JPH11219514A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JPH11219514A
JPH11219514A JP2111798A JP2111798A JPH11219514A JP H11219514 A JPH11219514 A JP H11219514A JP 2111798 A JP2111798 A JP 2111798A JP 2111798 A JP2111798 A JP 2111798A JP H11219514 A JPH11219514 A JP H11219514A
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magnetic recording
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JP2111798A
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English (en)
Inventor
Yoshiyuki Nahata
名畑嘉之
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Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
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Publication date
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  • Coating Of Shaped Articles Made Of Macromolecular Substances (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)
  • Magnetic Record Carriers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐久性が向上し、信頼性高くデータを記録・
再生し得る磁気記録媒体を提供する。 【解決手段】 磁性層が支持体上に設けられてなる磁気
記録媒体において、 上記支持体は、その非晶分子鎖の
ミクロブラウン運動に関係する、各測定周波数での力学
緩和ピーク温度のアルレニウスプロットにより描かれる
線が、測定周波数0.0016〜16Hzの範囲内で、
ダブリュエルエフタイプ又は見掛け上アレニウスタイプ
を示すことを特徴とする磁気記録媒体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐久性、特にサイ
クル環境特性が向上した磁気記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来よ
り、磁気記録媒体は、テープ、ディスク、ドラム或いは
シート等の形態で汎用されている。このような磁気記録
媒体は、通常、ポリエステルフィルムのような非磁性支
持体上に、磁性粉末及び結合剤を主成分とする磁性塗料
を塗布することにより製造されている。特に近年におい
ては、磁気記録媒体に対し、その小型化と共に記録の高
密度化が要求されている。そして、斯かる要求に応える
ために、多数の磁性層を設けたり、磁性層の下に該磁性
層の記録特性を向上させる非磁性の層を設けて、磁性層
の厚さを薄くしても高密度記録が可能になるような技術
が開発されている。
【0003】特に、コンピュータのバックアップ用記録
媒体の分野においては、上述の記録の高密度化と共にデ
ータの記録及び再生の信頼性が極めて重要である。従っ
て、過酷な環境下、例えば高温及び低温間でのサイクル
環境下に保存後にあっても、データを正確に記録し、ま
た、記録されているデータを正確に再生することが必要
である。しかし、このような環境下においては、一般に
媒体を構成する各部材等が熱収縮等により変形し、これ
に起因して層間剥離等が発生することがあるため、デー
タの正確な記録・再生が出来なくなる場合がある。
【0004】従って、本発明の目的は、耐久性が向上
し、信頼性が高くデータを記録・再生し得る磁気記録媒
