JP2004296652A - 積層型光起電力素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は積層型光起電力素子に係わり、更に詳細には入射光を効率よくエネルギー収集を行うことができ、かつ、欠陥の影響を少なく、開放電圧、曲線因子の良好な高い光電変換効率を持つ積層型光起電力素子を提供することを目的とする。
【解決手段】PN接合、または、PIN接合を含む光起電力層を複数積層した光起電力素子であって、少なくとも一つの半導体層界面に島状の中間層を設けることを特徴とする。
【選択図】 図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は少なくとも2つ以上の光起電力層を持つ積層型光起電力素子に関わる。
【0002】
【従来の技術】
光起電力素子は入射光エネルギーを電気エネルギーに変換する装置で、その内太陽電池は太陽光を電気エネルギーに変換するもので広い波長域の光を効率的に変換することを特徴とする光起電力素子ある。そのため高い光電変換効率を達成するためには広い波長領域全体にわたって無駄なく光を吸収する必要がある。その解決手段の一つとして異なるバンドギャップの光活性層を含む光起電力素子を積層する積層型光起電力素子が知られている。この積層型光起電力素子は光入射側にバンドギャップが相対的に大きい光活性層を用いた素子、或いは、相対的に膜厚を薄くした素子を配置して短波長の光を吸収させ、その下にバンドギャップが相対的に小さい光活性層を用いた素子、或いは、膜厚が厚い素子を配置することで、上部の素子を透過した長波長の光を吸収させ、広い波長域で効率よく光を吸収利用するものである。
【0003】
ここで重要な点は各々のバンドギャップの異なる光活性層を有する光起電力素子に適した波長領域の光を各素子に導入することが必要であるということである。これは各々の光起電力素子がその光活性層に用いられている半導体のバンドギャップにより入射光の利用可能波長域が異なることに理由がある。すなわち、バンドギャップよりもエネルギーが低い光子は半導体に吸収されず利用することができない。またバンドギャップより大きなエネルギーを持った光子は、吸収はされるが電子を励起した際に与えることができる電子のポテンシャルエネルギーはそのバンドギャップの大きさに制限されてしまうためにバンドギャップエネルギーと光子エネルギーの差分は利用することができない。すなわち積層型光起電力素子においてはその光入射側の素子には短波長領域の光のみを、その下の素子には長波長領域の光のみを入射させることが重要である。
【0004】
この解決手段の一つとして光起電力素子の間に中間層を設けて反射層として使うといった方法が知られており、各素子間に短波長の光を反射し長波長の光を透過する導電層を設けるといった方法がある(例えば、特許文献1、非特許文献1を参照。)。
【0005】
【特許文献1】
特開昭63−77167号公報
【非特許文献1】
山本憲治,「薄膜多結晶シリコン太陽電池」,応用物理,応用物理学会,平14年5月,第71巻,第5号,p.524−527
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記の様な反射層を中間層として設ける場合、シャント抵抗が低下し、開放電圧(以下、Voc)、曲線因子(以下、FF)が低下する場合があった。また、通常の積層型セルや単セルの場合、欠陥封止(以下、パッシベーション)処理によってシャント抵抗が増加し、FFが回復するが、上記の様な反射層を中間層として設ける場合、あまりシャント抵抗が増加せず、FFの回復が小さい。
【0007】
特に、下部に在るセルの欠陥が多い場合、Voc、FFが低下する傾向にあった。
【0008】
さらに、このような現象は中間層の厚さが厚くなるほど、中間層の抵抗率が低いほど、顕著に表れる傾向にあった。
【0009】
このような現象は上記の様な反射層を中間層として設ける場合、中間層を介して面内方向に電流が流れ、欠陥を通して、漏れ電流が流れることによって起こるものと考えられる。このような欠陥は、光起電力層を作製する時に、ダスト等の影響で、ピンホールや異物付着によって生じ、ピンホールでは、中間層と下部電極が直接接触したり、異物によっては異物付着部分で合金を作って低抵抗となったりして中間層を面内に流れた電流が欠陥に流れ込むこととなり、発生した電流を損失してしまう。
【0010】
特に太陽電池などの面積の大きい光起電力素子の場合、大面積にわたって欠陥のない光起電力素子を作るのは困難であるので、欠陥による影響を低下させることが重要である。
【0011】
また、欠陥部分を樹脂で埋める方法などによって欠陥を封止する方法があるが、上層まで積層した後に下層の欠陥を封止することは困難である。
【0012】
こうした課題を解決するための方法の一つとして、中間層を高抵抗にするか、十分薄くするといった事が考えられる。しかし、中間層を高抵抗にすると、光起電力層間の直列抵抗が増え、逆にFFが低下する。また、中間層を薄くすると、反射層としての、効果が十分得られないといった問題があるので、中間層の設計が非常に難しくなる。
【0013】
本発明は入射光の全ての波長領域に渡って効率よくエネルギー収集を行うことができ、かつ、中間層を介して面内方向に電流が流れ、欠陥を通して、漏れ電流が流れることによって起こるシャント抵抗の低下、Voc及び、FFの低下を抑制し、高い光電変換効率を持つ光起電力素子を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、島状の中間層を設けることによって、シャント抵抗の低下及びVoc、FFの低下を防ぐことができることを見出した。すなわち、本発明の骨子とするところは、PN接合、または、PIN接合を含む光起電力層を複数積層した光起電力素子であって、少なくとも一つの半導体層界面に島状の中間層を設けることを特徴とする光起電力素子が提供される。
【0015】
さらに本発明は以下の技術的内容を含む。
(1)島状の周辺をなす部分の膜厚は薄いほうが好ましく、平均膜厚の50%未満が好ましい。
(2)実質的に島状の周辺をなす部分の平均膜厚が全平均膜厚の25%未満であることが好ましい。
(3)実質的に島状の正射投影の平均面積は5×10nm以上5×10nm以下であること好ましい。
(4)さらに実質的に島状の正射投影の面積が全面積に占める割合は30%以上80%以下であることが好ましい。
(5)実質的に島状の周辺をなす部分の一部に中間層のない部分が存在することがさらに好ましい。
(6)島状の中間層の平均膜厚は10nm以上2μm以下であることが好ましい。
(7)島状の中間層において、光入射側の面の凹凸の平均傾斜角はその反対側の面の凹凸の平均傾斜角よりも大きいことが好ましい。
(8)本発明は、光起電力層は少なくとも一部が非単結晶シリコン系半導体よりなる場合に好適である。
(9)本発明は、光起電力層はアモルファスシリコン系半導体よりなる層を含む場合に好適である。
