JPH11343300A - 新規ハプテン、それを認識する抗体およびそれらを用いた免疫学的測定法 - Google Patents
新規ハプテン、それを認識する抗体およびそれらを用いた免疫学的測定法Info
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- JPH11343300A JPH11343300A JP11063948A JP6394899A JPH11343300A JP H11343300 A JPH11343300 A JP H11343300A JP 11063948 A JP11063948 A JP 11063948A JP 6394899 A JP6394899 A JP 6394899A JP H11343300 A JPH11343300 A JP H11343300A
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Abstract
ル)−1,3−ジオール基含有化合物、それをハプテン
基として含む免疫原性を有する複合体、2−アミノ−2
−(アリールアルキル)−1,3−ジオール基に親和性
を示す抗体、該抗体を用いる2−アミノ−2−(アリー
ルアルキル)−1,3−ジオール基含有化合物、特にF
TY720物質の測定方法およびそのためのキット。 【効果】 本発明によれば、検体中のFTY720物質
を簡便且つ高感度に検出定量することができ、移植にお
ける拒絶反応の持続的抑制および自己免疫疾患の治療に
おいて有用である。
Description
する新規低分子化合物、該低分子化合物の活性基に対し
て特異的な親和性を有する抗体、該抗体を用いた生体試
料中の該低分子化合物の測定方法、並びにそのためのキ
ットに関する。
フェニル)エチル]プロパン−1,3−ジオール塩酸塩
(以下、FTY720と称する場合もある)、その医薬
上許容される塩、塩基またはそれらの水和物は、安全性
の高い優れた免疫抑制作用を示し、臓器または骨髄の移
植時に生じる拒絶反応を抑制するとともに、関節リウマ
チ等の自己免疫疾患、アトピー性皮膚炎、喘息などの予
防および治療に有効であることが知られている(特許第
2579602号公報)。FTY720は微量で非常に
強力な免疫抑制作用を有するため、例えば、臓器移植等
の移植における拒絶反応を有効且つ持続的に抑制するに
は、生体投与後の該化合物の血中濃度を簡便且つ高感度
にモニタリングする技術が必要である。
れる低分子物質の測定法としては、ガスクロマトグラフ
ィー、高速液体クロマトグラフィーなどが従来より用い
られているが、これらの分析法には、(1)微量濃度の
薬理活性物質を測定するには感度が不充分である、
(2)操作が煩雑である、(3)大型装置を必要とする
等の問題点があった。そのため、微量濃度のFTY72
0を簡便且つ高感度に定量する測定方法は未だに確立さ
れていない。
的は、生体試料等に含まれる微量濃度のFTY720を
迅速、簡便且つ高感度に測定することができるFTY7
20の新規測定方法、並びに該測定方法に用いるための
キットを提供することである。
感度免疫測定法に着目し、FTY720の免疫抑制活性
部位である2−アミノ−2−(2−フェニルエチル)プ
ロパン−1,3−ジオール基を含む化合物として、2−
アミノ−2−[2−(4−(4−メルカプトブチル)フ
ェニル)エチル]プロパン−1,3−ジオール塩酸塩
(AMPD)等の2−アミノ−2−(アリールアルキ
ル)プロパン−1,3−ジオール基含有化合物を新規に
合成し、該新規化合物をアルブミン等の適当な担体に結
合して免疫原性を有する複合体(immunogenic conjugat
e )を作製した。次いで、該複合体を感作抗原として、
2−アミノ−2−(アリールアルキル)プロパン−1,
3−ジオール基のある部位をハプテン基として認識する
ポリクローナルおよびモノクローナル抗体をそれぞれ取
得することに成功した。さらに、本発明者らは、該抗体
を用いて生体試料、特に血液等の体液中の2−アミノ−
2−(アリールアルキル)プロパン−1,3−ジオール
基含有化合物を高感度に検出できることを確認して、本
発明を完成するに至った。
の整数、就中1であり、mおよびnはそれぞれ独立して
1〜20の整数、好ましくは1〜8の整数、さらに好ま
しくは1〜4の整数であり、Xは直接結合、−CONH
−,−O−または−NH−、好ましくは直接結合を表
す)により表されるチオール化合物またはその保護体あ
るいはそれらの塩。 (2)2−アミノ−2−(アリールアルキル)プロパン
−1,3ージオール基、好ましくはアルキル基が2〜4
個の炭素原子を有し、および/またはアリール基がフェ
ニルおよび炭素数2〜8個の直鎖状または分枝鎖状のア
ルキルによって置換されたフェニルからなる群より選択
される2−アミノ−2−(アリールアルキル)プロパン
−1,3ージオール基、就中2−アミノ−2−(2−フ
ェニルエチル)プロパン−1,3−ジオール基または2
−アミノ−2−(2−(炭素数2〜8個の直鎖状または
分枝鎖状のアルキル置換フェニル)エチル)プロパン−
1,3−ジオール基、並びに免疫学上許容される担体を
含む、免疫原性を有する複合体。 (3)2−アミノ−2−(アリールアルキル)プロパン
−1,3−ジオール基、好ましくはアルキル基が2〜4
個の炭素原子を有し、および/またはアリール基がフェ
ニルおよび炭素数2〜8個の直鎖状または分枝鎖状のア
ルキルによって置換されたフェニルからなる群より選択
される2−アミノ−2−(アリールアルキル)プロパン
−1,3−ジオール基、就中2−アミノ−2−(2−フ
ェニルエチル)プロパン−1,3−ジオール基または2
−アミノ−2−(2−(炭素数2〜8個の直鎖状または
分枝鎖状のアルキル置換フェニル)エチル)プロパン−
1,3−ジオール基に対して親和性を有する抗体、好ま
しくはモノクローナル抗体。 (4)下記の(a) 〜(f) の工程により取得することがで
きる、2−アミノ−2−(アリールアルキル)プロパン
−1,3−ジオール基に対して親和性を有するモノクロ
ーナル抗体: (a) 2−アミノ−2−(アリールアルキル)プロパン−
1,3−ジオール基含有化合物と免疫学上許容される担
体を反応させて免疫原性を有する複合体を生成させ、
(b) 該免疫原性を有する複合体で哺乳動物を1回または
数回免疫して2−アミノ−2−(アリールアルキル)プ
ロパン−1,3−ジオール基に対して親和性を有する抗
体を産生させ、(c) 該哺乳動物から抗体産生細胞を採取
し、(d) 該抗体産生細胞を株化させ、(e) 該株化細胞か
ら2−アミノ−2−(アリールアルキル)プロパン−
1,3−ジオール基に対して親和性を有するモノクロー
ナル抗体を産生する細胞をクローン化し、(f) 該クロー
ン化された細胞株から該モノクローナル抗体を採取す
る、好ましくは2−アミノ−2−(アリールアルキル)
プロパン−1,3−ジオール基が、2−アミノ−2−
(2−フェニルエチル)プロパン−1,3−ジオール基
または2−アミノ−2−(2−(炭素数2〜8個の直鎖
状または分枝鎖状のアルキル置換フェニル)エチル)プ
ロパン−1,3−ジオール基である該モノクローナル抗
体。 (5)上記(3)または(4)のモノクローナル抗体を
産生し得るハイブリドーマ。 (6)生体試料中の2−アミノ−2−(アリールアルキ
ル)プロパン−1,3−ジオール基含有化合物を、上記
(3)または(4)の抗体を用いて検出することを特徴
とする、生体試料中の2−アミノ−2−(アリールアル
キル)プロパン−1,3−ジオール基含有化合物の測定
方法。 (7)下記(a) 〜(c) の工程を含む生体試料中の2−ア
ミノ−2−(アリールアルキル)プロパン−1,3−ジ
オール基含有化合物の測定方法: (a) 固相化された上記(3)または(4)の抗体に、生
体試料と、標識された2−アミノ−2−(アリールアル
キル)プロパン−1,3−ジオール基含有化合物とを競
合的に反応させた後、(b) 固相と液相とを分離し、(c)
その一方に存在する標識量を測定する。 (8)下記(a) 〜(d) の工程を含む生体試料中の2−ア
ミノ−2−(アリールアルキル)プロパン−1,3−ジ
オール基含有化合物の測定方法: (a) 上記(3)または(4)の抗体に、生体試料と、標
識された2−アミノ−2−(アリールアルキル)プロパ
ン−1,3−ジオール基含有化合物とを競合的に反応さ
せ、(b) 該反応液を該抗体に対して親和性を有する固相
化された二次抗体とさらに反応させた後、(c) 固相と液
相とを分離し、(d) その一方に存在する標識量を測定す
る。 (9)下記(a) 〜(d) の工程を含む生体試料中の2−ア
ミノ−2−(アリールアルキル)プロパン−1,3−ジ
オール基含有化合物の測定方法: (a) 生体試料と標識された上記(3)または(4)の抗
体とを反応させ、(b) 該反応液を、固相化された2−ア
ミノ−2−(アリールアルキル)プロパン−1,3−ジ
オール基含有化合物とさらに反応させた後、(c) 固相と
液相とを分離し、(d) その一方に存在する標識量を測定
する。 (10)下記(a) 〜(f) の工程を含む生体試料中の2−
アミノ−2−(アリールアルキル)プロパン−1,3−
ジオール基含有化合物の測定方法: (a) 生体試料と、上記(3)または(4)の抗体とを反
応させ、(b) 該反応液を、固相化された2−アミノ−2
−(アリールアルキル)プロパン−1,3−ジオール基
含有化合物とさらに反応させた後、(c) 固相と液相とを
分離し、(d) 固相に結合した抗体と、該抗体に対して親
和性を有する標識された二次抗体とを反応させ、(e) 液
相を除去した後、(f) 該固相上の標識量を測定する。 (11)2−アミノ−2−(アリールアルキル)プロパ
ン−1,3−ジオール基含有化合物の体液中レベルの測
定方法である上記(6)〜(10)のいずれかの方法。 (12)2−アミノ−2−(アリールアルキル)プロパ
