JPH11221505A - ピエゾ式薬液噴霧装置 - Google Patents

ピエゾ式薬液噴霧装置

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JPH11221505A
JPH11221505A JP10055636A JP5563698A JPH11221505A JP H11221505 A JPH11221505 A JP H11221505A JP 10055636 A JP10055636 A JP 10055636A JP 5563698 A JP5563698 A JP 5563698A JP H11221505 A JPH11221505 A JP H11221505A
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    • A01M1/20Poisoning, narcotising, or burning insects
    • A01M1/2022Poisoning or narcotising insects by vaporising an insecticide
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Abstract

(57)【要約】 【課題】薬液の交換操作が容易で薬液交換時の液こぼれ
がなく、さらに振動板と吸液芯との間隔のずれや接触状
態の変化を抑えて、噴霧安定性を向上させたピエゾ式薬
液噴霧装置を提供すること。 【解決手段】噴霧装置内に着脱自在に収納される薬液容
器を備え、噴霧装置内に設けられたピエゾ噴霧部に、吸
液芯を用いて薬液を供給するピエゾ式薬液噴霧装置であ
って、(A)吸液芯が第一の薬液通過部と第二の薬液通
過部に分割され、(B)その一端が薬液に接するように
第一の薬液通過部が薬液容器に設けられると共に、他端
が第二の薬液通過部の一端に当接し、(C)第二の薬液
通過部の他端がピエゾ噴霧部に弱接触する位置又は接触
する位置に設けられ、薬液が第一の薬液通過部及び第二
の薬液通過部を通過して該ピエゾ噴霧部へ供給されるこ
とを可能としたことを特徴とするピエゾ式薬液噴霧装
置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、殺虫、殺ダニ、昆
虫成長阻害、忌避、芳香、消臭、除菌等を目的とした薬
液を噴霧するためのピエゾ式薬液噴霧装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から用いられている、殺虫等の目的
で薬剤を空気中に放出させる方法としては、いわゆる蚊
取線香や蚊取マットを用いる方法や、液体式加熱蒸散装
置を用いる方法が挙げられる。これらの方法にはそれぞ
れ一長一短があり、使用場面や使用期間によって使い分
けられている。最近は、長期間取り替える必要のないメ
リットのある、液体式加熱蒸散装置を用いる方法がよく
使用されている。
【0003】しかしながら、これらの何れの方法も加熱
することによって有効成分を蒸散させるものである。例
えば、加熱部分は100℃以上となる場合もあり、危険
を伴う。また、溶媒に引火性の灯油を使用している場合
もある。さらに、これら加熱によって薬液を蒸散させる
ものは、経時的に薬剤蒸散量が低下する傾向がある。特
に吸液芯で薬液を吸い上げ、吸液芯の一部を加熱するも
のにあっては、吸液芯の加熱部分で、加熱による有効成
分の劣化等に起因する目詰まり現象が生じ易い。したが
って、加熱手段を用いず、安定して薬液を空間に放出す
る技術開発が急がれていた。
【0004】ところで、熱を使用しない液体の噴霧方法
として、ピエゾ発振子を用いた液体噴霧技術(特表平7
−501481号公報等)がある。このような、いわゆ
るピエゾ式噴霧装置を用いた方法においては、高い周波
数で振動する振動部に噴霧させる液体を供給することに
より、噴霧粒子を発生させている。振動部に液体を供給
する方法としては、例えば液体が含浸した保液材(吸液
芯)と振動部を接触又は弱接触させる方法(特開平5−
329411号公報、特開平6−320083号公報
等)等が挙げられる。
【0005】このような、吸液芯を用いて液体を振動部
に供給する装置においては、振動部と吸液芯との間隔又
は接触状態が極めて重要である。
【0006】例えば、特表平7−501481号公報に
は、毛管給水装置等により直接的に、振動板としての膜
に液体を供給する流体の小水滴製造装置が開示されてい
る。また、特開平5−329411号公報には、穴あき
