JPH08226918A - 遊離の活性型マトリックスメタロプロテアーゼ類の分別定量法 - Google Patents

遊離の活性型マトリックスメタロプロテアーゼ類の分別定量法

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JPH08226918A
JPH08226918A JP7053794A JP5379495A JPH08226918A JP H08226918 A JPH08226918 A JP H08226918A JP 7053794 A JP7053794 A JP 7053794A JP 5379495 A JP5379495 A JP 5379495A JP H08226918 A JPH08226918 A JP H08226918A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 組織や体液中に存在するマトリックスメタロ
プロテアーゼ類(MMPs)のうちマトリックス成分の
分解に直接関与する活性型MMPsの簡単且つ迅速な分
別定量法を提供し、MMPs活性が亢進する疾患、例え
ば関節症、癌の浸潤、転移及び肺線維症のような病態の
診断及びモニターを可能にせしめる。 【構成】 簡単な操作及び試薬を用い、感度並びに精度
良く、また迅速な遊離の活性型MMPsの分別定量法
は、各MMPに特異的に結合するモノクローナル抗体
と、ティシュ インヒビター オブ メタロプロテアー
ゼ類(TIMPs)あるいはTIMPsと各TIMPに
特異的に結合するモノクローナル抗体との複合物を組合
せて使用することにより達成できる。特には固相担体結
合物及び標識物付与物のいずれか一方がマトリックスメ
タロプロテアーゼに対し特異的に結合するモノクローナ
ル抗体で、他方がマトリックスメタロプロテアーゼのイ
ンヒビターであり、それらをそれぞれ組み合わせて用い
ることが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、医学的生理学的分野に
係るものであり、遊離のマトリックスメタロプロテアー
ゼ類(MMPs)、とりわけ遊離の活性型MMPsの分
別定量法に関する。さらに詳しく言えば、本発明はMM
Psに対し特異的に結合する各々のモノクローナル抗体
及びMMPsのインヒビターであるティシュ インヒビ
ター オブメタロプロテアーゼ類(TIMPs)を用い
て、遊離の活性型MMPsを分別定量する方法に関す
る。
【0002】
【背景技術】細胞外マトリックスは、コラーゲン、プロ
テオグリカン、エラスチン、フィブロネクチン及びラミ
ニンなどの接着性糖タンパク質から構成されている(M
artinez−Hernandez et al.,
Lab.Invest.,48,656−677,19
83)。これらマトリックス成分の分解にはマトリック
スメタロプロテアーゼ類(MMPs)が重要な役割を果
たしていることは周知のことである。知られているMM
Pの種類とそのナンバーリングは以下のようになってい
る。間質型コラゲナーゼ(MMP−1)、72キロダル
トン(kD)ゼラチナーゼ(MMP−2)、ストロムラ
イシン−1(MMP−3)、PUMP−1(MMP−
7)、好中球コラゲナーゼ(MMP−8)、92kDゼ
ラチナーゼ(MMP−9)、ストロムライシン−2(M
MP−10)、ストロムライシン−3(MMP−1
1)、マクロファージメタロエラスターゼ(MMP−1
2)、コラゲナーゼ−3(MMP−13)及び膜型MM
P(MT−MMP,MMP−14)である(H.Bir
kedal−Hansen et al.,Oral
Biol.Med.,4,197−250,1993;
S.D.Shapiro et al.,J.Bio.
Chem.,268,23824−23829,199
3;J.M.P.Freje et al.,J.Bi
ol.Chem.,269,16766−16773,
1994;H.Sato et al.,Natur
e,370,61−65,1994)。
【0003】MMPsは、細胞内で合成、産生され、必
要に応じて細胞外へ前駆体(プロ体もしくは潜在型)と
して放出される。潜在型MMPsはアミノ末端よりプロ
ペプチド、活性中心領域(中央領域)及びカルボキシル
末端領域などから構成されており、その潜在型MMPs
自身はマトリックス成分の分解には関与せず、体内では
プラスミンやMMP−3などにより限定分解を受けて活
性化され、あるいは実験的にはチオール基反応性有機水
銀化合物などによりアミノ末端プロペプチドが切断され
活性型MMPsとなり、各々の基質に対応するマトリッ
クス成分を分解することが知られている(H.Birk
edal−Hansen et al.,Oral B
iol.Med.,4,197−250,1993)。
また組織や体液中においてMMPs活性を特異的に阻害
するMMPsのインヒビターであるティシュ インヒビ
ター オブ メタロプロテアーゼ類(TIMPs)が存
在することが知られている(T.Hayakawa,C
ell struct.Funct.,19,109−
114,1994)。TIMPsは現在3種類報告され
ており、各々TIMP−1、TIMP−2及びTIMP
−3と呼ばれている。これらTIMPsは、通常活性型
MMPsに結合し、組織の修復、組織破壊の阻止、癌転
移抑制あるいは細胞増殖促進などの生理的作用を持って
いると考えられている。またTIMP−1は潜在型MM
P−9に、TIMP−2は潜在型MMP−2に結合し、
各々のMMPsの活性化及び自己分解活性を制御してい
ると考えられている。
【0004】
【解決すべき課題】遊離の活性型MMPsの測定は、組
織や体液中に存在するMMPsのうちマトリックス成分
の分解に直接関与する活性型MMPs量を知る手段とな
り得るものである。従って、遊離の活性型MMPsを定
量することにより、MMPs活性が亢進する疾患、例え
ば関節症、癌の浸潤、転移、歯周病及び肺線維症のよう
な病態の診断あるいはモニターを行うことが可能とな
る。ところが、活性型MMPs量を測定する方法として
は、一般的に考えられるのは各々の基質を分解させると
ころの酵素活性による方法であるが、組織中や体液中に
は、他のMMPsやTIMPsが存在しており、また各
MMPの基質特異性が広いことからMMPsの分別定量
は困難であった。Zucker et al.(PCT
WO93/20447)は二種類の抗体すなわち各M
MPに対する抗体及び各TIMPに対する抗体を用い、
MMP−TIMP複合体を測定している。この方法では
既に形成された不活性なMMP−TIMP複合体を測定
するのみで、マトリックス成分の分解に直接関わる遊離
状態にある活性型MMPs(遊離の活性型MMPs)を
測定することはできない。またTIMPsは全ての活性
型MMPsと結合し、さらにTIMP−1あるいはTI
MP−2は各々潜在型MMP−9あるいは潜在型MMP
−2とも結合することから、一つの活性型MMPを定量
するには、TIMP−1、TIMP−2及びTIMP−
3との複合体をすべて定量しなければならず、さらには
MMP−2及びMMP−9については潜在型MMPsと
複合体との分別定量が必要となるため正確な活性型MM
Ps量を定量するのは困難である。こうして現在まで遊
離状態にある活性型MMPsのみの定量法については報
告がない。さらに潜在型MMPを認識せず活性型MMP
sのみに特異的な抗体を用いれば活性型MMPsを測定
できると考えられるが、未だこのような抗体が得られた
という報告もない。
【0005】
【課題の解決】本発明の目的は、簡単な操作及び試薬を
用い、感度並びに精度良く、また迅速にそれぞれの活性
型MMPs量を分別して定量し得る方法を提供すること
にある。こうした方法に用いる試薬キットを提供するこ
とも本発明の目的の一つである。本発明者らは、活性型
MMPsに結合し、その活性を抑制するインヒビター、
例えばTIMPs、α2 −マクログロブリン、ペプチド
インヒビター及び合成化合物などのうち、TIMPsが
すべてのMMPsの活性型に特異的に結合することに着
目し、各MMPに特異的に結合する抗体とTIMPsと
の組合せにより簡便な遊離の活性型MMPsの分別定量
法を提供できるのではないかと考えて、鋭意研究の結
果、各MMPに特異的に結合する抗体と、TIMPsあ
るいはTIMPsと各TIMPに特異的に結合する抗体
との複合物を組合せて使用する遊離の活性型MMPsの
分別定量法を確立した。さらにTIMPsを標識付与用
として用いる場合、TIMPsの活性型MMPsに対す
る結合能を損することなく直接または間接的に標識物を
付与することに成功し、この標識物を付与したTIMP
sと各MMPに特異的に結合する抗体とを組合せること
により、簡便な遊離の活性型MMPsの分別定量法を確
立した。特に直接標識物を付与したTIMP−1と各M
MPに特異的に結合する抗体とを組み合わせて用いる場
合、遊離の活性型MMP−1、−2、−3、−7、−
8、−10、−11、−12、−13及び−14を定量
することができ、直接標識物を付与したTIMP−2と
各MMPに特異的に結合する抗体とを組み合わせて用い
る場合、遊離の活性型MMP−1、−3、−7、−8、
−9、−10、−11、−12、−13及び−14を定
量することができる。さらに固相用にTIMP−1ある
いはTIMP−2を用いる場合も上記と同様各々の遊離
の活性型MMPsを定量することができる。
【0006】またさらに各MMPに特異的に結合する抗
体と各TIMPとを組み合わせて用いる場合、標識物を
付与した抗TIMP抗体を用いて間接的に標識物を付与
した各TIMPを用いることにより、すべての遊離の活
性型MMPs、すなわちMMP−1、−2、−3、−
7、−8、−9、−10、−11、−12、−13及び
−14を定量することができる。本発明は、TIMPs
から成る群から選ばれたものと各MMPに対するモノク
ローナル抗体から成る群から選ばれたものとを組合わせ
て用い、その組合わせ成分の一方を直接あるいは間接に
検知可能な標識物を付与した成分とし、他の組合わせ成
分を固相化した成分として用い、被検試料中の遊離の活
性型MMPsを分別定量する方法及びその方法に用いる
試薬を提供することにある。こうして典型的には本発明
の目的は、上記の標識物を付与したTIMPs(各TI
MPに対する標識物を付与した各モノクローナル抗体で
間接的に標識物を付与したTIMPsを含む)あるいは
各MMPに対するモノクローナル抗体及び固相担体用と
して各MMPに対するモノクローナル抗体あるいはTI
MPsを用い、被検試料中の遊離の活性型MMPsを分
別定量する優れた方法及びその為の試薬キットを提供す
ることにある。本発明はこうした遊離の活性型MMPs
を分別定量することのできる試薬キットのうちの各試薬
をすべてその実施態様のうちに含むと理解される。さら
に本発明の目的は、上記定量法を用いて遊離の活性型M
MPsを分別定量することにより、組織破壊や癌転移な
どの病態をモニターし得る方法並びに試薬あるいは診断
剤を提供することにある。したがって、医学的生理学的
分野における上記試薬の各種利用、組織破壊や癌転移、
組織の修復の程度の判断、あるいは細胞増殖促進などの
生理的作用の指標として上記試薬を使用することはすべ
て本発明のその実施態様のうちに含むと理解される。
【0007】本発明に従った態様によれば、例えば下記
の定量法が提供される。 (1)標識物が付与されたTIMPsと各MMPに特異
的に結合するモノクローナル抗体あるいは(2)TIM
Pに特異的に結合するモノクローナル抗体を介して標識
物が付与されたTIMPsと各MMPに特異的に結合す
るモノクローナル抗体をそれぞれ用い、個々の活性型M
MPを標準物質として、被検試料中の個々の遊離の活性
型MMPの分別定量を行うことを特徴とする遊離の活性
型MMPsの定量法及びそれに用いる試薬。本発明の定
量法において、使用されるMMPに特異的に結合するモ
ノクローナル抗体は、各々のMMPに特異的に結合し、
別のMMPsと交差反応しないモノクローナル抗体で、
特には各MMPの中央領域またはカルボキシル末端領域
を認識するものが挙げられる。
【0008】本発明で使用されるMMPsに対するイン
ヒビターは、MMP遺伝子ファミリー由来のMMPsに
対するインヒビターを含んでいてよく、例えばTIMP
−1、TIMP−2といったMMPsに対するインヒビ
ターであることができる。TIMP−1は、最初MMP
−1を阻害することからコラゲナーゼインヒビターと呼
ばれていたが、その後ゼラチナーゼやストロムライシン
も阻害することからTIMPと呼ばれるようになったも
ので、オタマジャクシからヒトに至る由来の異なるコラ
ゲナーゼを広く阻害する。TIMP−1は、多くの体外
培養組織、例えば大動脈、軟骨、胎児骨、腱、歯髄、歯
肉、滑膜、子宮など、培養細胞、例えば線維芽、上皮、
内皮、骨芽、軟骨、平滑筋などの細胞、血小板、単球、
マクロファージ、腫瘍細胞などにより産生されているこ
とが認められ、歯髄由来細胞、ヒト胎盤などから得るこ
とができ、例えばKodama et al.,Col
lagen Rel. Res.,7,341−35
0,1987及びJ.Biochem.96,395〜
404,1984に記載の方法に従い、ウシの未萌出知
歯の根部歯髄といったウシ歯髄由来細胞の培養液から単
離したり、Kodama et al.,J.Immu
nol.Methods,127,103−108,1
990に記載の方法に従いヒト胎盤などから得ることが
できる。
【0009】TIMP−2は、その含有アミノ酸配列が
TIMP−1とホモロジーを有する部位を持つことが知
られている。TIMP−2は、マウス結腸癌細胞、例え
ばcolon26細胞、ヒト胎盤などから得ることがで
き、例えばFujimotoet al.,Clin.
