JP3604271B2 - 鉄筋コンクリート構造物の仕口部補強構造 - Google Patents

鉄筋コンクリート構造物の仕口部補強構造 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、RC構造物すなわち鉄筋コンクリート構造物における、柱と梁の仕口部の補強構造の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的なRC構造物を、図15を参照して説明する。柱10は、柱10の長手方向すなわち垂直方向に延びる複数本の主筋11と、この主筋11に沿って多数配置され環状例えば矩形をなす剪断補強筋12と、これら主筋11と剪断補強筋12とを埋設するコンクリート13とを備えている。剪断補強筋12は、主筋11を囲み、この主筋11に結束等の手段で連結されている。
同様に、梁20も、梁20の長手方向すなわち水平方向に延びる複数本の主筋21と、この主筋21に沿って多数配置され環状例えば矩形をなす剪断補強筋22と、これら主筋21と剪断補強筋22とを埋設するコンクリート23とを備えている。
上記柱10と梁20は例えば図のように十字形に交差しており、その連結部すなわち仕口部30では、柱10の主筋11と梁20の主筋21が貫通している。柱10の主筋11には、上記剪断補強筋12と同様の剪断補強筋32が連結されており、これら主筋11,21,剪断補強筋32がコンクリート33に埋設されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記構成の仕口部30において、大地震を想定して、より一層高い強度が得られるように、種々の工夫が検討されている。その1つが、鉄筋の数を多くして強度向上を図ろうとするものである。しかし、製造コストの大幅な上昇が生じるにも拘わらず、それに見合った強度向上が得られていないのが現状である。
【0004】
本発明者は、上記柱10の上端を横揺れさせて大地震に相当するエネルギーを付与したところ、仕口部30のコンクリート33が斜めにひび割れし、このひび割れから大きな破壊に至ることを確認した。
本発明の目的は、上記実験結果を踏まえて、簡単な構造でありながら著しい強度の向上を図ることができる鉄筋コンクリート構造物の仕口部補強構造を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、鉄筋コンクリートの柱と梁が交差する仕口部の補強構造において、柱と梁に対してそれぞれ略45°に傾斜する直線をなす傾斜補強筋を、仕口部中心から当該柱と梁に片寄らせ、柱と梁の主筋の交差部またはその近傍を通るようにして配設し、上記傾斜補強筋の両端には、その延び方向と異なる方向に延びるアンカー部が設けられ、上記傾斜補強筋が当該柱と梁の交差角度が広がろうとするときの仕口部に作用する引っ張り力を分担することを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1に記載の鉄筋コンクリート構造物の仕口部補強構造において、上記仕口部に鉄筋からなる補強リングが配設され、この補強リングの少なくとも一部が上記傾斜補強筋として提供されることを特徴とする。
【0006】
請求項の発明は、請求項1または2に記載の鉄筋コンクリート構造物の仕口部補強構造において、上記傾斜補強筋の一端が、梁の中心軸を通る仮想水平面またはその近傍に位置し、その他端が、柱の中心軸を通るとともに梁と直交する仮想垂直面またはその近傍に位置していることを特徴とする。
請求項の発明は、請求項2に記載の鉄筋コンクリート構造物の仕口部補強構造において、上記柱と梁が十字形に交差し、上記補強リングが四角形をなし、その4つの辺がそれぞれ傾斜補強筋として提供され、補強リングの左右2つの角部が、梁の中心軸を通る仮想水平面上に位置し、上下2つの角部が、柱の中心軸を通るとともに梁と直交する仮想垂直面上に位置することを特徴とする。
【0007】
