JPH08136548A - 泌尿器癌の診断法 - Google Patents
泌尿器癌の診断法Info
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- JPH08136548A JPH08136548A JP30161694A JP30161694A JPH08136548A JP H08136548 A JPH08136548 A JP H08136548A JP 30161694 A JP30161694 A JP 30161694A JP 30161694 A JP30161694 A JP 30161694A JP H08136548 A JPH08136548 A JP H08136548A
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- cancer
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 泌尿器癌を容易に診断する方法を提供するこ
と。 【構成】 尿中のティッシュー・インヒビター・オブ・
メタロプロテイナーゼ−1(TIMP−1)を定量する
ことを特徴とする泌尿器癌の診断法。
と。 【構成】 尿中のティッシュー・インヒビター・オブ・
メタロプロテイナーゼ−1(TIMP−1)を定量する
ことを特徴とする泌尿器癌の診断法。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、尿中のTIMP−1を
定量することにより行う、簡便な泌尿器癌の診断方法に
関するものである。
定量することにより行う、簡便な泌尿器癌の診断方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】細胞外マトリックス(細胞間の結合組
織)は、コラーゲン、プロテオグリカン、グリコサミノ
グリカン、フィブロネクチンやラミニン等のグリコプロ
テイン、エラスチンなどを主な構成成分とする複雑な構
造を有している。細胞外マトリックスの代謝過程でタン
パク質の分解に携わる主要な一群の酵素はマトリックス
・メタロプロテイナーゼ(MMP) と総称される。これらの
MMP は細胞から酵素前駆体として分泌され、細胞外マト
リックスにおいて活性化されてタンパク質の分解作用を
発揮する。これらMMP の酵素活性は、生体中の種々の賦
活物質や阻害物質により制御されている[Matrisian (1
990) Trends Genet. 6, 121-125; Murphy et al. (199
1)Br. J. Rheumatol. 30, Suppl. 1, 25-31]。種々のMM
P を包括的に阻害する生体物質はティッシュー・インヒ
ビター・オブ・メタロプロテイナーゼ(TIMP)の名で知
られ、現在までに少なくともTIMP-1[Docherty et al.
(1985) Nature 318,66-69; Gasson et al. (1985) Natu
re 315, 768-771; Carmichael et al. (1986) Proc. Na
tl. Acad. Sci. U.S.A. 83, 2407-2411] および TIMP-2
[Boone etal. (1990) Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A.
87, 2800-2804; Stetler-Stevenson et al. (1990) J.
Biol. Chem. 265, 13933-13938]の2種類が知られてい
る。TIMP-1は、184 個のアミノ酸残基から成る分子量 2
8.5kD の糖タンパク質であり、分子内に6個の -S-S-結
合を有する。
織)は、コラーゲン、プロテオグリカン、グリコサミノ
グリカン、フィブロネクチンやラミニン等のグリコプロ
テイン、エラスチンなどを主な構成成分とする複雑な構
造を有している。細胞外マトリックスの代謝過程でタン
パク質の分解に携わる主要な一群の酵素はマトリックス
・メタロプロテイナーゼ(MMP) と総称される。これらの
MMP は細胞から酵素前駆体として分泌され、細胞外マト
リックスにおいて活性化されてタンパク質の分解作用を
発揮する。これらMMP の酵素活性は、生体中の種々の賦
活物質や阻害物質により制御されている[Matrisian (1
990) Trends Genet. 6, 121-125; Murphy et al. (199
1)Br. J. Rheumatol. 30, Suppl. 1, 25-31]。種々のMM
P を包括的に阻害する生体物質はティッシュー・インヒ
ビター・オブ・メタロプロテイナーゼ(TIMP)の名で知
られ、現在までに少なくともTIMP-1[Docherty et al.
(1985) Nature 318,66-69; Gasson et al. (1985) Natu
re 315, 768-771; Carmichael et al. (1986) Proc. Na
tl. Acad. Sci. U.S.A. 83, 2407-2411] および TIMP-2
[Boone etal. (1990) Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A.
87, 2800-2804; Stetler-Stevenson et al. (1990) J.
Biol. Chem. 265, 13933-13938]の2種類が知られてい
る。TIMP-1は、184 個のアミノ酸残基から成る分子量 2
8.5kD の糖タンパク質であり、分子内に6個の -S-S-結
合を有する。
【0003】TIMP-1は活性型の間質コラゲナーゼ、活性
型ストロームライシン、あるいは92kDのIV型コラゲナー
ゼなどと1:1の分子比で結合してこれらの酵素活性を
阻害する[Welgus et al. (1983) J. Biol. Chem. 253,
12259-12264; Welgus et al. (1985) Collagen Relat.
Res. 5, 167-179; Wilhelm et al. (1989) J. Biol.Ch
em. 264, 17213-17221]。関節リューマチ、歯根膜疾
患、腫瘍の浸潤・転移などの種々の病変は活性型のMMP
とそれらの阻害物質であるTIMP-1との間のバランスが崩
れたときに起こるとされている[Emonard et al. (199
0) Cell. Mol. Biol. 36, 131-153; Lennarz et al. (1
991) Biochim. Biophys. Acta 1071, 149-158; Murphy
et al. (1991) Br. J. Rheumatol. 30, Suppl. 1, 25-3
1; Page (1991) J. Periodont. Res. 26, 230-242] 。
例えば、MMP の1つである間質コラゲナーゼを生産する
細胞は、同時にTIMP-1をも生産・分泌し、生体内での正
味のコラーゲン分解活性は、活性型コラゲナーゼのレベ
ルとTIMP-1のレベルのバランスにより決まる[Stetler-
Stevenson et al. (1990) J. Biol. Chem. 265, 13933-
13938]。また、別のMMP であるIV型コラーゲン分解酵素
が癌の転移と密接な関係のあること[Liotta et al. (1
991) Cell 64, 327-336]や、ヒトの腫瘍細胞の浸潤性と
TIMP-1レベルの間に逆の相関性のあること[Khokha et
al.(1989) Science 243, 947-950] も知られており、癌
とTIMP-1の間には深い関係があると考えられている。
型ストロームライシン、あるいは92kDのIV型コラゲナー
ゼなどと1:1の分子比で結合してこれらの酵素活性を
阻害する[Welgus et al. (1983) J. Biol. Chem. 253,
12259-12264; Welgus et al. (1985) Collagen Relat.