振動板が圧電振動子に固着された構造を有する超音波霧
化装置給液構造が開示されている。さらに特開平6−3
20083号公報には、荷重付加手段によって保液材の
霧化端を振動板に接触させる構造を有する超音波噴霧装
置が開示されている。
【0007】特に、かかる3件の公報に開示されたピエ
ゾ式の噴霧方法においては、両者が弱接触しない程度に
広い間隔を有する場合、振動板への薬液の供給がうまく
行なわれず、噴霧粒子が発生しない。また、振動板と吸
液芯とが強く接触しすぎる場合は吸液芯が振動板の所期
の振動を妨げたり、振動板の寿命が短くなる傾向があ
る。したがってピエゾ式噴霧装置においては、使用条件
等に左右されることなく、ピエゾ噴霧部(例えば振動
板)と吸液芯との間隔又は接触状態は常に一定であるこ
とが好ましい。
【0008】上記のような、吸液芯によりピエゾ噴霧部
(例えば振動板)に液体を供給するピエゾ式噴霧装置に
おいては、装置本体内に液体を収容するための容器(薬
液容器)が、装置本体と一体的に又は分離可能に設置さ
れているものが知られている。薬液容器が装置本体と一
体的に設置されている場合、液体の補充が非常に煩雑で
あり、補充時に液体がこぼれたり、直接ヒトの手に触れ
てしまう危険性もある。また、薬液容器が装置本体と分
離可能に設置されている場合は、吸液芯が本体に取り付
けられたまま薬液容器のみ取り外されるものと、薬液容
器の交換と同時に吸液芯も交換されるものが従来から提
案されている。前者の場合は上記と同様に薬液容器の吸
液芯装着部が開放されているため液体がこぼれたり直接
ヒトの手に触れる危険性があり、後者の場合は薬液容器
を構成する部材のサイズばらつき及び薬液容器の装着具
合等の人為的要素などにより、振動板と吸液芯との間隔
や接触状態が変化する恐れが多々ある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明の目的
は、薬液の交換操作が容易で薬液交換時の液こぼれがな
く、さらに振動板やピエゾ発振子等から構成されるピエ
ゾ噴霧部と吸液芯との間隔のずれや接触状態の変化を抑
えて、噴霧安定性を向上させたピエゾ式薬液噴霧装置を
提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明の要旨は、
〔1〕 噴霧装置内に着脱自在に収納される薬液容器を
備え、噴霧装置内に設けられたピエゾ噴霧部に、吸液芯
を用いて薬液を供給するピエゾ式薬液噴霧装置であっ
て、(A)吸液芯が第一の薬液通過部と第二の薬液通過
部に分割され、(B)その一端が薬液に接するように第
一の薬液通過部が薬液容器に設けられると共に、他端が
第二の薬液通過部の一端に当接し、(C)第二の薬液通
過部の他端がピエゾ噴霧部に弱接触する位置又は接触す
る位置に設けられ、薬液が第一の薬液通過部及び第二の
薬液通過部を通過して該ピエゾ噴霧部へ供給されること
を可能としたことを特徴とするピエゾ式薬液噴霧装置、
〔2〕 第二の薬液通過部の他端が弱接触する又は接触
するピエゾ噴霧部の部材が振動板、薄板又はピエゾ発振
子のいずれかである前記〔1〕記載の薬液噴霧装置、
【0011】〔3〕 第一の薬液通過部及び/又は第二
の薬液通過部が、連通孔を有する多孔質体、連続気泡を
有する樹脂体又は樹脂繊維の集合体により構成される前
記〔1〕又は〔2〕記載の薬液噴霧装置、〔4〕 第一
の薬液通過部に用いる部材の薬液の吸い上げ速度が10
分間以内である前記〔1〕〜〔3〕いずれか記載の薬液
噴霧装置、〔5〕 第一の薬液通過部と第二の薬液通過
部との当接により、少なくとも一方の部材が圧縮される
前記〔1〕〜〔4〕いずれか記載の薬液噴霧装置、
〔6〕 薬液容器に、孔の開口面積が1mm2 以下のベ
ント孔が設けられた前記〔1〕〜〔5〕いずれか記載の
薬液噴霧装置、〔7〕 第一の薬液通過部と第二の薬液
通過部との当接部周辺にパッキン部材が設けられた前記
〔1〕〜〔6〕いずれか記載の薬液噴霧装置、〔8〕
薬液容器の収納方式が横スライド嵌合方式、側方スナッ
プ嵌合方式又は上方装着方式である前記〔1〕〜〔7〕
いずれか記載の薬液噴霧装置、に関するものである。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明のピエゾ式薬液噴霧装置
は、噴霧装置内に着脱自在に収納される薬液容器を備
え、噴霧装置内に設けられたピエゾ噴霧部に、吸液芯を
用いて薬液を供給するピエゾ式薬液噴霧装置であって、
(A)吸液芯が第一の薬液通過部と第二の薬液通過部に
分割され、(B)その一端が薬液に接するように第一の