請求項の発明は、請求項2に記載の鉄筋コンクリート構造物の仕口部補強構造において、上記柱の中途部に梁がト字形をなすようにして連結され、上記補強リングが、上下一対の直線をなす傾斜部分を備え、これら一対の傾斜部分が、上記傾斜補強筋として提供されるとともに、梁の中心軸を通る仮想水平面上において互いに交差し連結されていることを特徴とする。
請求項の発明は、請求項2に記載の鉄筋コンクリート構造物の仕口部補強構造において、上記梁の中途部に柱がT字形をなすようにして連結され、上記補強リングが、左右一対の直線をなす傾斜部分を備え、これら一対の傾斜部分が、上記傾斜補強筋として提供されるとともに、柱の中心軸を通り梁と直交する仮想垂直面上において、互いに交差し連結されていることを特徴とする。
請求項7の発明は、鉄筋コンクリートの柱と梁が交差する仕口部において、柱と梁の中心軸を通る仮想垂直面上に、円形の補強リングが配設され、この補強リングの少なくとも一部が傾斜補強筋として提供され、この傾斜補強筋は、柱と梁に対して傾斜し、仕口部中心から当該柱と梁に片寄って、仕口部における柱と梁の主筋の交差部またはその近傍を通るように配設され、当該柱と梁の交差角度が広がろうとするときの仕口部に作用する引っ張り力を分担することを特徴とする。
請求項8の発明は、鉄筋コンクリート構造物の仕口部補強構造において、鉄筋コンクリートの柱と梁が交差する仕口部に螺旋を描く鉄筋が配設され、この螺旋筋の軸線が柱および梁とほぼ直交しており、この螺旋筋の少なくとも一部が傾斜補強筋として提供され、この傾斜補強筋は、柱と梁に対して傾斜し、仕口部中心から当該柱と梁に片寄って、仕口部における柱と梁の主筋の交差部またはその近傍を通るように配設され、当該柱と梁の交差角度が広がろうとするときの仕口部に作用する引っ張り力を分担することを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係わるコンクリート構造物の仕口部の第1実施形態について、図1,図2を参照して説明する。なお、この第1実施形態のコンクリート構造物の仕口部30は、正面から見て柱10と梁20が十字形に交差することにより構成されるものであり、その基本構造は、図15に示す従来構造と同じであるので、各構成部に同番号を付してその詳細な説明を省略する。
なお、図2に示すように、柱10は左右4本ずつの主筋11を有し、梁20は上下5本ずつの主筋21を有している。
【0009】
上記仕口部30には、複数例えば3つの補強リング40が配設されている。これら補強リング40は正方形(四角形)をなして、柱10と梁20の中心軸19,29とを通る仮想垂直面と平行をなす仮想垂直面上に配置されている。補強リング40の4つの辺は傾斜補強筋41として提供されている。これら傾斜補強筋41は、柱10および梁20の中心軸に対して45°傾いており、仕口部30の中心から離れている。より具体的には、この傾斜補強筋41は、上記柱10の主筋11と梁20の主筋21の交差部(正面から見た時、すなわち上記仮想垂直面と直交する方向から見た時の交差部)またはその近傍を通るようになっている。したがって、上記傾斜補強筋41は、これら主筋11,12に囲われた四角形の枠の外に位置している。
【0010】
上記補強リング40の4つの角部42のうち左右2つの角部42は、梁20の中心軸29を通る仮想水平面上に位置しており、上下2つの角部42は、柱10の中心軸19を通るとともに梁20と直交する仮想垂直面上に位置している。
なお、上記補強リング40は、梁20の主筋21や柱10の主筋11に番線で結束されて仮止めされたり、主筋11,21に補助鉄筋を介して連結されており、この状態でコンクリート33の打設が行われるようになっている。
【0011】
上記構成において、大地震の時には、例えば横揺れに対して、柱10や梁20に曲げ力が働き、仕口部30にも柱10と梁20の交差角度を縮めたり広げようとする力が働く。上記の強い横揺れに対して最初に梁20が曲げ降伏を起し、それより揺れが激しくなると仕口部30にも影響を及ぼす。
