得ることができ、その
モノクローナル抗体を用いて、MMP-10の免疫測定法を組
み立てることを可能にする。本発明によれば、さらにそ
れぞれMMP-10の実質的に異なる抗原決定基に対し特異的
に結合するモノクローナル抗体を使用して、固相担体に
結合させた抗体あるいは標識物を付与した抗体を作製
し、それらを用いてMMP-10を測定することも可能にな
る。本発明に従えば、特に潜在型、中間型及び/又は活
性型MMP-10と免疫反応するモノクローナル抗体の各々を
組合わせて用い、それらを測定試薬として用いて免疫学
的にMMP-10の測定を行う方法や試薬が提供される。本発
明に従えば、MMP-10やMMP-10とTIMPs との複合体を測定
したり、検知でき、さらには生体内で潜在型及び活性型
で存在するMMP-10をそれぞれ区別して測定したり、検知
できるようになったり、TIMPs のバランスについても測
定したり、検知できるようになり、各種疾患、病状など
を評価する指標として使用できる。特にMMP-10は、頭頸
部癌, 肺癌, 肝癌, 扁平上皮癌などの悪性腫瘍組織や癌
細胞で、高い頻度で発現していることが報告されてお
り、こうした癌などの悪性腫瘍組織や癌細胞の検出マー
カーとして有用である。
【0015】本発明で使用されるモノクローナル抗体
は、ケラー及びミルシュタイン(G. Kohler and C. Mils
tein, Nature, 256, 495, 1975) などにより開示された
ミエローマ細胞を用いての細胞融合技術を利用して得ら
れたモノクローナル抗体であってもよいことはいうまで
もない。本発明で使用されるモノクローナル抗体は、次
のような工程で作製できる。 1.免疫原性抗原の調製 2.免疫原性抗原による動物の免疫 3.ミエローマ細胞(骨髄腫細胞)の調製 4.抗体産生細胞とミエローマ細胞との細胞融合 5.ハイブリドーマ(融合細胞)の選択及びモノクロー
ン化 6.モノクローナル抗体の製造
【0016】1.免疫原性抗原の調製 抗原としては、例えば培養ヒト口腔扁平上皮癌細胞株(O
SC-20)、培養ヒト細網肉腫(U937)などから、Okada et a
l.の方法 (Biochem. J., 254, 731-741, 1988)に従い精
製されて得られたヒトMMP-10を用いることができる。こ
うして得られたMMP-10は、さらに免疫原性コンジュゲー
トなどにしてもよいが、そのまま適当なアジュバントと
混合して動物を免疫するのに使用できる。さらにMMP-10
は、それを断片化したものを適当な縮合剤を介して種々
の担体タンパク質類と結合させてハプテン−タンパク質
の如き免疫原性コンジュゲートとし、これを用いて特定
の配列のみを認識できるモノクローナル抗体をデザイン
するのに用いることもできる。例えば遺伝子組換え技術
を適用し、天然の細胞から分子クローニングにより得ら
れたDNA 配列あるいは既に知られたゲノム配列から、酵
素などを用いたり、化学合成により得られたDNA 配列ま
たは修飾DNA 配列を、微生物あるいは動物、植物、昆虫
などで発現させて得られたリコンビナント抗原や、それ
らの情報を利用し液相法や固相法として知られたペプチ
ド化学合成法により得られたペプチドまたは改変ペプチ
ドを用いることもできる。
【0017】ペプチドの固相合成法は、一般的には自動
ペプチド合成装置により好適に行うことが出来、例えば
ミリジェン・バイオサーチ社製 (MilliGen/Biosearch)
モデル9050、モデル9500、あるいはエクセル(Excell)、
アプライド・バイオシステムズ社製 (Applied Biosyste
ms) モデル430Aやモデル431A、デュポン社製 (Du Pont)
アールエイエムピーエス (RaMPS)、国産化学株式会社製
「コックさん」、アドバンスド・ケムテク社製 (Advanc
ed ChemTech)モデル350 などを用いて行うことができ
る。本発明では、MMP-10が他のMMPs、特にストロメライ
シン群とアミノ酸配列が類似しているため、抗原として
用いるペプチドとしては、その基質特異性を示すのに寄
与すると考えられる領域や、抗原性が得られるものの内
から選定することができる。例えば、MMP-10の ASTEEPLVPTKSVPSGSEM (R267-285) 又は AYPLSGAAKEEDSNKDLAQQY (R17-37) のアミノ酸配列を含む領域、あるいはそれら領域と実質
的に同等の活性あるいは構造を有するペプチドを合成
し、得られたペプチドを用いて免疫原性コンジュゲート
を作製し、これを用いて特定の配列のみを認識できるモ
ノクローナル抗体を得ることが好ましい。また上記アミ
ノ酸配列を有するペプチドと免疫反応する抗体を与える
ようなペプチドであれば、免疫原として用いられ得るこ
とは理解できる。ペプチド合成に関しては、例えば、G.
B. Fields (ed.), "Methods in Enzymology", Vol. 28
9 (Solid-Phase Peptide Synthesis), Academic Press,
New York (1997)などに記載の方法あるいはそこで引用
された文献記載の方法あるいはそれらと実質的に同様な
方法や改変法が挙げられる (それらの中にある記載はそ
れを参照することにより本明細書の開示に含められる)
【0018】担体タンパク質類と結合させるにあたって
は、担体タンパク質類はまず活性化されることができ
る。こうした活性化にあたり活性化結合基を導入するこ
とが挙げられる。活性化結合基としては、(1) 活性化エ
ステルあるいは活性化カルボキシ基、例えばニトロフェ
ニルエステル基、ペンタフルオロフェニルエステル基、
1-ベンゾトリアゾールエステル基、N-スクシンイミドエ
ステル基など、(2) 活性化ジチオ基、例えば2-ピリジル
ジチオ基などが挙げられる。担体タンパク質類として
は、キーホール・リンペット・ヘモシアニン (KLH), 牛
血清アルブミン (BSA)、卵白アルブミン、グロブリン、
ポリリジンなどのポリペプチド、細菌菌体成分、例えば
BCG などが挙げられる。
【0019】2.免疫原性抗原による動物の免疫 動物を免疫するには、例えば村松繁、他編、実験生物学
講座14、免疫生物学、丸善株式会社、昭和60年、日本生
化学会編、続生化学実験講座5、免疫生化学研究法、東
京化学同人、1986年、日本生化学会編、新生化学実験講
座12、分子免疫学 III、抗原・抗体・補体、東京化学同
人、1992年などに記載の方法に準じて行うことができ
る。抗原と共に用いられるアジュバントとしては、例え
ばフロイント完全アジュバント、リビ(Ribi)アジュバン
ト、百日咳ワクチン、BCG 、リピッドA、リポソーム、
水酸化アルミニウム、シリカなどが挙げられる。免疫
は、例えばBALB/cなどのマウスをはじめとする動物を使
用して行われる。抗原の投与量は、例えばマウスに対し
て約1〜400 μg/動物で、一般には宿主動物の腹腔内や
皮下に注射し、以後1〜4週間おきに、好ましくは1〜
2週間ごとに腹腔内、皮下、静脈内あるいは筋肉内に追
加免疫を2〜10回程度反復して行う。免疫用のマウスと
してはBALB/c系マウスの他、BALB/c系マウスと他系マウ
スとのF1マウスなどを用いることもできる。必要に応
じ、抗体価測定系を調製し、抗体価を測定して動物免疫
の程度を確認できる。
【0020】3.ミエローマ細胞(骨髄腫細胞)の調製 細胞融合に使用される無限増殖可能株(腫瘍細胞株)と
しては免疫グロブリンを産生しない細胞株から選ぶこと
ができ、例えば P3-NS-1-Ag4-1 (NS-1, Eur. J. Immuno
l., 6, 511〜519, 1976)、SP2/0-Ag14 (SP2, Nature, 2
76, 269 〜270,1978)、マウスミエローマ MOPC-21セル
ライン由来のP3-X63-Ag8-U1 (P3U1, Current topics in
Microbiol. and Immunol., 81, 1 〜7, 1978)、P3-X63
-Ag8 (X63, Nature, 256, 495 〜497, 1975)、P3-X63-A
g8.653 (653, J. Immunol., 123,1548 〜1550, 1979)
などを用いることができる。8-アザグアニン耐性のマウ
スミエローマ細胞株はダルベッコMEM 培地 (DMEM培地)
、RPMI-1640 培地などの細胞培地に、例えばペニシリ
ン、アミカシンなどの抗生物質、牛胎児血清(FCS) など
を加え、さらに8-アザグアニン(例えば5〜45μg/ml)
を加えた培地で継代されるが、細胞融合の2〜5日前に
正常培地で継代して所要数の細胞株を用意することがで
きる。また使用細胞株は、凍結保存株を約37℃で完全に
解凍したのちRPMI-1640 培地などの正常培地で3回以上
洗浄後、正常培地で培養して所要数の細胞株を用意した
ものであってもよい。
【0021】4.抗体産生細胞とミエローマ細胞との細
胞融合 上記2.の工程に従い免疫された動物、例えばマウスは
最終免疫後、2〜5日後にその脾臓が摘出され、脾細胞
懸濁液を得る。脾細胞の他、生体各所のリンパ節細胞を
得て、それを細胞融合に使用することもできる。こうし
て得られた脾細胞懸濁液と上記3.の工程に従い得られ
たミエローマ細胞株を、例えば最小必須培地(MEM培地)
、DMEM培地、RPMI-1640 培地などの細胞培地中に置
き、細胞融合剤、例えばポリエチレングリコールを添加
する。細胞融合剤としては、この他各種当該分野で知ら
れたものを用いることができ、この様なものとしては不
活性化したセンダイウイルス(HVJ: Hemagglutinating v
irus of Japan)などが挙げられる。好ましくは、例えば
30〜60% のポリエチレングリコールを 0.5〜2 ml加える
ことができ、分子量が 1,000〜8,000 のポリエチレング
リコールを用いることができ、さらに分子量が 1,000〜
4,000 のポリエチレングリコールがより好ましく使用で
きる。融合培地中でのポリエチレングリコールの濃度
