JP2001172200A - ヒトナプシンaに対する抗体およびこれを用いる医薬 - Google Patents

ヒトナプシンaに対する抗体およびこれを用いる医薬

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ヒト原発性肺癌腫瘍マーカーとして使用でき
る物質を探索し、当該物質に対する抗原を取得し、これ
を有効成分とする診断薬等の医薬を提供すること。 【解決手段】 ヒトナプシンAに対する抗体およびヒト
ナプシンAと、KLH、BSA、OVAまたはチオグロ
ブリンから選ばれる高分子蛋白とを結合させ、この結合
物で動物を免疫し、当該動物から脾細胞を取り出し、こ
れをミエローマ細胞と融合させ、得られたハイブリド−
マを培養し、抗体を採取することを特徴とする上記抗体
の採取法並びに上記抗体を有効成分とする医薬。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ヒトナプシンAに
対する抗体に関し、更に詳細には、ヒト原発性ガンの確
定判断に有用なヒトナプシンAに対する抗体およびこれ
を用いる医薬に関する。
【0002】
【従来の技術】ガンには、原発性ガンと転移ガンが存在
するが、このうち、原発性ガンの発生を早期に発見し、
これを治療することは極めて重要である。肺癌について
も、原発性ガンの存在が知られており、原発性ガンの存
在を正確に見出すための手段が求められている。
【0003】本発明者らは、先に、高分化型肺癌患者の
肺組織を可溶化した後、2次元電気泳動を行うと、一定
の蛋白質が高頻度に出現することを知り、この蛋白をT
A01およびTA02と命名し、報告した( Hirano T
et. al.,1997, " Britsh J.Cancer ",75, 978-985 )。
【0004】しかしながら、上記蛋白は2次元電気泳動
のスポットとして得られたのみであり、その構造や、こ
れがヒト原発性肺癌のマーカーとなりうるかどうかにつ
いては、全く不明であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明は、上記
の蛋白、TA01およびTA02の構造を解析し、これ
をヒト原発性肺癌腫瘍マーカーとして使用できるかどう
かを探索し、更に使用可能な場合は当該蛋白に対する抗
原を取得し、これを有効成分とする医薬を提供すること
を課題とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記蛋白
のうち、TA02と命名されたものについて、そのアミ
ノ酸配列の分析を行っていたところ、そのN端のペプチ
ド配列が次の式、 Lys-Pro-Ile-Phe-Val-Pro-Leu-Ser-Asn-Tyr-Arg-Asp-Va
l-Gln-Tyr-Phe-Gly-Glu-Ile で表されるものであり、既に報告されていたヒトナプシ
ンAと呼ばれる蛋白と同一物であることを見出した。そ
して、常法によりこのヒトナプシンAと特定の高分子化
合物の結合物で動物を免疫して得た抗体は、ヒト原発性
肺癌組織に結合することを見出した。
【0007】従って本発明は、ヒトナプシンAに対する
抗体を提供するものである。
【0008】また本発明は、ヒトナプシンAと、高分子
蛋白とを結合させ、この結合物で動物を免役し、当該動
物から脾細胞を取り出し、これをミエローマ細胞と融合
させ、得られたハイブリド−マを培養し、抗体を採取す
るヒト原発性肺癌に対する抗体の採取法を提供するもの
である。
【0009】更に本発明は、上記のヒトナプシンA対す
る抗体を有効成分とする医薬を提供するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明において用いられるヒトナ
プシンAは、肺や腎臓に存在するアスパラギン酸プロテ
ィナーゼとして既に報告されているものである(FFB
S レターズ、第441号、第43頁から第48頁(1
998))。しかし、上記報告中では、このものと癌、
特に原発性肺癌との関係については全く示唆されていな
い。
【0011】このヒトナプシンAの全アミノ酸配列は、
上記文献中に記載されているので、これに基づいて合成