ン−1,3−ジオール基が、2−アミノ−2−(2−フ
ェニルエチル)プロパン−1,3−ジオール基または2
−アミノ−2−(2−(炭素数2〜8個の直鎖状または
分枝鎖状のアルキル置換フェニル)エチル)プロパン−
1,3−ジオール基である上記(6)〜(11)のいず
れかの方法。 (13)標識が酵素、蛍光物質または放射性同位元素で
ある上記(7)〜(12)のいずれかの方法。 (14)下記(a) および(b) を含む生体試料中の2−ア
ミノ−2−(アリールアルキル)プロパン−1,3−ジ
オール基含有化合物測定用キット。 (a) 上記(3)または(4)の抗体 (b) 標識された2−アミノ−2−(アリールアルキル)
プロパン−1,3−ジオール基含有化合物 (15)さらに上記(3)または(4)の抗体に対して
親和性を有する二次抗体を含む上記(14)のキット。 (16)下記(a) および(b) を含む生体試料中の2−ア
ミノ−2−(アリールアルキル)プロパン−1,3−ジ
オール基含有化合物測定用キット。 (a) 標識された上記(3)または(4)の抗体 (b) 固相化可能な2−アミノ−2−(アリールアルキ
ル)プロパン−1,3−ジオール基含有化合物 (17)下記(a) 〜(c) を含む生体試料中の2−アミノ
−2−(アリールアルキル)プロパン−1,3−ジオー
ル基含有化合物測定用キット。 (a) 固相化可能な2−アミノ−2−(アリールアルキ
ル)プロパン−1,3−ジオール基含有化合物 (b) 上記(3)または(4)の抗体 (c) 該抗体に対して親和性を有する標識された二次抗体 (18)2−アミノ−2−(アリールアルキル)プロパ
ン−1,3−ジオール基含有化合物の体液中レベルの測
定用キットである上記(14)〜(17)のいずれかの
キット。 (19)2−アミノ−2−(アリールアルキル)プロパ
ン−1,3−ジオール基が、2−アミノ−2−(2−フ
ェニルエチル)プロパン−1,3−ジオール基または2
−アミノ−2−(2−(炭素数2〜8個の直鎖状または
分枝鎖状のアルキル置換フェニル)エチル)プロパン−
1,3−ジオール基である上記(14)〜(18)のい
ずれかのキット。 (20)標識が酵素、蛍光物質または放射性同位元素で
ある上記(14)〜(19)のいずれかのキット。
好ましい化合物は、一般に下式で表される化合物または
その塩である(以下、総称してAMPD物質という場合
もある)。
の整数である)
の無機酸との塩、マレイン酸塩、フマール酸塩、クエン
酸塩、酢酸塩、リンゴ酸塩、酒石酸塩、ベンゼンスルホ
ン酸塩、シュウ酸塩等が挙げられる。本化合物はO位お
よび/またはN位がアシル基(アセチル、クロロアセチ
ル、トリフルオロアセチル等)、アルコキシカルボニル
(第3級ブトキシカルボニル等)、アルキリデン(イソ
プロピリデン等)、トリアルキルシリル(トリブチルシ
リル等)により保護されていてもよい。これら保護体は
合成原料として用いられる。本化合物はFTY720同
様、2−アミノ−2−(2−フェニルエチル)プロパン
−1,3−ジオール基を有する。また、チオール基を有
するため、免疫原性を有する複合体の作製の際に、担体
となる物質と容易に架橋形成させることができる。
化合物(1)を出発物質として、以下に示す一連の工程
により調製することができるが、それに限定されない。
ルエーテル三フッ化ホウ素付加物等の存在下、第1級ア
ルコール(メタノール、無水エタノール、プロパノール
等)と60〜80℃、1〜2時間反応させてエステル化
し、化合物(2)を得る。
の低級アルキルを、pは1〜20の整数を示す)
エーテル三フッ化ホウ素付加物等の存在下、ブロモアセ
チルクロリド等のアシル化剤を用いて−20〜40℃で
1〜2時間反応させてアシル化し、化合物(3)を得
る。溶媒としては、ジクロロメタン、ジクロロエタン、
クロロホルム、ニトロベンゼン、二硫化炭素等が使用で
きる。
はメチル、エチル、プロピル等の低級アルキルを、pは
1〜20の整数を示す)
酸(TFA)の存在下、−10〜40℃で2〜4時間反
応させて還元し、化合物(4)を得る。
はメチル、エチル、プロピル等の低級アルキルを、pは
1〜20の整数を示す)
℃で2〜6時間反応させてヨウ化し、化合物(5)を得
る。溶媒としては、2−ブタノン、メチルエチルケト
ン、アセトン等が使用できる。
の低級アルキルを、pは1〜20の整数を示す)
ド等の存在下、2−(N−置換)−アミノマロン酸エス
テルと40〜100℃で1〜8時間反応させて縮合し、
化合物(6)を得る。溶媒としては、ジメチルホルムア
ミド、テトラヒドロフラン、エタノール、トルエン等が
使用できる。
ルボニル、ベンジルオキシカルボニル等を、R,R2 ,
R3 はそれぞれ同一または異なって、メチル、エチル、
プロピル等の低級アルキルを、pは1〜20の整数を示
す)
リチウム、水素化ホウ素カルシウム等と0〜60℃、2
〜8時間反応させて還元し、さらにその反応混合物をp
−トルエンスルホン酸、硫酸、ジエチルエーテル三フッ
化ホウ素付加物等の存在下、2−ジメトキシプロパンま
たはアセトンと0〜80℃で1〜24時間反応させてア
セタール化し、化合物(7)および(8)を得る。還元
反応の溶媒としては、エタノール、メタノール、テトラ
ヒドロフラン等が使用できる。
ルボニル、ベンジルオキシカルボニル等を、Rはメチ
ル、エチル、プロピル等の低級アルキルを、pは1〜2
0の整数を示す)
ルボニル、ベンジルオキシカルボニル等を、pは1〜2
0の整数を示す)
アルミニウム、水素化ホウ素ナトリウム等と−20〜6
0℃で0.5〜4時間反応させて還元し、化合物(8)
を得る。溶媒としては、ジエチルエーテル、テトラヒド
ロフラン、メタノール、エタノール等が使用できる。
チルホスホルアミド等の存在下、p−トルエンスルホニ
ルクロリド、メタンスルホニルクロリド等と−20〜6
0℃で1〜24時間反応させて化合物(9)を得る。溶
媒としては、ジクロロメタン、ジクロロエタン、トルエ
ン等が使用できる。
ルボニル、ベンジルオキシカルボニル等を、Zはトルエ
ンスルホニル、メタンスルホニル等を、pは1〜20の
整数を示す)
リウム、チオブタン酸カリウム等と60〜100℃で
0.5〜4時間反応させてチオアシル化し、化合物(1
0)を得る。
ルボニル、ベンジルオキシカルボニル等を、R5 はメチ
ル、エチル、プロピル等の低級アルキルを、pは1〜2
0の整数を示す)
℃で1〜10時間反応させて加水分解し、化合物(A)
の塩として化合物(12)である塩酸塩やその他硫酸塩
等を得る。溶媒としては、メタノール、エタノール、水
等が使用できる。
の存在下、0〜60℃で0.1〜5時間反応させて加水
分解し、化合物(11)を得る。溶媒としては、メタノ
ール、エタノール等が使用できる。
ルボニル、ベンジルオキシカルボニル等を、pは1〜2
0の整数を示す)
℃で1〜10時間反応させて加水分解し、化合物(A)
の塩として化合物(12)である塩酸塩やその他硫酸塩
等を得る。溶媒としては、メタノール、エタノール、水
等が使用できる。
分子化合物であるため、免疫原性、すなわち抗体産生誘
導能がないか、または非常に低い。したがって、本発明
の抗体を調製するためには、2−アミノ−2−(アリー
ルアルキル)プロパン−1,3−ジオール基、好ましく
は2−アミノ−2−(2−フェニルエチル)プロパン−
1,3−ジオール基または2−アミノ−2−(2−(炭
素数2〜8個の直鎖状または分枝鎖状のアルキル置換フ
ェニル)エチル)プロパン−1,3−ジオール基を含む
化合物、就中FTY720やAMPD物質を、例えばマ
レイミド法などの常法を用いて免疫学上許容される担体
に結合して免疫原性を有する複合体もしくは免疫原性が
より高められた複合体、すなわち人工抗原を作製する必
要がある。
る、2−アミノ−2−(アリールアルキル)プロパン−
1,3−ジオール基に対して親和性を有する抗体の産生
誘導能を有する複合体を提供する。該複合体は、ハプテ
ン基含有領域としての2−アミノ−2−(アリールアル
キル)プロパン−1,3−ジオール基含有化合物、およ
び免疫学上許容される担体からなる。2−アミノ−2−
(アリールアルキル)プロパン−1,3−ジオール基含
有化合物として、好ましくは、アルキル基が2〜4個の
炭素原子を有し、および/またはアリール基がフェニル
および炭素数2〜8個の直鎖状または分枝鎖状のアルキ
ルによって置換されたフェニルからなる群より選択され
る2−アミノ−2−(アリールアルキル)プロパン−
1,3−ジオール基を含む化合物、就中2−アミノ−2
−(2−フェニルエチル)プロパン−1,3−ジオール
基または2−アミノ−2−(2−(炭素数2〜8個の直
鎖状または分枝鎖状のアルキル置換フェニル)エチル)
プロパン−1,3−ジオール基を含む化合物が挙げられ
る。また、免疫学上許容される担体としては、例えばウ
シ血清アルブミン(BSA)、卵白アルブミン、ゼラチ
ン、ヘモシアニン等の高分子量タンパク質の他、赤血
球、多糖体等が挙げられるが特に制限はない。
ールアルキル)プロパン−1,3−ジオール基に対して
親和性を有するものであれば特に制限はない。好ましく
は、2−アミノ−2−(2−フェニルエチル)プロパン
−1,3−ジオール基または2−アミノ−2−(2−
(炭素数2〜8個の直鎖状または分枝鎖状のアルキル置
換フェニル)エチル)プロパン−1,3−ジオール基に
対して親和性を有する抗体である。
よびモノクローナル抗体をともに包含する。また、当該
抗体は、IgG、IgA、IgM、IgDまたはIgE
のいずれの免疫グロブリンクラスに属するものであって
もよいが、好ましくはIgGまたはIgMである。
下の方法により作製することができる。上記の複合体と
完全または不完全フロイントアジュバント(FCAまた
はFIA)との混和物を感作抗原として、ウサギ、マウ
ス、ラット、ヤギ、モルモットまたはハムスター等の哺
乳動物に免疫(初回免疫から約1〜4週間毎に1〜数回
追加免疫する)し、各追加免疫の約3〜10日後に部分