(10)本発明は、光起電力層は微結晶シリコン系半導体よりなる層を含む場合に好適である。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の積層型光起電力素子として光起電力層が2層ある太陽電池を例に実施の形態を説明するが、本発明はこれらによって何ら制限されるものではなく、光起電力層の数は適宜選択し得る。
【0017】
まず、本発明の概念を説明する。
【0018】
図1は島状の中間層の概念を示す模式図である。(A)は中間層表面の平面図、(B)は平面図(A)でA―A‘と示したところの断面図である。図には光起電力層105、島状の中間層104が図示されている。一般的に島とは水面より上に出て孤立しているものを島というが、物質表面には海水面という基準が無いので、ここでは、平均膜厚に対して50%の膜厚の地点を結んだ線を島の境界とし、この線で囲まれた部分を島と表し、その外側を島の周辺をなす部分とする。(A)では、実線が島の境界101を表し、実線で囲まれた部分(斜線の部分)が島102であり、それ以外の部分が島の周辺をなす部分103である。(B)では、点線にて平均膜厚の50%のライン106を表している。この点線と交わる部分が島の境界101を形成しており、この点線より上にある部分が島102であり(矢印の範囲)、下にある部分が島の周辺をなす部分103である。図2は比較の例として、同じ凹凸であるが平均膜厚が厚い例を示している。図には光起電力層202、中間層201が図示されている。同じく、点線にて平均膜厚の50%のライン203を表している。この図では、点線と交わる部分が無く、島となる部分が無いことを示している。
【0019】
図3には、光起電力層に欠陥が存在する場合の漏れ電流の経路の模式図を示す。
【0020】
(A)は本発明の島状の中間層301を用いた場合であり、欠陥303は、異物の付着等による半導体層の欠落、ひび割れ、不純物混入などであり、光起電力効果を失っているだけでなく、漏れ電流の経路となる。中間層301は光起電力層302と良好なコンタクトを取るために適当に導電性を持っており、面内方向にも漏れ電流306が流れる。この場合、島の周辺をなす部分304が島305の部分よりも薄くなっており、この部分は漏れ電流が流れにくくなる。したがって、欠陥が影響を及ぼす範囲は島305の部分に限られる。その結果、シャント抵抗の低下、Voc、FFの低下が抑制される。
【0021】
(B)は実質的に平坦な中間層を用いた場合であり、表面に凹凸は形成されているが、膜厚に比べて小さい。このような中間層の場合、漏れ電流306が広範囲から流れ、欠陥303の影響は広範囲に及び、シャント抵抗が低下し、Voc、FFの低下につながる。このような中間層の場合、漏れ電流306を流れにくくするには平均膜厚を薄くすることが考えられるが、平均膜厚が薄くなると反射層としての機能が低下してゆく。また相対的に、膜厚が薄くなれば、表面の凹凸も小さくなるので、散乱効果も得られなくなってゆく。また、他方、抵抗率を高くすることが考えられるが、光起電力層とのコンタクトを取るためには、平均膜厚にもよるが抵抗率をあまり高くできない。したがって、中間層の設計が非常に難しくなる。
【0022】
反射層としての効果は、中間層の界面での屈折率の違いによって生まれるものであり、両界面での多重反射を考慮しなければならない。光の干渉があるので波長によって反射率は変わってくるが、概して、平均膜厚が厚いほど、反射率は増加していく。また、中間層の表面が凹凸であれば、光の散乱効果が現れて、反射光の光路長が伸び、上側の光起電力素層において短絡光電流の増加が見られる。一方、透過する光も、散乱されるので、下側の光起電力素層においても、短絡光電流の増加が見られる。従って、反射層としての効果は、おもに中間層の平均膜厚によって制御可能である。さらに島の凹凸を適当に選べば、散乱効果も期待でき、半導体層中での光路長が伸び、中間層の両側のセルで、短絡光電流の増加が見られる。
【0023】
以上の作用により、中間層を島状の中間層とすることによって、短絡光電流の増加、シャント抵抗の低下の抑制によるVoc、FFの低下の抑制で、光電変換効率の向上が見られる。さらに、島の周辺部は薄ければ薄いほど、漏れ電流が流れにくくなるので、島状の周辺をなす部分の平均膜厚が全平均膜厚の25%未満になっていれば、さらに好ましい。また、全く中間層がない部分があれば、漏れ電流は流れないので、実質的に島状の周辺をなす部分の一部に中間層のない部分が存在することがより好ましい。
【0024】
漏れ電流の流れる範囲(欠陥が影響を及ぼす範囲)は島の範囲におおむね限られるので、島の大きさが大きいほど、広い範囲が欠陥の影響を受けてしまい、島状の中間層とした効果が薄れてくる。また、逆に、島の面積が小さいと、上に堆積される半導体層の被覆性が悪くなり、上部の光起電力層に新たな欠陥を発生させるので、光電変換効率の低下につながる。従って、島状の正射投影の平均面積は5×10nm以上5×10nm以下の範囲が好ましい。より好ましくは1×10nm以上1×10nm以下の範囲であり、最適には5×10nm以上5×10nm以下の範囲である。
【0025】
島の面積×島の数が減っていけば、つまり、島の周辺部分が増えていけば、島状となっている効果が薄れていくので島状の正射投影の面積が全面積に占める割合は30%以上が好ましい。一方、前記割合が大きいと島の周辺部分が減り、漏れ電流を減らす効果が薄れので、80%以下が望ましい。さらに好ましくは、35%以上75%以下であり、最適には、40%以上70%以下である。
【0026】
島状の中間層の平均膜厚は10nm以上2μm以下であることが好ましい。上で述べたように、反射層としての効果は、中間層の界面での屈折率の違いによって生まれるものであるので、あまり薄いと効果が得られない。よって、10nm以上が好ましい。また、2μmを超えるような厚さは中間層での吸収が増えてくるために、下部のセルの短絡光電流が低下するので、2μm以下が好ましい。さらに好ましくは、50nm以上1.5μm以下であり、最適には100nm以上1μm以下である。
【0027】
さらに、島状の中間層において、光入射側の面の凹凸の平均傾斜角はその反対側の面の凹凸の平均傾斜角よりも大きいことが好ましい。ここでいう平均傾斜角とは、中間層の表面の曲面fにおいて、ある位置(X1,Y1,Z1)の曲面f(X1,Y1,Z1)の法線方向が実質的な基板の垂線となす角を面内の各位置において平均したものである。傾斜角はAFM等、表面形状が観察できる測定手段を用いて、容易に観測できる。光の波長が数100nm程度を対象としているので、測定において、解像度は最低限、数10nm程度の解像度が必要である。一方、最近の技術の進歩によって、原子構造レベルの像を観測できるようになっているが、一般的に表面形状と言う観点からは、このような観測手段は必要ない。実質的に固体表面形状が観測できる適当な解像度(数nm〜数10nm)を選べばよい。
【0028】