Chim.Acta,220,31−45,1993、
特開平6−300757号公報などに記載の方法に従い
ヒト胎盤などから得ることができる。TIMP−1及び
TIMP−2は、遺伝子組換えの技術で得ることもで
き、例えばWilliamson et al.,Bi
ochem.J.,268,267−274,199
0、Boone et al.,Proc.Natl.
Acad.Sci.USA,87,2800−280
4,1990に記載の方法を参考にして得ることができ
る。これらTIMPsは、従来公知の方法、例えば硫酸
アンモニウム沈殿法などの塩析、セファデックスなどに
よるゲルろ過法、イオン交換クロマトグラフィー法、電
気泳動法、透析、限外ろ過法、アフィニティ・クロマト
グラフィー法、高速液体クロマトグラフィー法などによ
り精製してから用いることができる。基本的にはMMP
sに対するインヒビターであるものを、限定されること
無く利用できるが、好ましくは活性型MMPsに特異的
に結合できるものが挙げられる。
【0010】本発明で使用されるモノクローナル抗体
は、ケラー及びミルシュタイン(Kohler,G.&
Milstein,C.)(Nature,256,
495−497,1975)などにより開示されたミエ
ローマ細胞を用いての細胞融合技術を利用して得られた
モノクローナル抗体であってもよいことはいうまでもな
い。本発明で使用されるモノクローナル抗体は、次のよ
うな工程で作製できる。 1.免疫原性抗原の調製 2.免疫原性抗原による動物の免疫 3.ミエローマ細胞(骨髄腫細胞)の調製 4.抗体産生細胞とミエローマ細胞との細胞融合 5.ハイブリドーマ(融合細胞)の選択及びモノクロー
ン化 6.モノクローナル抗体の製造
【0011】1.免疫原性抗原の調製 抗原としては、例えばKodama et al.,C
ollagenRel. Res.,7,341−35
0,1987及びKodama etal.,J.Im
munol.Methods,127,103−10
8,1990に記載の方法により調製したTIMP−
1、Fujimoto et al.,Clin.Ch
im.Acta,220,31−45,1993に記載
の方法により調製したTIMP−2、特開平5−199
868号に記載の方法に従い調製したリコンビナントT
IMP−1(rTIMP−1)、Aoki et a
l.,Connective Tissue,199
4,in pressに記載の方法に従い調製したリコ
ンビナントTIMP−2(rTIMP−2)などを用い
ることができる。ここでは、MMPs活性を阻害するT
IMPsであればどのTIMPsでも使用できる。
【0012】また抗原としては、例えばZhang e
t al.,Clin.Chim.Acta,219,
1−14,1993に記載の方法に従い調製したMMP
−1、Fujimoto et al.,Clin.C
him.Acta,221,91−103,1993に
記載の方法に従い調製したMMP−2、Okadaet
al.,Biochem.J.,254,731−7
41,1988に記載の方法に従い調製したMMP−
3、Knauper et al.,Biol.Che
m.Hoppe−Seyler.,371,295−3
04,1990に記載の方法により調製したMMP−
8、Okada et al.,J.Biol.Che
m.,267,21712−21719,1992に記
載の方法に従い調製したMMP−9、Park et
al.,J.Biol.Chem.,266,1584
−1590,1991に記載の方法に従い調製したリコ
ンビナントMMP−10、Pei et al.,J.
Biol.Chem.,269,25849−2585
5,1994に記載の方法に従い調製したリコンビナン
トMMP−11、Shapiro et al.,J.
Biol.Chem.,268,23824−2382
9,1993に記載の方法に従い調製したMMP−12
及びリコンビナントMMP−12、Freije et
al.,J.Biol.Chem.,269,167
66−16773,1994に記載の方法に従い調製し
たリコンビナントMMP−13、特願平6−33130
5号に記載の方法に従い調製したMMP−14などで、
それらの文献やそこで引用する文献に記載の方法に従い
調製したMMPs、さらには遺伝子組み換え等によって
得られたMMPsなどを用いることができる。
【0013】ここでは、潜在型や活性型のものが好まし
く使用できる。こうした抗原は、各種原料、例えば培養
細胞、培養組織など、形質転換体細胞などの抗原産生材
料から従来公知の方法、例えば硫酸アンモニウム沈殿法
などの塩析、セファデックスなどによるゲルろ過法、イ
オン交換クロマトグラフィー法、電気泳動法、透析、限
外ろ過法、アフィニティ・クロマトグラフィー法、高速
液体クロマトグラフィー法などにより精製して得ること
ができる。好ましくは、ポリアクリルアミド電気泳動、
モノクローナル抗体などの抗原を特異的に認識する抗体
あるいはインヒビターを固定化したを固定化したアフィ
ニティー・クロマトグラフィーなどで処理し精製分離処
理できる。特に好ましくはゼラチン−アガロース・アフ
ィニティー・クロマトグラフィー、ヘパリン−アガロー
ス・クロマトグラフィーなどが挙げられる。
【0014】こうして得られた抗原は、さらに免疫原性
コンジュゲートなどにしてもよいが、そのまま適当なア
ジュバントと混合して動物を免疫するのに使用できる。
さらに抗原は、それを断片化したものを適当な縮合剤を
介して種々の担体タンパク質類と結合させてハプテン−
タンパク質の如き免疫原性コンジュゲートとし、これを
用いて特定の配列のみを認識できるモノクローナル抗体
をデザインするのに用いることもできる。例えば、Bo
one et al.,Proc.Natl.Aca
d.Sci.USA,87,2800−2804,19
90に記載のヒトTIMP−2のcDNA配列から予測
されるアミノ酸配列をもつポリペプチドをデザインして
合成して得られたポリペプチドを用いることが挙げられ
る。デザインされるポリペプチドには予めシステイン残
基などを付加し、免疫原性コンジュゲートの調製を容易
にできるようにしておくことができる。担体タンパク質
類と結合させるにあたっては、担体タンパク質類はまず
活性化されることができる。こうした活性化にあたり活
性化結合基を導入することが挙げられる。
【0015】活性化結合基としては、(1)活性化エス
テルあるいは活性化カルボキシル基、例えばニトロフェ
ニルエステル基、ペンタフルオロフェニルエステル基、
1−ベンゾトリアゾールエステル基、N−スクシンイミ
ドエステル基など、(2)活性化ジチオ基、例えば2−
ピリジルジチオ基などが挙げられる。担体タンパク質類
としては、キーホール・リンペット・ヘモシアニン(K
LH),牛血清アルブミン(BSA)、卵白アルブミ
ン、グロブリン、ポリリジンなどのポリペプタイド、細
菌菌体成分、例えばBCGなどが挙げられる。
【0016】2.免疫原性抗原による動物の免疫 動物を免疫するには、例えば村松繁、他編、実験生物学
講座14、免疫生物学、丸善株式会社、昭和60年、日
本生化学会編、続生化学実験講座5、免疫生化学研究
法、東京化学同人、1986年、日本生化学会編、新生
化学実験講座12、分子免疫学 III、抗原・抗体・補
体、東京化学同人、1992年などに記載の方法に準じ
て行うことができる。抗原と共に用いられるアジュバン
トとしては、例えばフロイント完全アジュバント、リビ
(Ribi)アジュバント、百日咳ワクチン、BCG、
リピッドA、リポソーム、水酸化アルミニウム、シリカ
などが挙げられる。免疫は、例えばBALB/cなどの
マウスをはじめとする動物を使用して行われる。抗原の
投与量は、例えばマウスに対して約1〜400μg/動
物で、一般には宿主動物の腹腔内や皮下に注射し、以後
1〜4週間おきに、好ましくは1〜2週間ごとに腹腔
内、皮下、静脈内あるいは筋肉内に追加免疫を2〜10
回程度反復して行う。免疫用のマウスとしてはBALB
/c系マウスの他、BALB/c系マウスと他系マウス
とのF1マウスなどを用いることもできる。必要に応
じ、抗体価測定系を調製し、抗体価を測定して動物免疫
の程度を確認できる。
【0017】3.ミエローマ細胞(骨髄腫細胞)の調製 細胞融合に使用される無限増殖可能株(腫瘍細胞株)と
しては免疫グロブリンを産生しない細胞株から選ぶこと
ができ、例えばP3−NS−1−Ag4−1(NS−
1,Eur. J. Immunology, 6, 511〜519, 1976)、SP2
/0−Ag14(SP2,Nature, 276, 269〜270, 197
8 ) 、マウスミエローマMOPC−21セルライン由来
のP3−X63−Ag8−U1(P3U1,Current to
pics in Microbiol. and Immunol., 81, 1〜7, 1978
)、P3−X63−Ag8(X63,Nature, 256, 49
5〜497, 1975 ) 、P3−X63−Ag8−653 (6
53,J.Immunol., 123, 1548〜1550, 1979) などを用
いることができる。8−アザグアニン耐性のマウスミエ
ローマ細胞株はダルベッコMEM培地(DMEM培
地)、RPMI−1640培地などの細胞培地に、例え
ばペニシリン、アミカシンなどの抗生物質、牛胎児血清
(FCS)などを加え、さらに8−アザグアニン(例え
ば5〜45μg/ml)を加えた培地で継代されるが、
細胞融合の2〜5日前に正常培地で継代して所要数の細
胞株を用意することができる。また使用細胞株は、凍結
保存株を約37℃で完全に解凍したのちRPMI−16
40培地などの正常培地で3回以上洗浄後、正常培地で
培養して所要数の細胞株を用意したものであってもよ
い。
【0018】4.抗体産生細胞とミエローマ細胞との細
胞融合 上記2.の工程に従い免疫された動物、例えばマウスは
最終免疫後、2〜5日後にその脾臓が摘出され、脾細胞
懸濁液を得る。脾細胞の他、生体各所のリンパ節細胞を
得て、それを細胞融合に使用することもできる。こうし
て得られた脾細胞懸濁液と上記4.の工程に従い得られ
たミエローマ細胞株を、例えば最小必須培地(MEM培
地)、DMEM培地、RPMI−1640培地などの細
胞培地中に置き、細胞融合剤、例えばポリエチレングリ
コールを添加する。細胞融合剤としては、この他各種当
該分野で知られたものを用いることができ、この様なも
のとしては不活性化したセンダイウイルス(HVJ:H
emagglutinating virus of
Japan)などが挙げられる。好ましくは、例えば3
0〜60%のポリエチレングリコールを0.5〜2ml
加えることができ、分子量が1,000〜8,000の
ポリエチレングリコールを用いることができ、さらに分
子量が1,000〜4,000のポリエチレングリコー
ルがより好ましく使用できる。融合培地中でのポリエチ
レングリコールの濃度は、例えば30〜60%となるよ
うにすることが好ましい。必要に応じ、例えばジメチル
スルホキシドなどを少量加え、融合を促進することもで
きる。融合に使用する脾細胞(リンパ球):ミエローマ
細胞株の割合は、例えば1:1〜20:1とすることが
挙げられるが、より好ましくは4:1〜7:1とするこ
とができる。融合反応を1〜10分間行い、次にRPM
I−1640培地などの細胞培地を加える。融合反応処
理は複数回行うこともできる。融合反応処理後、遠心な
どにより細胞を分離した後選択用培地に移す。
【0019】5.ハイブリドーマ(融合細胞)の選択及
びモノクローン化 選択用培地としては、例えばヒポキサンチン、アミノプ
テリン及びチミジンを含む、FCS含有MEM培地、R
PMI−1640培地などの培地、所謂HAT培地が挙
げられる。選択培地交換の方法は、一般的には培養プレ
ートに分注した容量と当容量を翌日加え、その後1〜3
日ごとにHAT培地で半量ずつ交換するというようにす
ることができるが、適宜これに変更を加えて行うことも
できる。また融合後8〜16日目には、アミノプテリン
を除いた、所謂HT培地で1〜4日ごとに培地交換をす
ることができる。フィーダーとして、例えばマウス胸腺
細胞を使用することもでき、それが好ましい場合があ
る。ハイブリドーマの増殖のさかんな培養ウェルの培養
上清を、例えば放射免疫分析(RIA)、ELISA、
蛍光免疫分析(FIA)などの測定系、あるいは蛍光惹
起細胞分離装置(FACS)などで、各TIMPあるい
は各ヒトMMP抗原あるいはその断片ペプチドを抗原と
して用いたり、あるいは標識抗マウス抗体を用いて目的
抗体を測定するなどして、スクリーニングしたり分離す
る。目的抗体を産生しているハイブリドーマをクローニ
ングする。クローニングは、寒天培地中でコロニーをピ
ック・アップするか、あるいは限界希釈法によりなされ
うる。限界希釈法でより好ましく行うことができる。ク
ローニングは複数回行うことが好ましい。
【0020】6.モノクローナル抗体の製造 得られたハイブリドーマ株は、FCS含有MEM培地、