薬液通過部が薬液容器に設けられると共に、他端が第二
の薬液通過部の一端に当接し、(C)第二の薬液通過部
の他端がピエゾ噴霧部に弱接触する位置又は接触する位
置に設けられ、薬液が第一の薬液通過部及び第二の薬液
通過部を通過して該ピエゾ噴霧部へ供給されることを可
能としたことを特徴とする。
【0013】本発明のピエゾ式薬液噴霧装置において
は、吸液芯は第一の薬液通過部と第二の薬液通過部に分
割されてなる。また、薬液容器と装置本体とが着脱自在
に独立した状態にあり、薬液容器に第一の薬液通過部
が、装置本体に第二の薬液通過部が設けられている。第
一の薬液通過部は薬液容器に設けられていることから、
薬液容器の着脱の際に、第二の薬液通過部の位置が変わ
ることがないため、第二の薬液通過部の他端とピエゾ噴
霧部との接触状態の一定化を図ることができる。
【0014】本発明における薬液容器は噴霧装置内に着
脱自在に収納される構造であり、第一の薬液通過部が設
けられている。第一の薬液通過部は、薬液容器中の薬液
を吸収し、第二の薬液通過部に薬液を伝達するための媒
体としての、及び薬液容器が横転した場合でも薬液がこ
ぼれないようにするための簡易栓としての機能を有する
部材である。したがって、第一の薬液通過部の一端は薬
液容器中の薬液と接するように薬液容器に設けられると
共に、その他端は第二の薬液通過部の一端と当接するよ
うに設けられる。
【0015】本発明の薬液噴霧装置の薬液容器に、薬液
の液面よりも高い位置に孔の面積が1mm2 以下のベン
ト孔(開口部)を設けても良い。該ベント孔は薬液容器
内の圧力を常に外圧と一定に保つ働きをし、薬液を第二
の薬液通過部、ひいてはピエゾ噴霧部に安定供給した
り、容器保管時の液漏れを防止するために機能するた
め、かかるベント孔が薬液容器に設けられた薬液噴霧装
置は好ましいものと言える。一般にこのような薬液容器
においては、気温の上昇や低気圧の接近等により容器内
の圧力が外気圧に対して上昇し、第一の薬液通過部から
の薬液供給量が極端に増加したり、さらには大量の薬液
が溢れたりする現象が生じることがあり、これらを防止
するためには1mm2 以下で開口する前記ベント孔が有
用である。転倒時のベント孔からの液漏れを防止する観
点から、孔の開口面積は1mm2 以下が好ましい。
【0016】さらに本発明の薬液噴霧装置には、第一の
薬液通過部と第二の薬液通過部の当接部周辺にパッキン
部材が設けられたものが好ましく、該パッキン部材は容
器本体側に設置されていても、装置本体側に設置されて
いてもよく、設置方法も特に限定されるものではない。
かかるパッキン部材を設けることにより、薬液通過部の
接点部周辺の機密性が保たれ、液だれ等を防止できるた
め好ましい。
【0017】本発明における噴霧装置内には、第二の薬
液通過部の他端が噴霧装置内のピエゾ噴霧部に弱接触す
る位置又は接触する位置に設けられている。その他に
も、ピエゾ式噴霧装置において一般的に具備されるピエ
ゾ発振子、発振回路等が具備される。また、ピエゾ噴霧
部の形状は特に限定されるものではなく、通常用いられ
る公知の形状のものが使用でき、例えば、多数の孔が設
けられた振動板がピエゾ発振子に直接若しくは間接的に
固着されたピエゾ噴霧部が好適に用いられる。また、ピ
エゾ噴霧部の設置方向は床に対して水平(即ち、噴霧方
向として上方)に限定されるものではなく、任意の角度
で良い。また、本発明で用いられる振動板、ピエゾ発振
子としては、通常用いられる公知のものが挙げられる。
【0018】ピエゾ噴霧部における、第二の薬液通過部
の他端が弱接触する又は接触する部材としては、具体的
には、振動板、薄板又はピエゾ発振子等が挙げられる。
振動板および薄板としては、多孔を有するもの、網状の
もの等が例示できる。
【0019】特に振動板が具備されたピエゾ噴霧部を有
する薬液噴霧装置では、ピエゾ噴霧部と第二の薬液通過
部の他端との接触状態は、該他端がピエゾ噴霧部に弱接
触する程度とする。ここで「弱接触」とは、第二の薬液
通過部の他端が振動板又はピエゾ発振子の振動を妨げな
い程度に軽く接触した状態、又は第二の薬液通過部の他
端の上面部に形成される薬液の液膜が振動板等のピエゾ
噴霧部に接触する程度にわずかな間隔を有した状態をい
う。このように、ピエゾ噴霧部と第二の薬液通過部の他
端とが弱接触することにより、薬液を噴霧するための振
動板及びピエゾ発振子の振動が妨げられることなく、第
二の薬液通過部からピエゾ噴霧部へ薬液が安定供給され
る。
【0020】上記の弱接触における「わずかな間隔」
は、ピエゾ噴霧部の形状や第二の薬液通過部の上面部に