ここで、傾斜している面に光が入射すると屈折率の違いに起因する屈折がおきる。島状でかつ凹凸の平均傾斜角が大きければ、光の屈折する角度が大きくなり、光学的な散乱効果が増える。ところで、上にも述べたように、反射層としては膜の光入射側の面とその反対側の面の二つの界面での多重反射があるので、その反対側の面では光入射側の面と異なる角度へ屈折するほうが、散乱効果が高くなるので、両面が異なる平均傾斜角を有するほうが、散乱効果が高い。
【0029】
太陽光のスペクトルを考えた場合、有効に利用できる波長範囲はおおむね300nm〜1200nm付近である。中間層の上部のセルで短波光は吸収されており、中間層としては長波の光が有効に透過することが好ましく、長波長の目安である800nmの透過率がさらに50%以上あることが望ましい。さらに好ましくは、70%以上である。最適には80%以上である。
【0030】
また、たとえば、中間層として、金属の極薄膜も用いることもできるが、長波長光を透過し、かつ適度な抵抗率であるものとして、前記島状の中間層は金属酸化物が好適である。
【0031】
本発明は光起電力層が少なくとも一部が非単結晶シリコン系半導体よりなる場合に好適である。シリコン系非単結晶半導体では、バンドギャップエネルギーが光を最も効率的に吸収できるバンドギャップエネルギー(1.4eV付近)とずれており、積層型光起電力素子を用いて、本発明の島状の中間層を適用するのに好適である。
【0032】
本発明は、光起電力層はアモルファスシリコン系半導体よりなる層を含む場合に好適である。アモルファスシリコン系半導体はバンドギャップエネルギーが1.7eVと大きく、光入射側にアモルファスシリコン系半導体を用いるとよい。
【0033】
本発明は、光起電力層は微結晶シリコン系半導体よりなる層を含む場合に好適である。微結晶シリコン系半導体はバンドギャップエネルギーが1.1eVと小さく、光閉じ込め効果も期待できることから、光入射側と異なる光起電力層に微結晶シリコン系半導体を用いるとよい。
【0034】
次に本発明の構成および各構成要素について詳細に説明する。
【0035】
図4は本発明の実施形態である積層型光起電力素子の断面構造を示す概略図である。金属等の導電性の基板401上に光反射層402、第2の光起電力層403、島状の中間層404、第1の光起電力層405、透明電極406が順に積層されている。第1の光起電力層405と第2の光起電力層403の光活性部を構成する半導体は第1の光起電力層403が第2の光起電力層の半導体よりバンドギャップが大きい半導体で構成されていたり、光活性部が薄く構成されていたりして、第1の光起電力層405で短波長域を第2の光起電力層403で長波長域の光が吸収されるように設計されている。島状の中間層404は光の一部を反射し、第1の光起電力層405の光吸収量を増加させる効果を持っている。
【0036】
また、図5は本発明の他の実施形態である積層型光起電力素子の断面構造を示す概略図である。ガラス等の透光性絶縁板の基板501上に透明電極506、第1の光起電力層505、島状の中間層504、第2の光起電力層503、導電性の光反射層502が順に積層されている。この場合には光入射は透光性絶縁基板である基板501側から行われる。
【0037】
図6は中間層がないこと以外は図4に示す本発明の積層型光起電力素子と同じ構成の積層型光起電力素子の断面構造を示す概略図である。金属等の導電性の基板601上に光反射層602、第2の光起電力層603、第1の光起電力層604、透明電極605が順に積層されている。(基板)
本発明の積層型光起電力素子に用いる基板を構成する材料には、導電性材料及び絶縁性材料の何れでもよく、その種類を問わない。導電性材料としては、例えば、めっき鋼板,NiCr,ステンレス,Al,Cr,Mo,Au,Nb,Ta,V,Ti,Pt,Pb,Sn等の金属、またはこれらの合金などが挙げられる。絶縁性材料としては、ポリエステル,ポリエチレン,ポリカーボネート,セルロースアセテート,ポリプロピレン,ポリ塩化ビニル,ポリ塩化ビニリデン,ポリスチレン,ポリアミド等の合成樹脂、またはガラス,セラミックス,紙などが挙げられる。特に金属基板としてはステンレス鋼、絶縁基板としてはガラス、セラミックス、ポリイミドが好適に用いられる。また基板側から光入射する場合には透光性絶縁性基板が用いられ、特にガラスが好適に用いられる。
【0038】
基板の表面性状は、平滑面、あるいは山の高さが最大0.1〜1.0μmの凹凸面となるテクスチャー化した形状であってもよい。例えば、ステンレスによる基板の表面をテクスチャー化する一つの方法として、酸性溶液を用いて表面をエッチング処理することが挙げられる。
【0039】
基板の厚さは、各層を所定に積層できて光起電力素子を所定に形成し得るように適宜に決定するが、光起電力素子としての柔軟性が要求される場合には、支持体としての機能が十分に発揮される範囲で可能な限り薄くすればよい。しかし、基板の製造上及び取り扱い上の面から、そして機械的強度の面から、通常は厚さが10μm以上とされる。
【0040】
(反射層)
本発明の積層型光起電力素子に用いる反射層には可視光から近赤外で反射率が高い金属、例えばAg,Al,Cu等の金属やこれらの合金の堆積膜が用いられる。真空蒸着法,スパッタリング法等や、水溶液からの電解析出法などの方法で堆積することが好適である。この反射層の厚さは、10nmから5000nmが適した層厚として挙げられる。また乱反射をさせるために表面が凹凸であることが好ましい。また反射層には反射する光量を多くするために反射増加層を備えるのが望ましい。
【0041】
反射増加層の構成材料には、ZnO,SnO,In,ITO,TiO,CdO,CdSnO,Bi,MoO,NaWO等が挙げられる。反射増加層は、これらの材料を使用し、真空蒸着法,スパッタリング法,電解析出法,CVD法,スプレー法,スピンオン法,ディッング法等の方法で形成することが好適である。この反射増加層の厚さは、使用材料が固有に持つ屈折率により最適な層厚は異なるが、好ましくは50nm〜10μmが層厚の範囲として挙げられる。また、光を散乱させるために反射増加層の表面が凹凸であることが好ましい。例えば、スパッタリング法においては、堆積条件によって、結晶粒界を基にした凹凸が生成される。
【0042】
(光起電力層)
本発明の積層型光起電力素子に用いられる半導体としてはIV族、III−V族、II−VI族、I−III−VI族の単結晶、多結晶、微結晶、非晶質が用いられる。IV族としてはC、Si、Ge、及びこれらの合金、III−V族としてはAlAs、AlSb、GaN、GaP、GaAs、GaSb、InP、InAs、II−VI族としてはZnSe、ZnS、ZnTe、CdS、CdSe、CdTe、CuS、I−III−VI族としてはCuInSeなどが挙げられる。特にシリコン系半導体が好適に用いられる。また形体は単結晶、多結晶、微結晶、非晶質が好適に用いられる。
【0043】
本発明の積層型光起電力素子に用いられる光起電力層は、pn接合、pin接合を含んでおり、光起電力層を少なくとも2構成以上積層して構成される。それぞれの光起電力層は材料の異なる半導体を用いて構成することも、同一の材料で構成することもできるが、短波長の光ほど吸収されやすいことから、光入射側には、より短波長を吸収しやすい材料を用いた光起電力層の配置し、その後により長波長を吸収しやすい材料を用いた光起電力層の配置する構成が好適に用いられる。