Res. 5, 167-179; Wilhelm et al. (1989) J. Biol.Ch
em. 264, 17213-17221]。関節リューマチ、歯根膜疾
患、腫瘍の浸潤・転移などの種々の病変は活性型のMMP
とそれらの阻害物質であるTIMP-1との間のバランスが崩
れたときに起こるとされている[Emonard et al. (199
0) Cell. Mol. Biol. 36, 131-153; Lennarz et al. (1
991) Biochim. Biophys. Acta 1071, 149-158; Murphy
et al. (1991) Br. J. Rheumatol. 30, Suppl. 1, 25-3
1; Page (1991) J. Periodont. Res. 26, 230-242] 。
例えば、MMP の1つである間質コラゲナーゼを生産する
細胞は、同時にTIMP-1をも生産・分泌し、生体内での正
味のコラーゲン分解活性は、活性型コラゲナーゼのレベ
ルとTIMP-1のレベルのバランスにより決まる[Stetler-
Stevenson et al. (1990) J. Biol. Chem. 265, 13933-
13938]。また、別のMMP であるIV型コラーゲン分解酵素
が癌の転移と密接な関係のあること[Liotta et al. (1
991) Cell 64, 327-336]や、ヒトの腫瘍細胞の浸潤性と
TIMP-1レベルの間に逆の相関性のあること[Khokha et
al.(1989) Science 243, 947-950] も知られており、癌
とTIMP-1の間には深い関係があると考えられている。
【0004】TIMP-1は、その遺伝子がX染色体上に配座
し、健常人においても血清、脳脊髄液、羊水、涙液、唾
液、尿などの体液中に普遍的に存在することが知られて
いる。TIMP-1と癌との関連についてのこれまでの知見に
よれば、浸潤性の高い癌細胞が産生するTIMP-1のレベル
が正常細胞あるいは浸潤性の低い癌細胞に比べて著しく
低いことや、マウスのメラノーマ細胞による基底膜への
浸潤と肺への転移がTIMP-1によって抑制されるなど、TI
MP-1は癌の浸潤・転移と深い係わりのあることが示唆さ
れている。膀胱癌とTIMP-1との関係については、膀胱癌
患者の血清中のTIMP-1を測定した結果が報告されてお
り、健常人の血清中濃度168.5 ±33.2 ng/mlに対して膀
胱癌患者の血清中濃度は251.1 ±96.0 ng/mlと統計上の
有意差が認められるものの、その差は膀胱癌の診断に応
用できるほど充分に大きな差とはいえず、実用化には到
っていない。また、尿中のTIMP-1濃度と病態については
未だ詳しい報告はなく、尿中のTIMP-1濃度を測定するこ
とにより泌尿器癌の診断を可能とした例はない。TIMP-1
の定量方法としては、従来、生物活性を測定する方法
[Terato et al.(1976) Biochim. Biophys. Acta 445,
753]、酵素免疫測定法[Clark et al. (1991) Matrix
11, 76-85; Kodama et al. (1990) J. Immunol. Meth.
127, 103-108]等が報告されている。
し、健常人においても血清、脳脊髄液、羊水、涙液、唾
液、尿などの体液中に普遍的に存在することが知られて
いる。TIMP-1と癌との関連についてのこれまでの知見に
よれば、浸潤性の高い癌細胞が産生するTIMP-1のレベル
が正常細胞あるいは浸潤性の低い癌細胞に比べて著しく
低いことや、マウスのメラノーマ細胞による基底膜への
浸潤と肺への転移がTIMP-1によって抑制されるなど、TI
MP-1は癌の浸潤・転移と深い係わりのあることが示唆さ
れている。膀胱癌とTIMP-1との関係については、膀胱癌
患者の血清中のTIMP-1を測定した結果が報告されてお
り、健常人の血清中濃度168.5 ±33.2 ng/mlに対して膀
胱癌患者の血清中濃度は251.1 ±96.0 ng/mlと統計上の
有意差が認められるものの、その差は膀胱癌の診断に応
用できるほど充分に大きな差とはいえず、実用化には到
っていない。また、尿中のTIMP-1濃度と病態については
未だ詳しい報告はなく、尿中のTIMP-1濃度を測定するこ
とにより泌尿器癌の診断を可能とした例はない。TIMP-1
の定量方法としては、従来、生物活性を測定する方法
[Terato et al.(1976) Biochim. Biophys. Acta 445,
753]、酵素免疫測定法[Clark et al. (1991) Matrix
11, 76-85; Kodama et al. (1990) J. Immunol. Meth.
