JP2002541481A - 癌マーカーとしての1型マトリクスメタロプロテイナーゼ組織阻害剤(timp−1) - Google Patents
癌マーカーとしての1型マトリクスメタロプロテイナーゼ組織阻害剤(timp−1)Info
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Abstract
Description
る試験に関する。方法は、体液中のメタロプロテイナーゼ1の組織阻害剤(TIMP-
1)の測定に基づいている。本発明によって、結腸直腸癌を有する患者の早期発
見が可能となる。本発明は非常に特異的であり、炎症性腸疾患のような非悪性疾
患を有する患者は検出されない。もう一つの類似の阻害剤であるTIMP-2の測定は
、同等の臨床的価値を示さず、このことは、本発明のさらなる特異性レベルを示
している。
イナーゼ組織阻害剤(TIMP-1)の測定に基づく。TIMP-1濃度は、総TIMP-1濃度、
遊離TIMP-1濃度、TIMP-1とMMP'sとの複合体の濃度および/またはその比および分
画のいずれかとして決定することができ、以降、これらをTIMP-1レベルと呼ぶ。
本発明に従って、癌、例えば結腸癌を有する可能性が高い人は、体液中のTIMP-1
レベルの上昇によって特定することができ、TIMP-1レベルが低い人は、癌、例え
ば結腸癌を有する可能性が低い。このように、本発明は、初期段階の非症候性の
癌、例えば結腸癌を有する可能性が高い人を特定するために用いることができる
。特定された人は、精密検査を行わなければならず、癌が発見されれば、患者は
手術、放射線照射、および/またはアジュバント抗新生物治療を受け、それによ
って、個人の癌を治癒する可能性は増加するはずである。
リカでは毎年新しい症例約130,000例が認められる。全ての結腸直腸癌患者の40
〜50%が初期段階の疾患(デュークスのAまたはB期)であると診断されるであろ
う。初期段階の結腸直腸癌を有するこれらの患者のほとんどが、手術のみによっ
て治癒することが可能である。このように、再発のリスクは、初回手術時の疾患
の段階に密接に関連し、デュークスのA期では再発率は約10%、デュークスのB期
では再発率は25〜30%である。デュークスのC期の患者は術後の5年再発率が70
%であり、アジュバント化学療法を受ける。再発後、疾患のために死亡するリス
クは有意である。このように、生存を改善する一つの方法は、初期段階であると
診断される患者数を増加させることである。結腸直腸癌のスクリーニングは、生
存を改善させることが示されているが、しかし、現行の検査は、コンプライアン
スの欠如、低い感度、および厳密な食事制限の必要性という欠点を有する。この
ように、結腸直腸癌の早期検出のために新しい、改善された試験を開発すること
が必要である。
潤および転移の調節に関与する分子は、可能性がある診断/予後標的として魅力
的である。癌細胞によってまたは腫瘍間質の細胞によって誘導される蛋白質溶解
酵素は、細胞外組織の分解に関与し、これが癌細胞の浸潤および転移に至ること
は十分に確立されている。多くの酵素がこのプロセスに関与しており、中でも最
も十分に研究されている酵素は、コラゲナーゼおよびストロメリシンのようなメ
タロプロテイナーゼ、ならびにプラスミンのようなセリンプロテアーゼである。
最近、これらの分子は、遊離で、または複合体と結合して、腫瘍組織から放出さ
れて、循環中に入ることを示すデータが発表されている。
心的な役割を有しており、細胞外マトリクスの酵素的分解に関与している(リオ
ッタら(Liotta)、1991;ステトラー・スティーブンソン(Stetler-Stevenson
)ら、1993;マクドーガル&マトリシアン(MacDougall and Matrisian)、1995
)。MMP'sの天然に存在する阻害剤である、MMP's組織阻害剤(TIMP's)は、MMP'
sの活性型と堅固な1:1化学量論的複合体を形成し(ウェイガス(Weigus)ら、1
985;クライナー(Kleiner)ら、1993)、それによってこれらの酵素の触媒活性
を阻害する(ステトラー・スティーブンソン(Stetier-Stevenson)ら、1996;
ゴールドバーグ(Goldberg)ら、1992;ビルケダール・ハンセン(Birkedal-Han
sen)ら、1993)。MMP'sのマトリクス分解特性とTIMP'sの阻害作用との均衡は、
正常な生理条件において厳密に調節されており(マトリシアン(Matrisian)、1
992;ソールガイアソン(Thorgeirsson)ら、1993;ビルケダール・ハンセン(B
irkedal-Hansen)ら、1993)、悪性組織ではこの均衡が破壊されている可能性が
ある。
ラーク(Clark)ら、1991)およびTIMP-2(フジモト(Fujimoto)ら、1993)を
検出するために多くの酵素結合イムノアッセイが記述されている。これらのアッ
セイは、体液、例えば血清、血漿、羊水、脳脊髄液、尿に適用されているが、調
べた試料の数は、健康な人におけるTIMPレベルの正常範囲を確立するには十分で
はなかった(コダマ(Kodama)ら、1989;クラーク(Clark)ら、1991)。さら
に、これらのアッセイのいずれも、技術面での実施または臨床での使用に関して
十分に確認されていない。
997)の研究において、TIMP-1 mRNAの高い腫瘍/正常組織比が、浸潤の増加と予
後の不良に関連することが判明した。しかし、前立腺癌患者および健康な献血者
の血清中のTIMP-1蛋白質レベルは、高度の重なりを示した(ベイカー(Baker)
ら、1994)。同様に、前立腺癌患者と健康献血者の血漿を個々に調べたところ、
2群のTIMP-1レベルに差を認めなかった(ユング(Jung)ら、1997)。
P-1の研究(ツッカー(Zucker)ら、1995)から、健康な対照者と比較して転移
疾患を有する癌患者の血液試料では有意に高いレベルを示し、TIMP-1:MMP-9複
合体のレベルが高い患者は生存期間がより短いことが示された(ツッカー(Zuck
er)ら、1995、および米国特許第5,324,634号)。しかし、この研究には、総TIM
P-1または遊離TIMP-1の測定が含まれておらず、現在までに約24個が同定されて
いるMMP'sの1つとTIMP-1との複合体を調べたに過ぎなかった。さらに、これらの
研究では、乳癌患者と健康献血者のあいだで複合体レベルの差を認めなかった。
同様に、この研究には、初期段階の癌患者が含まれていなかった。
ングするために非常に感度がよく特異的なマーカーは、重大でアンメット(unme
t)に必要である。そのようなマーカーは、初期段階の癌を有する確率が高い患
者を特定することができるはずである。これらの人は精密検査を行わなければな
らず、癌が発見されれば、彼らはその後手術、放射線照射、またはアジュバント
抗新生物治療を受けなければならない。
ニズムにおいて中心的な役割を果たしているように思われるため、これらの分子
は、癌発生プロセスにおいて非常に初期の時点で発現されている可能性がある。
これらの分子の多くが、細胞外でその生物作用を発揮するため、それらは初期段
階の浸潤性悪性疾患を有する患者においても、体液中のレベルが上昇している可
能性がある。その上、これらの分子は、悪性進行のより基礎的な特徴、例えば浸
潤および転移に関与しているため、どのタイプの癌がこれらの分子の増加を示す
かを調べなければならない。
総、複合および/または遊離TIMP-1レベルの量、ならびにその比および分画を決
定することを含む、患者において結腸直腸癌の診断に役立つ方法に関する。
決定する段階、およびパラメータが識別値またはそれ以上であれば、個人が癌を
有する可能性が高いこと、パラメータが識別値またはそれ以上でなければ個人が
癌を有する可能性が低いことを示す段階を含む、人が癌を有する可能性があるか
否かを決定する方法に関する。
-1は遊離型とメタロプロテイナーゼとの複合型の両者として存在し、重要なパラ
メータはTIMP-1の総濃度、すなわち、遊離型のTIMP-1および複合型のTIMP-1の総
和であることが判明した。濃度そのもの以外の他の発現も、例えば係数を乗じた
濃度等も、濃度を表しうると理解され、そのような他の表示も、対応する調節が
行われる限り、本発明の目的に等しく良好に用いることができると理解される。
