JPH11217872A - 鉄筋コンクリート構造物の仕口部補強構造 - Google Patents

鉄筋コンクリート構造物の仕口部補強構造

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JPH11217872A
JPH11217872A JP10033861A JP3386198A JPH11217872A JP H11217872 A JPH11217872 A JP H11217872A JP 10033861 A JP10033861 A JP 10033861A JP 3386198 A JP3386198 A JP 3386198A JP H11217872 A JPH11217872 A JP H11217872A
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reinforcing
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reinforcing ring
joint
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 鉄筋コンクリート構造物において、大地震に
耐え得るように仕口部の強度を高めるようにする。 【解決手段】 仕口部30に補強リング40を配置す
る。この補強リング40の4つの辺は、傾斜補強筋41
として提供される。各傾斜補強筋41は、柱10と梁2
0に対して45°傾斜しており、仕口部30の中心から
離れている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、RC構造物すなわ
ち鉄筋コンクリート構造物における、柱と梁の仕口部の
補強構造の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】一般的なRC構造物を、図15を参照し
て説明する。柱10は、柱10の長手方向すなわち垂直
方向に延びる複数本の主筋11と、この主筋11に沿っ
て多数配置され環状例えば矩形をなす剪断補強筋12
と、これら主筋11と剪断補強筋12とを埋設するコン
クリート13とを備えている。剪断補強筋12は、主筋
11を囲み、この主筋11に結束等の手段で連結されて
いる。同様に、梁20も、梁20の長手方向すなわち水
平方向に延びる複数本の主筋21と、この主筋21に沿
って多数配置され環状例えば矩形をなす剪断補強筋22
と、これら主筋21と剪断補強筋22とを埋設するコン
クリート23とを備えている。上記柱10と梁20は例
えば図のように十字形に交差しており、その連結部すな
わち仕口部30では、柱10の主筋11と梁20の主筋
21が貫通している。柱10の主筋11には、上記剪断
補強筋12と同様の剪断補強筋32が連結されており、
これら主筋11,21,剪断補強筋32がコンクリート
33に埋設されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記構成の仕口部30
において、大地震を想定して、より一層高い強度が得ら
れるように、種々の工夫が検討されている。その1つ
が、鉄筋の数を多くして強度向上を図ろうとするもので
ある。しかし、製造コストの大幅な上昇が生じるにも拘
わらず、それに見合った強度向上が得られていないのが
現状である。
【0004】本発明者は、上記柱10の上端を横揺れさ
せて大地震に相当するエネルギーを付与したところ、仕
口部30のコンクリート33が斜めにひび割れし、この
ひび割れから大きな破壊に至ることを確認した。本発明
の目的は、上記実験結果を踏まえて、簡単な構造であり
ながら著しい強度の向上を図ることができる鉄筋コンク
リート構造物の仕口部補強構造を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、鉄筋
コンクリートの柱と梁が交差する仕口部の補強構造にお
いて、柱と梁に対して傾斜する傾斜補強筋を、仕口部中
心から当該柱と梁に片寄らせて配設したことを特徴とす
る。請求項2の発明は、請求項1に記載の鉄筋コンクリ
ート構造物の仕口部補強構造において、上記仕口部に鉄
筋からなる補強リングが配設され、この補強リングの少
なくとも一部が上記傾斜補強筋として提供されることを