例えば、上側の柱10と左側の梁20との交差角度と、下側の柱10と右側の梁20との交差角度とを広げようとする力が仕口部30に働いた時には、仕口部30の左上と右下のコンクリート33に引っ張り力が作用し、このコンクリート33に左上から右下に向かって傾斜して延びる細かいひび割れが生じようとする。この際、上記補強リング40の左上の傾斜補強筋41と右下の傾斜補強筋41が、この引っ張り力を負担し、上記コンクリート33に生じる引っ張り応力を軽減させることができる。その結果、コンクリート33のひび割れを阻止するか最小限にすることができる。
【0012】
同様に、上側の柱10と右側の梁20との交差角度と、下側の柱10と左側の梁20の交差角度を広げようとする力が仕口部30に働いた時には、上記補強リング40の右上の傾斜補強筋41と左下の傾斜補強筋41が、この引っ張り力を負担することになる。
従来の仕口部では、強い揺れの繰り返しによりコンクリート33のひび割れが成長して、コンクリート33の崩落とそれに伴う鉄筋の座屈が生じて補修不能な程破壊されるのに対して、本実施形態では、補強リング40の4つの傾斜補強筋41により、コンクリート33のひび割れを防止できるか、補修可能な程度に最小限に抑えることができる。特に傾斜補強筋41が45°に傾斜してひび割れの方向と直交しているので、上記ひび割れ防止,抑制を効果的に行なうことができる。
【0013】
上記傾斜補強筋41が引っ張り力を受けている時、その両端に連なる傾斜補強筋41はアンカー部として働くので、上記引っ張り力を傾斜補強筋41で確実に担うことができる。
また 補強リング40は、4つの傾斜補強筋41を連ねてリング形状をなしているので、それ自体の強度を高めることができるとともに、コンクリート33との付着強度を非常に高くすることができ、上記アンカーの機能を最大限発揮することができる。
【0014】
上記傾斜補強筋41は、正面から見て主筋11,21の交差部またはその近傍に配置されているので、コンクリート33のかぶり厚さを減じることなく、仕口部41の中心から最大限離すことができるので、上記引っ張り力を確実に担うことができる。
上記傾斜補強筋41は直線的に延び、梁20の中心軸29を通る仮想水平面から、柱10の中心軸を通り梁20と直交する仮想垂直面まで、延びているので、十分に長くすることができ、この点からも上記引っ張り力を確実に担うことができる。
【0015】
また、補強リング40の左右の角部42が梁20の中心軸29を含む仮想水平面にあり、上下の角部42が柱10の中心軸19を含み梁20と直交する仮想垂直面にあり、1本の傾斜補強筋41は柱10や梁20において長く配設されないので、これら柱10,梁20の曲げ剛性の増大を抑えることができる。その結果、応力が仕口部30に極度に集中するのを防止できる。
【0016】
以下、本発明の他の実施形態について図3〜図14を参照して説明する。図15の従来構成および図1,図2の第1実施形態に対応する構成部については、図中同番号を付してその詳細な説明を省略する。また、これら実施形態の説明で言及しない特徴や作用に関しては、原則的に第1実施形態と同様である。
図3は、第2の実施形態を示す。ここでは、上記補強リング40の外に、これより小さい補強リング40’を併用している。この補強リング40’の各構成部には、補強リング40と同番号を付してその説明を省略する。補強リング40’は、主筋11,21で囲まれた枠内にほぼ収まるようにして紙面と直交する方向に複数配置されている。これら補強リング40,40’によって、より一層仕口部30の強度を高めることができる。
なお図3において、補強リング40を省いて補強リング40’だけ用いてもよい。この場合でも第1実施形態より仕口部30の強度は落ちるが、従来構成より高めることができる。また、上記補強リング40,40’の中間の大きさの補強リングを単独で、または補強リング40または補強リング40’と併用して配設してもよい。
【0017】