採血した血清の抗体価を従来公知の抗原抗体反応を利用
して測定、その上昇を確認しておく。さらに、最終免疫
から約3〜10日後全血を採取して抗血清を精製する。
ポリクローナル抗体は、硫安分画等の塩析、遠心分離、
透析、カラムクロマトグラフィー等の慣用の分離技術を
用いて単独の免疫グロブリンクラスとして精製すること
もできる。
常細胞融合によって製造されるハイブリドーマ(融合細
胞)から取得することができる。すなわち、上記ポリク
ローナル抗体の場合と同様、2−アミノ−2−(アリー
ルアルキル)プロパン−1,3−ジオール基含有化合物
を担体に結合した複合体を免疫感作した哺乳動物から抗
体産生細胞を単離し、これと骨髄腫細胞とを融合させて
ハイブリドーマを形成させ、当該ハイブリドーマをクロ
ーン化し、上記抗原あるいは2−アミノ−2−(アリー
ルアルキル)プロパン−1,3−ジオール基含有化合物
をマーカー抗原(あるいはマーカーハプテン)として、
それに対して特異的な親和性を示す抗体を生産するクロ
ーンを選択することによって製造される。また、あらか
じめ単離された脾細胞あるいはリンパ球等に培養液中で
上記の複合体を作用させて生じる抗体産生細胞も使用す
ることができる。この場合にはヒト由来の抗体産生細胞
も調製可能である。
ーマの調製はケーラーおよびミルシュタインの方法(Na
ture, Vol. 256, pp. 495-497, 1975 )およびその変法
に従って行うことができる。すなわち、本発明のモノク
ローナル抗体は、前述のごとく免疫感作された動物から
取得される脾細胞、リンパ節細胞、末梢リンパ球、骨髄
腫細胞あるいは扁桃細胞等、好ましくは脾細胞に含まれ
る抗体産生細胞と、好ましくは同種のマウス、ラット、
モルモット、ハムスター、ウサギまたはヒト等の哺乳動
物、より好ましくはマウス、ラットまたはヒトの骨髄腫
細胞(ミエローマ)との融合により得られるハイブリド
ーマを培養することにより調製される。培養は、インビ
トロまたはマウス、ラット、モルモット、ハムスター、
ウサギ等の哺乳動物、好ましくはマウスまたはラット、
より好ましくはマウスの腹腔内等でのインビボで行うこ
とができ、抗体はそれぞれ培養上清あるいは哺乳動物の
腹水から取得することができる。
は、例えばマウス由来ミエローマP3/X63−AG
8,P3/NSI/1−Ag4−1,P3/X63−A
g8.U1,SP2/0−Ag14、F0あるいはBW
5147、ラット由来ミエローマ210RCY3−Ag
1.2.3.,ヒト由来ミエローマU−266AR1,
GML500−6TG−A1−2,UC729−6,C
EM−AGR,D1R11あるいはCEM−T15等が
挙げられる。
イブリドーマクローンのスクリーニングは、ハイブリド
ーマを例えばマイクロタイタープレート中で培養し、増
殖のみられたウェル中の培養上清の、マーカー抗原(ま
たはハプテン)に対する反応性を、ラジオイムノアッセ
イ、エンザイムイムノアッセイ、蛍光イムノアッセイ等
によって測定することにより行うことができる。
ような方法によって製造される該抗体含有培養上清ある
いは腹水を、イオン交換クロマトグラフィー、抗イムノ
グロブリンカラムまたはプロテインAカラム等のアフィ
ニティーカラムクロマトグラフィーに付すことにより行
うことができる。
造方法に限定されることなく、いかなる方法で得られた
ものであってもよい。また、通常モノクローナル抗体は
免疫感作を施す哺乳動物の種類によりそれぞれ異なる構
造の糖鎖を有するが、本発明におけるモノクローナル抗
体は、該糖鎖の構造差異により限定されるものではな
く、あらゆる哺乳動物由来のモノクローナル抗体をも包
含するものである。さらに、例えばヒト免疫グロブリン
遺伝子を組み込まれたトランスジェニック動物から得ら
れる組換えヒト型モノクローナル抗体、あるいはある哺
乳動物由来のモノクローナル抗体の定常領域(Fc)を
ヒト由来モノクローナル抗体のFc領域と組換えたキメ
ラモノクローナル抗体、さらには抗原と相補的に直接結
合し得る相補性決定部位(CDR)以外の全領域をヒト
由来モノクローナル抗体の対応領域と組換えたキメラモ
ノクローナル抗体も本発明のモノクローナル抗体に包含
される。
るような、2−アミノ−2−(アリールアルキル)プロ
パン−1,3−ジオール基に対して親和性を有する抗
体、好ましくは2−アミノ−2−(2−フェニルエチ
ル)プロパン−1,3−ジオール基または2−アミノ−
2−(2−(炭素数2〜8個の直鎖状または分枝鎖状の
アルキル置換フェニル)エチル)プロパン−1,3−ジ
オール基に対して親和性を有する抗体を用いて、2−ア
ミノ−2−(アリールアルキル)プロパン−1,3−ジ
オール基含有化合物、好ましくは2−アミノ−2−(2
−フェニルエチル)プロパン−1,3−ジオール基また
は2−アミノ−2−(2−(炭素数2〜8個の直鎖状ま
たは分枝鎖状のアルキル置換フェニル)エチル)プロパ
ン−1,3−ジオール基含有化合物を測定することを特
徴とする、生体試料中の2−アミノ−2−(アリールア
ルキル)プロパン−1,3−ジオール基含有化合物、好
ましくは2−アミノ−2−(2−フェニルエチル)プロ
パン−1,3−ジオール基または2−アミノ−2−(2
−(炭素数2〜8個の直鎖状または分枝鎖状のアルキル
置換フェニル)エチル)プロパン−1,3−ジオール基
含有化合物の測定方法を提供する。
ト、ラット、ヤギ、サル、イヌ、ブタなどの哺乳動物由
来の血液、あるいはその血清、血漿等の体液または体液
由来の試料が挙げられる。血清または血漿マトリックス
効果により2−アミノ−2−(アリールアルキル)プロ
パン−1,3−ジオール基含有化合物の回収率が低く良
好な測定結果が得られない場合には、生体試料を水酸化
ナトリウム水溶液等のアルカリ存在下にクロロホルム抽
出することにより、目的物質を抽出・濃縮することがで
きる。
びモノクローナル抗体のいずれであってもよいが、より
選択性が高く、各製造ロット間でその特性に差がない等
の理由からモノクローナル抗体がより好ましい。また、
完全な抗体分子だけでなく、Fab’、F(ab’)
2 、H鎖、L鎖、可変領域、超可変領域、CDR等の、
抗原またはハプテンとの結合能を有する断片もまた、好
ましく使用することができる。
めに、酵素、蛍光物質(例えば、フルオレセインイソチ
オシアネート、アクリジン、ローダミン等)または放射
性同位元素(RI)を標識として利用する。特別な実験
施設や装置を必要としない等の点で、酵素標識が特に好
ましく使用できる。用いられる酵素としては、例えばペ
ルオキシダーゼ、β−D−ガラクトシダーゼ、アルカリ
ホスファターゼ、グルコースオキシダーゼ、アセチルコ
リンエステラーゼ、グルコース−6−リン酸脱水素酵
素、リンゴ酸脱水素酵素もしくはウレアーゼ等が挙げら
れるが、好ましくはペルオキシダーゼ、特に西洋ワサビ
由来ペルオキシダーゼ(以下、HRPと称する場合もあ
る)である。標識される物質は、測定に用いる抗原抗体
反応の様式に応じて2−アミノ−2−(アリールアルキ
ル)プロパン−1,3−ジオール基含有化合物、抗2−
アミノ−2−(アリールアルキル)プロパン−1,3−
ジオール基抗体あるいは該抗体に対して特異的な親和性
を有する二次抗体のうちから選択されるが、いずれの場
合でも、常法に従って直接または架橋剤を介して間接的
に標識することができる。
ては、固相化された上記抗2−アミノ−2−(アリール
アルキル)プロパン−1,3−ジオール基抗体、好まし
くはモノクローナル抗体に、生体試料と、標識、好まし
くは酵素標識された2−アミノ−2−(アリールアルキ
ル)プロパン−1,3−ジオール基含有化合物とを競合
的に反応させた後、固相と液相とを分離し、その一方に
存在する標識量を測定することにより、生体試料中の2
−アミノ−2−(アリールアルキル)プロパン−1,3
−ジオール基含有化合物を測定する(本法を以下、直接
法1という)。用いられる固相としては、例えばプレー
ト(イムノプレート等)、粒子(イムノビーズ等)、ポ
リスチレンボールや試験管等が使用されるが、簡便な操
作性の点でイムノプレートが好ましい。固相に結合した
酵素標識物質または液相中の酵素標識物質の検出は、標
識に使用される酵素の活性を、常法により測定すること
により行われる。例えば、標識に用いられた酵素がHR
Pの場合には、o−フェニレンジアミンと過酸化水素水
とを含む酵素基質溶液を使用し、酸化された基質の発色
の程度を吸光度測定することにより2−アミノ−2−
(アリールアルキル)プロパン−1,3−ジオール基含
有化合物の定量が行われる。本法により、2−アミノ−
2−(2−フェニルエチル)プロパン−1,3−ジオー
ル基含有化合物の微量濃度(10-1〜102 ng/m
l)を高感度かつ簡便に定量的および定性的に測定する
ことができる。なお、本発明においては、検出限界を、
ラットブランク血清8例についての測定値の標準偏差の
2倍以上の特異シグナルを与える標準血清中のFTY7
20濃度として定義する。また、検量線が直線性を示す
上限を定量可能上限とする。
おいては、上記抗2−アミノ−2−(アリールアルキ
ル)プロパン−1,3−ジオール基抗体、好ましくはモ
ノクローナル抗体に、生体試料と、標識、好ましくは酵
素標識された2−アミノ−2−(アリールアルキル)プ
ロパン−1,3−ジオール基含有化合物とを競合的に反
応させ、該反応液を、該抗体に対して親和性を有する固
相化された二次抗体とさらに反応させた後、固相と液相
とを分離し、その一方に存在する標識量を測定すること
により、生体試料中の2−アミノ−2−(アリールアル
キル)プロパン−1,3−ジオール基含有化合物を測定
する(本法を以下、間接法1という)。二次抗体として
は、抗2−アミノ−2−(アリールアルキル)プロパン
−1,3−ジオール基抗体もしくは該抗体と同一の抗原
決定基を有する抗体を抗原として用いて常法により調製
される抗体でも、あるいは市販されている抗体でもよい
が、一次抗体と検出すべき物質との抗原抗体反応を妨げ
