JPH11220154A - 光起電力素子および光起電力素子モジュール - Google Patents

光起電力素子および光起電力素子モジュール

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JPH11220154A
JPH11220154A JP10322802A JP32280298A JPH11220154A JP H11220154 A JPH11220154 A JP H11220154A JP 10322802 A JP10322802 A JP 10322802A JP 32280298 A JP32280298 A JP 32280298A JP H11220154 A JPH11220154 A JP H11220154A
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transparent conductive
conductive layer
layer
photovoltaic device
substrate
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Toshimitsu Kariya
俊光 狩谷
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Canon Inc
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 光電変換効率、開放電圧、短絡光電流、低照
度開放電圧、リーク電流といった光導電特性が顕著に改
善された光起電力素子を提供する。 【構成】 基体上に、裏面反射層、透明導電層、水素を
含有する非単結晶シリコン系材料からなり少なくともひ
とつの半導体接合を有する半導体層、金属酸化物からな
る上部透明電極を順次積層し、該上部透明電極の上に集
電電極を具備して構成される光起電力素子において、該
透明導電層は酸化亜鉛からなり、かつ光入射側表面の断
面形状が曲率半径300Å乃至6μmで曲率中心からの
仰角が30度以上155度以下の円弧を複数連結して構
成された領域を、断面領域の全体に対して80%以上含
有することを特徴とする光起電力素子。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はシリコン系非単結晶半導
体材料からなる光起電力素子に関するものである。とり
わけ光電変換効率が高く、耐久性の高い太陽電池などの
光起電力素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】非単結晶シリコン系材料からなり少なく
ともひとつのp−i−n接合をもつ半導体層を有する太
陽電池のような光起電力素子(以下、非単結晶シリコン
系光起電力素子と称する)においては、その裏面反射層
にAg,Cu,Alなどのような可視光領域で高い反射
率を有する金属を用いて、当該光起電力素子の光電変換
効率を向上させることが行われている。しかし、Ag,
Cuなどのような可視光領域で高い反射率を有する金属
は水分と電界の存在下ではマイグレーション現象を起こ
す金属として知られている。こうしたことから、Ag,
Cuなどのマイグレーションを抑制する研究が行われて
いる。例えば「日本電子材料技術協会会報、“Ag−P
d合金粉末の耐マイグレーション特性”加籐理、清水孝
純」においては、Ag系金属のマイグレーション機構に
ついて考察した結果が報告されている。また、「伸銅技
術研究会誌Vol.30 page.124−130
1991,“The Characteristics
of Electrochemical Migra
tion in Copper−Base Allo
y.”東江民夫,辻正博,宗秀彦」においては、電気機
器の信頼性向上のため、銅合金の耐マイグレーション性
に関し、合金元素の種類、添加量を調査し、その結果、
Siが顕著な耐マイグレーション性向上に効果が認めら
れ、Cu−Si合金にNiを添加し時効処理を行うと更
に効果的であったことが報告されている。ところで、A
gにCu,In,Sn,Pdなどを添加したり、Cuに
Ni,Siなどを添加した場合、ある程度マイグレーシ
ョンを抑制することができる。しかしながら、いずれの
場合にあっても、他の金属を添加することによって可視
光領域での反射率が低下してしまう。そのため、総合的
に判断すると光起電力素子の裏面反射層としてはアルミ
ニウムを主成分とする材料からなる薄膜層が有利であ
る。
【0003】非単結晶シリコン系の光起電力素子におい
ては、裏面反射層と半導体層との間に透明導電層を設
け、該透明導電層の表面形状を凹凸構造(テクスチャー
構造)となるようにして光の吸収効率を向上させる技術
が知られている。この点、Y.Hamakawa et
al.,Appl.Phys.Lett.,43,
p.644(1983),T.Tiedje et a
l.,Proc.16thIEEE Photovol
taic Specialist Conf.p.14
23(1982),H.Deckman et a
l.,Proc.16th IEEE Photovo
ltaic Specialist Conf.p.1
425(1982)、および特開昭60−84888号
公報に開示されている。そして、前記透明導電層の構成
材料としては、酸化亜鉛を使用するのが有利であること
が知られている。以上述べたことから、非単結晶シリコ
ン系光起電力素子においては、裏面反射層をアルミニウ
ムで構成し、裏面反射層と半導体層との間に酸化亜鉛で
構成されたテクスチャー構造の表面形状を有する透明導
電層を設けるのが有利であることが理解される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述した裏面反射層と
透明導電層を有する非単結晶シリコン系光起電力素子で
あっても、高い光導電特性、高い耐久性、および低製造
コストなどの要求を十分に満足することができないとい
う問題点がある。この他以下に述べるような問題点もあ
る。即ち、金属薄膜上に酸化亜鉛薄膜を形成する場合、
酸化亜鉛の成長は該金属薄膜の材質、表面形状、表面の
清浄の度合などにより大きく影響される。したがって、
形成される酸化亜鉛薄膜について、それが定常的に光収
集効率の高いテクスチャー構造の表面形状を有するよう
にすることは困難である。こうしたことから、裏面反射
層としてのアルミニウムを主成分とする金属薄膜上に透
明導電層としての光収集効率の高いテクスチャー構造の
表面形状を有する酸化亜鉛薄膜を定常的に形成すること
は困難である。裏面反射層としてのアルミニウムを主成
分とする金属薄膜上に透明導電層としての上述したテク
スチャー構造の表面形状を有する酸化亜鉛薄膜を形成す
る方法として、該酸化亜鉛薄膜を厚くする(3μm程
度)にする方法および該酸化亜鉛薄膜をスパッタリング
法によりArガスとH2Oガスとの混合ガスを使用して
形成する方法がある。しかし、前者の場合には、特に光
起電力素子のコストを引き上げてしまうという問題があ
る。また、後者の場合には、堆積速度の低下、酸化亜鉛
薄膜/アルミニウム薄膜の構成の反射率の低下、更には
光起電力素子の特性、特には曲線因子の低下といった問
題がある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、従来技
術における上述した問題点を解決し、高品質にして高性
能の光起電力素子を提供することにある。即ち、本発明
は、可視光領域での反射率が高い金属を裏面反射層とし
て使用し、高湿度環境下で逆バイアスが印加されても素
子の機能が低下しない光起電力素子を提供することを目
的とする。また本発明は、軽量かつ柔軟であり、屋外で
長期間使用しても常時安定して所望の電力を発生する太
陽電池としての光起電力素子を提供することを目的とす
る。上述した課題を解決し、上記目的を達成する本発明
の光起電力素子(太陽電池)は、基体上に、アルミニウ
ムを主成分とする裏面反射層、透明導電層、水素を含有
する非単結晶シリコン系材料からなり少なくともひとつ
の半導体接合を有する半導体層、金属酸化物からなる上
部透明電極を順次積層し、該上部透明電極の上に集電電
極を具備して構成されるものであって、該透明導電層は
酸化亜鉛からなり、かつ光入射側表面の断面形状が曲率
半径300Å以上、6μm以下で曲率中心からの仰角が
30度以上155度以下の円弧を複数連結して構成され
た領域を、断面領域の全体に対して80%以上含有する
ことを特徴とする。
【0006】上記透明導電層は、以下に述べるように積
層構成であることができる。当該積層構成は、前記基体
上に第1の透明導電層および第2の透明導電層を順次積
層した構成であり、該第1の透明導電層は酸化亜鉛の結
晶粒の集合で構成され、かつそのc軸が前記基体の表面
に平行である領域が50%以上、99%以下であり、さ
らに該第2の透明導電層は長手方向が酸化亜鉛のc軸に
平行である柱状結晶粒の集合で構成され、かつ該柱状結
晶粒が前記基体の表面の垂直方向に対して放射状に集合
している領域が全領域の70%以上であることを特徴と
する。本発明における透明導電層全体の膜厚は、500
0Å以上、3μm以下である。前記第1の透明導電層
は、透明導電層全体の膜厚の1%以上、30%以下に相
当する膜厚である。また、前記透明導電層(前記第1お
よび第2の透明導電層からなる場合を包含する)は、1
-8(1/Ωcm)以上、10-2(1/Ωcm)以下の
導電率を有する。前記第1および第2の透明導電層は、
好ましくはスパッタリング法により形成される。その
際、これらの層はそれぞれ異なった成膜温度で形成され