しても良いが、例えばそのN端の配列、 Lys-Pro-Ile-Phe-Val-Pro-Leu-Ser-Asn-Tyr-Arg-Asp-Va
l-Gln-Tyr-Phe-Gly-Glu-Ile をコードする塩基配列を用意し、これをプライマーとし
て、例えば原発性肺腺癌を含む肺組織の切除材料からナ
プシンAのcDNAを取得し、これをPCR法等により
増幅した後、適当なベクターと宿主細胞を用いて発現さ
せることにより得ることもできる。
【0012】本発明のヒトナプシンAに対する抗体は、
上記ヒトナプシンAを抗原として動物に投与し、当該動
物の抗血清として取得することもできるが、選択性の高
いモノクローナル抗体として得る場合は、例えば次のよ
うにすることが好ましい。
【0013】すなわち、ヒトナプシンAのN端の配列、 Lys-Pro-Ile-Phe-Val-Pro-Leu-Ser-Asn-Tyr-Arg-Asp-Va
l-Gln-Tyr-Phe-Gly-Glu-Ile を有するポリペプチドを合成し、これを高分子蛋白と結
合させて、抗体を得るための抗原とする。この抗原で適
当な動物を免疫し、当該動物から脾細胞を取り出し、こ
れをミエローマ細胞と融合させ、得られたハイブリド−
マを培養することにより、ヒトナプシンAに対する抗体
を採取することができる。
【0014】上記ポリペプチドと結合させる高分子蛋白
の例としては、キーホール リンペット ヘモシアニン
(Keyhole limpet heamocyanin;KLH)、ボビン シ
ーラムアルブミン(Bvine serum albumin;BSA)、
オブアルブミン(Ovalbumin;OVA)、チオグロブリ
ン(thiogloburin)等を使用することができ、ポリペプチ
ドと高分子蛋白の結合は、マレイミド法、カルボジイミ
ド法、グルタールアルデヒド法等の公知の方法を利用す
ることができる。
【0015】また、動物への免疫や、この動物からの脾
細胞の採取、ミエローマ細胞との融合、更に抗体の採取
等はこの分野で公知の方法により実施することができ
る。
【0016】以上のようにして得られるヒトナプシンA
に対する抗体の代表例としては、後記実施例で得られる
モノクローナル抗体4B2が挙げられる。この抗体は、
例えば次のような性質を有するものである。
【0017】 ナプシンBとは全く交差しない特異性
を有する。 下記のヒトガンの培養細胞株を始め、知られている
ガン培養細胞に対して陽性反応を示さない。 KATO−III、MKN−1、MKN−28、MKN−
45、PC−1、PC−3、PC−6、PC−7、PC
−9、P3HR−1、Raji イムノグロブリンのクラスは、IgG1である。
【0018】本発明のヒトナプシンAに対する抗体を利
用して調製することができる医薬の一例としては、原発
性肺癌の診断薬が挙げられる。この診断薬は、本発明抗
体とヒト原発性肺癌との抗原抗体反応を利用し、肺生検
材料、喀痰、気管支洗浄液等を試料とし、通常の免疫学
的測定法により原発性肺癌の存在を見出すものである。
【0019】また、本発明医薬の別の例としては、原発
性肺癌に対する治療薬が挙げられる。この治療薬は、本
発明抗体と抗癌成分とを種々の手法で結合させた後、こ
れを患部に投与し、抗癌成分を原発性肺癌に集中的に作
用させ、癌を治療するというものである。
【0020】本発明の抗体を用いて、上記の医薬を調製
するに当たっても、公知の医薬担体や、抗癌成分を使用
することができ、その製造も常法に従えばよい。
【0021】
【作用】本発明者らの研究により、ヒトナプシンAは、
ヒト原発性肺癌に特異的なペプチドであることが解明さ
れた。従って、このペプチドを抗原として作成された抗
体は、後記実施例で示すように、実質的に原発性肺癌と
のみ反応し、他の癌とは反応しない。従って、当該抗体
は、原発性肺癌を確定的に診断するための診断薬や、原
発性肺癌の治療剤の有効成分として利用可能となるので
ある。
【0022】
【実施例】次に実施例を挙げ、本発明を更に詳しく説明
するが、本発明はこれら実施例等により何ら制約される
ものではない。
【0023】実 施 例 1 外科的に切除した原発性肺癌試料からの非酵素的サンプ