は、例えば30〜60%となるようにすることが好ましい。
必要に応じ、例えばジメチルスルホキシドなどを少量加
え、融合を促進することもできる。融合に使用する脾細
胞(リンパ球):ミエローマ細胞株の割合は、例えば
1:1〜20:1とすることが挙げられるが、より好ましくは
4:1〜10:1とすることができる。融合反応を1〜10分間
行い、次にRPMI-1640 培地などの細胞培地を加える。融
合反応処理は複数回行うこともできる。融合反応処理
後、遠心などにより細胞を分離した後選択用培地に移
す。
【0022】5.ハイブリドーマ(融合細胞)の選択及
びモノクローン化 選択用培地としては、例えばヒポキサンチン、アミノプ
テリン及びチミジンを含む、FCS 含有MEM 培地、RPMI-1
640 培地などの培地、所謂HAT 培地が挙げられる。選択
培地交換の方法は、一般的には培養プレートに分注した
容量と当容量を翌日加え、その後1〜3日ごとにHAT 培
地で半量ずつ交換するというようにすることができる
が、適宜これに変更を加えて行うこともできる。また融
合後8〜16日目には、アミノプテリンを除いた、所謂HT
培地で1〜4日ごとに培地交換をすることができる。フ
ィーダーとして、例えばマウス胸腺細胞を使用すること
もでき、それが好ましい場合がある。ハイブリドーマの
増殖のさかんな培養ウェルの培養上清を、例えば放射免
疫分析(RIA) 、酵素免疫分析(ELISA) 、蛍光免疫分析(F
IA) などの測定系、あるいは蛍光惹起細胞分離装置(FAC
S)などで、MMP-10あるいはその断片ペプチドなどを抗原
として用いたり、あるいは標識抗マウス抗体を用いて目
的抗体を測定するなどして、スクリーニングしたり分離
する。目的抗体を産生しているハイブリドーマをクロー
ニングする。クローニングは、寒天培地中でコロニーを
ピック・アップするか、あるいは限界希釈法によりなさ
れうる。限界希釈法でクローニングがより好ましく行う
ことができる。クローニングは複数回行うことが好まし
い。
【0023】6.モノクローナル抗体の製造 得られたハイブリドーマ株は、FCS 含有MEM 培地、RPMI
-1640 培地などの適当な増殖用培地中で培養し、その培
地上清から所望のモノクローナル抗体を得ることが出来
る。大量の抗体を得るためには、ハイブリドーマを腹水
化することが挙げられる。この場合ミエローマ細胞由来
の動物と同系の組織適合性動物の腹腔内に各ハイブリド
ーマを移植し、増殖させるか、例えばヌード・マウスな
どに各ハイブリドーマを移植し、増殖させ、該動物の腹
水中に産生されたモノクローナル抗体を回収して得るこ
とが出来る。ハイブリドーマの移植に先立ち、プリスタ
ン(2,6,10,14- テトラメチルペンタデカン) などの鉱物
油を腹腔内投与した後、ハイブリドーマを増殖させ、腹
水を採取すればよい。腹水液はそのまま、あるいは従来
公知の方法、例えば硫酸アンモニウム沈殿法などの塩
析、セファデックスなどによるゲルろ過法、イオン交換
クロマトグラフィー法、電気泳動法、透析、限外ろ過
法、アフィニティ・クロマトグラフィー法、高速液体ク
ロマトグラフィー法などにより精製してモノクローナル
抗体として用いることができる。好ましくは、モノクロ
ーナル抗体を含有する腹水は、硫安分画した後、 DEAE-
セファロースの如き、陰イオン交換ゲル及びプロテイン
Aカラムの如きアフィニティーカラムなどで処理し精製
分離処理できる。特に好ましくは抗原又は抗原断片(例
えば合成ペプチド、組換え抗原タンパク質あるいはペプ
チド、抗体が特異的に認識する部位など)を固定化した
アフィニティー・クロマトグラフィー、プロテインAを
固定化したアフィニティー・クロマトグラフィーなどが
挙げられる。
【0024】こうして得られたモノクローナル抗体は、
市販のアイソタイプ特異的抗マウスIg抗体、例えばア
イソタイプ特異的ウサギ抗マウスIg抗体などを用いて
その抗体構成鎖の重鎖及び軽鎖のタイプについて調べる
ことができる。MMP-10を特異的に認識できるモノクロー
ナル抗体としては、重鎖のタイプとしてγ鎖、特にはγ
1 鎖、γ2a鎖、γ2b鎖、γ3 鎖などを持つもの、α鎖を
持つもの、μ鎖を持つものが挙げられ、軽鎖のタイプと
してκ鎖を持つものが挙げられる。
【0025】またこうして大量に得られた抗体の配列を
決定したり、ハイブリドーマ株から得られた抗体をコー
ドする塩基配列を利用して、遺伝子組換え技術により抗
体を作製することも可能である。さらにこれら抗体をト
リプシン、パパイン、ペプシンなどの酵素により処理し
て、場合により還元して得られるFab 、Fab'、F(ab')2
といった抗体フラグメントにして使用してもよい。標識
物を付与する抗体としては、IgG 画分、例えば抗体含有
物を硫安分画した後、 DEAE-セファロースの如き、陰イ
オン交換ゲルで処理して得られるIgG 画分など、更には
ペプシン消化後還元して得られる特異的結合部Fab'など
を用いることができる。これらの場合の標識物の例とし
ては、下記するように酵素(ペルオキシダーゼ、アルカ
リホスファターゼあるいはβ-D- ガラクトシダーゼな
ど)、化学物質、蛍光物質あるいは放射性同位元素など
がある。
【0026】本発明の一つの態様では、MMP-10と特異的
に免疫反応するモノクローナル抗体が提供される。本発
明の測定は、イムノアッセイ、例えば競合型イムノアッ
セイまたは非競合型イムノアッセイで行うことができ、
RIA 、ELISA などを用いることができ、B-F 分離を行っ
てもあるいは行わないでその測定を行うこともできる。
好ましくは酵素免疫測定法(EIA) であり、さらにサンド
イッチ型アッセイが挙げられる。さらにはまた標識モノ
クローナル抗体試薬を用いた免疫細胞染色あるいは免疫
組織染色を行うことができる。測定は直接法でも間接法
でもよい。また間接法の変法、例えばPAP 法(ペルオキ
シダーゼ・アンチペルオキシダーゼ法)、ABC 法(アビ
ジン・ビオチン・コンプレックス法)、プロテインA法
などを用いることもできる。
【0027】例えばサンドイッチ型アッセイでは、MMP-
10に対する抗体の一方を標識化し、同じ抗原を認識でき
る他の抗体を固相に固定化する。検体と標識化抗体及び
固相化抗体を必要に応じ順次反応させるためインキュベ
ーション処理し、ここで非結合抗体を分離後、標識物を
測定する。測定された標識の量は抗原、すなわちMMP-10
の量と比例する。このアッセイでは、不溶化抗体や、標
識化抗体の添加の順序に応じてワンステップサンドイッ
チ型アッセイ、フォワード(forward)サンドイッチ型ア
ッセイあるいは逆サンドイッチ型アッセイなどと呼ばれ
る。例えば洗浄、撹拌、震盪、ろ過あるいは抗原の予備
抽出等は、特定の状況のもとでそれら測定工程の中で適
宜採用される。特定の試薬、緩衝液等の濃度、温度ある
いはインキュベーション処理時間などのその他の測定条
件は、検体中の抗原の濃度、検体試料の性質等の要素に
従い変えることができる。当業者は通常の実験法を用い
ながら各測定に対して有効な最適の条件を適宜選定して
測定を行うことが出来る。
【0028】抗原あるいは抗体を固相化できる多くの担
体が知られており、本発明ではそれらから適宜選んで用
いることができる。担体としては、抗原抗体反応などに
使用されるものが種々知られており、本発明においても
勿論これらの公知のものの中から選んで使用できる。特
に好適に使用されるものとしては、例えばガラス、例え
ば活性化ガラス、多孔質ガラス、シリカゲル、シリカ−
アルミナ、アルミナ、磁化鉄、磁化合金などの無機材
料、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、
ポリフッ化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリメタクリ
レート、ポリスチレン、スチレン−ブタジエン共重合
体、ポリアクリルアミド、架橋ポリアクリルアミド、ス
チレン−メタクリレート共重合体、ポリグリシジルメタ
クリレート、アクロレイン−エチレングリコールジメタ
クリレート共重合体など、架橋化アルブミン、コラーゲ
ン、ゼラチン、デキストラン、アガロース、架橋アガロ
ース、セルロース、微結晶セルロース、カルボキシメチ
ルセルロース、セルロースアセテートなどの天然または
変成セルロース、架橋デキストラン、ナイロンなどのポ
リアミド、ポリウレタン、ポリエポキシ樹脂などの有機
高分子物質、さらにそれらを乳化重合して得られたも
の、細胞、赤血球などで、必要に応じ、シランカップリ
ング剤などで官能性基を導入してあるものが挙げられ
る。
【0029】さらに、ろ紙、ビーズ、試験容器の内壁、
例えば試験管、タイタープレート、タイターウェル、ガ
ラスセル、合成樹脂製セルなどの合成材料からなるセ
ル、ガラス棒、合成材料からなる棒、末端を太くしたり
あるいは細くしたりした棒、末端に丸い突起をつけたり
あるいは扁平な突起をつけた棒、薄板状にした棒などの
固体物質(物体)の表面などが挙げられる。これら担体
へは、抗体を結合させることができ、好ましくは本発明
で得られるMMP-10に対し特異的に結合するモノクローナ
ル抗体を結合させることができる。担体とこれら抗原抗
体反応に関与するものとの結合は、吸着などの物理的な
手法、あるいは縮合剤などを用いたり、活性化されたも
のなどを用いたりする化学的な方法、さらには相互の化
学的な結合反応を利用した手法などにより行うことが出
来る。
【0030】標識としては、酵素、酵素基質、酵素イン
ヒビター、補欠分子類、補酵素、酵素前駆体、アポ酵
素、蛍光物質、色素物質、化学ルミネッセンス化合物、
発光物質、発色物質、磁気物質、金属粒子、例えば金コ
ロイドなど、放射性物質などを挙げることができる。酵
素としては、脱水素酵素、還元酵素、酸化酵素などの酸
化還元酵素、例えばアミノ基、カルボキシル基、メチル
基、アシル基、リン酸基などを転移するのを触媒する転
移酵素、例えばエステル結合、グリコシド結合、エーテ
ル結合、ペプチド結合などを加水分解する加水分解酵
素、リアーゼ、イソメラーゼ、リガーゼなどを挙げるこ