る。即ち、第1の透明導電層は50℃以上200℃以下
の成膜温度で形成し、第2の透明導電層は150℃以上
400℃以下の成膜温度で形成し、その際第2の透明導
電層の成膜温度は第1の透明導電層の成膜温度より少な
くとも30℃以上高くされる。このスパッタリング法に
よる第1の透明導電層の形成は、酸素を50%以上含有
する雰囲気中で行うのが好ましい。本発明の光起電力素
子においては、上述した裏面反射層と透明導電層との間
に酸化アルミニウムからなる中間層を設けることができ
る。該中間層は、反応性スパッタリング法により形成さ
れたものであっても或いは上述した裏面反射層としての
金属層の表面を酸化させることにより形成した裏面酸化
層であってもよい。本発明は、上述した光起電力素子
(太陽電池)を樹脂封止してなる光起電力素子モジュー
ル(太陽電池モジュール)を包含する。そうした光起電
力素子モジュールの一例として、複数の上述した光起電
力素子を電気的に連結してなる一体物を裏面側封止材と
表面側封止材とで樹脂封止したものを挙げることができ
る。
【0007】本発明を以下の実施態様例により説明する
が、本発明はこれに限定されるものではない。図1は、
本発明の光起電力素子の一例の構成を模式的に示す略断
面図である。図1において、101は、ステンレス、ガ
ラスといった材料からなる基体であり、素子を支持する
機能を有するものである。102は、本例では主成分が
アルミニウムからなる裏面反射層であり、半導体で吸収
されなかった光を再び半導体層に導く機能を有する。1
03は、本例では酸化亜鉛からなる透明導電層であり、
光を拡散したり短絡を防止する機能を有する。104
は、透明導電層103の光入射側表面を示す。105
は、pnまたはpin接合などの半導体接合を有する半
導体層を示す。106は上部透明電極を示し、107は
集電電極を示す。上述したように、裏面反射層102と
透明導電層103の間には中間層を有してもよい(この
点図1には図示せず)。以下に、これらの各構成要素に
ついて説明する。
【0008】
【基体】基体101は、導電性の単体で構成されたもの
でも、或いは導電性の基体に薄膜などを単数または複数
形成したものでもよい。また、基体の表面が導電性を有
していれば基体は電気的に絶縁性のものであってもよ
い。導電性基体の構成材料としては、Ni,Cr,F
e,Al,Cr,Mo,Nb,Ta,V,Ti,Rhな
どの金属または、これらの合金が挙げられる。これらの
中、特に加工性、強度、化学的安定性、価格などの見地
からAl,ステンレススチールなどが適当である。絶縁
性基体の構成材料としては、ポリエステル、ポリエチレ
ン、ポリカーボネート、セルロースアセテート、ポリプ
ロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ
スチレン、ポリアミド、などの合成樹脂、ガラス、セラ
ミックス、紙などが挙げられる。これらの絶縁性材料か
らなる基体の場合、その少なくとも一方の表面に上述し
た導電性材料からなる薄膜が形成される。基体101の
形状は、板状、シート状、帯状、或いは円筒状であるこ
とができる。基体101上に設けられる薄膜は、真空蒸
着法、スパッタリング法、スクリーン印刷法、ディッピ
ング法、プラズマCVD法などの方法で形成することが
できる。基体101の表面は、粗面であることが好まし
く、例えば、表面粗さRaが3.0μm以下であるのが
よい。そうした粗面は、例えば、HNO3,HF,HC
l,H2SO4などの酸性溶液を用いて基体表面を適度に
エッチングすることにより形成することができる。基体
101の厚みについては、柔軟性が要求される場合に
は、支持体としての機能が十分発揮される範囲で可能な
限り薄くすることができる。しかしながら、基体の製造
上および取扱い上、また機械的強度などの観点から、通
常は10μm以上とされる。なお、基体101上に形成
される裏面反射層、透明導電層の膜はがれ防止のために
表面は表面活性剤または有機物質で洗浄されていること
が望ましい。
【0009】
【裏面反射層】裏面反射層102は、主成分がアルミニ
ウムからなるもので構成される。該裏面反射層は、単層
で構成されても或いは複数の層で構成されてもよい。し
かしいずれの場合にあっても、裏面反射層全体の膜厚
は、100Å乃至5000Åの範囲であることが望まし
い。裏面反射層102は、真空蒸着法またはスパッタリ
ング法により形成することが望ましい。裏面反射層10
2の表面は、平滑表面であっても凹凸を有するテクスチ
ャー構造の表面であってもよい。平滑な表面性を有する
場合には反射率が下がらない程度に限りなく薄くするこ
とが望ましく、内部応力が著しく大きく膜はがれが発生
する恐れのある場合には膜厚を調整することが望まし
い。裏面反射層102が凹凸を有するテクスチャー構造
の表面を有するようにするには、当該裏面反射としての
膜を形成する際に、当該膜の形成を150℃乃至500
℃の範囲の成膜温度で行い、所望の凹凸形状の表面が得
られるように膜厚を調整する。しかしこのように、テク
スチャー構造を有するアルミニウムからなる裏面反射層
の上に酸化亜鉛の透明導電層を形成したものの反射率は
平滑な表面を有する裏面反射層上に形成した場合の反射
率よりも低いことが多く、その場合裏面反射性能が低下
してしまうことがある。その原因は、テクスチャー構造
の酸化亜鉛からなる透明導電層と当該裏面反射層とが酸
化還元反応を起こし、酸化亜鉛が還元されてしまうこと
によるものと考えられる。したがって、透明導電層とし
て酸化亜鉛を使用する場合には、通常、温度を150℃
以上の成膜温度で形成したテクスチャー構造のアルミニ
ウム膜は用いないことが望ましい。裏面反射層102
は、化学的安定性を向上させるためにTi,Mn,S
i,Moなどの元素を0.01%以上、10%以下含有
してもよい。しかし裏面反射層の反射率を低下させない
程度に含有させることが望ましい。
【0010】
【透明導電層】上述したように、透明導電層103は、
光入射側表面の断面形状が300Å乃至6μmの範囲の
曲率半径で曲率中心からの仰角が仰角が30度以上15
5度以下の円弧を複数連結して構成され、該円弧の曲率
中心を通る円弧の2等分線が基体101の表面にほぼ垂
直である領域を、断面領域の全体に対して80%以上含
有することを特徴とする。なお本例では透明導電層10
3は酸化亜鉛からなる。このように、透明導電層の光入
射側表面の断面形状が上記のごとく連結された円弧で構
成された領域を含むため、光の収集効率が非常に優れて
いる。水素を含有する非単結晶シリコン系半導体層の屈
折率は3.3から3.8程度であるため、(断面形状の
凹凸の大きさ)×(半導体層の屈折率)が入射光の波長
程度であれば入射光は半導体層と透明導電層の間の表面
(図1では光入射側表面)で散乱される。また、酸化亜
鉛の屈折率は2.0程度であるため、(断面形状の凹凸
の大きさ)×(酸化亜鉛の屈折率)が入射光の波長程度
であれば入射光は裏面反射層102で反射されて光入射
側表面104で適度に散乱される。本発明者は上述した
ような円弧を連結した断面形状をなす透明導電層の適正
化を試みた。その際、形成温度や時間変化を様々に変化
させた。後述する実施例1の光起電力素子を作製して光
電変換効率を測定したところ、図10に示すように、円
弧の半径が300Å以上、6μm以下で、かつ曲率中心
からの仰角が30度以上155度以下で構成されている
場合が光電変換効率が大きいことを見いだした。また円
弧の半径が500Å以上3μm以下、仰角50度以上1
50度以下がより好ましく、900Å以上2μm以下、
70度以上135度以下がさらに好ましいことを見い出
した。またこのような領域の占める割合と光電変換効率
との関係を調べたところ、図16に示すように、このよ
うな領域が占める割合が80%以上であるとき、良好な
光電変換効率が得られることが判った。なお、図16
は、円弧の半径が500Å以上3μm以下で仰角が50
度以上150度以下の場合についてのデータである。こ
のような断面形状をなす透明導電層を光入射方向からみ
た場合、断面形状が連結するピラミッド構造を有する従
来のテクスチャー構造の酸化亜鉛の薄膜とは異なり、稜
線がほとんどないので、光起電力素子の開放電圧が向上
するものである。それはすなわち、稜線領域は他の領域
に比べて上に形成された薄膜の膜厚が厚くなりやすい。
従ってその領域だけ開放電圧が低下し、素子全体として
も低下してしまうのである。本発明においては稜線がほ
とんど形成されないので素子全体の開放電圧は高いもの
である。また本発明においては谷線も従来のものよりも
少ないため、光起電力素子の開放電圧が向上するもので
ある。それはすなわち、谷の領域には通常膜形成が行わ
れにくい。従って谷の領域では形成される膜の膜厚が薄
くなるので、その微小領域でのリーク電流が発生しやす
くなり、素子全体の開放電圧を低下することになる。し
かし、本発明においては谷の領域が少ないので開放電圧
の低下が少ない。また該透明導電層は高度にテクスチャ
ー化されているため半導体層内部での光の干渉がない。
従って半導体内部において光が強く吸収されている箇所
がないため、光電子対の再結合確率が局所的に増大して
いることがなく、良好なフィルファクターを得ることが
できる。さらには再結合確率を低減できるため、光劣化
を抑制することができる。断面形状が円弧の連結からな
るため、あらゆる方向からの外部圧力に対する耐性を備
えているものである。また酸化亜鉛薄膜を形成する際に
発生する内部応力を緩和することができるため、膜はが
れを発生しにくい構造である。また、裏面反射層にアル
ミニウムを用いているため、Ag,Cuといったマイグ
レーションを起こす金属とは異なり、高温高湿度環境に