体を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意検討し
た結果、磁気記録媒体を構成する諸部材のうち、支持体
に着目し、その形状安定性について検討を推し進めたと
ころ、一定の測定周波数の範囲(0.0016〜16H
z)の力学緩和ピーク(損失弾性率のピーク)温度のア
レニウスプロットにより描かれる線が、特定タイプを示
す支持体を用いることにより、上記目的を達成し得る磁
気記録媒体が得られることを知見した。
【0006】本発明は上記知見に基づきなされたもの
で、磁性層が支持体上に設けられてなる磁気記録媒体に
おいて、上記支持体は、その非晶分子鎖のミクロブラウ
ン運動に関係する、各測定周波数での力学緩和ピーク
(損失弾性率のピーク)温度のアルレニウス( Arrheni
us)プロットにより描かれる線が、測定周波数0.00
16〜16Hzの範囲内で、ダブリュエルエフ(WLF :
William-Landel-Ferry)タイプ[M.L.Williams:J.Am.C
hem.Soc.77 3701 (1955)] 又は見掛け上アルレニウス
( Arrhenius)タイプを示すことを特徴とする磁気記録
媒体を提供するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の磁気記録媒体を、
その好ましい実施形態に基づき図面を参照して説明す
る。ここで、図1は、本発明の磁気記録媒体の一実施形
態の構成を示す概略図である。
【0008】図1に示す実施形態の磁気記録媒体1にお
いては、支持体2上に最上層としての磁性層4が設けら
れており、支持体2と磁性層4との間に、磁性層4に隣
接して中間層3が設けられている。また、支持体2の他
方の面上にバックコート層5が設けられている。
【0009】図1に示す磁気記録媒体1においては、支
持体2は、その非晶分子鎖のミクロブラウン運動に関係
する、各測定周波数での力学緩和ピーク(損失弾性率の
ピーク)温度のアルレニウス( Arrhenius)プロットに
より描かれる線が、測定周波数0.0016〜16Hz
の範囲内で、ダブリュエルエフ(WLF :William-Landel
-Ferry)タイプ又は見掛け上アルレニウス( Arrheniu
s)タイプを示すものである。かかる支持体を用いるこ
とによって、支持体2の熱収縮等が抑制され、その形状
安定性が増加する。その結果、支持体2と磁気記録媒体
1を構成する各層との膜密着性が向上し、磁気記録媒体
の耐久性、特にサイクル環境特性が向上する。従って、
過酷な環境下においても、信頼性が高くデータを記録・
再生し得る磁気記録媒体を得ることができる。ここにお
いて、各測定周波数での力学緩和ピーク(損失弾性率の
ピーク)温度のアルレニウスプロットとは、高分子の分
子の運動性を示すもので、このアレニウスプロットによ
り描かれる線が、ダブリュエルエフタイプ又は見掛け上
アレニウスタイプを示すということは、構造の不均一や
熱歪みがなく、寸法的に安定であることを意味する。
【0010】非晶分子鎖のミクロブラウン運動に関係す
る、各測定周波数での力学緩和ピーク(損失弾性率のピ
ーク)温度のアルレニウス( Arrhenius)プロットによ
り描かれる線は、測定周波数0.0016〜16Hzの
範囲内で、種々の分散のタイプを示す。この分散のタイ
プの例を図2〜4に示す。図2は混合タイプ、図3はア
ルレニウス( Arrhenius)タイプ及び図4はダブルエル
エフ(WLF )タイプをそれぞれ示す。図2は、従来の支
持体のアルレニウスプロットにより描かれる線で、混合
タイプである。これは、延伸された支持体に顕著に見ら
れる。図3〜4は、本発明で使用する支持体のアルレニ
ウスプロットにより描かれる線で、アルレニウスタイプ
及びダブリュエルエフタイプである。このアルレニウス
タイプは図3に示されるように、見掛け上1本の直線で
描かれ、またダブリュエルエフタイプは図4に示される
ような曲線を描く。このような各測定周波数での力学緩
和ピーク(損失弾性率のピーク)温度のアルレニウス
( Arrhenius)プロットは、市販の粘弾性測定装置によ
って測定されるデータを用いて作ることができる。例え
ば、Rheometrics 製のSOLIPS ANALYSER RSA IIを用い、