ず、且つ一次抗体を特異的に認識するものであればポリ
クローナル抗体、モノクローナル抗体にかかわらず使用
できる。例えば、ウサギ由来IgGクラス抗体を一次抗
体として使用する場合は、二次抗体としてヤギ抗ウサギ
IgGが、また、マウス由来IgGクラス抗体を一次抗
体として使用する場合は、二次抗体としてウサギ抗マウ
スIgGが好ましく使用できる。用いられる固相や標識
酵素および該酵素の検出方法は、上記の測定法の場合と
同様である。本法により、2−アミノ−2−(アリール
アルキル)プロパン−1,3−ジオール基含有化合物の
微量濃度(101 〜103 ng/ml)を高感度且つ簡
便に定量的および定性的に測定することができる。
と、標識、好ましくは酵素標識された上記抗2−アミノ
−2−(アリールアルキル)プロパン−1,3−ジオー
ル基抗体、好ましくはモノクローナル抗体とを反応さ
せ、該反応液を、固相化された2−アミノ−2−(アリ
ールアルキル)プロパン−1,3−ジオール基含有化合
物とさらに反応させた後、固相と液相とを分離し、その
一方に存在する標識量を測定することにより、生体試料
中の2−アミノ−2−(アリールアルキル)プロパン−
1,3−ジオール基含有化合物を測定する(本法を以
下、直接法2という)。FTY720やAMPD物質の
ような低分子化合物は、単独で固相に吸着させることが
困難であるが、適当なキャリアー(例えばアルブミン等
のタンパク質や多糖体など)と結合させることにより、
常法を用いて固相に吸着させることが可能となる。な
お、用いられる固相や標識酵素および該酵素の検出方法
は、上記の測定法の場合と同様である。本法により、2
−アミノ−2−(アリールアルキル)プロパン−1,3
−ジオール基含有化合物の微量濃度(101 〜104 p
g/ml)を高感度且つ簡便に定量的および定性的に測
定することができる。
試料と、抗2−アミノ−2−(アリールアルキル)プロ
パン−1,3−ジオール基抗体、好ましくはモノクロー
ナル抗体とを反応させ、該反応液を、固相化された2−
アミノ−2−(アリールアルキル)プロパン−1,3−
ジオール基含有化合物とさらに反応させた後、固相と液
相とを分離し、該固相に該抗体に対して親和性を有する
標識(好ましくは酵素標識)された二次抗体を反応さ
せ、液相を除去した後、該固相中の標識量を測定するこ
とにより、生体試料中の2−アミノ−2−(アリールア
ルキル)プロパン−1,3−ジオール基含有化合物を測
定する(本法を以下、間接法2という)。2−アミノ−
2−(アリールアルキル)プロパン−1,3−ジオール
基含有化合物の固相化方法、用いられる固相、二次抗
体、並びに標識酵素および該酵素の検出方法は、上記の
測定法の場合と同様である。
行うための2−アミノ−2−(アリールアルキル)プロ
パン−1,3−ジオール基含有化合物測定用キットを提
供する。例えば、上記直接法1を実施する場合には、該
キットは、少なくとも、抗2−アミノ−2−(アリール
アルキル)プロパン−1,3−ジオール基抗体、好まし
くはモノクローナル抗体、および標識、好ましくは酵素
標識された2−アミノ−2−(アリールアルキル)プロ
パン−1,3−ジオール基含有化合物を含む。また、間
接法1にて測定する場合には、該キットはさらに上記抗
体に対して親和性を有する二次抗体を含む。
トは、標識、好ましくは酵素標識された抗2−アミノ−
2−(アリールアルキル)プロパン−1,3−ジオール
基抗体、好ましくはモノクローナル抗体、および固相化
可能な2−アミノ−2−(アリールアルキル)プロパン
−1,3−ジオール基含有化合物を含む。固相化可能な
2−アミノ−2−(アリールアルキル)プロパン−1,
3−ジオール基含有化合物としては、例えば、アルブミ
ン等の適当なキャリアーに結合されたFTY720また
はAMPD物質などが挙げられる。
のキットは、抗2−アミノ−2−(アリールアルキル)
プロパン−1,3−ジオール基抗体、好ましくはモノク
ローナル抗体、該抗体に対して親和性を有する標識(好
ましくは酵素標識)された二次抗体、および固相化可能
な2−アミノ−2−(アリールアルキル)プロパン−
1,3−ジオール基含有化合物を含む。
−(アリールアルキル)プロパン−1,3−ジオール基
含有化合物を定量的に測定する場合に必要な既知量の同
化合物を標準試料として含むことが望ましい。さらに、
該キットは、本発明の高感度免疫測定法を実施する際に
使用される周知の試薬類(例えば、反応緩衝液、ブロッ
キング液、洗浄液、標識検出試薬等)および器具類(例
えば、反応容器等)を含んでいてもよい。
明するが、これらは単なる例示であって本発明を何ら限
定するものではない。
に示す) (1) 4−フェニル酪酸 [1](19.0g,1.16×1
0-1mol)の無水エタノール(300ml)溶液にp
−トルエンスルホン酸(1.10g,5.79×10-3
mol)を加えて2時間還流した。反応液を減圧乾固
し、氷水(50ml)を加えて酢酸エチル(200m
l)で抽出した。該抽出液を飽和炭酸水素ナトリウム水
(20ml)、飽和食塩水(5ml×2回)で順次洗浄
し乾燥した後、溶媒を留去して淡黄色油状物質 [2](2
1.6g,97%)を得た。 (2) 油状物質 [2](20.0g,1.04×10-1mo
l)の無水クロロホルム(250ml)溶液にブロモア
セチルクロリド(10.4ml,1.26×10 -1mo
l)を加え、−10℃で塩化アルミニウム(30.6
g,2.29×10 -1mol)を少量ずつ添加し、15
分間攪拌後、室温でさらに1.5時間攪拌した。該反応
液を氷中(200ml)にゆっくりと注加し、クロロホ
ルム(100ml)を加えて室温で15分間攪拌した。
クロロホルム層を分取し、飽和炭酸水素ナトリウム水
(200ml)、飽和食塩水(50ml)で順次洗浄
し、乾燥した。溶媒を留去して得られた残渣をシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィーに付し、ヘキサン−酢酸エ
チル(9:1)溶出部より無色油状物質 [3](28.8
g,88%)を得た。 (3) 氷冷下、油状物質 [3](7.9g,2.5×10-2
mol)のトリフルオロ酢酸(25ml)溶液に、トリ
エチルシラン(8.9ml,5.6×10-2mol)を
加えて15分間攪拌後、室温でさらに4時間攪拌した。
該反応液を氷水中(150ml)に注加し、酢酸エチル
(200ml)および炭酸水素ナトリウム粉末(27
g)を加えた。酢酸エチル層を分取し、飽和炭酸水素ナ
トリウム水(20ml)、飽和食塩水(15ml×2
回)で順次洗浄し、乾燥した。溶媒を留去して得られた
残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、ヘ
キサン−酢酸エチル(40:1)溶出部より無色油状物
質 [4](5.1g,68%)を得た。 (4) 油状物質 [4](4.8g,1.6×10-2mol)
の2−ブタノン(100ml)溶液にヨウ化ナトリウム
(7.9g,5.3×10-2mol)を加えて4時間還
流した。反応液を減圧乾固し、氷水(20ml)を加え
て酢酸エチル(50ml)で抽出した。該抽出液を飽和
亜硫酸ナトリウム水(80mlおよび20ml)、飽和
食塩水(20ml×2回)で順次洗浄し乾燥した後、溶
媒を留去して淡黄色油状物質 [5](5.4g,97%)
を得た。 (5) アルゴン気流下、ジエチルアセトアミドマロネート
(15g,6.9×10 -2mol)の無水DMF(46
ml)溶液に、60%水素化ナトリウム(2.0g,
5.0×10-2mol)を加えて90℃で油浴加熱し
た。該溶液に無水テトラヒドロフラン(60ml)を加
え、次いで、油状物質 [5](8.0g,2.3×10-2
mol)の無水テトラヒドロフラン(6ml)溶液を加
えて2時間還流した。該反応液を減圧乾固し、氷水(5
0ml)を加えてジエチルエーテル(150ml)で抽
出した。該抽出液を飽和食塩水(20ml×2回)で洗
浄し、乾燥した。溶媒を留去して得られた残渣をシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィーに付し、ヘキサン−酢酸
エチル(3:1)溶出部より無色油状物質 [6](8.6
g,85%)を得た。 (6) 氷冷下、 [6](1.9g,4.4×10-3mol)
のエタノール(7ml)溶液に水素化ホウ素ナトリウム
(0.80g,2.1×10-2mol)を加え、室温で
7時間攪拌した。該反応液に氷水(10ml)および酢
酸エチル(50ml)を加え、1N塩酸でpH3とした
後、酢酸エチル層を分取し、飽和食塩水(10ml)で
洗浄し、乾燥した。溶媒を留去して得られた残渣に、
2,2−ジメトキシプロパン(9.0ml,7.3×1
0-2mol)およびp−トルエンスルホン酸(82m
g,4.3×10-4mol)を加え、室温で18時間攪
拌した。反応液を減圧乾固し、氷水(10ml)を加え
て酢酸エチル(30ml)で抽出した。該抽出液を飽和
食塩水(5ml)で洗浄し、乾燥した。溶媒を留去して
得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに
付し、ヘキサン−酢酸エチル(2:1→1:1)溶出部
より無色結晶 [7](0.84g,49%)を得、ヘキサ
ン−酢酸エチル(1:2)溶出部より無色結晶 [8]
(0.23g,15%)を得た。 (7) 氷冷下、 [7](1.3g,3.3×10-3mol)
の無水ジエチルエーテル(80ml)溶液に水素化リチ
ウムアルミニウム(0.38g,1.0×10-2mo
l)を加え、室温で2時間攪拌した。氷冷下、反応液に
飽和酒石酸ナトリウムカリウム水(ロッセル塩)を加
え、上澄液を分取した。溶媒を留去して、得られた残渣
をベンゼンにより再結晶化させ、無色針状結晶 [8]
(0.78g,67%)を得た。 (8) 氷冷下、 [8](0.45g,1.3×10-3mo