おいて素子に逆バイアスを印加しても光起電力素子の光
電特性が低下することはない。また、該透明導電層の厚
みを5000Å乃至3μmの範囲にすることにより、光
起電力素子の短絡を極力回避でき、酸化亜鉛薄膜による
光起電力素子のコストを低減できる、また、Roll−
to−Roll方式によって光起電力素子を製造する場
合、長期間ロール状に巻いた状態で保管しても酸化亜鉛
薄膜の表面の割れがなく、長期間保管による光起電力素
子の短絡が発生することがない。
【0011】図12は、上述した裏面反射層102およ
び透明導電層103を同一のチャンバーで形成すること
ができる成膜装置の一例を示す模式図である。以下で
は、当該装置により主として透明導電層を形成する場合
について説明する。図12において、801は円筒形の
堆積室、802は基体ホルダー、803は基体、804
はヒーター、805はマッチングボックス(マッチング
回路)、806はRF電源、807は裏面反射層用の金
属ターゲット、808は第1の透明導電層用のターゲッ
ト、809は第2の透明導電層用のターゲット、81
0、811、812はDC電源、813,814,81
5はシャッター、816は排気管、817はガス導入
管、818は回転軸、819はプラズマである。この他
に、不図示ではあるがガス導入管817に接続されたガ
ス供給装置と、排気管816に接続された真空ポンプが
ある。また、820はガス導入方向、821は排気方向
を示す矢印である。基体803の配設された基体ホルダ
ー802は、成膜時、回転軸818を介して毎分0.1
乃至2回回転させる。成膜開始時、基体803は100
℃乃至250℃に加熱し、徐々に上昇させる。最高基体
温度(成膜温度)は、400℃またはそれ以下とするの
が望ましい。基体ホルダー802の回転速度および成膜
温度の上昇速度は形成する層の膜厚やスパッタリング電
力にも依存するので、これらのパラメーターは適宜調整
するのが望ましい。最高の成膜温度は、400℃または
それ以下であることが望ましい。この点は、酸化亜鉛薄
膜をスパッタリング法で形成する場合、成膜温度が高く
なるに従い堆積速度が低下し、スループットが低下する
理由による。本発明においては、以下の理由から、透明
導電層103は導電率が10-8(1/Ωcm)以上、1
-2(1/Ωcm)以下であることが望ましい。それは
すなわち、導電率が極端に低いと光起電力素子のシリー
ズ抵抗が上昇して光電変換効率の低下をもたらすため、
導電率はシリーズ抵抗の上昇を伴わない程度に大きいこ
とが必要である。また、光起電力素子は通常クリーンな
環境で形成するが、多少なりともリークパスは存在す
る。そこでリークパスの発生密度が少ないときでも、そ
のリークパスから大きな電流が流れないようにするため
に、ある程度導電率は小さくなければならない。導電率
が大きいと光電特性におけるシャント抵抗が小さくなり
(弱いショート状態)、光電変換効率が低下してしま
う。しかしながら、導電率の具体的な数値範囲は良好な
光起電力素子の光電特性(シリーズ抵抗)やリークパス
の密度によるところが大きい。そこで、後述する実施例
1と同様な方法を用いて光起電力素子を作製し、導電率
と光電変換効率の関係を調べた。該透明導電層をスパッ
タリング法で形成する際、酸化アルミニウムの酸化亜鉛
のターゲット表面に埋め込んで同時にスパッタリングを
行い、酸化亜鉛からなる該透明導電層の中に添加させ
た。添加量が多いほど導電率は上がる。その結果、図1
1に示すように、導電率が10-8(1/Ωcm)以下の
とき光起電力素子の光電特性においてシリーズ抵抗が大
きくなりすぎて光電変換効率が低下してしまい、10-2
(1/Ωcm)以上ではシャント抵抗が小さくなりすぎ
て光電変換効率が低下することが判った。
【0012】
【積層構成の透明導電層】上述したように、本発明にお
ける透明導電層は、例えば図2または図4に示すような
積層構成であることができる。すなわち、当該積層構成
の透明導電層は基体上に第1の透明導電層103a、第
2の透明導電層103bを順次積層した構成であり(図
2、図4参照)、第1の透明導電層は酸化亜鉛の結晶粒
の集合で構成され、かつそのc軸が基体面に平行である
領域が50%以上、99%以下であり、さらに第2の透
明導電層は長手方向が酸化亜鉛のc軸に平行である柱状
結晶粒の集合で構成され、かつ該柱状結晶粒が基体の垂
直方向に対して放射状に集合している領域が全領域の7
0%以上であることを特徴とする。これにより酸化亜鉛
の均一性が向上する。従来のアルミニウムの薄膜の上に
形成された酸化亜鉛の単一層表面を電子顕微鏡で注意深
く観察すると、直径1000Å程度のピンホールが発生
していることがある。しかし本発明の酸化亜鉛の透明導
電層はピンホールの発生率が単一層のものに対して1%
以下であることが判った。この透明導電層のピンホール
の減少により光起電力素子の歩留りを飛躍的に向上でき
る。さらにはリーク電流が小さいため開放電圧が高いも
のである。また、Roll−to−Roll方式によっ
て光起電力素子を製造し、直列化、並列化を行ってモジ
ュール化する場合、適切な大きさに切断する必要があ
る。その際、顕微鏡レベルでは切断部の膜はがれは避け
ることができなかったが、本発明の酸化亜鉛からなる透
明導電層を用いることで膜はがれの領域面積を数%以下
に低減することができる。その理由は従来の酸化亜鉛の
結晶粒に対して本発明における酸化亜鉛の結晶粒の大き
さが小さく、第1の透明導電層が裏面反射層との密着性
を高め、第2の透明導電層内部の放射状に伸びた結晶粒
が応力緩和に働くためと考えられる。またスパッタリン
グ法で第1の透明導電層103aを形成する場合、基体
温度を50℃以上200℃以下で形成することによって
酸化亜鉛のc軸が基体表面に平行である領域が50%以
上、99%以下にすることができる。上記方法にあって
アルミニウムを膜中に添加させると導電率が向上するほ
かに基体の垂直方向に対するc軸配向性が低下し、c軸
が基体に平行になりやすくなり、好ましいものである。
また酸素を50%以上含む雰囲気中でスパッタリングを
実施しても同様に基体面に対するc軸配向性が低下し、
c軸が基体面に平行になりやすくなり、好ましいもので
ある。また図3に示すように透明導電層と裏面反射層の
間に酸化アルミニウムからなる中間層を設けた場合にも
第1の透明導電層の基体の垂直方向に対するc軸配向性
が低下し、c軸が基体面に平行になりやすくなり、好ま
しいものである。
【0013】第2の透明導電層103bは、図2に示す
ように、第1の透明導電層103aのc軸が基体101
に平行である部分から、放射状に結晶粒が集合し、その
領域が全領域の70%以上であることが望ましい。スパ
ッタリング法で第1および第2の透明導電層を形成する
場合、第2の透明導電層を形成する際の基体温度を15
0℃以上400℃以下とし、且つ第1の透明導電層を形
成する際の温度よりも30℃以上高い温度とすることが
望ましい。そうすることでc軸配向性が向上し第2の透
明導電層の断面形状が円弧を連結した形状が全体の90
%以上となる。このように第1の透明導電層の形成温度
よりも第2の透明導電層の形成温度を高くすることで、
2つの層の結晶性と配向性を変えることができる。その
ため再現性よく、断面形状が連結した円弧形状とするこ
とができる。また、第1の透明導電層はスパッタリング
法で形成する際、酸素を50%以上含有する雰囲気中で
形成することにより以下に述べるような更なる効果が得
られる。すなわち基体上に裏面反射層と酸化亜鉛からな
る透明導電層を形成した段階で、該透明導電層側から光
を入射させた時の波長500nmから1000nmまで
の領域における反射率が極めて高く、さらにはテクスチ
ャー度が極めて高いものである。従って光起電力素子の
短絡光電流が向上するものである。従来ではアルミニウ
ムを主成分とする裏面反射層の上に酸化亜鉛からなる透
明導電層を真空中で連続形成すると、可視光(波長40
0nmから800nmまで)における反射率が低い。こ
れは裏面反射層のアルミニウムの還元作用によって酸化
亜鉛が還元され、裏面反射層と該酸化亜鉛からなる透明
導電層の間に亜鉛リッチな超薄膜が形成されてしまうこ
とが原因と考えられる。こうしたことから、本発明にお
いては、第1の反射層を形成する際、酸素を50%以上
含有する雰囲気中で形成することによって、酸化亜鉛の
還元を抑制する。また、これにより良好な断面形状を有
する透明導電層を形成することができる。この点の理由
は明らかではないが、プラズマ状態の酸素に関わる活性
種が酸化亜鉛の形成プロセスに影響し、c軸配向性を低
下させているものと考えられる。また、第1の透明導電
層の膜厚を、透明導電層全体の膜厚の1%以上30%以
下にすることにより、スパッタリング法を用いてテクス
チャー度の高い導電性薄膜を再現性よく形成することが
できる。すなわち第1の透明導電層は酸化亜鉛のc軸が
基体に平行である結晶粒が半分以上であるこの層を透明
導電層の全域に用いるとテクスチャー度の低いものにな
ってしまう。さらにc軸が基体に垂直な第2の透明導電
層が全域にあってもテクスチャー度の低いものになって
しまう。本発明のような断面形状を再現性よく形成する
には、第1層の酸化亜鉛の結晶粒が核となって、c軸が
基体にほぼ垂直な第2の透明導電層をより厚く成長させ
ることがよいと考えられる。さらに、第1の透明導電層
および第2の透明導電層の導電率が10E-8(1/Ωc
m)以上、10E-2(1/Ωcm)以下であることによ
り、非単結晶シリコン系材料からなる半導体層形成の際
に発生したピンホールがある程度あっても光起電力素子
の特性を損なうことはない。従って光起電力素子の歩留
りを飛躍的に向上できるものである。
【0014】