次の測定条件で測定する。 Mode:Frequency / Temperature Stay Strain:0.03% Temperature Step:7℃(Thermal Soak Time :1mi
n.)
【0011】上述の様なアルレニウスプロットにより描
かれる線が、ダブリュエルエフタイプ又は見掛け上アル
レニウスタイプを示す支持体を得るための具体的手段と
しては、例えば該支持体2を構成する材料を、その平衡
ガラス転移点(以下、「平衡Tg」ともいう)よりも好
ましくは1〜25℃低い温度で好ましくは数分〜240
時間熱処理する方法等があるが、これに限定されるもの
ではない。上記熱処理について詳述すると、熱処理の温
度は、支持体2を構成する材料の平衡ガラス転移点より
も更に好ましくは1〜25℃、一層好ましくは1〜20
℃低い温度である。熱処理の温度が支持体2を構成する
材料の平衡ガラス転移点よりも20℃を超えて低いと熱
処理時間が長くなり過ぎ、一方、熱処理の温度が(平衡
ガラス転移点よりも高いと、熱処理時における支持体の
軟化が著しくなり支持体の取り扱いが困難となる。
【0012】上記熱処理の具体的な温度は支持体2を構
成する材料によって異なり、例えば該材料として平衡T
g95℃のポリエチレンテレフタレート(PET)を用
いる場合には、好ましくは70〜94℃、特に好ましく
は75〜94℃で熱処理を行う。また、平衡Tg130
℃のポリエチレンナフタレート(PEN)を用いる場合
には、好ましくは105〜129℃、特に好ましくは1
10〜129℃で熱処理を行う。更に、芳香族ポリアミ
ドの一種である平衡Tg290℃のアラミドを用いる場
合には、好ましくは265〜289℃、特に好ましくは
270〜289℃で熱処理を行う。
【0013】上記熱処理の時間は、上述の通り好ましく
は数分〜240時間であり、更に好ましくは10分〜2
40時間、一層好ましくは30分〜240時間である。
熱処理の時間が数分未満では、熱処理の効果が安定して
発現しない場合があり、240時間を超えると、それ以
下の処理時間と効果は変わらないが、生産効率上好まし
くない。尚、この熱処理の後は室温状態まで徐冷するこ
とが好ましい。
【0014】上記熱処理は、磁気記録媒体の製造におけ
る何れの過程でも行うことができるが、特に、支持体2
を熱処理した後に該支持体2上に磁性層4や中間層3を
設けるか、又は磁性層4や中間層3が支持体2上に設け
られた後に該支持体2を熱処理することが好ましい。
【0015】上記熱処理の方法に特に制限は無く、例え
ば支持体2を熱処理した後に該支持体2上に磁性層4や
中間層3を設ける場合には、支持体2の原反をロールに
巻いた状態及びロールから巻き出した状態の何れでも熱
処理を行うことができる。また、磁性層4や中間層3が
支持体2上に設けられた後に該支持体2を熱処理する場
合には、磁性層4や中間層3が設けられた支持体2をロ
ールに巻いた状態及びロールから巻き出した状態の何れ
でも熱処理を行うことができる。
【0016】支持体2を構成する具体的な材料として
は、一軸又は二軸の延伸処理されたポリエチレンテレフ
タレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン
ナフタレート、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフ
タレート及びポリエチレンビスフェノキシカルボキシレ
ート等のポリエステル類;ポリエチレン及びポリプロピ
レン等のポリオレフィン類;セルロースアセテートブチ
レート及びセルロースアセテートプロピオネート等のセ
ルロース誘導体;ポリ塩化ビニル及びポリ塩化ビニリデ
ン等のビニル系樹脂;アラミド等の芳香族ポリアミド;
ポリイミド;ポリカーボネート;ポリスルフォン;ポリ
エーテル・エーテルケトン並びにポリウレタン等のよう
な高分子樹脂等の非磁性材料が挙げられる。これらは単
独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
通常磁気記録媒体の支持体には、延伸処理したフィルム
を用いるが、図2に示す様に混合タイプ型曲線が顕著と
なるので、耐久性が不十分である。本発明の様に、WL
Fタイプ又は見掛けアルレニウスタイプとすることで耐
久性が改善される。また、これらの材料から構成される
上記支持体には、必要に応じてコロナ放電処理等が施さ