、健康な対照集団と癌であることが既知の集団の両者においてパラメータを測定
し、それによって健康な対照集団と癌患者集団のパラメータ値と既知の臨床デー
タとの関係の分析に基づいて既定の特異性または既定の感度のいずれかによって
、癌集団を同定する識別値を決定することによって決定された値である。このよ
うにして決定された識別値は、今後の個々の試験において同じ実験設定に関して
有効である。
ち、体液試料において既定の診断レベルより高いTIMP-1濃度を表すパラメータを
有する人)の割合として定義される。感度は、記述の方法によって正確に同定さ
れる陰性者(すなわち、体液試料において、既定の診断レベルより低いTIMP-1濃
度を表すパラメータを有する人)の割合として定義される。
-1の濃度閾値は、特異性90%で総TIMP-1の50〜160 μg/Lの範囲であることが判
明した。他の実験設定および他のパラメータによっては他の値となるが、これら
は本明細書の教示に従って決定することができるであろう。
リスクが増加していると既に特定された集団、例えば、遺伝的素因を有する人、
発癌物質に暴露された人、または癌の素因となる非悪性疾患を有する人に適用す
る。結腸直腸癌の場合、本発明のために選択される集団は、ポリープの既往を有
する人、クローン病または潰瘍性大腸炎患者、家族の1人またはそれ以上に結腸
直腸癌の既往を有する人、または早期結腸直腸癌を切除したことが個人となりう
るであろう。
検査に回付しなければならない。癌が発見されれば、患者は、癌患者の治癒をね
らいとした手術、放射線照射、またはアジュバント抗新生物治療を受けることが
できる。
および確認について記述する。健康な献血者の血清総TIMP-1の範囲は非常に狭い
ことが記述されている。
実行、および確認は、MMP-9に対するポリクローナル抗体を捕獲段階で用いるこ
とを除いては、総TIMP-1の場合と類似である。MMP-9抗体を別のMMPに対する抗体
と置換することによって、TIMP-1と別のMMP'sとの複合体を定量することができ
る。
する。このアッセイは、非複合体型のTIMP-1のみを認識するモノクローナル抗TI
MP-1抗体(MAC 19)を利用する。このように、このアッセイは、試料中の遊離TI
MP-1量を測定するであろう。このアッセイの実行および確認は、総TIMP-1に関す
るアッセイの場合と同様である。
-1の全ての複合体型の濃度を決定することができる。TIMP-1 は、多くのMMP'sと
複合体を形成することが可能であり、したがって、TIMP-1の総量から1つのタイ
プの複合体を差し引いても、この特異的MMPと複合体を形成していないTIMP-1の
分画に関する情報を提供するに過ぎないことを強調しなければならない。
レベルが有意に上昇していることを示す。全ての結腸直腸癌患者および健康な献
血者の血漿における総TIMP-1レベルのパーセンタイルプロットから、119.1 μg/
Lという総TIMP-1濃度が、健康献血者の90%パーセンタイルであることが示され
る。このカットオフを用いると、結腸直腸癌患者の68%が血漿TIMP-1レベルが上
昇していると特定された。結腸癌患者を個別に分析すると、血漿中の総TIMP-1測
定によって、90%の診断特異性で(健康献血者の10%は高いと分類された)結腸
癌患者の75%(診断感度)が特定されることが示された。同様に、直腸癌患者単
独についても、血漿中の総TIMP-1測定により、90%の診断特異性で直腸癌患者の
60%が特定された。より高いまたはより低い感度または特異性が望ましい場合、
カットオフ値を変化させることができる。これは図13において説明し、結腸直腸
癌患者からの血漿における総TIMP-1のROC曲線を示す。さらに、結腸および直腸
癌患者の個々の群に関しても、ROC曲線を含める。これらのROC曲線に由来しうる
他の任意の情報は、本発明の範囲内に入る。
独立したプロスペクティブ試験によって、上記の試験から得られたデータが確認
された(図15)。自動イムノアッセイにおいて異なる抗体(抗TIMP-1 11E/C6、
抗TIMP-1 PRU-T6)を用いる健康な献血者180人と結腸直腸癌患者20人に関するさ
らなる試験は、これまでの臨床結果のさらなる確証となった。その上、自動アッ
セイから得られた絶対値は、実施例1に記載したアッセイによって得られた値と
高い程度の相関を示した(r=0.9)。
す疾患の初期段階の検出能に関連している。総TIMP-1は、結腸直腸癌患者の総集
団の場合と同様に、初期結腸直腸癌(デュークスAおよびB期)においても効率的
なスクリーニングマーカーであることが示された(図14)。このように、総TIMP
-1を用いたスクリーニングによって、初期段階の癌であると診断される患者の数
が増加するであろう。同様に、図14に由来しうる任意の情報は、本発明の範囲内
である。
ことによって、総TIMP-1の測定は、初期段階の右側の結腸癌病変を有する患者を
同定するために特に有用であることが判明した(図14)。
の効率に基づいているが、非悪性疾患を有する患者は、疑陽性被験者として特定
されてはならない。結腸直腸癌の場合、試行中の試験は、結腸と直腸の悪性疾患
と非悪性疾患とを識別できることが重要である。クローン病および潰瘍性大腸炎
のような疾患を有する患者は癌を発症するリスクがより高いために、このことは
、これらの疾患の場合には特に重要である。
)患者より有意に高いことが示され、このことはIBD患者の集団において総TIMP-
1を結腸直腸癌のスクリーニングに用いることができることを示している。TIMP-
1が非悪性疾患では増加していないことは、リウマチ性関節炎患者は血漿TIMP-1
レベルが増加していないことを証明した最近の論文(ケイサー(Keyser)ら、19
99)からも支持されている。同様に、IBD患者(急性活動期疾患であると臨床的
に評価された患者は除く、n=4)と健康な献血者における総TIMP-1レベルを比
較しても、総血漿TIMP-1レベルに有意差は認められず(p=0.56)、このことは
、これらの非悪性疾患が疑陽性試験結果を生じないことを示している。
記述する。癌胎児抗原(CEA)を、全ての癌患者および健康な献血者試料におい
て測定した。CEAと、実施例1において記載したアッセイによって測定したTIMP-1
レベルとを組み合わせると、CEA単独では98%特異性で35%感度を生じるのに対
し、ロジスティック回帰分析によって決定したCEAと総TIMP-1とを組み合わせた
感度は、特異性を犠牲にすることなく57%に増加することが示された。
1レベルが有意に上昇していることが示される。健康な献血者からの遊離TIMP-1
レベルと共に結腸直腸癌患者からの遊離TIMP-1レベルを含むパーセンタイルプロ
ットにより、結腸直腸癌患者の遊離TIMP-1レベルが献血者と比較して有意に上昇
していることを示した、p=0.02。これらの患者と献血者についてROC曲線を作製
したところ(図18)、遊離TIMP-1の曲線下面積(AUC)が0.61を示すことが認め
られた。
セイを用いることについて記述する。
れかとして存在することが知られている。総TIMP-1、複合体形成TIMP-1および遊
離TIMP-1の測定によって、診断的価値の可能性に関してこれらの種のそれぞれを
確認することが可能である。さらに、異なる種間の比または由来するアルゴリズ
ムを計算することが可能であり、これはさらなる診断的価値を提供するであろう
。
る。
合わせると、AUCの有意な増加が示されることを、データは示している。図18に
由来しうる任意の情報は、本発明の範囲内に含まれる。
の有効性に基づくが、非悪性疾患を有する患者は疑陽性として同定されてはなら
ない。しかし、試験は、全ての癌のマーカーであるよりは、特定のタイプの癌、
例えば結腸癌に対して特異的であることが望ましいであろう。
術前の血液試料における総血漿TIMP-1値を、健康な献血者108人における総TIMP-
1レベルと比較して記述する。乳癌患者は総TIMP-1レベルの中央値が88.3 μg/L
であるのに対し、健康献血者は、総TIMP-1の血漿濃度の中央値が88.9 μg/Lであ
ることが示された。これらの値の差は、臨床的に有意ではなく、結腸直腸癌の診
断に関するTIMP-1レベルの特異性の根拠となる。しかし、血清中TIMP-1レベルの
上昇が初期の非結腸直腸癌患者において発見されるか否かを調べなければならな
い。