RPMI−1640培地などの適当な増殖用培地中で培
養し、その培地上清から所望のモノクローナル抗体を得
ることが出来る。大量の抗体を得るためには、ハイブリ
ドーマを腹水化することが挙げられる。この場合ミエロ
ーマ細胞由来の動物と同系の組織適合性動物の腹腔内に
各ハイブリドーマを移植し、増殖させるか、例えばヌー
ド・マウスなどに各ハイブリドーマを移植し、増殖さ
せ、該動物の腹水中に産生されたモノクローナル抗体を
回収して得ることが出来る。ハイブリドーマの移植に先
立ち、プリスタン(2,6,10,14−テトラメチル
ペンタデカン)などの鉱物油を腹腔内投与した後、ハイ
ブリドーマを増殖させ、腹水を採取すればよい。腹水液
はそのまま、あるいは従来公知の方法、例えば硫酸アン
モニウム沈殿法などの塩析、セファデックスなどによる
ゲルろ過法、イオン交換クロマトグラフィー法、電気泳
動法、透析、限外ろ過法、アフィニティ・クロマトグラ
フィー法、高速液体クロマトグラフィー法などにより精
製してモノクローナル抗体として用いることができる。
好ましくは、モノクローナル抗体を含有する腹水は、硫
安分画した後、DEAE−セファロースの如き、陰イオ
ン交換ゲル及びプロテインAカラムの如きアフィニティ
ーカラムなどで処理し精製分離処理できる。特に好まし
くは抗原又は抗原断片(例えば合成ペプチド、組換え抗
原タンパク質あるいはペプチド、抗体が特異的に認識す
る部位など)を固定化したアフィニティー・クロマトグ
ラフィー、プロテインAを固定化したアフィニティー・
クロマトグラフィーなどが挙げられる。
【0021】こうして得られたモノクローナル抗体は、
市販のアイソタイプ特異的抗マウスIg抗体、例えばア
イソタイプ特異的ウサギ抗マウスIg抗体などを用いて
その抗体構成鎖の重鎖及び軽鎖のタイプについて調べる
ことができる。モノクローナル抗体は、また特開平6−
300757号及びClin.Chim.Acta
(J.Zhang et al.,219,1−14,
1993)記載の方法で調製されたもの、例えば該文献
記載のクローン78−12G8(微工研受託番号FER
M P−13115)からのモノクローナル抗体、特開
平6−213888号及びClin.Chim.Act
a(N.Fujimotoet al.,221,91
−103,1993)記載の方法で調製されたもの、例
えば該文献記載のクローン75−7F7(微工研受託番
号FERM P−13335)からのモノクローナル抗
体、Clin.Chim.Acta(N.Fujimo
to et al.,231,79−88,1994)
記載の方法で調製されたもの、例えば該文献記載のクロ
ーン73−18B3(微工研受託番号FERM P−1
3695)からのモノクローナル抗体などであることが
できる。この各MMPに対し特異的に結合するモノクロ
ーナル抗体は、各MMPの潜在型及び活性型を認識する
ものが好ましいものとして挙げられる。
【0022】またこうして大量に得られた抗体の配列を
決定したり、ハイブリドーマ株から得られた抗体をコー
ドする塩基配列を利用して、遺伝子組換え技術により抗
体を作製することも可能である。さらにこれら抗体をト
リプシン、パパイン、ペプシンなどの酵素により処理し
て、場合により還元して得られるFab、Fab’、F
(ab’)2 といった抗体フラグメントにして使用して
もよい。これらフラグメントは、CM−又はDEAE−
セルロースクロマトグラフィー、ゲルろ過及びアフィニ
ティクロマトグラフィーなどの方法で精製できる。標識
物を付与する抗体としては、IgG画分、更にはペプシ
ン消化後還元して得られる特異的結合部Fab’を用い
ることができる。これらの場合の標識物の例としては、
下記するように酵素(ペルオキシダーゼ、アルカリホス
ファターゼあるいはβ−D−ガラクトシダーゼなど)、
化学物質、蛍光物質あるいは放射性同位元素などがあ
る。
【0023】本発明では、こうして得られた各MMPに
対し特異的に結合するモノクローナル抗体とTIMPs
を組合わせて用いて検体試料中の遊離の各活性型MMP
を免疫学的に分別して定量する方法が提供される。さら
にこうして得られた各MMPに対し特異的に結合するモ
ノクローナル抗体とTIMPsあるいは各TIMPに対
し特異的に結合するモノクローナル抗体を結合させたT
IMPsとを組合わせて用いて検体試料中の遊離の各活
性型MMPを免疫学的に分別して定量する方法が提供さ
れる。特に各TIMPを特異的に認識するモノクローナ
ル抗体としては、TIMP−1を特異的に認識するモノ
クローナル抗体、TIMP−2を特異的に認識するモノ
クローナル抗体が挙げられる。特開平5−244985
号の記載に従い調製し、得られた抗体が挙げられるが、
そのうち特異性が高く且つ親和性の強いマウス抗TIM
P−2 IgG(クローン67−4H11、微工研受託
番号FERM P−12690)あるいはそれと実質的
に同様の特異性を持つものなどが挙げられる。各MMP
を特異的に認識するモノクローナル抗体としては、各M
MPの少なくとも活性型を認識するモノクローナル抗体
が用いられ、各MMPの中央領域を特異的に認識するモ
ノクローナル抗体、各MMPのカルボキシル末端領域を
認識するモノクローナル抗体が挙げられる。各TIMP
と各TIMPを特異的に認識し且つ標識化されたモノク
ローナル抗体は、活性型MMPsとの反応前に相互に結
合されていてよい。その結合は架橋結合などの比較的安
定で、各TIMPの各MMPに対する反応性に比較的影
響しない方法が挙げられる。より強い結合形態にある場
合には、潜在型MMP−2あるいは潜在型MMP−9と
の反応において各TIMPと各TIMPを特異的に認識
し且つ標識化されたモノクローナル抗体との間の解離の
問題などがなくより好ましい。その結合は上記免疫原性
コンジュゲートに適用される方法、下記標識化に用いる
方法、固相化に用いる方法などの中から適宜選択して用
いることができる。好ましくはホルムアルデヒドなどの
アルデヒド類を架橋剤として使用する方法が挙げられる
が、これには限定されない。
【0024】さらに本発明では、各MMPに対し特異的
に結合するモノクローナル抗体と、TIMPsに特異的
に結合する抗体とTIMPsとの複合体を用いて、検体
試料中の遊離の各活性型MMPを免疫学的に分別して定
量する方法も提供される。特にTIMP−1を特異的に
認識するモノクローナル抗体あるいはTIMP−2を特
異的に認識するモノクローナル抗体とTIMPsとの複
合体を標識試薬として用い、各MMPに対し特異的に結
合するモノクローナル抗体を固相化試薬として用いて検
体試料中の遊離の各活性型MMPを免疫学的に分別して
定量する方法が好ましく提供される。糖が結合している
MMPsは、糖鎖などにより分子量にバラツキを生じた
り、研究者により報告される測定分子量も異なる。した
がって本発明では実質的に遊離のMMPの活性型を測定
するものであればとくにその分子量は限定されるもので
ない。MMPsは、大きく分けてプロペプチド(pro
peptide)、触媒活性ドメイン(catalyt
ic domain)、ヒンジ領域(hinge re
gion)及びペキシン様ドメイン(pexin−li
ke domain)の4つの領域に分けられ、プロペ
プチド領域をアミノ末端領域、ペキシン様ドメイン領域
をカルボキシ末端領域とされ、その間の触媒活性ドメイ
ン及びヒンジ領域を中央領域とされるのが一般的であ
る。
【0025】本発明の測定は、イムノアッセイ、例えば
競合型イムノアッセイまたは非競合型イムノアッセイで
行うことができ、ラジオイムノメトリックアッセイ、E
LISAなどを用いることができ、B−F分離を行って
もあるいは行わないでその測定を行うことができる。各
TIMPは直接検出可能に標識化されてもよいし、アッ
セイ反応前に各TIMPに対し特異的に結合する検出可
能に標識化されたモノクローナル抗体でもって間接的に
検出可能に標識化されていてよい。一方各MMPに対す
る抗体を固相に固定化する。別の態様ではTIMPsを
固相に固定化することもでき、この場合各MMPに対す
る抗体は検出可能に標識化されていてもよい。検体と標
識化TIMPs及び固相化抗体を必要に応じ順次反応さ
せるためインキュベーション処理し、ここで非結合TI
MPsを分離後、標識物を測定する。測定された標識の
量は抗原、すなわち各活性型MMPの量と比例する。洗
浄、撹拌、震盪、ろ過あるいは抗原の予備抽出等は、特
定の状況のもとでそれら測定工程の中で適宜採用され
る。特定の試薬、緩衝液等の濃度、温度あるいはインキ
ュベーション処理時間などのその他の測定条件は、検体
中の抗原の濃度、検体試料の性質等の要素に従い変える
ことができる。当業者は通常の実験法を用いながら各測
定に対して有効な最適の条件を適宜選定して測定を行う
ことが出来る。
【0026】固相化するための担体としては、抗原ある
いは抗体を固相化できる多くの担体が知られており、本
発明ではそれらから適宜選んで用いることができる。担
体としては、抗原抗体反応などに使用されるものが種々
知られており、本発明においても勿論これらの公知のも
のの中から選んで使用できる。特に好適に使用されるも
のとしては、例えばガラス、例えば活性化ガラス、多孔
質ガラス、シリカゲル、シリカ−アルミナ、アルミナ、
磁化鉄、磁化合金などの無機材料、ポリエチレン、ポリ
プロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、
ポリ酢酸ビニル、ポリメタクリレート、ポリスチレン、
スチレン−ブタジエン共重合体、ポリアクリルアミド、
架橋ポリアクリルアミド、スチレン−メタクリレート共
重合体、ポリグリシジルメタクリレート、アクロレイン
−エチレングリコールジメタクリレート共重合体など、
架橋化アルブミン、コラーゲン、ゼラチン、デキストラ
ン、アガロース、架橋アガロース、セルロース、微結晶
セルロース、カルボキシメチルセルロース、セルロース
アセテートなどの天然または変成セルロース、架橋デキ
ストラン、ナイロンなどのポリアミド、ポリウレタン、
ポリエポキシ樹脂などの有機高分子物質、さらにそれら
を乳化重合して得られたもの、細胞、赤血球などで、必
要に応じ、シランカップリング剤などで官能性基を導入
してあるものが挙げられる。さらに、ろ紙、ビーズ、試
験容器の内壁、例えば試験管、タイタープレート、タイ
ターウェル、ガラスセル、合成樹脂製セルなどの合成材
料からなるセル、ガラス棒、合成材料からなる棒、末端
を太くしたりあるいは細くしたりした棒、末端に丸い突
起をつけたりあるいは偏平な突起をつけた棒、薄板状に
した棒などの固体物質(物体)の表面などが挙げられ
る。これら担体へは、抗体を結合させることができ、好
ましくはMMPに対し特異的に結合する各モノクローナ
ル抗体を結合させることができる。担体とこれら抗原抗
体反応に関与するものとの結合は、吸着などの物理的な
手法、あるいは縮合剤などを用いたり、活性化されたも
のなどを用いたりする化学的な方法、さらには相互の化
学的な結合反応を利用した手法などにより行うことが出
来る。
【0027】標識としては、酵素、酵素基質、酵素イン
ヒビター、補欠分子類、補酵素、酵素前駆体、アポ酵
素、蛍光物質、色素物質、化学ルミネッセンス化合物、
発光物質、発色物質、磁気物質、金属粒子、例えば金コ
ロイドなど、放射性物質などを挙げることができる。酵
素としては、脱水素酵素、還元酵素、酸化酵素などの酸
化還元酵素、例えばアミノ基、カルボキシル基、メチル
基、アシル基、リン酸基などを転移するのを触媒する転
移酵素、例えばエステル結合、グリコシド結合、エーテ
ル結合、ペプチド結合などを加水分解する加水分解酵
素、リアーゼ、イソメラーゼ、リガーゼなどを挙げるこ
とができる。酵素は複数の酵素を複合的に用いて検知に
利用することもできる。例えば酵素的サイクリングを利
用することもできる。
【0028】代表的な酵素標識としては、西洋ワサビペ
ルオキシダーゼなどのペルオキシダーゼ、大腸菌β−D
−ガラクトシダーゼなどのガラクトシダーゼ、マレエー
ト・デヒドロゲナーゼ、グルコース−6−フォスフェー
ト・デヒドロゲナーゼ、グルコースオキシダーゼ、グル
コアミラーゼ、アセチルコリンエステラーゼ、カタラー
ゼ、ウシ小腸アルカリホスファターゼ、大腸菌アルカリ
ホスファターゼなどのアルカリ・フォスファターゼなど
が挙げられる。アルカリホスファターゼを用いた場合、
4−メチルウンベリフェリルフォスフェートなどのウン
ベリフェロン誘導体、ニトロフェニルホスフェートなど
のリン酸化フェノール誘導体、NADPを利用した酵素
的サイクリング系、ルシフェリン誘導体、ジオキセタン
誘導体などの基質を使用したりして、生ずる蛍光、発光
などにより測定できる。ルシフェリン、ルシフェラーゼ
系を利用したりすることもできる。カタラーゼを用いた
場合、過酸化水素と反応して酸素を生成するので、その
酸素を電極などで検知することもできる。電極としては
ガラス電極、難溶性塩膜を用いるイオン電極、液膜型電
