JP3081638B2 - ヒト72kDaゼラチナーゼに対するモノクローナル抗体およびその利用 - Google Patents
ヒト72kDaゼラチナーゼに対するモノクローナル抗体およびその利用Info
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Description
2と記す)に対するモノクローナル抗体に関するもので
あり、また、このモノクローナル抗体を用いて免疫組織
化学的手法に基づき、組織中あるいは細胞中のヒトMMP
−2(潜在型または活性型)を検出する方法に関する。
さらに詳しくは、本発明は、抗ヒトMMP−2モノクロー
ナル抗体及びその製造方法および上記モノクローナル抗
体を用いる免疫組織化学的手法により、慢性関節リウマ
チ患者あるいは癌患者の組織中のヒトMMP−2の染色像
と健常人の組織のそれとを対比することにより、慢性関
節リウマチ疾患あるいは癌の診断に利用することができ
る方法に関するものである。
ン、エラスチン、フィブロネクチンおよびラミニンなど
の粘着性糖蛋白質から構成される。これらマトリックス
成分の分解には、マトリックスメタロプロテアーゼ(MM
P)と総称される、間質型コラゲナーゼ(MMP−1)、72
kDaゼラチナーゼ(IV型コラゲナーゼ;MMP−2)、92kDa
ゼラチナーゼ(IV型コラゲナーゼ;MMP−9)およびスト
ロムライシン(トランジン;MMP−3)というそれぞれの
酵素が重要な役割を果たしている。また、炎症時にコラ
ーゲン分解に関与する多形核白血球由来エラスターゼや
カテプシンGに代表されるセリンプロテアーゼが注目さ
れるようになってきた。
−1、ヒトMMP−2、ヒトMMP−3およびヒトMMP−9が
あり、それらの一次構造もすでに決定されている。MMP
−1とMMP−3の一次構造において両者間に55%の相同
性が認められており、いずれもN−末端ドメイン、Zn2+
結合ドメインおよび、ヘモペキシン凝結酵素様C−末端
ドメインの3つのドメインより構成されている。MMP−
2はさらに上記N−末端ドメインおよびZn2+結合ドメイ
ン間に58アミノ酸残基からなる構造が3つ繰り返された
構造をもつフィブロネクチン様コラーゲン結合ドメイン
が付加されているものである。MMP−9がMMP−2と大き
く異なるところは、Zn2+結合ドメインとC−末端ドメイ
ンの間に54アミノ酸残基からなり、プロリンに富むV型
コラーゲンのα2鎖によく似たドメイン、α2(V)鎖
様ドメイン、が挿入されている点である。
1は基質特異性が高く、間質のI型コラーゲン、II型コ
ラーゲン、III型コラーゲンの他、X型コラーゲンを分
解する。また、弱いながらもゼラチンにも作用する。MM
P−2はゼラチン、IV型コラーゲンおよびV型コラーゲ
ン、さらに弱いながらプロテオグリカンコア蛋白質やフ
ィブロネクチンも分解する。また、活性は弱いが、不溶
性エラスチンも分解する。
細胞、ヒト肺マクロファージ、単球性白血病U937細胞、
線維肉腫HT1080細胞およびヒトケラチノサイトなどによ
り産生され、ゼラチンやIV型コラーゲンを分解するが、
その基質特異性については、MMP−2と同様なのかまだ
よく分っていない。
2)に対し、特異的に反応するモノクローナル抗体を製
造することに成功した。また、このモノクローナル抗体
を用いて組織検体中のヒトMMP−2を免疫組織化学的手
法により検出することに成功し、この検出法は、ヒト慢
性リウマチ疾患または癌の診断に利用することができ
る。
在する抗原決定基のうち、いずれか一つの抗原決定基の
みに免疫反応性を有するモノクローナル抗体であって、
潜在型または活性型72kDaゼラチナーゼに免疫反応性を
有し、ヒト間質型コラゲナーゼ、ヒトストロメライシン
及びヒト92kDaゼラチナーゼに免疫交差反応性を有しな
い抗ヒト72kDaゼラチナーゼモノクローナル抗体を提供