であり、健康な献血者のレベルより有意に高い。これは、乳癌患者の管理に血漿
TIMP-1レベルを用いる可能性を示している。
組織阻害剤である。TIMP-2に対する特異的イムノアッセイを用いて、この阻害剤
の濃度を、結腸直腸癌患者と健康な献血者の血漿試料において決定した。2つの
集団の血漿TIMP-2レベルには有意差を認めず、結腸直腸癌の早期診断の補助とし
てのTIMP-1の独自の価値を支持している。
について説明する。さらに、本実施例は、男女の健康な献血者におけると共に異
なる血漿調製物におけるTIMP-1レベルに関する情報を提供する。
女性43人(中央値;36歳)を含む、見かけ上健康なボランティア献血者94人から
まず得た。その後の採血において、年齢19〜59歳の男性56人(中央値;42歳)お
よび年齢20〜60歳の女性44人(中央値;36.5人)を含む献血者試料100例を得た
。献血者全員からインフォームドコンセントを得て、地域の倫理委員会から許可
を得た。
2分間のうっ血が認められた)末梢血を予め冷却したクエン酸、EDTA、またはヘ
パリン回収管(ベクトン・ディッキンソン社、マウンテンビュー、カリフォルニ
ア州)に採取して、倒立させて5回混合し、直ちに氷中で冷却した。可能な限り
速やかに(採血後1.5時間以内)血漿と血球を4℃で1,200×gで30分間遠心分離
して、アッセイするまで-80℃で凍結保存した。血漿プールは、献血者少なくと
も10人から新しく採取した試料について作製し、-80℃で凍結保存した。分析す
る場合は、試料を37℃の水浴中で急速に融解して、必要となるまで氷中で保存し
た。
Hembry)ら、1995)を用いて、感度のよい特異的サンドイッチELISAを準備した
。ヒツジポリクローナル抗TIMP-1抗血清(ヘンブリー(Hembry)ら、1985;マー
フィー(Murphy)ら、1991)を抗原捕獲のために用いて、マウスモノクローナル
抗TIMP-1 IgG1(MAC-15)(クックスレイ(Cooksley)ら、1990)を抗原検出の
ために用いた。ウサギ抗マウス免疫グロブリン/アルカリフォスファターゼ結合
体(カタログ番号D0314、ダコ社、グロストルップ、デンマーク)は二次検出試
薬であった。後者の結合体は、ヒトIgGに対して予め吸収して供給され、このた
め、血漿試料中のIgGと交叉反応性がない。モノクローナル検出抗体MAC-15は、
遊離TIMP-1およびTIMP-1とMMP'sとの複合体の両者を認識するため(クックスレ
イ(Cooksley)ら、1990)、ヒツジポリクローナル抗TIMP-1抗血清によって捕獲
された総TIMP-1含有量をELISAによって定量した。
、デンマーク)をポリクローナルヒツジ抗TIMP-1の0.1 モル/L炭酸緩衝液溶液、
pH 9.5の100 μL/ウェルによって37℃で1時間コーティングした。次に、燐酸緩
衝生理食塩液(PBS)によって1:1に希釈したスーパーブロックJ溶液(ピアスケ
ミカルズ社、ロックフォード、イリノイ州)200 μL/ウェルによって、ウェルを
2回すすいだ。マイクロタイタープレートは-20℃で14日間まで保存した。分析
当日、プレートを室温で融解して、1 g/Lツイーンを含むPBSで5回洗浄した。
。標準物質は、精製TIMP-1の保存液を連続希釈することによって調製した。標準
物質の濃度は、10、5、2.5、1.25、0.625、0.313、および0.156 μg/Lであった
。各プレートには、試料希釈緩衝液のみを含むブランクおよびクエン酸血漿プー
ルの100倍希釈から調製した対照2個を含めた。プレートの最初の試料として第
一の対照を加えて、第二の対照を最後として加えた。血漿試料は全て、50 mol/L
燐酸、pH 7.2、0.1 mol/L NaCl、10 g/Lウシ血清アルブミン(分画V、ベーリン
ガー・マンハイム社、ペングバーグ、ドイツ)および1 g/Lツイーン20からなる
試料緩衝液で100倍希釈した。各標準物質、ブランク、対照および患者の試料全
体で100 μL/ウェルを30℃で1時間プレート上でインキュベートした。標準物質
、ブランク、対照、および試料は全て、アッセイ毎に各プレートについて1試料
あたりウェル3個で行った。最初のインキュベーション後、ウェルを5回洗浄し
てから、精製MAC-15モノクローナル抗体(0.5 mg/L)の試料希釈緩衝液溶液の10
0 μL/ウェルによって30℃で1時間処理した。さらに5回洗浄した後、ウェルを
試料希釈緩衝液で2000倍希釈したウサギ抗マウス免疫グロブリン(Ig)/アルカ
リフォスファターゼ結合体100 μL/ウェルと共に30℃で1時間インキュベートし
た。洗浄液によって5回洗浄して、蒸留水で3回洗浄した後、新たに調製した燐
酸p-ニトロフェノール(シグマ社、セントルイス、ミズーリ州)基質溶液(0.1
mol/Lトリス塩酸、pH 9.5、0.1 mol/L NaCl、5 mmol/L MgCl2において1.7 g/L
)100 μLを各ウェルに加えた。プレートはセレス900Jプレートリーダー(バイ
オテックインストルメンツ、ウィノースキー、バーモント州)に置いて、23℃で
黄色の発色を自動的にモニターした。読みは、405 nmで空気ブランクに対して10
分ごとに1時間読み取った。キネティカルクIIソフトウェアを用いて各ウェルの
色の形成速度を計算することによってデータを分析し(直線回帰分析)、4パラ
メータ適合標準曲線を作製して、各血漿試料のTIMP-1濃度を計算した。
倍希釈液を加えた後に測定した。精製TIMP-1を血漿プールに加えて、0〜10 μg/
Lの範囲の最終濃度を得た。それぞれの場合の回収率は、濃度の関数としてTIMP-
1シグナルを表す直線の勾配から計算し、100%回収は、TIMP-1を試料緩衝液にお
いて希釈した場合に得られた勾配として定義した。
らのクエン酸血漿を10倍希釈して、ポリクローナルヒツジ抗TIMP-1と共に予めイ
ンキュベートしたプロテインA-セファロースカラムに加えた。5サイクル後、結
合した蛋白質をカラムから溶出させて、得られた溶出液50 μLを12%SDS-ゲル電
気泳動上で泳動させた(レディゲルJ、バイオラド社)。低分子量(ファルマシ
ア社)および高分子量マーカー(バイオラド社)ならびにTIMP-1標準物質(100
μg/L)50 μLのラムリ試料緩衝液での混合液をゲル上で泳動させた。蛋白質は
、電気泳動によってゲルから二フッ化ビニリデン樹脂(PVDF)メンブレン(ミリ
ポア社)に転写させた。メンブレンを1%スキムミルク粉末のTBS溶液と共に室温
で1時間インキュベートした。洗浄後、メンブレンをMAC-15 20 mlと共に室温で
1時間インキュベートした。次に、メンブレンを洗浄して、1000倍希釈したウサ
ギ抗マウスIg/アルカリフォスファターゼ結合体20 mlと共に室温でさらに1時間
インキュベートした。最後に、メンブレンを洗浄して、燐酸基質溶液(NBT/BCIP
)を加えて発色させた。
て時間の比例関数として進行し(図1)、適合させた直線の相関係数は典型的に
0.99以上であった。TIMP-1濃度に対してプロットした速度の標準曲線は、直線お
よびS字曲線の上部曲線領域(0〜5μg/Lの範囲)からなり、4パラメータ適合
の相関係数は典型的に0.999より良好であった(図2)。TIMP-1なし(空気ブラ
ンクに対する読み)の速度は、1.21±0.15(平均値±SD)ミリ吸光度単位/分で
あったのに対し(n=29)、標準物質TIMP-1の10 μg/Lによる速度は、50.3±6.0
1ミリ吸光度単位/分(n=29)であった。TIMP-1ブランクに関して平均値より上
の3SDのシグナルに対応するTIMP-1の濃度として定義されるアッセイの検出限界
は、0.089 μg/Lであった。この値は、健康なクエン酸血漿試料においてTIMP-1
の測定濃度の平均値の13%であった。対照クエン酸血漿プール16個に関するアッ
セイ間変動係数(CV)は、5.3%であり、血漿プールの29連続アッセイに関する
アッセイ間CV(異なる日に実施)は6.2%であった。この血漿プールは57.8 μg/
LというTIMP-1濃度を有し、正常な人の22パーセンタイルに相当する。
のパネルに精製TIMP-1の増加濃度を加えた後に、シグナルを測定することによっ
て決定した。回収は、クエン酸血漿において104%であり、希釈したEDTA血漿で
は101%、および希釈したヘパリン血漿では87%(図3)であった。このように