とができる。酵素は複数の酵素を複合的に用いて検知に
利用することもできる。例えば酵素的サイクリングを利
用することもできる。
【0031】代表的な酵素標識としては、西洋ワサビペ
ルオキシダーゼ(HRP) などのペルオキシダーゼ、大腸菌
β-D- ガラクトシダーゼなどのガラクトシダーゼ、マレ
エート・デヒドロゲナーゼ、グルコース-6- フォスフェ
ート・デヒドロゲナーゼ、グルコースオキシダーゼ、グ
ルコアミラーゼ、アセチルコリンエステラーゼ、カタラ
ーゼ、ウシ小腸アルカリホスファターゼ、大腸菌アルカ
リホスファターゼなどのアルカリフォスファターゼなど
が挙げられる。アルカリホスファターゼを用いた場合、
4-メチルウンベリフェリルフォスフェートなどのウンベ
リフェロン誘導体、ニトロフェニルホスフェートなどの
リン酸化フェノール誘導体、NADPを利用した酵素的サイ
クリング系、ルシフェリン誘導体、ジオキセタン誘導体
などの基質を使用したりして、生ずる蛍光、発光などに
より測定できる。ルシフェリン、ルシフェラーゼ系を利
用したりすることもできる。カタラーゼを用いた場合、
過酸化水素と反応して酸素を生成するので、その酸素を
電極などで検知することもできる。電極としてはガラス
電極、難溶性塩膜を用いるイオン電極、液膜型電極、高
分子膜電極などであることもできる。酵素標識は、ビオ
チン標識体と酵素標識アビジン(ストレプトアビジン)
に置き換えることも可能である。標識は、複数の異なっ
た種類の標識を使用することもできる。こうした場合、
複数の測定を連続的に、あるいは非連続的に、そして同
時にあるいは別々に行うことを可能にすることもでき
る。
【0032】本発明においては、信号の形成に4-ヒドロ
キシフェニル酢酸、1,2-フェニレンジアミン、テトラメ
チルベンジジンなどと西洋ワサビペルオキシダーゼ、ウ
ンベリフェリルガラクトシド、ニトロフェニルガラクト
シドなどとβ-D- ガラクトシダーゼ、グルコース-6- リ
ン酸・デヒドロゲナーゼなどの酵素試薬の組合わせも利
用でき、ヒドロキノン、ヒドロキシベンゾキノン、ヒド
ロキシアントラキノンなどのキノール化合物、リポ酸、
グルタチオンなどのチオール化合物、フェノール誘導
体、フェロセン誘導体などを酵素などの作用により形成
しうるものが使用できる。
【0033】蛍光物質あるいは化学ルミネッセンス化合
物としては、フルオレセインイソチオシアネート、例え
ばローダミンBイソチオシアネート、テトラメチルロー
ダミンイソチオシアネートなどのローダミン誘導体、ダ
ンシルクロリド、ダンシルフルオリド、フルオレスカミ
ン、フィコビリプロテイン、アクリジニウム塩、ルミフ
ェリン、ルシフェラーゼ、エクォリンなどのルミノー
ル、イミダゾール、シュウ酸エステル、希土類キレート
化合物、クマリン誘導体などが挙げられる。標識するに
は、チオール基とマレイミド基の反応、ピリジルジスル
フィド基とチオール基の反応、アミノ基とアルデヒド基
の反応などを利用して行うことができ、公知の方法ある
いは当該分野の当業者が容易になしうる方法、さらには
それらを修飾した方法の中から適宜選択して適用でき
る。また上記免疫原性コンジュゲート作製に使用される
ことのできる縮合剤、担体との結合に使用されることの
できる縮合剤などを用いることができる。
【0034】縮合剤としては、例えばグルタルアルデヒ
ド、ヘキサメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレン
ジイソチオシアネート、 N,N'-ポリメチレンビスヨード
アセトアミド、 N,N'-エチレンビスマレイミド、エチレ
ングリコールビススクシニミジルスクシネート、ビスジ
アゾベンジジン、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピ
ル)カルボジイミド、スクシンイミジル 3-(2-ピリジル
ジチオ)プロピオネート(SPDP)、N-スクシンイミジル 4
-(N-マレイミドメチル)シクロヘキサン-1- カルボキシ
レート(SMCC)、N-スルホスクシンイミジル 4-(N-マレイ
ミドメチル)シクロヘキサン-1- カルボキシレート、N-
スクシンイミジル (4-ヨードアセチル)アミノベンゾエ
ート、N-スクシンイミジル 4-(1-マレイミドフェニル)
ブチレート、 N-(ε−マレイミドカプロイルオキシ)コ
ハク酸イミド(EMCS)、イミノチオラン、S-アセチルメル
カプトコハク酸無水物、メチル-3-(4'- ジチオピリジ
ル)プロピオンイミデート、メチル-4- メルカプトブチ
リルイミデート、メチル-3-メルカプトプロピオンイミ
デート、N-スクシンイミジル-S- アセチルメルカプトア
セテートなどが挙げられる。
【0035】本発明の測定法によれば、測定すべき物質
を酵素などで標識したモノクローナル抗体試薬と、担体
に結合された抗体とを順次反応させることもできるし、
同時に反応させることもできる。試薬を加える順序は選
ばれた担体系の型により異なる。感作されたプラスチッ
クなどのビーズを用いた場合には、酵素などで標識した
モノクローナル抗体試薬を測定すべき物質を含む検体試
料と共に最初適当な試験管中に一緒に入れ、その後該感
作されたプラスチックなどのビーズを加えることにより
測定を行うことができる。本発明の定量法においては、
免疫学的測定法が用いられるが、その際の固相の担体と
しては抗体等タンパク質を良く吸着するポリスチレン
製、ポリカーボナイト製、ポリプロピレン製あるいはポ
リビニル製のボール、マイクロプレート、スティック、
微粒子あるいは試験管等の種々の材料および形態を任意
に選択し使用することができる。測定にあたっては至適
pH、例えばpH約4〜9に保つように適当な緩衝液系中で
行うことができる。特に適切な緩衝剤としては、例えば
アセテート緩衝剤、クエン酸塩緩衝剤、フォスフェート
緩衝剤、トリス緩衝剤、トリエタノールアミン緩衝剤、
ボレート緩衝剤、グリシン緩衝剤、炭酸塩緩衝剤、トリ
ス−塩酸緩衝剤などが挙げられる。緩衝剤は互いに任意
の割合で混合して用いることができる。抗原抗体反応は
約0℃〜60℃の間の温度で行うことが好ましい。
【0036】酵素などで標識されたモノクローナル抗体
試薬及び担体に結合せしめられた抗体試薬、さらには測
定すべき物質のインキュベーション処理は、平衡に達す
るまで行うことができるが、抗原抗体反応の平衡が達成
されるよりもずっと早い時点で固相と液相とを分離して
限定されたインキュベーション処理の後に反応を止める
ことができ、液相又は固相のいずれかにおける酵素など
の標識の存在の程度を測ることができる。測定操作は、
自動化された測定装置を用いて行うことが可能であり、
ルミネセンス・ディテクター、ホト・ディテクターなど
を使用して基質が酵素の作用で変換されて生ずる表示シ
グナルを検知して測定することもできる。抗原抗体反応
においては、それぞれ用いられる試薬、測定すべき物
質、さらには酵素などの標識を安定化したり、抗原抗体
反応自体を安定化するように適切な手段を講ずることが
できる。さらに、非特異的な反応を除去し、阻害的に働
く影響を減らしたり、あるいは測定反応を活性化したり
するため、タンパク質、安定化剤、界面活性化剤、キレ
ート化剤などをインキュベーション溶液中に加えること
もできる。当該分野で普通に採用されていたりあるいは
当業者に知られた非特異的結合反応を防ぐためのブロッ
キング処理を施してもよく、例えば、哺乳動物などの正
常血清タンパク質、アルブミン、スキムミルク、乳発酵
物質、コラーゲン、ゼラチンなどで処理することができ
る。非特異的結合反応を防ぐ目的である限り、それらの
方法は特に限定されず用いることが出来る。
【0037】本発明の測定方法で測定される試料として
は、あらゆる形態の溶液やコロイド溶液などが使用しう
るが、好ましくは生物由来の流体試料、例えば血液、血
漿、血清、関節液、脳脊髄液、唾液、羊水、尿、その他
の体液、細胞培養液、組織培養液、生検検体、例えば細
胞、組織、臓器、腫瘍組織などが挙げられる。特に好ま
しくは血漿、血清などが挙げられる。本発明の標識モノ
クローナル抗体試薬を用いた免疫細胞染色あるいは免疫
組織染色では、生検検体、例えば細胞、組織、臓器、腫
瘍組織などが好適に用いられ、それら試料は染色前に必
要に応じ固定化することができる。組織の固定化には当
該分野で広く使用されているものあるいはそれから誘導
されたものを使用できる。例えばペリオデイト−リジン
−パラホルムアルデヒド、グルタルアルデヒド、ブア
ン、ホルマリン、パラホルムアルデヒド、ザンボニー、
アクロレインなどが使用できる。またパラフィンなどで
固定化することもできる。キット 本発明はさらに、本発明の前述の組成物成分を1又はそ
れ以上を充填した1又はそれ以上の容器を含む医薬・臨
床検査分野あるいは分析測定分野で許容されるパック及
びキットにも関する。このような (単一あるいは複数
の) 容器と一緒に、医薬、検査薬又は生物学的産物の製
造、使用又は販売を規制する政府機関により指示された
形態の注意書(文書)であって、ヒトに関連した製品の
製造、使用又は販売に関する該政府機関の承認を示して
いる注意書(添付文書)が添付されていてよいものであ
る。上記したような個々の免疫学的測定法(あるいは測
定試薬・キット)を本発明の測定方法(あるいは測定試
薬・キット)に適用するにあたっては、特別の条件、操
作等の設定は必要とされない。それぞれの方法(あるい
は測定試薬・キット)における通常の条件、操作法に当
業者の通常の技術的配慮を加えて、本発明の当該対象物
質あるいはそれと実質的に同等な活性を有する物質に関
連した測定系を構築すればよい。本発明で利用される一
般的な技術手段の詳細については、総説、成書などを参
照することができ、例えば、入江 寛編,「ラジオイム
ノアッセイ」,講談社,昭和49年発行;入江 寛編,
「続ラジオイムノアッセイ」,講談社,昭和54年発行;
石川栄治ら編,「酵素免疫測定法」,医学書院,昭和53
年発行;石川栄治ら編,「酵素免疫測定法」(第2
版),医学書院,昭和57年発行;石川栄治ら編,「酵素
免疫測定法」(第3版),医学書院,昭和62年発行; P.