l)の無水ジクロロメタン(5.0ml)−トリエチル
アミン(0.36ml,2.6×10-3mol)溶液に
p−トルエンスルホニルクロリド(0.30g,1.6
×10-3mol)を加え、室温で13時間攪拌した。反
応液を減圧乾固し、氷水(5ml)を加えて、酢酸エチ
ル(20ml)で抽出した。該抽出液を飽和食塩水(1
ml)で洗浄し、乾燥した後、溶媒を留去して得られた
残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、ヘ
キサン−酢酸エチル(1:3)溶出部より無色結晶 [9]
(0.49g,75%)を得た。 (9) アルゴン気流下、 [9](0.45g,8.9×10
-4mol)の無水エタノール(10ml)溶液に90%
チオ酢酸カリウム(0.13g,1.0×10-3mo
l)を加え、1時間還流した。反応液を減圧濃縮後、氷
水(5ml)を加えて酢酸エチル(20ml)で抽出し
た。該抽出液を飽和食塩水(1ml)で洗浄し、乾燥し
た後、溶媒を留去して得られた残渣をシリカゲルカラム
クロマトグラフィーに付し、ヘキサン−酢酸エチル
(1:1)溶出部より無色結晶[10](0.29g,80
%)を得た。 (10)アルゴン気流下、[10](0.077g,1.9×1
0-4mol)のエタノール(2.0ml)溶液に10%
塩酸(1.5ml)を加えて8時間還流した。反応液を
減圧留去して白色粉末(0.060g,100%)を得
た。ジエチルエーテル−メタノールより再結晶し、無色
板状結晶[12]を得た。 無色板状結晶[12]: 融点:105〜113℃(分解); IR νmax (CHCl3 )cm-1:3550-3150, 3150-
2400;1 H−NMR(400MHz,DMSO−d6 )δ:1.5
3 (2H, m), 1.62 (2H, m), 1.76 (2H, m), 2.23. (1H,
t, J=8.0Hz),2.46-2.55 (4H, m), 2.59 (2H, m), 3.52
(each 2H, d, J=5.0Hz),5.36 (2H, t, J=5.0Hz), 7.11
(4H, br s), 7.82 (3H, br s); FAB−MS(−)m/z:318,320(M−1)
+ ; 元素分析(計算値)C15H26NO2 SCl;C:56.32,H:8.19, N:4.38 (実験値)C:56.37,H:8.09, N:4.49 (11)アルゴン気流下、[10](0.047g,1.2×1
0-4mol)のメタノール(1.0ml)溶液に5N水
酸化ナトリウム(0.025ml)を加えて室温で0.
5時間攪拌した。氷冷下、該反応液に1N塩酸を加えて
pH3とした後、析出した沈殿を濾取し、無色板状結晶
[11](0.023g,55%)を得た。 (12)アルゴン気流下、[11](5.7mg,1.6×10
-5mol)のエタノール(1.0ml)溶液に10%塩
酸(0.60ml)を加えて0.5時間還流した。反応
液を減圧留去して白色粉末(4.9mg,98%)を得
た。該物質の 1H−NMRデータは上記の工程(10)で得
られた無色板状結晶[12]のそれと完全に一致した。
合成することができる。アルゴン気流下、ジエチルアセ
トアミドマロネート(4.8g,2.2×10 -2mo
l)の無水DMF(10ml)溶液に、60%水素化ナ
トリウム(0.74g,1.9×10-2mol)を加え
て90℃で油浴加熱した。該溶液に無水テトラヒドロフ
ラン(10ml)を加え、次いで、油状物質[4]
(2.2g,7.4×10-3mol)の無水テトラヒド
ロフラン(5ml)溶液を加えて4.5時間還流した。
該反応液を減圧乾固し、氷水(20ml)を加えてジエ
チルエーテル(80ml)で抽出した。該抽出液は飽和
食塩水(5ml×2回)で洗浄し、乾燥した。溶媒を留
去して得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィーに付し、ヘキサン−酢酸エチル(2:1)溶出部よ
り無色油状物質[6](2.6g,81%)を得た。
VA)複合体の調製 (1)マレイミド化卵白アルブミンの調製 10mg/ml卵白アルブミン(OVA)を含む0.1
Mリン酸緩衝液(pH7.0)0.6mlに80mM
N−(6−マレイミドカプロイルオキシ)サクシンイミ
ド/N,N−ジメチルホルムアミド0.06mlを加
え、30℃で30分間保温した後、緩衝液D(5mM
EDTAを含む0.1Mリン酸ナトリウム緩衝液,pH
6.0)で平衡化したセファデックスG−50(商品
名)カラム(1×5cm)を用いて、遠心(100×
g,2分間)によりゲル濾過を行い、マレイミド化OV
Aを得た。OVAの280nmにおける吸光係数E28
0=0.74g-1Lcm-1から算出したマレイミド化O
VA濃度は1.38×10-4Mであった。導入されたマ
レイミド基数はOVA1分子あたり平均8.4分子であ
った。 (2)AMPD−OVA複合体の調製 実施例1で得られたAMPD1.2mgを緩衝液D3m
lに溶解後、ミリポアフィルターで濾過した。4,4−
ジチオジピリジンの還元を指標としてチオール基を定量
し、該チオール基濃度(0.45mM)をAMPD濃度
とした。このAMPD溶液1.48ml(667nmo
l)を、上記(1)で得られたマレイミド化OVA溶液
0.484ml(66.7nmol)に加え、4℃で2
0時間保温した後、緩衝液Dに溶解した0.1M 2−
メルカプトエチルアミン塩酸塩18.64μlを加え、
30℃で15分間保温した。次いで、緩衝液A(0.1
mM NaClを含む10mMリン酸ナトリウム緩衝
液,pH7.0)で平衡化したセファデックスG−25
カラム(1×30cm)を用いて、ゲル濾過を行い、A
MPD−OVA複合体を得た。マレイミド基の減少から
算出された結合AMPD分子数は、OVA1分子あたり
平均6.8分子であった。卵白アルブミンの280nm
における吸光度から算出されたAMPD−OVA複合体
濃度は0.414mg/mlであった。
の調製 (1)抗血清の取得 完全フロイントアジュバント(FCA)1.2mlを5
mlのガラス注射筒に注入した後、実施例3で得られた
AMPD−OVA複合体1.2mlを該注射筒に注入し
て乳化させた。これをテルモシリンジ注射針付ツベルク
リン用注射筒(SS−01T2613S)に0.5ml
ずつ分注した。雌性ウサギ(日本白色種、体重2.7〜
2.8kg)3羽に、上記のように調製した乳化したA
MPD−OVA複合体をそれぞれ100μg皮内投与し
た。3週間間隔で、乳化したAMPD−OVA複合体1
00μgを2回皮内投与して追加免疫を行った。最終免
疫の1週間後にネンブタール麻酔下、頚動脈より全血を
採取した。得られた血液を室温で2.5時間保温後、2
000×g(4000rpm)で10分間遠心して抗血
清を得た。 (2)IgG画分、F(ab’)2 およびFab’の調
製 室温で攪拌しながら、上記(1)で得られた各血清10
mlにそれぞれ硫酸ナトリウム(1.8g)を少量ずつ
添加し、溶解後さらに30分間攪拌した後、室温、55
00×g(7000rpm)で15分間遠心分離した。
沈殿を17.5mMリン酸緩衝液(pH6.3)5ml
に溶解させ、同緩衝液1Lに対して4℃で5時間透析し
た後、透析外液を交換してさらに一夜透析した。上清を
17.5mMリン酸緩衝液(pH6.3)で平衡化した
DE52−セルロースカラム(1.5×7cm)のクロ
マトグラフィーに付し、IgG画分(ウサギ1IgG,
ウサギ2IgGおよびウサギ3IgG)を得た。各ウサ
ギの最終体重、血清量、IgG濃度を表1に示す。得ら
れた3種の抗AMPDウサギIgG5mgを0.1M
塩化ナトリウムを含む0.1M 酢酸ナトリウム(pH
4.5)300mlで一夜透析した後、280nmにお
ける吸光度を測定してIgG濃度を算出した。透析内液
にIgGの1/50量の1mg/mlペプシン溶液を加
え、37℃で15時間保温した後、緩衝液Dで平衡化し
たUltrogel AcA44(商品名)カラム(1.5×45c
m)によるゲル濾過を行い、F(ab’)2 を得た。各
ウサギ由来のF(ab’)2 濃度を表1に示す。各F
(ab’)2 溶液をCentricon-30(商品名)を用いて4
℃、4000×(6000rpm)で10分間遠心し、
濃縮した。該濃縮液0.60mlに緩衝液Dに溶解した
2−メルカプトエチルアミン塩酸塩66.7μlを加
え、37℃で1.5時間保温した後、緩衝液Dで平衡化
したセファデックスG−50カラム(1×5cm)を用
いて遠心(100×g,2分間)によるゲル濾過を行
い、Fab’を得た。各ウサギ由来のFab’濃度、F
ab’のチオール基濃度およびFab’1分子あたりの
チオール基数を表1に示す。
識するハプテン基の解析を、競合法によるEIAを用い
て行った。すなわち、該IgGを固相化した後、FTY
720またはその類似体とHRP標識AMPDとを競合
的に反応させ、o−フェニレンジアミンを水素供与体と
して固相に結合したHRP活性を測定し、各化合物につ
いて比較した。その結果を表2に示す(各化合物に対す
る交叉反応性は、FTY720の固相への結合度を10
0としたときの各化合物の相対結合度として示してい
る)。なお、EIAの詳細については後記実施例7にて
説明する)。
変換した化合物[13]、ジオール部をすべてアセチル化し
た化合物[14]およびアミノ基をアセチル化およびジメチ
ル化した化合物[15]および[16]に対しては、該抗体(F
ab’)はほとんどあるいは全く交叉反応性を示さなか
った(表2.A)。また、ベンゼン環を有しない化合物
[17]〜[19]に対しても該抗体はほとんどあるいは全く交
叉反応性を示さなかった(表2.B)。さらに、該抗体
は2−アミノ−プロパン−1,3−ジオール部とベンゼ
ン環の間の炭素数も認識し、2−アミノ−2−(2−フ
ェニルエチル)プロパン1,3−ジオール基に対して特
に高い親和性を示すことが明らかとなった(表2.