【0044】
(中間層)
本発明の積層型光起電力素子に用いられる中間層は金属の薄膜や金属酸化物が用いられる。金属の薄膜としては、Ag,Al,Cu等の金属やこれらの合金の堆積膜が用いられるが、吸収があるために極薄い薄膜が用いられる。また、金属酸化物としては、ZnO,SnO,In,ITO,TiO,CdO,CdSnO,Bi,MoO,NaWO等が挙げられる。特に酸化インジウム、酸化スズ、酸化インジウムスズ、酸化亜鉛が好適に用いられる。
【0045】
また、金属酸化物として中間層の屈折率は反射率を上げるために光起電力層の中間層に接する部分の屈折率より低いことが望ましい。
【0046】
島状の中間層の形成方法であるが、たとえば、エッチングが挙げられる。まず、中間層を真空蒸着法,スパッタリング法,電解析出法,CVD法,スプレー法,スピンオン法,ディッング法等の方法で形成することが好適である。そのとき、導電率を変化させる物質を添加してもよい。
【0047】
その後、ウエットエッチングやドライエッチングで結晶粒界のエッチング速度が大きいことを利用して、島状に形成することができる。このときドライエッチングとしてはハロゲン化水素やメタンガスと不活性ガスの混合気体等を用いることができる。ウエットエッチングでは酢酸、塩酸、硝酸等の酸を用いることができる。上記方法では、制御が難しいので、エッチング速度が遅い極薄の薄膜を中間層上に設けて、これをマスクとして、エッチングを行うこともできる。
【0048】
また、真空蒸着法,スパッタリング法,電解析出法,CVD法,スプレー法,スピンオン法,ディッング法等の方法で形成後、加熱処理によって凝集させることによっても得られる。
【0049】
(透明電極)
本発明の積層型光起電力素子に用いられる透明電極は酸化インジウム、酸化スズ、酸化インジウムスズ、酸化亜鉛等が挙げられ、スパッタリング法、真空蒸着法、化学的気相成長法、イオンプレーティング法、イオンビーム法、およびイオンビームスパッタ法などで形成することができる。また、硝酸基や酢酸基やアンモニア基などと金属イオンからなる水溶液中からの電気析出法や浸漬法でも作製することができる。透明電極の厚さは、反射防止膜としての条件を満たす層厚に形成するのが好ましい。
【0050】
【実施例】
以下に、本発明の好適な実施例を添付図面に基づいて詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0051】
(実施例1)
第1の光起電力層としてi層が真性非晶質Si:Hのpin型光起電力素子、第2の光起電力層としてi層が真性微結晶Siのpin型光起電力素子、島状の中間層として酸化亜鉛層を用いた積層型光起電力素子を作製した。
【0052】
基板401には、縦横45mm×45mm、厚さ0.15mmの形状で、一般的にBA仕上げと呼ばれる平坦なステンレス鋼(SUS430)を使用し、市販の直流マグネトロンスパッタ装置(不図示)に設置し、圧力が10−3Pa以下になるまで排気した。
【0053】
その後、アルゴンガスを30cm/min(normal)供給し、圧力を2×10−1Paに保持した。基板は加熱せず、6inchφのアルミニウムターゲットに120Wの直流電力を印加し、90秒間で70nmのアルミニウムの金属層を堆積した。引き続き、基板温度を200℃に加熱し、6inchφの酸化亜鉛のターゲットに電気接続を切り替えて500Wの直流電力を30分間印加し、約3000nmの酸化亜鉛の反射増加層を堆積した。
【0054】
図7は本発明の積層型光起電力素子の半導体層を作製するために好適な装置の一形態を示す模式図である。図7に示す堆積膜形成装置は、ロードチャンバー701、微結晶シリコンi型層チャンバー703、アモルファスシリコンi型層RFチャンバー704とn型層RFチャンバー702とp型層RFチャンバー705、およびアンロードチャンバー706から主に構成されている。各チヤンバー間は、ゲートバルブ707、708、709、710、711で各原料ガスが混合しないように分離されている。
【0055】
微結晶シリコンi型層チャンバー703は、基板加熱用のヒーター712およびプラズマCVD室713から構成されている。RFチャンバー702は、n型層堆積用ヒーター714とn型層堆積用の堆積室715を、RFチャンバー704はi型層堆積用ヒーター716とi型層堆積用の堆積室717を、RFチャンバー705はp型層堆積用ヒーター718とp型層堆積用の堆積室719を有している。基板は基板ホルダー621に取り付けられ、レール720上を外部から駆動されるローラーによって移動する。プラズマCVD室713では、微結晶を形成する。微結晶は、マイクロ波プラズマCVD法またはVHFプラズマCVD法が使用される。
【0056】
このような堆積膜形成装置を使用して、表1に示す様に各層における所定の成膜条件のもとに半導体層を堆積した。
【0057】
【表1】
Figure 2004296652
【0058】
最初に、反射層402を堆積した基板401上に表1に従って以下の手順で第2の光起電力層を堆積した。基板401を基板ホルダー721にセットしロードチャンバー701のレール720上にセットする。そして、ロードチャンバー701内を数百mPa以下の真空度に排気する。
【0059】
次に、ゲートバルブ707を開け、基板ホルダー721をチャンバー702のn型層堆積室715に移動する。各ゲートバルブ707、708、709、710、711を閉じた状態で、所定の原料ガスにてn型層を所定の層厚に堆積する。十分に排気した後、ゲートバルブ708を開けて基板ホルダー721を堆積チャンバー703に移動し、ゲートバルブ708を閉じる。
【0060】
ヒーター712で基板を所定の基板温度に加熱し、所定の原料ガスを必要量導入し、所定の真空度にして、所定のマイクロ波エネルギーまたはVHFエネルギーを堆積室713へ導入し、プラズマを発生させて基板上に微結晶シリコンi型層を所定の層厚に堆積する。チャンバー703を十分に排気し、ゲートバルブ709、710を開けて基板ホルダー721をチャンバー703からチャンバー705へ移動する。
【0061】
基板ホルダー721をチャンバー705のp型層堆積室719に移動させた後、ヒーター718によって基板を所望の温度に加熱する。堆積室719にp型層堆積用の原料ガスを所定の流量だけ供給し、所定の真空度に維持しつつ堆積室719にRFエネルギーを導入し、p型層を所望の層厚に堆積する。
【0062】
上記と同様にして堆積室719を十分に排気した後、ゲートバルブ711を開け、半導体層が堆積された基板401をセットした基板ホルダー721をアンロードチャンバー706へ移動する。
【0063】
ゲートバルブを全て閉じ、アンロードチャンバー706内へ窒素ガスを封入して、基板温度を冷却する。その後、アンロードチャンバー706の取り出しバルブを開けて、基板ホルダー721を取り出す。
【0064】