極、高分子膜電極などであることもできる。酵素標識
は、ビオチン標識体と酵素標識アビジン(ストレプトア
ビジン)に置き換えることも可能である。標識は、複数
の異なった種類の標識を使用することもできる。こうし
た場合、複数の測定を連続的に、あるいは非連続的に、
そして同時にあるいは別々に行うことを可能にすること
もできる。
【0029】本発明においては、信号の形成に4−ヒド
ロキシフェニル酢酸、1,2−フェニレンジアミン、テ
トラメチルベンジジンなどと西洋ワサビ・ペルオキシダ
ーゼ、ウンベリフェリルガラクトシド、ニトロフェニル
ガラクトシドなどとβ−D −ガラクトシダーゼ、グルコ
ース−6−リン酸・デヒドロゲナーゼなどの酵素試薬の
組合わせも利用でき、ヒドロキノン、ヒドロキシベンゾ
キノン、ヒドロキシアントラキノンなどのキノール化合
物、リポ酸、グルタチオンなどのチオール化合物、フェ
ノール誘導体、フェロセン誘導体などを酵素などの働き
で形成しうるものが使用できる。
【0030】蛍光物質あるいは化学ルミネッセンス化合
物としては、フルオレセインイソチオシアネート、例え
ばローダミンBイソチオシアネート、テトラメチルロー
ダミンイソチオシアネートなどのローダミン誘導体、ダ
ンシルクロリド、ダンシルフルオリド、フルオレスサミ
ン、フィコビリプロテイン、アクリジニウム塩、ルミフ
ェリン、ルシフェラーゼ、エクォリンなどのルミノー
ル、イミダゾール、シュウ酸エステル、希土類キレート
化合物、クマリン誘導体などが挙げられる。標識するに
は、チオール基とマレイミド基の反応、ピリジルジスル
フィド基とチオール基の反応、アミノ基とアルデヒド基
の反応などを利用して行うことができ、公知の方法ある
いは当該分野の当業者が容易になしうる方法、さらには
それらを修飾した方法の中から適宜選択して適用でき
る。例えば、NaIO4 を用いた架橋法(例えば、1−
フルオロ−2,4−ジニトロベンゼンなどでアミノ基を
保護した後、メタNaIO4 で酸化し、次に抗体などの
タンパク質を反応させた後NaBH4 により還元する方
法よりなっている)なども挙げられる。また上記免疫原
性複合体作製に使用されることのできる縮合剤、担体と
の結合に使用されることのできる縮合剤などを用いるこ
とができる。
【0031】縮合剤としては、例えばグルタルアルデヒ
ド、ヘキサメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレン
ジイソチオシアネート、N,N’−ポリメチレンビスヨ
ードアセトアミド、p−ベンゾキノン、N,N’−o−
フェニレンジマレイミド、N,N’−エチレンビスマレ
イミド、エチレングリコールビススクシニミジルスクシ
ネート、ビスジアゾベンジジン、1−エチル−3−(3
−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド、スクシン
イミジル 3−(2−ピリジルジチオ)プロピオネート
(SPDP)、N−スクシンイミジル 4−(N−マレ
イミドメチル)シクロヘキサン−1−カルボキシレート
(SMCC)、N−スルホスクシンイミジル 4−(N
−マレイミドメチル)シクロヘキサン−1−カルボキシ
レート、N−スクシンイミジル (4−ヨードアセチ
ル)アミノベンゾエート、N−スクシンイミジル 4−
(1−マレイミドフェニル)ブチレート、N−(ε−マ
レイミドカプロイルオキシ)コハク酸イミド(EMC
S)、イミノチオラン、S−アセチルメルカプトコハク
酸無水物(AMSA)、メチル−3−(4’−ジチオピ
リジル)プロピオンイミデート、メチル−4−メルカプ
トブチリルイミデート(MMBI)、メチル−3−メル
カプトプロピオンイミデート、N−スクシンイミジル−
S−アセチルメルカプトアセテートなどが挙げられる。
【0032】本発明の測定法によれば、測定すべき物質
を担体に結合されたTIMPあるいは抗体と、酵素など
で標識した抗体試薬あるいは酵素などで標識したTIM
P試薬に順次反応させることができるし、それらを同時
に反応させることもできる。試薬を加える順序は選ばれ
た担体系の型により異なる。感作されたプラスチックな
どのビーズを用いた場合には、該感作されたプラスチッ
クなどのビーズを測定すべき物質を含む検体試料と共に
最初適当な試験管中に一緒に入れ、その後酵素などで標
識したモノクローナル抗体試薬あるいはTIMP試薬を
加えることにより測定を行うことができる。本発明の定
量法においては、免疫学的測定法が用いられるが、その
際の固相担体としては、抗体などタンパク質を良く吸着
するポリスチレン製、ポリカーボネイト製、ポリプロピ
レン製あるいはポリビニル製のボール、マイクロプレー
ト、スティック、微粒子あるいは試験管などの種々の材
料および形態を任意に選択し、使用することができる。
測定にあたっては至適pH、例えばpH約4〜9に保つ
ように適当な緩衝液系中で行うことができる。特に適切
な緩衝剤としては、例えばアセテート緩衝剤、クエン酸
塩緩衝剤、フォスフェート緩衝剤、トリス緩衝剤、トリ
エタノールアミン緩衝剤、ボレート緩衝剤、グリシン緩
衝剤、炭酸塩緩衝剤、トリス−塩酸緩衝剤などが挙げら
れる。緩衝剤は互いに任意の割合で混合して用いること
ができる。抗体抗原反応は約0℃〜60℃の間の温度で
行うことが好ましい。
【0033】酵素などで標識した抗体試薬、酵素などで
標識したTIMP試薬、担体に結合せしめられた抗体試
薬及び担体に結合せしめられたTIMP試薬、さらには
測定すべき物質のインキュベーション処理は、平衡に達
するまで行うことができるが、抗体抗原反応の平衡が達
成されるよりもずっと早い時点で固相と液相とを分離し
て限定されたインキュベーション処理の後に反応を止め
ることができ、液相又は固相のいずれかにおける酵素な
どの標識の存在の程度を測ることができる。測定操作
は、自動化された測定装置を用いて行うことが可能であ
り、ルミネセンス・ディテクター、ホト・ディテクター
などを使用して基質が酵素の作用で変換されて生ずる表
示シグナルを検知して測定することもできる。
【0034】抗体抗原反応及び活性型MMPsとTIM
Psとの反応においては、それぞれ用いられる試薬、測
定すべき物質、さらには酵素などの標識を安定化した
り、抗体抗原反応及び活性型MMPsとTIMPsとの
反応自体を安定化するように適切な手段を講ずることが
できる。さらに、非特異的な反応を除去し、阻害的に働
く影響を減らしたり、あるいは測定反応を活性化したり
するため、タンパク質、安定化剤、界面活性化剤、キレ
ート化剤などをインキュベーション溶液中に加えること
もできる。当該分野で普通に採用されていたりあるいは
当業者に知られた非特異的結合反応を防ぐためのブロッ
キング処理を施してもよく、例えば、哺乳動物などの正
常血清タンパク質、アルブミン、スキムミルク、乳発酵
物質、コラーゲン、ゼラチンなどで処理することができ
る。非特異的結合反応を防ぐ目的である限り、それらの
方法は特に限定されず用いることが出来る。本発明の測
定方法で測定される試料としては、あらゆる形態の溶液
やコロイド溶液などが使用しうるが、好ましくは生物由
来の流体試料、例えば血液、血漿、血清、関節液、脳脊
髄液、唾液、羊水、尿、その他の体液、細胞培養液、組
織培養液、組織ホモジュネートなどが挙げられる。特に
好ましくは血漿、血清、関節液、唾液、細胞培養液、組
織培養液、組織ホモジュネートなどが挙げられる。本発
明に従えば、MMPs活性が亢進する病態、例えば関節
症、癌、転移性癌、歯周病などの患者あるいは動物体液
中の遊離の活性型MMPsを本発明に係る定量法を用い
て定量することにより、上記疾患群の診断あるいはモニ
ターに応用することができる。
【0035】
【実施例】以下に実施例を挙げ、本発明を具体的に説明
するが、本発明は実施例に限定されること無く様々な態
様が含まれることは理解されるべきである。 実施例1 TIMPsの調製 TIMP−1は、ウシ未萌出知歯の根部歯髄を最小必須
Eagle培地(日水製薬)中で培養し、ウシ歯髄由来
細胞の培養液からカラムクロマトグラフィーにかけ精製
した。例えばKodama et al.,Colla
gen Rel. Res.,7,341−350,1
987の方法に従い、各種材料から調製した。またTI
MP−2はFujimoto et al.(Cli
n.Chim.Acta,220,31−45,199
3及び特開平6−300757号公報)の方法に従い、
各種材料から調製した。例えば胎盤を細切後緩衝液中で
撹拌し、得られた上清を抗TIMP−2モノクローナル
抗体(例えば特開平5−244985号公報に開示のク
ローンNo.67−4H11など)結合セファロース
4Bカラムのクロマトグラフィーにかけて処理し、必要
に応じ限外ろ過、ゲルろ過、例えばUltrogel
AcA54(LKB)などで処理し、精製ヒトTIMP
−2を調製した。
【0036】リコンビナントTIMP−1(rTIMP
−1)はヒト正常歯肉線維芽細胞(ヒトGin−1細
胞)などから得られた全RNA画分よりオリゴ(dT)
−セルロースカラムを用いて、ポリA+ mRNA画分を
分離し、これを鋳型にしてcDNAを逆転写酵素を用い
て調製し、Docherty et al.,Natu
re,318,66−69,1985などで知られたT
IMP−1cDNAの配列を参考にPCRプライマーを
作成し、このPCRプライマー(プライマーTIF1:
5’−ATGGCCCCCTTTGAGCCCCTG−
3’及びプライマーTIR1:5’−CAGGATTC
AGGCTATCTG−3’)を用いてPCR法により
TIMP遺伝子を増幅し、得られたDNA断片をプラス
ミドPEX,pMEMneoなどのベクターに組込み、
大腸菌、CHO細胞などで発現させて得ることができ
る。rTIMP−1は、特開平5−199868号記載
の方法に従い得られた。調製されたrTIMP−1は、
SDS−PAGE(12%均一ゲル、還元条件)で約3
0kDaの単一のバンドとして認められ、ウエスタンブ
ロッティング(ペルオキシダーゼ標識マウス抗TIMP
−1モノクローナル抗体で染色)においても約30kD
aの単一のバンドとして認められたものであった。rT
IMP−1のヒト線維芽細胞(CCD−41SK細胞)
由来MMP−1に対する阻害活性は、IC50が約1×1
-9Mであった。
【0037】またリコンビナントTIMP−2(rTI
MP−2)は、ヒトGin−1細胞などから得られた全
RNA画分よりオリゴ(dT)−セルロースカラムを用
いてポリA+ mRNA画分を分離し、これを鋳型、オリ
ゴdT(15〜18個)をプライマーにしてcDNAを
逆転写酵素を用いて調製し、Boone et a
l., Proc.Natl.Acad.Sci.US
A,87,2800−2804,1990などで知られ
たTIMP−2cDNAの配列を参考に作成したプライ
マーT2F7;AAAGTCGACCATGGGCGC
CGCGGCCCGCACCCT及びプライマーT2R
5;TTAAGATCTGTCGACTTAAGGAT
CCTCGATATCGAGGAATTCTTGCを用
いてPCR法によりTIMP−2遺伝子を増幅し、得ら
れたDNA断片をプラスミドpKGなどのベクターに組
込み、CHO細胞などで発現させて得ることができる。
rTIMP−2は、Aokiら(Connective
Tissue,1994,in press)の方法
に従い調製した。抗TIMP−2モノクローナル抗体結
合セファロース 4Bカラムのクロマトグラフィーにか
けて処理し、必要に応じ限外ろ過、ゲルろ過などで処理
し、精製rTIMP−2を調製した。調製されたrTI
MP−2は、SDS−PAGE(12%均一ゲル、還元
条件)で約24kDaの単一のバンドとして認められ、
胎盤から調製された天然型TIMP−2と同じ分子量の
位置に認められた。エピトープの異なる抗ヒトTIMP
−2モノクローナル抗体(特開平5−244985号公
報)によるウエスタンブロッティングを行った結果、約
24kDaの位置に単一のバンドとして認められたもの
であった。CCD−41SK細胞由来MMP−1に対す
る阻害活性は、IC50が約1.1×10-9Mであった。
またN末端及びC末端構造解析の結果、得られたrTI
MP−2は、天然型TIMP−2と同一の物質であるこ
とが示唆された。ここでは、MMPs活性を阻害するT
IMPsであればどのようなTIMPsでも使用できる
が、人為的に作成したrTIMPsを使用した。
【0038】実施例2 標識TIMPsの調製 通常、タンパク質の標識物として低分子の放射性同位元
素、化学物質あるいは蛍光物質がタンパク質自身が持っ
ている活性を損なうことを避けるために用いられるが、
ここでは一般的には、TIMPに対してはそのタンパク
質自身の活性を損なう恐れが高い高分子の酵素で標識す
る方法を示す。 (a)rTIMPs−あるいはIgG−ペルオキシダー
ゼ(HRP)複合体の調製 1)SH基標識rTIMPあるいはSH基標識IgGの
調製 rTIMP−1、rTIMP−2あるいはIgGを0.