C)。
の調製 (1)脾細胞およびミエローマ細胞の調製 実施例4で調製した乳化AMPD−OVA複合体100
μgを雌性BALB/cマウス(8週齢)に腹腔内注射
する。初回免疫から2週間毎に、等量の不完全フロイン
トアジュバント(FIA)で乳化したAMPD−OVA
100μgを2回腹腔内注射して追加免疫を行う。2週
間後、10倍量のFIA乳化AMPD−OVA複合体
(1mg)を皮内投与し、さらに最終免疫としてFIA
乳化AMPD−OVA複合体200μgを尾静脈より静
注し、その3日後にマウスを安楽死させて開腹し、脾臓
を摘出する。脾臓をピンセットでほぐして脾細胞を無血
清のダルベッコ氏改変イーグルズ最少必須培地(D−M
EM:GIBCO社製)に懸濁する。脾細胞浮遊液中の
赤血球を、0.83%塩化アンモニウム溶液(9容量)
と0.17M トリス塩酸緩衝液(pH7.65,1容
量)との混液で5分間処理して破壊し、遠心分離により
除去する。ミエローマ細胞として市販のマウスミエロー
マ細胞P3×63AgBU・1(大日本製薬)を一旦増
殖させた後液体窒素中で凍結保存し、これを融解後さら
に増殖させて細胞融合に供する。該細胞の培養には10
%ウシ胎仔血清(FBS)含有D−MEMを用いる。上
記のように調製した脾細胞およびミエローマ細胞浮遊液
は、D−MEMで数回洗浄した後細胞融合に供する。 (2)細胞融合およびハイブリドーマの選択 ミエローマ細胞(4×107 個)浮遊液に脾細胞(2×
108 個)浮遊液を加え、該混液を50mlプラスチッ
ク管(コーニング・グラス・ワークス社製50mlコー
ニング遠心管)中でよく混合する。培地を遠心分離によ
り除去し、細胞を水浴中で37℃に加温する。この細胞
に、45%ポリエチレングリコール(平均分子量4,0
00;メルク社製)溶液1mlを振り混ぜながら1分間
かけて徐々に加え、混合物を室温で5分間放置する。反
応混合物に5分間かけてD−MEM15mlを滴加して
細胞融合反応を停止させ、大量のD−MEMを加えた後
混合物を遠心分離して上清を除去する。残渣に15%F
BS(センタウラス社製、Lot757)、2mMグル
タミン、2×10-5M 2−メルカプトエタノール、1
00μg/ml硫酸ストレプトマイシン、100U/m
lペニシリンG、80μg/ml硫酸ゲンタマイシンお
よびファンギゾン(アンホテリシンB;GIBCO社
製)を補ったD−MEMよりなる完全培地(以下、CM
という)を加える。混合物を少し混ぜた後、生じた融合
細胞浮遊液を、24ウェルのプレート(ヌンク社製)1
0枚に、脾細胞が1ウェルあたり1×l06 個となるよ
うに1ウェルに1mlずつ分注し、5%炭酸ガス気中、
37℃で1日培養した後、アミノプテリン(4×10-7
M)、チミジン(1.6×10-5M)およびヒポキサン
チン(1×10-4M)を含有するCM(HAT培地)1
mlを各ウェルに添加する。1日後、各ウェルから半量
の培地を吸引除去し、新鮮なHAT培地を添加する。そ
の後2日または3日毎に同様の培地交換を続ける。 (3)抗AMPD抗体産生ハイブリドーマのスクリーニ
ングおよびクローニング 上記選択培地での培養により生育したハイブリドーマコ
ロニーについてELISA法にて所望の抗体産生の有無
を調べる。すなわち、実施例3において、OVAの代わ
りにウシ血清アルブミン(BSA)をキャリアータンパ
ク質として用い、同様にして調製されたAMPD−BS
A複合体(20μg/ml緩衝液A)を96ウェルのプ
レートに10μlずつ添加して37℃で2時間静置し、
固相に吸着させる。該プレートの各ウェルに各ハイブリ
ドーマコロニーの培養上清を30μlずつ添加して37
℃で2時間静置する。反応液を吸引除去し、1%BSA
含有PBSで洗浄後、HRP標識抗マウスIgA+Ig
G+IgM(H+L鎖)抗体(カッペル社製)の200
0倍希釈液を加え、37℃で1時間放置する。反応液を
吸引除去し、1%BSA含有PBSで洗浄後、常法の発
色反応によりHRP活性を測定して陽性細胞群を得る。
AMPD物質およびFTY720に対して特異的である
かどうかは、上記のAMPD−BSAをコーティングし
たプレートにAMPDまたはFTY720溶液(1%B
SA含有PBS1ml中100μg)を各ウェル10μ
lずつ添加し、さらに上記陽性細胞の培養上清30μl
を加えて上記と同様の反応を行い、固相に結合したHR
P活性の減少を指標にして判定する。AMPDおよびF
TY720の両方と反応する抗体は、両化合物に共通す
る2−アミノ−2−(2−フェニルエチル)プロパン−
1,3−ジオール基のある部位をハプテン基として認識
することが示唆される。該抗体を産生するハイブリドー
マのうち特に抗体価の高いウェルの細胞について、BA
LB/cマウスの胸膜細胞をフィーダー層(5×106
細胞/ml)として用いた96ウェル平底マイクロプレ
ート(ヌンク社製)を用いて限界希釈法によりクローニ
ング操作を行い、AMPDおよびFTY720と特異的
に反応するモノクローナル抗体を産生するハイブリドー
マクローンを得る。 (4)抗体クラスの特定 上記(3)で得られるハイブリドーマクローンが産生す
る抗体クラスを、Mouse monoAb ID/SP Kit(Zymed
社製)を用いて以下のように調べる。各クローンをそれ
ぞれ10%FBS含有CM中で、5%炭酸ガス気中、3
7℃の条件で培養する。得られた培養上清を6群に分
け、それぞれにIgG1 ,IgG2a,IgG2b,IgG
3 ,IgAまたはIgMに対する抗体のいずれか1つを
添加して492nmでの吸光度を測定し、標準ウサギ血
清の吸光度に対する各群の吸光度の比が5以上のものを
陽性と判定する(ネガティブコントロールとして、マウ
スミエローマP3×63AgBU・1を用いる)。 (5)抗体の単離精製 2,6,10,14−テトラメチルペンタデカンを投与
して免疫抑制状態にした雌性BALB/cマウスの腹腔
内にハイブリドーマを1マウスあたり1×10 7 個移植
し、10〜14日後に腹水を採取する。該腹水を50%
飽和硫安で分画した後、10mMリン酸緩衝液(pH
8.0)に対して透析し、10mMリン酸緩衝液(pH
8.0)で平衡化したDEAEセルロースカラムクロマ
トグラフィーに付し、10mMリン酸緩衝液(pH8.
0)中、NaClの連続濃度勾配法で溶出させ、モノク
ローナル抗体のイムノグロブリンクラス画分を回収す
る。
ノアッセイ(直接法1) (1)HRP標識AMPDの調製 10mg/ml HRPを含む0.1Mリン酸緩衝液
(pH7.0)1.78mlに30mM N−(6−マ
レイミドカプロイルオキシ)サクシンイミド/N,N−
ジメチルホルムアミド0.178mlを加え、30℃で
1時間保温した後、緩衝液Dで平衡化したセファデック
スG−25カラム(1×30cm)によるゲル濾過を行
い、マレイミド化HRPを得た。HRPの403nmに
おける吸光係数E403=2.275g-1Lcm-1から
算出されたマレイミド化HRP濃度は134μMであっ
た。導入されたマレイミド基数は、HRP1分子あたり
平均0.93分子であった。このマレイミド化HRP
0.566ml(200nmol)に、3.51mM
AMPD水溶液0.147ml(516nmol)を加
え、室温で1時間保温した後、反応液0.553mlに
緩衝液D0.394mlを混和し、該混液0.6mlを
緩衝液Dで平衡化したセファデックスG−50カラム
(1×5cm)を用いた遠心(100×g,2分間)に
よるゲル濾過に付して過剰量のAMPDを除去した。次
いで、濾液0.784mlに緩衝液Dに溶解した0.1
M 2−メルカプトエチルアミン塩酸塩7.84μlを
加え、室温で15分間保温した後、緩衝液A500ml
に対して2日間透析し、HRP標識AMPDを得た
(1.61mg/ml)。マレイミド基の減少から算出
した結合AMPD分子数はHRP1分子あたり平均1.