するものであり、また、このモノクローナル抗体を使用
して、組織検体中のヒト72kDaゼラチナーゼを免疫組織
化学的手法により検出する方法を提供するものである。
それらの製造方法に関しては、後に詳述する。本発明に
係る上記免疫組織化学的な分析としては、後掲の実施例
として一つの例示方法が示されているが、他に例えば、
標識物が付与された抗ヒトMMP−2抗体と検体とを反応
させ、洗浄後検体中に残った標識物を例えばジアミノベ
ンジジンなどの発色剤を用いて分析する、いわゆる直接
法、または、検体と抗ヒトMMP−2抗体とを反応させ、
洗浄後、標識物が付与された抗免疫グロブリンとさらに
反応させ、洗浄後検体中に残った標識物を上記と同様に
分析する、いわゆる間接法があり、これらは、いずれも
本発明に適用される。これらの場合の標識物の例として
は、酵素(ペルオキシダーゼ、アルカリフォスファダー
ゼあるいはβ−D−ガラクトシダーゼなど)、化学物
質、螢光物質あるいは放射性同位元素などがある。一
方、標識物を付与する抗体としては、抗体含有物を硫酸
アンモニウムを加えることにより分画した後、DEAE−セ
ファセルの如き陰イオン交換ゲルによりあるいはProtei
n Aカラムクロマトグラフィーにより精製したIgG画分、
さらには、ペプシン消化後、還元して得られる特異的結
合部分Fab′を用いることもできる。
可能とするものであり、その検出結果は、ヒト慢性リウ
マチ疾患あるいは癌の診断において非常に有用なもので
ある。
だし、本発明はこれらに限定されるものではない。
−9に対しても同様に適用されるものであるので、実施
例及び図面には、ヒトMMP−1及びヒトMMP−9について
も合わせて記載している。
クローナル抗体および抗ヒトMMP−9モノクローナル抗
体の作製 (a)ヒトMMP−1ポリペプチド、ヒトMMP−2ポリペプ
チドおよびヒトMMP−9ポリペプチドの調製 ヒトMMP−1ポリペプチドは、J.Biol.Chem.,261,6600
−6605(1986)に記載のGoldbergらのアミノ酸配列を、
また、ヒトMMP−2ポリペプチドおよびヒトMMP−9ポリ
ペプチドはそれぞれ、J.Biol.Chem.,263,6579−6587(1
988)に記載のCollierおよびJ.Biol.Chem.,264,17213−
17221(1989)に記載のWilhelmらのアミノ酸配列を用い
た。
P−3)、ヒトMMP−2ポリペプチド(P−4〜P−
8)およびヒトMMP−9ポリペプチド(P−9〜P−1
1)をそれぞれペプチドシンセサイザー9600(ミリジエ
ン/バイオサーチ)で合成した。なお、各ペプチドC末
端にシステインを導入した。合成ペプチドの純度約70%
以下のものはμBondasphere(5μ、C18−100Å)カラ
ムを用いて高速液体クロマトグラフィーにより精製し
た。
ペプチドとキーホールリンペットへモシアニンの複合体
の調製 2mg牛血清アルブミン(BSA)を1mlの0.1Mリン酸緩衝
液(pH7.0)に溶解したもの、あるいは2mgキーホールリ
ンペットヘモシアニン(KLH)を1mlの0.1Mリン酸緩衝液
(pH7.5)に溶解したものと1.85mgN−(ε−maleimido
−caproyloxy)succinimideを200μのジメチルホルム
アミドに溶解したものとを混合し、30℃、30分間インキ
ュベーションした。次に上記の混合液を0.1Mリン酸緩衝
液(pH7.0)で平衡化したPD−10(ファルマシア)でゲ
ル過した。
されたKLHを分取し、1.5ml以下に濃縮した。マレイミド
が結合されたBSAまたはマレイミドが結合されたKLHに対
し50倍モル量の前記(a)で合成した各ヒトMMP−1ポ
リペプチド、各ヒトMMP−2ポリペプチドあるいは各ヒ
トMMP−9ポリペプチドを1mlの0.1Mリン酸緩衝液(pH7.