1Mリン酸緩衝液(pH6.5)に対し透析し、その溶
液1mlに含有されている各々のrTIMPに対して1
00倍モルのAMSAをジメチルホルムアミド溶液とし
て加え、30℃、30分間インキュベーションした。次
に0.1Mトリス−塩酸緩衝液(pH7.0)100μ
l、0.1Mエチレンジアミン四酢酸塩(EDTA,p
H6.0)10μl、1Mヒドロキシルアミン溶液(p
H7.0)100μlを加え、30℃、5分間静置後、
0.1Mリン酸緩衝液(pH6.0)で平衡化したセフ
ァデックスG−25でゲルろ過し、SH基標識rTIM
P−1、SH標識rTIMP−2あるいはSH基標識I
gGをそれぞれ得た。
【0039】2)マレイミド標識HRPの調製 HRPを12mg/mlの濃度になるように0.1Mリ
ン酸緩衝液(pH7.0)に溶解し、そのHRP量に対
して25倍量のEMCSをジメチルホルムアミド溶液と
して加え、30℃、30分間反応させた。この反応液を
0.1Mリン酸緩衝液(pH6.0)で平衡化したセフ
ァデックスG−25でゲルろ過し、マレイミド標識HR
P画分を分取した。
【0040】3)rTIMP−HRPあるいはIgG−
HRP複合体の調製 上記1)で調製したSH基標識rTIMP−1、SH基
標識rTIMP−2あるいはSH基標識IgG 1モル
に上記2)で得られたマレイミド標識HRPを各々3モ
ル、3モルあるいは5モル加え、4℃、24時間静置し
た。これらの混合液を0.1Mトリス−塩酸緩衝液(p
H7.0)もしくは0.1Mリン酸緩衝液(pH7.
0)で平衡化したUltrogel AcA 44カラ
ムでゲルろ過し、rTIMP−1−HRP、rTIMP
−2−HRPあるいはIgG−HRP複合体画分をそれ
ぞれ分取した。得られた標識rTIMP−1及び標識r
TIMP−2についてHRPの標識の程度をHRP活性
を指標に比色法で調べた。反応させる上記2)で得られ
たマレイミド標識HRPの量を増加させることにより、
結合HRPの量は増加することが確かめられたが、rT
IMP−1あるいはrTIMP−2 1モル当りHRP
が各々1.8あるいは1.6結合したものが、以下の測
定に用いる試薬としてより好ましいと判断した。
【0041】(b)rTIMP−IgG−HRPの調製 rTIMPをHRPで標識する際、rTIMPに特異的
に結合する物質を介してrTIMPを間接的にHRPで
標識することができる。rTIMPに特異的に結合する
物質としては、ここではTIMPに特異的に結合するモ
ノクローナル抗体を使用した。ヒトTIMP−2ポリペ
プチドあるいは天然型TIMP−2を免疫原として調製
されたモノクローナル抗体を使用できる。Boone
et al.,Proc.Natl.Acad.Sc
i.USA,87,2800−2804,1990に記
載のcDNAから予測されるアミノ酸配列から三種のポ
リペプチド、例えばP−1;DSGNDIYGNPIK
RIQC、P−2;DTLSTTQKKSLNHRYQ
QC及びP−3;YRGAAPPKQEFLDIEDC
を合成し、これらを免疫原としてマウスを免疫し、免疫
マウスからの脾細胞を用い細胞融合法で作成されたハイ
ブリドーマクローンから得られるモノクローナル抗体を
用い、マレイミド標識HRPを反応させて抗TIMP−
2モノクローナル抗体−HRPを得ることができる。こ
うした抗体としては潜在型MMP−2がTIMP−2に
結合することを阻害することのできる抗体が好ましく使
用される。TIMP−2のカルボキシル末端領域を認識
する抗体が使用できる。
【0042】こうしてTIMP−2のカルボキシル末端
領域のポリペプチドに対するモノクローナル抗体を特開
平5−244985号の記載に従い調製し、得られた抗
体のうち、特異性が高く且つ親和性の強いマウス抗TI
MP−2 IgG(クローン67−4H11、微工研受
託番号FERM P−12690)を選択し、それを用
い前記(a)項記載にしたがってHRPを標識した。こ
のIgG−HRP(100μg)溶液にrTIMP−2
20μgを加え、10℃、3時間静置反応させた。こ
の混合液にさらに最終濃度4%となるようにホルムアル
デヒドを加え(固定反応)、室温で2時間反応させた。
使用した抗TIMP−2 IgG(クローン67−4H
11)はTIMP−2のカルボキシ末端領域を認識する
抗体で、潜在型MMP−2によりTIMP−2−抗TI
MP−2 IgGの結合が解離されることがわかってい
る(N.Fujimoto et al.,Clin.
Chim.Acta,220,31−45,199
3)。
【0043】上記固定反応は、形成された免疫複合体
(rTIMP−2−IgG−HRP)が潜在型MMP−
2により解離しないようにするためで、室温、0.5〜
6時間反応を行った結果、反応2時間が最良の条件であ
った。固定反応後、セファデックスG−25でホルムア
ルデヒドを除いた。この複合体は、潜在型MMP−2に
より解離せず、rTIMP−2とIgGが固定されてい
ることを確認した。このことより調製したrTIMP−
2−IgG−HRPはそのrTIMP−2の潜在型MM
P−2への結合領域が抗TIMP−2 IgGでブロッ
クされたため、潜在型MMP−2と反応しないことが示
された。すなわち上記rTIMP−2−IgG−HRP
はすべての活性型MMPsと反応し、さらに潜在型MM
P−2と活性型MMP−2の分別を可能にした。rTI
MP−2をrTIMP−1に代え、上記と同様の方法で
rTIMP−1−IgG−HRPも調製できた。抗ヒト
TIMP−1モノクローナル抗体は、実施例1のように
して得られた精製TIMP−1を免疫原としてマウスを
免疫し、免疫マウスからの脾細胞を用い細胞融合法で作
成されるハイブリドーマクローンから得られる。Kod
ama et al.,Collagen Rel.
Res.,7,341−350,1987記載のマウス
抗TIMP−1 IgGから選んで使用される。
【0044】実施例3 モノクローナル抗体の選択 抗ヒトMMP−1モノクローナル抗体は、ヒトプロMM
P−1を免疫原としてマウスを免疫し、免疫マウスから
の脾細胞を用い細胞融合法で作成されるハイブリドーマ
クローンから得られる。精製ヒトプロMMP−1は、ヒ
ト正常皮膚線維芽細胞CCD−41SK(ATCC N
o. CRL1505)を10%FCS含有最小必須E
agle培地中で培養し、必要に応じインターロイキン
1αで細胞刺激して得られた細胞培養上清から、限外ろ
過(東洋濾紙UP−76)による濃縮、ヘパリンセファ
ロース CL−6Bカラム(Pharmacia Fi
ne Chemicals)、セファクリル−S−20
0(PharmaciaFine Chemical
s)、グリーンA アクチゲル−ALDカラム(Ste
rogene)などによりクロマトグラフィーにかけ精
製した。得られた抗ヒトMMP−1モノクローナル抗体
のうち、少なくとも活性型MMP−1を認識する抗体を
使用することができる。抗ヒトMMP−1モノクローナ
ル抗体は、特開平6−300757号及びClin.C
him.Acta,219,1−14,1993記載の
モノクローナル抗体のうち、クローン78−12G8
(微工研受託番号FERM P−13115)からの抗
体を選んだ。この抗体は潜在型及び活性型MMP−1を
認識し、EDTAなどのキレート剤によってはその免疫
反応性の変化が認められないという性質をもっている。
【0045】抗ヒトMMP−2モノクローナル抗体は、
CCD−41SK細胞をヒトプロMMP−1の場合と同
様にして処理し、得られた細胞培養上清からゼラチンア
ガロース、抗TIMP−2 IgG結合セファロース、
抗フィブロネクチンIgG結合セファロースなどにより
クロマトグラフィーにかけ精製されるヒトプロMMP−
2を免疫原としてマウスを免疫し、免疫マウスからの脾
細胞を用い細胞融合法で作成されるハイブリドーマクロ
ーンから得られる。得られた抗ヒトMMP−2モノクロ
ーナル抗体のうち、少なくとも活性型MMP−2を認識
する抗体を使用することができる。抗ヒトMMP−2モ
ノクローナル抗体は、特開平6−213888号及びF
ujimoto et al.,Clin.Chim.
Acta,221,91−103,1993に記載のモ
ノクローナル抗体のうち、親和性の強いクローン75−
7F7(微工研受託番号FERM P−13335)か
らの抗体を使用した。この抗体は、MMP−2のカルボ
キシル末端領域を認識し、潜在型及び活性型MMP−2
を認識する抗体である。
【0046】抗ヒトMMP−7モノクローナル抗体は、
ヒト直腸癌細胞由来CaR−1細胞の培養液から、J.
Biol.Chem.,261,14245−1425
5,1986及びJ.Biol.Chem.,267,
21712−21719,1992に記載のOkada
et al.の方法に従い精製したヒトMMP−7
を、さらにDEAE−セルロースカラム、Green
A Dyematrixgel(Amicon製)カラ
ム、亜鉛キレートセファロース(Pharmacia
製)カラム、ウルトロゲルAcA44(IBF Bio
technics製)カラムなどで処理し、得られたヒ
トプロMMP−7を抗原として用いてBALB/c雌マ
ウスを免疫し、こうして免疫されたマウスから採取した
脾臓細胞を8−アザグアニン耐性ミエローマ細胞SP2
(SP2/0−Ag14)と細胞融合させ、ハイブリド
ーマを選択し、クローニングして得られる。抗ヒトMM
P−7モノクローナル抗体のうち、クローン125−2
0H11(生工研受託番号 FERM P−1473
5)は、活性型MMP−7を認識する抗体である。
【0047】抗ヒトMMP−9モノクローナル抗体は、
ヒト線維肉腫細胞(HT−1080細胞)を培養し、必
要に応じtumor necrosis factor
−αで細胞刺激して得られた細胞培養上清から、限外ろ
過、ゼラチンアガロースカラム、抗TIMP−1モノク
ローナル抗体結合セファロース4B、抗フィブロネクチ
ン抗体結合セファロース4Bなどによりクロマトグラフ
ィーにかけ精製して得られたヒトプロMMP−9を免疫
原としてマウスを免疫し、免疫マウスからの脾細胞を用
い細胞融合法で作成されるハイブリドーマクローンから
得られる。得られた抗ヒトMMP−9モノクローナル抗
体のうち、少なくとも活性型MMP−9を認識する抗体
を使用することができる。抗ヒトMMP−9モノクロー
ナル抗体は、Fujimoto et al.,Cli
n.Chim.Acta,231,79−88,199
4に記載のモノクローナル抗体のうち、親和性の強いク
ローン73−18B3(微工研受託番号FERM P−
13695)からの抗体を用いることにした。この抗体
は、MMP−9の中央領域を認識し、潜在型及び活性型
MMP−9を認識する抗体である。同様にしてMMP−
3、−8、−10、−11、−12、−13及び−14
に対するそれぞれのモノクローナル抗体を調製し、適切
なクローンを選択して使用できる。
【0048】実施例4 活性型MMPsの調製 活性型MMP−1は、ヒト皮膚線維芽細胞(CCD−4
1SK)培養上清より精製した潜在型MMP−1を0.
1M塩化ナトリウム、10mM塩化カルシウム含有50
mMトリス−塩酸緩衝液(pH7.5)(緩衝液A)に
溶解し、終濃度が1mMになるようにアミノフェニルマ
ーキュリックアセテート(APMA)を加え、37℃、
2時間インキュベーションした(J.Zhang et
al.,Clin.Chim.Acta,219,1
−14,1993)。SDS−PAGE(12.5%ゲ
ル、2−メルカプトエタノール存在下)によりヒト潜在
型MMP−1は完全に活性型MMP−1へ活性化された
ことを確認した。
【0049】活性型MMP−2は、CCD−41SK培
養上清から精製した潜在型MMP−2を上記緩衝液Aに
溶解し、1mM APMAで37℃、30分間インキュ
ベーションすることにより得た(N.Fujimoto
et al.,Clin.Chim.Acta,22
1,91−103,1993)。SDS−PAGE上潜
在型MMP−2が活性型MMP−2に活性化されたこと
を確認した。活性型MMP−7は、実施例3に記載のヒ
トプロMMP−7の調製の際、亜鉛キレートセファロー
ス(Pharmacia製)カラムでの処理において1
mMCaCl2 ,0.05% Brij35,0.02
% NaN3 含有25mMカコジル酸ナトリウム緩衝液
(pH6.5)に溶解したNaClの濃度勾配により溶
出すると、0.15M NaCl含有同緩衝液で溶出さ
れ得られた。
【0050】活性型MMP−9は、ヒト線維肉腫細胞H
T1080培養上清から精製した潜在型MMP−9を緩
衝液Aに溶解し、1mM APMAで37℃、24時間
インキュベーションすることにより得た(Y.Okad
a et al.,J.Biol.Chem.,26
7,21712−21719,1993)。SDS−P
AGE上潜在型MMP−9が活性型MMP−9に活性化
されたことを確認した。MMP−3(Y.Okada
et al.,Biochem.J.,254,731
−741,1988)、MMP−8(V.Knaupe
r et al.,Biol.Chem.Hoppe−
Seyler.,371,295−304,199
0)、MMP−10(A.J.Park et a
l.,J.Biol.Chem.,266,1584−
1590,1991)、MMP−11(D.Pei e
t al.,J.Biol.Chem.,269,25
849−25855,1994)、MMP−12(S.