特徴とする。請求項3の発明は、請求項1または2に記
載の鉄筋コンクリート構造物の仕口部補強構造におい
て、上記傾斜補強筋が直線をなし、その両端には、その
延び方向と異なる方向に延びるアンカー部が設けられて
いることを特徴とする。請求項4の発明は、請求項3に
記載の鉄筋コンクリート構造物の仕口部補強構造におい
て、上記傾斜補強筋が、柱と梁に対してそれぞれ略45
°をなしていることを特徴とする。
【0006】請求項5の発明は、請求項3または4に記
載の鉄筋コンクリート構造物の仕口部補強構造におい
て、上記傾斜補強筋の一端が、梁の中心軸を通る仮想水
平面またはその近傍に位置し、その他端が、柱の中心軸
を通るとともに梁と直交する仮想垂直面またはその近傍
に位置していることを特徴とする。請求項6の発明は、
請求項1〜5のいずれかに記載の鉄筋コンクリート構造
物の仕口部補強構造において、上記傾斜補強筋が、仕口
部で配設された柱と梁の主筋の交差部またはその近傍を
通っていることを特徴とする。請求項7の発明は、請求
項2に記載の鉄筋コンクリート構造物の仕口部補強構造
において、上記柱と梁が十字形に交差し、上記補強リン
グが四角形をなし、その4つの辺がそれぞれ傾斜補強筋
として提供され、補強リングの左右2つの角部が、梁の
中心軸を通る仮想水平面上に位置し、上下2つの角部
が、柱の中心軸を通るとともに梁と直交する仮想垂直面
上に位置することを特徴とする。
【0007】請求項8の発明は、請求項2に記載の鉄筋
コンクリート構造物の仕口部補強構造において、上記柱
の中途部に梁がト字形をなすようにして連結され、上記
補強リングが、上下一対の直線をなす傾斜部分を備え、
これら一対の傾斜部分が、上記傾斜補強筋として提供さ
れるとともに、梁の中心軸を通る仮想水平面上において
互いに交差し連結されていることを特徴とする。請求項
9の発明は、請求項2に記載の鉄筋コンクリート構造物
の仕口部補強構造において、上記梁の中途部に柱がT字
形をなすようにして連結され、上記補強リングが、左右
一対の直線をなす傾斜部分を備え、これら一対の傾斜部
分が、上記傾斜補強筋として提供されるとともに、柱の
中心軸を通り梁と直交する仮想垂直面上において、互い
に交差し連結されていることを特徴とする。請求項10
の発明は、請求項2に記載の鉄筋コンクリート構造物の
仕口部補強構造において、上記補強リングが円形をなし
ていることを特徴とする。請求項11の発明は、請求項
1に記載の鉄筋コンクリート構造物の仕口部補強構造に
おいて、上記仕口部に螺旋を描く鉄筋が配設され、この
螺旋筋の軸線が柱および梁とほぼ直交しており、この螺
旋筋の少なくとも一部が上記傾斜補強筋として提供され
ることを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係わるコンクリー
ト構造物の仕口部の第1実施形態について、図1,図2
を参照して説明する。なお、この第1実施形態のコンク
リート構造物の仕口部30は、正面から見て柱10と梁
20が十字形に交差することにより構成されるものであ
り、その基本構造は、図15に示す従来構造と同じであ
るので、各構成部に同番号を付してその詳細な説明を省
略する。なお、図2に示すように、柱10は左右4本ず
つの主筋11を有し、梁20は上下5本ずつの主筋21
を有している。
【0009】上記仕口部30には、複数例えば3つの補
強リング40が配設されている。これら補強リング40
は正方形(四角形)をなして、柱10と梁20の中心軸
19,29とを通る仮想垂直面と平行をなす仮想垂直面
上に配置されている。補強リング40の4つの辺は傾斜
補強筋41として提供されている。これら傾斜補強筋4
1は、柱10および梁20の中心軸に対して45°傾い
ており、仕口部30の中心から離れている。より具体的
には、この傾斜補強筋41は、上記柱10の主筋11と
梁20の主筋21の交差部(正面から見た時、すなわち
上記仮想垂直面と直交する方向から見た時の交差部)ま
たはその近傍を通るようになっている。したがって、上
記傾斜補強筋41は、これら主筋11,12に囲われた
四角形の枠の外に位置している。
【0010】上記補強リング40の4つの角部42のう
ち左右2つの角部42は、梁20の中心軸29を通る仮
想水平面上に位置しており、上下2つの角部42は、柱