図4は、第3の実施形態を示す。この実施形態では、上記柱10の中途部に梁20がト字形(T字形)をなすようにして連結されて仕口部30が構成されている。この仕口部30において、複数の5角形の補強リング50が、柱10と梁20の中心軸19,29を通る仮想垂直面と平行な仮想垂直面上に配置されている。補強リング50は、柱10の主筋11と平行をなす垂直部分51と、この垂直部分51の上下端から梁20方向に向かって水平に延びる一対の連結部分52と、これら連結部分52の梁20側の端から傾斜して延びる一対の傾斜部分53とを備えている。一対の傾斜部分53は梁20の中心軸29を通る仮想水平面上において互いに交差し連結されている。傾斜部分53と連結部分52は、柱10の中心軸19を通り梁20と直交する仮想垂直面において交差し連結されている。
【0018】
上記一対の傾斜部分53は、傾斜補強筋として提供される。この傾斜部分53の配置および作用は、第1実施形態の補強リング40の傾斜補強筋41と同様であるので説明を省略する。各傾斜部分53において、その両端に位置する連結部分52と傾斜部分53がアンカー部して提供される。この実施形態の補強リング50は、垂直部分51を備えており、この垂直部分51を主筋11と同様に剪断補強筋32に連結することができるので、配筋作業が容易である。
なお、補強リング50の連結部分52は、傾斜部分53と直交する方向に延びていてもよい。
【0019】
図5は、第4の実施形態を示す。この実施形態では、上記梁20の中途部に柱10がT字形をなすようにして連結されて仕口部30が構成されている。この仕口部30において、複数の5角形の補強リング60が、柱10と梁20の中心軸19,29を通る仮想垂直面と平行な仮想垂直面上に、配置されている。
補強リング60は、梁20の主筋21と平行をなす水平部分61と、この水平部分61の左右端から下方に向かって垂直に延びる一対の連結部分62と、これら連結部分62の下端から傾斜して延びる一対の傾斜部分63とを備えている。一対の傾斜部分63は、柱10の中心軸19を通るとともに梁20と直交する仮想垂直面上において、互いに交差して連結されている。傾斜部分63と連結部分62は、梁20の中心軸29を含む仮想水平面上において交差し連結されている。
【0020】
上記一対の傾斜部分63は、傾斜補強筋として提供される。この傾斜部分63の配置および作用は、第1実施形態の補強リング40の傾斜補強筋41と同様であるので説明を省略する。各傾斜部分63において、その両端に位置する連結部分62と傾斜部分63がアンカー部して提供される。この実施形態の補強リング60は、水平部分61を備えており、この水平部分61を梁20の主筋21と同様に剪断補強筋22に連結することができるので、配筋作業が容易である。
なお、補強リング60の連結部分62は傾斜部分63と直交する方向に延びていてもよい。
【0021】
図6は、第5の実施形態を示す。この実施形態では、上記柱10の端と梁20の端がL字形をなすようにして連結されて仕口部30が構成されている。この仕口部30において、複数の5角形の補強リング70が、柱10と梁20の中心軸19,29を含む仮想垂直面と平行をなす仮想垂直面上に、配置されている。
補強リング70は、柱10の主筋11と平行をなす垂直部分71と、この垂直部分の上端から梁20の主筋21と平行に梁20側に延びる水平部分72と、この水平部分72の梁20側の端から傾斜して延びる連結部分73と、上記垂直部分71の下端から水平に延びる連結部分74と、両連結部分73,74に連なる傾斜部分75とを備えている。
【0022】
上記傾斜部分75は、傾斜補強筋として提供され、その両端は、梁20の中心軸29を通る仮想水平面と、柱10の中心軸19を通り梁20と直交する仮想垂直面上にそれぞれ配置されている。この傾斜部分73の配置および作用は、第1実施形態の補強リング40の傾斜補強筋41と同様であるので説明を省略する。連結部分73,74はアンカー部として機能する。