D.Shapiro et al.,J.Biol.C
hem.,268,23824−23829,199
3)、MMP−13(J.M.P.Freije et
al.,J.Biol.Chem.,269,167
66−16773,1994)、MMP−14(特願平
6−331305号)についても各活性型MMPを調製
して、同様にして使用できる。
【0051】実施例5 活性型MMPsの定量法 (a)モノクローナル抗体結合担体の調製法 J.Immunoassay 4,209−327,1
983に記載のIshikawa et al.の方法
に従って、マウス抗ヒトMMPs IgG(クローンN
o.78−12G8、75−7F7あるいは73−18
B3)を各々0.1Mリン酸緩衝液(pH7.5)に溶
解し、100μg/mlの濃度に調製した。そのモノク
ローナル抗体溶液を96穴マイクロプレートにウエル当
り100μlずつ加え、4℃、24時間静置した。次に
モノクローナル抗体溶液を除去し、各々0.1M塩化ナ
トリウム含有10mMリン酸緩衝液(pH7.0)で2
回洗浄後、1% BSA、0.1M塩化ナトリウム、1
0mM塩化カルシウム含有50mMトリス−塩酸緩衝液
(pH7.4、緩衝液B)に浸漬し、4℃で保存した。
【0052】(b)活性型MMPsの定量法 MMPsのうちMMP−2及びMMP−9を除くすべて
のMMPsはその潜在型がTIMPsと結合せず、遊離
の活性型のみがTIMPsと結合するという共通の性質
を有するためそれらはすべて同一原理で定量される。従
って実施例として活性型MMP−1の定量法を代表例と
して記載した。また、MMP−2あるいはMMP−9に
ついては潜在型でも各々TIMP−2あるいはTIMP
−1が結合するため、その潜在型との分別を行うために
標識物を直接付与したTIMP−1あるいは標識物を間
接的に付与したTIMP−2を使用した定量法を記載し
た。
【0053】1)活性型MMP−1の定量法 実施例4に記載した活性型MMP−1を標準とし、既知
濃度の活性型MMP−1あるいは遊離の活性型MMP−
1を含む検体を96穴ビニルプレート(Falcon
製)に各々20μl加えた。次に実施例2(a)項で調
製したrTIMP−1−HRP複合体を5μg/mlと
なるように緩衝液Bで希釈し、あるいは実施例2(b)
項で調製したrTIMP−2−抗TIMP−2 IgG
−HRP複合体を18μg/mlとなるように緩衝液B
で希釈し、上記ビニルプレートに各々100μlずつ加
え混合した。この混合液を前記(a)項で調製した抗M
MP−1抗体(クローンNo.78−12G8)結合プ
レートに100μl加え、室温で2時間反応させ、生理
食塩液で3回洗浄した。次に0.02%過酸化水素含有
0.1Mクエン酸−リン酸緩衝液(pH4.9)に溶解
した2mg/mlのo−フェニレンジアミンをウエル当
り100μl加え、室温で20分間反応後、2N硫酸1
00μlを添加し、反応を停止させた。この反応混合液
の492nmにおける吸光度(A492 )をマイクロプレ
ートリーダー(MPR−A4、東ソー)を用いて測定
し、検量線を作成した(図1)。rTIMP−1−HR
P複合体を用いた定量系の感度は、標準0ng/ml値
+2S.D.から5ng/ml(84pg/アッセイ)
で、活性型MMP−1標準液20〜640ng/ml
(0.33〜10.7ng/アッセイ)の範囲で直線性
が認められた。rTIMP−2−IgG−HRP複合体
を用いた定量法の感度は、1.3ng/ml(22pg
/アッセイ)で、活性型MMP−1標準液4〜330n
g/ml(67〜5500pg/アッセイ)の範囲で直
線性が認められた。なお、rTIMP−2−HRP複合
体を用いた定量法でも、rTIMP−1−HRP複合体
を用いた定量法とほぼ同じ様な結果が得られた。
【0054】2)活性型MMP−2の定量法 実施例4に記載した活性型MMP−2を標準とし、既知
濃度の活性型MMP−2あるいは遊離の活性型MMP−
2を含む検体を96穴ビニルプレートに各々20μl加
えた。次に実施例2(a)項で調製したrTIMP−1
−HRP複合体を5μg/mlとなるように緩衝液Bで
希釈し、上記ビニルプレートに各々100μlずつ加え
混合した。この混合液を前記(a)項で調製したマウス
抗MMP−2抗体(クローンNo.75−7F7)結合
プレートに加え、以下の操作は上記1)と同様に行っ
た。検量線を図2に示した。この定量法の感度は標準0
ng/ml値+2S.D.から34ng/ml(0.5
7ng/アッセイ)であり、直線性は34〜930ng
/ml(0.57〜15.5ng/アッセイ)の範囲で
認められた。
【0055】3)活性型MMP−9の定量法 実施例4に記載した活性型MMP−9を標準とし、既知
濃度の活性型MMP−9あるいは遊離の活性型MMP−
9を含む検体を96穴ビニルプレートに各々20μl加
えた。次に実施例2(b)項で調製したrTIMP−2
−IgG−HRP複合体を18μg/mlとなるように
緩衝液Bで希釈し、上記ビニルプレートに各々100μ
lずつ加え混合した。この混合液を前記(a)項で調製
したマウス抗ヒトMMP−9抗体(クローンNo.73
−18B3)結合プレート100μlに加え、以下の操
作は上記1)と同様に行った。検量線を図3に示した。
この測定系の感度は標準0ng/ml値+2S.D.か
ら5ng/ml(84pg/アッセイ)であり、直線性
は10〜320ng/ml(0.17〜5.3ng/ア
ッセイ)の範囲で認められた。同様にしてMMP−3、
−7、−8、−10、−11、−12、−13及び−1
4ついてもそれぞれの活性型MMPを分別定量する。
【0056】実施例6 ヒト関節液中及びヒト血清中活
性型MMPsの定量 検体として組織破壊の進行している慢性関節リウマチ
(RA)及びコントロールとしての変形性関節症(O
A)患者の関節液、及びヒト血清を用い、RA患者血清
でレベルの上昇が認められているMMP−2(N.Fu
jimoto etal.,Clin.Chim.Ac
ta,221,91−103,1993)を実施例4
(b)項2)に記載の方法でrTIMP−1−HRP及
び抗MMP−2抗体を用いて遊離の活性型MMP−2を
測定した。OA患者関節液及びヒト血清中の遊離の活性
型MMP−2濃度は、すべてこの定量法の感度以下であ
った。一方、組織破壊の進行しているRA患者関節液中
の遊離の活性型MMP−2濃度は、一部感度以下であっ
たが、OA患者関節液及びヒト血清中の遊離の活性型M
MP−2濃度よりも著しく高かった(図4)。OA患者
関節液及びヒト血清中で活性型MMP−2は検出されな
かったが、これら検体中には遊離状態のTIMPsが存
在することが知られており、遊離状態の活性型MMPs
が存在しないことと一致する。例として活性型MMP−
2定量法の臨床応用例を示したが、その他にも組織破
壊、炎症あるいは癌転移などの疾患をもつ患者からの細
胞、組織ホモジネート、関節液、血液あるいは尿などに
おいて、本定量法により遊離状態の活性型MMPsの分
別定量が可能となる。
【0057】
【発明の効果】本発明では、各MMPを特異的に認識す
ることができるモノクローナル抗体と各TIMPを用い
ることにより遊離の各活性型MMPの免疫学的測定を達
成できる。特に被検試料中の活性型MMPを認識するモ
ノクローナル抗体と各TIMPとを用いることにより、
遊離の各活性型MMPを測定することができ、その結果
活性型MMPを感度ならびに精度良く、また迅速に定量
し得る。そしてこうしてMMPの免疫学的測定を達成で
きることにより、慢性関節リウマチなどのような炎症性
疾患、癌、腫瘍性疾患においても重要な働きをしている
と考えられる各活性型MMPを精度良く且つ迅速に分別
定量できるので、これら炎症反応の診断の道を開き、さ
らには慢性関節リウマチなどのような炎症性疾患、腫瘍
性疾患、転移性癌などの診断剤として有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】活性型MMP−1の標準曲線を示す図である。
【図2】活性型MMP−2の標準曲線を示す図である。
【図3】活性型MMP−9の標準曲線を示す図である。
【図4】RA患者、OA患者関節液あるいはヒト血清中
の遊離の活性型MMP−2量を示す図である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年4月2日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項12
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項13
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項15
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項16
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0002
【補正方法】変更
【補正内容】
【0002】
【背景技術】細胞外マトリックスは、コラーゲン、プロ
テオグリカン、エラスチン、フィブロネクチン及びラミ
ニンなどの接着性糖タンパク質から構成されている(M
artinez−Hernandez et al.,
Lab.Invest.,48,656−677,19
83)。これらマトリックス成分の分解にはマトリック
スメタロプロテアーゼ類(MMPs)が重要な役割を果
たしていることは周知のことである。知られているMM
Pの種類とそのナンバーリングは以下のようになってい
る。間質型コラゲナーゼ(MMP−1)、72キロダル
トン(kD)ゼラチナーゼ(MMP−2)、ストロム
ライシン−1 (MMP−3)、PUMP−1 (MM
P−7)、好中球コラゲナーゼ(MMP−8)、92k
Daゼラチナーゼ(MMP−9)、ストロムライシン−
2(MMP−10)、ストロムライシン−3(MMP−
11)、マクロファージメタロエラスターゼ(MMP−
12)、コラゲナーゼ−3(MMP−13)及び膜型M
MP(MT−MMP)である(H.Birkedal−
Hansen et al.,Oral Biol.M
ed.,4,197−250,1993;S.D.Sh
apiro et al.,J.Bio.Che
m.,268,23824−23829,1993;
J.M.P.Freje et al.,J.Bio
l.Chem.,269,16766−16773,1
994;H.Sato et al.,Nature,
370,61−65,1994)。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正内容】
【0005】
【課題の解決】本発明の目的は、簡単な操作及び試薬を
用い、感度並びに精度良く、また迅速にそれぞれの活性
型MMPs量を分別して定量し得る方法を提供すること
にある。こうした方法に用いる試薬キットを提供するこ
とも本発明の目的の一つである。本発明者らは、活性型
MMPsに結合し、その活性を抑制するインヒビター、
例えばTIMPs、α−マクログロブリン、ペプチド
インヒビター及び合成化合物などのうち、TIMPsが
すべてのMMPsの活性型に特異的に結合することに着
目し、各MMPに特異的に結合する抗体とTIMPsと
の組合せにより簡便な遊離の活性型MMPsの分別定量
法を提供できるのではないかと考えて、鋭意研究の結
果、各MMPに特異的に結合する抗体と、TIMPsあ
るいはTIMPsと各TIMPに特異的に結合する抗体
との複合物を組合せて使用する遊離の活性型MMPsの
分別定量法を確立した。さらにTIMPsを標識付与用
として用いる場合、TIMPsの活性型MMPsに対す
る結合能を損することなく直接または間接的に標識物を
付与することに成功し、この標識物を付与したTIMP
sと各MMPに特異的に結合する抗体とを組合せること
により、簡便な遊離の活性型MMPsの分別定量法を確
立した。特に直接標識物を付与したTIMP−1と各M
MPに特異的に結合する抗体とを組み合わせて用いる場
合、遊離の活性型MMP−1、−2、−3、−7、−
8、−10、−11、−12及び−13並びにMT−M
MPを定量することができ、直接標識物を付与したTI
MP−2と各MMPに特異的に結合する抗体とを組み合
わせて用いる場合、遊離の活性型MMP−1、−3、−
7、−8、−9、−10、−11、−12及び−13
びにMT−MMPを定量することができる。さらに固相
用にTIMP−1あるいはTIMP−2を用いる場合も
上記と同様各々の遊離の活性型MMPsを定量すること
ができる。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正内容】
【0006】またさらに各MMPに特異的に結合する抗
体と各TIMPとを組み合わせて用いる場合、標識物を
付与した抗TIMP抗体を用いて間接的に標識物を付与
した各TIMPを用いることにより、すべての遊離の活
性型MMPs、すなわちMMP−1、−2、−3、−
7、−8、−9、−10、−11、−12及び−13
びにMT−MMPを定量することができる。本発明は、
TIMPsから成る群から選ばれたものと各MMPに対
するモノクローナル抗体から成る群から選ばれたものと
を組合わせて用い、その組合わせ成分の一方を直接ある
いは間接に検知可能な標識物を付与した成分とし、他の
組合わせ成分を固相化した成分として用い、被検試料中
の遊離の活性型MMPsを分別定量する方法及びその方
法に用いる試薬を提供することにある。こうして典型的
には本発明の目的は、上記の標識物を付与したTIMP
s(各TIMPに対する標識物を付与した各モノクロー
ナル抗体で間接的に標識物を付与したTIMPsを含
む)あるいは各MMPに対するモノクローナル抗体及び
固相担体用として各MMPに対するモノクローナル抗体
あるいはTIMPsを用い、被検試料中の遊離の活性型
MMPsを分別定量する優れた方法及びその為の試薬キ
ットを提供することにある。本発明はこうした遊離の活
性型MMPsを分別定量することのできる試薬キットの
うちの各試薬をすべてその実施態様のうちに含むと理解
される。さらに本発明の目的は、上記定量法を用いて遊
離の活性型MMPsを分別定量することにより、組織破
壊や癌転移などの病態をモニターし得る方法並びに試薬
あるいは診断剤を提供することにある。したがって、医
学的生理学的分野における上記試薬の各種利用、組織破
壊や癌転移、組織の修復の程度の判断、あるいは細胞増
殖促進などの生理的作用の指標として上記試薬を使用す
ることはすべて本発明のその実施態様のうちに含むと理
解される。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正内容】
【0011】1.免疫原性抗原の調製 抗原としては、例えばKodama et al.,C
ollagenRel. Res.,7,341−35
0,1987及びKodama etal.,J.Im
munol.Methods,127,103−10
8,1990に記載の方法により調製したTIMP−
1、Fujimoto et al.,Clin.Ch
im.Acta,220,31−45,1993に記載
の方法により調製したTIMP−2、特開平5−199
868号に記載の方法に従い調製したリコンビナントT
IMP−1(rTIMP−1)、Aoki et a
l.,Connective Tissue,26,2
81−290,1995に記載の方法に従い調製したリ
コンビナントTIMP−2(rTIMP−2)などを用
いることができる。ここでは、MMPs活性を阻害する
TIMPsであればどのTIMPsでも使用できる。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正内容】
【0012】また抗原としては、例えばZhang e
t al.,Clin.Chim.Acta,219,
1−14,1993に記載の方法に従い調製したMMP
−1、Fujimoto et al.,Clin.C
him.Acta, 221,91−103,1993
に記載の方法に従い調製したMMP−2、Okadae
t al.,Biochem.J.,254,731−
741,1988に記載の方法に従い調製したMMP−
3、Knauper et al.,Biol.Che
m.Hoppe−Seyler.,371,295−3
04,1990に記載の方法により調製したMMP−
8、Okada et al.,J.Biol.Che
m.,267,21712−21719,1992に記
載の方法に従い調製したMMP−9、Park et
al.,J.Biol.Chem.,266,1584
−1590,1991に記載の方法に従い調製したリコ
ンビナントMMP−10、Pei et al.,J.