次に基板ホルダー721から第2の光起電力層まで作製した基板401をとりはずし中間層を形成するために市販の直流マグネトロンスパッタ装置(不図示)に設置し、圧力が10−3Pa以下になるまで排気した。
【0065】
その後、アルゴンガスを30cm/min(normal)供給し、圧力を2×10−1Paに保持した。引き続き、基板温度を200℃に加熱し、6inchφの酸化亜鉛のターゲットに電気接続を切り替えて100Wの直流電力を25分間印加し、約500nmの酸化亜鉛層を堆積した。引き続き、アルゴンガrスを30cm/min(normal)供給し、圧力を2×10−1Paに保持した。基板温度を200℃に加熱し、6inchφのクロムを5重量%含む酸化亜鉛ターゲットに電気接続を切り替えて50Wの直流電力を1分間印加し、約10nmのクロムが添加された酸化亜鉛層を堆積した。その後、取り出して、10重量%の酢酸溶液に40秒間浸してエッチングを行った。そして、イソプロピルアルコールを用いて超音波洗浄を行い、オーブンにて乾燥させた。
【0066】
次に再び堆積膜形成装置700を用いて、上記中間層が堆積された基板401上に第1の光起電力層としてpin型非晶質Si:H光起電力素子を以下に述べるように作製した。
【0067】
上記と同様にして所定の条件でn型層を所定の層厚に堆積する。十分に排気した後、ゲートバルブ708、709を開けて基板ホルダー721を堆積チャンバー704に移動し、ゲートバルブ708、709を閉じた。
【0068】
ヒーター716で基板を所定の基板温度に加熱し、所定の原料ガスを必要量導入し、所定の真空度にして、所定のRFエネルギーを堆積室717へ導入し、プラズマを発生させて基板上に非晶質Si:H i型層を所定の層厚に堆積する。チャンバー704を十分に排気し、ゲートバルブ710を開けて基板ホルダー721をチャンバー704からチャンバー705へ移動させた。
【0069】
上記と同様にして所定の条件でp型層を所定の層厚に堆積した。
【0070】
上記と同様にして堆積室719を十分に排気した後、ゲートバルブ711を開け、半導体層が堆積された基板401をセットした基板ホルダー721をアンロードチャンバー706へ移動した。
【0071】
上記と同様にしてアンロードチャンバー706内から基板ホルダー721を取り出した。
【0072】
次に、基板をDCマグネトロンスパッタ装置のアノードの表面に取り付け、ステンレス鋼のマスクで試料の周囲を遮蔽して、中央部40mm×40mmの領域に10重量%の酸化錫と90重量%の酸化インジウムからなるターゲットを用いて透明電極として酸化インジウムスズをスパッタリングした。
【0073】
堆積条件は基板温度170℃、不活性ガスとしてアルゴンの流量50cm/min(normal)、酸素ガス0.5cm/min(normal)、堆積室内の圧力300mPa、ターゲットの単位面積当たりの投入電力量0.2W/cmにて約100秒で厚さが70nmとなるように堆積した。膜の厚みは、前もって同じ条件で堆積時間との関係を検量して形成することにより、所定の厚みとした。こうして作製したサンプルを「実1」とした。
【0074】
(比較例1)
中間層の作製においてアルゴンガスを30cm/min(normal)供給し、圧力を2×10−1Paに保持した。引き続き、基板温度を200℃に加熱し、6inchφの酸化亜鉛のターゲットに電気接続を切り替えて100Wの直流電力を15分間印加し、約300nmの酸化亜鉛層を堆積した。このようにして中間層を作製した以外は実施例1と同様の手順により、光起電力素子を作製した。こうして作製したサンプルを「比1」とした。
【0075】
まず、実施例1と比較例1で中間層まで作製した中間層表面観察用サンプルを用いて、中間層の膜厚分布を評価した。表面形状の観測にはAFM(原子間力顕微鏡 セイコーインスツルメンツ製Nanopics 1000)を用いた。平均膜厚は断面をTEM(透過型電子顕微鏡 JEOL製JEM−4000EX)で観測し、求めた。その手順は観測した断面像より、像の明暗によって中間層部分を確定し、観測範囲で中間層の厚さを断面像より求め、平均することより算定した。膜厚分布の評価は、表面観察用のサンプルを用い、中間層をつける前のAFM像をまず観測しておき、マーキングを元に同じところの中間層表面をAFMで観測する。この後、この範囲の一部の断面部分をTEMで観測し、この部分の膜厚を求める。この結果と、2つのAFM像から、演算して、表面の膜厚分布を求めた。観測範囲は20μm□で分解能は512×512点で行った。測定は無作為に20箇所観測し、面内にほぼ、同一の結果が得られるのを確認した。
【0076】
実施例1では中間層が島状の形体をしており、島状の周辺をなす部分の膜厚が平均膜厚の50%未満であった。また、最大の膜厚がスパッタで堆積した膜厚よりも薄くなっていることより、マスクの用途で堆積したクロムを含む酸化亜鉛層は除去されていることを確認した。さらに平均膜厚は300nmであった。
【0077】
対して、比較例1では、中間層に凹凸は在るものの島状ではなく、平均膜厚の50%未満の部分は無かった。また、平均膜厚は300nmであった。
【0078】
こうして実施例1と比較例1で作製した計10個のサンプルについて山下電装株式会社製のYSS−150を使用し、AM1.5のスペクトル、強度100mW/cmで光照射した状態で電流電圧特性を測定した。測定した電流電圧特性から短絡電流密度[Jsc(mA/cm)]、開放電圧[Voc(V)]、曲性因子[FF]、光電変換効率[η(%)] を求めた。
【0079】
試料の暗状態での電圧電流特性を測定し、原点付近の傾きからシャント抵抗[Rsh(KΩcm)]を求めた。
【0080】
これらの特性値を比較例に対する実施例の比率(実1/比1)をまとめたものを表2に示す。
【0081】
【表2】
Figure 2004296652
【0082】
実1は比1に比べ、Jsc、FF、Voc、Rshのいずれも改善し、高い光電変換効率を示した。
【0083】
さらに、信頼性試験を以下のように行った。試料を高温高湿槽に投入し、+85℃、相対湿度85%に保持した。この試験中に、試料に逆バイアス−0.85Vを20時間印加し続けた。その後、取り出し、自然に十分乾燥冷却してから、電圧電流特性を測定した。各特性は初期値に対する相対値で、表3に示す。
【0084】
【表3】
Figure 2004296652
【0085】
実1は、信頼性試験によって、ほとんどシャント抵抗の低下は見られなかった。一方、比1では、シャント抵抗が初期よりも低下して、主にVoc、FFが低下し、光電変換効率の低下が見られた。
【0086】
以上のことから、本発明の島状の中間層を持つ光起電力素子では欠陥が発生しても、欠陥の影響が面内方向に及ばず、初期光電変換効率が良好で、信頼性も高いことがわかった。
【0087】
(実施例2)
第1の光起電力層としてi層が真性非晶質Si:Hのpin型光起電力層、第2の光起電力層としてi層が真性微結晶Siのpin型光起電力層、島状の中間層として酸化亜鉛層を用いた積層型光起電力素子の作製条件を変えて4サンプル作製した。