【裏面反射層及び透明導電層の形成方法】本発明におけ
る、裏面反射層102及び透明導電層103(第1およ
び第2の透明導電層103aおよび103b)は、先に
述べた図12に示す成膜装置を使用し、例えば、以下に
述べる手法で形成することができる。酸洗浄および有機
洗浄された基体803を円板状の基体ホルダー802上
に取り付け、この円板状基体ホルダーの中心軸である回
転軸818を回転させる。不図示の油拡散ポンプ/ロー
タリーポンプを用いて堆積室内部を約5×10-6Tor
rまで真空排気し、ガス導入管からArを導入し、80
6のRF電源からRF電力を堆積室内部に導入し、Ar
プラズマを生起する。805のマッチング回路を調整し
て、反射電力が最小になるようにする。この際、基体8
03はスパッタエッチ(逆スパッタ)され、さらに清浄
な表面になる。次に、裏面反射層の形成温度になるよう
にヒーター804を設定し、所定の温度になったら、8
10のDC電源を入れ、Arプラズマ819を生起し、
シャッター813を開け、基体803上に裏面反射層1
02を形成する。裏面反射層が所定の膜厚だけ形成され
たら、シャッターを閉じ、DC電源を切る。次に、第1
の透明導電層の形成温度になるようにヒーター804を
設定し、所定の温度になったら、811のDC電源を入
れ、Arプラズマを生起し、シャッター814を開け、
第1の透明導電層103aを形成する。第1の透明導電
層が所定の膜厚だけ形成されたら、シャッターを閉じ、
DC電源を切る。次に、第2の透明導電層の形成温度に
なるようにヒーターを設定し、所定の温度になったら、
812のDC電源を入れ、Arプラズマを生起し、シャ
ッター815を開け、第2の透明導電層103bを形成
する。第2の透明導電層が所定の膜厚だけ形成された
ら、シャッターを閉じ、DC電源を切る。
【0015】
【中間層】中間層(110,図3および図4参照)は、
本例では酸化アルミニウムで構成され、裏面反射層10
2と透明導電層103との間に設けられるものである。
当該中間層は、酸化亜鉛からなる透明導電層の還元を抑
制し、その透明度低下を防止する。また当該中間層を設
けることにより、裏面反射層の上に透明導電層を形成し
た段階における上記の反射率(波長500nmから10
00nmまでの領域における反射率)を極めて高いもの
とすることができる。酸化アルミニウムからなる中間層
は、素子の直列抵抗を幾分大きくするが、光起電力素子
の光電特性を低下するまでには至らない。また、本発明
の光起電力素子における透明導電層の断面形状をさらに
よくする。該中間層があることによって、透明導電層、
特に、第1の透明導電層のc軸配向性が抑制され、c軸
が基体に平行になるものが増加するため断面形状が適正
化されるものと考えられる。中間層の膜厚は10Å乃至
1000Åの範囲であることが望ましい。10Å以下の
場合、膜が島状になってしまい上記の効果が低下するお
それがある。1000Åを越える場合、光起電力素子の
シリーズ抵抗が増加するため光導電特性が低下するおそ
れがある。中間層はスパッタリング法により形成でき
る。特に中間層を、酸素を80%以上含有する雰囲気中
においてアルミニウムをターゲットとして反応性スパッ
タリング法で形成することにより、本発明の光起電力素
子における透明導電層の断面形状をさらによくする。こ
れとは別に、中間層は酸素を80%以上含有する雰囲気
中においてアルミニウムを主成分とする裏面反射層とし
ての金属層の表面を酸化させて形成した表面酸化層から
なるものであることができる。この場合表面酸化層はア
ルミナであることから、透明であり、そのため反射率を
低下させることはない。
【0016】
【半導体層】半導体層105は、光起電力素子の光電変
換効率、開放電圧、短絡光電流など光電的特性を左右す
る重要な層である。本発明の半導体層は1つ以上のp−
i−n接合を有し、非単結晶シリコン系材料で構成され
る。場合によってはpn接合の上にp−i−n接合を形
成してもよい。非単結晶シリコン系材料は主に、非晶質
(a −)、微結晶(μc−)、多結晶(poly−)構
造からなり、例えばa−Si,a−SiGe,a−Si
Sn,a−SiC,a−SiO,a−SiN,μc−S
i,μc−SiC,poly−Siが挙げられる。これ
らの材料をp型にするためには主にB,Alなどの元素
を添加し、n型にするには主にP,As,Sbなどの元
素を添加する。また、非晶質、微結晶構造を有する材料
にはH,F,Clなどの元素を含有させ、未結合手など
の欠陥を補償させることが必要である。こうすることで
光起電力素子の曲線因子(フィルファクター)を飛躍的
に改善できるものである。半導体層105は、基体10
1側からn層、i層およびp層をこの順番でか、或いは
逆にp層、i層、n層の順番に形成したものであっても
よい。また、pn接合を用いる場合には基体101側か
らn−p/n−i−pでもp−n/p−i−nでもよ
い。p−i−n接合は1つでもよいが、光起電力素子の
光劣化(強い光照射によって、曲線因子、開放電圧が下
がり、結局、光電変換効率が時間経過とともに低下して
いく現象)を抑制するためには通常はp−i−n接合を
2つ或いはそれ以上有するものがよい。図9は3つの場
合の例であり、第1のi層511にはa−SiGe:H
が、第2のi層514にはa−SiGe:Hが、第3の
i層517にはa−Si:Hがそれぞれ用いられる。こ
れらのi層はそれぞれ単層であってもよいが、a−Si
Ge/a−Si,a−Si/a−SiGe/a−Siな
どのように積層したものでもよい。なお図9において、
510,513および516はそれぞれ第1のn層、第
2のn層そして第3のn層を示す。また512,515
および518はそれぞれ第1のp層、第2のp層そして
第3のp層を示す。
【0017】i層をより真性にするためにBなどを添加
してもよい。また、pn接合を形成する場合にはpol
y−Si,μc−Siに上記のp型、n型にする元素を
添加したものを用いることが望ましい。これらの材料は
通常、上述した光劣化がなく、屋外で長期間使用する場
合は好ましい。しかし、可視光の吸収係数が非晶質のも
のよりも小さいため通常は1μm以上の膜厚を要する。
n層およびp層は極力光の吸収が少ない材料で構成され
ることが望ましい。通常a−Si,a−SiC,a−S
iO,a−SiN,μc−Si,μc−SiC,pol
y−Siが用いられる。上記のa−Si,a−SiC,
a−SiO,a−SiN,μc−Si,μc−SiCか
らなる非単結晶シリコン系材料からなるp−i−n接合
を形成するには通常プラズマCVD法を用いる。なかで
もi層を形成するには堆積速度の高いマイクロ波プラズ
マCVD法がよい。またpoly−Siを形成するには
プラズマCVD法、スパッタリング法などでa−Siを
形成した後にレーザーを照射したり、高周波電力を印加
したりしてpoly化するのがよい。上述したp−i−
n接合は微結晶シリコン系材料と非晶質シリコン系材料
との接合を有していてもよい。特に微結晶シリコンをp
層に用いるとp層のキャリア密度を上げられるため、光
起電力素子の開放電圧が向上するものである。さらに
は、微結晶シリコンは可視光領域での吸収係数が非晶質
シリコンのそれよりも小さいため、光入射側の窓層とし
て用いた場合、短絡光電流が増加するものである。半導
体層105は、バンドギャップ調整元素を含有してもよ
い。例えば、i型の半導体層にゲルマニウムを含有させ
ることによって該半導体層のバンドギャップを狭くする
ことができ、光起電力素子の短絡光電流を増加させるこ
とができる。このようなi層はp−i−n接合を2つ以
上持つ光起電力素子の裏面反射層側のi層に使用するの
がよい。また、酸素、窒素、炭素のうち少なくとも一つ
の元素を該半導体層に含有させることによって、半導体
層のバンドギャップを広げることができる。このような
i層はp−i−n接合を2つ以上持つ光起電力素子の光
入射側のi層に使用するのがよい。特に3つのp−i−
n接合を有する光起電力素子で裏面反射層側の2つのi
層にゲルマニウムを含有させることで光(波長300n
m以上、1000nm以下)の収集効率を飛躍的に拡大
することができる。
【0018】
【半導体層の形成方法】本発明の光起電力素子における
半導体層は、例えば図13に示すようなプラズマCVD
装置により形成することができる。図13において、9
01は反応室、902は透明導電層まで形成された基
体、903はヒーター、904はコンダクタンスバル
ブ、905はマイクロ波導波管、906はマイクロ波導
入部、907はアルミナセラミックスなどからなるマイ
クロ波導入窓、908はRF導入部、909はマッチン
グ回路を内蔵するRF電源、910はプラズマ、911
はシャッター、914は排気管、915はガス導入管で
ある。912はマイクロ波の進行方向、913は排気方
向、916はガス導入方向を示すものである。図には示
していないが、マイクロ波電源がマイクロ波導波管に接
続され、真空ポンプが図の排気管に接続され、ガス導入
装置が図のガス導入管に接続されている。当該プラズマ
CVD装置による半導体層の形成は、例えば次のように
して行われる。まず、透明導電層まで形成した基体90
2を反応室901内部のヒーター903に取り付け、反
応室内部の圧力が1×10-4 Torr以下になるよう
に油拡散ポンプなどの真空ポンプで排気する。圧力が1
×10-4 Torr以下になったらH2,Heなどのガ
スをガス導入管915から反応室に導入し、ヒーター9
03を入れ、基体902が所望の温度になるように設定
する。基体の温度が安定したところで、ガス導入管から
原料ガスを導入し、不図示のマイクロ波電源からマイク
ロ波導波管905、マイクロ波導入部906、マイクロ
