JP6348803B2 - 超音波霧化装置 - Google Patents

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Description

本発明は、水、薬液等の液体を超音波振動によって霧化する超音波霧化装置に関する。
有効成分を含有した薬液等の液体を室内又は屋外の空間に噴霧する手段として、超音波霧化装置が知られている。超音波霧化装置は、通電により超音波振動を生じる圧電振動子と、この圧電振動子に固着され、多数の微細孔を有する振動板とを有しており、微細孔に液体を供給し、圧電振動子の振動によって振動板に超音波振動を生じさせることで液体を霧化するように構成されている。
ここで、特許文献1のピエゾ式薬液噴霧装置は、吸液芯、薬液容器、およびピエゾ噴霧部を備え、吸液芯は、第一の薬液通過部と第二の薬液通過部に分割されている。また、第一の薬液通過部は薬液容器側に設けられ、第二の薬液通過部は装置本体側に設けられている。
特許文献2の振動式噴霧装置では、噴霧されるべき液体が、ウィックから振動型オリフィスプレートの裏面に供給され、オリフィスプレートは、プレートの噴霧用オリフィスを通して液体をポンプ作用によって引き上げて上側から液体を放出させる。プレートのオリフィスを通してポンプ作用によって引き上げられた未放出の液体は、プレートの下方領域の孔を介して下方に戻る。
特開平11−221505号公報(平成11年8月17日公開) 特表2003−535692号公報(平成12年2月22日公開)
しかしながら、特許文献1、2の技術には次のような問題がある。
具体的には、特許文献1のピエゾ式薬液噴霧装置は、第二の薬液通過部が、装置本体側に設けられ、ピエゾ噴霧部と常に微接触または接触する。このため、薬液容器に薬液がなくなり第二の薬液通過部が乾燥すると、当該第二の薬液通過部の繊維等が振動板の微細孔を閉塞させ、このことが薬液の噴霧量を不安定にする原因となる。また、その原因を取り除くには第二の薬液通過部または振動板を交換する必要があるが、振動板を交換するとコストがかかる。また、ユーザ自身が第二の薬液通過部または振動板を交換すると、振動板と第二の薬液通過部とを強く接触させたり、振動板と第二の薬液通過部との接触が不十分になるなど、薬液の安定噴霧に問題が生じることもある。
特許文献2の振動式噴霧装置では、ポンプ作用によって引き上げられた未放出の液体は、プレートの下方領域の孔を介して下方に戻る。すなわち、特許文献2の振動式噴霧装置では、ウィックから振動型オリフィスプレートの裏面に供給される液体はオリフィスプレートへ過剰に供給されることを前提とする技術である。そのため、特許文献2の振動式噴霧装置では、オリフィスプレートへの液体の供給量は、噴霧の安定性等を考慮して決められたものではないと言える。
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、その目的は、噴霧の安定性に優れた超音波霧化装置を提供することにある。
本発明に係る超音波霧化装置は、上記の課題を解決するために、自装置に着脱自在に装着される液体容器内の液体を霧化噴霧するために圧電振動子によって振動する振動板を備えた超音波霧化装置であって、上記液体容器には、当該液体容器内の液体を吸液する吸液芯と、上記吸液芯が吸液した上記液体を上記振動板に供給する吸収体と、が備えられており、上記吸収体は、上記液体容器が自装置に着脱されるときに、上記液体容器とともに上記超音波霧化装置に着脱され、上記振動板が振動することにより、上記吸収体によって供給された液体が霧化噴霧され、上記吸収体は、直径6mm、高さ2mmの円柱形状に相当する体積あたりに保持できる炭素数12のノルマルパラフィンの保液重量が、54mg以上、かつ、86mg以下であることを特徴としている。
上記の構成によれば、上記吸収体は、上記液体容器が自装置に着脱されるときに、上記液体容器とともに上記超音波霧化装置に着脱される。
つまり、超音波霧化装置から液体容器を取り出すとき、吸収体は、液体容器とともに取り出されるため、超音波霧化装置側に残ることはない。このため、液体容器中に液体がなくなり吸収体が乾燥したとき、液体容器を交換する際には吸収体ごと交換されることから、超音波霧化装置を再稼動したときに吸収体に由来する繊維等によって振動板の微細孔が閉塞することが抑制される。
したがって、本発明に係る超音波霧化装置は、上記閉塞が理由で、液体の噴霧量を不安定にさせることがない。また、本発明に係る超音波霧化装置は、高いコストを要する振動板の交換をユーザに強いることも少なくなる。
さらに、本発明に係る超音波霧化装置では、上記吸収体は、直径6mm、高さ2mmの円柱形状に相当する体積あたりに保持できる炭素数12のノルマルパラフィンの保液重量が、54mg以上、かつ、86mg以下である。これにより、本発明に係る超音波霧化装置は吸液芯の吸液速度によらず、運転中の噴霧量が安定している。