0分子であった。 (2)固相化ウサギ抗AMPDIgGポリクローナル抗
体の調製 実施例4の(2)で調製したウサギ2由来抗AMPDI
gGのPBS溶液をELISA用プレートS(MS−3
496F;住友ベークライト社製)に分注し、4℃で一
夜静置して固相化した。溶液を吸引除去した後プレート
をPBSで3回洗浄した。 (3)抗原抗体反応 上記のプレートに1%BSA含有PBSを満たして37
℃で30分間放置してブロッキングを行った後、該溶液
を除去した。該プレートの各ウェルに、1%BSA含有
PBSで系列希釈した標準FTY720溶液および上記
(1)で調製したHRP標識AMPDを1%BSA含有
PBSで2×105 倍希釈した液を各100μlずつ添
加して、プレートミキサーで10秒間攪拌した後4℃で
一夜放置した。 (4)HRP活性測定 反応液を吸引除去し、0.05% Tween20(商
品名)含有PBSで各ウェルを2回洗浄した後、酵素基
質溶液[o−フェニレンジアミンと30%過酸化水素水
をMcllvaine 緩衝液(0.1Mリン酸水素二ナトリウ
ム,0.1Mクエン酸,pH5.4)に溶解したもの]
を分注し、30分間室温で反応させた(酵素基質溶液は
使用直前に調製した)。4N硫酸50μlを添加して反
応を停止させ、酵素基質溶液を対照として、マルチスキ
ャン(商品名:タイターテック社製)により492nm
における反応液の吸光度を測定した。得られた吸光度の
数値をFTY720濃度に対してプロットした結果、検
量線が直線性を示した上限(定量可能上限)は45ng
/mlであった。また、ラットブランク血清8例を本測
定法で測定した時の標準偏差の2倍以上の特異シグナル
を与える標準血清中のFTY720濃度(検出限界)は
0.45ng/mlであった。
イムノアッセイ(間接法1) 17.2mg/mlヤギ(抗ウサギIgG)IgG抗体
(29.07μl)に0.1%アジ化ナトリウムを含む
0.1Mリン酸緩衝液(pH7.5)5mlを加え、
0.1mg/mlとした。該溶液にポリスチレンビーズ
(約300個)を入れ、4℃で一夜保温した。保温後、
IgG溶液を吸引により除去し、緩衝液C(0.1%B
SA,1mM塩化マグネシウム,0.1%アジ化ナトリ
ウムを含む緩衝液A)にて10回洗浄後、緩衝液C中で
4℃にて一夜保温した。0.2%ウサギ2由来抗AMP
DIgGのBSA含有PBS溶液と標準FTY720溶
液(0,1,10ng/ml)を、試験管に50μlず
つ加え、4℃で4時間保温した後、実施例7の(1)で
調製したHRP標識AMPD50μlを加えて4℃で一
夜保温した。この溶液に、上記のように調製したヤギ
(抗ウサギIgG)IgG不溶化ポリスチレンビーズ
(3個)を加え、20℃で3時間保温した後、溶液を除
去し、ビーズを緩衝液Aで洗浄した。該ビーズ(3個)
に結合したHRP活性を実施例7の(4)と同様に測定
した。その結果、本アッセイ系の定量可能範囲は10〜
1000ng/mlであった。
イムノアッセイ(直接法2) (1)HRP標識抗AMPDIgGポリクローナル抗体
Fab’の調製 実施例7の(1)と同様にしてマレイミド化HRPを調
製した。HRPの403nmにおける吸光係数E403
=2.275g-1Lcm-1から算出されたマレイミド化
HRP濃度は82.5μMであった。導入されたマレイ
ミド基数は、HRP1分子あたり平均1.85分子であ
った。実施例4の(2)で調製した各ウサギ抗AMPD
IgGポリクローナル抗体のFab’(ウサギ1=0.
55ml,ウサギ2=0.54ml,ウサギ3=0.5
6ml)に、上記のマレイミド化HRP(ウサギ1=
0.417ml,ウサギ2=0.398ml,ウサギ3
=0.472ml)を加えて攪拌した後、Centricon-30
(商品名)を用いて4℃、4000×g(6000rp
m)で10分間遠心して濃縮した。濃縮液を4℃で一夜
保温した後、0.1Mリン酸緩衝液(pH7.0)で平
衡化したUltrogel AcA44(商品名)カラム(1.5×4
5cm)によるゲル濾過を行い、HRP標識Fab’画
分を得た。 (2)AMPD−BSA複合体の調製 10mg/ml BSAを含む0.1Mリン酸ナトリウ
ム緩衝液(pH7.0)0.6mlに30mM N−
(6−マレイミドカプロイルオキシ)サクシンイミド/
N,N−ジメチルホルムアミド0.06mlを加え、3
0℃で30分間保温した後、緩衝液Dで平衡化したセフ
ァデックスG−50カラム(1×5cm)を用いて、遠
心(100×g,2分間)によりゲル濾過を行い、マレ
イミド化BSAを得た。BSAの280nmにおける吸
光係数E280=0.63g-1Lcm-1から算出したマ
レイミド化BSA濃度は1.01×10-4Mであった。
導入されたマレイミド基数はBSA1分子あたり平均1
0.1分子であった。一方、実施例1で得られたAMP
D1.2mgを緩衝液D3mlに溶解後、ミリポアフィ
ルターで濾過して0.45mM AMPD溶液を調製し
た。このAMPD溶液1.01ml(455nmol)
を、マレイミド化BSA溶液0.450ml(45.3
nmol)に加え、4℃で20時間保温した後、緩衝液
Dに溶解した0.1M 2−メルカプトエチルアミン塩
酸塩14.60μlを加え、30℃で15分間保温し
た。次いで、緩衝液Aで平衡化したセファデックスG−
25カラム(1×30cm)を用いてゲル濾過を行い、
AMPD−BSA複合体を得た。マレイミド基の減少か
ら算出された結合AMPD分子数は、BSA1分子あた
り平均9.6分子であった。AMPD−BSA複合体濃
度は0.579mg/mlであった。 (3)抗原抗体反応およびHRP活性測定 上記(2)で得られたAMPD−BSA複合体[10μ
g/ml緩衝液E(0.1%アジ化ナトリウムを含む
0.1Mリン酸ナトリウム緩衝液,pH7.5)]を1
0μg/mlBSA含有緩衝液Eで300倍希釈した液
0.15mlをELISA用プレートの各ウェルに加え
て4℃で一夜保温した。該溶液を除き緩衝液A0.2m
lで4回洗浄した後、緩衝液B(0.1%BSA含有緩
衝液A)0.2mlを加えて室温で2時間保温した。こ
れとは別に、緩衝液Bで系列希釈した標準FTY720
溶液75μlと上記(1)で得られたHRP標識Fa
b’(5μg/ml緩衝液Eを緩衝液Bで1nMに希
釈)75μlを試験管に加えて4℃で一夜保温した後、
該反応混液を上記のプレートに加え、4℃で6時間保温
した。反応混液を除去し、緩衝液A0.25mlで4回
洗浄した後、固相中のHRP活性を実施例7の(4)と
同様にして測定した。その結果、本アッセイ系の定量可
能範囲は60〜10000pg/mlであった。
ば、簡便且つ高感度に生体試料中のFTY720物質を
検出することができるので、FTY720物質を投与さ
れた臓器移植患者や自己免疫疾患患者における同物質の
体内動態を容易にモニタリングでき、移植における拒絶
反応の持続的抑制および自己免疫疾患の治療にきわめて
有用である。
Claims (30)
- 【請求項1】 一般式 【化1】 (式中、k,mおよびnはそれぞれ独立して1〜20の
整数であり、Xは直接結合,−CONH−,−O−また
は−NH−を表す)により表されるチオール化合物また
はその保護体あるいはそれらの塩。 - 【請求項2】 式中、kが1〜3の整数、mおよびnが
それぞれ独立して1〜8の整数であり、Xが直接結合を
表す請求項1記載の化合物またはその塩。 - 【請求項3】 式中、kが1〜3の整数、mおよびnが
それぞれ独立して1〜4の整数であり、Xが直接結合を
表す請求項1記載の化合物またはその塩。 - 【請求項4】 式中、kが1、mおよびnがそれぞれ独
立して1〜4の整数であり、Xが直接結合を表す請求項
1記載の化合物またはその塩。 - 【請求項5】 2−アミノ−2−(アリールアルキル)
プロパン−1,3−ジオール基含有化合物および免疫学
上許容される担体を含む免疫原性を有する複合体。 - 【請求項6】 2−アミノ−2−(アリールアルキル)
プロパン−1,3−ジオール基のアルキル基が2〜4個
の炭素原子を有し、および/またはアリール基がフェニ
ルおよび炭素数2〜8個の直鎖状または分枝鎖状のアル
キルによって置換されたフェニルからなる群より選択さ
れるものである請求項5記載の免疫原性を有する複合
体。 - 【請求項7】 2−アミノ−2−(アリールアルキル)
プロパン−1,3−ジオール基が2−アミノ−2−(2
−フェニルエチル)プロパン−1,3−ジオール基また
は2−アミノ−2−(2−(炭素数2〜8個の直鎖状ま
たは分枝鎖状のアルキル置換フェニル)エチル)プロパ
ン−1,3−ジオール基である請求項5記載の免疫原性
を有する複合体。 - 【請求項8】 2−アミノ−2−(アリールアルキル)
プロパン−1,3−ジオール基に対して親和性を有する
抗体。 - 【請求項9】 2−アミノ−2−(アリールアルキル)
プロパン−1,3−ジオール基のアルキル基が2〜4個
の炭素原子を有し、および/またはアリール基がフェニ
ルおよび炭素数2〜8個の直鎖状または分枝鎖状のアル
キルによって置換されたフェニルからなる群より選択さ
れるものである請求項8記載の抗体。 - 【請求項10】 2−アミノ−2−(アリールアルキ
ル)プロパン−1,3−ジオール基が2−アミノ−2−
(2−フェニルエチル)プロパン−1,3−ジオール基
または2−アミノ−2−(2−(炭素数2〜8個の直鎖
状または分枝鎖状のアルキル置換フェニル)エチル)プ
ロパン−1,3−ジオール基である請求項8記載の抗
体。 - 【請求項11】 モノクローナル抗体である請求項8〜
10のいずれかに記載の抗体。 - 【請求項12】 下記(a) 〜(f) の工程により取得する
ことができるモノクローナル抗体: (a) 2−アミノ−2−(アリールアルキル)プロパン−
1,3−ジオール基含有化合物と免疫学上許容される担
体を反応させて免疫原性を有する複合体を生成させ、 (b) 該免疫原性を有する複合体で哺乳動物を1回または
数回免疫して2−アミノ−2−(アリールアルキル)プ
ロパン−1,3−ジオール基に対して親和性を有する抗