れていてもよい。これらの材料のうち、成膜性、強度、
コストの点からポリエステル系フィルムが好ましく用い
られる。
【0017】上記支持体2の厚さには特に制限はなく、
磁気記録媒体の用途・形態等に応じて適宜選択でき、例
えばテープやディスクの形態で用いる場合には2〜10
0μmが好ましく、2〜30μmが更に好ましい。
【0018】次に、図1に示す磁気記録媒体1を構成す
る各層の詳細について説明する。
【0019】先ず、磁性層4について説明する。磁性層
は、通常磁気記録媒体の最上層、即ち磁気記録媒体の表
面に存在する層であり、強磁性粉末、結合剤及び溶剤を
主成分とする磁性塗料を用いて形成することができる。
【0020】上記強磁性粉末としては、例えばγ−Fe
2 3 、Co被着γ−Fe2 3 、Co被着FeOx
(4/3≦x<1.5)等の強磁性酸化鉄系粉末、鉄を
主体とする強磁性金属粉末及び強磁性六方晶系フェライ
ト粉末等が挙げられる。具体的には特開平9−3524
6号公報第3〜4欄に記載のものが使用される。上記強
磁性金属粉末としては、金属分が50重量%以上であ
り、該金属分の60%以上が鉄である強磁性金属粉末が
挙げられる。
【0021】上記強磁性酸化鉄系粉末及び鉄を主体とす
る強磁性金属粉末では、その形状は針状または紡錘状で
あることが好ましい。そしてその長軸長は、好ましくは
0.05〜0.20μm、更に好ましくは0.05〜
0.15μm、特に好ましくは0.05〜0.10μm
である。また、好ましい針状比は3〜20、好ましいX
線粒径は130〜250Åであり、好ましいBET比表
面積は30〜70m2 /gである。
【0022】上記強磁性粉末の保磁力(Hc)は120
〜210kA/mであることが好ましく、特に125〜
200kA/mが好ましい。上記範囲内であれば全波長
領域でのRF出力が過不足なく得られ、しかもオーバー
ライト特性も良好となる。
【0023】また、上記強磁性酸化鉄系粉末及び強磁性
金属粉末の飽和磁化(σs)は、100〜180Am2
/kgであることが好ましく、特に110〜160Am
2 /kgであることが好ましい。また上記強磁性六方晶
系フェライト粉末の飽和磁化は30〜70Am2 /kg
であることが好ましく、特に45〜70Am2 /kgで
あることが好ましい。上記範囲内であれば十分な再生出
力が得られる。
【0024】特に、上記強磁性粉末として、保磁力が1
25〜200kA/m、かつ飽和磁化が120〜170
Am2 /kg、長軸長0.2μm以下、比表面積45m
2 /g以上である鉄を主体とする針状の強磁性金属粉末
を用いることが好ましい。
【0025】また、上記磁性層の形成に用いられる磁性
塗料に含有される強磁性粉末には、必要に応じて希土類
元素や遷移金属元素を含有させることができる。
【0026】上記磁性層の形成に用いられる磁性塗料に
は、非磁性粉末を含有してもよい。このような非磁性粉
末としては、後述する中間層に用いられる非磁性粉末と
同様のものが使用される。
【0027】上記磁性層の形成に用いられる磁性塗料に
は、カーボンブラックを含有してもよい。このようなカ
ーボンブラックとしては、サーマルブラック、チャネル
ブラック、ランプブラック、ファーネスブラック、アセ
チレンブラック等が挙げられ、その詳細は「カーボンブ
ラック便覧」(カーボンブラック協会編)等に記載され
ている。
【0028】上記磁性層を形成する磁性塗料に用いられ
る上記結合剤としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂及
び反応型樹脂等が挙げられ、使用に際しては単独又は併
用して用いることができる。上記結合剤の具体例として
は、塩化ビニル系共重合体、ポリウレタン、ポリエステ
ル、ニトロセルロース、エポキシ樹脂等が挙げられ、そ
の他にも、特開昭57−162128号公報の第2頁右
上欄第19行〜第2頁右下欄第19行等に記載されてい
る樹脂等が挙げられる。さらに、上記結合剤は、分散性
等向上のために極性基を含有してもよい。特に、スルホ
ン酸基等の極性基を含有する塩化ビニル系共重合体及び
ポリウレタンが好ましく用いられる。上記結合剤の配合
割合は、上記強磁性粉末100重量部に対して、5〜2
00重量部が好ましく、5〜70重量部が更に好まし
い。
【0029】上記磁性層に用いられる磁性塗料に含有さ