このように、本発明に係る超音波霧化装置は、上記の構成を備えることで、液体容器を交換した後、および、運転中の何れの場合にも、噴霧の安定性を維持することができる。
また、本発明に係る超音波霧化装置では、上記吸液芯は、炭素数12のノルマルパラフィンを使用したときの吸液速度が0.24mm/秒以上、かつ、1.78mm/秒以下であってよい。
本発明に係る超音波霧化装置は、当該範囲の吸液速度を有する吸液芯を用いた場合に噴霧量が安定している。
また、本発明に係る超音波霧化装置では、上記吸収体は、上記振動板との接触面が、当該吸収体と接触する上記振動板の接触面に対応する形状であってもよい。
上記の構成によれば、吸収体は、振動板と吸収体との接触状態を良好に保つことができ、振動板と吸収体とを強く接触させたり、振動板と吸収体との接触が不十分であるなど、薬液噴霧の安定性に影響を与える原因を軽減することができる。
本発明に係る液体容器は、以上のように、上記液体容器には、当該液体容器内の液体を吸液する吸液芯と、上記吸液芯が吸液した上記液体を上記振動板に供給する吸収体と、が備えられており、上記吸収体は、上記液体容器が自装置に着脱されるときに、上記液体容器とともに上記超音波霧化装置に着脱され、上記振動板が振動することにより、上記吸収体によって供給された液体が霧化噴霧され、上記吸収体は、直径6mm、高さ2mmの円柱形状に相当する体積あたりに保持できる炭素数12のノルマルパラフィンの保液重量が、54mg以上、かつ、86mg以下である。
それゆえ、噴霧の安定性に優れた超音波霧化装置を提供することできるという効果を奏する。
本実施の形態に係る超音波霧化装置の概略図である。 本実施の形態に係る超音波霧化装置の霧化部の拡大図である。 吸液芯および吸収体の一体化構造の実施例を示し、(a)はキャップ構造を示し、(b)は綿棒構造を、(c)は差込構造を、(d)は2芯構造を示す。 吸液芯および吸収体の一体化構造の実施例を示し、(a)は2芯綿棒構造を、(b)は接着構造を、(c)はストロー型接着構造を、(d)はストロー型綿棒構造を示す。 吸液芯の吸液速度(mm/s)および吸収体の保液重量(mg)が超音波霧化装置の噴霧安定性に及ぼす影響を示す表である。
まず、本実施の形態に係る超音波霧化装置1、液体容器20、吸収体23について図1等を参照しながら説明する。図1は、超音波霧化装置1の概略図である。図2は、超音波霧化装置1の霧化部30の拡大図である。
(超音波霧化装置1について)
超音波霧化装置1は、水や薬液等の液体を超音波振動によって霧化する装置であって、霧化部30を備えた装置本体10と、装置本体10に着脱自在に収容、装着される液体容器20とを備える。ここで、以下の説明では、液体は、水または殺虫剤、殺菌剤、香料等の薬液であるものとして説明する。
(装置本体10)
装置本体10は、霧化部30を備えるとともに、着脱自在に液体容器20を収容する。霧化部30は、図2に示すように、通電によって超音波振動を生じる圧電振動子31と、圧電振動子31の振動によって薬液を霧化する振動板32と、圧電振動子31の上面及び振動板32の下面にそれぞれに添わせた円環状の弾性部材としての一対の弾性リング33と、この一対の弾性リング33を介して圧電振動子31及び振動板32を弾性的に挟み込んで保持するケーシング34とを備える。
圧電振動子31は、中央部に開口部35が形成された円形薄板状の圧電セラミックスによって構成されている。この圧電振動子31は、厚さ方向に分極されており、両面に形成された電極(図示せず)に高周波電圧を印加することにより、径方向への超音波振動を生じる。圧電振動子31は、例えば、厚さが0.1〜4.0mm、外径が6〜60mmであり、駆動周波数が30〜500kHzである圧電振動子であればよい。
振動板32は、例えばニッケルからなる円形の薄板からなる。この振動板32は、圧電振動子31の開口部35を覆った状態で、図1において圧電振動子31の下面に対して圧電振動子31と同心に接合(固着)されている。この振動板32は、例えば、厚さが0.02〜2.0mm、外径が6〜60mmである。振動板32の外径は、圧電振動子31の開口部35の内径寸法より大きくなるように、圧電振動子31の大きさに応じて適宜選択される。
振動板32における圧電振動子31の開口部35に臨む部分には、厚さ方向に貫通した多数の微細孔36が形成されている。つまり、振動板32には、霧化用の多数の微細孔36が形成されている。微細孔36の孔径は、直径3μm〜150μmであるのが好ましい。
振動板32の中央部には、その頂部から裾部へかけて曲面で構成された凸状部37が設けられている。この凸状部37は、上方(薬液の噴霧方向)へ膨出したドーム状である。振動板32の中央部をかかる形状とすることによって、薬液をより拡散しやすくすることができる。この凸状部37は圧電振動子31の径方向への伸縮(振動)に伴って、上下方向の超音波振動を生じる。