、内部標準物質からのTIMP-1シグナルの回収は、血漿の全ての調製物に関して許
容された。
シグナルの直線的な減少に関して調べた。クエン酸、EDTAおよびヘパリン血漿は
全て、希釈の関数としてシグナルの良好な直線性を示した。その後の定量のため
に選択した1%血漿希釈液は、この直線希釈曲線の範囲内に入っている。
い遊離TIMP-1(図4、レーン1)に対応する28 kDaの明確なバンド(図4、レー
ン2)を示した。MMP'sとTIMP-1との複合体、すなわちMMP-2:TIMP-1、100 kDa
に対応する予想されるより高い分子量にバンドを認めなかった。このことは、TI
MP-1の主な部分が血漿において遊離型として存在するか、または複合体がSDS-PA
GEの際に解離したかのいずれかであることを示している。試料は、血漿試料中に
存在する任意の複合体も保持するために非還元で加熱されないままであったが、
MMP:TIMP複合体が、非還元状態においても(モウシアキス(Moutsiakis)ら、1
992)SDS-PAGEにおいて不安定である可能性が報告されている(ウィルヘルム(W
ilhelm)ら、1989;ステトラー・スティーブンソン(Stetler-Stevenson)ら、1
989;モール(Moll)ら、1990)。
試験に利用した。これらの試料は、乏血小板血漿として特に採取しなかった。し
かし、乏血小板血漿として調製した試料の少数の代表的な試料は、総TIMP-1値に
有意差を示さなかった。これらの試料における総TIMP-1レベルのパーセンタイル
プロットを図5aに示す。各セットにおける値は、正規分布を近似した。クエン酸
血漿TIMP-1レベルは、55.0〜90.3 μg/Lの範囲(10〜90パーセンタイル)であり
、平均値は69.2±13.1 μg/Lであった。同様に、EDTA血漿TIMP-1レベルは、58.0
〜91.8 μg/Lの範囲であり、平均値は73.5±14.2 μg/Lであった。クエン酸とED
TA血漿の両者に関して、TIMP-1の平均値は、中央値のレベルに近似していた(表
1)。対応のある平均値の比較により、クエン酸血漿におけるTIMP-1のレベルは
、同じ人からのEDTA血漿レベルより4.34 μg/L(95%CI、2.34〜6.33(p<0.000
1))有意に低いことが示された。しかし、この差は、血漿採取の際の採取手順
の変動による可能性がある。EDTA血漿管は、乾燥抗凝固剤を含むのに対し、クエ
ン酸血漿管は少量の液体クエン酸緩衝液を含み、これは小さく多様な希釈の定誤
差を生じた(×9/10)。クエン酸血漿におけるTIMP-1レベルは、同じ人からのED
TA血漿のレベルと相関した。図5bに示す直線回帰プロットは、適合線0.93の勾配
で回帰係数0.99を示し、おそらくこの小さい希釈誤差を説明している。データセ
ットにスピアマンの非母数階数相関検定を行うと、rho値は0.62でp<0.0001を生
じた。
100本とを含む、健康な献血者から採取したクエン酸血漿試料全194本をアッセイ
した。図6は、これらの2つの独立した群において測定したTIMP-1レベルのパー
センタイルプロットを示す。最初の採取からのクエン酸血漿におけるTIMP-1レベ
ルの基準範囲は53.3〜77.7 μg/L(10〜90パーセンタイル)で、平均値は65.4±
10.1 μg/Lであり、これは中央値とほぼ類似で(表1)、正規分布を近似した。
2回目の採取についてのTIMP-1レベルの平均値は、69.2±13.1 μg/L(基準範囲
55.0〜90.3 μg/L)であった。対応のない平均値の比較により、異なる期間に採
取した2つの組の試料におけるTIMP-1レベルの差は3.82 μg/Lに過ぎないことが
示された(95%CI;0.50〜7.14 μg/L;p=0.024)。その上、各組のアッセイに
含めた対照(n=8)のあいだに有意差を認めなかった(平均の差0.36 μg/L;9
5%CI、1.71〜2.44 μg/L;p=0.69)。クエン酸血漿試料194本全てのTIMP-1レ
ベルの平均値は、67.3±11.8 μg/Lであり、中央値66.1 μg/Lに近似しており、
このレベルはまた、正規分布を近似した(基準範囲54.0〜82.7 μg/L)。
った。性別に従って計算したクエン酸血漿試料194本におけるTIMP-1レベルのパ
ーセンタイルを、図7に示す。男性献血者107人のTIMP-1値の平均値は、70.4±1
2.0 μg/L(中央値、69.4 μg/L)であり、基準範囲は56.2〜86.6 μg/Lであっ
たのに対し、女性献血者87人のTIMP-1値の平均値は63.5±10.5 μg/L(中央値、
62.0 μg/L)であり、基準範囲は51.8〜77.0 μg/Lであった。2群にはTIMP-1レ
ベルの平均値において有意差(p<0.0001)を認め、男性は女性より高いTIMP-1
レベルを示した。血漿TIMP-1は年齢と共に増加傾向を認めたが(スピアマンのrh
o=0.33、p=0.0011)、性によっては増加しなかった(女性:スピアマンのrho
=0.29、p=0.006;男性:スピアマンのrho=0.35、p=0.0003)。EDTA血漿にお
いて、男性56人のTIMP-1の平均値は、76.9±15.0 μg/L(中央値、75.1 μg/L)
であり、範囲は58.8〜96.9 μg/Lであったのに対し、女性献血者44人のTIMP-1レ
ベルの平均値は69.3±11.8 μg/L(中央値:67.9)で、基準範囲は56.1〜85.5
μg/Lであった。この場合も、男性と女性のあいだで有意差を認めた(p=0.0076
、対応のない平均値の比較)。
となる。結合抗原のカイネティック速度アッセイは容易に行うことができ、これ
によって、速度曲線の自動的な適合が可能となり、これは単一のエンドポイント
測定よりかなり信頼できることが証明されている。迅速な遮断剤と緩衝能が高い
希釈緩衝液を用いることも、アッセイの再現性に貢献した。これらの要因を全て
最終的なアッセイに組み入れると、感度、特異性、安定性、および内部標準物質
を良好に回収するという要件が満たされた。
いずれもTIMP-1測定に適していることが示された。健康な献血者からのTIMP-1に
関する他の公表された研究(ユング(Jung)ら、1996;ユング(Jung)ら、1996
)と比較すると、本研究のレベルは、非常に狭い範囲に入った。血清での結果を
報告した研究もあるが、本研究では、TIMP-1の測定値に対する血小板活性化の様
々な関与を防止するために血漿を選択した(クーパー(Cooper)ら、1985)。本
研究において用いた血漿試料は、乏血小板血漿として特別に調製されたものでは
なかったが、研究室において行った試験に基づくと、これは値を変化させないこ
とが示された。献血者の材料は十分に大量で、健康者におけるTIMP-1レベル(ED
TAおよびクエン酸の両者)が、男性と共に女性に関しても正規分布に近似したこ
とを証明することが可能であった。TIMP-1レベルの平均値は、EDTAおよびクエン
酸血漿の双方について男性では女性より約10%高かった。これに対する1つの説
明は、活性化血小板から血液へのTIMP-1の高い放出速度であり、これは、男性集
団における血栓塞栓症の発生率がより高い傾向を反映している。男性と女性を個
別に検討すると、全集団について認められるように、TIMP-1と年齢とのあいだに
弱い相関を認めた(上記参照)。
セイについて記述する。アッセイは、この複合体の正常範囲を確立するために、
健康な献血者の血漿試料を用いている(ホルテン・アンダーセン(Holten Ander
sen)ら、1999)。
)の血液部門において開発されたウサギMMP-9ポリクローナル抗体(ケルドセン
(Kjeldsen)ら、1992)を用いて、感度のよい特異的サンドイッチELISAを準備
した。MMP-9抗体は、抗原捕獲のために用い、MAC-15は抗原検出のために用いた
。ウサギ抗マウスIg/アルカリフォスファターゼ結合体(ダコ社、グロストルッ
プ、デンマーク)によって、キネティック速度アッセイが可能となった(図8)
。後者の結合体は、ヒトIgGに対して予め吸収して供給され、このため、血漿試
料中のIgGと交叉反応性を示さない。MMP-9抗体は、遊離MMP-9およびTIMP-1と複
合体を形成したMMP-9の両者を捕獲するが、MAC-15はTIMP-1のみを認識する。し