10の中心軸19を通るとともに梁20と直交する仮想
垂直面上に位置している。なお、上記補強リング40
は、梁20の主筋21や柱10の主筋11に番線で結束
されて仮止めされたり、主筋11,21に補助鉄筋を介
して連結されており、この状態でコンクリート33の打
設が行われるようになっている。
【0011】上記構成において、大地震の時には、例え
ば横揺れに対して、柱10や梁20に曲げ力が働き、仕
口部30にも柱10と梁20の交差角度を縮めたり広げ
ようとする力が働く。上記の強い横揺れに対して最初に
梁20が曲げ降伏を起し、それより揺れが激しくなると
仕口部30にも影響を及ぼす。例えば、上側の柱10と
左側の梁20との交差角度と、下側の柱10と右側の梁
20との交差角度とを広げようとする力が仕口部30に
働いた時には、仕口部30の左上と右下のコンクリート
33に引っ張り力が作用し、このコンクリート33に左
上から右下に向かって傾斜して延びる細かいひび割れが
生じようとする。この際、上記補強リング40の左上の
傾斜補強筋41と右下の傾斜補強筋41が、この引っ張
り力を負担し、上記コンクリート33に生じる引っ張り
応力を軽減させることができる。その結果、コンクリー
ト33のひび割れを阻止するか最小限にすることができ
る。
【0012】同様に、上側の柱10と右側の梁20との
交差角度と、下側の柱10と左側の梁20の交差角度を
広げようとする力が仕口部30に働いた時には、上記補
強リング40の右上の傾斜補強筋41と左下の傾斜補強
筋41が、この引っ張り力を負担することになる。従来
の仕口部では、強い揺れの繰り返しによりコンクリート
33のひび割れが成長して、コンクリート33の崩落と
それに伴う鉄筋の座屈が生じて補修不能な程破壊される
のに対して、本実施形態では、補強リング40の4つの
傾斜補強筋41により、コンクリート33のひび割れを
防止できるか、補修可能な程度に最小限に抑えることが
できる。特に傾斜補強筋41が45°に傾斜してひび割
れの方向と直交しているので、上記ひび割れ防止,抑制
を効果的に行なうことができる。
【0013】上記傾斜補強筋41が引っ張り力を受けて
いる時、その両端に連なる傾斜補強筋41はアンカー部
として働くので、上記引っ張り力を傾斜補強筋41で確
実に担うことができる。また 補強リング40は、4つ
の傾斜補強筋41を連ねてリング形状をなしているの
で、それ自体の強度を高めることができるとともに、コ
ンクリート33との付着強度を非常に高くすることがで
き、上記アンカーの機能を最大限発揮することができ
る。
【0014】上記傾斜補強筋41は、正面から見て主筋
11,21の交差部またはその近傍に配置されているの
で、コンクリート33のかぶり厚さを減じることなく、
仕口部41の中心から最大限離すことができるので、上
記引っ張り力を確実に担うことができる。上記傾斜補強
筋41は直線的に延び、梁20の中心軸29を通る仮想
水平面から、柱10の中心軸を通り梁20と直交する仮
想垂直面まで、延びているので、十分に長くすることが
でき、この点からも上記引っ張り力を確実に担うことが
できる。
【0015】また、補強リング40の左右の角部42が
梁20の中心軸29を含む仮想水平面にあり、上下の角
部42が柱10の中心軸19を含み梁20と直交する仮
想垂直面にあり、1本の傾斜補強筋41は柱10や梁2
0において長く配設されないので、これら柱10,梁2
0の曲げ剛性の増大を抑えることができる。その結果、
応力が仕口部30に極度に集中するのを防止できる。
【0016】以下、本発明の他の実施形態について図3
〜図14を参照して説明する。図15の従来構成および
図1,図2の第1実施形態に対応する構成部について
は、図中同番号を付してその詳細な説明を省略する。ま
た、これら実施形態の説明で言及しない特徴や作用に関
しては、原則的に第1実施形態と同様である。図3は、
第2の実施形態を示す。ここでは、上記補強リング40
の外に、これより小さい補強リング40’を併用してい
る。この補強リング40’の各構成部には、補強リング
40と同番号を付してその説明を省略する。補強リング
40’は、主筋11,21で囲まれた枠内にほぼ収まる
ようにして紙面と直交する方向に複数配置されている。
これら補強リング40,40’によって、より一層仕口