形成される薬液の液膜厚さ等に依存し、特に液膜厚さは
薬液の表面張力と第二の薬液通過部の表面エネルギーに
よる影響を受けるため一概には言えないが、例えば多数
の孔が設けられた振動板の振動幅を最小間隔として、最
大間隔は例えば0.5mm以下が好ましく、0.3mm
以下がより好ましく、0.1mm以下が特に好ましい。
【0021】また、上記の弱接触において、ピエゾ噴霧
部と第二の薬液通過部とが「軽く接触した状態」である
場合、第二の薬液通過部が比較的柔軟な材質であるとさ
らに好ましい。
【0022】また、多孔状又は網状の薄板が具備された
ピエゾ噴霧部を有する態様の薬液噴霧装置では、ピエゾ
噴霧部と第二の薬液通過部の他端との接触状態を、該他
端がピエゾ噴霧部と接触する程度とする。かかる態様に
おけるピエゾ噴霧部の具体例としては、円板状のピエゾ
発振子の噴霧部側(例えば上面)に多孔状又は網状の円
形薄板が載置され、これら周縁部分を弾性環状の固定部
で一体的に保持し、この一部に第二の薬液通過部の他端
が接触するよう配設されたものが例示される。このと
き、該ピエゾ発振子の噴霧部側と該薄板の下面との間で
微小な隙間が形成され、第二の薬液通過部から供給され
た薬液が該隙間に入って広がっていく。したがって、第
二の薬液通過部は、該他端がピエゾ噴霧部に確実に接触
していることで安定した薬液供給が可能になる。
【0023】上記のように、ピエゾ噴霧部と第二の薬液
通過部との間隔又は接触状態は極めて重要であるため、
薬液容器を噴霧装置内に収納して第一の薬液通過部と第
二の薬液通過部とが当接した場合にも該間隔又は接触状
態が変化しないように、第二の薬液通過部は装置本体に
おいてピエゾ噴霧部に対して常に安定して固定されるこ
とが好ましい。
【0024】本発明のピエゾ式薬液噴霧装置において
は、第一の薬液通過部の一端が薬液容器内に設けられ、
他端が第二の薬液通過部の一端に当接し、そして第二の
薬液通過部の他端がピエゾ噴霧部に弱接触する位置又は
接触する位置に設けられたものであるため、薬液は薬液
容器から第一の薬液通過部、第二の薬液通過部を経てピ
エゾ噴霧部へ供給される。
【0025】図1に、本発明における、振動板1、ピエ
ゾ発振子2、第二の薬液通過部3及び第一の薬液通過部
4の構成例を示す。図1においては、説明を容易に行う
ために振動板1、ピエゾ発振子2、第二の薬液通過部
3、第一の薬液通過部4及び固定片5以外の構成は省略
している。
【0026】図1のA1及びA2は、第一の薬液通過部
4と第二の薬液通過部3が当接する位置が第二の薬液通
過部3と振動板1とが弱接触する位置から水平方向にず
れている態様である。かかる態様は、第一の薬液通過部
4が第二の薬液通過部3に下方から当接した場合にも、
該当接により発生する応力が直接振動板1に伝わること
がなく、第二の薬液通過部3と振動板1の間隔又は接触
状態に影響(変化)を与えない、という利点を有する。
なお、A1は正面図でありA2は側面図である。
【0027】図1のB1及びB2は、第二の薬液通過部
3が比較的硬質の多孔質材料で形成され、本体容器に固
定片5がしっかり固定された態様である。かかる態様
は、第二の薬液通過部3が比較的硬質であるため、第一
の薬液通過部4の当接による負荷が与えられても噴霧装
置における第二の薬液通過部3の位置が変化しないとい
う利点を有する。なお、B1は正面図でありB2は側面
図である。
【0028】図1のC1及びC2は、第一の薬液通過部
4と第二の薬液通過部3が当接する方向と、第二の薬液
通過部3と振動板1とが弱接触する方向が異なる態様で
ある。かかる態様は、第一の薬液通過部4の当接により
発生する応力が、第二の薬液通過部3と振動板1との弱
接触の方向に直接影響しないため、弱接触の程度が変化
しないという利点を有するものである。なお、C1は正
面図でありC2は側面図である。
【0029】本明細書において、第一の薬液通過部及び
第二の薬液通過部が互いに当接する圧力は200g/c
2 以下が好ましいが、安定して第一の薬液通過部から
第二の薬液通過部に薬液供給されるように、0.1〜1
00g/cm2 の範囲で、前述した、第一と第二の薬液
通過部の当接方向や両通過部の構成によって適宜設定す
ることが特に好ましい。
【0030】本発明においては、第一の薬液通過部と第
二の薬液通過部との当接により、少なくとも一方の部材
が圧縮される態様が好ましい。この圧縮により、両薬液
通過部の接触が安定し、局所的に細孔が形成されて薬液
の吸い上げ速度が高められるといった効果が期待できる
だけではなく、かかる細孔には、薬液中に異物が含まれ