127, 103-108]等が報告されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】膀胱癌、尿管癌、腎臓
癌など泌尿器系の癌の診断は、従来主として、膀胱鏡な
どによる内覗鏡検査、造影剤注入後のX線撮影などによ
る透視検査、バイオプシーによる病理組織検査などによ
って行われ、多検体を簡便に検査する有効な方法がなか
ったために集団検診などによる早期発見が困難であっ
た。本発明者らは、ヒト細胞(HeLa細胞)から得たTIMP
-1に対する新たなモノクローナル抗体を応用した酵素免
疫測定法により、健常人と泌尿器癌患者の尿中における
TIMP-1の濃度の差が血清中におけるTIMP-1濃度の差と比
べて顕著であることを見いだし、これに基づき、尿中の
TIMP-1を測定することにより被検者に苦痛を与えること
なく泌尿器癌を容易に診断することを可能にする方法を
見いだした。
癌など泌尿器系の癌の診断は、従来主として、膀胱鏡な
どによる内覗鏡検査、造影剤注入後のX線撮影などによ
る透視検査、バイオプシーによる病理組織検査などによ
って行われ、多検体を簡便に検査する有効な方法がなか
ったために集団検診などによる早期発見が困難であっ
た。本発明者らは、ヒト細胞(HeLa細胞)から得たTIMP
-1に対する新たなモノクローナル抗体を応用した酵素免
疫測定法により、健常人と泌尿器癌患者の尿中における
TIMP-1の濃度の差が血清中におけるTIMP-1濃度の差と比
べて顕著であることを見いだし、これに基づき、尿中の
TIMP-1を測定することにより被検者に苦痛を与えること
なく泌尿器癌を容易に診断することを可能にする方法を
見いだした。
【0006】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、尿中の
ティッシュー・インヒビター・オブ・メタロプロテイナ
ーゼ−1(TIMP−1)を定量することを特徴とする
泌尿器癌の診断法に係わる。本発明によって診断するこ
とが可能な癌としては、特に、膀胱癌,尿管癌及び腎臓
癌を挙げることが出来る。本発明方法は、特にモノクロ
ーナル抗体を利用した免疫測定法により行うことが好ま
しい。更に、該モノクローナル抗体の少なくとも一種が
抗ヒトTIMP−1マウスモノクローナル抗体TIM−
225(IgG)又はTIM−293(IgG)である
ことが好ましい。抗ヒトTIMP−1マウスモノクロー
ナル抗体TIM−225及びTIM−293を産生する
マウスハイブリドーマであるTIM−225−14及び
TIM−293−21は、平成6年11月8日に通産省工
業技術院生命工学工業技術研究所特許微生物寄託センタ
ーに寄託され、それぞれ、受託番号FERM P−14
616及びFERM P−14615を付与されてい
る。ヒトTIMP−1に対するマウスモノクローナル抗
体の作製は例えば岩崎らの方法(単クローン抗体、講談
社、1983年)に準じて行うことができる。また、T
IMP−1の免疫測定法は、例えば石川の方法(超高感
度酵素免疫測定法、学会出版センター、1993年)を
応用することにより実施することが出来る。
ティッシュー・インヒビター・オブ・メタロプロテイナ
ーゼ−1(TIMP−1)を定量することを特徴とする
泌尿器癌の診断法に係わる。本発明によって診断するこ
とが可能な癌としては、特に、膀胱癌,尿管癌及び腎臓
癌を挙げることが出来る。本発明方法は、特にモノクロ
ーナル抗体を利用した免疫測定法により行うことが好ま
しい。更に、該モノクローナル抗体の少なくとも一種が
抗ヒトTIMP−1マウスモノクローナル抗体TIM−
225(IgG)又はTIM−293(IgG)である
ことが好ましい。抗ヒトTIMP−1マウスモノクロー
ナル抗体TIM−225及びTIM−293を産生する
マウスハイブリドーマであるTIM−225−14及び
TIM−293−21は、平成6年11月8日に通産省工
業技術院生命工学工業技術研究所特許微生物寄託センタ
ーに寄託され、それぞれ、受託番号FERM P−14
616及びFERM P−14615を付与されてい
る。ヒトTIMP−1に対するマウスモノクローナル抗
体の作製は例えば岩崎らの方法(単クローン抗体、講談
社、1983年)に準じて行うことができる。また、T
IMP−1の免疫測定法は、例えば石川の方法(超高感
度酵素免疫測定法、学会出版センター、1993年)を
応用することにより実施することが出来る。
【0007】
実施例1 −抗TIMP-1モノクローナル抗体の作製− (a)ヒトTIMP-1により免疫したマウス脾細胞の調製 ヒト子宮頸部癌細胞株であるHeLa細胞の培養上清中より
Cawston他の方法(Cawston et al. (1981) Biochem.
J., 195, 159-165 )に準じて精製したTIMP-1をRibiア
ジュバント(Ribi Immunochem Research, Inc.社製)と
混合し、NZB マウス(8週令)の腹腔内と皮下の2カ所
へ1匹当り20μg 注射し、免疫した。その後初回免疫と
同様の方法で、3週間おきに2回追加免疫を行い、最終
免疫の3日後に脾臓を摘出し、以下のようにして脾細胞
をミエローマ細胞と融合させた。
Cawston他の方法(Cawston et al. (1981) Biochem.