部30の強度を高めることができる。なお図3におい
て、補強リング40を省いて補強リング40’だけ用い
てもよい。この場合でも第1実施形態より仕口部30の
強度は落ちるが、従来構成より高めることができる。ま
た、上記補強リング40,40’の中間の大きさの補強
リングを単独で、または補強リング40または補強リン
グ40’と併用して配設してもよい。
【0017】図4は、第3の実施形態を示す。この実施
形態では、上記柱10の中途部に梁20がト字形(T字
形)をなすようにして連結されて仕口部30が構成され
ている。この仕口部30において、複数の5角形の補強
リング50が、柱10と梁20の中心軸19,29を通
る仮想垂直面と平行な仮想垂直面上に配置されている。
補強リング50は、柱10の主筋11と平行をなす垂直
部分51と、この垂直部分51の上下端から梁20方向
に向かって水平に延びる一対の連結部分52と、これら
連結部分52の梁20側の端から傾斜して延びる一対の
傾斜部分53とを備えている。一対の傾斜部分53は梁
20の中心軸29を通る仮想水平面上において互いに交
差し連結されている。傾斜部分53と連結部分52は、
柱10の中心軸19を通り梁20と直交する仮想垂直面
において交差し連結されている。
【0018】上記一対の傾斜部分53は、傾斜補強筋と
して提供される。この傾斜部分53の配置および作用
は、第1実施形態の補強リング40の傾斜補強筋41と
同様であるので説明を省略する。各傾斜部分53におい
て、その両端に位置する連結部分52と傾斜部分53が
アンカー部して提供される。この実施形態の補強リング
50は、垂直部分51を備えており、この垂直部分51
を主筋11と同様に剪断補強筋32に連結することがで
きるので、配筋作業が容易である。なお、補強リング5
0の連結部分52は、傾斜部分53と直交する方向に延
びていてもよい。
【0019】図5は、第4の実施形態を示す。この実施
形態では、上記梁20の中途部に柱10がT字形をなす
ようにして連結されて仕口部30が構成されている。こ
の仕口部30において、複数の5角形の補強リング60
が、柱10と梁20の中心軸19,29を通る仮想垂直
面と平行な仮想垂直面上に、配置されている。補強リン
グ60は、梁20の主筋21と平行をなす水平部分61
と、この水平部分61の左右端から下方に向かって垂直
に延びる一対の連結部分62と、これら連結部分62の
下端から傾斜して延びる一対の傾斜部分63とを備えて
いる。一対の傾斜部分63は、柱10の中心軸19を通
るとともに梁20と直交する仮想垂直面上において、互
いに交差して連結されている。傾斜部分63と連結部分
62は、梁20の中心軸29を含む仮想水平面上におい
て交差し連結されている。
【0020】上記一対の傾斜部分63は、傾斜補強筋と
して提供される。この傾斜部分63の配置および作用
は、第1実施形態の補強リング40の傾斜補強筋41と
同様であるので説明を省略する。各傾斜部分63におい
て、その両端に位置する連結部分62と傾斜部分63が
アンカー部して提供される。この実施形態の補強リング
60は、水平部分61を備えており、この水平部分61
を梁20の主筋21と同様に剪断補強筋22に連結する
ことができるので、配筋作業が容易である。なお、補強
リング60の連結部分62は傾斜部分63と直交する方
向に延びていてもよい。
【0021】図6は、第5の実施形態を示す。この実施
形態では、上記柱10の端と梁20の端がL字形をなす
ようにして連結されて仕口部30が構成されている。こ
の仕口部30において、複数の5角形の補強リング70
が、柱10と梁20の中心軸19,29を含む仮想垂直
面と平行をなす仮想垂直面上に、配置されている。補強
リング70は、柱10の主筋11と平行をなす垂直部分
71と、この垂直部分の上端から梁20の主筋21と平
行に梁20側に延びる水平部分72と、この水平部分7
2の梁20側の端から傾斜して延びる連結部分73と、
上記垂直部分71の下端から水平に延びる連結部分74
と、両連結部分73,74に連なる傾斜部分75とを備
えている。
【0022】上記傾斜部分75は、傾斜補強筋として提
供され、その両端は、梁20の中心軸29を通る仮想水
平面と、柱10の中心軸19を通り梁20と直交する仮
想垂直面上にそれぞれ配置されている。この傾斜部分7