【0088】
中間層以外は実施例1と同様の条件で作製し、中間層の作製条件は中間層の平均膜厚をいずれも300nmのそろえるために、酸化亜鉛層の堆積時間を調整して、エッチング前の膜厚を調整し、また、酢酸水溶液の濃度とエッチング時間を調整することによって、島の周辺をなす部分の平均膜厚の異なるサンプルを得た。こうして得られたサンプルを「実2A」、「実2B」、「実2C」、「実2D」とした。
【0089】
酸化亜鉛層の堆積条件とエッチング条件を表4にまとめて示す。
【0090】
【表4】
Figure 2004296652
【0091】
中間層の膜厚分布を実施例1と同様に評価した結果を表5に示す。ここで、島の周辺部の平均膜厚比とは島の周辺をなす部分の平均膜厚を全平均膜厚で割ったものである。
【0092】
【表5】
Figure 2004296652
【0093】
いずれのサンプルも中間層が島状の形体をしており、島状の周辺をなす部分の膜厚が平均膜厚の50%未満であった。平均膜厚はいずれのサンプルもほぼ300nmであった。いずれのサンプルも最大の膜厚がスパッタで堆積した膜厚よりも薄くなっていることより、マスクの用途で堆積したクロムを含む酸化亜鉛層は除去されていることを確認した。また、実2A、実2B、実2Cは全面にわたって中間層が被覆していたが、実2Dは、一部、中間層の無い部分があった。
【0094】
次に、作製した光電変換素子の電流電圧特性を実施例1と同様に測定した。その結果を表6に示す。結果は比較例1との相対値で示す。
【0095】
【表6】
Figure 2004296652
【0096】
さらに、信頼性試験を実施例1と同様に行った。各特性は初期値に対する相対値で、表7に示す。
【0097】
【表7】
Figure 2004296652
【0098】
実2A,B,C、Dは、いずれも信頼性試験によって、ほとんどシャント抵抗の低下は見られず、光電変換効率は初期の値を維持していた。
【0099】
以上の結果から、実施例2B、2C、2Dは実施例2Aよりも、よりシャント抵抗が改善し、Voc、FFがより向上した。よって、島の周辺部の平均膜厚が全平均膜厚の25%未満であればより高い光電変換効率を得ることができた。また、実2Dは、実2Cよりもさらに、シャント抵抗が改善し、Voc、FFが向上したことより、島状の周辺をなす部分の一部に中間層のない部分が存在することにより、よりいっそう高い光電変換効率を得ることができた。
【0100】
(実施例3)
第1の光起電力層としてi層が真性非晶質Si:Hのpin型光起電力層、第2の光起電力層としてi層が真性微結晶Siのpin型光起電力層、島状の中間層として酸化亜鉛層を用いた積層型光起電力素子の作製条件を変えて6サンプル作製した。
【0101】
中間層以外は実施例1と同様の条件で作製し、中間層の作製条件はマスクとなるクロムが添加された酸化亜鉛層の堆積時間と堆積温度を変えることによって島の平均面積の異なるサンプルを得た。こうして得られたサンプルを「実3A」、「実3B」、「実3C」、「実3D」、「実3E」、「実3F」とした。
【0102】
クロムが添加された酸化亜鉛層の堆積条件は表8にまとめて示す。
【0103】
【表8】
Figure 2004296652
【0104】
中間層の膜厚分布を実施例1と同様に評価した結果を表9に示す。ここで島の平均面積は島の正射投影の面積合計を島の数で割ったものである。得られた膜厚分布より、島の部分の面積を計算して、島の個数で除することで、平均面積を求めた。
【0105】
【表9】
Figure 2004296652
【0106】
いずれのサンプルも中間層が島状の形体をしており、島状の周辺をなす部分の膜厚が平均膜厚の50%未満であった。平均膜厚はいずれのサンプルもほぼ300nmであった。いずれのサンプルも最大の膜厚がスパッタで堆積した膜厚よりも薄くなっていることより、マスクの用途で堆積したクロムを含む酸化亜鉛層は除去されていることを確認した。
【0107】
次に、作製した光電変換素子の電流電圧特性を実施例1と同様に測定した。その結果を表10に示す。結果は比較例1との相対値で示す。
【0108】
【表10】
Figure 2004296652
【0109】
実3A,実3C,実3D,実3Eよりも実3Bと実3Fは若干光電変換効率が低くかった。さらに、信頼性試験を実施例1と同様に行った。各特性は初期値に対する相対値で、表11に示す。
【0110】
【表11】
Figure 2004296652
【0111】
実3A,実3B、実3C,実3D,実3Eはほとんど低下しなかったが、実3Fは比1よりも改善されているが、若干の低下が見られた。
【0112】
以上結果より、島状の中間層において、島の正射投影の平均面積が5000nm以上で50μm以下がより好ましいことがわかった。
【0113】
(実施例4)
第1の光起電力層としてi層が真性非晶質Si:Hのpin型光起電力層、第2の光起電力層としてi層が真性微結晶Siのpin型光起電力層、島状の中間層として酸化亜鉛層を用いた積層型光起電力素子の作製条件を変えて5サンプル作製した。
【0114】
中間層以外は実施例1と同様の条件で作製し、中間層は以下の作製手順で作製した。
【0115】
実施例1と同様に中間層の作製条件は中間層の平均膜厚をいずれも300nmのそろえるために、酸化亜鉛層の堆積時間を25分とし、500nmに堆積した。引き続き、アルゴンガスを30cm/min(normal)供給し、圧力を2×10−1Paに保持した。基板温度を室温にし、銀ターゲットに電気接続を切り替えて50Wの直流電力を40秒間印加し、6inchφの20nmの銀を堆積した。その後、所定の温度に加熱することによって、金属薄膜を凝集させた。その後、取り出して、10重量%の酢酸溶液に所定の時間、浸してエッチングを行った。そして、イソプロピルアルコールを用いて超音波洗浄を行い、オーブンにて乾燥させた。
【0116】
こうして得られたサンプルを「実4A」、「実4B」、「実4C」、「実4D」、「実4E」とした。
【0117】
銀薄膜の加熱処理とエッチングの条件を表12にまとめて示す。
【0118】
【表12】
Figure 2004296652
【0119】
中間層の膜厚分布を実施例1と同様に評価した結果を表13に示す。ここで、島状の正射投影の面積が全面積に占める割合とは島状の正射投影の面積を全面積で割ったものである。
【0120】
【表13】
Figure 2004296652
【0121】
いずれのサンプルも中間層が島状の形体をしており、島状の周辺をなす部分の膜厚が平均膜厚の50%未満であった。平均膜厚はいずれのサンプルもほぼ300nmであった。いずれのサンプルも最大の膜厚がスパッタで堆積した膜厚よりも薄くなっていることより、マスクの用途で堆積した銀薄膜は除去されていることを確認した。
【0122】
次に、作製した光電変換素子の電流電圧特性を実施例1と同様に測定した。その結果を表14に示す。結果は比較例1との相対値で示す。
【0123】
【表14】
Figure 2004296652
【0124】