れる溶剤としては、ケトン系の溶剤、エステル系の溶
剤、エーテル系の溶剤、芳香族炭化水素系の溶剤及び塩
素化炭化水素系の溶剤等が挙げられ、具体的には上記特
開昭57−162128号公報の第3頁右下欄第17行
〜第4頁左下欄第10行等に記載されている溶剤を用い
ることができる。上記溶剤の配合割合は、上記強磁性粉
末100重量部に対して、80〜500重量部が好まし
く、100〜350重量部が更に好ましい。
【0030】また、上記磁性層の形成に用いられる磁性
塗料には、分散剤、潤滑剤、研磨剤、帯電防止剤、防錆
剤、防黴剤、効黴剤及び硬化剤等の通常の磁気記録媒体
に用いられる添加剤を必要に応じて添加することができ
る。上記添加剤として具体的には、上記特開昭57−1
62128号公報の第2頁左下欄第6行〜第2頁右下欄
第10行及び第3頁左下欄第6行〜第3頁右上欄第18
行等に記載されている種々の添加剤を挙げることができ
る。
【0031】上記磁性層の厚さは0.01〜0.5μm
であることが好ましく、特に0.05〜0.3μmであ
ることが好ましい。磁性層の厚さが上記範囲内であれ
ば、耐久性と出力安定性のバランスにおいて優れ好まし
い。
【0032】磁性塗料を調製するには、例えば、上記強
磁性粉末及び上記結合剤を溶剤の一部と共にナウターミ
キサー等に投入し予備混合して混合物を得、得られた混
合物を連続式加圧ニーダー等により混練し、次いで、溶
剤の一部で希釈し、サンドミル等を用いて分散処理した
後、潤滑剤等の添加剤を混合して、濾過し、更にポリイ
ソシアネート等の硬化剤や残余の溶剤を混合する方法等
を挙げることができる。
【0033】次に、支持体上と磁性層の間に設けられ、
磁性層に隣接する中間層3について説明する。上記中間
層は磁性粉末及び/又は非磁性粉末と結合剤とを少なく
とも含有する層で、磁性を有する層であっても、非磁性
の層であってもよい。上記中間層は磁性粉末及び/又は
非磁性粉末、結合剤及び溶剤を主成分とする塗料(以
下、中間塗料ともいう)を用いて形成される。上記中間
層を設ける目的は、静磁気特性及び表面平滑性の向上に
ある。
【0034】上記非磁性粉末としては、特開平9−35
246号公報第9欄第44行〜第10欄第7行に記載の
ものが使用できる。
【0035】上記磁性粉末としては、強磁性粉末が好ま
しく用いられ、該強磁性粉末としては軟磁性粉末及び硬
磁性粉末のいずれもが好ましく用いられる。また、上記
硬磁性粉末としては、上記磁性層の形成に用いられた強
磁性粉末と同様のものが用いられる。
【0036】上記磁性粉末又は非磁性粉末には、必要に
応じて、希土類元素や遷移元素を含有させることができ
る。また、上記磁性粉末又は非磁性粉末の分散性等を向
上させるために、該粉末に上記磁性層の形成に用いられ
る磁性塗料に含有される強磁性粉末と同様の表面処理を
施すことができる。
【0037】上記中間塗料には、カーボンブラックが含
有されることが望ましい。このようなカーボンブラック
としては、上記磁性層に用いられるカーボンブラックと
同様のものが用いられる。
【0038】上記中間塗料に含有される結合剤として
は、上記磁性層に用いられる結合剤と同様のものが用い
られる。上記結合剤の配合割合は、上記非磁性粉末10
0重量部に対して、5〜200重量部が好ましく、5〜
70重量部が更に好ましい。
【0039】上記中間層の形成に用いられる中間塗料に
含有される溶剤としては、上記磁性層の形成に用いられ
る磁性塗料に含有される溶剤と同様のものが用いられ
る。上記溶剤の配合割合は、上記非磁性粉末100重量
部に対して、80〜500重量部が好ましく、100〜
350重量部が更に好ましい。
【0040】また、上記中間塗料には、必要に応じて、
上記磁性層の形成に用いられる磁性塗料に添加される添
加剤を添加することができる。
【0041】上記中間層の厚さは0.1〜2.5μmで
あることが好ましく、特に0.2〜2.0μmであるこ
とが好ましい。上記範囲であれば磁気記録媒体において
十分な曲げ剛性が得られる。
【0042】上記中間塗料を調製するには、例えば、上
記磁性粉末及び/又は非磁性粉末、結合剤を溶剤の一部
と共にナウターミキサー等に投入し、予備混合して混合
物を得、得られた混合物を連続式加圧ニーダー等により
混練し、次いで、溶剤の一部で希釈し、サンドミル等を