波導入窓907を通してマイクロ波電力を反応室内部に
導入する。プラズマ910が生起したところで所望の圧
力になるようにコンダクタンスバルブ904を調整し、
RF電源909を入れ、RF導入部908からRF電力
を導入する。その際、マッチング回路を調整し、反射電
力を最小にするのがよい。次に、シャッター911を開
け、所望の膜厚を有する層が形成されたところでシャッ
ターを閉じ、RF電力、マイクロ波電力の導入、原料ガ
スの導入を止め、次の層を形成する準備をする。この装
置でRFプラズマCVD法による成膜を行うには上記の
手順でマイクロ波の導入を行わずにRF電力だけでプラ
ズマを生起すればよい。本発明において適用されるマイ
クロ波の周波数は0.1以上10GHz以下である。ま
た0.1〜0.5GHzの周波数帯域ではマイクロ波導
波管の代わりに同軸ケーブルを、マイクロ波導入窓の代
わりにRF導入部、908と同様の形状をした導入用電
極を用いてもよい。また、RF電力の代わりにDC電力
を導入してもよい。また、マイクロ波の導入方向は図1
3では基体と平行になっているが、基体の法線方向から
でもよい。使用されるRF電力の周波数は0.3〜30
MHzであるが、工業的には13.56MHzが一般的
に使用される。半導体層105を形成する際の基体温度
はプラズマCVD法では100℃乃至500℃の範囲、
poly−Siの形成の際には400℃乃至600℃の
範囲である。また層形成時の圧力はマイクロ波CVD法
では0.1mTorr〜100mTorr、RFプラズ
マCVD法では0.1Torr〜5Torrが適してい
る。また電力密度はマイクロ波プラズマCVD法ではマ
イクロ波電力密度は0.005〜1W/cm3、同時に
導入されるRF電力密度は0.01〜1W/cm3が適
切であり、マイクロ波電力密度よりもRF電力密度のほ
うが大きいほうが望ましい。RFプラズマCVD法では
1〜100mW/cm3が適切である。以上のような条
件によって形成される膜の形成速度はマイクロ波プラズ
マCVD法の場合には20Å/sec〜200Å/se
cとなるようにマイクロ波電力または原料ガス流量を調
整することが望ましく、RFプラズマCVD法の場合に
は0.2Å/sec〜20Å/secとなるようにRF
電力または原料ガス流量を調整することが望ましい。半
導体層105を形成する際に使用される原料ガスは、S
iH4,SiF4,Si26,SiH2Cl2,GeH4
GeF4,SnH4,CH4,C22,CF4,O2,N
2,NH3,NOなどが用いられ、またはこれらのガス
をAr,H2,Heなどのガスで希釈してもよい。また
n層にP,As,Sbなどの元素を添加するにはP
3,PF5,P25,A sH3,AsF3,AsCl3
SbF3,SbF5などのガスまたはガス化しうるものが
使用される。p層にB,Alなどの元素を添加するには
26,BF3,AlCl3,Al(CH33などのガス
またはガス化しうるものが使用される。また、これらの
ガスのうち水素ガスを重水素に置換したものを用いても
よい。RFプラズマCVD法を用いて層形成を行う場合
には原料ガスをAr,H2,Heなどで1〜100倍程
度に希釈するのがよい。また、微結晶構造を有する非単
結晶シリコン系材料を形成するには同様にAr,H2
Heなどで10〜1000倍程度に希釈するのがよい。
【0019】
【上部透明電極】上部透明電極106は、半導体層10
5に効率よく光を導き、さらには光電流を損失なく集電
電極107に導くために重要である。そのために該透明
電極として透明導電層は、光吸収をより少なくし、反射
防止効果を上げるために再現性よく膜厚を制御し、でき
るだけ抵抗率を下げる必要がある。これに適合した材料
としてはSn 2,In23,ITO、およびこれらの
複合酸化物などが挙げられる。さらにはこれらの材料で
構成される層の上にMgF2,TiO2などを積層して反
射防止効果を上げることもできる。例えば、上部透明電
極としてITOを使用する際の膜厚は600Å乃至80
0Å程度とすることによって、可視光、紫外光および赤
外光を効果的に半導体層に導くことができる。これらの
材料からなる上部透明電極を半導体層上に形成するに
は、真空蒸着法またはスパッタリング法により、100
℃〜250℃程度の温度で形成すると透明かつ抵抗率の
低いものが得られる。しかし、工業的にみれば大きな面
積に形成でき、堆積速度を速くすることのできるスパッ
タリング法が望ましい。さらにはコスト的見地からみれ
ばIn,Sn,InSn(例えばSn:5wt%)のタ
ーゲットを用い、ArとO2を堆積室内部に導入しなが
ら膜形成を行う反応性スパッタリング法が適している。
また、上部透明電極106は抵抗率が10-4 Ω・cm
程度であるため、光起電力素子の直列抵抗を低減でき、
光電変換効率を向上できる。
【0020】
【集電電極】集電電極107は光電流の損失が少なく、
さらには半導体層に効率的に光を導くためにその形状を
設計する必要がある。例えば、太陽電池ハンドブック
(電気学会/コロナ社)p112にあるように集電電極
の幅と長さ(光入射からみたもの)を最適化する必要が
ある。光入射方向からみた形状は図5に示されるような
櫛型が望ましい。また構成材料としては、導電率の高い
材料、すなわちAu,Ag,Cu,Alなどが用いられ
る。集電電極107はこれらの金属の層単体で構成され
ても、当該金属と他の金属との複数層から構成されても
よい。しかし、裏面反射層と同様、マイグレーションを
起こす金属Au,Ag,Cuを使用する場合にはマイグ
レーションを防止する必要がある。具体的には、これら
の金属のワイヤにバインダとしてウレタン樹脂をシクロ
ヘキサノンに溶解させたカーボンペーストを塗布したも
のを、上部透明電極106の上にのせ、乾燥させたもの
を用いるのが望ましい。この部材は乾燥することによっ
てシクロヘキサノンが蒸発し、集電電極と融着するた
め、接触抵抗が非常に少ないものが得られる。もしくは
スクリーン印刷法で上記の電極形状にカーボンペースト
を塗布し、その上に上記の金属を同じくスクリーン印刷
で印刷し、乾燥させて形成してもよい。金属としてAl
を用いる場合は単体、もしくはCr/Al/Crのよう
に他の金属との複数層の形成には通常、蒸着面をマスク
で覆って真空蒸着で形成したり、スパッタリングで形成
してもよい。また化学的安定性を向上させるためにT
i,Mn,Si,Moなどを0.1%から10%程度添
加してもよい。また電流密度が高くなるところには図5
に示されるように、銅板等からなるバスバー108を同
時に融着してもよい。バスバー108は両面テープ10
9で貼り着けてもよい。導電性の基体を用いた場合には
基体の裏面に同様な銅板等からなるのバスバー108を
融着してもよい。図7は光起電力素子モジュールに用い
られる好ましい集電電極の実施形態の模式的断面図であ
る。すなわち、細い銅ワイヤ301の周囲に銀クラッド
層302を形成してなるものである。当該層302は銅
ワイヤとの接触抵抗を低減する機能を有する。さらに銀
クラッド層302の周囲にアクリル樹脂をバインダーと
した炭素の層303を形成する。この層は上部透明電極
306との密着性を維持する機能を有しかつ銀クラッド
層302との接触抵抗を低減する機能を有する。また銀
クラッド層302中の銀が半導体層中に拡散することを
防止する機能を有する。
【0021】
【モジュール化】図8は、本発明のモジュール化した光
起電力素子(太陽電池)の一例の構成を模式的に示すも
のである。(a)は、模式的断面図であり、(b)は光
受容面側から見た模式図である。図8のモジュールは、
支持体401上に、EVA(エチレン−酢酸ビニル共重
合体)402、ナイロン樹脂403、EVA404、ガ
ラス不織布405をこの順で重ね、さらに複数の光起電
力素子407(上述した光起電力素子の複数個)を図8
に示すように電気的に直列化し各素子とは電気的に並列
にバイパスダイオード406を配したものを重ね、ガラ
ス不織布408、EVA409、ガラス不織布410、
EVA411、ガラス不織布412およびフッ素樹脂4
13をこの順で重ね、真空加熱処理に付して樹脂封止し
てなるものである。上述した充填材としてのEVAは、
EEA、アクリルウレタン樹脂などの透明有機樹脂に代
えてもよい。また、上記ナイロン樹脂は絶縁目的で用い
られるものであるが、該ナイロン樹脂に代えてPETな
どの樹脂も好適に用いられる。このようなモジュール構
成とすることにより、水分の浸入を抑制し、耐候性に優
れたモジュールとなる。
【0022】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに説明す
る。これらの実施例は例示的なものであり、本発明はこ
れらの実施例に限定されるものではない。
【0023】
【実施例1】図2に示す構成で一つのpin接合を有す
る太陽電池(光起電力素子)を作製した。具体的には、
表1に示す条件で、基体101(10cm×10cmの
サイズで0.2mmの厚さのステンレスSUS430
板)/Alで構成された裏面反射層102/ZnOで構
成された透明導電層103(第1の透明導電層103a
と第2の透明導電層103bとからなる)/半導体層1
05(n型のa−Si:H:Pで構成されたn層/i型
のa−SiGe:Hで構成されたi層/p型のμc−S
i:H:Bで構成されたp層からなる)/ITOで構成
された上部透明電極106/集電電極107(Cuワイ
ヤー/Ag/Cからなる)からなる構成の太陽電池(光
起電力素子)を作製した。ここで、裏面反射層102、
第1の透明導電層103aおよび第2の透明導電層10
3bは、図12に示した装置を用いスパッタリング法で
上述した手法により形成した。半導体層105の形成は
図13に示した装置を用いて行い、そのi層はマイクロ