0)に溶解したものと混合した。4℃、20時間インキュ
ベーションし、MMP−1ポリペプチド−BSA複合体または
MMP−1ポリペプチド−KLH複合体、MMP−2ポリペプチ
ドBSA複合体、MMP−9ポリペプチド−BSAおよびMMP−9
ポリペプチド−KLH複合体をそれぞれ調製した。
完全フロイントアジュバントと共に8週令Balb/c雌マウ
スにそれぞれ腹腔内投与し、初回免疫した。15日後に0.
1Mリン酸緩衝液(pH6.0)に溶解した各複合体200μgを
初回免疫したそれぞれのマウスに腹腔内投与し追加免疫
した。さらに、38日後に追加免疫時と同様に各複合体70
μgを静脈内および130μgを腹腔内投与し、最終免疫
とした。その3日後に脾臓を摘出し、脾細胞懸濁液を調
製した。
リウム(24mM)、ピルビン酸ナトリウム(1mM)、ペニ
シリンGカリウム(50U/ml)、硫酸ストレプトマイシン
(50μg/ml)および硫酸アミカシン(100μg/ml)を加
え、ドライアイスでpHを7.2にし、0.2μm東洋メンブレ
ンフィルターで除菌過した。
胎児血清(M.A.Bioproducts)を15%(v/v)の濃度にな
るように加えた。
ール4,000(PEG 4,000、Merck &Co.)を50%(w/w)に
なるように加え、無血清溶液を調製した。
14)との融合は、Selected Method in Cellular Immuno
logy(ed.B.B.Mishell and S.M.Shiigi)、W.H.Freeman
and Company(1980)、351−372に記載のOiらの方法を
若干改変して行った。
0%)とミエローマ細胞(生細胞率100%)とを5:1の割
合で融合した。脾臓細胞とミエローマ細胞とを別に前記
のRPMI 1640培地で洗浄し、次に同じ培地に懸濁し、融
合させるため上記の割合で混合した。容量250mlのポリ
プロピレン製遠沈管(岩城硝子)を用い、400mlのRPMI
1640培地中400×g、10分間遠心し、上清を完全に吸出
した。沈殿細胞に37℃加温PEG 4,000溶液6.0mlを穏やか
に撹拌しながら1分間で滴下し、さらに1分間撹拌し細
胞を再懸濁、分散させた。次に37℃加温RPMI 1640培地
6.0mlを1分間で滴下した。この操作をさらに1回繰り
返した後、同培地42.0mlを2〜3分間で常に撹拌しなが
ら滴下し細胞を分散させた。これを400×g、10分間遠
心分離し、上清を完全に吸引除去した。次にこの沈殿細
胞に37℃加温NS−1培地60mlを速やかに加え、細胞の大
きい塊を10mlのピペットを用いて注意深くピペッティン
グして分散した。さらに同培地120mlを加えて希釈し、
ポリスチレン製96穴マイクロウエル(岩城硝子)にウエ
ル当り6.0×105個/0.1mlの細胞を加えた。細胞を加えた
上記のマイクロウエルを7%炭酸ガス/93%空気中で温
度37℃、湿度100%下に培養に付した。
ポキサンチン(100μM)、アミノプテリン(0.4μM)
およびチミジン(16μM)を加えた。
培地と同一組成のものである。
にパスツールピペットでHAT培地2滴(約0.1ml)を加え
た。2、3、5、8、11日目に培地の半分(0.1ml)を
新しいHAT培地で置き換え、14日目に培地の半分を新し
いHT培地で置き換えた。以降3〜4日毎に培地の半分を
新しいHT培地で置き換えた。通常約2週間で充分なハイ
ブリドーマの生育が観察される。ハイブリドーマ生育全
ウエルについて次項(f)記載の固相−抗体結合テスト
法(ELISA)により陽性ウエルをチェックした。次にフ
ィーダーとして107個のマウス胸腺細胞を含むHT培地1ml
をポリスチレン製24穴セルウエル(岩城硝子)に加えた
ものを用い、上記で検出された各陽性ハイブリドーマの
全内容物を移した。これを前記(d)におけると同様に
7%炭酸ガス存在下、37℃で約1週間培養に付した。そ
の間1〜2回各ウエルの上清0.5mlを新しいHT培地0.5ml
と交換した。ハイブリドーマの充分生育した時点でELIS
A法により陽性を再確認し、それぞれについて次項
(g)記載の限界希釈法によるクローニングを行った。
なお、クローニングに使用後の残液をポリスチレン製25