弾性リング33は一対設けられている。かかる一対の弾性リング33は、ケーシング34と圧電振動子31の上面との間、及びケーシング34と振動板32の下面との間で弾性変形した状態で、それぞれ圧電振動子31及び振動板32と同心状に、前記上面及び下面に対して接触している。
この弾性リング33としては、線径0.5mm〜3mmのOリングが好適に用いられる。また、弾性リング33の硬さは20〜90IRHDであるのが好ましい。これにより、圧電振動子31及び振動板32を適度な弾力で保持して、圧電振動子31及び振動板32が過度に振動するのを効果的に抑制することができる。このため、薬液をより安定的に霧化させることができる。
なお、圧電振動子31の上面に接触させた弾性リング33と、振動板32の下面に接触させた弾性リング33とは、平均径[(内径+外径)/2]、線径、硬さ等が同一のものが好ましく、特に平均径については同じものがよい。
弾性リング33の素材としては、ニトリルゴム、フッ素ゴム、エチレンプロピレンゴム、シリコーンゴム、アクリルゴム、水素化ニトリルゴム等が挙げられる。
弾性リング33は、前記Oリングに代えて、断面形状が楕円、四角形、三角形あるいは菱形等のリングであってもよく、また、D字型、X字型、T字型等のリングであってもよい。また、この弾性リング33は、周方向に完全につながって連続している必要はなく、周方向に一箇所切れ目が入っていてもよく、周方向に数箇所間欠的に切れ目が入っていてもよい。
振動板32の凸状部37は、頂部が曲面で構成されたドーム状のみならず、この頂部が平面で構成された円錐台状であってもよく、その形状は任意である。
ここで、錐台とは、錐体から、頂点を共有し相似に縮小した錐体を取り除いた立体図形を言う。言い換えれば、錐台とは、錐体面と2つの平行な平面によって囲まれる立体図形である。そして、円錐からできる錐台を円錐台、角錐からできる錐台を角錐台、n角錐からできる錐台をn角錐台と称される。
凸状部37が円錐台状である場合とは、複数の微細孔36が形成された上面を上底とし、振動板32における凸状部37の立ち上がり面を錐体面とみなしたとき円錐台状である。そして、実在しない下底に対応する部分に吸液芯22および吸収体23が位置決めされ、吸収体23から凸状部37に液体が供給される。
より具体的に、錐台が円錐台状である場合を説明する。円錘台状の凸状部37の上底の直径は円筒状の吸液芯22の直径未満であることが好ましい。また、実在しないが、凸状部37の下底は、その直径が吸液芯22の直径と同じかそれよりやや大きいことが好ましい。そして、円錘台状の凸状部37の上底の直径は、1.0mm以上、7.0mm以下であることが好ましい。凸状部37の下底の直径は、2.2mm以上、11.0mm以下であることが好ましい。凸状部37の高さ(上底と下底との距離)は0.1mm以上、2.0mm以下であることが好ましい。凸状部37の下底と凸状部37の斜面との角度は45度以下であることが好ましい。
さらに、振動板32として凸状部37を噴霧方向に突出させた凸型振動板を例示したが、凸状部37を噴霧方向と反対方向に突出させて凹状部とした凹型振動板であってもよい。また、振動板32は、中央部に凸状部及び凹状部を有しない平板型振動板であってもよい。
また、円形薄板状の振動板32が圧電振動子31の開口部35を完全に覆うものを例示したが、矩形薄板状の振動板を用い、この振動板を圧電振動子31の開口部35を跨ぐように掛け渡し、振動板の両端部を圧電振動子31の一方の面に固着するようにしてもよい。
なお、霧化部30は、上記の構造のものの他に、公知のピエゾ噴霧部を用いてもよく、適宜選択されうる。
(液体容器20)
液体容器20は、容器本体21と、吸液芯22と、吸収体23とを備え、装置本体10に着脱自在に収容される。
容器本体21は、例えば、上部に開口部24を有する有底円筒状の容器から構成されている。容器本体21には薬液が入れられている。容器本体21の素材としては、ガラスや合成樹脂等が挙げられる。
吸液芯22は、例えば不織布からなる直径が2mm〜6mmの円柱状のものである。吸液芯22の下部側は、容器本体21内の薬液に浸漬されており、薬液を毛細管現象によって吸液芯22の上部側に供給することができる。その吸液芯22の上部側には吸収体23が設けられている。
吸液芯22は、円柱状のみならず、角柱状であってもよく、その形状は任意である。また、吸液芯22の太さは、圧電振動子31の開口部35に挿入できる太さであればよい。
吸収体23は、吸液芯22の上部側において吸液芯22と一体に設けられている。つまり、吸収体23は、液体容器20が超音波霧化装置1に着脱されるときに、液体容器20とともに超音波霧化装置1に着脱される。吸収体23は、振動板32の凸状部37に近接又は接触しており、その凸状部37に、吸液芯22が吸液した薬液を供給する。これにより振動板32から薬液を噴霧でき、また、その噴霧量の安定性を保つことができる。このことを後述の効果確認試験で詳述する。