この実施形態の補強リング70の垂直部分71,水平部分72は、主筋11,21に沿って位置決めしたり剪断補強筋32に連結することができるので、配筋作業が容易である。
なお、補強リング70の連結部分73は垂直であってもよいし、連結部分74は傾斜部分75と直交していてもよい。
【0023】
図7は、本発明の第6の実施形態を示す。この実施形態では、第1実施形態と同様に柱10と梁20が十字に交差して仕口部30を構成する。なお、この実施形態以降では、図を簡略化するために剪断補強筋を省くことにする。
第6実施形態では、仕口部30において、複数の円形の補強リング80が、柱10と梁20の中心軸19,29を通る仮想垂直面と平行をなす仮想垂直面上に、配置されている。この補強リング80は、鉄筋を湾曲させてその両端をフラッシュバット溶接してなるものであり、その中心は、上記中心軸19,29と交差し、これと直交する軸線X上に配置されている。補強リング80は正面から見て、主筋11,21の交差部またはその近傍を通る。この補強リング80において、梁20の中心軸29を通る仮想水平面と、柱10の中心軸19を通り梁20と直交する仮想垂直面とで分割された4つの部分が、それぞれ傾斜補強筋81として提供される。この補強リング80は円形であるので、製造が容易である。
【0024】
図8は、本発明の第7の実施形態を示す。この実施形態では、図4の第3実施形態と同様に、上記柱10の中途部に梁20がト字形をなすようにして連結されて仕口部30が構成されている。この仕口部30において円形の補強リング80を用いる場合には、補強リング80の中心を上記軸線Xより梁20側にずらして配置するのが好ましい。このようにすれば、補強リング80を主筋11,21の交差部またはその近傍を通るようにすることができる。この実施形態では、補強リング80において、その中心を通る仮想水平面と仮想垂直面とで4分割された部分のうち、柱10と梁20の交差する角度範囲に対応する部分、すなわち図において右側の上下一対の部分が、傾斜補強筋81として機能する。
【0025】
図9は、本発明の第8の実施形態を示す。この実施形態では、図5の第4実施形態と同様に、上記梁20の中途部に柱10がT字形をなすようにして連結されて仕口部30が構成されている。この仕口部30において円形の補強リング80を用いる場合には、補強リング80の中心を上記軸線Xより柱10側にずらして配置するのが好ましい。このようにすれば、補強リング80を主筋11,21の交差部またはその近傍に位置させることができる。この実施形態では、補強リング80において、その中心を通る仮想垂直面と仮想水平面で分割された4つの部分のうち、柱10と梁20の交差する角度範囲に対応する部分、すなわち図において下側の左右一対の部分が、傾斜補強筋81として機能する。
【0026】
図10は本発明の第9実施形態を示す。この実施形態では、図6の第5実施形態と同様に、上記柱10の端と梁20の端がL字形をなすようにして連結されて仕口部30が構成されている。この仕口部30において円形の補強リング80を用いる場合には、補強リング80の中心を上記軸線Xより柱10および梁20側にずらして配置するのが好ましい。このようにすれば、補強リング80を主筋11,21の交差部またはその近傍を通るように配置することができる。この実施形態では、補強リング80において、その中心を通る仮想垂直面と仮想水平面で分割された4つの部分のうち、柱10と梁20の交差する角度範囲に対応する部分、すなわち図において右下の部分が、傾斜補強筋81として機能する。
【0027】
図8,図9,図10の実施形態において、補強リング80の中心を上記軸線Xに配置してもよい。この場合、補強リング80は図示の場合より小径となる。
図7〜図10の実施形態において、補強リング80の代わりに螺旋を描く鉄筋、すなわち螺旋筋を用いてもよい。この螺旋筋は、図7〜図10において補強リング80と同じ形状を示すので図示を省略する。この螺旋筋は、軸線が柱10および梁20とほぼ直交しており、等ピッチで複数回数螺旋を描くようになっており、1回分の巻き部分が上記補強リング80と同様の機能を果たす。この螺旋筋は配筋が容易である。この螺旋筋は、主筋11,21で囲われる枠内に収まるように配置してもよい。