ル調製および二次元ポリアクリルアミドゲル電気泳動に
よるTA02の採取:TA02を発現する高分化腺癌を
有する生物材料を外科的に切除し、これを非酵素的サン
プル調製手法を用いて処理した。具体的には、「エレク
トロフォレシス(Electrophoresis)」、第14巻、第
1045頁〜第1053頁(1993)および同、第1
5巻、第382頁〜第390頁(1994)の記述に従
って、二次元電気泳動(2−DE)と組み合わせた非酵
素的サンプル調製手法を実施した。100μgの蛋白質
に相当する試料を等電点電気泳動(IEF)にかけ、プ
ロテインII(Protein II)セル(バイオ−ラッド社
製)および1000/500型電源(バイオ−ラッド社
製)を用いて800Vで14.5時間、1000Vで1
時間かけて分離・濃縮させた。IEFののち、IEFゲ
ルを直線勾配の10−13%SDSポリアクリルアミド
ゲルに載せ、10℃で10mA/ゲルを用いて一夜電気
泳動した。
【0024】実 施 例 2 TA02ポリペプチドの採取およびアミノ酸配列の分
析:二次元電気泳動を行ったのち、「ネイチャー(Natu
re)」、第227号、第680頁〜第685頁(197
0)に記述されたウェスタンブロット法を用いて、TA
02ポリペプチドをイモビロン(Immobilon)ポリ弗化
ビニリデン(PVDF)膜(ミリポア社製)へ移した。
PVDF膜上のTA02スポットを、クマジ−ブリリア
ントブル−染色法を用いて可視化した。つぎに、膜を乾
燥後、TA02スポットを取り出し、TA02ポリペプ
チドを採取した。TA02ポリペプチドをシ−クエンサ
−にかけて、N末端のアミノ酸配列を分析した。
【0025】この結果、TA02分子のN末端で、27
番目のアミノ酸を除く30個のアミノ酸の配列を決定す
ることができた。それは次の通りであった。KPIPV
PLSNYRDVQYFGEIGLGTPPQ( )F
YV
【0026】実 施 例 3 TA02ポリペプチドに対するモノクロ−ナル抗体の産
生および精製:免疫感作には、TA02のN端(K)よ
り18番目(I)の内部アミノ酸配列に対応する合成ペ
プチド(KPIFVPLSNYRDVQYFGEIC)
を用いた。このペプチドをウシチログロブリンに結合さ
せ、不完全アジュバントと混合し、マウス(BALB/
c)に皮下注射した。
【0027】免疫感作ののち、脾細胞を集め、脾細胞と
X63−Ag8−653細胞との間のポリエチレングリ
コ−ル介在細胞融合を誘発させ(「ジャパン・ジャーナ
ル・オブ・キャンサー・リサーチ(Jpn. J. Cancer Re
s)」、第85号、第918頁〜第926頁)、抗原被
覆イライザ(ELISA)プレ−トを用いてハイブリド
−マ細胞のスクリ−ニングを行った。10%FCS添加
RPMI1640中で陽性クロ−ンを培養して、抗体を
産生させた。この培地から、抗原ペプチド結合アフィニ
ティ−カラムを用いてモノクロ−ナル抗体(mAb)を
抽出し、精製した。
【0028】得られたモノクロ−ナル抗体は4種であ
り、それぞれmAb−4B2、34D1、22Aおよび
6A1と名付けた。ウェスタンブロット分析での反応性
に基づいて、mAb−4B2を選択し、その後の実験に
はこのクロ−ンを用いた。高分化肺腺癌の原発巣を2D
E処理後、電気泳動でPVDF膜(ミリポア社製)へ移
動させ、mAb−4B2でウェスタンブロットを行っ
た。その結果、TA02と同一スポットがmAb−4B
2と反応することが確認された。
【0029】より具体的には、高分化肺腺癌の原発巣を
2DE後、PVDF膜へ移動させたものを同一サンプル
で2種類用意した。片方については銀染色によって蛋白
の存在を確認した(図1中、左側)。また他方は、mA
b−4B2によるウエスタンブロッティングによって抗
体の認識部位を調べた(図1中、右側)。そしてこれら
の結果を重ね合わせると、TA02およびTA01はm
Ab−4B2で認識される分子と同一であることが明ら
かとなった(図1中、下)。
【0030】実 施 例 4 ナプシンA/B転写産物の逆転写ポリメラ−ゼ連鎖反応
(RT−PCR)による分析ならびにAおよびB転写産
物の識別:TA02のアミノ酸配列の結果によれば、T
A02は、ヒトアスパラギン酸プロテイナ−ゼの一つの