ていたとしても異物の移動を防ぐフィルターとしての役
割が期待できる。
【0031】該フィルター効果は、小さな粒子を噴霧さ
せる場合、例えばピエゾ噴霧部における振動板に設けた
多数の孔がφ10μm以下の径で構成される場合に特に
有用である。該細孔の直径は0.5〜30μm程度でも
よく振動板に設けた孔の径に対して必ずしも小さくある
必要はない。かかる細孔の直径は、薬液通過部に使用す
る部材を相応に圧縮し、該切断面を顕微鏡等により拡大
して測定することができる。
【0032】上記のように、吸液芯を第一の薬液通過部
と第二の薬液通過部とに分割することにより、薬液の補
充や薬液容器の交換を容易にし、ピエゾ噴霧部と吸液芯
(第二の薬液通過部)との間隔又は接触状態を一定にす
ることが達成される。即ち、ピエゾ噴霧部と吸液芯の間
隔や接触状態に変化を与え得る、薬液容器を構成する部
材のサイズのバラツキや容器収納時の設置位置のバラツ
キを吸収できるため、薬液容器の生産管理をより簡易に
できる。
【0033】本発明に用いられる第一の薬液通過部及び
/又は第二の薬液通過部の材質としては、連通孔を有す
る多孔質体、連続気泡を有する樹脂体又は樹脂繊維の集
合体が好ましいものとして例示できる。具体的には、ポ
リウレタン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリビニルホルマール、ポリスチレン等からなる連
続気泡を有する樹脂体、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ナイロン等の樹脂微粒子を主成分として打錠焼結さ
せた多孔質体、ポリフッ化エチレン等からなる多孔質
体、ポリエステル、ポリプロピレン、ナイロン、アクリ
ル、レーヨン、ウール等からなるフェルト部材、あるい
はポリオレフィン繊維、ポリエステル繊維、ナイロン繊
維、レーヨン繊維、アクリル繊維、ビニロン繊維、ポリ
フラール繊維、アラミド繊維等からなる不織布等の樹脂
繊維の集合体、セラミック等の無機粉体を主成分として
打錠焼結した多孔質の無機粉焼結体が例示できるが、何
らこれらに限定されるものではない。また、これらに界
面活性剤を処理したものでもよい。さらに第一の薬液通
過部と第二の薬液通過部の材質は同じであっても異なっ
ていても良い。
【0034】第一の薬液通過部及び第二の薬液通過部
は、薬液をピエゾ噴霧部へ供給する媒体であるから、薬
液の浸透性が高いものが好ましい。具体的には、第一の
薬液通過部に使用する部材の薬液の吸い上げ速度が10
分間以内のものが好ましく、5分間以内のものがより好
ましい。さらに好ましくは、該吸い上げ速度が上記の範
囲内であることに加えて、該薬液通過部材の薬液吸い上
げ能力が40mm以上のものであり、特に好ましくは該
吸い上げ能力が50mm以上のものである。本発明にお
いて薬液吸い上げ速度とは、室温25℃において、薬液
中に幅5mm、厚み5mm、長さ60mmの部材をその
下部より10mmの位置まで浸漬し、薬液面から上方3
0mmの位置に薬液が到達するまでの時間を意味する。
また、薬液吸い上げ能力とは、前記吸い上げ速度と同じ
方法において、浸漬開始から60分後に到達した薬液の
高さを意味する。
【0035】ここで、薬液通過部材が不織布等であっ
て、これらの厚み寸法が確保できないものにあっては、
幅5mm、長さ70mmの部材で厚みは特に規定しな
い。薬液の吸い上げ速度及び吸い上げ能力の測定は、噴
霧しようとする薬液を用いて行う。
【0036】次に、第二の薬液通過部に使用する部材に
あっては、前記第一の薬液通過部材と同様の条件を満足
することが好ましいが、実用上の観点から、第二の薬液
通過部材は、第一の薬液通過部材から供給される薬液を
ピエゾ噴霧部に安定して供給できるものであればよく、
その吸い上げ速度及び吸い上げ能力は特に限定されるも
のではない。
【0037】また、ピエゾ噴霧部と第二の薬液通過部と
の間隔又は接触状態は、使用条件等に左右されることな
く常に一定であることが好ましい。したがって、第二の
薬液通過部への薬液の染み入りによる第二の薬液通過部
の膨潤の程度はより小さいことが好ましい。
【0038】本発明においては、効率良く噴霧粒子を発
生させる観点から、吸液芯に該当する第一の薬液通過部
及び第二の薬液通過部の薬液供給速度は速い方が好まし
い。また、第一の薬液通過部及び第二の薬液通過部の薬
液供給速度は、ピエゾ噴霧部による薬液噴霧速度に対し
て、同等ないし速く設定するのが一般的であるが、薬液
噴霧量の精度を高める手法として、第一の薬液通過部及