波(MW)プラズマCVD法で形成し、n層およびp層
はRFプラズマCVDで形成した。上部透明電極106
はスパッタリング法で形成した。基体101上に上部透
明電極まで形成したものの一辺に、図5に示すように、
市販の絶縁性両面テープ109を貼り、Cu板を載せ、
Cuワイヤー/Ag/Cの構成(集電電極107)の配
線を行い、バスバー108を配置し、加熱して融着を行
った。以上の太陽電池(光起電力素子)の作製手法を繰
返し行って、複数の太陽電池(光起電力素子)を得た。
得られた複数の太陽電池中の1つの断面を電子顕微鏡で
観察したところ、図2に模式的に示すような断面構造で
あった。
【0024】
【比較例1】実施例1における透明導電層の形成を表2
に示す条件で通常のスパッタリング法により行った以外
は、実施例1と同様にして、図6に示す構成の太陽電池
(光起電力素子)を作製した。なお、図6において、2
01は基体、202は裏面反射層、203は透明導電
層、204は光入射側表面、205は半導体層、206
は上部透明電極、207は集電電極を示す。上述した太
陽電池(光起電力素子)の作製手法を繰返し行って、複
数の太陽電池(光起電力素子)を得た。得られた複数の
太陽電池の中の1つの断面を電子顕微鏡で観察したとこ
ろ、図6に模式的に示すような断面構造であった。
【0025】
【評価】実施例1で得られた太陽電池(以下、“試料実
1”という)および比較例1で得られた太陽電池(以
下、“試料比1”という)のそれぞれについて以下に述
べるように太陽電池特性の評価を行った。 (1)試料実1および試料比1のそれぞれについて、初
期特性(光導電特性、リーク電流、低照度開放電圧)を
測定した。ソーラーシュミレーター(AM1.5、10
0mW/cm2、表面温度25℃)を用いて(i)光電
変換効率、(ii)開放電圧、および(iii)短絡光
電流を測定した。その結果、これら評価項(i)乃至
(iii)について、試料実1は試料比1と比較して、
それぞれ1.15倍、1.04倍、1.06倍優れてい
ることが判った。 (2)上記(1)の評価に付した試料実1および試料比
1のそれぞれについて、照度500ルクス程度の蛍光灯
下(低照度)における開放電圧を測定した。その結果、
試料実1は試料比1と比較して、1.5倍優れているこ
とが判った。 (3)暗所において、上記(2)の評価に付した試料実
1および試料比1のそれぞれに逆バイアスを印加し、リ
ーク電流を測定した。その結果、試料実1のリーク電流
は、試料比1のリーク電流の1/10程度と小さく、優
れていることが判った。 (4)加速試験としてHHRB試験(高温、高湿、逆バ
イアス印加状態に対する試験)を行った。即ち、上記
(3)の評価に付した試料実1および試料比1を、温度
85℃、湿度85%の環境試験箱に入れて1時間放置
し、両試料に逆バイアスを0.85Vを印加しながら1
50時間経過したところで、環境試験箱を温度25℃、
湿度50%に設定し、1時間放置した後に両試料を取り
出した。このように処理した試料実1および試料比1に
ついて、上記(1)に記載したソーラーシュミレーター
を用いて(i)光電変換効率、(ii)開放電圧、およ
び(iii)短絡光電流を測定した。その結果、これら
評価項(i)乃至(iii)について、試料実1は試料
比1と比較して、それぞれ1.07倍、1.03倍、
1.01倍優れていることが判った。また、低照度の開
放電圧、リーク電流を測定したところ、試料実1は試料
比1と比較して、それぞれ1.4倍、1/8程度であっ
た。 (5)別の試料実1および試料比1を用いて、これら試
料のそれぞれについて光照射試験を行った。即ち、それ
ぞれの試料をソーラーシュミレーター(AM1.5、1
00mW/cm2、表面温度50℃)に500時間暴露
させたところ、ともに試験後の外観不良はみられなかっ
た。ついで、光電変換効率、開放電圧、短絡光電流、低
照度の開放電圧、リーク電流を測定したところ、開放電
圧、低照度の開放電圧、リーク電流の試験前後での低下
に差がみられた。試験前後における開放電圧の比(試験
後の開放電圧/試験前の開放電圧)は、試料実1では
0.95、試料比1では0.93であった。また試験前
後における低照度の開放電圧比(試験後の低照度開放電
圧/試験前の低照度開放電圧)は、試料実1では0.9
4、試料比1では0.89であった。さらに試験前後に
おけるリーク電流の比(試験後のリーク電流/試験前の
リーク電流)は、試料実1では1.3、試料比1では
2.5であった。 (6)さらに別の試料実1および試料比1を用いて、こ
れら試料のそれぞれについて太陽電池関連のJIS C
8917に記載の降ひょう試験を行った。即ち、それぞ
れの試料に対して、氷球の直径は25mm、終速度23
m/secの条件で10回、万遍なく落下させた。これ
ら二つの試料には試験後の外観不良はみられなかった。
ついで、光電変換効率、開放電圧、短絡光電流、低照度
の開放電圧、リーク電流を測定したところ、開放電圧、
低照度の開放電圧、リーク電流の試験前後での低下に差
がみられた。試験前後における開放電圧の比(試験後の
開放電圧/試験前の開放電圧)は、試料実1では0.9
8、試料比1では0.94であった。また試験前後にお
ける低照度の開放電圧比(試験後の低照度開放電圧/試
験前の低照度開放電圧)は、試料実1では0.97、試
料比1では0.92であった。さらに、試験前後におけ
るリーク電流の比(試験後のリーク電流/試験前のリー
ク電流)は、試料実1では1.1、試料比1では2.1
であった。以上の評価結果から本発明の光起電力素子は
従来の光起電力素子に比べて明らかに優れていることが
判った。 (7)実施例1において、透明導電層の形成温度を変化
させた以外は実施例1と同様にして、複数の太陽電池
(光起電力素子)を作製した。得られた複数の太陽電池
のそれぞれについて光電変換効率を測定した。ついでそ
れぞれの透明導電層の断面を観察し、当該透明導電層に
ついて円弧の曲率半径(r)と曲率中心からの仰角
(α)を測定した。これらの値と光電変換効率の相関関
係は図10に示すとおりであった。得られた結果から、
円弧の曲率半径(r)が0.03乃至6μmの範囲であ
り、且つ曲率中心からの仰角(α)が30°乃至155
°の範囲である領域が断面領域の全体に対して80%以
上である場合、優れた太陽電池特性が得られることが判
った。また、円弧の曲率中心を通る円弧の2等分線が基
体表面に対しほぼ垂直である領域が、断面領域の全体に
対して80%以上である場合に、優れた太陽電池特性が
得られることが判った。なお、ほぼ垂直とは、該2等分
線と基体表面のなす角が85度以上95度以下の場合を
いう。
【0026】
【実施例2】表3に示した条件で、実施例1に記載した
のと同様の手法で、図2に示した構成の太陽電池(光起
電力素子)を作製した。但し、半導体層105は、図9
に示した3つのpin接合を有するトリプルセルタイプ
のものにした。具体的には、ステンレスSUS430基
体(サイズ:10cm×10cm、厚さ0.2mm)/
裏面反射層Al/第1の透明導電層ZnO/第2の透明
導電層ZnO/第1のn層a−Si:H:P/第1のi
層a−SiGe:H/第1のp層μc−Si:H:B/
第2のn層a−Si:H:P/第2のi層a−SiG
e:H/第2のp層μc−Si:H:B/第3のn層a
−Si:H:P/第3のi層a−Si:H/第3のp層
μc−Si:H:B/上部透明電極ITO/集電電極C
uワイヤー/Ag/Cからなる太陽電池(光起電力素
子)を作製した。以上の手法を繰返し行って複数の太陽
電池を得た。得られた複数の太陽電池の中の1つを用
い、その断面をSEMで観察したところ透明導電層の光
入射側表面は図2に示すようになっていることが判っ
た。第1の透明導電層のc軸の配向性を調べたところ、
c軸が基体の表面に対して水平である領域は85%程度
であることが判った。第2の透明導電層のc軸の配向性
を調べたところ、c軸が基体の表面に対して垂直である
領域は90%程度であることが判った。
【0027】
【比較例2】実施例2において、第1および第2の透明
導電層を形成せずに従来の透明導電層を形成した以外
は、実施例2と同様にして複数の太陽電池(光起電力素
子)を作製した。得られた複数の太陽電池の中の1つを
用い、その断面を観察したところ、その透明導電層は図
6に示す形態のものであることが判った。
【0028】
【評価】実施例2および比較例2で得られた太陽電池に
ついて、実施例1および比較例1におけると同様にして
評価した。その結果、実施例2の太陽電池は、実施例1
の太陽電池と同様で、比較例2の太陽電池よりも明らか
に優れていることが判った。
【0029】
【実施例3】本実施例では、図8に示した太陽電池モジ
ュールを作製した。光起電力素子の構成としては図4に
示した層構成を有するものを用い、半導体層は実施例2
と同じくp−i−n接合を3つ有するものを用いた。基
体として長尺シートを用い、生産性の高いRoll−t
o−Roll方式で裏面反射層、中間層、第1の透明導
電層、第2の透明導電層を順次形成した。さらに、半導
体層、上部透明電極を形成する際にもRoll−to−
Roll方式を採用した。以下にその詳細を説明する。
図14に示した装置は、可とう性(柔軟性)を有する長
尺シート状の基体1001の表面上にいくつかの薄膜を
真空中で連続的に形成することのできる成膜装置であ
る。1001はステンレスなどの可とう性を有する長尺
基体、1008はこの基体をロール状に巻きつけた送り
出しロール、1009は該基体を巻き取る巻き取りロー
ル、1002は送り出しロールを内部に固定することの
できる真空容器で、配管1018を介してロータリーポ
ンプなどの真空ポンプ1016が接続されている。同様