J., 195, 159-165 )に準じて精製したTIMP-1をRibiア
ジュバント(Ribi Immunochem Research, Inc.社製)と
混合し、NZB マウス(8週令)の腹腔内と皮下の2カ所
へ1匹当り20μg 注射し、免疫した。その後初回免疫と
同様の方法で、3週間おきに2回追加免疫を行い、最終
免疫の3日後に脾臓を摘出し、以下のようにして脾細胞
をミエローマ細胞と融合させた。
【0008】(b)細胞融合 2X107 個のマウスミエローマ細胞株 P3-X63-Ag8-U1(P3U
1)と1X108 個の脾細胞を用いて、岩崎の方法(単クロー
ン抗体:講談社、1983年)に従い、50% ポリエチレング
リコール1500(ベーリンガー・マンハイム社製)の存在
下に細胞融合を行った。融合後の細胞を、15% 牛胎児血
清(M. A. Bioproducts 社製)を添加したERDF培地(極
東製薬株式会社製)に懸濁し、96ウェルプレート(Falc
on社製)上で培養を行った。翌日、100 μM ヒポキサン
チン、0.4 μM アミノプテリン、16μM チミジンおよび
15% 牛胎児血清を含むERDF培地(以下HAT 培地という)
を添加し、更に3日後に HAT培地を追加した。1週間後
HAT 培地からアミノプテリンを除いた培地(以下 HT 培
地という)に交換し、以後3〜4日おきにHT培地の交換
を行った。細胞融合から約2週間後、融合細胞の生育が
肉眼的に確認された段階で、培養上清中の抗TIMP-1抗体
価を以下に示す酵素免疫測定法により測定し、抗TIMP-1
抗体を産生する細胞のスクリーニングを行った。
1)と1X108 個の脾細胞を用いて、岩崎の方法(単クロー
ン抗体:講談社、1983年)に従い、50% ポリエチレング
リコール1500(ベーリンガー・マンハイム社製)の存在
下に細胞融合を行った。融合後の細胞を、15% 牛胎児血
清(M. A. Bioproducts 社製)を添加したERDF培地(極
東製薬株式会社製)に懸濁し、96ウェルプレート(Falc
on社製)上で培養を行った。翌日、100 μM ヒポキサン
チン、0.4 μM アミノプテリン、16μM チミジンおよび
15% 牛胎児血清を含むERDF培地(以下HAT 培地という)
を添加し、更に3日後に HAT培地を追加した。1週間後
HAT 培地からアミノプテリンを除いた培地(以下 HT 培
地という)に交換し、以後3〜4日おきにHT培地の交換
を行った。細胞融合から約2週間後、融合細胞の生育が
肉眼的に確認された段階で、培養上清中の抗TIMP-1抗体
価を以下に示す酵素免疫測定法により測定し、抗TIMP-1
抗体を産生する細胞のスクリーニングを行った。
【0009】(c)酵素免疫測定法による抗TIMP-1抗体
産生株のスクリーニング イムノプレート(Maxisorp, Nunc社製)の各ウェルに、
1 μg/mlのTIMP-1溶液50μl を添加して4℃にて1晩コ
ーティングし、リン酸緩衝化生理食塩水−0.05% Tween
20(以下 PBS-Tweenという)にて1回洗浄後、0.1%牛血
清アルブミンを含む PBS-Tweenによりブロッキング処理
を行った。処理後のウェルに、上記bで得られたハイブ
リドーマの培養上清 50 μl を加えて37℃で1時間反応
させた。PBS-Tween にて洗浄後、2次抗体としてペルオ
キシダーゼ標識抗マウスIgG ヤギ抗体を加え、37℃にて
1時間反応させた。洗浄後のウェルにペルオキシダーゼ
の基質溶液である 0.3 mg/ml 2,2'-アジノ- ビス(3-
エチルベンゾチアゾリン-6- スルホン酸)二アンモニウ
ム塩−0.003%過酸化水素−0.1 M リン酸クエン酸緩衝液
(pH 4.0)を100 μl 加え、30分間反応させた。100 μl
の1.5%シュウ酸溶液を加えて反応を停止後、415 nmにお
ける吸光度をマイクロプレート光度計(MPR-4 、東ソー
株式会社製)にて測定した。
産生株のスクリーニング イムノプレート(Maxisorp, Nunc社製)の各ウェルに、
1 μg/mlのTIMP-1溶液50μl を添加して4℃にて1晩コ
ーティングし、リン酸緩衝化生理食塩水−0.05% Tween
20(以下 PBS-Tweenという)にて1回洗浄後、0.1%牛血
清アルブミンを含む PBS-Tweenによりブロッキング処理
を行った。処理後のウェルに、上記bで得られたハイブ
リドーマの培養上清 50 μl を加えて37℃で1時間反応
させた。PBS-Tween にて洗浄後、2次抗体としてペルオ
キシダーゼ標識抗マウスIgG ヤギ抗体を加え、37℃にて
1時間反応させた。洗浄後のウェルにペルオキシダーゼ
の基質溶液である 0.3 mg/ml 2,2'-アジノ- ビス(3-
エチルベンゾチアゾリン-6- スルホン酸)二アンモニウ
ム塩−0.003%過酸化水素−0.1 M リン酸クエン酸緩衝液
(pH 4.0)を100 μl 加え、30分間反応させた。100 μl
の1.5%シュウ酸溶液を加えて反応を停止後、415 nmにお
ける吸光度をマイクロプレート光度計(MPR-4 、東ソー
株式会社製)にて測定した。
【0010】(d)抗TIMP-1抗体を産生するハイブリド
ーマのクローニング 上記(c)の酵素免疫測定法によるスクリーニングによ
って抗TIMP-1抗体の産生が確認されたウェル中の細胞
を、次に限界希釈法によりクローニングした。即ち、96
ウェルプレートの各ウェル当りに含まれる細胞数が3
個、1個、0.3 個になるように細胞を蒔き、HT培地で培
養した。10から14日後、細胞の生育が肉眼的に確認でき
るようになった段階で、培養上清中の抗TIMP-1抗体価を
上記(c)と同様にして酵素免疫測定法により測定し
た。抗TIMP-1抗体の産生が認められたウェル中の細胞に
ついてクローニング操作を繰り返し行い、最終的に全て
のウェルで抗TIMP-1抗体の産生が確認されるまでクロー
ニングを繰り返した。このようにして、最終的に8株の
抗TIMP-1モノクローナル抗体産生ハイブリドーマ株が得