Tijssen著, 石川栄治監訳, 「エンザイムイムノアッセ
イ」(R. H. Burdon and P. H. van Knippenberg (ed.),
「生化学実験法11」), 東京化学同人, 1989年発行; D.
Catty (ed.), "Antibodies, a practical approach (P
ractical Approach Series)", Vol.I & II, IRL Press,
1989; H. V. Vunakis et al. (ed.), "Methods in Enz
ymology", Vol. 70 (Immunochemical Techniques, Part
A), Academic Press, NewYork (1980); J. J. Langone
et al. (ed.), "Methods in Enzymology", Vol. 73 (I
mmunochemical Techniques, Part B), Academic Press,
New York (1981);J. J. Langone et al. (ed.), "Meth
ods in Enzymology", Vol. 74 (Immunochemical Techni
ques, Part C), Academic Press, New York (1981); J.
J. Langoneet al. (ed.), "Methods in Enzymology",
Vol. 84 (Immunochemical Techniques, Part D: Select
ed Immunoassays), Academic Press, New York (1982);
J.J. Langone et al. (ed.), "Methods in Enzymolog
y", Vol. 92 (Immunochemical Techniques, Part E: Mo
noclonal Antibodies and General Immunoassay Method
s), Academic Press, New York (1983); J. J. Langone
et al. (ed.), "Methods in Enzymology", Vol. 121
(Immunochemical Techniques, Part I: Hybridoma Tech
nology and Monoclonal Antibodies), Academic Press,
New York (1986) などに記載の方法あるいはそこで引
用された文献記載の方法あるいはそれらと実質的に同様
な方法や改変法が挙げられる (それらの中にある記載は
それを参照することにより本明細書の開示に含められ
る) 。
【0038】
【実施例】以下に実施例を掲げ、本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれら実施例に限定されず、様々な実
施形態が可能であり、本発明は本明細書及び図面に開示
の思想に従ったものであるかぎり、すべての実施形態を
包含することは理解されるべきである。なお、明細書及
び図面において、アミノ酸等を略号で表示する場合、IU
PAC-IUB Commission on Biochemical Nomenclature に
よるか、あるいは当該分野において慣用的に使用される
用語の意味に基づくものであり、アミノ酸に光学異性体
が存在する場合は、特に断らないかぎりL-体を示す。全
ての実施例は、他に詳細に記載するもの以外は、標準的
な技術を用いて実施したもの、又は実施することのでき
るものであり、これは当業者にとり周知で慣用的なもの
である。 実施例1 抗原の作製 (a) ヒト口腔扁平上皮癌細胞由来ヒトMMP-10の調製 OSC-20 細胞(Toshikazu Yokoi, Department of Oral a
nd Maxillofacial Surgery, Sapporo Medical School,
Sapporo, Japan)をダルベッコ変法 MEM (DMEM) 培地(G
ibco, Grand Island, NY, U.S.A.)で培養した。まず、1
0%FCS、ペニシリン及びストレプトマイシンを含む DMEM
培地中で、 OSC-20 細胞をコンフルエントまで培養し
た。次に、0.2%ラクトアルブミン水解物100 ng/ml の
12-O-テトラデカノイルフォルボール-13-酢酸 (TPA)を
含み無血清としたDMEM培地で3日間培養し、その培養液
を回収した。U937細胞 (JCRB Cell Bank) から得る場合
は、RPMI-1640 培地 (JRH Biosciences 製)で培養し、
同様に処理した。得られた培養液から、Biochem. J., 2
54, 731-741, 1988 に記載の Okada et al. の方法に従
いヒトMMP-10を精製した。
【0039】培養液をYM-10 メンブラン (Amicon製) を
用いて濃縮し、その濃縮液を 0.15MNaCl, 5mM CaCl2,
0.02% NaN3含有50mMトリス−塩酸緩衝液 (pH8.0)で平衡
化した DEAE-セルロース (Whatman, Maidstone, Kent,
England)カラムに供し、グリコサアミノグリカンを取り
除いた。次に、非吸着画分を同緩衝液で平衡化した Gre
en A Dyematrex gel (Amicon Corp., Danvers, MA, U.
S.A.)カラムに供した。MMP-10の大部分は吸着し、上記
緩衝液に0.05% Brij 35 を加え、NaCl濃度 0.15M〜2.0M
の濃度勾配で溶出させた。溶出画分を分取し、5mM CaCl
2, 0.05% Brij 35, 0.02% NaN3含有10mMトリス−塩酸緩
衝液 (pH8.0)に対し透析後、混在している潜在型MMP-2
及び潜在型MMP-9 をゼラチン- セファロース (Pharmaci
a LKB Biotechnology, Uppsala, Sweden) カラムで取り
除いた。次に潜在型MMP-1 と潜在型MMP-3 は各々のモノ
クローナル抗体を結合させたアフィニティーカラムを用
いて取り除いた。
【0040】非吸着画分にあるMMP-10を分取し5mM CaCl
2, 0.05% Brij 35, 0.02% NaN3含有50mMトリス塩酸緩衝
液 (pH8.0)に対し透析後、同緩衝液にて平衡化した DEA
E-セルロースカラムに供した。ヒト潜在型MMP-10は吸着
し、NaCl濃度 (0 〜500mM)の濃度勾配で溶出させ、0.4M
NaCl, 10mM CaCl2, 0.05% Brij 35, 0.02% NaN3含有50
mMトリス塩酸緩衝液 (pH7.4)で平衡化したウルトロゲル
AcA44 (Pharmacia LKB Biotechnology, Uppsala, Swed
en) カラムによりゲルろ過した。得られた画分をドデシ
ル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲル電気泳動
(SDS-PAGE)に供したところ、大部分が潜在型の 56kDaの
画分であり、さらに活性化された47kDa 及び24kDa 並び
に22kDa の画分が得られた。
【0041】(b) ヒトMMP-10ポリペプチドの調製 ヒトMMP-10ポリペプチドとして、Muller et al., Bioch
em. J., 253, 187-192, 1988に記載のアミノ酸配列を用
いた。ヒト潜在型MMP-10ポリペプチド (AYPLSGAAKEEDSN
KDLAQQY (R17-37)及び ASTEEPLVPTKSVPSGSEM (R267-28
5))をペプチドシンセサイザー9600 (ミリジエン/バイ
オサーチ製)で合成した。なお、ペプチドN末端にシス
テインを導入した。次に14.5mg BSAを 1.45ml の0.1Mリ
ン酸緩衝液 (pH7.0)に溶解したものと、18.3mg EMCS を
200 μl のジメチルホルムアミド (DMF)に溶解したもの
とを混合し、30℃, 30分間インキュベーションした。次
に、上記の混合液を 0.1M リン酸緩衝液(pH7.0) で平衡
化した PD-10カラム (Pharmacia 製) でゲルろ過し、マ
レイミドが結合されたBSA を分取し、2.5 mlに濃縮し
た。マレイミドが結合されたBSA に対し50倍モル量の合
成ヒトMMP-10ポリペプチド(R17-37) 3.6mgを0.752ml 0.