に巻き取りロール1009は真空容器1007に固定さ
れ、真空ポンプが接続されている。真空容器1002と
1007の間にはガスゲート1021と呼ばれる基体の
通路と、DCマグネトロンスパッタリング法によって所
望の膜を形成する真空容器1003,1004,100
5,1006が図14に示すように接続されている。ガ
スゲート1021には図示のようにガス導入管1010
を接続してArなどの掃気用ガス1011を流入させ、
異なる種類の膜を形成する真空容器の間でガスの相互拡
散が起こらないようにすることができる。これにより良
好な接合を形成できる。ガスゲートは各真空容器の間に
接続されているが連続する真空容器で同じ膜を形成する
場合にはガスゲートをその間に具備する必要はない。真
空容器1003,1004,1005,1006には配
管1019を通して拡散ポンプ1017が接続され、さ
らに配管を通してロータリーポンプなどの真空ポンプが
接続されている。さらに真空容器1003,1004,
1005,1006の内部には基体を加熱するヒーター
1014、所望の膜を形成するためのターゲット102
3、磁石を内蔵した電極1013、スパッタリング用の
ガス1022を導入するためのガス導入管1020が具
備されている。また各電極にはDC電源1012が接続
されている。
【0030】以下に上述した図14に示した成膜装置を
使用して成膜を行う手順を述べる。まずステンレスなど
の可とう性を有する長尺基体を巻いた送り出しロールを
真空容器1002内に固定し、基体先端を各ガスゲー
ト、真空容器1003,1004,1005,1006
を通して真空容器1007内部に固定された巻き取りロ
ールに巻き付ける。各真空ポンプを起動し各真空容器の
内圧が数mTorrになるまで真空排気する。ガス導入
管1010からArガスを、1020からは所望の成膜
用原料ガスを導入し、各ヒーター電源を入れ、基体を矢
印1024の方向に搬送する。基体の温度が一定になっ
たところで各DC電源を入れ、真空容器1003,10
04,1005,1006の中でプラズマ1015を生
起し、所望の膜を形成する。基体の終端部にさしかかっ
たら搬送を止め、各DC電源、各ヒーター電源を切り、
基体を冷却する。基体の温度が室温程度になったら各真
空容器をリークし、巻き取りロールを取りだす。上記の
手法で、厚さ0.15mmのステンレス基体を使用し、
表4に示す条件で該ステンレス基体上に、裏面反射層、
中間層、第1の透明導電層、第2の透明導電層を連続的
に形成した。これらの層を積層したものの反射率を測定
したところ、良好な反射スペクトルが得られた。また第
2の透明導電層の光入射側表面の断面形状をSEMで観
察したところ、図4に示すように、円弧を連結した形状
をなしていることが判った。さらに透明導電層のピンホ
ールを注意深く計数したところ、非常に少ないことが判
った。
【0031】上記で形成した透明導電層上に図15に示
すRoll−to−Roll方式の成膜装置を用いて半
導体層を形成した。図15の装置は、長尺基体上に9層
からなる半導体層を連続的に形成する装置であり、一部
の真空容器は図から省略した。1101は上記の薄膜を
形成した長尺基体、1108はこの基体をロール状に巻
きつけた送り出しロール、1109は該基体を巻き取る
巻き取りロール、1102は送り出しロールを内部に固
定することのできる真空容器で、配管1118を介して
ロータリーポンプなどの真空ポンプ1116が接続され
ている。巻き取りロール1109は真空容器1107に
固定され、真空ポンプが接続されている。真空容器11
02と1107の間には、所望の膜を形成する真空容器
1103−a,1104−a,1103−b(不図
示),1103−c(不図示),1104−b(不図
示),1103−d(不図示),1103−e(不図
示),1104−c(不図示),1103−f,110
5が順次配置され、各真空容器の間にガスゲート112
1が接続されている。各ガスゲート1121には図示の
ようにガス導入管1110を接続してAr,H2などの
掃気用ガス1111を流入させ、異なる種類の膜を形成
する真空容器の間でガスの相互拡散が起こらないように
することができる。このため良好なpin接合を形成で
きる。連続する真空容器で同じ膜を形成する場合にはガ
スゲートをその間に具備する必要はない。真空容器11
03−a,1103−b,1103−c,1103−
d,1103−fにおいてはRFプラズマCVD法を実
施することができる。当該真空容器には配管1118を
通してロータリーポンプとガス導入管1122が接続さ
れ、内部にはヒーター1114とRF電極1113が固
定されている。該RF電極にはRF電源1112が接続
されている。また、真空容器1104−a,1104−
b,1104−cにおいてはマイクロ波プラズマCVD
法を実施することができる。該真空容器には配管111
9を通して拡散ポンプ1117が接続され、さらに配管
を通してロータリーポンプなどの真空ポンプが接続され
ている。さらにガス導入管1122が接続され、内部に
はヒーター1114が固定されている。さらに該真空容
器の壁には誘電体窓1125が接続され、マイクロ波導
入部1126、導波管1127、マッチング調整部11
28、マイクロ波電源1129が順次接続されている。
マイクロ波電源からでたマイクロ波電力はマッチング調
整部、導波管を通り、マイクロ波導入部で拡大され、誘
電体窓を通って真空容器に導入される。真空容器110
5においてはDCマグネトロン・スパッタリング法を行
い、上部透明電極を形成することができる。この真空容
器にも拡散ポンプとロータリーポンプ、ガス導入管が接
続されている。内部には上部透明電極用のターゲット1
130と内部に磁石を内蔵した電極1131とヒーター
1114を具備し、電極1131にはDC電源1123
が接続されている。
【0032】以下に上述した図15に示した成膜装置を
使用して成膜を行う手順を述べる。まず透明導電層まで
形成された上記のステンレス基体を巻いた送り出しロー
ル1108を真空容器1102内に固定し、基体先端を
各ガスゲート、各真空容器を通して真空容器907内部
に固定された巻き取りロール1109に巻き付ける。各
真空ポンプを起動し各真空容器の内圧が数mTorrに
なるまで真空排気する。ガス導入管1111からArガ
スを、1120からは半導体層および上部透明電極形成
用の原料ガスを導入し、各ヒーター電源を入れ、基体を
矢印1124の方向に搬送する。基体の温度が一定にな
ったところで各RF電源、各マイクロ波電源、DC電源
を入れ、マッチングを調整して各真空容器内部にプラズ
マを生起し、所望の膜を形成する。基体の終端部にさし
かかったら搬送を止め、各DC電源、各マイクロ波電
源、DC電源および各ヒーター電源を切り、基体を冷却
する。基体の温度が室温程度になったら各真空容器をリ
ークし、巻き取りロールを取りだす。上記の手法によ
り、表4に示す条件で、第1のn層a−Si:H:P/
第1のi層a−SiGe:H/第1のp層μc−Si:
H:B/第2のn層a−Si:H:P/第2のi層a−
SiGe:H/第2のp層μc−Si:H:B/第3の
n層a−Si:H:P/第3のi層a−Si:H/第3
のp層μc−Si:H:B/上部透明電極ITOを形成
した。かくして上部透明電極まで形成されたロール状の
ステンレス基体を成膜装置から取り出し、上記透明電極
当該基体を切断して30cm×30cmのサイズの光起
電力素子を複数個得た。これらの光起電力素子に実施例
1におけると同様にして集電電極とバスバーを取り付け
た。ついで、図8に示すように4個の光起電力素子を直
列化して一体化し、各光起電力素子とは並列にバイパス
ダイオードを接続した。次に、厚さ0.3mmの支持基
板の上にEVA、ナイロン樹脂、EVA、ガラス不織
布、上記一体化した光起電力素子、ガラス不織布、EV
A、ガラス不織布、EVA、ガラス不織布、フッ素樹脂
を重ねあわせ、得られたものを加熱真空封止(ラミネー
ション)処理に付した。以上のようにして、35cm×
130cmのサイズの太陽電池モジュールを複数個作製
した。得られた太陽電池モジュールについて、実施例1
および比較例1におけると同様に評価した。その結果、
初期特性、HHRB試験、降ひょう試験、光照射試験の
いずれの場合にも満足のいく結果が得られ、実施例1の
太陽電池よりもさらに優れた特性のものであった。更
に、太陽電池JIS C8917に基づいたねじり試験
を行った。即ち、3つの角を固定し、ひとつの角を3c
mだけ変位させる「ねじり」をひとつの角に対して50
回繰返した。同様な「ねじり」をすべての角について行
った。当該試験後、光導電特性、リーク電流、低照度開
放電圧を測定したところ、特性は試験前に対して、0.
99,1.1,0.97と優れていた。以上のように本
発明の光起電力モジュールは優れた特性を有するもので
あることが判った。
【0033】
【実施例4】実施例1において、透明導電層の厚みを2
μmとした以外は実施例1と同様にして、複数の太陽電
池を作製した。得られた複数個の太陽電池の中の1つを
用い、その断面をSEMで観察したところ透明導電層の
光入射側表面は図2に示すようになっていることが判っ
た。さらに第1の透明導電層のc軸の配向性を調べたと
ころ、c軸が基体に対して垂直である領域は95%程度
であることが判った。残りの太陽電池を用いて、実施例
1および比較例1におけると同様にして評価した。その
結果、本実施例で得られた太陽電池は、実施例1の太陽
電池と同様に太陽電池特性の優れたものであることが判
った。
【0034】
【実施例5】実施例2において、第1の透明導電層の厚
みを0.05μmとし、第2の透明導電層の厚みを1.