られた。
ーマのクローニング 上記(c)の酵素免疫測定法によるスクリーニングによ
って抗TIMP-1抗体の産生が確認されたウェル中の細胞
を、次に限界希釈法によりクローニングした。即ち、96
ウェルプレートの各ウェル当りに含まれる細胞数が3
個、1個、0.3 個になるように細胞を蒔き、HT培地で培
養した。10から14日後、細胞の生育が肉眼的に確認でき
るようになった段階で、培養上清中の抗TIMP-1抗体価を
上記(c)と同様にして酵素免疫測定法により測定し
た。抗TIMP-1抗体の産生が認められたウェル中の細胞に
ついてクローニング操作を繰り返し行い、最終的に全て
のウェルで抗TIMP-1抗体の産生が確認されるまでクロー
ニングを繰り返した。このようにして、最終的に8株の
抗TIMP-1モノクローナル抗体産生ハイブリドーマ株が得
られた。
【0011】(e)抗TIMP-1モノクローナル抗体の生産 上記8株のハイブリドーマによるモノクローナル抗体の
生産は、各ハイブリドーマ株を牛胎児血清を添加したER
DF培地等の適当な培地中で培養するか、もしくはハイブ
リドーマをヌードマウス腹腔中で培養したあと腹水を採
取することにより行った。ERDF培地中の培養では、培養
液中のモノクローナル抗体濃度は1〜50μg/mlであっ
た。一方、ヌードマウス腹腔中の培養では、予めプリス
タン(2,6,10,14-テトラメチルペンタデカン)を1匹当
り0.5 ml腹腔内に投与し1〜3週間後にハイブリドーマ
5X106 個を腹腔内に投与した場合、細胞を投与後10〜14
日の腹水中の抗体濃度は1〜10 mg/mlであった。
生産は、各ハイブリドーマ株を牛胎児血清を添加したER
DF培地等の適当な培地中で培養するか、もしくはハイブ
リドーマをヌードマウス腹腔中で培養したあと腹水を採
取することにより行った。ERDF培地中の培養では、培養
液中のモノクローナル抗体濃度は1〜50μg/mlであっ
た。一方、ヌードマウス腹腔中の培養では、予めプリス
タン(2,6,10,14-テトラメチルペンタデカン)を1匹当
り0.5 ml腹腔内に投与し1〜3週間後にハイブリドーマ
5X106 個を腹腔内に投与した場合、細胞を投与後10〜14
日の腹水中の抗体濃度は1〜10 mg/mlであった。
【0012】(f)モノクローナル抗体の精製 上記(e)により得られた培養上清もしくは腹水に含ま
れるモノクローナル抗体は、培養上清もしくは腹水を0.
1 M リン酸緩衝液(pH 7.0) で平衡化したプロテインA-
セファロースCL-4B カラムに流し、0.1 M リン酸緩衝液
(pH 7.0)で洗浄後、吸着したモノクローナル抗体を0.
1 M グリシン- 塩酸緩衝液(pH 3.0)で溶出することに
より精製した。
れるモノクローナル抗体は、培養上清もしくは腹水を0.
1 M リン酸緩衝液(pH 7.0) で平衡化したプロテインA-
セファロースCL-4B カラムに流し、0.1 M リン酸緩衝液
(pH 7.0)で洗浄後、吸着したモノクローナル抗体を0.
1 M グリシン- 塩酸緩衝液(pH 3.0)で溶出することに
より精製した。
【0013】実施例2 −モノクローナル抗体の同定− このようにして得られた8種類のモノクローナル抗体の
性質を、以下に述べる方法により調べた。まず、それぞ
れのモノクローナル抗体によるTIMP−1活性の阻害
を、14C−コラーゲンを用いたコラゲナーゼ活性測定系
(K.Terato etal. (1976) Biochim. Biophys. Acta, 44
5, 753-762 )により調べた。次に、ヒトTIMP−1
をメルカプトエタノールの存在下および非存在下におい
て12%のポリアクリルアミドゲル上でSDS電気泳動
し(U.K.Laemmli (1970) Nature, 227, 680-685 )、ニ
トロセルロース膜に転写後それぞれのモノクローナル抗
体を用いたイムノブロッティングを行い(日本生化学会
編、続生化学実験講座2、タンパク質の化学(上)(198
7) pp.41-57 )、抗体の反応性を比較した。さらに、そ
れぞれのモノクローナル抗体のヒトTIMP−2あるい
はウシTIMP−1との交差反応性を、上記(c)と同
様の酵素免疫測定法により調べた。1ウェル当たり40
ngのヒトTIMP−2もしくはウシTIMP−1をコ
ーティングしたイムノプレートを用い、得られたモノク
ローナル抗体を1次抗体として用いた。また、基質溶液
として1mg/ml o−フェニレンジアミン−0.012%
過酸化水素−50mMリン酸クエン酸緩衝液(pH5.
0)、反応停止液として1N硫酸溶液を用いた。測定は
492nmの吸光度を測定した。これらの結果から、8
種のモノクローナル抗体はそれぞれ表1のような特性を
示した。
性質を、以下に述べる方法により調べた。まず、それぞ
れのモノクローナル抗体によるTIMP−1活性の阻害
を、14C−コラーゲンを用いたコラゲナーゼ活性測定系
(K.Terato etal. (1976) Biochim. Biophys. Acta, 44
5, 753-762 )により調べた。次に、ヒトTIMP−1
をメルカプトエタノールの存在下および非存在下におい
て12%のポリアクリルアミドゲル上でSDS電気泳動
し(U.K.Laemmli (1970) Nature, 227, 680-685 )、ニ
トロセルロース膜に転写後それぞれのモノクローナル抗
体を用いたイムノブロッティングを行い(日本生化学会
編、続生化学実験講座2、タンパク質の化学(上)(198
7) pp.41-57 )、抗体の反応性を比較した。さらに、そ
れぞれのモノクローナル抗体のヒトTIMP−2あるい
はウシTIMP−1との交差反応性を、上記(c)と同
様の酵素免疫測定法により調べた。1ウェル当たり40
ngのヒトTIMP−2もしくはウシTIMP−1をコ
ーティングしたイムノプレートを用い、得られたモノク
ローナル抗体を1次抗体として用いた。また、基質溶液
として1mg/ml o−フェニレンジアミン−0.012%
過酸化水素−50mMリン酸クエン酸緩衝液(pH5.