3の配置および作用は、第1実施形態の補強リング40
の傾斜補強筋41と同様であるので説明を省略する。連
結部分73,74はアンカー部として機能する。この実
施形態の補強リング70の垂直部分71,水平部分72
は、主筋11,21に沿って位置決めしたり剪断補強筋
32に連結することができるので、配筋作業が容易であ
る。なお、補強リング70の連結部分73は垂直であっ
てもよいし、連結部分74は傾斜部分75と直交してい
てもよい。
【0023】図7は、本発明の第6の実施形態を示す。
この実施形態では、第1実施形態と同様に柱10と梁2
0が十字に交差して仕口部30を構成する。なお、この
実施形態以降では、図を簡略化するために剪断補強筋を
省くことにする。第6実施形態では、仕口部30におい
て、複数の円形の補強リング80が、柱10と梁20の
中心軸19,29を通る仮想垂直面と平行をなす仮想垂
直面上に、配置されている。この補強リング80は、鉄
筋を湾曲させてその両端をフラッシュバット溶接してな
るものであり、その中心は、上記中心軸19,29と交
差し、これと直交する軸線X上に配置されている。補強
リング80は正面から見て、主筋11,21の交差部ま
たはその近傍を通る。この補強リング80において、梁
20の中心軸29を通る仮想水平面と、柱10の中心軸
19を通り梁20と直交する仮想垂直面とで分割された
4つの部分が、それぞれ傾斜補強筋81として提供され
る。この補強リング80は円形であるので、製造が容易
である。
【0024】図8は、本発明の第7の実施形態を示す。
この実施形態では、図4の第3実施形態と同様に、上記
柱10の中途部に梁20がト字形をなすようにして連結
されて仕口部30が構成されている。この仕口部30に
おいて円形の補強リング80を用いる場合には、補強リ
ング80の中心を上記軸線Xより梁20側にずらして配
置するのが好ましい。このようにすれば、補強リング8
0を主筋11,21の交差部またはその近傍を通るよう
にすることができる。この実施形態では、補強リング8
0において、その中心を通る仮想水平面と仮想垂直面と
で4分割された部分のうち、柱10と梁20の交差する
角度範囲に対応する部分、すなわち図において右側の上
下一対の部分が、傾斜補強筋81として機能する。
【0025】図9は、本発明の第8の実施形態を示す。
この実施形態では、図5の第4実施形態と同様に、上記
梁20の中途部に柱10がT字形をなすようにして連結
されて仕口部30が構成されている。この仕口部30に
おいて円形の補強リング80を用いる場合には、補強リ
ング80の中心を上記軸線Xより柱10側にずらして配
置するのが好ましい。このようにすれば、補強リング8
0を主筋11,21の交差部またはその近傍に位置させ
ることができる。この実施形態では、補強リング80に
おいて、その中心を通る仮想垂直面と仮想水平面で分割
された4つの部分のうち、柱10と梁20の交差する角
度範囲に対応する部分、すなわち図において下側の左右
一対の部分が、傾斜補強筋81として機能する。
【0026】図10は本発明の第9実施形態を示す。こ
の実施形態では、図6の第5実施形態と同様に、上記柱
10の端と梁20の端がL字形をなすようにして連結さ
れて仕口部30が構成されている。この仕口部30にお
いて円形の補強リング80を用いる場合には、補強リン
グ80の中心を上記軸線Xより柱10および梁20側に
ずらして配置するのが好ましい。このようにすれば、補
強リング80を主筋11,21の交差部またはその近傍
を通るように配置することができる。この実施形態で
は、補強リング80において、その中心を通る仮想垂直
面と仮想水平面で分割された4つの部分のうち、柱10
と梁20の交差する角度範囲に対応する部分、すなわち
図において右下の部分が、傾斜補強筋81として機能す
る。
【0027】図8,図9,図10の実施形態において、
補強リング80の中心を上記軸線Xに配置してもよい。
この場合、補強リング80は図示の場合より小径とな
る。図7〜図10の実施形態において、補強リング80
の代わりに螺旋を描く鉄筋、すなわち螺旋筋を用いても
よい。この螺旋筋は、図7〜図10において補強リング
80と同じ形状を示すので図示を省略する。この螺旋筋
は、軸線が柱10および梁20とほぼ直交しており、等