Biol.Chem.,269,25849−2585
5,1994に記載の方法に従い調製したリコンビナン
トMMP−11、Shapiro et al.,J.
Bio1.Chem.,268,23824−2382
9,1993に記載の方法に従い調製したMMP−12
及びリコンビナントMMP−12、Freije et
al.,J.Biol.Chem.,269,167
66−16773,1994に記載の方法に従い調製し
たリコンビナントMMP−13、特願平6−33130
5号に記載の方法に従い調製したMT−MMPなどで、
それらの文献やそこで引用する文献に記載の方法に従い
調製したMMPs、さらには遺伝子組み換え等によって
得られたMMPsなどを用いることができる。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正内容】
【0013】ここでは、潜在型や活性型のものが好まし
く使用できる。こうした抗原は、各種原料、例えば培養
細胞、培養組織など、形質転換体細胞などの抗原産生材
料から従来公知の方法、例えば硫酸アンモニウム沈殿法
などの塩析、セファデックスなどによるゲルろ過法、イ
オン交換クロマトグラフィー法、電気泳動法、透析、限
外ろ過法、アフィニティ・クロマトグラフィー法、高速
液体クロマトグラフィー法などにより精製して得ること
ができる。好ましくは、ポリアクリルアミド電気泳動、
モノクローナル抗体などの抗原を特異的に認識する抗体
あるいはインヒビターを固定化したアフィニティー・ク
ロマトグラフィーなどで処理し精製分離処理できる。特
に好ましくはゼラチン−アガロース・アフィニティー・
クロマトグラフィー、ヘパリン−アガロース・クロマト
グラフィーなどが挙げられる。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正内容】
【0018】4.抗体産生細胞とミエローマ細胞との細
胞融合 上記2.の工程に従い免疫された動物、例えばマウスは
最終免疫後、2〜5日後にその脾臓が摘出され、脾細胞
懸濁液を得る。脾細胞の他、生体各所のリンパ節細胞を
得て、それを細胞融合に使用することもできる。こうし
て得られた脾細胞懸濁液と上記.の工程に従い得られ
たミエローマ細胞株を、例えば最小必須培地(MEM培
地)、DMEM培地、RPMI−1640培地などの細
胞培地中に置き、細胞融合剤、例えばポリエチレングリ
コールを添加する。細胞融合剤としては、この他各種当
該分野で知られたものを用いることができ、この様なも
のとしては不活性化したセンダイウイルス(HVJ:H
emagglutinating virus of
Japan)などが挙げられる。好ましくは、例えば3
0〜60%のポリエチレングリコールを0.5〜2ml
加えることができ、分子量が1,000〜8,000の
ポリエチレングリコールを用いることができ、さらに分
子量が1,000〜4,000のポリエチレングリコー
ルがより好ましく使用できる。融合培地中でのポリエチ
レングリコールの濃度は、例えば30〜60%となるよ
うにすることが好ましい。必要に応じ、例えばジメチル
スルホキシドなどを少量加え、融合を促進することもで
きる。融合に使用する脾細胞(リンパ球):ミエローマ
細胞株の割合は、例えば1:1〜20:1とすることが
挙げられるが、より好ましくは4:1〜7:1とするこ
とができる。融合反応を1〜10分間行い、次にRPM
I−1640培地などの細胞培地を加える。融合反応処
理は複数回行うこともできる。融合反応処理後、遠心な
どにより細胞を分離した後選択用培地に移す。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正内容】
【0021】こうして得られたモノクローナル抗体は、
市販のアイソタイプ特異的抗マウスIg抗体、例えばア
イソタイプ特異的ウサギ抗マウスIg抗体などを用いて
その抗体構成鎖の重鎖及び軽鎖のタイプについて調べる
ことができる。モノクローナル抗体は、また特開平6−
300757号及びClin.Chim.Acta
(J.Zhang et al.,219,1−14,
1993)記載の方法で調製されたもの、例えば該文献
記載のクローン78−12G8(微工研受託番号FER
M P−13115)からのモノクローナル抗体、特開
平6−213888号及びClin.Chim.Act
a(N.Fujimotoet al.,221,91
−103,1993)記載の方法で調製されたもの、例
えば該文献記載のクローン75−7F7(微工研受託番
号FERM P−13335)からのモノクローナル抗
体、Clin.Chim.Acta(N.Fujimo
to et al.,231,79−88,1994)
記載の方法で調製されたもの、例えば該文献記載のクロ
ーン73−18B3(工研受託番号FERM P−1
3695)からのモノクローナル抗体などであることが
できる。この各MMPに対し特異的に結合するモノクロ
ーナル抗体は、各MMPの潜在型及び活性型を認識する
ものが好ましいものとして挙げられる。
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正内容】
【0024】さらに本発明では、各MMPに対し特異的
に結合するモノクローナル抗体と、TIMPsに特異的
に結合する抗体とTIMPsとの複合体を用いて、検体
試料中の遊離の各活性型MMPを免疫学的に分別して定
量する方法も提供される。特にTIMP−1を特異的に
認識するモノクローナル抗体あるいはTIMP−2を特
異的に認識するモノクローナル抗体とTIMPsとの複
合体を標識試薬として用い、各MMPに対し特異的に結
合するモノクローナル抗体を固相化試薬として用いて検
体試料中の遊離の各活性型MMPを免疫学的に分別して
定量する方法が好ましく提供される。糖が結合している
MMPsは、糖鎖などにより分子量にバラツキを生じた
り、研究者により報告される測定分子量も異なる。した
がって本発明では実質的に遊離のMMPの活性型を測定
するものであればとくにその分子量は限定されるもので
ない。MMPsは、大きく分けてプロペプチド(pro
peptide)、触媒活性ドメイン(catalyt
ic domain)、ヒンジ領域(hinge re
gion)及びペキシン様ドメイン(pexin−li
ke domain)の4つの領域に分けられ、プロペ
プチド領域をアミノ末端領域、ペキシン様ドメイン領域
をカルボキシ末端領域とされ、その間の触媒活性ドメ
イン及びヒンジ領域を中央領域とされるのが一般的であ
る。
【手続補正14】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0037
【補正方法】変更
【補正内容】
【0037】またリコンビナントTIMP−2(rTI
MP−2)は、ヒトGin−1細胞などから得られた全
RNA画分よりオリゴ(dT)−セルロースカラムを用
いてポリAmRNA画分を分離し、これを鋳型、オリ
ゴdT(15〜18個)をプライマーにしてcDNAを
逆転写酵素を用いて調製し、Boone et a
l., Proc.Natl.Acad.Sci.US
A,87,2800−2804,1990などで知られ
たTIMP−2cDNAの配列を参考に作成したプライ
マーT2F7;AAAGTCGACCATGGGCGC
CGCGGCCCGCACCCT及びプライマーT2R
5;TTAAGATCTGTCGACTTAAGGAT
CCTCGATATCGAGGAATTCTTGCを用
いてPCR法によりTIMP−2遺伝子を増幅し、得ら
れたDNA断片をプラスミドpKGなどのベクターに組
込み、CHO細胞などで発現させて得ることができる。
rTIMP−2は、Aokiら(Connective
Tissue,26,281−290,1995)の
方法に従い調製した。抗TIMP−2モノクローナル抗
体結合セファロース 4Bカラムのクロマトグラフィー
にかけて処理し、必要に応じ限外ろ過、ゲルろ過などで
処理し、精製rTIMP−2を調製した。調製されたr
TIMP−2は、SDS−PAGE(12%均一ゲル、
還元条件)で約24kDaの単一のバンドとして認めら
れ、胎盤から調製された天然型TIMP−2と同じ分子
量の位置に認められた。エピトープの異なる抗ヒトTI
MP−2モノクローナル抗体(特開平5−244985
号公報)によるウエスタンブロッティングを行った結
果、約24kDaの位置に単一のバンドとして認められ
たものであった。CCD−41SK細胞由来MMP−1
に対する阻害活性は、IC50が約1.1×10−9
であった。またN末端及びC末端構造解析の結果、得ら
れたrTIMP−2は、天然型TIMP−2と同一の物
質であることが示唆された。ここでは、MMPs活性を
阻害するTIMPsであればどのようなTIMPsでも
使用できるが、人為的に作成したrTIMPsを使用し
た。
【手続補正15】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0042
【補正方法】変更
【補正内容】
【0042】こうしてTIMP−2のカルボキシル末端
領域のポリペプチドに対するモノクローナル抗体を特開
平5−244985号の記載に従い調製し、得られた抗
体のうち、特異性が高く且つ親和性の強いマウス抗TI
MP−2 IgG(クローン67−4H11、微工研受
託番号FERM P−12690)を選択し、それを用
い前記(a)項記載にしたがってHRPを標識した。こ
のIgG−HRP(100μg)溶液にrTIMP−2
20μgを加え、10℃、3時間静置反応させた。こ
の混合液にさらに最終濃度4%となるようにホルムアル
デヒドを加え(固定反応)、室温で2時間反応させた。
使用した抗TIMP−2 IgG(クローン67−4H
11)はTIMP−2のカルボキシ末端領域を認識す
る抗体で、潜在型MMP−2によりTIMP−2−抗T
IMP−2 IgGの結合が解離されることがわかって
いる(N.Fujimoto et al.,Cli
n.Chim.Acta,220,31−45,199
3)。
【手続補正16】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0047
【補正方法】変更
【補正内容】
【0047】抗ヒトMMP−9モノクローナル抗体は、
ヒト線維肉腫細胞(HT−1080細胞)を培養し、必
要に応じtumor necrosis factor
−αで細胞剌激して得られた細胞培養上清から、限外ろ
過、ゼラチンアガロースカラム、抗TIMP−1モノク
ローナル抗体結合セファロース4B、抗フィブロネクチ
ン抗体結合セファロース4Bなどによりクロマトグラフ
ィーにかけ精製して得られたヒトプロMMP−9を免疫
原としてマウスを免疫し、免疫マウスからの脾細胞を用
い細胞融合法で作成されるハイブリドーマクローンから
得られる。得られた抗ヒトMMP−9モノクローナル抗
体のうち、少なくとも活性型MMP−9を認識する抗体
を使用することができる。抗ヒトMMP−9モノクロー
ナル抗体は、Fujimoto et al.,Cli
n.Chim.Acta,231,79−88,199
4に記載のモノクローナル抗体のうち、親和性の強いク
ローン73−18B3(工研受託番号FERM P−
13695)からの抗体を用いることにした。この抗体
は、MMP−9の中央領域を認識し、潜在型及び活性型
MMP−9を認識する抗体である。同様にしてMMP−
3、−8、−10、−11、−12及び−13並びにM
T−MMPに対するそれぞれのモノクローナル抗体を調
製し、適切なクローンを選択して使用できる。
【手続補正17】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0050
【補正方法】変更
【補正内容】
【0050】活性型MMP−9は、ヒト線維肉腫細胞H
T1080培養上清から精製した潜在型MMP−9を緩
衝液Aに溶解し、1mM APMAで37℃、24時間
インキュベーションすることにより得た(Y.Okad
a et al.,J.Biol.Chem.,26
7,21712−21719,1993)。SDS−P
AGE上潜在型MMP−9が活性型MMP−9に活性化
されたことを確認した。MMP−3(Y.Okada
et al.,Biochem.J.,254,731
−741,1988)、MMP−8(V.Knaupe
r et al.,Biol.Chem.Hoppe−
Seyler.,371,295−304,199
0)、MMP−10(A.J.Park et a
l.,J.Biol.Chem.,266,1584−