【0028】
さらに、本発明は、前述した補強リング40〜80を用いずに、図11〜図14に示すような傾斜補強筋90を用いてもよい。
詳述すると、図11に示す第10実施形態の仕口部30は、図1と基本構造が同じであるが、各補強リング40の代わりに、4つの傾斜補強筋90を用いている。各傾斜補強筋90の配置は、補強リング40の傾斜補強筋41と同じである。各傾斜補強筋90の一端は、梁20の中心軸29を通る仮想水平面上またはその近傍に位置し、他端は、柱10の中心軸19を通る仮想垂直面上またはその近傍に位置している。傾斜補強筋90の両端には、柱10および梁20の中心軸19,29と平行に延びるアンカー部91,92が設けられている。
【0029】
図12,図13,図14に示す第11〜第13実施形態は、図4〜図6に示す第3〜第5実施形態とそれぞれ同じ仕口部30において、補強リング50〜70の代わりに、上記アンカー部91,92付きの傾斜補強筋90が用いられている。
【0030】
本発明は上記実施形態に制約されず、種々の形態を採用可能である。例えば、補強リングは6角形以上の多角形であってもよい。
また、第1,第2の梁が直角に交差して柱に連結される場合には、第1群の傾斜補強筋(または補強リング)を、第1梁の中心軸を通る垂直面と平行にして仕口部に配置するとともに、第2群の傾斜補強筋(または補強リング)を、第2梁の中心軸を通る垂直面と平行にして仕口部に配置する。この仕口部補強に補強リングを形成する場合には、第1群の補強リングを第2群の補強リングより小さくして、互いの干渉を避けるようにするのが好ましい。
【0031】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明によれば、傾斜補強筋を用いることにより、比較的簡単な構造でありながら、大地震に耐えることができる仕口部強度を得ることができる。しかも、傾斜補強筋を直線にして柱と梁に対して略45°とし、その両端にアンカー部を設けたことにより、さらに仕口部強度を高めることができる。さらに傾斜補強筋が、柱と梁の主筋の交差部またはその近傍を通るので、コンクリートのかぶり厚さに影響を及ぼすことなく、仕口部強度をさらに高めることができる。
請求項2の発明によれば、補強リングを用い、その少なくとも一部を傾斜補強筋とすることにより、さらに仕口部強度を高めることができる。
請求項の発明によれば、傾斜補強筋の長さを仕口部強度に寄与することができる角度範囲において最大限の長さとすることにより、仕口部強度をさらに高めることができる。また、傾斜補強筋の柱,梁への延びを制限することにより、仕口部への応力集中を回避できる。
請求項4〜6の発明によれば、補強リングを仕口部の形状に対応した形状にすることにより、仕口部強度を高めることができる。
請求項の発明によれば、円形の補強リングを用いるので、製造が容易である。
請求項の発明によれば、螺旋筋を用いるので、製造が容易であるとともに、仕口部への配筋が容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる鉄筋コンクリート構造物の仕口部の第1実施形態を示す正面図である。
【図2】同仕口部の平面図である。
【図3】本発明の第2実施形態をなす正面図である。
【図4】本発明の第3実施形態をなす正面図である。
【図5】本発明の第4実施形態をなす正面図である。
【図6】本発明の第5実施形態をなす正面図である。
【図7】本発明の第6実施形態をなす正面図である。
【図8】本発明の第7実施形態をなす正面図である。
【図9】本発明の第8実施形態をなす正面図である。
【図10】本発明の第9実施形態をなす正面図である。
【図11】本発明の第10実施形態をなす正面図である。