び/又は、第二の薬液通過部の薬液供給速度を該噴霧速
度よりも遅く設定して、噴霧量を制御することもでき
る。この手法は、特に比較的短時間の噴霧をくり返して
行う噴霧装置において効果的であり、機械的又は電気的
な噴霧量制御に加えて、薬液通過部における薬液供給量
制御が行われるため、一回当りの噴霧量、ひいては単位
時間当りの噴霧量の精度を向上させるのに好適である。
【0039】本発明における噴霧装置内への薬液容器の
収納方式は、薬液容器が噴霧装置内に着脱自在であり、
噴霧装置内に薬液容器を収納した場合に第一の薬液通過
部の一端と第二の薬液通過部の一端とが当接するような
方式であれば特に限定されない。例えば、薬液容器を横
方向から水平に移行させて嵌合させるという方式(横ス
ライド嵌合方式)、薬液容器を横方向からわずかな回転
角度をともなって嵌合させるという方式(側方スナップ
嵌合方式)、薬液容器をピエゾ噴霧部に対して略垂直
(上方側)から嵌合させるという方式(上方装着方
式)、又は、略垂直(下方側)から嵌合させるという方
式(下方装着方式)等が挙げられる。これらのうち、横
スライド嵌合方式、側方スナップ嵌合方式又は上方装着
方式が薬液容器着脱に対して装置本体を持ち上げる等の
操作が不用で、薬液容器の取りかえが簡便という観点か
らより好ましい収納方式である。
【0040】次に、図面により本発明の装置について説
明する。
【0041】図2は、本発明のピエゾ式薬液噴霧装置の
一実施態様を示す概略構成図であり、噴霧装置の断面図
である。噴霧装置11内には薬液容器12が備えられて
いる。該薬液容器12は噴霧装置11内に着脱自在に収
納されており、噴霧装置11に設けられている回転式カ
バー13を開けることにより、該薬液容器12の噴霧装
置11内への出し入れを行う。また、吸液芯としての部
材は第一の薬液通過部4と第二の薬液通過部3に分割さ
れており、薬液容器12が噴霧装置11の所定の位置に
収納されることにより、第一の薬液通過部4の他端と第
二の薬液通過部3の一端が当接し、吸液芯として機能す
る。ここで、薬液容器12の収納方式は側方スナップ嵌
合方式である。
【0042】薬液容器12には第一の薬液通過部4が設
けられ、その一端は薬液14に接している。さらに第一
の薬液通過部4の他端は噴霧装置11に設けられた第二
の薬液通過部3の一端に当接している。
【0043】噴霧装置11には、ピエゾ発振子15及び
ピエゾ発振子15に固着した振動板1が設けられ、該振
動板には多数の孔が規則的な配列で設けられている。こ
こで、第二の薬液通過部3の他端は振動板1と弱接触し
ている。
【0044】図2の装置においては、電源として電池1
6が用いられている。電池カバー21を開けることによ
り、噴霧装置11内への電池16の出し入れを行う。ま
た、図示していないが、ピエゾ発振子15に接続されて
なる発振制御回路を有し、該発振制御回路はピエゾ発振
制御機能及びタイマー制御機能を有するものである。第
一の薬液通過部4と第二の薬液通過部3との当接部周辺
にはパッキン部材17が設けられている。薬液容器12
には薬液14の液面よりも高い位置にベント孔18が設
けられている。
【0045】スライドスイッチ20を図示した位置にス
ライドさせることにより、噴霧口19が開口されて、噴
霧作動を開始する。
【0046】薬液は、図中の矢印に示すように、薬液容
器12から第一の薬液通過部4及び第二の薬液通過部3
を通過して、第二の薬液通過部3の他端と弱接触してい
る振動板1に供給される。振動板1の振動により、薬液
は噴霧口19を通って噴霧される。
【0047】図3は、本発明の他の態様の概略構成を示
す断面図である。
【0048】かかる態様においては、ピエゾ発振子2上
に微小な間隙を有して、薄板としての金属メッシュ7が
配設され、該間隙に対して第二の薬液通過部3から薬液
が供給されるものである。
【0049】薬液は図中矢印に示すように、薬液容器1
2から第一の薬液通過部4及び第二の薬液通過部3を通
過して、第二の薬液通過部3の他端よりピエゾ発振子2
の上面に供給され、そして前記微小間隙に薬液が広がっ
て入り込む。さらに金属メッシュに設けられた各孔に薬
液が入り、微小な液柱を形成し、これがピエゾ発振子の
厚み方向の振動で霧化噴霧される。
【0050】
【実施例】以下、実施例、比較例及び試験例により本発
明をさらに詳細に説明するが、本発明はかかる実施例等
により何ら限定されるものではない。
【0051】図2に示されるピエゾ式薬液噴霧装置と同
様(類似)の薬液噴霧装置を作製した。かかる薬液噴霧
装置を実施例1〜10、比較例1〜4で使用した。