1590,1991)、MMP−11 (D.Pei
et al.,J.Biol.Chem.,269,2
5849−25855,1994)、MMP−12
(S.D.Shap1ro et al.,J.Bio
l.Chem.,268,23824−23829,1
993)、MMP−13(J.M.P.Freije
et al.,J.Biol.Chem.,269,1
6766−16773,1994)、MT−MMP(特
願平6−331305号)についても各活性型MMPを
調製して、同様にして使用できる。
【手続補正18】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0055
【補正方法】変更
【補正内容】
【0055】3)活性型MMP−9の定量法 実施例4に記載した活性型MMP−9を標準とし、既知
濃度の活性型MMP−9あるいは遊離の活性型MMP−
9を含む検体を96穴ビニルプレートに各々20μl加
えた。次に実施例2(b)項で調製したrTIMP−2
−IgG−HRP複合体を18μg/mlとなるように
緩衝液Bで希釈し、上記ビニルプレートに各々100μ
lずつ加え混合した。この混合液を前記(a)項で調製
したマウス抗ヒトMMP−9抗体(クローンNo.73
−18B3)結合プレート100μlに加え、以下の操
作は上記1)と同様に行った。検量線を図3に示した。
この測定系の感度は標準0ng/ml値+2S.D.か
ら5ng/ml (84pg/アッセイ)であり、直線
性は10〜320ng/ml (0.17〜5.3ng
/アッセイ)の範囲で認められた。同様にしてMMP−
3、−7、−8、−10、−11、−12及び−13
びにMT−MMPについてもそれぞれの活性型MMPを
分別定量する。
【手続補正19】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0056
【補正方法】変更
【補正内容】
【0056】実施例6 ヒト関節液中及びヒト血清中活
性型MMPsの定量 検体として組織破壊の進行している慢性関節リウマチ
(RA)及びコントロールとしての変形性関節症(O
A)患者の関節液、及びヒト血清を用い、RA患者血清
でレベルの上昇が認められているMMP−2(N.Fu
jimoto etal.,Clin.Chim.Ac
ta,221,91−103,1993)を実施例
(b)項2)に記載の方法でrTIMP−1−HRP及
び抗MMP−2抗体を用いて遊離の活性型MMP−2を
測定した。OA患者関節液及びヒト血清中の遊離の活性
型MMP−2濃度は、すべてこの定量法の感度以下であ
った。一方、組織破壊の進行しているRA患者関節液中
の遊離の活性型MMP−2濃度は、一部感度以下であっ
たが、OA患者関節液及びヒト血清中の遊離の活性型M
MP−2濃度よりも著しく高かった(図4)。OA患者
関節液及びヒト血清中で活性型MMP−2は検出されな
かったが、これら検体中には遊離状態のTIMPsが存
在することが知られており、遊離状態の活性型MMPs
が存在しないことと一致する。例として活性型MMP−
2定量法の臨床応用例を示したが、その他にも組織破
壊、炎症あるいは癌転移などの疾患をもつ患者からの細
胞、組織ホモジネート、関節液、血液あるいは尿などに
おいて、本定量法により遊離状態の活性型MMPsの分
別定量が可能となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 //(C12P 21/08 C12R 1:91) (72)発明者 東海 秀明 富山県高岡市長慶寺530番地 富士薬品工 業株式会社内 (72)発明者 品川 朗 富山県高岡市長慶寺530番地 富士薬品工 業株式会社内 (72)発明者 吉田 真一 富山県高岡市長慶寺530番地 富士薬品工 業株式会社内 (72)発明者 岩田 和士 富山県高岡市長慶寺530番地 富士薬品工 業株式会社内

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マトリックスメタロプロテアーゼに対し
    特異的に結合するモノクローナル抗体及びマトリックス
    メタロプロテアーゼのインヒビターを組み合わせて用い
    ることを特徴とする遊離の活性型マトリックスメタロプ
    ロテアーゼ類の分別定量法。
  2. 【請求項2】 固相担体結合用としてマトリックスメタ
    ロプロテアーゼに対し特異的に結合するモノクローナル
    抗体あるいはマトリックスメタロプロテアーゼのインヒ
    ビターを、標識物付与用として各々マトリックスメタロ
    プロテアーゼに対し特異的に結合するモノクローナル抗
    体あるいはマトリックスメタロプロテアーゼのインヒビ
    ターを用い且つ、固相担体結合物及び標識物付与物のい
    ずれか一方がマトリックスメタロプロテアーゼに対し特
    異的に結合するモノクローナル抗体で、他方がマトリッ
    クスメタロプロテアーゼのインヒビターであり、それら
    をそれぞれ組み合わせて用いることを特徴とする請求項
    1記載の定量法。
  3. 【請求項3】 マトリックスメタロプロテアーゼのイン
    ヒビターとしてティシュ インヒビター オブ メタロ
    プロテアーゼ−1あるいはティシュ インヒビター オ
    ブ メタロプロテアーゼ−2を用いることを特徴とする
    請求項1又は2記載の定量法。
  4. 【請求項4】 マトリックスメタロプロテアーゼに対し
    特異的に結合するモノクローナル抗体として各々マトリ
    ックスメタロプロテアーゼ分子中の少なくとも中央領域
    またはカルボキシル末端領域を認識する抗体を用いるこ
    とを特徴とする請求項1又は2記載の定量法。
  5. 【請求項5】 モノクローナル抗体、ティシュ インヒ
    ビター オブ メタロプロテアーゼ−1及びティシュ
    インヒビター オブ メタロプロテアーゼ−2から成る
    群から選ばれたものに標識物を直接付与したものを用い
    て検知可能な標識とすることを特徴とした請求項2〜4
    記載のいずれか一記載の定量法。
  6. 【請求項6】 標識物を付与したマトリックスメタロプ
    ロテアーゼのインヒビターに特異的に結合する抗体を用
    いてマトリックスメタロプロテアーゼのインヒビターを
    標識することを標識手段として含むことを特徴とする請
    求項2〜4のいずれか一記載の定量法。
  7. 【請求項7】 標識物を付与したマトリックスメタロプ
    ロテアーゼのインヒビターに特異的に結合する抗体を用
    いてマトリックスメタロプロテアーゼのインヒビターを
    標識した後、架橋剤を用い免疫複合体が解離しないよう
    に固定操作を行うことを特徴とする請求項6記載の定量
    法。
  8. 【請求項8】 架橋剤としてホルムアルデヒドを用いる
    ことを特徴とする請求項7記載の定量法。
  9. 【請求項9】 マトリックスメタロプロテアーゼのイン
    ヒビターに特異的に結合するモノクローナル抗体とし
    て、そのインヒビターの少なくともカルボキシル末端領
    域を認識するモノクローナル抗体を用いることを特徴と
    する請求項6〜8記載のいずれか一記載の定量法。
  10. 【請求項10】 マトリックスメタロプロテアーゼのイ
    ンヒビターに特異的に結合する抗体として、ティシュ
    インヒビター オブ メタロプロテアーゼ−1あるいは
    ティシュ インヒビター オブ メタロプロテアーゼ−
    2に特異的に結合する抗体を用いることを特徴とする請
    求項6〜9記載のいずれか一記載の定量法。
  11. 【請求項11】 マトリックスメタロプロテアーゼのイ
    ンヒビターとしてティシュ インヒビター オブ メタ
    ロプロテアーゼ−1を、各マトリックスメタロプロテア
    ーゼに対し特異的に結合するモノクローナル抗体として
    各マトリックスメタロプロテアーゼ分子の中央領域また
    はカルボキシル末端領域を認識する抗体を用い、遊離の
    活性型マトリックスメタロプロテアーゼを測定すること
    を特徴とする請求項1、請求項2及び請求項5〜10記
    載のいずれか一記載の定量法。
  12. 【請求項12】 マトリックスメタロプロテアーゼのイ
    ンヒビターとしてティシュ インヒビター オブ メタ
    ロプロテアーゼ−1を、各マトリックスメタロプロテア
    ーゼに対し特異的に結合するモノクローナル抗体として
    各マトリックスメタロプロテアーゼ分子の中央領域また
    はカルボキシル末端領域を認識する抗体を用い、遊離の
    活性型マトリックスメタロプロテアーゼ−1、−2、−
    3、−7、−8、−9、−10、−11、−12、−1
    3及び−14から成る群から選ばれたものを測定するこ
    とを特徴とする請求項11記載の定量法。
  13. 【請求項13】 マトリックスメタロプロテアーゼのイ
    ンヒビターとしてティシュ インヒビター オブ メタ
    ロプロテアーゼ−1を、各マトリックスメタロプロテア
    ーゼに対し特異的に結合するモノクローナル抗体として
    各ヒトマトリックスメタロプロテアーゼ分子の中央領域
    またはカルボキシル末端領域を認識する抗体を用い、遊
    離のヒト活性型マトリックスメタロプロテアーゼ−1、
    −2、−3、−7、−8、−9、−10、−11、−1
    2、−13及び−14から成る群から選ばれたものを測
    定することを特徴とする請求項11又は12記載の定量
    法。
  14. 【請求項14】 マトリックスメタロプロテアーゼのイ
    ンヒビターとしてティシュ インヒビター オブ メタ
    ロプロテアーゼ−2を、各マトリックスメタロプロテア
    ーゼに対し特異的に結合するモノクローナル抗体として
    各マトリックスメタロプロテアーゼ分子の中央領域また
    はカルボキシル末端領域を認識する抗体を用い、遊離の
    活性型マトリックスメタロプロテアーゼを測定すること
    を特徴とする請求項1、請求項2及び請求項5〜10記
    載のいずれか一記載の定量法。
  15. 【請求項15】 マトリックスメタロプロテアーゼのイ
    ンヒビターとしてティシュ インヒビター オブ メタ
    ロプロテアーゼ−2を、各マトリックスメタロプロテア
    ーゼに対し特異的に結合するモノクローナル抗体として
    各マトリックスメタロプロテアーゼ分子の中央領域また
    はカルボキシル末端領域を認識する抗体を用い、遊離の
    活性型マトリックスメタロプロテアーゼ−1、−2、−
    3、−7、−8、−9、−10、−11、−12、−1
    3及び−14から成る群から選ばれたものを測定するこ
    とを特徴とする請求項14記載の定量法。
  16. 【請求項16】 マトリックスメタロプロテアーゼのイ
    ンヒビターとしてティシュ インヒビター オブ メタ
    ロプロテアーゼ−2を、各マトリックスメタロプロテア
    ーゼに対し特異的に結合するモノクローナル抗体として
    各ヒトマトリックスメタロプロテアーゼ分子の中央領域
    またはカルボキシル末端領域を認識する抗体を用い、遊
    離のヒト活性型マトリックスメタロプロテアーゼ−1、
    −2、−3、−7、−8、−9、−10、−11、−1
    2、−13及び−14から成る群から選ばれたものを測
    定することを特徴とする請求項14又は15記載の定量
    法。
  17. 【請求項17】 マトリックスメタロプロテアーゼに対
    し特異的に結合するモノクローナル抗体とマトリックス
    メタロプロテアーゼのインヒビターとを用いることを特
    徴とする遊離の活性型マトリックスメタロプロテアーゼ
    類の分別定量用試薬。
  18. 【請求項18】 試薬が、検知可能な標識の付されたマ
    トリックスメタロプロテアーゼのインヒビターを含むこ
    とを特徴とする請求項17記載の試薬。
  19. 【請求項19】 試薬が、マトリックスメタロプロテア
    ーゼのインヒビターに対し特異的に結合し且つ検知可能
    な標識を持つモノクローナル抗体とマトリックスメタロ
    プロテアーゼのインヒビターとを結合したものを含むこ
    とを特徴とする請求項17記載の試薬。
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