用いて分散処理した後、潤滑剤等の添加剤を混合して、
濾過し、更に硬化剤や残余の溶剤を混合する方法等を挙
げることができる。
【0043】また、本発明の磁気記録媒体において非磁
性支持体の裏面に設けられるバックコート層5は、公知
のバックコート塗料を特に制限なく用いて形成すること
ができる。
【0044】本発明の磁気記録媒体は、オーディオテー
プ、8mmビデオテープ、コンピューター用データスト
レージテープ等の磁気テープやフロッピーディスク等の
磁気記録媒体として適用することができる。
【0045】次に、中間層を有する本発明の重層磁気記
録媒体の製造方法の概略について述べる。先ず、中間層
を形成する中間塗料と磁性層を形成する磁性塗料を調製
する。次いで、非磁性支持体上に中間塗料と磁性塗料と
を中間層及び磁性層の乾燥厚みがそれぞれ上記範囲内の
厚みとなるようにウエット・オン・ウエット方式により
同時重層塗布を行い、中間層及び磁性層の塗膜を形成す
る。即ち、磁性層は、中間層の湿潤時に塗設、形成され
ているのが好ましい。この際の塗布速度は50〜100
0m/minとすることが望ましい。
【0046】次いで、得られた塗膜に対して、磁場配向
処理を行った後、乾燥処理を行い巻き取る。この後、カ
レンダー処理を行った後、更に必要に応じてバックコー
ト層を形成する。場合によっては、カレンダー処理を行
う前にバックコート層を形成し、その後、磁性層とバッ
クコート層を共にカレンダー処理することもできる。次
いで、必要に応じて、例えば、磁気テープを得る場合に
は、40〜70℃下にて、3〜72時間エージング処理
し、所望の幅にスリットする。
【0047】上記同時重層塗布方法は、特開平5−73
883号公報の第42欄第31行〜第43欄第31行等
に記載されており、中間層を形成する中間塗料が乾燥す
る前に磁性層を形成する磁性塗料を塗布する方法であっ
て、中間層と磁性層との境界面が滑らかになると共に磁
性層の表面性も良好になるため、ドロップアウトが少な
く、高密度記録に対応でき、かつ塗膜(中間層及び磁性
層)の耐久性にも優れた磁気記録媒体が得られる。
【0048】また、磁場配向処理は、中間塗料及び磁性
塗料が乾燥する前に行われ、例えば、本発明の磁気記録
媒体が磁気テープの場合には、磁性塗料の塗布面に対し
て平行方向に約40kA/m以上、好ましくは約80〜
800kA/mの磁界を印加する方法や、中間塗料及び
磁性塗料が湿潤状態のうちに80〜800kA/mのソ
レノイド等の中を通過させる方法等によって行うことが
できる。
【0049】乾燥処理は、例えば、加熱された気体の供
給により行うことができ、この際、気体の温度とその供
給量を制御することにより塗膜の乾燥程度を制御するこ
とができる。乾燥条件としては、例えば熱風の温度を3
0〜120℃、風速を5〜35m/secとし、乾燥時
間を1〜60秒間とするのが好ましい。
【0050】また、カレンダー処理は、メタルロール及
びコットンロール若しくは合成樹脂ロール、メタルロー
ル及びメタルロール等の2本のロールの間を通すスーパ
ーカレンダー法等により行うことができる。
【0051】尚、本発明の磁気記録媒体の製造に際して
は、必要に応じ、磁性層表面の研磨やクリーニング工程
等の仕上げ工程を施すこともできる。また、中間塗料及
び磁性塗料の塗布は、通常公知の逐次重層塗布方法によ
り行うこともできる。
【0052】以上の説明は、塗布型の磁気記録媒体につ
いて説明したが、磁性層、中間層及びバックコート層
は、蒸着やスパッタ法により形成された連続薄膜でもよ
い。ただ、本発明に用いられる支持体は、塗布型媒体に
おいて塗布膜を薄くした場合に顕著な効果を示すので、
塗布型媒体において好ましいものである。
【0053】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明する
と共に、その有効性を例証する。しかしながら、本発明
は斯かる実施例に限定されるものではない。尚、以下の
例中、特に断らない限り「部」は、「質量部」を意味す
る。
【0054】〔実施例1〕下記の配合成分(硬化剤を除
く)を、それぞれニーダーにて混練し、次いで攪拌機に
て分散し、更にサンドミルにて微分散し、1μmのフィ
ルターにて濾過後、硬化剤を最後に添加して、下記組成
の磁性塗料、中間塗料及びバックコート塗料をそれぞれ
調製した。