1Mリン酸緩衝液(pH6.0) に溶解したものを混合した。 4
℃、20時間インキュベーションし、ヒトMMP-10ポリペプ
チド(R17-37)-BSA複合体4.87mgを調製した。同様にし
て、ヒトMMP-10ポリペプチド(R267-285)3.1mgより、ヒ
トMMP-10ポリペプチド(R267-285)-BSA複合体4.93mgを得
た。
【0042】実施例2 抗ヒトMMP-10ポリペプチドモノ
クローナル抗体の作製 (a) 抗体産生細胞の調製 実施例1(b) に記載の方法により調製したヒトMMP-10ポ
リペプチド(R267-285)-BSA複合体200 μg をフロイント
完全アジュバントと共に6週令 BALB/c 雌マウス2匹に
腹腔内投与し初回免疫とした。その後17日目に10mMトリ
ス−塩酸緩衝液(pH7.4) に溶解した200 μg ヒトMMP-10
ポリペプチド-BSA複合体で追加免疫した。最終免疫とし
て56日目に追加免疫時と同様にヒトMMP-10ポリペプチド
-BSA複合体107 μg を静脈内に、100 μg を腹腔内に投
与し、3日後にマウス脾臓を取り出し脾臓細胞を調製し
た。ヒトMMP-10ポリペプチド(R17-37)-BSA複合体につい
ても同様に処理し、免疫された脾臓細胞を調製した。
【0043】(b) 細胞融合 (1) 以下の材料及び方法を用いる。 RPMI-1640 培地: RPMI-1640 (JRH Biosciences 製) に
重炭酸ナトリウム (24mM) 、ピルビン酸ナトリウム(1m
M) 、ペニシリンGカリウム (50U/ml) 、硫酸ストレプ
トマイシン (50μg/ml) 及び硫酸アミカシン (100 μg/
ml) を加え、ドライアイスでpHを7.2 にし、0.22μm ミ
リポアフィルターで除菌ろ過する。 NS-1培地:上記RPMI-1640 培地に除菌ろ過したFCS (JRH
Biosciences製) を15%(v/v)の濃度に加える。 PEG 4000溶液:RPMI-1640 培地にポリエチレングリコー
ル4000 (PEG 4000, Merck and CO., Inc. 製) 50 %(w/
w) 無血清溶液を調製する。8−アザグアニン耐性ミエ
ローマ細胞SP2(SP2/0-Ag14) との融合は、SelectedMeth
od in Cellular Immunology (eds. B. B. Mishell and
S. M. Shiigi, W.H. Freeman and Company (1980), 351
〜372 )に記載の Oi and Herzenberg法を若干改変して
行った。
【0044】(2) 前記実施例2(a) 項で調製した有核
脾臓細胞 (生細胞率 100%) とミエローマ細胞 (生細胞
率 100%)とを5:1 の割合で融合した。脾臓細胞とミエロ
ーマ細胞をそれぞれ前記RPMI-1640 培地で洗浄した。次
に、融合させるためにそれぞれ同じ培地に懸濁させた有
核脾臓細胞5×108 とミエローマ細胞1×108 を混合し
た。次に、1,000 r.p.m.で10分間の遠心分離により細胞
を沈殿させ上清を完全に吸引除去した。沈殿した細胞に
37℃に加温したPEG 4,000 溶液2.8 mlを穏やかに攪拌し
ながら1分間で滴下し、1分間攪拌し細胞を再懸濁、分
散させた。次に37℃に加温したRPMI-1640 培地5.6 ml
を2分間で滴下した。同培地15.6mlを2〜3分間で常に
攪拌しながら滴下し、細胞を分散させた。これを1,000
r.p.m.で7分間遠心分離し上清を完全に吸引除去した。
次にこの沈殿細胞に37℃に加温したNS-1培地28mlを速や
かに加え、大きい細胞塊を注意深くピペッティングで分
散させた。さらに同培地56mlを加えて希釈しポリスチレ
ン製96穴マイクロウエル(岩城硝子製)にウエルあたり
6×105 個/0.1mlの細胞を加えた。このマイクロウエル
を7% 炭酸ガス/ 93% 空気中で温度37℃、湿度100%下で
培養した。
【0045】(c) 選択培地によるハイブリドーマの選択
的増殖 (1) 使用する培地は以下のとおりである。 HAT培地:前記実施例2(b) 項で述べたNS-1培地にさ
らにヒポキサンチン(100μM)、アミノプテリン(0.4μM)
及びチミジン(16 μM)を加える。 HT培地:アミノプテリンを除去した以外は上記HAT
培地と同一組成のものである。 (2) 前記実施例2(b) 項の培養開始後翌日(1日
目)、細胞にピペットで HAT培地2滴 (約0.1ml)を加え
た。2, 3, 5, 8日目に培地の半分 (約0.1ml)を新しいHA
T培地で置き換えた。11日目にハイブリドーマの充分な
生育が観察された全ウエルについて、次項(d) 記載のEL
ISA により陽性ウエルを調べた。次に、フィーダーとし
て107 個のマウス胸腺細胞を含むHT培地1ml をポリスチ
レン製24穴セルウエル(住友ベークライト製)の各ウエ
ルに加え、上記で検出された各陽性ハイブリドーマの充
分生育した時点でELISA により陽性を再確認し、それぞ
れについて次項(e) 記載の限界希釈法によるクローニン
グを行った。
【0046】(d) ELISA による抗ヒトMMP-10抗体産生ハ
イブリドーマの検索 Anal. Biochem., 104, 205〜214, 1980 に記載のRennar
d et al.の方法を若干改変した方法を用いて行った。前
記実施例1(b) で調製したヒトMMP-10ポリペプチド 10
0ng/ウエルでもって、96穴マイクロタイトレーション
プレート (Flow Lab. 製) をコートした。これに、前記
実施例2(c) で得られたハイブリドーマ生育ウエルの上
清の一部を加えて、室温で約1時間静置した。2次抗体
として HRP標識ヤギ抗マウス免疫グロブリン (Cappel L
ab. 製) を加え、さらに室温で約1時間静置した。次
に、基質である過酸化水素とo−フェニレンジアミンを
加え発色の程度をマイクロプレートリーダー (MRP-A4,
東ソー製) を用いて 492nmの吸光度で測定した。
【0047】(e) クローニング 前記実施例2(c) の操作後、各ウエル中には2種以上の
ハイブリドーマが生育している可能性があるので、限界
希釈法によりクローニングを行いモノクローナル抗体産
生ハイブリドーマを取得する。NS-1培地 1ml当たりフィ
ーダーとして107 個のマウス胸腺細胞を含むクローニン
グ培地を調製し、96穴マイクロウエルの36ウエル、36ウ
エル、24ウエルにウエル当たりそれぞれ5個、1個及び
0.5 個のハイブリドーマを加える。5日目に全ウエルに
約0.1 mlのNS-1培地を追加した。11日目にハイブリドー
マの充分な生育が認められ、それらについてELISA を行
った。テストした全ウエルが陽性でない場合、抗体陽性
ウエル中のコロニー数を確認し、ウエル中に1コロニー
が確認されたウエルを1個選び、再クローニングする。
最終的にヒトMMP-10に対するモノクローナル抗体産生ハ
イブリドーマ15株が得られた。
【0048】(f) ハイブリドーマによるモノクローナル
抗体の大量産生 ハイブリドーマの増殖は常法によって行う。すなわち、
得られた各ハイブリドーマをNS-1培地などの適当な培養
液で培養し、その培養上清から10〜100 μg/mlの濃度の
モノクローナル抗体を得ることができる。一方、大量に
抗体を得るためには脾臓細胞とミエローマ細胞の由来マ
ウスと同系のマウス(BALB/c)に1匹当たり0.5ml の腫瘍
形成促進剤プリスタン(Aldrich Chem.製) を腹腔内投与
する。1〜3週間後に、各ハイブリドーマ1×107 個を
同じく腹腔内投与し、さらに、その1〜2週間後に4〜
7mg/ml のモノクローナル抗体を含む腹水を得ることが
できる。
【0049】(g) モノクローナル抗体のアイソタイプ 前述したELISA 法に従って、ヒトMMP-10ポリペプチド(R
267-285)をコートしたマイクロタイトレーションプレー
トに各モノクローナル抗体産生ハイブリドーマの培養上
清を加えた。0.05% ツイン20含有PBS で洗浄した後、ア
イソタイプ特異的ウサギ抗マウスIg抗体 (Zymed. Lab.
製) を加えた。0.05% ツイン20含有PBSによる洗浄後、H
RP 標識ヤギ抗ウサギIgG (H+L) 抗体を加え、基質とし
て過酸化水素及び 2,2'-アジノ- ジ(3- エチルベンゾリ
ン硫酸) を用いて検出した。その結果、ヒトMMP-10に対
するモノクローナル抗体 B-1〜B-15が得られた。同様の
操作でヒトMMP-10ポリペプチド(R17-37)−BSA 複合体を
免疫して、ヒトMMP-10に対するモノクローナル抗体 A-1
〜A-4 が得られた。このようにして得られたヒトMMP-10
に対するモノクローナル抗体19種のうち、17個が免疫グ
ロブリン鎖γ1 /κを、1個がγ2a/κを、1個がμ/
κをそれぞれ有していた(表1及び2)。
【0050】
【表1】
【0051】
【表2】
【0052】(h) モノクローナル抗体の精製 前記(f) 項で得られた抗体含有各腹水を40% 飽和硫酸ア
ンモニウム分画後、アフィゲル プロテインA MAPS-II
キット(Bio-Rad製) を用いて精製した。プロテインA
アガロースカラム(φ2.5 ×5 cm)を0.5M NaCl 含有1.
5Mグリシン-NaOH 緩衝液(pH8.0) で平衡化し、抗体含有
透析40% 飽和硫酸アンモニウム画分をそのカラムに供
し、0.1Mクエン酸−クエン酸ナトリウム緩衝液(pH5.0)
で溶出した。上記ハイブリドーマ B-6は、平成10年2月
26日から茨城県つくば市東1丁目1番3号 (郵便番号30
5-8566) の通商産業省工業技術院生命工学工業技術研究
所 (NIBH) に寄託されている(生工研受託番号 FERM P
-16668)。
【0053】実施例3 抗ヒトMMP-10モノクローナル抗
体の作製 (a) 抗体産生細胞の調製 実施例1(a) に記載の方法により調製したヒトMMP-10
(21.3μg)をフロイント完全アジュバントと共に6週令
BALB/c 雌マウス2匹に腹腔内投与し初回免疫とした。
その後18日目に10mMトリス−塩酸緩衝液(pH7.4) に溶解
した 40 μg ヒトMMP-10で追加免疫した。最終免疫とし
て54日目に追加免疫時と同様にヒトMMP-10(50μg)を一
匹のマウスの静脈内に、 50 μg をもう一匹のマウスの
腹腔内に投与し、3日後に二匹のマウスのそれぞれの脾
臓を取り出し脾臓細胞を調製した。
【0054】(b) 細胞融合 材料及び方法は、前記実施例2(b) に準じた。前記実施
例3(a) 項で調製した有核脾臓細胞 (生細胞率 100%)
とミエローマ細胞 (生細胞率 100%)とを5:1 の割合で融
合した。脾臓細胞とミエローマ細胞をそれぞれ前記RPMI
-1640 培地で洗浄した。次に、融合させるためにそれぞ
れ同じ培地に懸濁させた有核脾臓細胞 4.8×108 とミエ
ローマ細胞 9.6×107 を混合した。次に、1,000 r.p.m.