ピッチで複数回数螺旋を描くようになっており、1回分
の巻き部分が上記補強リング80と同様の機能を果た
す。この螺旋筋は配筋が容易である。この螺旋筋は、主
筋11,21で囲われる枠内に収まるように配置しても
よい。
【0028】さらに、本発明は、前述した補強リング4
0〜80を用いずに、図11〜図14に示すような傾斜
補強筋90を用いてもよい。詳述すると、図11に示す
第10実施形態の仕口部30は、図1と基本構造が同じ
であるが、各補強リング40の代わりに、4つの傾斜補
強筋90を用いている。各傾斜補強筋90の配置は、補
強リング40の傾斜補強筋41と同じである。各傾斜補
強筋90の一端は、梁20の中心軸29を通る仮想水平
面上またはその近傍に位置し、他端は、柱10の中心軸
19を通る仮想垂直面上またはその近傍に位置してい
る。傾斜補強筋90の両端には、柱10および梁20の
中心軸19,29と平行に延びるアンカー部91,92
が設けられている。
【0029】図12,図13,図14に示す第11〜第
13実施形態は、図4〜図6に示す第3〜第5実施形態
とそれぞれ同じ仕口部30において、補強リング50〜
70の代わりに、上記アンカー部91,92付きの傾斜
補強筋90が用いられている。
【0030】本発明は上記実施形態に制約されず、種々
の形態を採用可能である。例えば、補強リングは6角形
以上の多角形であってもよい。また、第1,第2の梁が
直角に交差して柱に連結される場合には、第1群の傾斜
補強筋(または補強リング)を、第1梁の中心軸を通る
垂直面と平行にして仕口部に配置するとともに、第2群
の傾斜補強筋(または補強リング)を、第2梁の中心軸
を通る垂直面と平行にして仕口部に配置する。この仕口
部補強に補強リングを形成する場合には、第1群の補強
リングを第2群の補強リングより小さくして、互いの干
渉を避けるようにするのが好ましい。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
よれば、傾斜補強筋を用いることにより、比較的簡単な
構造でありながら、大地震に耐えることができる仕口部
強度を得ることができる。請求項2の発明によれば、補
強リングを用い、その少なくとも一部を傾斜補強筋とす
ることにより、さらに仕口部強度を高めることができ
る。請求項3の発明によれば、傾斜補強筋を直線にして
その両端にアンカー部を設けたことにより、さらに仕口
部強度を高めることができる。請求項4の発明によれ
ば、傾斜補強筋を柱と梁に対して略45°とすることに
より、さらに仕口部強度を高めることができる。請求項
5の発明によれば、傾斜補強筋の長さを仕口部強度に寄
与することができる角度範囲において最大限の長さとす
ることにより、仕口部強度をさらに高めることができ
る。また、傾斜補強筋の柱,梁への延びを制限すること
により、仕口部への応力集中を回避できる。請求項6の
発明によれば、傾斜補強筋が、柱と梁の主筋の交差部ま
たはその近傍を通るので、コンクリートのかぶり厚さに
影響を及ぼすことなく、傾斜補強筋を長くすることがで
き、仕口部強度をさらに高めることができる。請求項7
〜9の発明によれば、補強リングを仕口部の形状に対応
した形状にすることにより、仕口部強度を高めることが
できる。請求項10の発明によれば、円形の補強リング
を用いるので、製造が容易である。請求項11の発明に
よれば、螺旋筋を用いるので、製造が容易であるととも
に、仕口部への配筋が容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる鉄筋コンクリート構造物の仕口
部の第1実施形態を示す正面図である。
【図2】同仕口部の平面図である。
【図3】本発明の第2実施形態をなす正面図である。
【図4】本発明の第3実施形態をなす正面図である。
【図5】本発明の第4実施形態をなす正面図である。
【図6】本発明の第5実施形態をなす正面図である。
【図7】本発明の第6実施形態をなす正面図である。
【図8】本発明の第7実施形態をなす正面図である。
【図9】本発明の第8実施形態をなす正面図である。
【図10】本発明の第9実施形態をなす正面図である。
【図11】本発明の第10実施形態をなす正面図であ
る。
【図12】本発明の第11実施形態をなす正面図であ
る。
【図13】本発明の第12実施形態をなす正面図であ