cm2組織培養フラスコ(岩城硝子)に移し、凍結保存用
試料を調製した。
2抗体または抗ヒトMMP−9抗体産生ハイブリドーマの
検索 Anal.Biochem.104,205〜214(1980)に記載のRennard
らの方法を若干改変した方法を用いた。この方法は、ハ
イブリドーマ抗体の検出に適している。96穴ミクロタイ
トレーションプレート(Flow Lab.)を100ngの各ヒトMM
P−1ポリペプチド、各ヒトMMP−2ポリペプチドあるい
は各ヒトMMP−9ポリペプチドでコートし、次に、未コ
ート部分を1%BSAでブロックした。これに前記(e)
で得られたハイブリドーマ生育ウエルの上清の一部を加
えて室温で約1時間インキュベートした。2次抗体とし
て西洋わさびペルオキシダーゼ標識ヤギ抗マウス免疫グ
ロブリン(Cappel Lab.)を加え、さらに室温で約1時
間インキュベートした。次に基質である過酸化水素とo
−フェニレンジアミンを加え生成した褐色の程度をマイ
クロプレートリーダー(MRP−A4、東洋ソーダ)を用い
て492nmの吸光度を測定し判定した。
イブリドーマが生育している可能性があるので、限界希
釈法によりクローニングを行い、モノクローナル抗体産
生ハイブリドーマを取得する。NS−1培地1ml当りフィ
ーダーとして107個のマウス胸腺細胞を含むクローニン
グ培地を調製し、96穴マイクロウエルの36ウエル、36ウ
エルおよび24ウエルにウエル当り5個、1個および0.5
個のハイブリドーマを加えた。5日目、12日目に全ウエ
ルに各約0.1mlのNS−1培地を追加した。クローニング
開始後14〜15日で充分なハイブリドーマの生育が認めら
れ、コロニー形成陰性ウエルが50%以上である群につい
てELISA法を行った。テストした全ウエルが陽性でない
場合、抗体陽性ウエル中のコロニー数を確認し、ウエル
中に1コロニーが確認されたウエルを4〜6個選び再ク
ローニングする。最終的に第2、3および4表に示した
ように各ヒトMMP−1ポリペプチド、ヒトMMP−2ポリペ
プチドまたはヒトMMP−9ポリペプチドに対するモノク
ローナル抗体産生ハイブリドーマを得た。
殖 モノクローナル抗体の増殖は常法による。すなわち、
得られた各ハイブリドーマをNS−1培地などの適当な培
養液で培養(生体外増殖)し、その培養上清から10〜10
0μg/mlの濃度のモノクローナル抗体を得ることができ
た。一方、大量に抗体を得るためには脾細胞とミエロー
マ細胞の由来動物と同系の動物(Balb/cマウス)にマウ
ス1匹当り0.5mlの腫瘍形成促進剤プリスタン(2,6,10,
14−テトラメチルペンタデカン、Aldrich Chem.Co.)を
腹腔内投与した。1〜3週間後に、各ハイブリドーマ1
×107個を同じく腹腔内投与し、さらにその1〜2週間
後に生体内で産生された4〜7mg/mlのモノクローナル抗
体を含む腹水を得ることができた。
ド、ヒトMMP−2ポリペプチドあるいはヒトMMP−9ポリ
ペプチドをコートしたミクロタイトレーションプレート
に、前記(g)で得られた各モノクローンの培養上清を
加えた。次にPBSにより洗浄した後、アイソタイプ特異
的ウサギ抗マウスIg抗体(Zymed Lab.)を加えた。PBS
による洗浄後、西洋わさびペルオキシダーゼ標識ヤギ抗
ウサギIgG(H+L)抗体を加え、基質として過酸化水
素および2,2′−アジノ−ジ(3−エチルベンゾチアゾ
リン硫酸)を用いてそれぞれの重鎖および軽鎖を判定し
た。その結果をまとめて後、掲の第2、3および4表に
示した。
ウムで分画した後、IgGクラスの抗体について0.5M塩化
ナトリウム含有1.5Mグリシン−NaOH緩衝液(pH8.9)で
平衡化したプロテインAアファゲル(Bio−Rad)カラム
に吸着させ、上記洗浄液で洗浄後0.1Mクエン酸緩衝液
(pH5.0)で溶出することにより精製した。
sui"(日水製薬)に重炭酸ナトリウム(31mM)およびL
−グルタミン(5mM)を加え、ドライアイスでpH7.2に調
整し、0.2μm東洋メンブレンで除菌過した。
むDMEM培地で、5%CO2インキュベーター中、37℃、5
日間培養し、500rpm、5分間で遠心して集めた細胞を0.