で10分間の遠心分離により細胞を沈殿させ上清を完全に
吸引除去した。沈殿した細胞に37℃に加温したPEG 4,
000 溶液3.2 mlを穏やかに攪拌しながら1分間で滴下
し、1分間攪拌し細胞を再懸濁、分散させた。次に37
℃に加温したRPMI-1640 培地6.4 mlを2分間で滴下し
た。同培地22.4mlを2〜3分間で常に攪拌しながら滴下
し、細胞を分散させた。これを1,000 r.p.m.で7分間遠
心分離し上清を完全に吸引除去した。次にこの沈殿細胞
に37℃に加温したNS-1培地32mlを速やかに加え、大きい
細胞塊を注意深くピペッティングで分散させた。さらに
同培地64mlを加えて希釈しポリスチレン製96穴マイクロ
ウエル(岩城硝子製)にウエルあたり6×105 個/0.1ml
の細胞を加えた。このマイクロウエルを7% 炭酸ガス/ 9
3% 空気中で温度37℃、湿度100%下で培養した。
【0055】(c) 選択培地によるハイブリドーマの選択
的増殖 ハイブリドーマの選択培地による増殖は、前記実施例2
(c) に準じた。 (d) ELISA による抗ヒトMMP-10抗体産生ハイブリドーマ
の検索 Anal. Biochem., 104, 205〜214, 1980 に記載のRennar
d et al.の方法を若干改変した方法を用いて行った。前
記実施例1(a) で調製したヒトMMP-10 50 ng/ ウエルで
もって、96穴マイクロタイトレーションプレート (Fl
ow Lab. 製) をコートした。これに、前記実施例2(c)
で得られたハイブリドーマ生育ウエルの上清の一部を加
えて、室温で約1時間静置した。2次抗体として HRP標
識ヤギ抗マウス免疫グロブリン (Cappel Lab. 製) を加
え、さらに室温で約1時間静置した。次に、基質である
過酸化水素とo−フェニレンジアミンを加え発色の程度
をマイクロプレートリーダー (MRP-A4, 東ソー製) を用
いて 492nmの吸光度で測定した。
【0056】(e) クローニング及びモノクローナル抗体
の大量産生 抗ヒトMMP-10抗体産生ハイブリドーマのクローニングは
前記実施例2(e) に準じた。また、ハイブリドーマによ
るモノクローナル抗体の大量産生は前記実施例2(f) に
準じた。
【0057】(f) モノクローナル抗体のアイソタイプ 前述したELISA 法に従って、ヒトMMP-10をコートしたマ
イクロタイトレーションプレートに各モノクローナル抗
体産生ハイブリドーマの培養上清を加えた。0.05 %ツイ
ン20含有PBS で洗浄した後、アイソタイプ特異的ウサギ
抗マウスIg抗体(Zymed. Lab. 製) を加えた。0.05% ツ
イン20含有PBS による洗浄後、HRP 標識ヤギ抗ウサギIg
G (H+L) 抗体を加え、基質として過酸化水素及び 2,2'-
アジノ−ジ(3- エチルベンゾリン硫酸) を用いて検出し
た。その結果、ヒトMMP-10に対するモノクローナル抗体
C-1〜C-10が得られた。このようにして得られたヒトMM
P-10に対するモノクローナル抗体のサブタイプは、表3
の通りである。上記ハイブリドーマ C-6は、平成11年 3
月 3日から茨城県つくば市東1丁目1番3号 (郵便番号
305-8566) の通商産業省工業技術院生命工学工業技術研
究所 (NIBH) に寄託されている(生工研受託番号 FERM
P-17279)。
【0058】
【表3】
【0059】実施例4 抗ヒトMMP-10モノクローナル抗
体を用いたウエスタンブロッティング 実施例1(a) に従いOSC-20細胞より精製したヒトMMP-10
標品 (56kDa のヒト潜在型MMP-10は、化学的に変化を受
け易いもので、精製後4℃で保存している間にも自然と
自己分解してゆく。また4℃で1ヵ月保存した後では徐
々に分子量 47kDa 、 24 kDa 及び22 kDaのものになっ
ていく) を還元条件下SDS-PAGE (10% total Acrylamid
e) に供した後、サンプルをニトロセルロース・フィル
ターに転写する。次に抗ヒトMMP-10モノクローナル抗体
クローン No. B-6 (2.5 μg/ml) を反応させ、Nomura,
H., et al., Cancer Res., 55, 3263-3266 (1995) に記
載の方法に従ってアビジン・ビオチン・ペルオキシダー
ゼ複合体法により可視化した(ウエスタンブロッティン
グ)。その結果、抗ヒトMMP-10モノクローナル抗体 (ク
ローン No. B-6) は、ヒトMMP-10標品の分子量 56kDaの
ものと反応することが確かめられた (図1) 。また、抗
ヒトMMP-10モノクローナル抗体 (クローン No.B-6)
は、56kDa のヒト潜在型MMP-10から生ずる分子量 47 kD
a 及び24 kDaのものとも反応することが確かめられた。
【0060】実施例5 ヒト潜在型MMP-10の活性化 OSC-20細胞より精製した 56 kDa のヒト潜在型MMP-10
に、最終濃度1mM になるように4−アミノフェニル酢酸
水銀 (4-aminophenylmercuric acetate: 4-APMA)を加
え、37℃で12時間活性化を行い (本処理により、56kDa
のヒトMMP-10は、完全に分子量 47 kDa 、 24 kDa 及び
22 kDaのものにされることが判明している)、生成物を
SDS-PAGE に供した後、サンプルをニトロセルロース・
フィルターに転写する。次に抗ヒトMMP-10モノクローナ
ル抗体クローン No. B-6を反応させ、Nomura, H., et a
l., Cancer Res., 55, 3263-3266 (1995) に記載の方法
に従ってアビジン・ビオチン・ペルオキシダーゼ複合体
法により可視化した(ウエスタンブロッティング)。そ
の結果、分子量 47 kDa 及び24 kDaの位置で、このモノ
クローナル抗体と反応することが確かめられた (図2)
【0061】実施例6 抗ヒトMMP-10モノクローナル抗
体を用いたウエスタンブロッティング 抗ヒトMMP-10モノクローナル抗体クローン No. C-6 に
つき、分子量 47 kDaのヒトMMP-10との反応性を調べ
た。先ず、47 kDaのヒトMMP-10をSDS-PAGE (10%total A
crylamide) に供した後、サンプルをニトロセルロース
・フィルターに転写する。次に抗ヒトMMP-10モノクロー
ナル抗体クローン No. C-6を反応させ、ウエスタンブロ
ッティングを行った。その結果、抗ヒトMMP-10モノクロ
ーナル抗体(クローン No. C-6) は、分子量 47 kDa の
ヒトMMP-10と反応することが確かめられた (図3) 。な
お、同様に、当該クローン No. C-6 抗体とヒトMMP-3
(下記(A) 項記載の方法で精製されたもの) との反応性
を調べたところ、バンドは検出されず、結果、当該クロ
ーン No. C-6は、ヒトMMP-3 とは交差反応しないことが
確かめられた (図3) 。
【0062】本発明で得られるヒトMMP-10に反応するモ
ノクローナル抗体を用いての各種測定・検知のより具体
的な態様としては、例えば、次のようなものが挙げられ
るが、以下の記載に限定されること無く、当業者であれ
ば様々な態様が可能であろう。 (A) モノクローナル抗体のMMPsに対する特異性試験 本発明で得られる特異性の認められたヒトMMP-10に反応
する各モノクローナル抗体は、各種MMPsとの反応性につ
いてそれを調べることができる。 ヒト間質型コラゲナーゼ (ヒトMMP-1):ヒト皮膚線維芽
細胞 CCD-41SK (ATCCNo. CRL 1505) より、Clin. Chim.