0)、反応停止液として1N硫酸溶液を用いた。測定は
492nmの吸光度を測定した。これらの結果から、8
種のモノクローナル抗体はそれぞれ表1のような特性を
示した。
【0014】
【表1】 表1 モノクローナル抗体の性質 ──────────────────────────────────── 反 応 性 モノクロー ───────────────────── TIMP-1阻害活性 イムノブロッティング 酵素免疫測定法 ナル抗体 (A492) 非還元 還元 ヒト ウシ TIMP-2 TIMP-1 ──────────────────────────────────── TIM-33 有り 反応 反応 0.00 0.34 TIM-211 無し 反応 反応せず 0.00 0.20 TIM-216 有り 反応 反応せず 0.04 0.00 TIM-225 無し 反応 反応 0.00 0.00 TIM-280 無し 反応 反応せず 0.00 0.09 TIM-293 有り 反応 反応せず 0.00 0.00 TIM-347 無し 反応 反応せず 0.00 0.00 TIM-625 無し 反応 反応 0.00 0.00 Clark のモノクローナル抗体 RRU-T1 無し 反応 反応せず 反応せず − RRU-T2 有り 反応 反応 反応せず − ────────────────────────────────────
【0015】実施例3 −TIMP-1の定量− (a)モノクローナル抗体の組み合わせ TIMP-1のサンドイッチ酵素免疫測定法を行うために、上
記8種類のモノクローナル抗体の中から測定に最も適切
な抗体の組合せを調べた。イムノプレートのウェルに、
8種類の精製モノクローナル抗体をそれぞれ1μg/mlの
濃度で別々にコートし、ブロッキング処理した後、精製
TIMP-1を反応させた。つぎに熊谷、奥村(免疫実験操作
法VIII、pp.2425-2430、1979年、日本免疫学会編)の方
法によりビオチン化した各々のモノクローナル抗体(2
次抗体)をペルオキシダーゼ標識ストレプトアビジン
(Vector社製)と共に加えて反応させた。洗浄後のウェ
ルに基質溶液を加えて酵素反応を行い、415 nmの吸光度
を測定した。この結果、8種類のモノクローナル抗体の
中で、TIM−293のモノクローナル抗体を固定化抗
体としてコーティングに用い、ビオチン化したTIM−
225もしくはTIM−347のモノクローナル抗体を
標識抗体(2次抗体)として用いる組合せが最も高感度
な測定を可能とする組合せであった。
記8種類のモノクローナル抗体の中から測定に最も適切
な抗体の組合せを調べた。イムノプレートのウェルに、
8種類の精製モノクローナル抗体をそれぞれ1μg/mlの
濃度で別々にコートし、ブロッキング処理した後、精製
TIMP-1を反応させた。つぎに熊谷、奥村(免疫実験操作
法VIII、pp.2425-2430、1979年、日本免疫学会編)の方
法によりビオチン化した各々のモノクローナル抗体(2
次抗体)をペルオキシダーゼ標識ストレプトアビジン
(Vector社製)と共に加えて反応させた。洗浄後のウェ
ルに基質溶液を加えて酵素反応を行い、415 nmの吸光度
を測定した。この結果、8種類のモノクローナル抗体の
中で、TIM−293のモノクローナル抗体を固定化抗
体としてコーティングに用い、ビオチン化したTIM−
225もしくはTIM−347のモノクローナル抗体を
標識抗体(2次抗体)として用いる組合せが最も高感度
な測定を可能とする組合せであった。
【0016】(b)モノクローナル抗体の酵素標識 TIM−225の抗体をImagawa らの方法(Imagawa et
al. (1982) J. Appl.Biochem., 4, 41)によりペルオ
キシダーゼで標識を行った。
al. (1982) J. Appl.Biochem., 4, 41)によりペルオ
キシダーゼで標識を行った。
【0017】(c)モノクローナル抗体を用いたサンド
イッチ酵素免疫測定法 TIM−293を10μg/ml の濃度でイムノプレートに
コーティングを行い、2次抗体として上記(b)のペル
オキシダーゼ標識したTIM−225、基質溶液として
1mg/ml o−フェニレンジアミン−0.012%過酸化
水素−50mMリン酸クエン酸緩衝液(pH5.0)、反応
停止液として1N硫酸溶液を用いて実施例1(c)と同
様にして精製TIMP−1の測定を行った。測定は49
2nmの吸光度を測定した。この結果、従来法に比べて
10倍高感度なTIMP−1の測定法が確立された(図
1)。本測定法は、図1に示したように0.25ng/
ml以上のTIMP−1を正確に定量することが可能で
ある。本発明者らが高感度測定用に用いたTIMP−1
に対するマウスモノクローナル抗体TIM−225およ
びTIM−293は、Clarkらが用いたマウスモノ
クローナル抗体とはTIMP−1阻害活性およびイムノ
ブロッティングでの反応性が異なることから、認識する
エピトープが異なると考えられ、この違いが10倍の高
感度を生み出したと考えられる。
イッチ酵素免疫測定法 TIM−293を10μg/ml の濃度でイムノプレートに
コーティングを行い、2次抗体として上記(b)のペル
オキシダーゼ標識したTIM−225、基質溶液として
1mg/ml o−フェニレンジアミン−0.012%過酸化
水素−50mMリン酸クエン酸緩衝液(pH5.0)、反応
停止液として1N硫酸溶液を用いて実施例1(c)と同
様にして精製TIMP−1の測定を行った。測定は49
2nmの吸光度を測定した。この結果、従来法に比べて
10倍高感度なTIMP−1の測定法が確立された(図
1)。本測定法は、図1に示したように0.25ng/
ml以上のTIMP−1を正確に定量することが可能で
ある。本発明者らが高感度測定用に用いたTIMP−1
に対するマウスモノクローナル抗体TIM−225およ
びTIM−293は、Clarkらが用いたマウスモノ
クローナル抗体とはTIMP−1阻害活性およびイムノ
ブロッティングでの反応性が異なることから、認識する
エピトープが異なると考えられ、この違いが10倍の高
感度を生み出したと考えられる。
【0018】(d)尿中のTIMP-1の定量 (a)に記載した組合せのモノクローナル抗体を用いた
サンドイッチ酵素免疫測定法により、尿中のTIMP-1の定
量を行った。この定量において、精製したTIMP-1を標準
物質として用いた。健常人の尿中TIMP-1の濃度は、測定
した6例中56 pg/mlを示す1例を除いて5例が0 pg/ml
であり、平均値は 9.33 (標準偏差22.9)pg/ml である
(表2)のに対して、
サンドイッチ酵素免疫測定法により、尿中のTIMP-1の定
量を行った。この定量において、精製したTIMP-1を標準
物質として用いた。健常人の尿中TIMP-1の濃度は、測定
した6例中56 pg/mlを示す1例を除いて5例が0 pg/ml
であり、平均値は 9.33 (標準偏差22.9)pg/ml である
(表2)のに対して、
【0019】
【表2】 表2. 健常人尿中のTIMP-1濃度 ───────────────────── 症例番号 TIMP-1濃度(pg/ml) ───────────────────── A 0 B 0 C 56 D 0 E 0 F 0 ─────────────────────
【0020】同じく6例測定した膀胱癌患者の尿では、