たがって、TIMP-1:MMP-9複合体のみがこの試薬対によって定量された。
形成を防止するために、融解後の血漿試料にプロテアーゼ阻害剤(すなわち、ガ
ラディン、バティマスタット、マリマスタット)を加えた。プロテアーゼ阻害剤
を加えることによって、メタロプロテイナーゼの触媒活性の阻害によってインビ
トロ複合体形成が阻害された。
似の方法によって準備および確認した。TIMP-1:MMP-9標準物質は、精製組換え
型TIMP-1とMMP-9(APMAを加えて活性化された)との等モル量をPBS中で37℃で1
時間インキュベートすることによって調製した。
ル抗MMP-9抗血清の0.1 mol/L炭酸緩衝液溶液、pH 9.5の100 μL/ウェルによって
4℃で一晩コーティングした。使用前に、アッセイウェルを、燐酸緩衝生理食塩
液(PBS)によって1:1に希釈したスーパーブロック溶液200 μL/ウェルによっ
て2回すすいだ後、1 g/Lツイーン20を含むPBS中で5回洗浄した。次にウェルを
試料緩衝液で希釈した血漿100 μL/ウェルと共に30℃で1時間インキュベートし
た。一連の精製TIMP-1:MMP-9標準物質を用いて各プレートを較正した。標準物
質は、精製TIMP-1:MMP-9複合体の保存溶液を連続希釈することによって調製し
た。各プレートには、試料希釈緩衝液のみを含むブランクと、クエン酸血漿プー
ルからなる対照2個を含めた。第一の対照血漿プールを第一の試料として加え、
第二の対照を最後の試料として加えた。標準物質、ブランク、対照および試料は
全て、アッセイ毎に各プレートに関して1試料あたり3個ずつ実施した。試料を
インキュベートして、TIMP-1:MMP-9複合体を結合させた後、ウェルを5回洗浄
して、その後MAC-15の試料希釈緩衝液溶液100 μL/ウェルによって30℃で1時間
処理した。さらに5回洗浄した後、ウェルを、試料希釈緩衝液で希釈したウサギ
抗マウスIg/アルカリフォスファターゼ結合体100 μL/ウェルと共に30℃で1時
間インキュベートした。洗浄溶液で5回洗浄して、蒸留水でさらに3回洗浄した
後、新しく調製した燐酸p-ニトロフェノール溶液を各ウェルに加えた。プレート
を23℃でセレス900Jプレートリーダーに置いて、黄色の発色を自動的にモニター
した。空気ブランクに対して値を405 nmで10分ごとに1時間読み取った。キネテ
ィカルクIIソフトウェアを用いて、各ウェルの色の形成速度を計算することによ
ってデータを分析し(直線回帰分析)、4-パラメータ適合標準曲線を得て、各血
漿試料のTIMP-1:MMP-9濃度を計算した。
ン血漿プールに加えることによって決定した。それぞれの場合についての回収は
、濃度の関数としてTIMP-1:MMP-9複合体シグナルを表す線の勾配から計算し、1
00%回収は、TIMP-1:MMP-9複合体を試料希釈緩衝液で希釈した場合に得られた
勾配として定義した。
体の全ての濃度について時間の一次関数であり、自動的に適合させた線の相関係
数は典型的に0.9以上であった。4-パラメータ適合の相関係数は、典型的に0.999
以上であった。
的シグナルを測定することによって決定した。
決定するために複合体レベルを定量した。クエン酸およびEDTA血漿は全て、希釈
の関数としてシグナルの良好な直線性を示した。
する。アッセイは、遊離TIMP-1の正常範囲を確立するために健康な献血者の血漿
試料に適用する。
ーナルIgG1抗体(MAC-19)(クックスレイ(Cooksley)ら、1990)およびヒツジ
ポリクローナル抗TIMP-1抗体を用いて、感度のよい特異的サンドイッチイムノア
ッセイを準備した。ヒツジポリクローナル抗TIMP-1抗体は抗原捕獲のために用い
、マウスモノクローナルMAC-19は抗原検出のために用いた。ウサギ抗マウスIg/
アルカリフォスファターゼ結合体は二次検出試薬であった(図9)。後者の結合
体はヒトIgGに対して予め吸収して供給されるため、血漿試料中のIgGと交叉反応
性を示さない。MAC-19モノクローナル抗体は、遊離TIMP-1に対して完全に特異的
であり、したがって、このアッセイにおいて定量される唯一の型である。
に記載のウサギポリクローナル抗MMP-9抗体を抗原捕獲のために用いて、マウス
モノクローナル抗体MAC19を抗原検出に用いた。ウサギ抗マウスIg/アルカリフォ
スファターゼ結合体は二次標識試薬として用いた。標準的なTIMP-1:MMP-9複合
体、遊離MMP-9、遊離TIMP-1およびブランク対照をアッセイした。図10は、ポリ
クローナル抗MMP-9抗体に結合したTIMP-1:MMP-9複合体がMAC 19によって検出さ
れないことを示している。MAC 19をMAC 15に置換して同等の実験を実施した。図
11は、この実験の結果を示している。MAC 15は、ポリクローナル抗MMP-9抗体に
結合したTIMP-1:MMP-9複合体を検出することが認められる。
するために、融解後の血漿試料にプロテアーゼ阻害剤(すなわち、ガラディン、
バティマスタット、マリマスタット)を加えた。プロテアーゼ阻害剤を加えるこ
と、メタロプロテイナーゼの触媒活性の阻害によってインビトロ複合体形成が阻
害された。
g/L)の0.1 モル/L炭酸緩衝液溶液、pH 9.5の100 μL/ウェルによって37℃で1
時間コーティングした。次に、アッセイウェルを、燐酸緩衝生理食塩液(PBS)
によって1:1に希釈したスーパーブロック溶液200 μL/ウェルによって、ウェル
を2回すすいだ。マイクロタイタープレートは-20℃で14日間まで保存した。使
用当日、プレートを室温で融解して、1 g/Lツイーンを含むPBSで5回洗浄した。
次に、ウェルを、50 mol/L燐酸、pH 7.2、0.1 mol/L NaCl、10 g/Lウシ血清アル
ブミン(分画V、ベーリンガー・マンハイム社、ペングバーグ、ドイツ)および1
g/Lツイーン20からなる同じ試料緩衝液で作製した血漿の25倍希釈液100 μL/ウ
ェルを1試料あたり3個ずつ加えて30℃で1時間インキュベートした。標準物質
は、遊離精製TIMP-1の保存液を連続希釈することによって調製し、10、5、2.5、
1.25、0.625、0.313、および0.156 μg/Lの濃度を得た。各プレートには、試料
希釈緩衝液のみを含むブランクおよび25倍希釈したクエン酸血漿プールから調製
した対照2個を含めた。プレートに最初の試料として第一の対照を加えて、第二
の対照を最後として加えた。標準物質、ブランク、対照、および試料は全て、ア
ッセイ毎に各プレートについて1試料あたりウェル3個で行った。TIMP-1が結合
した後、ウェルを5回洗浄してから、精製マウスモノクローナル抗TIMP MAC-19
(0.5 mg/L)の試料希釈緩衝液溶液の100 μL/ウェルによって30℃で1時間処理
した。さらに5回洗浄した後、ウェルを試料希釈緩衝液で2000倍希釈したウサギ
抗マウス免疫グロブリン(Ig)/アルカリフォスファターゼ結合体100 μL/ウェ
ルと共に30℃で1時間インキュベートした。洗浄液によって5回洗浄して、蒸留
水で3回洗浄した後、新たに調製した燐酸p-ニトロフェノール(シグマ社、セン
トルイス、ミズーリ州)基質溶液(0.1 mol/Lトリス塩酸、pH 9.5、0.1 mol/L N
aCl、5 mmol/L MgCl2において1.7 g/L)100 μLを各ウェルに加えて、プレート
をセレス900Jプレートリーダー(バイオテックインストルメンツ、ウィノースキ
ー、バーモント州)に23℃で置いた。黄色の発色を自動的にモニターして、値は
、405 nmで空気ブランクに対して10分ごとに1時間読み取った。キネティカルク
IIソフトウェアを用いて各ウェルの色の形成速度を計算することによってデータ
を分析し(直線回帰分析)、4パラメータ適合標準曲線を作製して、各血漿試料
の遊離TIMP-1濃度を計算した。
P-1を検出するためにMAC 15の代わりにMAC 19を用いた(上記のように)。
健康であった。インフォームドコンセントを献血者全員から得て、地域の倫理委
員会から許可を得た。採血と取り扱いは、実施例1に記載の通りに実施した。
濃度に関して時間の一次関数であり、自動的に適合させた線の相関係数は典型的
に0.9より良好であった。4パラメータ適合の相関係数は典型的に0.999以上であ
った。対照血漿プールの1試料あたり3個ずつの測定24回のアッセイ間変動は9.