5μmとした以外は実施例2と同様にして、複数の太陽
電池を作製した。得られた複数個の太陽電池の中の1つ
を用い、その断面をSEMで観察したところ透明導電層
の光入射側表面は図2に示すようになっていることが判
った。残りの太陽電池を用いて、実施例1および比較例
1におけると同様にして評価した。その結果、本実施例
で得られた太陽電池は、実施例2の太陽電池と同様に太
陽電池特性の優れたものであることが判った。
【0035】
【実施例6】実施例1において、裏面反射層を形成した
後、アルミニウムからなるターゲットを用いて酸素ガス
でスパッタリング法を実施し、300Åの厚みの酸化ア
ルミニウム膜からなる中間層を形成し、該中間層を裏面
反射層と透明導電層との間に設けた以外は、実施例1と
同様にして図3に示した構成の太陽電池を複数個作製し
た。得られた複数個の太陽電池の中の1つを用い、その
断面をSEMで観察したところ透明導電層の光入射側表
面は図3に示すようになっていることが判った。残りの
太陽電池を用いて、実施例1および比較例1におけると
同様にして評価した。その結果、本実施例で得られた太
陽電池は、実施例2の太陽電池と同様に太陽電池特性の
優れたものであることが判った。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】
【表3】
【0039】
【表4】
【0040】
【発明の効果】上述したように、本発明による特定の透
明導電層を有する光起電力素子(太陽電池)は、光電変
換効率、開放電圧、短絡光電流、低照度開放電圧、リー
ク電流といった光導電特性に顕著な改善をもたらす。ま
た屋外暴露試験、機械的強度、HHRB(逆バイアスを
印加して高温度高湿度環境下にさらす)試験、長時間光
照射における耐久性を顕著に向上する。さらに光起電力
素子のコストを大幅に低減できる。特に太陽電池の電力
コストを低減する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光起電力素子(太陽電池)の一例の略
断面図である。
【図2】本発明の光起電力素子(太陽電池)の一例の略
断面図である。
【図3】本発明の光起電力素子(太陽電池)の一例の略
断面図である。
【図4】本発明の光起電力素子(太陽電池)の一例の略
断面図である。
【図5】本発明の光起電力素子(太陽電池)の一例の光
入射側の構成の説明図である。
【図6】従来の光起電力素子(太陽電池)の一例の略断
面図である。
【図7】本発明の光起電力素子(太陽電池)に使用する
集電電極の一例の構成を示す模式図である。
【図8】本発明の光起電力素子(太陽電池)モジュール
の一例を示す。(a)は模式的断面図であり、(b)は
光入射側の構成の説明図である。
【図9】本発明の光起電力素子(太陽電池)における半
導体層の一例の略断面図である。
【図10】本発明による透明導電層を使用した光起電力
素子(太陽電池)についての該透明導電層の円弧の曲率
半径および曲率中心からの仰角と、該光起電力素子の光
電変換効率の関係を示す図である。
【図11】透明導電層の導電率と該透明導電層を有する
光起電力素子(太陽電池)の光電変換効率の関係を示す
図である。
【図12】本発明の光起電力素子(太陽電池)における
裏面反射層と透明導電層の形成に使用する成膜装置の一
例を示す図である。
【図13】本発明の光起電力素子(太陽電池)における
半導体層の形成に使用する成膜装置の一例を示す図であ
る。
【図14】本発明の光起電力素子(太陽電池)における
裏面反射層と透明導電層の形成に使用するロール・ツー
・ロール(Roll−to−Roll)方式の成膜装置
の一例を示す図である。(a)は当該成膜装置を上から
見た模式図であり、(b)は当該成膜装置を横から見た
模式図である。
【図15】本発明の光起電力素子(太陽電池)における
半導体層の形成に使用するロール・ツー・ロール(Ro
ll−to−Roll)方式の成膜装置の一例である。
(a)は当該成膜装置を上から見た模式図であり、
(b)は当該成膜装置を横から見た模式図であり、
(c)は当該成膜装置に設けられた真空容器を示す図で
ある。
【図16】透明導電層について、光入射側表面の断面形
状が500Å乃至3μmの範囲の曲率半径で曲率中心か
らの仰角が50°乃至150°の円弧を複数連結して構
成され、該円弧の曲率中心を通る円弧の2等分線が基体
の表面にほぼ垂直である領域の占める割合と、該透明導
電層を有する光起電力素子(太陽電池)の光電変換効率
の関係を示す図である。
【符号の説明】
101,201 基体 102,202 裏面反射層 103,203 透明導電層 104,204 透明導電層の光入射側表面 105,205 半導体層 106,206,306 上部透明電極 107,207,307 集電電極 103a 第1の透明導電層 103b 第2の透明導電層 108 バスバー 109 両面テープ 110 中間層 301 銅ワイヤ 302 銀クラッド層 303 炭素層 401 支持基板 402,404,409,411 EVA 403 ナイロン樹脂 405,408,410,412 ガラス不織布 406 バイパスダイオード 407 光起電力素子 413 フッ素樹脂 414 バスバー 510 第1のn層 511 第1のi層 512 第1のp層 513 第2のn層 514 第2のi層 515 第2のp層 516 第3のn層 517 第3のi層 518 第3のp層

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基体上に、裏面反射層、透明導電層、水
    素を含有する非単結晶シリコン系材料からなり少なくと
    もひとつの半導体接合を有する半導体層、金属酸化物か
    らなる上部透明電極を順次積層し、該上部透明電極の上
    に集電電極を具備して構成される光起電力素子におい
    て、該透明導電層は酸化亜鉛からなり、かつ光入射側表
    面の断面形状が曲率半径300Å以上、6μm以下で曲
    率中心からの仰角が30度以上155度以下の円弧を複
    数連結して構成された領域を、断面領域の全体に対して
    80%以上含有することを特徴とする光起電力素子。
  2. 【請求項2】 前記透明導電層は前記基体上に第1の透
    明導電層および第2の透明導電層を順次積層した構成で
    あり、該第1の透明導電層は酸化亜鉛の結晶粒の集合で
    構成され、かつそのc軸が前記基体の表面に平行である
    領域が50%以上、99%以下であり、さらに該第2の
    透明導電層は長手方向が酸化亜鉛のc軸に平行である柱
    状結晶粒の集合で構成され、かつ該柱状結晶粒が前記基
    体の表面の垂直方向に対して放射状に集合している領域
    が全領域の70%以上であることを特徴とする請求項1
    に記載の光起電力素子。
  3. 【請求項3】 前記透明導電層は5000Å以上、3μ
    m以下の膜厚であることを特徴とする請求項1に記載の
    光起電力素子。
  4. 【請求項4】 前記第1の透明導電層は、前記透明導電
    層全体の膜厚の1%以上30%以下に相当する膜厚であ
    ることを特徴とする請求項2に記載の光起電力素子。
  5. 【請求項5】 前記透明導電層は10-8(1/Ωcm)
    以上、10-2(1/Ωcm)以下の導電率を有すること
    を特徴とする請求項1に記載の光起電力素子。
  6. 【請求項6】 前記第1の透明導電層および第2の透明
    導電層は10-8(1/Ωcm)以上、10-2(1/Ωc
    m)以下の導電率を有することを特徴とする請求項2に
    記載の光起電力素子。
  7. 【請求項7】 前記第1の透明導電層および第2の透明
    導電層はともにスパッタリング法で形成され、かつ第1
    の透明導電層の形成温度は50℃以上200℃以下、第
    2の透明導電層の形成温度は150℃以上、400℃以
    下であり、かつ第2の透明導電層の形成温度は第1の透
    明導電層の形成温度よりも少なくとも30℃以上高いこ
    とを特徴とする請求項2に記載の光起電力素子。
  8. 【請求項8】 前記第1の透明導電層はスパッタリング
    法により、酸素を50%以上含有する雰囲気中で形成さ
    れたものであることを特徴とする請求項2に記載の光起
    電力素子。
  9. 【請求項9】 前記裏面反射層と前記透明導電層の間に
    酸化アルミニウムからなる中間層を有することを特徴と
    する請求項1に記載の光起電力素子。
  10. 【請求項10】 前記中間層は酸素を80%以上含有す
    る雰囲気中においてアルミニウムをターゲットとして反
    応性スパッタリング法で形成されたものであることを特
    徴とする請求項9に記載の光起電力素子。
  11. 【請求項11】 前記中間層は酸素を80%以上含有す
    る雰囲気中において前記裏面反射層としての金属層の表
    面を酸化させて形成した表面酸化層であることを特徴と
    する請求項9に記載の光起電力素子。
  12. 【請求項12】 前記半導体層は、微結晶シリコン系材
    料と非晶質シリコン系材料との半導体接合を有すること
    を特徴とする請求項1に記載の光起電力素子。
  13. 【請求項13】 前記半導体層は実質的に複数の層から
    構成され、ゲルマニウム、酸素、窒素、炭素のうち少な
    くとも一つの元素を含有する層を含むことを特徴とする
    請求項1に記載の光起電力素子。
  14. 【請求項14】 前記上部透明電極はSnO2,In2
    3およびITOの中から選ばれる金属酸化物または前記
    金属酸化物の複合物で構成されることを特徴とする請求
    項1に記載の光起電力素子。
  15. 【請求項15】 前記集電電極は、金属ワイヤからなる
    コア上にクラッド層と炭素層とが順次積層されたものか
    らなることを特徴とする請求項1に記載の光起電力素
    子。
  16. 【請求項16】 前記透明導電層の光入射側の断面形状
    が曲率半径500Å以上3μm以下で曲率中心からの仰
    角が50度以上150度以下の円弧を複数連結して構成
    され、該円弧の曲率中心を通り円弧の2等分線が該基体
    にほぼ垂直である領域を、断面領域の全体に対して80
    %以上含有することを特徴とする請求項1に記載の光起
    電力素子。
  17. 【請求項17】 前記透明導電層の光入射側の断面形状
    が曲率半径900Å以上2μm以下で曲率中心からの仰
    角が70度以上135度以下の円弧を複数連結して構成
    され、該円弧の曲率中心を通り円弧の2等分線が該基体
    にほぼ垂直である領域を、断面領域の全体に対して80
    %以上含有することを特徴とする請求項1に記載の光起
    電力素子。
  18. 【請求項18】 前記裏面反射層がアルミニウムを主成
    分とすることを特徴とする請求項1に記載の光起電力素
    子。
  19. 【請求項19】 前記円弧の曲率中心を通る円弧の2等
    分線が該基体に略垂直である領域を前記断面形状の80
    %以上含有することを特徴とする請求項1に記載の光起
    電力素子。
  20. 【請求項20】 請求項1乃至19のいずれかに記載の
    光起電力素子の複数個が電気的に連結され、該連結され
    た複数の光起電力素子が樹脂封止されていることを特徴
    とする光起電力素子モジュール。
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