2%ラクトアルブミン水解物および5units/ml遺伝子組換
えヒトインターロインキ1αを含むDMEM培地中で6〜7
日間同様に培養した。500rpm、5分間で遠心後の上清を
限外過により約140倍に濃縮し、イムノブロッティン
グ用試料とした。
児血清を含むDMEM培地で5%CO2インキュベーター中、3
7℃、6〜7日間培養し、遠心後の細胞を0.2%ラクトア
ルブミン水解物および20units/ml Tumor Necrosis Fact
orα(TNFα)を含むDMEM培地で懸濁し、同様に6〜8
日間培養した。遠心後上清を限外過あるいは3%トリ
クロロ酢酸(TCA)により濃縮し、イムノブロッティン
グ用試料とした American Type Culture Collectionから購入したヒト
線維肉腫細胞HT1080を前記NS−1培地で5%CO2インキ
ュベーター中、37℃、2〜3日間培養し、遠心後の細胞
を2%ラクトアルブミン水解物および100units/ml TNF
αを含むRPMI 1640培地で懸濁し、同様に7〜10日間培
養した。700〜800rpm、3分間の遠心上清を集め、限外
過あるいは3%TCAにより濃縮し、イムノブロッティ
ング用試料とした。
リウムを含むポリアクリルアミドゲル電気泳動に供した
後、細胞工学1&2、1061−1068(1983)に記載の田部
の方法に従ってウエスタンブロッティングを行い、各モ
ノクローンの培養上清と反応後、ペルオキシダーゼ標識
ヤギ抗マウス免疫グロブリン(Cappel Lab.)を用い、
間接法により免疫染色を行った。
2表に掲げられたモノクローナル抗体のうちヒト歯髄線
維芽細胞培養液から調製した試料を用いた場合、41−1E
5、41−16E11、49−6H4、49−9D3、49−10D9、49−14E
3、49−16G9、49−19B9および49−20F1の9つのクロー
ンが陽性として認められた。TNFαで刺激したヒトRA滑
膜細胞培養液から調製した試料を用いた場合、41−1E
5、41−16E11、49−2C2、49−4H5、49−5D7、49−6H4、
49−8F11、49−9D3、49−10D9、49−11F5、49−14E3、4
9−16G9、49−19B9、49−20F1、49−22B1、70−4D9、70
−6G8および70−13F1の18のクローンが陽性として認め
られた。
3表に掲げられたモノクローナル抗体のうち、TNFαで
刺激したヒトRA滑膜細胞培養液から調製した試料を用い
た場合、34−2H11、34−27A5、35−3F2、39−1H9、39−
4E4、39−11D11、39−12B7、39−18F3、42−2H2、42−5
D11、42−14H5、43−3F9、45−2H8、45−6F12、45−14A
8、45−15F9および45−17D8の17モノクローナル抗体が
ヒトMMP−2と反応した。
4表に掲げられたモノクローナル抗体のうち、TNFαで
刺激したHT1080細胞培養液から調製した試料を用いた場
合、56−2A4、56−4F11、56−6D1、57−6G2および57−1
3D8の5つのモノクローナル抗体がヒトMMP−9と反応し
た。
ローナル抗体が他のMMPまたは他の蛋白質と交差反応す
るかどうかをみるために、TNFαで刺激したヒトRA滑膜
細胞培養液またはHT1080細胞のそれぞれの培養液から調
製した試料を用いてイムノブロッティングにより各抗MM
Pモノクローナル抗体の特異性を調べた。
胞培養液から調製した試料中には、イムノブロッティン
グにより検出できる量のヒトMMP−1、ヒトMMP−2、お
よびヒトMMP−3が存在しており、各々のヒトMMPの分子
量は、潜在型MMP−1が55kDaおよび52kDa、活性化され
たMMP−1が45kDa、42kDa、28kDaおよび27kDaであり、
潜在型MMP−2が72kDa、活性型MMP−2が67kDa、また潜
在型MMP−3が57kDa、活性型MMP−3が5kDaおよび46kDa
であった。同様にTNFαで刺激されたHT1080細胞培養液
から調製した試料中に検出される潜在型MMP−9は92kDa
で活性型MMP−9は84kDaであった。
刺激したヒトRA滑膜細胞あるいはHT1080細胞培養液から