【0055】 <磁性塗料> ・強磁性粉末 100部 (鉄を主体とする針状強磁性金属粉末、平均長軸長0.07μm、針状比6、保 磁力180kA/m、飽和磁化135Am2 /kg) ・塩化ビニル系共重合体(結合剤) 10部 〔日本ゼオン製のMR110(商品名)〕 ・ポリウレタン樹脂(結合剤) 10部 〔東洋紡製のUR8200(商品名)〕 ・研磨材 10部 (α−アルミナ、一次粒子の平均粒径:0.3μm) ・カーボンブラック(一次粒子の平均粒径:20nm) 2部 ・ミリスチン酸(潤滑剤) 2部 ・ブチルステアレート(潤滑剤) 4部 ・硬化剤 3部 〔日本ポリウレタン工業(株)製のコロネートL(商品名)〕 ・メチルエチルケトン(溶剤) 100部 ・トルエン(溶剤) 50部 ・シクロヘキサノン(溶剤) 100部
【0056】 <中間塗料> ・強磁性粉末 30部 (微小平板状の六方晶系バリウムフェライト、板径0.27μm、板状比5、保 磁力200kA/m、飽和磁化70Am2 /kg) ・非磁性粉末 70部 (α−Fe2 3 、平均長軸長0.15μm、針状比:11) ・塩化ビニル系共重合体(結合剤) 10部 〔日本ゼオン製のMR110(商品名)〕 ・ポリウレタン樹脂(結合剤) 5部 〔東洋紡製のUR8200(商品名)〕 ・研磨材 5部 (α−アルミナ、一次粒子の平均粒径:0.3μm) ・カーボンブラック(一次粒子の平均粒径:20nm) 5部 ・ミリスチン酸(潤滑剤) 2部 ・ブチルステアレート(潤滑剤) 2部 ・硬化剤 3部 〔日本ポリウレタン工業(株)製のコロネートL(商品名)〕 ・メチルエチルケトン(溶剤) 100部 ・トルエン(溶剤) 50部 ・シクロヘキサノン(溶剤) 100部
【0057】 <バックコート塗料> ・カーボンブラック 40部 (一次粒子の平均粒径:18nm) ・カーボンブラック 2部 (一次粒子の平均粒径:75nm) ・ポリウレタン樹脂(結合剤) 50部 〔日本ポリウレタン工業(株)製のニッポラン2301(商品名)〕 ・ニトロセルロース(結合剤) 30部 〔旭化成工業(株)製のCelnova BTH 1/2 (商品名)〕 ・硬化剤 4部 〔武田薬品工業(株)製のポリイソシアネート、D−250N(商品名)〕 ・銅フタロシアニン 5部 ・潤滑剤(ステアリン酸) 1部 ・メチルエチルケトン(溶剤) 140部 ・トルエン(溶剤) 140部 ・シクロヘキサノン(溶剤) 140部
【0058】厚さ6μmのポリエチレンテレフタレート
支持体(平衡Tg:95℃、二軸延伸処理品)を、70
℃にて10日間、熱処理室中にて熱処理した。熱処理
後、室温まで徐冷し、その後、上記支持体上に、中間塗
料及び磁性塗料を、磁性層の乾燥膜厚が0.15μm及
び中間層の乾燥膜厚が2.1μmとなるように、ダイコ
ーターにて同時重層塗布を行い塗膜を形成した。次い
で、これらの塗膜が湿潤状態から乾燥状態になる間で、
400kA/mのソレノイドにより磁場配向処理をし
た。更に、乾燥炉中にて、80℃の温風を10m/分の
速度で塗膜に吹きつけて乾燥した。乾燥後、塗膜をカレ
ンダー処理し、磁性層及び中間層を形成した。引き続
き、上記支持体の反対側の面上に上記バックコート塗料
を乾燥厚さが0.7μmになるように塗布し、90℃に
て乾燥してバックコート層を形成した。最後に1/2イ
ンチ幅にスリットして、図1に示す構造を有する磁気テ
ープを製造した。
【0059】〔実施例2〜3及び比較例1〜2〕実施例
1で用いた支持体の熱処理の条件を表1に示す条件とす
る以外は、実施例1と同様の操作を行い磁気テープを得
た。なお、比較例1は支持体に対して熱処理を行わなか
った。
【0060】〔実施例4〜6及び比較例3〜4〕実施例
1において、支持体に対して予め熱処理を行わず、磁性
層及び中間層ならびにバックコート層を形成し、カレン
ダー処理した後に表1に示す条件で磁気テープ原反に対
して熱処理を行う以外は、実施例1と同様の操作を行い
磁気テープを得た。
【0061】〔実施例7〕実施例1で用いたポリエチレ
ンテレフタレート支持体に代えて、厚さ6μmのポリエ
チレンナフタレート支持体(平衡Tg:130℃)を、
120℃にて7日間、熱処理室中にて熱処理した以外
は、実施例1と同様の操作を行い磁気テープを得た。
【0062】〔比較例5〕熱処理を行わない以外は、実
施例7と同様の操作を行い磁気テープを得た。