6%であった。
後にELISAシグナルを測定することによって決定した。希釈したクエン酸血漿プ
ールにおいて、105%の回収が得られたが、希釈したEDTA血漿プールでは96%の
回収が得られた(図12)。
ELISAシグナルにおける直線的な減少を調べるためにアッセイした。クエン酸お
よびEDTA血漿は全て、希釈の関数としてシグナルの良好な直線性を示した。
央値は70.9 μg/Lであった(範囲:32.3〜169.7 μg/L)。
を、健康な献血者108人の総TIMP-1レベルと比較すると(後者は実施例1において
記述したアッセイによって測定した)、相関係数0.46(Rho、スピアマン階数相
関検定、p<0.0001)が得られた。
別をマッチさせた健康な人108人の血漿における総TIMP-1レベルを、実施例1に記
載のTIMP-1アッセイによって測定した。TIMP-1値は、標準的な生物統計パラメー
タを用いて分析および比較した。
に含めた。ヘルシンキ宣言に従って患者全員からインフォームドコンセントを術
前に得て血液試料を採取して、デンマークのビドブル(Hvidovre)病院の地域倫
理委員会の許可を得た。患者は全員、病理学的に確認された結腸または直腸の腺
癌を有した。患者59人(10%)はデュークスのA期疾患であると分類され、219人
(37%)はデュークスのB期、170人(29%)はデュークスのC期、および143人(
24%)はデュークスのD期であると分類されることが判明した。腫瘍338例が結腸
癌であり、253例が直腸癌であった。年齢、性別および術後の生存期間のような
臨床データを収集した。患者の年齢の中央値は69歳(範囲33〜90歳)であり、患
者コホートは女性237人と男性354人であった。
21人と結腸癌患者43人で構成された。デュークスのA期患者は11人、デュークス
のB期患者は27人、デュークスのC期患者は14人、およびデュークスのD期患者は1
3人であった。
測定を確保するために、先に記述したプロトコールに従って末梢血を最小のうっ
血によって採取して、EDTA抗凝固剤の入った試験管(ベクトン・ディッキンソン
社、マウンテンビュー、カリフォルニア州)に採取した。
て測定した。
献血者血漿試料において決定した。全ての血漿試料は、TIMP-1の測定可能なレベ
ルを有し、総TIMP-1の中央値は結腸直腸癌患者591人について141.1 μg/L(範囲
、53.7〜788.7 μg/L)であった。結腸および直腸癌について階層化すると、中
央値は結腸について158.6 μg/L(範囲:53.7〜788.7 μg/L)および直腸癌につ
いて126.3 μg/L(範囲;64.1〜640 μg/L)であった。患者の材料をデュークス
の段階に従って階層化すると、デュークスAは最低であり、デュークスDは最高で
あった(クルスカル・ワリス検定、p<0.0001)。しかし、最高のTIMP-1レベル
は、進行疾患に限定されず、デュークスA〜C疾患患者では、総血漿TIMP-1レベル
に有意差を認めなかった。血漿TIMP-1と年齢とのあいだには比較的弱い相関を認
めた(r=0.35;p<0.0001)。男性と女性のTIMP-1レベルに有意差を認めなかっ
た(p=0.97)。
156.2 μg/Lであった。結腸直腸癌患者と健康な献血者では、総血漿TIMP-1値に
非常に統計学的な差を認めた。
は結腸癌に関して152.2 μg/L(範囲:80.7〜626.2 μg/L)、および直腸癌に関
して133.6 μg/L(範囲84.3〜790.6 μg/L)であった。結腸癌患者と直腸癌患者
とをそれぞれ健康献血者と比較すると総血漿TIMP-1値に非常に統計学的な差を認
めた。
ベルを用いて、受信者動作特性(ROC)曲線を作製して、総TIMP-1の診断的価値
を評価した。図13に示すように、ROC曲線は当初急勾配であり、このことは、結
腸直腸癌のマーカーとしての総TIMP-1の高い感度と特異性を示している。結腸癌
では直腸癌よりAUCが大きいように思われる。図14は、初期の結腸直腸癌、すな
わちデュークスのA期またはB期疾患を有する患者のみを含む類似のROC曲線を示
す。初期段階(デュークスのA期およびB期)の右側の結腸癌に関するROC曲線も
示す。
レベルを用いて、ROC曲線を再度作製して、TIMP-1の診断的価値を確認した。図1
5に示すように、この場合も曲線は当初急勾配であり、このことは、結腸直腸癌
のマーカーとしての総TIMP-1の高い感度と特異性を示している。
)(これらの抗体を産生する2つのクローンはATTCに2000年4月10日に寄託され
た)を用いた、健康な献血者180人と結腸直腸癌患者20人に関するさらなる研究
は、これまでの臨床結果をさらに確証した。その上、自動アッセイによって得ら
れた絶対値は、実施例1に記載したアッセイによって得られたものと高い程度の
相関を示した(r=0.9)。
高い患者を特定するために役立つスクリーニング技法として用いることができる
ことを示唆している。特に、総TIMP-1は、より進行疾患を有する患者を同定する
場合と共に初期癌(デュークスのA+B期)を有する患者を特定するために有効で
あった。同様に、総TIMP-1は、初期段階の患者、右側の結腸癌、従来の診断技法
では難しい診断を特定するために、さらにより有効であった。右側の結腸癌は、
標準的な結腸癌スクリーニング方法である柔軟なS字結腸鏡によって可視化する
ことができない。これは、左側の病変より潜行的に発現し、臨床症状は後期疾患
になって初めて発現する。右側の結腸癌の初期診断は、この疾患の死亡率を減少
させる可能性がある。
ィブ試験の結果を確証し、さらに、結腸直腸癌を有する患者における総TIMP-1の
診断的価値を確認した。
あり、患者24人はクローン病であった。健康な献血者および結腸直腸癌患者から
のEDTA血漿中の総TIMP-1レベル(実施例3および4)を比較のために含めた。
1レベルを測定した。
検定;p=0.45)、有意差を認めなかった。IBD患者と結腸直腸癌患者591人の総
血漿TIMP-1レベルには非常に有意差を認めた(マン・ホイットニー検定;p<0.0
001)。これらの結果のグラフを図16に示す。
ベルを有することを証明している。その上、IBD患者は健康献血者において認め
られるレベルと同等の総TIMP-1レベルを示し、このことは血漿総TIMP-1を、胃腸
管の非悪性疾患と悪性疾患とを識別するために、非常に感度がよく特異的なマー
カーとして用いることができることを示している。
チさせた健康者108人の血漿における総TIMP-1を、実施例1に記載のTIMP-1アッセ
イを用いて測定した。さらに、CEAは市販の化学発光CEA EIAキット(イムライト
CEA、DPC(登録商標)、ロサンゼルス、カリフォルニア州、アメリカ)を用いて
、対応する患者および献血者の血清試料において測定した。健康な献血者および
癌患者からのTIMP-1およびCEA値は、ロジスティック回帰分析によって組み合わ
せて、ROC曲線を作製した。
特異性を計算すると、98%特異性を提供するカットオフの感度は35%であった。
患者を結腸または直腸癌に階層化すると、感度は同じレベルの特異性でそれぞれ
、37%および33%であった。右側の結腸癌患者のみを含めると、感度は45%に増
加することが図17において示された。
ロジスティック回帰分析によって52%であることが判明した。血清中のCEA測定
を加えることによって得られたさらなる診断感度は、非常に有意である(p<0.0
001)。患者のコホートを結腸癌と直腸癌に階層化すると、感度は98%特異性レ
ベルでそれぞれ、61%と39%であった。右側の結腸癌患者のみを含めると、感度
は74%であった。これらの結果のグラフを図17に示す。
特異性を維持しながら、総TIMP-1の診断感度における改善を得ることができるこ
とを示している。このように、CEAとTIMP-1とを組み合わせると、結腸直腸癌を
有するリスクが高い患者を特定するためのスクリーニング技法として有用である
。特に、この組合せは、初期段階の癌(デュークスA+B期)の患者を特定するた
めに有効であった。同様に、この組合せは、初期段階の右側の結腸癌を有する患
者を特定するために非常に有効であった。
チさせた健康な人108人の血漿における遊離TIMP-1レベルを、実施例3に記載のTI
MP-1アッセイを用いて測定した。遊離TIMP-1レベルは、標準的な生物統計パラメ
ータを用いて分析および比較した。
ての患者および健康な献血者血漿試料において測定した。試料は全て、遊離TIMP
-1の測定可能なレベルを有し、遊離TIMP-1レベルの中央値は、結腸直腸癌患者に
関して82.0 μg/L(範囲:44.7〜424.0 μg/L)であった。健康な献血者の血漿