6例中3例が1000-5000 pg/ml という極めて高い値を、
また、2例が 500-1000 pg/ml の高値を示し、平均値は
1535(標準偏差 1737 )pg/ml であった(表3)。
6例中3例が1000-5000 pg/ml という極めて高い値を、
また、2例が 500-1000 pg/ml の高値を示し、平均値は
1535(標準偏差 1737 )pg/ml であった(表3)。
【0021】
【表3】 表3. 膀胱癌患者尿中のTIMP-1濃度 ───────────────────── 症例番号 TIMP-1濃度(pg/ml) ───────────────────── 1 907 2 1240 3 1467 4 4933 5 48 6 613 ─────────────────────
【0022】また、尿管癌患者の尿中TIMP-1濃度も、2
例中1例が 1500 pg/ml 以上の高値を示した(表4)。
例中1例が 1500 pg/ml 以上の高値を示した(表4)。
【0023】
【表4】 表4. 尿管癌患者尿中のTIMP-1濃度 ───────────────────── 症例番号 TIMP-1濃度(pg/ml) ───────────────────── 7 54 8 1573 ─────────────────────
【0024】腎臓癌患者の尿においても、2例中1例が
2200 pg/ml の高濃度を示した(表5)。
2200 pg/ml の高濃度を示した(表5)。
【0025】
【表5】 表5. 腎臓癌患者尿中のTIMP-1濃度 ───────────────────── 症例番号 TIMP-1濃度(pg/ml) ───────────────────── 9 0 10 2200 ─────────────────────
【0026】上記のサンドイッチ酵素免疫測定法に供し
た癌患者および健常人の尿を用いてリバースザイモグラ
フィー法による分析を行ない、それぞれの尿中に含まれ
るTIMP-1量をバンドの濃さによって定性的に比較する
と、サンドイッチ酵素免疫測定法の結果をよく反映する
結果を示した。このことは、上記のサンドイッチ酵素免
疫測定法が確かに尿中のTIMP-1の濃度を測定するもので
あることを裏付けている。
た癌患者および健常人の尿を用いてリバースザイモグラ
フィー法による分析を行ない、それぞれの尿中に含まれ
るTIMP-1量をバンドの濃さによって定性的に比較する
と、サンドイッチ酵素免疫測定法の結果をよく反映する
結果を示した。このことは、上記のサンドイッチ酵素免
疫測定法が確かに尿中のTIMP-1の濃度を測定するもので
あることを裏付けている。
【0027】
【発明の効果】本発明により、従来困難であった泌尿器
癌の多検体測定が可能となり、集団検診などによる癌の
早期発見に大きく貢献することが可能と考えられる。
癌の多検体測定が可能となり、集団検診などによる癌の
早期発見に大きく貢献することが可能と考えられる。
【図1】図1は実施例3に記載したTIMP−1の測定
法による結果を示すグラフである。
法による結果を示すグラフである。
Claims (8)
- 【請求項1】 尿中のティッシュー・インヒビター・オ
ブ・メタロプロテイナーゼ−1(TIMP−1)を定量
することを特徴とする泌尿器癌の診断法。 - 【請求項2】 診断する癌が膀胱癌であることを特徴と
する特許請求の範囲第1項に記載の泌尿器癌の診断法。 - 【請求項3】 診断する癌が尿管癌であることを特徴と
する特許請求の範囲第1項に記載の泌尿器癌の診断法。 - 【請求項4】 診断する癌が腎臓癌であることを特徴と
する特許請求の範囲第1項に記載の泌尿器癌の診断法。 - 【請求項5】 TIMP−1の定量をモノクローナル抗
体を利用した免疫測定法により行うことを特徴とする特
許請求の範囲第1項に記載の泌尿器癌の診断法。 - 【請求項6】 前記モノクローナル抗体の少なくとも一
種が抗ヒトTIMP−1マウスモノクローナル抗体TI
M−225である、請求項5記載の泌尿器癌の診断法。 - 【請求項7】 前記モノクローナル抗体の少なくとも一
種が抗ヒトTIMP−1マウスモノクローナル抗体TI
M−293である、請求項5記載の泌尿器癌の診断法。 - 【請求項8】 抗ヒトTIMP−1マウスモノクローナ
ル抗体TIM−225及び抗ヒトTIMP−1マウスモ
ノクローナル抗体TIM−293を用いた請求項5記載
の泌尿器癌の診断法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30161694A JPH08136548A (ja) | 1994-11-11 | 1994-11-11 | 泌尿器癌の診断法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30161694A JPH08136548A (ja) | 1994-11-11 | 1994-11-11 | 泌尿器癌の診断法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08136548A true JPH08136548A (ja) | 1996-05-31 |
Family
ID=17899095
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP30161694A Pending JPH08136548A (ja) | 1994-11-11 | 1994-11-11 | 泌尿器癌の診断法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08136548A (ja) |
Cited By (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2000062070A3 (en) * | 1999-04-09 | 2001-01-25 | Holten Andersen Mads | Tissue inhibitor of matrix metalloproteinases type-1 (timp-1) as a cancer marker |
WO2004029627A1 (en) | 2002-09-26 | 2004-04-08 | Rigshospitalet | A method for detecting, screening and/or monitoring a cancer in an individual |
US6906036B2 (en) | 2001-08-16 | 2005-06-14 | Kimberly-Clark Worldwide, Inc. | Anti-aging and wound healing compounds |
US7041787B2 (en) | 2000-12-29 | 2006-05-09 | Kimberly-Clark Worldwide, Inc. | Design and use of advanced zinc chelating peptides to regulate matrix metalloproteinases |
US7071164B2 (en) | 2001-08-16 | 2006-07-04 | Kimberly-Clark Worldwide, Inc. | Anti-cancer and wound healing compounds |