タイプであるナプシンと相同であると考えられた。外科
的に切除した原発性肺腺癌材料およびラジ(Raji)細胞
(バ−キットリンパ腫細胞株)から全RNAを調製し、
第一鎖cDNAを、第一鎖cDNA合成キット(アマシ
ャム・ファルマシア・バイオテック社製)を用いて生成
させた。
【0031】つぎに、発表されているヒトプロナプシン
cDNA配列(FEBSレターズ、第441号、第43
頁〜第48頁、(1998))に基づいて合成したフォ
ワ−ドプライマ−(5'−GACTATTGGTGGA
ATCAAGGGTG−3':NAP−3)およびリバ
−スプライマ−(5'−GTCAGGCTTATCCA
ATAG−3':NAP−4)を用いてのポリメラ−ゼ
連鎖反応(PCR)により、プロナプシンA/B cD
NAの465−648領域を増幅させた。
【0032】ナプシンAおよびB転写産物を識別するた
めに、ナプシンB cDNAのみに特異的制限部位を有
する(FEBSレターズ、第441号、第43頁〜第4
8頁、(1998))MspA1を用いてPCR産物を
消化した。消化後、2%アガロ−スゲル電気泳動により
断片を分析した。
【0033】この結果、外科的に切除した原発性肺腺癌
(TA02分子の高度発現が確認される)およびラジ細
胞において、ナプシンA/B転写産物の発現を検出し
た。TA02発現肺腺癌の塩基対465−648の領域
からのRT−PCR産物はMspA1によっては消化さ
れなかったが、ラジ細胞からのRT−PCR産物は代謝
された。この消化分析は、蛋白質レベルでTA02を発
現する原発性肺腺癌はナプシンA mRNAをも発現
し、ラジ細胞はナプシンB mRNAを発現したことを
明らかにしている。なぜなら、MspA1はナプシンB
cDNAのみに特異的制限部位を有しているからであ
る。
【0034】実 施 例 5 ヒトナプシンA cDNAのクロ−ニングおよび大腸菌
での発現:発表されているヒトプロナプシンA cDN
A配列(FEBSレターズ、第441号、第43頁〜第
48頁、(1998))に基づいて合成したフォワ−ド
プライマ−(5'−GCGAATTCATGTCTCC
ACCACCGCTG−3':NAP−1)およびリバ
−スプライマ−(5'−CGCTCGAGGCGTCA
CCCGGGGAACTG−3':NAP−6)を用い
て、ヒト原発性肺腺癌の第一鎖cDNAからナプシンA
の全長cDNAを増幅させた。増幅産物をEcoRIお
よびXhoIで消化し、pGEX−4T−1ベクタ−
(アマシャム・ファルマシア・バイオテック社製)に挿
入し、E.coli JM109細胞の形質転換に用い
た。PCRによってクロ−ン化したナプシンA cDN
Aは完全に配列決定された。また、形質転換大腸菌JM
109から、これが発現したGST−ナプシン融合蛋白
質を得た。
【0035】実 施 例 6 ウェスタンブロットおよび抗TA02モノクロ−ナル抗
体を用いての免疫検出:外科的に切除したヒト原発性肺
腺癌材料およびグルタチオンS−トランスフェラ−ゼ
(GST)−プロナプシンA融合蛋白質発現性大腸菌を
12.5%ポリアクリルアミドゲルにかけ、次に「ネイ
チャー(Nature)」、第227号、第680頁〜第68
5頁(1970)に記載されているSDS−ポリアクリ
ルアミドゲル電気泳動法により分画し、電気泳動により
イモビロン(Immobilon)ポリ弗化ビニリデン(PVD
F)膜(ミリポア社製)へ移行させた。抗TA02mA
bで膜を免疫ブロットし、ECLウェスタン検出試薬キ
ット(アマシャム社製)を用いての強化化学発光検出法
により検出した。
【0036】さらに、2DE後、高い強度のTA02が
すでに確認されている高分化腺癌を用いて、ウェスタン
ブロットおよび抗TA02モノクローナル抗体(mAb
−4B2)を用いての免疫検出を実施した。ウェスタン
ブロット分析では、mAb−4B2がGST−ナプシン
融合蛋白質を分子量約67kDaの分子として認識する
ことを確認した。
【0037】実 施 例 7 免疫組織化学:ヒト組織や、この組織に発生する癌のホ
ルマリン固定・パラフィン包埋標本を用意し、これから
厚み4μmの組織切片を調製し、スライドガラス上に載
せた。脱パラフィン後、各標本を、抗TA02モノクロ