【0063】実施例1〜7及び比較例1〜5で得られた
磁気テープについて、支持体における、非晶分子鎖のミ
クロブラウン運動に関係する、各測定周波数(0.00
16〜16Hz)の力学緩和ピーク温度のアレニウスプ
ロットを測定し、該プロットにより描かれる線からその
分散のタイプを評価し、その結果を表1に示した。尚、
実施例1〜3、7及び比較例1〜2、5においては、磁
性層等を形成する前の支持体そのものに対して測定を行
い、また実施例4〜6及び比較例3〜4においては、得
られた磁気テープから磁性層等を全て除去して支持体の
みを取り出し、当該支持体に対して測定を行った。
【0064】実施例1〜7及び比較例1〜5で得られた
磁気テープの性能を評価するため、下記の方法で磁気テ
ープの耐久性(サイクル環境特性)を測定した。その結
果を表1に示す。
【0065】〔耐久性〕(サイクル環境特性) 耐久性はテープ剥離法により評価した。48時間/サイ
クルで、5℃/30%RHから55℃/80%RHの環
境変化が行えるようになっているサイクル試験オーブン
内に1ヶ月放置した後の磁気テープの剥離面積を測定し
た。長さ10mm、幅8mmに切り取った粘着テープ
(ナイスタックNW−15、ニチバン株式会社製)を磁
気テープの磁性層上に貼り付け、室温にて一昼夜放置し
た後、該粘着テープを剥離した。剥離した部分の面積を
貼り付した粘着テープの全面積で除すことにより、剥離
面積比率(%)を求め、この値を耐久性(サイクル環境
特性)の尺度とした。尚、表1中、剥離面積比率の値が
小さい程、耐久性が高いことを意味する。
【0066】
【表1】
【0067】表1に示す結果から明らかなように、上記
アルレニウスプロットにより描かれる線がアルレニウス
タイプ又はダブリュエルエフタイプを示す実施例1〜7
の磁気テープによれば、上記アレニウスプロットにより
描かれる線が混合タイプを示す比較例1〜5の磁気テー
プに比して、耐久性(サイクル環境特性)が向上してい
ることが判る。
【0068】
【発明の効果】以上、詳述した通り、本発明によれば、
支持体の熱収縮等が防止され、その形状安定性が増加す
る。また、本発明によれば、支持体と磁気記録媒体を構
成する各層との膜密着性が向上し、磁気記録媒体の耐久
性、特にサイクル環境特性が向上する。更に、本発明に
よれば、データを信頼性高く記録・再生することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁気記録媒体の一実施形態の構成を示
す概略図である。
【図2】支持体における非晶分子鎖のミクロブラウン運
動に関係する、各測定周波数(0.0016〜16H
z)の力学緩和ピーク温度のアルレニウスプロットであ
り、該プロットにより描かれる線が混合タイプである例
を示す。
【図3】支持体における非晶分子鎖のミクロブラウン運
動に関係する、各測定周波数(0.0016〜16H
z)の力学緩和ピーク温度のアルレニウスプロットであ
り、該プロットにより描かれる線からアルレニウスタイ
プである例を示す。
【図4】支持体における非晶分子鎖のミクロブラウン運
動に関係する、各測定周波数(0.0016〜16H
z)の力学緩和ピーク温度のアルレニウスプロットであ
り、該プロットにより描かれる線からダブリュエルエフ
タイプである例を示す。
【符号の説明】
1 磁気記録媒体 2 支持体 3 中間層 4 磁性層 5 バックコート層

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁性層が支持体上に設けられてなる磁気
    記録媒体において、 上記支持体は、その非晶分子鎖のミクロブラウン運動に
    関係する、各測定周波数での力学緩和ピーク温度のアル
    レニウスプロットにより描かれる線が、測定周波数0.
    0016〜16Hzの範囲内で、ダブリュエルエフタイ
    プ又は見掛け上アルレニウスタイプを示すことを特徴と
    する磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 上記磁性層と上記支持体との間に、該磁
    性層に隣接して中間層が設けられている請求項1記載の
    磁気記録媒体。
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