なお、吸液芯22と吸収体23との一体化構造は、様々な形態によって実現することができ、その幾つかの例を図3、図4を用いて後述する。また、以下の説明では、吸液芯22と吸収体23との一体化構造を「二芯一体化構造」と称する場合もある。
また、本実施の形態では、「一体」は、同一の構造のようになっていること、あるいは、一つにまとまっている状態を含む表現として用いる。
吸液芯22および/または吸収体23は、容器本体21に固定され、かつ、液体容器20(または、容器本体21)から着脱可能に取り付けられる。
なお、吸液芯22および吸収体23の材質としては、連通孔を有する多孔質体、連続気泡を有する樹脂体又は樹脂繊維の集合体が好ましいものとして例示できる。具体的には、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリビニルホルマール、ポリスチレン等からなる連続気泡を有する樹脂体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン等の樹脂微粒子を主成分として打錠焼結させた多孔質体、ポリフッ化エチレン等からなる多孔質体、ポリエステル、ポリプロピレン、ナイロン、アクリル、レーヨン、ウール等からなるフェルト部材、あるいはポリオレフィン繊維、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、レーヨン繊維、アクリル繊維、ビニロン繊維、ポリフラール繊維、アラミド繊維等からなる不織布等の樹脂繊維の集合体、セラミック等の無機粉体を主成分として打錠焼結した多孔質の無機粉焼結体が例示できるが、何らこれらに限定されるものではない。また、これらに界面活性剤を処理したものでもよい。
後述するように、吸収体23は、直径6mm、高さ2mmの円柱形状の炭素数12のノルマルパラフィンが保持できる重量換算値で、保液重量が54mg以上、かつ、86mg以下であることが好ましい。つまり、吸収体23は、直径6mm、高さ2mmの円柱形状に相当する体積あたりに保持できる炭素数12のノルマルパラフィンの保液重量が、54mg以上、かつ、86mg以下であることが好ましい。吸収体23は、空隙率の異なる上記の材質の中より適宜選択し、吸収芯と一体化し得る形状に加工することにより製造することができる。
装置本体10への液体容器20の収容方式は、液体容器20が装置本体10内に着脱自在に収容され、装置本体10内に液体容器20を収容した状態で吸収体23と振動板32の凸状部37とが近接または接触するような方式であれば特に限定されない。例えば、液体容器20を横方向から水平に移行させて嵌合させる方式や液体容器20を横方向からわずかな回転角度をともなって嵌合させる方式などがある。
(吸液芯22および吸収体23の一体化構造について)
次に、吸液芯22および吸収体23の一体化構造の実施例を図3、図4により説明する。図3および図4は、吸液芯22および吸収体23の一体化構造の実施例を示す。このうち、図3(a)はキャップ構造を示し、図3(b)は綿棒構造を示し、図3(c)は差込構造を示し、図3(d)は芯構造を示す。また、図4(a)は2芯綿棒構造を示し、図4(b)は接着構造を示し、図4(c)はストロー型接着構造を示し、図4(d)はストロー型綿棒構造を示す。
なお、図3、図4は、各実施例の基本的な形状を示すものであって、長さ、奥行き、幅、吸液芯22と吸収体23との相対的な大きさ、位置関係などは適宜変更することができる。また、図3、図4において、図面上側に振動板32が配置され、図面下側に液体容器20が配置される。したがって、吸収体23は、図面上側の振動板32(不図示)と近接又は接触する。
最初に、図3(a)のキャップ構造を説明する。キャップ構造では、吸収体23aは吸液芯22aの上にコの字型(凹状)に被せられ、その凹状部に吸液芯22aの一端が嵌合される。これにより、吸収体23aは、吸液芯22aの上記一端に蓋をするような状態で、吸液芯22aと一体に設けられる。図2の吸収体23はこのキャップ構造を用いている。この場合、吸収体23の保液力により、図面上側の振動板32(不図示)に安定的に薬液が供給される。
次に、図3(b)の綿棒構造について説明する。図示するように、綿棒構造では、吸収体23bは吸液芯22aと一体に設けられ、このとき、吸液芯22aおよび吸収体23bの外形により規定される形状が綿棒に類似する。この場合、吸収体23bは、その保液力により図面上側の振動板32に安定的に薬液を供給することができ、かつ、振動板32の凸型形状に対応する形状を形成できる。
図3(c)の差込構造について説明する。図示するように、差込構造では、吸収体23cは、T字状の断面形状を有し、T字を形成する棒状部分が吸液芯22bに差し込まれている。この場合、吸収体23cを吸液芯22bに構造的に安定に保持することができる。