る。
【図14】本発明の第13実施形態をなす正面図であ
る。
【図15】従来の仕口部の構造を示す正面図である。
【符号の説明】
10 柱 11 主筋 19 中心軸 20 梁 21 主筋 29 中心軸 30 仕口部 40,40’ 補強リング 41 傾斜補強筋 42 角部 50,60,70 補強リング 53,63,75 傾斜部分(傾斜補強筋) 80 補強リング 81 傾斜補強筋 90 傾斜補強筋 91,92 アンカー部

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉄筋コンクリートの柱と梁が交差する仕
    口部において、柱と梁に対して傾斜する傾斜補強筋を、
    仕口部中心から当該柱と梁に片寄らせて配設したことを
    特徴とする鉄筋コンクリート構造物の仕口部補強構造。
  2. 【請求項2】 上記仕口部に鉄筋からなる補強リングが
    配設され、この補強リングの少なくとも一部が上記傾斜
    補強筋として提供されることを特徴とする請求項1に記
    載の鉄筋コンクリート構造物の仕口部補強構造。
  3. 【請求項3】 上記傾斜補強筋が直線をなし、その両端
    には、その延び方向と異なる方向に延びるアンカー部が
    設けられていることを特徴とする請求項1または2に記
    載の鉄筋コンクリート構造物の仕口部補強構造。
  4. 【請求項4】 上記傾斜補強筋が、柱と梁に対してそれ
    ぞれ略45°をなしていることを特徴とする請求項3に
    記載の鉄筋コンクリート構造物の仕口部補強構造。
  5. 【請求項5】 上記傾斜補強筋の一端が、梁の中心軸を
    通る仮想水平面またはその近傍に位置し、その他端が、
    柱の中心軸を通るとともに梁と直交する仮想垂直面また
    はその近傍に位置していることを特徴とする請求項3ま
    たは4に記載の鉄筋コンクリート構造物の仕口部補強構
    造。
  6. 【請求項6】 上記傾斜補強筋が、仕口部で配設された
    柱と梁の主筋の交差部またはその近傍を通っていること
    を特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の鉄筋コン
    クリート構造物の仕口部補強構造。
  7. 【請求項7】 上記柱と梁が十字形に交差し、上記補強
    リングが四角形をなし、その4つの辺がそれぞれ傾斜補
    強筋として提供され、補強リングの左右2つの角部が、
    梁の中心軸を通る仮想水平面上に位置し、上下2つの角
    部が、柱の中心軸を通るとともに梁と直交する仮想垂直
    面上に位置することを特徴とする請求項2に記載の鉄筋
    コンクリート構造物の仕口部補強構造。
  8. 【請求項8】 上記柱の中途部に梁がト字形をなすよう
    にして連結され、上記補強リングが、上下一対の直線を
    なす傾斜部分を備え、これら一対の傾斜部分が、上記傾
    斜補強筋として提供されるとともに、梁の中心軸を通る
    仮想水平面上において互いに交差し連結されていること
    を特徴とする請求項2に記載の鉄筋コンクリート構造物
    の仕口部補強構造。
  9. 【請求項9】 上記梁の中途部に柱がT字形をなすよう
    にして連結され、上記補強リングが、左右一対の直線を
    なす傾斜部分を備え、これら一対の傾斜部分が、上記傾
    斜補強筋として提供されるとともに、柱の中心軸を通り
    梁と直交する仮想垂直面上において、互いに交差し連結
    されていることを特徴とする請求項2に記載の鉄筋コン
    クリート構造物の仕口部補強構造。
  10. 【請求項10】 上記補強リングが円形をなしているこ
    とを特徴とする請求項2に記載の鉄筋コンクリート構造
    物の仕口部補強構造。
  11. 【請求項11】 上記仕口部に螺旋を描く鉄筋が配設さ
    れ、この螺旋筋の軸線が柱および梁とほぼ直交してお
    り、この螺旋筋の少なくとも一部が上記傾斜補強筋とし
    て提供されることを特徴とする請求項1に記載の鉄筋コ
    ンクリート構造物の仕口部補強構造。
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