US7094754B2 (en) | 2001-08-16 | 2006-08-22 | Kimberly-Clark Worldwide, Inc. | Anti-aging and wound healing compounds |
US7148194B2 (en) | 2002-12-30 | 2006-12-12 | Kimberly-Clark Worldwide, Inc. | Method to increase fibronectin |
US7186693B2 (en) | 2001-08-16 | 2007-03-06 | Kimberly - Clark Worldwide, Inc. | Metalloproteinase inhibitors for wound healing |
US7189700B2 (en) | 2003-06-20 | 2007-03-13 | Kimberly-Clark Worldwide, Inc. | Anti-chrondrosarcoma compounds |
US7374886B2 (en) | 1999-04-09 | 2008-05-20 | Rigshospitalet | Tissue inhibitor of matrix metalloproteinases type-1 (TIMP-1) as a cancer marker and postoperative marker for minimal residual disease or recurrent disease in patients with a prior history of cancer |
JP2013152088A (ja) * | 2011-12-28 | 2013-08-08 | Mitsubishi Chemical Medience Corp | 神経変性疾患の検出方法 |
-
1994
- 1994-11-11 JP JP30161694A patent/JPH08136548A/ja active Pending
Cited By (16)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7108983B1 (en) | 1999-04-09 | 2006-09-19 | Rigshospitalet | Tissue inhibitor of matrix metalloproteinases type-1 (TIMP-1) as a cancer marker |
EP1619206A3 (en) * | 1999-04-09 | 2006-02-15 | Rigshospitalet | Tissue inhibitor of matrix metallproteinases type-1 (TIMP-1) as a cancer marker |
US7807379B2 (en) | 1999-04-09 | 2010-10-05 | Rigshospitalet | Tissue inhibitor of matrix metalloproteinases type-1 (TIMP-1) as a cancer marker |
US7374886B2 (en) | 1999-04-09 | 2008-05-20 | Rigshospitalet | Tissue inhibitor of matrix metalloproteinases type-1 (TIMP-1) as a cancer marker and postoperative marker for minimal residual disease or recurrent disease in patients with a prior history of cancer |
WO2000062070A3 (en) * | 1999-04-09 | 2001-01-25 | Holten Andersen Mads | Tissue inhibitor of matrix metalloproteinases type-1 (timp-1) as a cancer marker |
US7041787B2 (en) | 2000-12-29 | 2006-05-09 | Kimberly-Clark Worldwide, Inc. | Design and use of advanced zinc chelating peptides to regulate matrix metalloproteinases |
US7071164B2 (en) | 2001-08-16 | 2006-07-04 | Kimberly-Clark Worldwide, Inc. | Anti-cancer and wound healing compounds |
US7094754B2 (en) | 2001-08-16 | 2006-08-22 | Kimberly-Clark Worldwide, Inc. | Anti-aging and wound healing compounds |
US7186693B2 (en) | 2001-08-16 | 2007-03-06 | Kimberly - Clark Worldwide, Inc. | Metalloproteinase inhibitors for wound healing |
US7196162B2 (en) | 2001-08-16 | 2007-03-27 | Kimberly-Clark Worldwide, Inc. | Anti-aging and wound healing compounds |
US6906036B2 (en) | 2001-08-16 | 2005-06-14 | Kimberly-Clark Worldwide, Inc. | Anti-aging and wound healing compounds |
WO2004029627A1 (en) | 2002-09-26 | 2004-04-08 | Rigshospitalet | A method for detecting, screening and/or monitoring a cancer in an individual |
JP2006500574A (ja) * | 2002-09-26 | 2006-01-05 | リグスホスピタレット | 個体における癌の検出、スクリーニングおよび/またはモニタリング方法 |
US7148194B2 (en) | 2002-12-30 | 2006-12-12 | Kimberly-Clark Worldwide, Inc. | Method to increase fibronectin |
US7189700B2 (en) | 2003-06-20 | 2007-03-13 | Kimberly-Clark Worldwide, Inc. | Anti-chrondrosarcoma compounds |
JP2013152088A (ja) * | 2011-12-28 | 2013-08-08 | Mitsubishi Chemical Medience Corp | 神経変性疾患の検出方法 |
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