−ナル抗体(mAb−4B2)を用い、ABC法により
免疫組織化学的に染色した。この結果を表1および表2
に示す。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】この結果、原発性肺癌組織では、58例の
腺癌のうち47例(81.0%)が、顆粒性パタ−ンの
陽性染色を示した。とくに、高分化例では、低分化例と
比較して強い免疫活性を見ることができた。これに対
し、他の組織タイプの癌は、弱い発現を示した少数例の
大細胞癌を除いて、完全に陰性の染色を示した。
【0041】一方、正常組織においても、II型肺細胞
の細胞質および肺胞マクロファ−ジは、強度の顆粒性発
現パタ−ンを示した。また、腎尿細管ならびに膵外分泌
腺および膵管は、陽性の細胞質染色を示した。これらの
組織のいくつかでは、免疫活性は弱かったが、顆粒性発
現パタ−ンを観察することができた。他の器官では、顆
粒性発現パタ−ンを観察できなかった。
【0042】以上から、本発明の抗体は、癌のうちでも
ヒト原発性肺癌に特異的なものであり、この癌の確定診
断のために有用であることが明らかとなった。
【0043】
【発明の効果】本発明のヒト原発性肺癌に対する抗体
は、上記実施例で示すように、ほぼ原発性肺癌とのみ反
応し、他の癌とは反応しない。本発明抗体は、このよう
な特異性があるため、原発性肺癌を確定的に診断するた
めの診断薬や、原発性肺癌の治療剤としての利用が期待
される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の抗体が、高分化型肺癌患者に高頻度
に出現するTA01およびTA02と呼ばれる蛋白を認
識することを電気泳動により確認した結果を示す写真。 以 上
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 15/09 ZNA C12P 21/08 C12P 21/08 G01N 33/574 A G01N 33/574 C12N 15/00 ZNAA (72)発明者 平野 隆 東京都田無市南町4−13−4 (72)発明者 清藤 勉 群馬県高崎市江木町952−7 (72)発明者 ゲルト アウエル スウェーデン国、171 60 ソルナ、ウィ ボムスヴァーグ 12 Fターム(参考) 4B024 AA01 AA12 BA14 BA54 CA04 CA07 DA06 EA04 GA03 GA11 HA15 4B064 AG01 AG27 BA15 CA02 CA10 CA20 CC24 DA01 DA14 4C085 AA13 AA14 AA19 CC02 4H045 AA11 AA30 BA10 BA41 CA40 CA41 DA76 DA86 EA28 EA51 FA72 FA73 FA74 GA26 HA06

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヒトナプシンAに対する抗体。
  2. 【請求項2】 N端に次の式、 Lys-Pro-Ile-Phe-Val-Pro-Leu-Ser-Asn-Tyr-Arg-Asp-Va
    l-Gln-Tyr-Phe-Gly-Glu-Ile で表されるペプチド配列を有するポリペプチドを認識す
    る、請求項第1項記載の抗体。
  3. 【請求項3】 ヒト原発性肺癌組織と特異的に結合する
    ものである請求項第1項または第2項記載の抗体。
  4. 【請求項4】 ヒトナプシンAと、キーホール リンペ
    ット ヘモシアニン、ボビン シーラム アルブミン、オ
    ブアルブミンまたはチオグロブリンから選ばれる高分子
    蛋白とを結合させ、この結合物で動物を免疫し、当該動
    物から脾細胞を取り出し、これをミエローマ細胞と融合
    させ、得られたハイブリド−マを培養し、抗体を採取す
    ることを特徴とするヒトナプシンAに対する抗体の採取
    法。
  5. 【請求項5】 請求項第1項ないし第2項の何れかの項
    に記載の抗体を有効成分とする医薬。
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