調製した試料をイムノブロッティングに供した場合、70
−4D9、70−6G8および70−13F1の各モノクローナル抗体
については、それぞれ、分子量55kDaおよび52kDaのバン
ドのみ検出され、41−1E5、49−2C2、49−6H4、49−9D
3、49−10D9、49−14E3、49−16G9、49−19B9、49−20F
1および49−22B1の各モノクローナル抗体については、
それぞれ、分子量55kDa、52kDa、45kDa、42kDa、28kDa
および27kDaのバンドが検出され、その他のバンドは認
められなかった。また、49−4H5、49−5D7および49−8F
11の各モノクローナル抗体については、分子量55kDa、5
2kDa、45kDaおよび42kDaのバンドが検出され、分子量28
kDaおよび27kDaのバンドは検出されなかった。一方、ヒ
ト潜在型MMP−1とヒト潜在型MMP−3の分子量が近似し
ているため、p−アミノフェニル酢酸第二水銀を試料中
に加えることにより、両者を活性型にした後、イムノブ
ロッティング法により分析した結果、分子量50kDaおよ
び46kDaのバンドは認められなかった。従って、これら
の各抗ヒトMMP−1モノクローナル抗体は、ヒトMMP−
2、ヒトMMP−3、ヒトMMP−9または細胞培養液中の他
の蛋白質と交差反応しないことが示され、ヒトMMP−1
分子に特異的に反応することが示された。
刺激したヒトRA滑膜細胞あるいはHT1080細胞培養液から
調製した試料をイムノブロッティングに供した場合、前
記(b)の陽性モノクローナル抗体のうち、34−2H11、
39−1H9および42−14H5の各モノクローナル抗体はヒトM
MP−9と交差反応を示し、42−2H2および42−14H5の各
モノクローナル抗体は、ヒトMMP−1およびヒトMMP−3
と交差反応を示した。それ以外のモノクローナル抗体に
ついては、他のヒトMMPまたは細胞培養液中の蛋白質と
反応せず、ヒトMMP−2に対し特異的に反応することが
示された。
刺激したヒトRA滑膜細胞培養液から調製した試料をイム
ノブロッティングに供した場合、56−2A4、56−4F11、5
6−6D1、57−6G2および57−13D8の5つのモノクローン
から得られた各抗体は、他のヒトMMPまたは培養液中の
他の蛋白質と交差反応せず、ヒトMMP−9に特異的に反
応することが示された。
めた。
存在下で3時間培養した。この材料をペリオデイト−リ
ジン−パラホルムアルデヒド固定し、パラフィン切片を
作製した。脱パラフィンしたこれらの切片を、内因性ペ
ルオキシダーゼを過酸化水素でブロックした後、実施例
1および2でスクリーニングした抗体のうち、41−1E5
(抗ヒトMMP−1)、42−5D11(抗ヒトMMP−2)または
56−2A4(抗ヒトMMP−9)のモノクローナル抗体を用
い、上記切片と反応させた。次に、この切片を0.14M塩
化ナトリウム含有20mMリン酸緩衝液(pH7.4)で十分洗
浄し、ビオチン化ウマ抗マウスIgG(H+L)と反応
後、さらにアビジン−ビオチン−ペルオキシダーゼ複合
体(Vector Lab.)と反応させた。PBSによる洗浄後、基
質として過酸化水素およびジアミノベンジジンを用いて
発色させた。また、Lab−Tekスライドチャンバー(Mile
s)上で培養したHT1080細胞をTNFαで刺激後、56−2A4
(抗ヒトMMP−9)のモノクローナル抗体を用い、上記
と同様に免疫染色した。
クローナル抗体を用いた場合、ヒトRA滑膜表層細胞が強
く染色された。42−5D11(抗ヒトMMP−2)モノクロー
ナル抗体を用いた場合、ヒトRA表層細胞下層の線維芽細
胞が陽性像として認められた。一方、第2図に示したよ
うに56−2A4(抗ヒトMMP−9)モノクローナル抗体を用
いた場合、HT1080細胞および横紋筋肉腫が強く染色され
た。以上のことから、41−1E5、42−5D11または56−2A4
のモノクローナル抗体は、パラフィン切片によるRAある
いは癌患者の免疫組織染色に使用できることが明らかに
なった。
クローナル抗体(クローン41−1E5)で染色した時の染
色像(×300)、(b)ヒトRA滑膜組織を抗ヒトMMP−2