中の遊離TIMP-1レベルの中央値は70.9 μg/Lであり、範囲は32.3〜169.7 μg/L
であった。デュークスのA〜C期疾患患者では遊離TIMP-1レベルに有意差を認めな
かったが、デュークスのD期患者は、シュークスのAおよびB期疾患患者と比較し
て遊離血漿TIMP-1レベルが有意に上昇していた。これらの結腸直腸癌患者64人の
血漿における総TIMP-1値を遊離TIMP-1値と比較すると、相関係数0.91(Rho、ス
ピアマン階数相関検定、p<0.0001)を認めた。
診断成績を決定する場合のAUCは0.61である。
者を特定するためのスクリーニングマーカーとして有用でない可能性があること
を示している。
るTIMP-1:MMP-9複合体レベルは、実施例2に記載のTIMP-1:MMP-9アッセイを用
いて測定することができる。健康な献血者および癌患者からのTIMP-1:MMP-9複
合体の値を比較して、診断的価値を決定した。
画の診断値を計算することができる。さらに、他の分子、例えば、血清CEAをこ
れらの計算に加えて、全体的な診断価値を増加させるために数学的アルゴリズム
を作製することができる。
値 結腸直腸癌患者64人および年齢と性別をマッチさせた健康な人108人からの血
漿における総TIMP-1レベルを、実施例1に記載のTIMP-1アッセイによって測を定
した。実施例3に記載したアッセイを用いて、血漿の遊離TIMP-1レベル、上記の
ように同じ人において測定した。総および遊離TIMP-1値は、ロジスティック回帰
分析を用いて分析および比較した。
含めた。コホートは直腸癌患者21人および結腸癌患者43人で構成された。患者11
人はデュークスのA期疾患であると分類され、27人はデュークスのB期、14人はデ
ュークスのC期、および13人はデュークスのD期であった。ヘルシンキ宣言に従っ
て患者全員からインフォームドコンセントを得て術前に血液試料を採取して、デ
ンマークのビドブル(Hvidovre)病院の地域倫理委員会の許可を得た。患者は全
員、病理学的に確認された結腸または直腸の腺癌を有した。年齢、性別および術
後の生存期間のような臨床データを収集した。
測定を確保するために、最小のうっ血によって末梢血を採取して、先に記述した
プロトコールに従って(実施例1)、EDTA抗凝固剤の入った試験管(ベクトン・
ディッキンソン、マウンテンビュー、カリフォルニア州)に採取した。
試料において測定した。
れらの患者における遊離TIMP-1レベルを実施例7に記載する。
ベルを用いて、これらのTIMP-1型のそれぞれに関してROC曲線を作製した。得ら
れた総TIMP-1値は、結腸直腸癌患者における総TIMP-1測定の診断値を確認する。
図15に示すように、曲線はこの場合も当初急勾配であり、結腸直腸癌のマーカー
としての総TIMP-1の高い感度と特異性を示している。遊離TIMP-1のROC曲線は実
施例7に考察した。
、遊離および総TIMP-1(AUC=0.94)を組み合わせると、診断的価値の増加が得
られた。この増加は、統計学的に非常に有意であり、p<0.0001、同じ分析にお
いて遊離および総TIMP-1の両者を用いると重要な態様が価値があることを示す。
有するリスクが高い患者を特定するために役立つスクリーニング技法として用い
ることができることを示唆している。
比および/または組合せまたは数学的順列を、診断目的のために計算して用いる
ことができる。
はTIMP-1:MMP-9の濃度を含むTIMP-1の全ての様々な型における関係の計算は、
管理において、特に、非悪性疾患患者と癌患者を区別する診断において有用とな
る可能性がある。
漿試料を総TIMP-1含有量に関して分析した。さらに、健康な献血者108人の血漿
試料を評価した。乳癌患者に関する総TIMP-1の中央値は88.3 μg/L(範囲:45.5
〜289.3 μg/L)であったのに対し、健康献血者の総TIMP-1レベルの中央値は88.
9 μg/L(範囲:51.0〜156.2 μg/L)であった。2群では総TIMP-1血漿レベルに
統計学的な有意差を認めなかった(マン・ホイットニー検定、p=0.87)。図19
は、上記のデータを含むROC曲線を示す。
MP-1値を有することを証明している。このように、これらのデータは、結腸直腸
癌患者の診断におけるTIMP-1測定の特異性の根拠となる。
乳癌患者19人(年齢45〜70歳)および健康な女性献血者87人から採取した(実施
例1)。
おいて測定した。
。これらのレベルを健康な女性献血者87人の総TIMP-1レベルと比較した。乳癌患
者19人において測定した総TIMP-1レベルは、292±331 μg/L(中央値:236 μg/
L)であるのに対し、健康な女性献血者87人では総TIMP-1レベルの平均値は63.5
±10.5 μg/L(中央値:62.0 μg/L)であった。ワルド・ウォルフォビッツの連
検定は、患者の総TIMP-1レベルと健康な献血者のレベルとのあいだに非常に有意
な差(p<0.0001)を示した。図20は、乳癌患者19人からの総TIMP-1レベルおよ
び健康な女性献血者87人の血漿において認められるTIMP-1レベルのパーセンタイ
ルプロットを示す。
ーするために用いることができることを示している。
および年齢をマッチさせた健康な人108人の血漿において施設内TIMP-2アッセイ
によって測定した。健康なドナーおよび癌患者の測定したTIMP-2値を比較した。
患者では、TIMP-2レベルに有意差を認めなかった。
となり、結腸直腸癌の早期診断に役立てるためのTIMP-1の独自の価値を支持する
。
する経過曲線は、固相結合アルカリフォスファターゼ免疫結合体による燐酸p-ニ
トロフェノールの加水分解によって得られた。示したデータは、精製組換え型TI
MP-1の4つの異なる濃度によって処理した個々のアッセイウェル4個から得られ
た;10 μg/L(▽-▽)、2.5 μg/L(△-△)、0.63 μg/L(□-□)、および0.
16 μg/L(○-○)。示した線は単純な直線回帰に適合させている。
の吸光度単位を60分のあいだ自動的に得て、値は405 nmで10分ごとに読み取った
。各ウェルについて経過曲線を計算して、得られた速度を式y=d+[(a-d)/(1+(
x/c)b)]の4パラメータ等式を用いて標準曲線に適合させる。示した例において
、4つの誘導パラメータは、以下の値を有した:a=1.87、b=1.11、c=3.35、d
=73.5。適合させた曲線の相関係数は>0.999である。
△-△)、クエン酸血漿プールの100倍希釈液(▽-▽)、およびヘパリン血漿プ
ールの100倍希釈液(○-○)に増加濃度で加えた標準物質TIMP-1からのシグナル
の回収。示した値は、1試料あたり3個の平均値である。各適合曲線の相関係数
は0.99以上である。
ン1:標準物質TIMP-1;レーン2:10倍希釈してヒツジポリクローナル抗TIMP-1
によって免疫吸収した患者のクエン酸血漿試料の溶出物。非還元標準物質TIMP-1
のバンドと、血漿試料から単離したTIMP-1のバンドはいずれも30 kDaのすぐ下に
見える。
エン酸血漿(○)およびEDTA血漿(△)において測定したTIMP-1レベル(μg/L
)のパーセンタイルプロット。図5bは、同じ100人からのEDTA血漿試料と比較し
たクエン酸血漿試料におけるTIMP-1レベルの直線回帰プロット。適合させた線の
等式は、y=0.93xであり、回帰係数は0.99である。
のクエン酸血漿試料において測定したTIMP-1レベル(μg/L)のパーセンタイル
プロット。5月に得た試料100個は97(△)であり、9月に得た試料100個は96(
□)であった。
し、男性107人(△)および女性87人(○)によって性別に層化したTIMP-1レベ
ル(μg/L)のパーセンタイルプロット。
した。TIMP-1:MMP-9複合体、遊離MMP-9、遊離TIMP-1の異なる濃度およびブラン
ク対照を加えた。TIMP-1:MMP-9複合体および遊離MMP-9のみが捕獲ポリクローナ
ル抗MMP-9抗体に結合した。次に抗原を検出するためにMAC19を加えた。TIMP-1:
MMP-9複合体も遊離MMP-9のいずれもMAC19によって検出されず、遊離TIMP-9に対
するこの抗体の特異性を明らかにした。
した。TIMP-1:MMP-9複合体、遊離MMP-9、遊離TIMP-1の異なる濃度およびブラン
ク対照を加えた。TIMP-1:MMP-9複合体および遊離MMP-9のみが捕獲ポリクローナ
ル抗MMP-9抗体に結合した。次に抗原を検出するためにMAC15を加えた。捕獲ポリ
クローナル抗MMP-9抗体に結合したTIMP-1:MMP-9複合体のみがMAC15によって検
出された。遊離MMP-9はMAC15によって検出されなかった。