さらに、信頼性試験を実施例1と同様に行った。各特性は初期値に対する相対値で、表15に示す。
【0125】
【表15】
Figure 2004296652
【0126】
実4A、実4B、実4C、実4Dは、いずれも信頼性試験によって、ほとんどシャント抵抗の低下は見られなかった。一方、実4Eは比1より改善されているが、若干の低下が見られた。
【0127】
以上結果より、島状の中間層において、島状の正射投影の面積が全面積に占める割合は30%以上で80%以下がより好ましいことがわかった。
【0128】
(実施例5)
第1の光起電力層としてi層が真性非晶質Si:Hのpin型光起電力層、第2の光起電力層としてi層が真性微結晶Siのpin型光起電力層、島状の中間層として酸化亜鉛層を用いた積層型光起電力素子を作製条件の変えて、6サンプル作製した。
【0129】
中間層以外は実施例1と同様の条件で作製し、中間層の作製条件は中間層の平均膜厚を変えるために、酸化亜鉛層の堆積時間を調整して、エッチング前の膜厚を調整し、また、酢酸水溶液の濃度とエッチング時間を調整することによって、平均膜厚の異なるサンプルを得た。こうして得られたサンプルを「実5A」、「実5B」、「実5C」、「実5D」、「実5E」、「実5F」とした。
【0130】
酸化亜鉛層の堆積条件とエッチング条件を表16にまとめて示す。
【0131】
【図16】
Figure 2004296652
【0132】
中間層の膜厚分布を実施例1と同様に評価した結果を表17に示す。
【0133】
【表16】
Figure 2004296652
【0134】
いずれのサンプルも中間層の膜厚分布を評価したところ、島の周辺部分は平均膜厚の50%未満であった。また、いずれのサンプルも最大の膜厚がスパッタで堆積した膜厚よりも薄くなっていることより、マスクの用途で堆積したクロムを含む酸化亜鉛層は除去されていることを確認した。
【0135】
(比較例5)
図6のような中間層のない光起電力素子を実施例1と同様の手順により、光起電力素子を作製した。こうして作製したサンプルを「比5」とした。
【0136】
作製した光電変換素子の電流電圧特性を実施例1と同様に測定した。その結果を表18に示す。結果は比較例5との相対値で示す。
【0137】
【表17】
Figure 2004296652
【0138】
さらに、信頼性試験を実施例1と同様に行った。各特性は初期値に対する相対値で、表19に示す。
【0139】
【表18】
Figure 2004296652
【0140】
実5A、実5B、実5C、実5D、実5E、実5F、比5は、いずれも信頼性試験によって、ほとんどシャント抵抗の低下は見られなかった。
【0141】
分光感度特性を日本分光株式会社製のYQ−250BXを使用して測定した。各積層型光起電力素子の第1の光起電力層と第2の光起電力層の分光感度特性は以下のように測定した。第1の光起電力層の分光感度特性は、積層型光起電力素子に第2の光起電力層が光照射時に発生させる起電力に見合うバイアス電圧を印加しかつ第2の光起電力素子で主に吸収される波長領域のバイアス光を照射して、分光された参照光を照射しその時の発生電流を観測することにより分光感度特性を測定した。また第2の光起電力層の分光感度特性は、第1の光起電力層と同様に、第1の光起電力層の起電力に見合うバイアス電圧を印加し、第1の光起電力層で主に吸収される波長領域のバイアス光を照射して、この状態で分光感度特性を測定した。
【0142】
さらにこの分光感度特性から各光起電力素子の短絡光電流を計算した。第1の光起電力層の短絡光電流は先に測定した第1の光起電力層の分光感度スペクトルに太陽光の分光強度を畳み込んで第1の光起電力層の電流値を計算した。第2の光起電力層の短絡光電流は先に測定した第2の光起電力層の分光感度スペクトルと太陽光の分光強度を畳み込んで第2の光起電力層の短絡光電流を計算した。
【0143】
実施例5の6個のサンプルに関して結果を比較例5に対する比率で表20に示す。
【0144】
【表19】
Figure 2004296652
【0145】
第1の光起電力層の短絡光電流はいずれのサンプルも比5より増加している。一方、第2の光起電力層の短絡光電流は、実5A、実5B、実5C、実5Dは変わらないか増加しているが、実5E、実5Fについては、減少している。この結果から、膜厚が10nmより薄いと反射層としての効果があまり現れないことがわかる。また、平均膜厚が厚くなると、第2の光起電力層への光の透過が減ってくるために、第2の光起電力層の短絡光電流は減少してくることが分かる。さらに平均膜厚が2.0μmを超えてくるとかなり減少してくる。
【0146】
以上の結果から、実5Bは、あまり短絡光電流が増えず、本発明の島状の中間層が設ける効果がほとんどない。また、実5Fは本発明の島状の中間層があるにもかかわらず、第2の光起電力層へ光の透過が減少して、素子の短絡光電流があまり増えず、本発明の島状の中間層を設ける効果があまり見られない。一方、実5A、実5C、実5D、実5Eは短絡光電流が増え、光電変換効率が向上した。従って、中間層の平均膜厚は10nm以上2.0μmの範囲でより高い光電変換効率を得ることができた。
【0147】
(実施例6)
第1の光起電力層としてi層が真性非晶質Si:Hのpin型光起電力素子、第2の光起電力層としてi層が真性微結晶Siのpin型光起電力素子、島状の中間層として酸化亜鉛層を用いた積層型光起電力素子の作製条件を変えて3サンプル作製した。
【0148】
中間層以外は実施例1と同様の条件で作製した。中間層は以下の作製手順で作製した。
【0149】
中間層を堆積するために市販の直流マグネトロンスパッタ装置(不図示)に設置し、圧力が10−3Pa以下になるまで排気した。
【0150】
その後、アルゴンガスを30cm/min(normal)供給し、圧力を2×10−1Paに保持した。引き続き、基板温度を150℃に加熱し、6inchφの酸化亜鉛のターゲットに電気接続を切り替えて100Wの直流電力を130分間印加し、約2600nmの酸化亜鉛層を堆積した。引き続き、アルゴンガスを30cm/min(normal)供給し、圧力を2×10−1Paに保持した。基板温度を150℃に加熱し、6inchφの酸化インジウムターゲットに電気接続を切り替えて10Wの直流電力を所定の時間印加し、所定の膜厚の酸化インジウムを堆積した。
【0151】
その後、取り出して、所定の濃度の塩酸溶液に所定の時間浸してエッチングを行った。そして、イソプロピルアルコールを用いて超音波洗浄を行い、オーブンにて乾燥させた。
【0152】
マスクとなる酸化インジウムの膜厚を変えて、「実6A」、「実6B」「実56」の3サンプルを得た。酸化インジウムの堆積条件とエッチング条件は表21にまとめて示す。
【0153】
【表20】
Figure 2004296652
【0154】
(比較例6)