【図12】本発明の第11実施形態をなす正面図である。
【図13】本発明の第12実施形態をなす正面図である。
【図14】本発明の第13実施形態をなす正面図である。
【図15】従来の仕口部の構造を示す正面図である。
【符号の説明】
10 柱
11 主筋
19 中心軸
20 梁
21 主筋
29 中心軸
30 仕口部
40,40’ 補強リング
41 傾斜補強筋
42 角部
50,60,70 補強リング
53,63,75 傾斜部分(傾斜補強筋)
80 補強リング
81 傾斜補強筋
90 傾斜補強筋
91,92 アンカー部

Claims (8)

  1. 鉄筋コンクリートの柱と梁が交差する仕口部において、柱と梁に対してそれぞれ略45°に傾斜する直線をなす傾斜補強筋を、仕口部中心から当該柱と梁に片寄らせ、柱と梁の主筋の交差部またはその近傍を通るようにして配設し、上記傾斜補強筋の両端には、その延び方向と異なる方向に延びるアンカー部が設けられ、上記傾斜補強筋が当該柱と梁の交差角度が広がろうとするときの仕口部に作用する引っ張り力を分担することを特徴とする鉄筋コンクリート構造物の仕口部補強構造。
  2. 上記仕口部に鉄筋からなる補強リングが配設され、この補強リングの少なくとも一部が上記傾斜補強筋として提供されることを特徴とする請求項1に記載の鉄筋コンクリート構造物の仕口部補強構造。
  3. 上記傾斜補強筋の一端が、梁の中心軸を通る仮想水平面またはその近傍に位置し、その他端が、柱の中心軸を通るとともに梁と直交する仮想垂直面またはその近傍に位置していることを特徴とする請求項1または2に記載の鉄筋コンクリート構造物の仕口部補強構造。
  4. 上記柱と梁が十字形に交差し、上記補強リングが四角形をなし、その4つの辺がそれぞれ傾斜補強筋として提供され、補強リングの左右2つの角部が、梁の中心軸を通る仮想水平面上に位置し、上下2つの角部が、柱の中心軸を通るとともに梁と直交する仮想垂直面上に位置することを特徴とする請求項2に記載の鉄筋コンクリート構造物の仕口部補強構造。
  5. 上記柱の中途部に梁がト字形をなすようにして連結され、上記補強リングが、上下一対の直線をなす傾斜部分を備え、これら一対の傾斜部分が、上記傾斜補強筋として提供されるとともに、梁の中心軸を通る仮想水平面上において互いに交差し連結されていることを特徴とする請求項に記載の鉄筋コンクリート構造物の仕口部補強構造。
  6. 上記梁の中途部に柱がT字形をなすようにして連結され、上記補強リングが、左右一対の直線をなす傾斜部分を備え、これら一対の傾斜部分が、上記傾斜補強筋として提供されるとともに、柱の中心軸を通り梁と直交する仮想垂直面上において、互いに交差し連結されていることを特徴とする請求項2に記載の鉄筋コンクリート構造物の仕口部補強構造。
  7. 鉄筋コンクリートの柱と梁が交差する仕口部において、柱と梁の中心軸を通る仮想垂直面と平行な仮想垂直面上に、円形の補強リングが配設され、この補強リングの少なくとも一部が傾斜補強筋として提供され、この傾斜補強筋は、柱と梁に対して傾斜し、仕口部中心から当該柱と梁に片寄って、仕口部における柱と梁の主筋の交差部またはその近傍を通るように配設され、当該柱と梁の交差角度が広がろうとするときの仕口部に作用する引っ張り力を分担することを特徴とする鉄筋コンクリート構造物の仕口部補強構造。
  8. 鉄筋コンクリートの柱と梁が交差する仕口部に螺旋を描く鉄筋が配設され、この螺旋筋の軸線が柱および梁とほぼ直交しており、この螺旋筋の少なくとも一部が傾斜補強筋として提供され、この傾斜補強筋は、柱と梁に対して傾斜し、仕口部中心から当該柱と梁に片寄って、仕口部における柱と梁の主筋の交差部またはその近傍を通るように配設され、当該柱と梁の交差角度が広がろうとするときの仕口部に作用する引っ張り力を分担することを特徴とする鉄筋コンクリート構造物の仕口部補強構造。
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