△)、クエン酸血漿プール希釈液(▽-▽)、およびヘパリン血漿プール希釈液
(○-○)に増加濃度で加えた標準物質TIMP-1からの遊離TIMP-1アッセイにおけ
るシグナルの回収。示した値は、1試料あたり3個ずつの平均値である。各適合
曲線の相関係数は0.99以上である。
おける総TIMP-1のROC曲線。健康な対照被験者として、健康献血者108人のコホー
トを用いた(括弧内の数値=曲線下面積)。
ける総TIMP-1のROC曲線。さらに、結腸癌または右側結腸癌を有するデュークスA
またはB期患者のROC曲線も含まれる(括弧内の数値=曲線下面積)。
の総TIMP-1のROC曲線を示す(AUC=曲線下面積)。
腸癌患者の血漿における総TIMP-1濃度を示すボックスプロット。中央値、10、25
、75、および90パーセンタイルを示す。
よび総TIMP-1とCEAの組合せに関するROC曲線(括弧内の数値=曲線下面積)。
MP-1、およびその組合せに関するROC曲線(括弧内の数値=曲線下面積)。
=曲線下面積)。
者87人(△)においてELISAによって測定した総TIMP-1レベル(μg/L)のパーセ
ンタイルプロット。
Claims (37)
- 【請求項1】 個人が癌を有する可能性があるか否かを決定する方法であり
、以下の段階を含む方法: 体液試料中のTIMP-1濃度を表す第一のパラメータを決定する段階; パラメータが識別値またはそれ以上であれば個人が癌を有する可能性が高いこと
を示す段階;及び パラメータが識別値またはそれ以上でなければ個人が癌を有する可能性が低いこ
とを示す段階。 - 【請求項2】 第一のパラメータがTIMP-1の総濃度である、請求項1記載の
方法。 - 【請求項3】 識別値が、健康な対照集団及び癌であることが既知の集団の
双方において少なくとも1つの第一のパラメータを測定することによって決定さ
れ、それによって、既定の特異性または既定の感度をもつ癌集団を同定する識別
値を決定する、請求項1または2記載の方法。 - 【請求項4】 決定された少なくとも1つの第一のパラメータが、総TIMP-1
濃度と遊離TIMP-1濃度とを組み合わせることによって得られた値である、上記請
求項のいずれか一項記載の方法。 - 【請求項5】 組み合わせる段階がロジスティック回帰分析によって行われ
る、請求項4記載の方法。 - 【請求項6】 第二のパラメータが任意の型のTIMP-1と異なるさらなるマー
カーの濃度を表す、個人由来の体液試料において少なくとも1つの第二のパラメ
ータを決定する段階をさらに含む、上記請求項のいずれか一項記載の方法。 - 【請求項7】 複合パラメータをもたらし、かつ複合パラメータが識別値ま
たはそれ以上である場合個人が癌を有する可能性が高いことを示し、複合パラメ
ータが識別値またはそれ以上でない場合個人が癌を有する可能性が低いことを示
すように、体液試料中のTIMP-1の濃度を表す第一のパラメータ及び、任意の型の
TIMP-1と異なる少なくとも1つの第二のパラメータとを組み合わせた、請求項6記
載の方法。 - 【請求項8】 組み合わせる段階がロジスティック回帰分析によって行われ
る、請求項7記載の方法。 - 【請求項9】 複合パラメータの識別値が、健康な対照集団及び癌であるこ
とが既知の集団の双方における該複合パラメータの決定により決定された値であ
り、それによって既定の特異性または既定の感度をもつ癌集団を同定する識別値
が決定される、請求項7または8記載の方法。 - 【請求項10】 測定された少なくとも1つの第二のパラメータが腫瘍マー
カーの濃度を表すパラメータである、請求項6から9のいずれか一項記載の方法。 - 【請求項11】 標識された腫瘍が、CEA、可溶性u-PAR、カテプシンB、HER
2-neu、CA15-3、およびYKL-40からなる群より選択される、請求項10記載の方法
。 - 【請求項12】 測定された少なくとも1つの第二のパラメータがCEAの濃度
である、請求項11記載の方法。 - 【請求項13】 個人が非選択集団のメンバーである、上記請求項のいずれ
か一項記載の方法。 - 【請求項14】 個人が、癌を発症するリスクが増加していると既に同定さ
れてた集団のメンバーである、上記請求項のいずれか一項記載の方法。 - 【請求項15】 原発(primary)癌について治療されている患者が転移癌
を有する可能性があるか否かを決定する方法であり、以下の段階を含む方法: 体液試料においてTIMP-1の濃度を表す第一のパラメータを決定する段階; パラメータが識別値またはそれ以上であれば個人が転移癌を有する可能性が高い
ことを示す段階;及び パラメータが識別値またはそれ以上でなければ個人が転移癌を有する可能性が低
いことを示す段階。 - 【請求項16】 第一のパラメータがTIMP-1の総濃度である、請求項15記載
の方法。 - 【請求項17】 識別値が、健康な対照集団及び転移癌を有することが既知
である集団の双方において少なくとも1つの第一のパラメータの測定によって決
定される値であり、それによって、既定の特異性または既定の感度をもつ転移癌
集団を同定する識別値を決定する、請求項15または16記載の方法。 - 【請求項18】 測定された少なくとも1つの第一のパラメータが、総TIMP-
1濃度と遊離TIMP-1の濃度とを組み合わせることによって得られた値である、請
求項15〜17のいずれか一項記載の方法。 - 【請求項19】 組み合わせる段階が、ロジスティック回帰分析によって行
われる、請求項18記載の方法。 - 【請求項20】 第二のパラメータが任意の型のTIMP-1と異なるさらなるマ
ーカーの濃度を表す、個人の体液試料において少なくとも1つの第二のパラメー
タをさらに決定する段階を含む、請求項15〜19のいずれか一項記載の方法。 - 【請求項21】 複合パラメータをもたらし、複合パラメータが識別値また
はそれ以上ならば個人が転移癌を有する可能性が高いことを示し、複合パラメー
タが識別値またはそれ以上でなければ個人が癌を有する可能性が低いことを示す
ように、体液試料においてTIMP-1濃度を表す第一のパラメータ及び、任意の型の
TIMP-1と異なる少なくとも1つの第二のパラメータとを組み合わせる、請求項20
記載の方法。 - 【請求項22】 組み合わせる段階がロジスティック回帰分析によって行わ
れる、請求項21記載の方法。 - 【請求項23】 複合パラメータの識別値が、健康な対照集団及び転移癌を
有することが既知である集団の双方における該複合パラメータを測定することに
よって決定された値である、それによって、既定の特異性または既定の感度をも
つ転移癌集団を同定する識別値を決定する、請求項21または22記載の方法。 - 【請求項24】 測定された少なくとも1つの第二のパラメータが腫瘍マー
カーの濃度を表すパラメータである、請求項20〜23のいずれか一項記載の方法。 - 【請求項25】 標識された腫瘍がCEA、可溶性u-PAR、カテプシンB、HER2-
neu、CA15-3、およびYKL-40からなる群より選択される、請求項24記載の方法。 - 【請求項26】 測定された少なくとも1つの第二のパラメータがCEAの濃度
である、請求項25記載の方法。 - 【請求項27】 原発癌の治療後に、癌患者のモニタリングの一部として一
定の間隔でいくつかの時点で測定が飛び飛びに行われる、請求項15〜26のいずれ
か一項記載の方法。 - 【請求項28】 初期段階の癌を検出するために用いられる、請求項1〜14
のいずれか一項記載の方法。 - 【請求項29】 初期段階の癌が、結腸癌デュークスA期、結腸癌デューク
スB期、結腸癌デュークスC期、直腸癌デュークスA期、直腸癌デュークスB期およ
び直腸癌デュークスC期からなる群より選択される、請求項28記載の方法。 - 【請求項30】 体液が血液(血清および血漿)、便、尿ならびに脳脊髄液
からなる群より選択される、上記請求項のいずれか一項記載の方法。 - 【請求項31】 体液が血漿である、請求項30記載の方法。
- 【請求項32】 体液が血液である、請求項30記載の方法。
- 【請求項33】 体液が尿である、請求項30記載の方法。
- 【請求項34】 濃度の測定が、イムノアッセイまたは活性アッセイによっ
て行われる、上記請求項のいずれか一項記載の方法。 - 【請求項35】 イムノアッセイがELISAである、請求項34記載の方法。
- 【請求項36】 活性アッセイが酵素電気泳動法(zymography)である、請
求項34記載の方法。 - 【請求項37】 癌の種類が結腸癌、直腸癌および転移性乳癌、肺癌、前立
腺癌、卵巣癌、子宮頚癌、肝臓癌ならびに胃癌からなる群より選択される、上記
請求項のいずれか一項記載の方法。
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