体を産生させ、 (c) 該哺乳動物から抗体産生細胞を採取し、 (d) 該抗体産生細胞を株化させ、 (e) 該株化細胞から2−アミノ−2−(アリールアルキ
ル)プロパン−1,3−ジオール基に対して親和性を有
するモノクローナル抗体を産生する細胞をクローン化
し、 (f) 該クローン化された細胞株から該モノクローナル抗
体を採取する。 - 【請求項13】 2−アミノ−2−(アリールアルキ
ル)プロパン−1,3−ジオール基のアルキル基が2〜
4個の炭素原子を有し、および/またはアリール基がフ
ェニルおよび炭素数2〜8個の直鎖状または分枝鎖状の
アルキルによって置換されたフェニルからなる群より選
択されるものである請求項12記載のモノクローナル抗
体。 - 【請求項14】 2−アミノ−2−(アリールアルキ
ル)プロパン−1,3−ジオール基が2−アミノ−2−
(2−フェニルエチル)プロパン−1,3−ジオール基
または2−アミノ−2−(2−(炭素数2〜8個の直鎖
状または分枝鎖状のアルキル置換フェニル)エチル)プ
ロパン−1,3−ジオール基である請求項12記載のモ
ノクローナル抗体。 - 【請求項15】 請求項12〜14のいずれかに記載の
モノクローナル抗体を産生し得るハイブリドーマ。 - 【請求項16】 2−アミノ−2−(アリールアルキ
ル)プロパン−1,3−ジオール基含有化合物を、請求
項8〜14のいずれかに記載の抗体を用いて検出するこ
とを特徴とする、生体試料中の2−アミノ−2−(アリ
ールアルキル)プロパン−1,3−ジオール基含有化合
物の測定方法。 - 【請求項17】 下記(a) 〜(c) の工程を含む生体試料
中の2−アミノ−2−(アリールアルキル)プロパン−
1,3−ジオール基含有化合物の測定方法: (a) 固相化された請求項8〜14のいずれかに記載の抗
体に、生体試料と、標識された2−アミノ−2−(アリ
ールアルキル)プロパン−1,3−ジオール基含有化合
物とを競合的に反応させた後、 (b) 固相と液相とを分離し、 (c) その一方に存在する標識量を測定する。 - 【請求項18】 下記(a) 〜(d) の工程を含む生体試料
中の2−アミノ−2−(アリールアルキル)プロパン−
1,3−ジオール基含有化合物の測定方法: (a) 請求項8〜14記載のいずれかに記載の抗体に、生
体試料と、標識された2−アミノ−2−(アリールアル
キル)プロパン−1,3−ジオール基含有化合物とを競
合的に反応させ、 (b) 該反応液を該抗体に対して親和性を有する固相化さ
れた二次抗体とさらに反応させた後、 (c) 固相と液相とを分離し、 (d) その一方に存在する標識量を測定する。 - 【請求項19】 下記(a) 〜(d) の工程を含む生体試料
中の2−アミノ−2−(アリールアルキル)プロパン−
1,3−ジオール基含有化合物の測定方法: (a) 生体試料と、2−アミノ−2−(アリールアルキ
ル)プロパン−1,3−ジオール基に対して親和性を有
する標識された抗体とを反応させ、 (b) 該反応液を、固相化された2−アミノ−2−(アリ
ールアルキル)プロパン−1,3−ジオール基含有化合
物とさらに反応させた後、 (c) 固相と液相とを分離し、 (d) その一方に存在する標識量を測定する。 - 【請求項20】 下記(a) 〜(f) の工程を含む生体試料
中の2−アミノ−2−(アリールアルキル)プロパン−
1,3−ジオール基含有化合物の測定方法: (a) 生体試料と、請求項8〜14のいずれかに記載の抗
体とを反応させ、 (b) 該反応液を、固相化された2−アミノ−2−(アリ
ールアルキル)プロパン−1,3−ジオール基含有化合
物とさらに反応させた後、 (c) 固相と液相とを分離し、 (d) 固相に結合した抗体と、該抗体に対して親和性を有
する標識された二次抗体とを反応させ、 (e) 液相を除去した後、 (f) 該固相上の標識量を測定する。 - 【請求項21】 2−アミノ−2−(アリールアルキ
ル)プロパン−1,3−ジオール基含有化合物の体液中
レベルの測定方法である請求項16〜20のいずれかに
記載の方法。 - 【請求項22】 2−アミノ−2−(アリールアルキ
ル)プロパン−1,3−ジオール基が2−アミノ−2−
(2−フェニルエチル)プロパン−1,3−ジオール基
または2−アミノ−2−(2−(炭素数2〜8個の直鎖
状または分枝鎖状のアルキル置換フェニル)エチル)プ
ロパン−1,3−ジオール基である請求項16〜21の
いずれかに記載の方法。 - 【請求項23】 標識が酵素、蛍光物質および放射性同
位元素からなる群より選択される請求項17〜22のい
ずれかに記載の方法。 - 【請求項24】 下記(a) および(b) を含む生体試料中
の2−アミノ−2−(アリールアルキル)プロパン−
1,3−ジオール基含有化合物測定用キット。 (a) 請求項8〜14のいずれかに記載の抗体 (b) 標識された2−アミノ−2−(アリールアルキル)
プロパン−1,3−ジオール基含有化合物 - 【請求項25】 さらに請求項8〜14のいずれかに記
載の抗体に対して親和性を有する二次抗体を含む請求項
24記載のキット。 - 【請求項26】 下記(a) および(b) を含む生体試料中
の2−アミノ−2−(アリールアルキル)プロパン−
1,3−ジオール基含有化合物測定用キット。 (a) 標識された請求項8〜14のいずれかに記載の抗体 (b) 固相化可能な2−アミノ−2−(アリールアルキ
ル)プロパン−1,3−ジオール基含有化合物 - 【請求項27】 下記(a) 〜(c) を含む生体試料中の2
−アミノ−2−(アリールアルキル)プロパン−1,3
−ジオール基含有化合物測定用キット。 (a) 固相化可能な2−アミノ−2−(アリールアルキ
ル)プロパン−1,3−ジオール基含有化合物 (b) 請求項8〜14のいずれかに記載の抗体 (c) 該抗体に対して親和性を有する標識された二次抗体 - 【請求項28】 2−アミノ−2−(アリールアルキ
ル)プロパン−1,3−ジオール基含有化合物の体液中
レベルの測定用キットである請求項24〜27のいずれ
かに記載のキット。 - 【請求項29】 2−アミノ−2−(アリールアルキ
ル)プロパン−1,3−ジオール基が2−アミノ−2−
(2−フェニルエチル)プロパン−1,3−ジオール基
または2−アミノ−2−(2−(炭素数2〜8個の直鎖
状または分枝鎖状のアルキル置換フェニル)エチル)プ
ロパン−1,3−ジオール基である請求項24〜28の
いずれかに記載のキット。 - 【請求項30】 標識が酵素、蛍光物質および放射性同
位元素からなる群より選択される請求項24〜29のい
ずれかに記載のキット。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11063948A JPH11343300A (ja) | 1998-03-13 | 1999-03-10 | 新規ハプテン、それを認識する抗体およびそれらを用いた免疫学的測定法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6359398 | 1998-03-13 | ||
JP10-63593 | 1998-03-13 | ||
JP11063948A JPH11343300A (ja) | 1998-03-13 | 1999-03-10 | 新規ハプテン、それを認識する抗体およびそれらを用いた免疫学的測定法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11343300A true JPH11343300A (ja) | 1999-12-14 |
Family
ID=26404716
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11063948A Pending JPH11343300A (ja) | 1998-03-13 | 1999-03-10 | 新規ハプテン、それを認識する抗体およびそれらを用いた免疫学的測定法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11343300A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001172200A (ja) * | 1999-12-17 | 2001-06-26 | Meneki Seibutsu Kenkyusho:Kk | ヒトナプシンaに対する抗体およびこれを用いる医薬 |
WO2005064344A1 (ja) | 2003-12-26 | 2005-07-14 | Takeda Pharmaceutical Company Limited | 脂質代謝異常症の予測方法 |
WO2016140344A1 (ja) * | 2015-03-05 | 2016-09-09 | 国立大学法人東京大学 | 結合体及びその使用 |
-
1999
- 1999-03-10 JP JP11063948A patent/JPH11343300A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001172200A (ja) * | 1999-12-17 | 2001-06-26 | Meneki Seibutsu Kenkyusho:Kk | ヒトナプシンaに対する抗体およびこれを用いる医薬 |
WO2005064344A1 (ja) | 2003-12-26 | 2005-07-14 | Takeda Pharmaceutical Company Limited | 脂質代謝異常症の予測方法 |
WO2016140344A1 (ja) * | 2015-03-05 | 2016-09-09 | 国立大学法人東京大学 | 結合体及びその使用 |
JPWO2016140344A1 (ja) * | 2015-03-05 | 2018-02-01 | 国立大学法人 東京大学 | 結合体及びその使用 |
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