【0052】本装置におけるピエゾ発振子には環状ディ
スク型を使用し、ピエゾ発振子に接着された振動板には
φ3〜5μmの多数の孔が規則的な配列で設けられてい
る。ここで、孔は振動板においてその薬液供給面(裏
面)から薬液噴霧面(表面)に向けて縮径した構造であ
り、ここでいう孔径は振動板表面側の開口サイズであ
る。また、振動板の有効噴霧面積を約50mm2 として
いる。
【0053】ピエゾ発振子の駆動には、電源としてDC
3VのACアダプターを使用し、装置内の発振制御回路
にて周波数113KHz、電圧43Vに制御し、さらに
この出力を約0.5秒間出力、約29.5秒間休止させ
るタイマー制御を行って、ピエゾ発振子を間欠駆動させ
た。
【0054】実施例1〜10 前述の薬液噴霧装置において、該噴霧装置内の所定の位
置に薬液容器を装着した時、第一の薬液通過部の一端と
第二の薬液通過部の一端は当接し、第二の薬液通過部の
他端が振動板と弱接触するように、第二の薬液通過部を
装置本体に固定した。第一の薬液通過部の長さは30m
m、第二の薬液通過部の長さは、実施例1では水平方向
に20mm、実施例2〜10では垂直方向に15mmと
した。薬液通過部に使用した部材、薬液通過部の接合方
式、薬液容器の嵌合方式を表1、表2に示す。尚、無機
粉焼結体には比較的密度の低いセラミック製多孔質体を
使用した。
【0055】また、薬液容器の上部には0.8mm2
ベント孔を設け、容器内部の圧力が常に外圧と等しくな
るようにした。
【0056】比較例1〜4 前述の薬液噴霧装置及び薬液容器において、比較例1〜
4では、吸液芯は分割されたものではなく、吸液芯が直
接振動板へ薬液を供給する方式とした。吸液芯と振動板
は、初回取り付け時において薬液容器を噴霧装置内の所
定の位置に装着した際に両者が弱接触するようにその間
隔を調整した。薬液通過部に使用した部材、薬液容器の
嵌合方式を表1、表2に示す。尚、比較例4における無
機粉粘結体には一般に液体式加熱蒸散剤に使用されてい
るクレー、タルク、ケイソウ土等の無機粉体を有気質粘
結剤で固めた密度の高い吸液芯を使用した。
【0057】また、薬液容器の上部には0.8mm2
ベント孔を設けた。
【0058】
【表1】
【0059】
【表2】
【0060】薬液通過部の接合方式について、タイプA
とは図1のA1、A2に示される方式であり、タイプB
とは図1のB1、B2に示される方式であり、タイプD
とは図2に示される方式である。
【0061】比較例5 従来より用いられている液体式加熱蒸散装置を比較例5
とした。吸液芯は無機粉粘結体である。容器形状の都合
により吸液芯の長さは30mmとし、薬液容器内部にお
ける吸液芯の下部にポリエチレン焼結体を接続した構造
とした。また、液体式加熱蒸散装置はAC100V印加
によりPTC発熱体が発熱し、該吸液芯の上方が間接的
に加熱されて薬液が蒸散する構成である。
【0062】試験例1 実施例1〜4及び比較例1〜3の装置を用いて、薬液噴
霧試験を行った。
【0063】薬液容器を装置本体に装着して装置を24
時間作動させ、初回の薬液噴霧量を求めた。次いで、薬
液容器を装置本体から取り外し、再び取り付ける操作を
繰り返した。これを所定回数(10回、20回、30
回)行った時点で、装置を24時間作動させて薬液噴霧
量を求めた。それぞれについて装置を24時間作動させ
た時の薬液減少重量から1時間当りの噴霧量(容量)を
算出した。
【0064】試験例1で用いた薬液は、有効成分として
d・d−T80−プラレトリン(エトック)を2.67
%(w/v)含有するn−パラフィン溶液であり、この
n−パラフィンは炭素原子数14の脂肪族飽和炭化水素
を主に含有するものであった。
【0065】試験においては、初期の1時間当りの噴霧
量を約30μlに設定した。
【0066】結果を表3に示す。
【0067】
【表3】
【0068】表3より、薬液容器の着脱にかかわらず、
本発明の装置の噴霧量は非常に安定していることが分か
った。一方、比較例の装置は、薬液容器の着脱によって
噴霧量が大きくばらついていた。これは、本発明の装置
は、薬液容器の着脱にかかわらず、振動板と吸液芯との
接触状態が一定であるのに対し、比較例の装置は薬液容
器の着脱毎にその接触状態にぶれが生じることによるも
のと思われる。
【0069】試験例2 実施例3〜10及び比較例4、5の装置を用いて、薬液
の噴霧又は蒸散を行った。噴霧又は蒸散開始から所定時
間(10時間、300時間、600時間、900時間、
1200時間)経過後の有効成分の放出量を求めた。結
果を表4に示す。