図3(d)の2芯構造について説明する。2芯構造では、円柱状の吸収体23dが、吸液芯22cの内部に、吸液芯22cの軸方向にわたって嵌挿されている。つまり、吸収体23dは、吸液芯22cの一端から他端に至るまで嵌挿されており、一端が容器本体21の薬液に浸漬している。これにより、2芯構造では、吸液芯22cおよび吸収体23dが容器本体21から薬液を吸収(吸液)する。そして、吸収体23dは、容器本体21側とは異なる側の一端において振動板32と近接または接触するため、吸液芯22cが吸液した薬液を振動板32に供給する役割を果たす。
なお、ここで述べる空隙率は、(1−(吸液芯または吸収体の重量)/(吸液芯または吸収体の体積)×(吸液芯または吸液体の材質の密度))×100により算出されるものである。このことは、後述する実施例においても同様である。
図4(a)の2芯綿棒構造について説明する。図示するように、2芯綿棒構造は、図3(b)の綿棒構造と図3(d)の2芯構造とを組み合わせた構造である。2芯綿棒構造は、吸液芯22cと、吸収体23dと、吸収体23eとを用いる。吸収体23dおよび吸収体23eは、同じ材質であっても、異なる材質であってもよい。また、吸収体23eは、その保液力により振動板32に安定的に薬液を供給することができ、かつ、振動板32の凸型形状に対応する形状を形成できる。
図4(b)の接着構造について説明する。接着構造では、吸収体23fは吸液芯22aに接着剤等の接着部材を用いて接着されている。接着部材は、吸液芯22aから吸収体23fへの薬液の供給を阻害しない特性を有することが好ましい。なお、接着部材は、吸液芯22aと吸収体23fの接触面の全面に用いられてもよいし、当該接触面の一部にのみ用いられてもよい。この場合、材料コストを抑えることができる。
図4(c)のストロー型接着構造について説明する。ストロー型接着構造では、吸液芯22aがストロー様の筒25に嵌挿されている。吸収体23fは、ストロー様の筒25に嵌挿された吸液芯22aの一端(振動板側)において、吸液芯22aと一体に設けられる。筒25は、薬液を吸収しない材質からなる。
図4(d)のストロー型綿棒構造について説明する。図示するように、ストロー型綿棒構造は、図4(c)のストロー型接着構造の吸収体23fを図3(b)の綿棒構造の吸収体23bに置き換えた構造である。ストロー型綿棒構造は、吸液芯22aと、吸収体23bと、筒25とを用いる。ストロー型綿棒構造では、吸収体23bは、その保液力により振動板32に安定的に薬液を供給することができ、かつ、振動板32の凸型形状に対応する形状を形成することができる。
以上、図3および図4により種々の実施例を説明した。このように、吸収体23は、種々の形状、構造によって吸液芯22と一体に設けられる。
さらに、図3および図4に示すように、吸収体23は、振動板32との接触面が、凸状、凹状、または平坦など、種々の形状で形成されてよい。ただし、吸収体23は、振動板32との接触面が、吸収体23と接触する振動板32の接触面に対応する形状であることが好ましい。つまり、薬液の噴霧方向とは反対の側の振動板32の形状が凹状、凸状、または平坦である場合に、吸収体23は、振動板32との接触面が、凸状、凹状、または平坦等であることが好ましい。
これにより、吸収体23は、振動板32と吸収体23との接触状態を良好に保つことができ、振動板32と吸収体23とを強く接触させたり、振動板32と吸収体23との接触が不十分であるなど、薬液噴霧の安定性に影響を与える原因を軽減、排除することができる。このように、吸液芯22および/または吸収体23は、振動板32の形状や特性に応じて一体化構造の種類を変更してよく、それによって最適な薬液噴霧を実現できる。
また、吸液芯22および/または吸収体23は、容器本体21に固定されているものの、液体容器20(または、容器本体21)から着脱可能に付設されてよい。これにより、例えば吸液芯22および/または吸収体23に不具合が認められ、液体容器20中に薬液が残っているような場合に、吸液芯22および/または吸収体23のみ交換することにより超音波霧化装置1を噴霧の安定性を保ちつつ運転することができる。そして、これにより、部品(部材)の交換コストの低減、および薬剤の有効利用という付加価値をユーザに提供することができる。
(効果確認試験)
以下、実施例によって本発明をさらに詳しく説明するが、本発明は、これらに限定されるものではない。
(超音波霧化装置の作製)
以下の仕様の超音波霧化装置を作製した。
(1)圧電振動子31:外径15mm、内径5mm、厚さ0.4mmの圧電セラミックス(2)振動板32:凸型振動板
(3)印加電圧:30Vp−p
(4)圧電振動子31(超音波励振機)の周波数:110kHz
(二芯一体化構造芯の作製)