モノクローナル抗体(クローン42−5D11)で染色した時
の染色像(×150)を示す図面に代る写真であり、第2
図は、(a)TNFαで刺激したHT1080細胞を抗ヒトMMP−
9モノクローナル抗体(クローン56−2A4)で染色した
時の染色像(×300)、(b)横紋筋肉腫を抗ヒトMMP−
9モノクローナル抗体(クローン56−2A4)で染色した
時の染色像(×300)を示す図面に代る写真である。
Claims (3)
- 【請求項1】ヒト72kDaゼラチナーゼに存在する抗原決
定基のうち、いずれか一つの抗原決定基のみに免疫反応
性を有するモノクローナル抗体であって、潜在型または
活性型72kDaゼラチナーゼに免疫反応性を有し、ヒト間
質型コラゲナーゼ、ヒトストロメライシン及びヒト92kD
aゼラチナーゼに免疫交差反応性を有しない抗ヒト72kDa
ゼラチナーゼモノクローナル抗体。 - 【請求項2】組織検体中の、72kDaゼラチナーゼを免疫
組織化学的に分析することにおいて、請求項1記載のモ
ノクローナル抗体を使用することを特徴とする、ヒト72
kDaゼラチナーゼの検出方法。 - 【請求項3】組織検体が、ヒト慢性関節リウマチ疾患ま
たは癌から摘出した組織であることを特徴とする請求項
2記載の検出方法。
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---|---|---|---|
JP02308673A JP3081638B2 (ja) | 1990-11-16 | 1990-11-16 | ヒト72kDaゼラチナーゼに対するモノクローナル抗体およびその利用 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP02308673A JP3081638B2 (ja) | 1990-11-16 | 1990-11-16 | ヒト72kDaゼラチナーゼに対するモノクローナル抗体およびその利用 |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP11251105A Division JP3124008B2 (ja) | 1999-09-06 | 1999-09-06 | ヒト92kDaゼラチナーゼに対するモノクローナル抗体およびその利用 |
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JPH04183397A JPH04183397A (ja) | 1992-06-30 |
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Family Applications (1)
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JP2864219B2 (ja) * | 1995-02-20 | 1999-03-03 | 富士薬品工業株式会社 | 遊離の活性型マトリックスメタロプロテアーゼ類の分別定量法 |
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-
1990
- 1990-11-16 JP JP02308673A patent/JP3081638B2/ja not_active Expired - Lifetime
Non-Patent Citations (3)
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Journal of Biological Chemistry,261,(14),p.6600−6605 |
Journal of Biological Chemistry,263,(14),p.6579−6587 |
Journal of Biological Chemistry,264,(29),p.17213−17221 |
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JPH04183397A (ja) | 1992-06-30 |
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