【0070】噴霧の態様は、約0.5秒間噴霧後、約2
9.5秒間休止するサイクルを繰り返す間欠噴霧とし、
初期の1時間当りの噴霧量を約30μlに設定した。た
だし、比較例4については、比較例1の装置及び薬液容
器において、第一の薬液通過部の材質のみ変更して装置
を作動させた。
【0071】有効成分の放出量は次のようにして求め
た。即ち、噴霧又は蒸散した薬液(有効成分)をシリカ
ゲルに吸引捕集し、これをアセトン抽出して抽出物を
得、そして得られる抽出物をガスクロマトグラフ法によ
り定量分析して有効成分の放出量を求めた。
【0072】試験例2で用いた薬液は、有効成分として
d・d−T80−プラレトリン(エトック)を2.67
%(w/v)含有するn−パラフィン溶液であり、この
n−パラフィンは炭素原子数14の脂肪族飽和炭化水素
を主に含有するものであった。
【0073】
【表4】
【0074】表4より、実施例3〜10における有効成
分の放出量は作動開始から長期に亘って安定しており、
比較例5における従来の液体式加熱蒸散方式に比べても
有効成分の放出が安定していた。比較例4では初期段階
から噴霧に支障を来たし、経時的には有効成分が放出さ
れなくなった。
【0075】
【発明の効果】本発明のピエゾ式薬液噴霧装置は、薬液
の交換操作が容易で薬液交換時の液こぼれがなく、噴霧
安定性が優れたものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明における、振動板、ピエゾ発振
子、第二の薬液通過部及び第一の薬液通過部の構成例で
ある。
【図2】図2は、本発明のピエゾ式薬液噴霧装置の一実
施態様を示す概略構成図であり、噴霧装置の断面図であ
る。
【図3】図3は、本発明のピエゾ式薬液噴霧装置の一実
施態様を示す概略構成図であり、噴霧装置の断面図であ
る。
【符号の説明】
1 振動板 2 ピエゾ発振子 3 第二の薬液通過部 4 第一の薬液通過部 5 固定片 6 固定部 7 金属メッシュ 11 噴霧装置 12 薬液容器 13 回転式カバー 14 薬液 15 ピエゾ発振子 16 電池 17 パッキン部材 18 ベント孔 19 噴霧口 20 スライドスイッチ 21 電池カバー

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 噴霧装置内に着脱自在に収納される薬液
    容器を備え、噴霧装置内に設けられたピエゾ噴霧部に、
    吸液芯を用いて薬液を供給するピエゾ式薬液噴霧装置で
    あって、(A)吸液芯が第一の薬液通過部と第二の薬液
    通過部に分割され、(B)その一端が薬液に接するよう
    に第一の薬液通過部が薬液容器に設けられると共に、他
    端が第二の薬液通過部の一端に当接し、(C)第二の薬
    液通過部の他端がピエゾ噴霧部に弱接触する位置又は接
    触する位置に設けられ、薬液が第一の薬液通過部及び第
    二の薬液通過部を通過して該ピエゾ噴霧部へ供給される
    ことを可能としたことを特徴とするピエゾ式薬液噴霧装
    置。
  2. 【請求項2】 第二の薬液通過部の他端が弱接触する又
    は接触するピエゾ噴霧部の部材が振動板、薄板又はピエ
    ゾ発振子のいずれかである請求項1記載の薬液噴霧装
    置。
  3. 【請求項3】 第一の薬液通過部及び/又は第二の薬液
    通過部が、連通孔を有する多孔質体、連続気泡を有する
    樹脂体又は樹脂繊維の集合体により構成される請求項1
    又は2記載の薬液噴霧装置。
  4. 【請求項4】 第一の薬液通過部に用いる部材の薬液の
    吸い上げ速度が10分間以内である請求項1〜3いずれ
    か記載の薬液噴霧装置。
  5. 【請求項5】 第一の薬液通過部と第二の薬液通過部と
    の当接により、少なくとも一方の部材が圧縮される請求
    項1〜4いずれか記載の薬液噴霧装置。
  6. 【請求項6】 薬液容器に、孔の開口面積が1mm2
    下のベント孔が設けられた請求項1〜5いずれか記載の
    薬液噴霧装置。
  7. 【請求項7】 第一の薬液通過部と第二の薬液通過部と
    の当接部周辺にパッキン部材が設けられた請求項1〜6
    いずれか記載の薬液噴霧装置。
  8. 【請求項8】 薬液容器の収納方式が横スライド嵌合方
    式、側方スナップ嵌合方式又は上方装着方式である請求
    項1〜7いずれか記載の薬液噴霧装置。
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