以下の仕様の二芯一体化構造芯を作製した。
(二芯一体化構造芯A)
本効果確認試験で用いた二芯一体化構造芯は、図3(a)に示すキャップ構造に対応する。
(1)吸液芯22:内径4.5mmのポリプロピレン樹脂繊維及びポリエチレン樹脂繊維集合体
(2)吸収体23:木材パルプと合成繊維の集合体(製品名:AY−80(王子キノクロス社製))
(3)一体化構造:吸液芯22に吸収体23を被せ、シールチューブで挟持
(二芯一体化構造芯B)
本効果確認試験で用いた二芯一体化構造芯は、図3(b)に示す綿棒構造に対応する。
(1)吸液芯22:内径3.5mmのポリプロピレン樹脂繊維及びポリエチレン樹脂繊維集合体
(2)吸収体23:木材パルプと合成繊維の集合体
(3)一体化構造:吸液芯22に吸収体23を巻きつけて保持
(二芯一体化構造芯C)
本効果確認試験で用いた二芯一体化構造芯は、図4(d)に示すストロー型綿棒構造に対応する。
(1)吸液芯22:内径3.5mmのポリプロピレン樹脂繊維及びポリエチレン樹脂繊維集合体
(2)筒25:内径3.5mm、外径4.5mmのポリプロピレン製筒
(3)吸収体23:木材パルプと合成繊維の集合体(製品名:ベンコット M−3II(旭化成社製))
(4)一体化構造:吸液芯22を筒25に挿入し、吸収体23を巻きつけて保持
(実施例1)
薬液(エクソールD110(エクソンモービル社製))を充填した容器本体21に上記の二芯一体化構造芯Aを中栓で挟持し、超音波霧化装置1を用いて薬液を1秒間噴霧させた。10回噴霧させた後、噴霧前後の重量変化から1回噴霧当りの噴霧量を算出した。また、4反復の試験結果から相対標準偏差を算出した。その結果、噴霧量は13.0mg/sprayであり、相対標準偏差は0.6%であった。
(実施例2)
薬液(エクソールD110(エクソンモービル社製))を充填した容器本体21に上記の二芯一体化構造芯Bを中栓で挟持し、超音波霧化装置1を用いて薬液を1秒間噴霧させた。10回噴霧させた後、噴霧前後の重量変化から1回噴霧当りの噴霧量を算出した。また、4反復の試験結果から相対標準偏差を算出した。その結果、噴霧量は11.9mg/sprayであり、相対標準偏差は1.0%であった。
(実施例3)
薬液(エクソールD110(エクソンモービル社製))を充填した容器本体21に上記の二芯一体化構造芯Cを中栓で挟持し、超音波霧化装置1を用いて薬液を1秒間噴霧させた。10回噴霧させた後、噴霧前後の重量変化から1回噴霧当りの噴霧量を算出した。また、4反復の試験結果から相対標準偏差を算出した。その結果、噴霧量は9.3mg/sprayであり、相対標準偏差は3.1%であった。
(比較例1)
薬液(エクソールD110)を充填した容器本体21に吸液芯22を中栓で挟持し、超音波霧化装置を用いて薬液を1秒間で噴霧させた。10回噴霧させた後、噴霧前後の重量変化から1回噴霧当りの噴霧量を算出した。また、4反復の試験結果から相対標準偏差を算出した。その結果、噴霧量は8.7mg/sprayであり、相対標準偏差は5.0%であった。
(比較例2)
薬液(エクソールD110)を充填した容器本体21に筒25に挿入した吸液芯22を中栓で挟持し、超音波霧化装置を用いて薬液を1秒間で噴霧させた。10回噴霧させた後、噴霧前後の重量変化から1回噴霧当りの噴霧量を算出した。また、4反復の試験結果から相対標準偏差を算出した。その結果、噴霧量は5.1mg/sprayであり、相対標準偏差は12.4%であった。
実施例1および2、並びに比較例1の結果を比較すると、二芯一体化構造芯(実施例1および2)は、吸液芯22のみを用い、吸収体23を用いない構造(比較例1)よりも噴霧量が多く、かつ、噴霧の安定性を実現できることが分かった。
また、実施例3および比較例2の結果を比較すると、二芯一体化構造芯(実施例3)は、筒25に挿入した吸液芯22のみを用い、吸収体23を用いない構造(比較例2)よりも噴霧量が多く、かつ、噴霧の安定性を実現できることが分かった。
(比較例3)
薬液(エクソールD110)を充填した容器本体21に吸液芯22を中栓で挟持し、振動板32側に吸収体23を配置した(以下、この構造を二芯分割型構造芯と称する)。超音波霧化装置を用いて薬液を1秒間噴霧させ、10回噴霧させた後、噴霧前後の重量変化から1回噴霧当りの噴霧量を算出した。また、4反復の試験結果から相対標準偏差を算出した。その結果、噴霧量は13.4mg/sprayであり、相対標準偏差は0.7%であった。
本実施例1と比較例3とを比較すると、二芯一体化構造芯と二芯分割型構造芯とでは、噴霧量及び噴霧安定性に特段の差が認められないことが分かった。
(実施例4)