中間層の作製においてアルゴンガスを30cm/min(normal)供給し、圧力を2×10−1Paに保持した。引き続き、基板温度を200℃に加熱し、6inchφの酸化亜鉛のターゲットに電気接続を切り替えて100Wの直流電力を100分間印加し、約2000nmの酸化亜鉛層を堆積した。このようにして中間層を作製した以外は実施例1と同様の手順により、光起電力素子を作製した。このサンプルを「比6」とした。
【0155】
中間層の膜厚分布を実施例1と同様に評価した結果を表22に示す。ここで平均傾斜角はAFMで得られた高さ情報から、面内の各点において隣り合う3点が作る平面の法線が基板の垂線となす角度を傾斜角として、面内で平均したものである。
【0156】
平均膜厚はいずれも2.0μmであった。また、実6A,実6B、実6Cのサンプルは島状の形状をしており、島状の周辺をなす部分の膜厚は平均膜厚の50%以下であった。比6のサンプルは、凹凸は在るが島状の形状をしていなかった。実6A,実6B、実6Cのサンプルは最大の膜厚がスパッタで堆積した膜厚よりも薄くなっていることより、マスクの用途で堆積した酸化インジウムは除去されていることを確認した。
【0157】
【表21】
Figure 2004296652
【0158】
次に、作製した光電変換素子の電流電圧特性を実施例1と同様に測定した。その結果を表23に示す。結果は比較例6との相対値で示す。
【0159】
【表22】
Figure 2004296652
【0160】
実6Cと実6Bは比6よりも短絡光電流が増えているが、実6Aはほとんど増えていない。この結果より、光入射側の面の凹凸の平均傾斜角がその反対側の面の凹凸の平均傾斜角よりも大きいことことにより光電変換効率が向上していることがわかった。
【0161】
また、分光感度特性を実施例5と同様に測定し、第1の光起電力層の短絡光電流と第2の光起電力層の短絡光電流を求めた。
【0162】
実施例6の3個のサンプル関して、結果を比較例6に対する比率で表24に示す。
【0163】
【表23】
Figure 2004296652
【0164】
実6Cと実6Bは比6よりも第1の光起電力層の短絡光電流と第2の光起電力層の短絡光電流が増えているが、実6Aはほとんど増えていない。
【0165】
以上の結果より、光入射側の面の凹凸の平均傾斜角がその反対側の面の凹凸の平均傾斜角よりも大きいことことにより、光の散乱が増えて光起電力層での吸収が増え、短絡光電流の増加により光電変換効率が向上していることがわかった。
【0166】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明においては、積層型光起電力素子において島状の中間層を設けることによって、短絡光電流が増え、かつ、光起電力層に発生した欠陥の影響を低減し、良好な開放電圧、曲線因子が得られる。よって、高い光電変換効率が得られる。また、容易に欠陥の影響が低減できるので製造する上で、コストが低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】島状の中間層の概念を示す模式図である。
【図2】同じ凹凸であるが平均膜厚が厚い場合の中間層の概念図である。
【図3】光起電力層に欠陥が存在する場合の漏れ電流の経路の模式図である。
【図4】本発明の積層型光起電力素子の一実施形態の断面構造を模式的に示す概略図である。
【図5】本発明の積層型光起電力素子の他の一実施形態の断面構造を模式的に示す概略図である。
【図6】中間層を備えていない以外は本発明の積層型光起電力素子同じ構成の積層型光起電力素子の断面構造を模式的に示す概略図である。
【図7】本発明の積層型光起電力素子の半導体層を堆積するために好適な装置の一形態を示す模式図である。
【符号の説明】
101 島の境界
102 島
103 島の周辺をなす部分
104 島状の中間層
105 光起電力層
106 平均膜厚の50%のライン
201 中間層
202 光起電力層
203 平均膜厚の50%のライン
301 島状の中間層
302 光起電力層
303 欠陥
304 島の周辺をなす部分
305 島
306 漏れ電流
402 反射層
403 第2の光起電力層
404 中間層
405 第1の光起電力層素子
406 透明電極
501 基板
502 反射層
503 第2の光起電力層
504 中間層
505 第1の光起電力層
506 透明電極
601 基板
602 反射層
603 第2の光起電力層
604 第1の光起電力層素子
605 透明電極
701 ロードチャンバー
702 n層チャンバー
703 微結晶i層チャンバー
704 非晶質i層チャンバー
705 p層チャンバー
706 アンロード室
707、708、709、710、711 ゲートバルブ
712 微結晶i層基板加熱用ヒーター
713 微結晶i層プラズマCVD室
714 n層基板加熱用ヒーター
715 n層プラズマCVD室
716 非晶質i層基板加熱用ヒーター
717 i層プラズマCVD室
718 p層基板加熱用ヒーター
719 p層プラズマCVD室
720 ホルダー搬送レール
721 基板ホルダー

Claims (12)

  1. PN接合、または、PIN接合を含む光起電力層を複数積層した光起電力素子であって、少なくとも一つの半導体層界面に島状の中間層を設けることを特徴とする光起電力素子。
  2. 前記島状の中間層において、実質的に島状の周辺をなす部分の膜厚が平均膜厚の50%未満であることを特徴とする請求項1に記載の積層型光起電力素子。
  3. 前記島状の中間層において、実質的に島状の周辺をなす部分の平均膜厚が全平均膜厚の25%未満であることを特徴とする請求項2に記載の積層型光起電力素子。
  4. 前記島状の中間層において、実質的に島状の正射投影の平均面積は5×10nm以上5×10nm以下であることを特徴とする請求項2に記載の積層型光起電力素子。
  5. 前記島状の中間層において、実質的に島状の正射投影の面積が全面積に占める割合は30%以上80%以下であることを特徴とする請求項2に記載の積層型光起電力素子。
  6. 前記島状の中間層において、実質的に島状の周辺をなす部分の一部に中間層のない部分が存在することを特徴とする請求項2に記載の積層型光起電力素子。
  7. 前記島状の中間層の平均膜厚は10nm以上2μm以下であることを特徴とする請求項1乃至6に記載の積層型光起電力素子。
  8. 前記島状の中間層において、光入射側の面の凹凸の平均傾斜角はその反対側の面の凹凸の平均傾斜角よりも大きいことを特徴とする請求項1乃至7に記載の積層型光起電力素子。
  9. 前記島状の中間層は金属酸化物よりなることを特徴とする請求項1乃至8に記載の積層型光起電力素子。
  10. 前記光起電力層は少なくとも一部が非単結晶シリコン系半導体よりなることを特徴とする請求項1乃至9に記載の積層型光起電力素子。
  11. 前記光起電力層はアモルファスシリコン系半導体よりなる層を含むことを特徴とする請求項1乃至9に記載の積層型光起電力素子。
  12. 前記光起電力層は微結晶シリコン系半導体よりなる層を含むことを特徴とする請求項1乃至9に記載の積層型光起電力素子。
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