Acta, 219, 1-14, 1993 に記載のZhang et al.の方法
に従い精製する。 ヒトゼラチナーゼA (ヒトMMP-2):ヒト新生児皮膚線維
芽細胞 NB1RGB (RCB 222) よりClin. Chim. Acta, 221,
91-103, 1993 に記載のFujimoto et al. の方法に従い
精製する。 ヒトストロメライシン−1 (ヒトMMP-3):上記 NB1RGB
よりClin. Chim. Acta, 211, 59-72, 1992に記載のObat
a et al.の方法に従い精製する。 ヒト好中球コラゲナーゼ (ヒトMMP-8):ヒト胎盤よりCl
in. Chim. Acta, 244,129-143, 1996に記載のMatsuki e
t al.の方法に従い精製する。 ヒトゼラチナーゼB (ヒトMMP-9):ヒト線維肉腫細胞 H
T1080 (ATCC No. CCL121)より J. Biol. Chem., 267, 2
1712-21719, 1992 に記載のOkada et al.の方法に従い
精製する。 組み換えヒトコラゲナーゼ3(MMP-13):J. Biol. Che
m., 271, 1544-1550, 1996に記載のKnauper et al.の方
法に従い精製する。得られたヒトMMPsについてそれぞれ
潜在型及び活性型が共存する条件で 1 mM4-APMA を用
いて37℃で反応(ヒトMMP-1, -2, -8, -13は、30分
間、ヒトMMP-3, -9 は1時間)を行い、この反応液を S
DS-PAGE に供した後、ウエスタンブロッティングを行
う。こうしてヒトMMP-1 、ヒトMMP-2 、ヒトMMP-3 、ヒ
トMMP-8、ヒトMMP-9 、ヒトMMP-13のそれぞれの活性型
及び潜在型とも交差反応せず、ヒトMMP-10に対してのみ
特異的に反応するクローンを確認する。
【0063】(B) 抗ヒトMMP-10モノクローナル抗体を用
いた免疫組織染色 ヒト頭頸部癌、肺癌、肝臓癌及び扁平上皮癌組織からな
る群から選ばれた組織をペリオデイト−リジン−パラホ
ルムアルデヒド固定し、パラフィン切片を作製する。脱
パラフィンしたこれら組織切片中の内因性HRP を過酸化
水素でブロックした後、本発明で得られる抗ヒトMMP-10
モノクローナル抗体と反応させる。次に、その切片をPB
S で充分洗浄しビオチン化抗マウスIgG と反応させた
後、さらにアビジン−ビオチン−HRP 複合体と反応させ
る。上記のようにして得られた切片を、PBS で洗浄した
後、基質としてジアミノベンチジン及び過酸化水素を用
いて発色させる。抗ヒトMMP-10モノクローナル抗体とし
てIgG を用いた免疫組織染色で、上記組織細胞中ヒトMM
P-10を染色できる。こうして本発明で得られる抗ヒトMM
P-10モノクローナル抗体は、免疫組織染色に使用できる
ことが判明し、癌疾患マーカーとして利用できる可能性
を示すことになる。
【0064】(C) ヒトMMP-10の定量法 (a)酵素標識抗体 (IgG-HRP 複合体) の調製 (1) SH基標識IgG の調製 J. Immunoassay, 4, 209〜327, 1983 に記載のIshikawa
et al. の方法に従って抗ヒトMMP-10 IgG-HRP複合体を
調製する。本発明で得られる、ヒトMMP-10のみに対し反
応性が認められたモノクローナル抗体 (IgG)を約0.1Mリ
ン酸緩衝液 (pH約6.5)に対し透析し、その溶液に含有さ
れるIgG に対して約100 倍モルのS-アセチルメルカプト
無水コハク酸をDMF 溶液として加え、約30℃,約30分間
インキュベーションする。次に、約0.1Mトリス−塩酸緩
衝液 (pH約7.0) 約100 μl,約0.1M EDTA 溶液 (pH約6.
0)約10μl,約1Mヒドロキシルアミン溶液 (pH約7.0)約10
0μl を加え、約30℃、約5分間静置後、約5mM EDTA含
有約0.1Mリン酸緩衝液 (pH約6.0)で平衡化した Sephade
x G-25でゲルろ過し、SH基標識抗ヒトMMP-10 IgG画分を
得る。
【0065】(2)マレイミド標識HRP の調製 HRP を約10mg/ml の濃度になるように約0.1Mリン酸緩衝
液 (pH約7.0)にDMF に溶解したEMCSをHRP 量に対して約
25倍モル量加え、約30℃、約30分間反応させる。この反
応液を約0.1Mリン酸緩衝液 (pH約6.0)で平衡化した Sep
hadex G-25カラムでゲルろ過し、マレイミド標識HRP 画
分を分取する。 (3) IgG-HRP複合体の調製 上記 (1)で調製したSH基標識IgG 約1モルに上記 (2)
で得られたマレイミド標識HRP 約5モルを加え、約4℃
で約20時間静置する。この混合液を約0.1Mリン酸緩衝液
(pH約6.5)で平衡化したウルトロゲル AcA 44 カラムで
ゲルろ過し、抗ヒトMMP-10 IgG-HRP複合体画分を分取
し、約4℃で保存する。
【0066】(b)酵素標識抗体(Fab'-HRP 複合体) の調
製 (1) Fab'の調製 本発明で得られる各精製モノクローナル抗体 (IgG)を約
0.1M酢酸緩衝液 (pH約4.2)に溶解し、その溶液を以下述
べるようにしてペプシンで消化する。すなわち、上記Ig
G に対して約2% (w/w)のペプシンを加え、約37℃, 約24
時間消化する。さらにその消化物に、約2Mトリス溶液を
加えてpHを約7.0 に調整することによって反応を停止さ
せ、約0.1Mリン酸緩衝液 (pH約7.0)で平衡化したウルト
ロゲル Ac A44 カラムを用いたゲルろ過により、F(ab')
2 画分を分取する。次に、このF(ab')2 画分を約5mM ED
TA含有約0.1Mリン酸緩衝液 (pH約6.0)中で透析し、最終
濃度10mMとなるようにアミノエタンチオールを加え37℃
で90分間還元した後、約5mM EDTA含有約0.1Mリン酸緩衝
液 (pH約6.0)で平衡化したウルトロゲル Ac A44 カラム
を用いてゲルろ過し、 Fab' 画分を分取する。
【0067】(2) Fab'-HRP 複合体の調製 前記(1) 項で調製した画分中のFab'に対して、上記 (a)
(2) 項で得られた画分中のマレイミド標識HRP として等
モルになるように両画分を混合し、さらにFab'及びマレ
イミド標識HRP の最終濃度が約100 μM となるように、
約5mM EDTA含有約0.1Mリン酸緩衝液 (pH約6.0)で希釈す
る。この混合液を約4℃、約20時間反応後、Fab'の約10
倍モル量のN-エチルマレイミドで未反応のSH基をブロッ
クする。これを約0.1Mリン酸緩衝液 (pH約6.5)で平衡化
したウルトロゲル Ac A44 カラムを用いてゲルろ過し、
Fab'-HRP複合体画分を分取後、約4℃で保存する。
【0068】(c)モノクローナル抗体結合担体の調製 J. Immunoassay, 4, 209〜327, 1983 に記載のIshikawa
et al. の方法に従って、本発明で得られる精製モノク
ローナル抗体を約0.1%アジ化ナトリウム含有約0.1Mリン
酸緩衝液(pH 約7.5)に溶解し、その濃度が約100 μg/ml
となるように調製する。このモノクローナル抗体溶液を
96穴マイクロプレートにウエル当たり約100 μl ずつ加
え、約4℃、約24時間静置する。次にモノクローナル抗
体溶液を除去し、約1%BSA, 約0.1M塩化ナトリウム及び
約10mM EDTA 含有約30mMリン酸緩衝液 (pH約7.0,緩衝液
A)を各ウエルに約300 μl ずつ加え、約4℃で保存す
る。使用時約0.1M塩化ナトリウム含有約10mMリン酸緩衝
液 (pH約7.0,洗浄緩衝液) で約3回洗浄する。
【0069】(d)1ステップサンドイッチEIA 測定系の
検索 ヒトMMP-10を緩衝液A で希釈し96穴ビニルプレート(Fa
lcon)に60μl 加える。各モノクローナル抗体より調製
した酵素標識抗体を1μg/mlとなるように緩衝液A で希
釈し、上記ビニルプレートに各々60μl ずつ加え混和す
る。この混合液を前項(c) で各モノクローナル抗体より
調製した抗体結合プレートに100 μl 加え、室温で2時
間反応させ、洗浄緩衝液で3回洗浄する。次に0.02% 過
酸化水素含有0.1Mクエン酸−リン酸緩衝液 (pH4.9)に溶
解した2mg/ml, o-フェニレンジアミンをウェル当り 100
μl 加え、室温で30分間反応後、2N硫酸 100μl 添加
し、反応を停止させる。この反応混液のA492をマイクロ
プレートリーダー (MPR-A4,東ソー)を用いて測定す
る。
【0070】(e)1ステップサンドイッチEIA 法 緩衝液A で、ヒトMMP-10 (標準試料)あるいはヒトMMP-
10を含む検体を調製し96穴ビニルプレートに各々60μl
加える。次に、上記(C)(a)及び(b) で調製した酵素標識
抗体を 3μg/mlとなるように緩衝液A で希釈し、上記ビ
ニルプレートに60μl ずつ加え混和する。この混合液を
前記(c) で調製した抗体結合プレートに100μl 加え4
℃で24時間反応させ、洗浄緩衝液で3回洗浄する。次
に、0.02%過酸化水素含有0.1Mクエン酸−リン酸緩衝液
(pH4.9) に溶解した 2mg/ml o-フェニレンジアミンをウ
ェル当たり 100μl 加え、室温で30分間反応後、2N硫酸
100μl 添加し反応を停止させる。この反応混液の A
492 をマイクロプレートリーダーを用いて測定し検量線
より、検体中のヒトMMP-10濃度を求める。ヒトMMP-10標
準試料の濃度の上昇に伴って A492 は直線的に増加す
る。
【0071】(f)2ステップサンドイッチEIA 法 緩衝液A で、ヒトMMP-10 (標準試料)あるいはヒトMMP-
10を含む検体を調製し96穴ビニルプレートに各々60μl
加える。次に緩衝液A を上記プレートに各々60ずつ加え
混和する。この混合液を前記(c) で調製した抗体結合プ
レートに 100μl 加え、室温で2時間反応させ、洗浄緩
衝液で3回洗浄する。次に、上記(a) で調製した酵素標
識抗体IgG-HRP を 1μg/mlとなるように緩衝液A で希釈
し、上記プレートに 100μl ずつ加え、室温で1時間反
応させ、洗浄緩衝液で3回洗浄する。次に、0.02% 過酸
化水素含有0.1Mクエン酸−リン酸緩衝液 (pH4.9)に溶解
した 2mg/ml o-フェニレンジアミンをウェル当たり 100
μl 加え、室温で30分間反応後、2N硫酸 100μl 添加し
反応を停止させた。この反応混液のA492をマイクロプレ
ートリーダーを用いて測定し、検量線より、検体中のヒ
トMMP-10濃度を求める。ヒトMMP-10標準試料の濃度の上
昇に伴ってA492は直線的に増加する。
【0072】(g)希釈試験及び同時再現性試験 前記(e) に記載した方法に従い、希釈試験並びに同時再
現性試験を行う。緩衝液A で希釈したヒトMMP-10(標準
試料)あるいは、1/1〜1/32倍に倍数希釈したヒ
ト口腔扁平上皮癌細胞株 (OSC-20細胞) の培養液(Bioc
hem. J., 253,731-741, 1988)及び血清について希釈試
験を行い、ヒトMMP-10 (標準試料)について同時再現性
試験を行う。酵素標識抗体は、上記(b) のFab'-HRPを用
いる。
【0073】(h)添加回収試験 前記(e) に記載した方法において、以下のように添加回