薬液(エクソールD110(エクソンモービル社製))を充填した容器本体21に上記の二芯一体化構造芯Aを中栓で挟持し、超音波霧化装置1を用いて薬液を1秒間噴霧させた。10回噴霧させた後、噴霧前後の重量変化から1回噴霧当りの噴霧量を算出した。さらに、二芯一体化構造芯Aを中栓で挟持した容器本体21を超音波霧化装置1から取り外し、7日間放置した。7日後、二芯一体化構造芯Aを中栓で挟持した容器本体21を、超音波霧化装置1に再度設置し薬液を1秒間噴霧させた。10回噴霧させた後、噴霧前後の重量変化から1回噴霧当りの噴霧量を算出した。その結果、初期の噴霧量は12.9mg/sprayであり、7日間放置後の噴霧量は13.1mg/sprayであった。
(比較例4)
薬液(エクソールD110)を充填した容器本体21に吸液芯22を中栓で挟持し、振動板32側に吸収体23を配置した。超音波霧化装置1を用いて薬液を1秒間噴霧させ、10回噴霧させた後、噴霧前後の重量変化から1回噴霧当りの噴霧量を算出した。さらに、吸液芯22を中栓で挟持した容器本体21を超音波霧化装置1から取り外し、吸収体23は振動板32に配置した状態で7日間放置した。7日後、吸液芯22を中栓で挟持した容器本体21を、超音波霧化装置1に再度設置し薬液を1秒間噴霧させた。10回噴霧させた後、噴霧前後の重量変化から1回噴霧当りの噴霧量を算出した。その結果、初期の噴霧量は13.2mg/sprayであり、7日間放置後の噴霧量は9.8mg/sprayであった。
本実施例4と比較例4とを比較すると、二芯分割型構造芯が吸収体23の乾燥に伴い、噴霧量が低下したのに対し、二芯一体化構造芯では噴霧量は低下しないことが分かった。
以上の結果から、本実施例の二芯一体化構造芯は、二芯分割型構造芯と比べても噴霧量および噴霧の安定性において遜色がないこと、比較例1および2の構造(吸液芯のみ用いる構造)よりも噴霧量および噴霧の安定性の点で優れており、そのことを、吸液芯に一体に設けられた吸収体の構造を用いることで実現していることを明らかにした。
また、本実施例の二芯一体化構造芯を用いることで、吸収体が乾燥しその繊維等が振動板の微細孔を閉塞させ、噴霧量を不安定にすることがないことを明らかにした。
(効果確認試験2)
次に、吸液芯22の吸液速度(mm/s)および吸収体23の保液重量(mg)が超音波霧化装置1の噴霧安定性に及ぼす影響を図5により説明する。図5は、吸液芯22の吸液速度(mm/s)および吸収体23の保液重量(mg)が超音波霧化装置1の噴霧安定性に及ぼす影響を示す表である。
本実施の形態において、吸液芯の吸液速度(mm/s)は、以下の方法にて測定した値である。
吸液芯の吸液速度の測定方法
a) 吸液芯を64mm(φ3.5mm)に切断する。
b) 炭素数12のノルマルパラフィン(本実施例では、ジャパンエナジー社製 カクタスノルマルパラフィンN12Dを使用)をメチレンブルーにて染色する。
c) シャーレに上記b)で調製したノルマルパラフィン10mlを入れる(液面4mm)。
d) 上記a)で調製した吸液芯をシャーレ中央に縦向けに保持して、液に浸す。
e) 吸液芯の一番上面まで染まる時間を測定する。
f) 上記e)の時間より吸液速度を計算する。
図5では、1.78mm/s、0.91mm/s・・・0.24mm/sと、9種類の異なる吸液速度を有する吸液芯を用いて、試験を行っている。
本実施の形態において、吸収体の保液重量(mg)は、以下の方法にて測定した値である。
吸収体の保液重量の測定方法
a)シート状の吸収体をポンチにて、直径6mm・高さ2mmの円柱形状に打ち抜く。
b)上記a)で調製した吸収体の重量を測定する。
c)上記a)で調整した吸収体に、スポイトで炭素数12のノルマルパラフィン(本実施例では、ジャパンエナジー社製 カクタスノルマルパラフィンN12Dを使用)を溢れるまで滴下する。
d)上記c)でノルマルパラフィンを最大量保持した吸収体の重量を測定する。
e)上記d)と上記b)で測定した重量の差から、保液重量を計算する。
図5では、22mg、31mg、・・・90mgと、6種類の異なる保液重量を有する吸収体を用いて、試験を行っている。
図5の見方としては、例えば、吸液速度が1.78mm/s、吸収体保液重量が22.0mgのとき、噴霧量は13.1mg/回噴霧である。なお、図5に記載する噴霧量のデータは、噴霧回数10回の平均値を表す。
(効果確認試験2における試験条件)
(二芯一体化構造芯の作成)
保液重量の異なる吸収体(直径6mm・高さ2mmの円柱形状)の各々と、吸液速度の異なる吸液芯の各々とを用いて、図3(a)に示すキャップ構造の二芯一体化構造吸液芯を作製した。
(噴霧量測定の試験条件)
図5に記載のデータは、気温26℃、湿度50%、パラフィン系溶剤の液温24℃という条件で取得されたデータである。また、超音波霧化装置1の噴霧設定は、1.0秒ON(運転)、29.0秒(停止)という30秒サイクルのON・OFF運転であった。振動板32は、φ8.5μmのメッシュであり、その形状は円錐台状であった。
得られた噴霧量は、噴霧10回分の平均値(mg/回)である。
(効果確認試験2の結果)