収試験を行うことが可能である。血清 (ヒトMMP-10含
有) に標準試料液(例えば、0, 5, 10, 20及び40 ng/m
l)を各30μl ずつを添加したものを検体とし、60μl の
酵素標識抗体(Fab'-HRP)液を加える。この混合液を抗体
結合プレートに 100μl 加え、前記(e) に記載した方法
と同様にしてヒトMMP-10量を測定し回収率を算出する。
本測定系において特異的にヒトMMP-10を認識している場
合、いずれも十分な回収率が得られる。
【0074】
【発明の効果】本発明は、抗MMP-10モノクローナル抗体
及びそのモノクローナル抗体を用いた免疫学的測定法、
特には、免疫組織染色、酵素免疫測定並びに諸測定法に
基づいて、検体中に存在するMMP-10を定量することを可
能にする。本発明によれば、MMP-10並びにMMP-10−TIMP
s 複合体を選択的に測定したり、検知することができ、
癌の診断や、各種の組織や細胞での疾患や病気などの状
態をモニターする一助となる。また、本発明の測定法並
びにそれに用いる試薬は、広く医学・生理学的分野に用
いられ、該分野での研究、特に組織の修復、組織破壊の
阻止、癌転移抑制あるいは細胞増殖促進などの生理的作
用の研究、更には癌の疾患の研究に有用である。本発明
は、前述の説明及び実施例に特に記載した以外も、実行
できることは明らかである。上述の教示に鑑みて、本発
明の多くの改変及び変形が可能であり、従ってそれらも
本件添付の請求の範囲の範囲内のものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1(a) に従いOSC-20細胞より精製したヒ
トMMP-10標品 (主に56kDa のヒトMMP-10からなる) につ
いて抗ヒトMMP-10モノクローナル抗体を用いたウエスタ
ンブロッティングを行った結果を示す図である。
【図2】56kDaのヒト潜在型MMP-10を活性化処理して得
られた生成物について抗ヒトMMP-10モノクローナル抗体
を用いたウエスタンブロッティングを行った結果を示す
図である。
【図3】47kDaのヒトMMP-10について抗ヒトMMP-10モノ
クローナル抗体クローン No. C-6を用いてのウエスタン
ブロッティングを行った結果(2: レーン2)を示す図で
ある。当該抗体とヒトMMP-3 との反応性についてもその
結果(1: レーン1)が示してある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // C12P 21/08 G01N 33/574 A G01N 33/574 C12N 5/00 B (72)発明者 手嶋 美紀 富山県高岡市長慶寺530番地 富士薬品工 業株式会社内 (72)発明者 米沢 佳代子 富山県高岡市長慶寺530番地 富士薬品工 業株式会社内 (72)発明者 吉田 真一 富山県高岡市長慶寺530番地 富士薬品工 業株式会社内 (72)発明者 岩田 和士 富山県高岡市長慶寺530番地 富士薬品工 業株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】MMP-10と特異的に免疫反応することを特徴
    とするモノクローナル抗体またはそのフラグメント。
  2. 【請求項2】MMP-10の AYPLSGAAKEEDSNKDLAQQY (R17-3
    7) 又は ASTEEPLVPTKSVPSGSEM (R267-285) のアミノ酸
    配列又はその近傍を含む領域を認識することを特徴とす
    る請求項1に記載のモノクローナル抗体またはそのフラ
    グメント。
  3. 【請求項3】請求項1または2に記載のモノクローナル
    抗体またはそのフラグメントを用いることを特徴とする
    免疫学的測定法。
  4. 【請求項4】請求項1または2に記載のモノクローナル
    抗体またはそのフラグメントを用いることを特徴とする
    免疫組織染色法。
  5. 【請求項5】請求項1または2に記載のモノクローナル
    抗体またはそのフラグメントを含むことを特徴とする免
    疫学的測定用試薬。
  6. 【請求項6】請求項1または2に記載のモノクローナル
    抗体を産生することを特徴とするハイブリドーマ細胞。
JP11061973A 1998-03-10 1999-03-09 ストロメライシン―2(mmp―10)に対する抗体 Pending JPH11318449A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11061973A JPH11318449A (ja) 1998-03-10 1999-03-09 ストロメライシン―2(mmp―10)に対する抗体

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7503998 1998-03-10
JP10-75039 1998-03-10
JP11061973A JPH11318449A (ja) 1998-03-10 1999-03-09 ストロメライシン―2(mmp―10)に対する抗体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11318449A true JPH11318449A (ja) 1999-11-24

Family

ID=26403052

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11061973A Pending JPH11318449A (ja) 1998-03-10 1999-03-09 ストロメライシン―2(mmp―10)に対する抗体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11318449A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7041787B2 (en) 2000-12-29 2006-05-09 Kimberly-Clark Worldwide, Inc. Design and use of advanced zinc chelating peptides to regulate matrix metalloproteinases
WO2010090079A1 (ja) * 2009-02-03 2010-08-12 第一ファインケミカル株式会社 ストロムライシン1と特異的に反応するモノクローナル抗体
JP2010531341A (ja) * 2007-06-26 2010-09-24 プロイェクト、デ、ビオメディシナ、シーマ、ソシエダッド、リミターダ 抗線維素溶解処置のための組成物

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7041787B2 (en) 2000-12-29 2006-05-09 Kimberly-Clark Worldwide, Inc. Design and use of advanced zinc chelating peptides to regulate matrix metalloproteinases
JP2010531341A (ja) * 2007-06-26 2010-09-24 プロイェクト、デ、ビオメディシナ、シーマ、ソシエダッド、リミターダ 抗線維素溶解処置のための組成物
WO2010090079A1 (ja) * 2009-02-03 2010-08-12 第一ファインケミカル株式会社 ストロムライシン1と特異的に反応するモノクローナル抗体
CN102300878A (zh) * 2009-02-03 2011-12-28 第一精密化学株式会社 与溶基质蛋白酶1特异地发生反应的单克隆抗体
JP2015013898A (ja) * 2009-02-03 2015-01-22 第一ファインケミカル株式会社 ストロムライシン1と特異的に反応するモノクローナル抗体
JP5663313B2 (ja) * 2009-02-03 2015-02-04 第一ファインケミカル株式会社 ストロムライシン1と特異的に反応するモノクローナル抗体

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3517754B2 (ja) 抗ヒト可溶性フィブリン抗体,ハイブリドーマ及び免疫学的測定法
JPH10287700A (ja) 活性型マトリライシン(mmp−7)に対する抗体及びそれを用いた免疫学的測定法
JP2949467B2 (ja) 免疫学的測定法によるヒトプロマトリックスメタロプロテアーゼ7の定量
JPS602187A (ja) 免疫学的方法による転移性細胞活性の測定法
US5834212A (en) Anti-human stromelysin monoclonal antibody and method for diagnosis of rheumatoid arthritis by enzyme immunoassay
JP2867325B2 (ja) 抗pivka−ii抗体産生ハイブリドーマ及び免疫学的測定方法
EP0401370B1 (en) Enzyme immunoassay according to sandwich method of human iv-type collagen
JP2864219B2 (ja) 遊離の活性型マトリックスメタロプロテアーゼ類の分別定量法
JP3076640B2 (ja) ヒト92kDaゼラチナーゼの免疫学的定量法
JPH11318449A (ja) ストロメライシン―2(mmp―10)に対する抗体
WO1998029560A1 (fr) Anticorps monoclonal contre la collagenase 3 et procede de dosage immunologique utilisant cet anticorps
JP2742886B2 (ja) 好中球コラゲナーゼの免疫学的定量法
JP5840274B2 (ja) ストロムライシン1と特異的に反応するモノクローナル抗体
JP3174492B2 (ja) ウサギmmp−3に対するモノクローナル抗体及びそれを用いた免疫学的測定法
JPH0677017B2 (ja) ヒト▲iv▼型コラーゲンのサンドイツチ酵素免疫学的定量法
JP2518602B2 (ja) ヒトプロテインsに対するモノクロ―ナル抗体を用いた免疫学的測定試薬及びキット
JP2006265138A (ja) ネコトリプシノーゲン及び/又はネコトリプシンに対するモノクローナル抗体
AU768549B2 (en) Monoclonal antibody against canine trypsin
JP3017591B2 (ja) 抗ヒトtimp−2モノクローナル抗体の製法およびその利用
JP2712018B2 (ja) モノクローナル抗体
JPH05207893A (ja) プラスミン−抗プラスミン複合体に対するモノクローナル抗体、その製造方法およびその使用
JP2968538B2 (ja) ヒトラミニンのモノクローナル抗体、その製法および利用
JP2520249B2 (ja) ヒトプロリルヒドロキシラ−ゼの免疫学的測定法による定量法
JPS6265693A (ja) 活性型ヒト血液凝固第▲xi▼因子の免疫学的定量法
JPH0772148A (ja) ヒトiv型コラーゲンのサンドイッチ酵素免疫学的定量用試薬