吸収体の保液量(mg)は、超音波霧化装置1が噴霧の安定性を保つ範囲内に収まることが好ましい。この点、吸収体の保液重量(mg)が54mg以上、かつ、86mg以下に収まると、超音波霧化装置1の噴霧量が吸液芯の吸液速度に拠らず安定することが分かった。
つまり、超音波霧化装置1では、吸収体の保液重量(mg)がこの数値範囲内に収まるのであれば、吸液体23として、特定の材質に限らず種々の種類を用いることができる。
吸収体23は、保液重量(mg)が当該数値範囲より小さくなると、吸液芯の吸液速度により噴霧量が大きく変化してしまい、噴霧量のバラつきの原因となる。一方、吸収体23は、保液重量(mg)が当該数値範囲より大きくなると、吸液芯の吸液速度によらず噴霧量が低下してしまい、噴霧阻害の原因となる。この点、吸収体23の保液重量(mg)が54mg以上、かつ86mg以下であれば、噴霧が安定的に行われる。
効果確認試験2では、吸液芯22の吸液速度(mm/s)を変化させることにより、吸収体23に対して単位時間に供給される薬液の量を変化させている。実際の使用状態では、容器内の薬液の量が変化したり、外気温が変化することにより、吸収体23に単位時間に供給される薬液の量は変化する。吸収体23の保液重量(mg)が当該数値範囲内であれば、そのような変化があった場合でも噴霧量が安定となり、好ましい。
(本実施の形態の別表現)
本実施の形態に係る超音波霧化装置は、次のように表現することもできる。
つまり、本実施の形態に係る超音波霧化装置は、液体を霧化噴霧するために圧電振動子によって振動する振動板を備えた超音波霧化装置であって、自装置に着脱自在に装着される液体容器と、上記液体容器内の液体を吸液する吸液芯と、上記吸液芯が吸液した上記液体を上記振動板に供給する吸収体と、が備えられており、上記吸収体は、上記液体容器が自装置に着脱されるときに、上記液体容器とともに上記超音波霧化装置に着脱され、上記振動板が振動することにより、上記吸収体によって供給された液体が霧化噴霧され、上記吸収体は、直径6mm、高さ2mmの円柱形状に相当する体積あたりに保持できる炭素数12のノルマルパラフィンの保液重量が、54mg以上、かつ、86mg以下である。
以上、本実施の形態に係る超音波霧化装置の種々の形態を説明した。これらの形態は、本実施の形態の一例を示すものであって、ここで説明した形態を組み合わせることも当然に可能である。
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明は、特に超音波霧化装置に好適に用いることができる。
1 超音波霧化装置
10 装置本体
20 液体容器
21 容器本体
22、22a〜22c 吸液芯
23、23a〜23f 吸収体
24 開口部
25 筒
30 霧化部
31 圧電振動子
32 振動板
33 弾性リング
34 ケーシング
35 開口部
36 微細孔
37 凸状部

Claims (6)

  1. 自装置に着脱自在に装着される液体容器内の液体を霧化噴霧するために圧電振動子によって振動する振動板を備えた超音波霧化装置であって、
    上記液体容器には、当該液体容器内の液体を吸液する、当該液体容器に固定された吸液芯と、
    上記吸液芯が吸液した上記液体を上記振動板に供給する吸収体と、が備えられており
    上記吸収体は、上記液体容器が自装置に着脱されるときに、上記液体容器とともに上記超音波霧化装置に着脱され、
    上記振動板が振動することにより、上記吸収体によって供給された液体が霧化噴霧され、
    上記吸収体は、直径6mm、高さ2mmの円柱形状に相当する体積あたりに保持できる炭素数12のノルマルパラフィンの保液重量が、54mg以上、かつ、86mg以下であることを特徴とする超音波霧化装置。
  2. 上記吸液芯は、炭素数12のノルマルパラフィンを使用したときの吸液速度が0.24mm/秒以上、かつ、1.78mm/秒以下であることを特徴とする請求項1に記載の超音波霧化装置。
  3. 上記吸収体は、上記振動板との接触面が、当該吸収体と接触する上記振動板の接触面に対応する形状であることを特徴とする請求項1または2に記載の超音波霧化装置。
  4. 上記吸液芯は、柱状又は筒状であることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の超音波霧化装置。
  5. 上記振動板は、上記吸収体に近接又は接触するように弾性保持されていることを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の超音波霧化装置。
  6. 上記振動板及び上記吸収体は、それぞれ凸状であることを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の超音波霧化装置。
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