JPH11217686A - 廃プラスチック処理装置の防食処理方法 - Google Patents
廃プラスチック処理装置の防食処理方法Info
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- JPH11217686A JPH11217686A JP10016570A JP1657098A JPH11217686A JP H11217686 A JPH11217686 A JP H11217686A JP 10016570 A JP10016570 A JP 10016570A JP 1657098 A JP1657098 A JP 1657098A JP H11217686 A JPH11217686 A JP H11217686A
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- C23—COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
- C23G—CLEANING OR DE-GREASING OF METALLIC MATERIAL BY CHEMICAL METHODS OTHER THAN ELECTROLYSIS
- C23G5/00—Cleaning or de-greasing metallic material by other methods; Apparatus for cleaning or de-greasing metallic material with organic solvents
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- Preventing Corrosion Or Incrustation Of Metals (AREA)
- Separation, Recovery Or Treatment Of Waste Materials Containing Plastics (AREA)
- Processing Of Solid Wastes (AREA)
- Processing And Handling Of Plastics And Other Materials For Molding In General (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 超臨界水で前記廃プラスチックを直接処理す
る装置に関し、安価なステンレス鋼の適用を可能とす
る、廃プラスチック処理装置の防食処理方法を提供す
る。 【解決手段】 ステンレス鋼製の廃プラスチック処理装
置に少なくとも1種以上のアルカリ金属塩を含む水溶液
を所定量張り込み、溶存酸素量が0.5mg/L以下に
なるように脱気し、次いで超臨界条件まで昇温、昇圧し
た後、該温度と圧力を一定期間保持することとした。
る装置に関し、安価なステンレス鋼の適用を可能とす
る、廃プラスチック処理装置の防食処理方法を提供す
る。 【解決手段】 ステンレス鋼製の廃プラスチック処理装
置に少なくとも1種以上のアルカリ金属塩を含む水溶液
を所定量張り込み、溶存酸素量が0.5mg/L以下に
なるように脱気し、次いで超臨界条件まで昇温、昇圧し
た後、該温度と圧力を一定期間保持することとした。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は超臨界水により廃プ
ラスチックを処理するための廃プラスチック処理装置の
防食処理方法に関する。
ラスチックを処理するための廃プラスチック処理装置の
防食処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、天然又は合成高分子化合物を超臨
界水又は亜臨界水を用いて分解することが知られてい
る。一方、塩化ビニル樹脂、トリクロロトリフロロエチ
レンなどの塩素を含む廃プラスチックを処理する装置で
はこのような樹脂から塩素が分離し、その塩素によりス
テンレス鋼等の装置材料が激しく腐食される。腐食の程
度は装置材料の化学成分、水溶液中のCl濃度によって
異なるが、特に超臨界水による処理は高温、高圧で行う
こととなる。このため、装置材料にステンレス鋼を用い
た場合、塩素イオンによる孔食、隙間腐食、応力腐食割
れなどが特に生じ易い。このための対策として、特殊な
化学組成からなるニッケル系合金が用いられている。
界水又は亜臨界水を用いて分解することが知られてい
る。一方、塩化ビニル樹脂、トリクロロトリフロロエチ
レンなどの塩素を含む廃プラスチックを処理する装置で
はこのような樹脂から塩素が分離し、その塩素によりス
テンレス鋼等の装置材料が激しく腐食される。腐食の程
度は装置材料の化学成分、水溶液中のCl濃度によって
異なるが、特に超臨界水による処理は高温、高圧で行う
こととなる。このため、装置材料にステンレス鋼を用い
た場合、塩素イオンによる孔食、隙間腐食、応力腐食割
れなどが特に生じ易い。このための対策として、特殊な
化学組成からなるニッケル系合金が用いられている。
【0003】しかし、ニッケル系合金は高価であり、装
置建設コストが非常に高くなる。そのため、塩化ビニル
樹脂、ポリクロロトリフロロエチレンなどの塩素を含む
廃プラスチックを処理する装置では、このような樹脂を
超臨界水で直接処理するのを避けた方法が開発されてい
る。すなわち、まず別途脱塩素装置を用いて300〜3
50℃で熱分解して、樹脂から塩素を除去する。そし
て、残留した脱塩素された樹脂を超臨界水により処理す
るようにした廃プラスチック処理方法も開発されてい
る。ところが、この方法では脱塩素することにより、装
置材料としては比較的安価なステンレス鋼が使用できる
ものの、直接処理するプロセスに比べて、プロセスが複
雑で、装置構成機器が多くなる。その結果、装置建設コ
ストが非常に高くなるという課題をなお残していた。
置建設コストが非常に高くなる。そのため、塩化ビニル
樹脂、ポリクロロトリフロロエチレンなどの塩素を含む
廃プラスチックを処理する装置では、このような樹脂を
超臨界水で直接処理するのを避けた方法が開発されてい
る。すなわち、まず別途脱塩素装置を用いて300〜3
50℃で熱分解して、樹脂から塩素を除去する。そし
て、残留した脱塩素された樹脂を超臨界水により処理す
るようにした廃プラスチック処理方法も開発されてい
る。ところが、この方法では脱塩素することにより、装
置材料としては比較的安価なステンレス鋼が使用できる
ものの、直接処理するプロセスに比べて、プロセスが複
雑で、装置構成機器が多くなる。その結果、装置建設コ
ストが非常に高くなるという課題をなお残していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記従来技術
の実状に鑑み、超臨界水で前記廃プラスチックを直接処
理する装置に関し、安価なステンレス鋼の適用を可能と
する、廃プラスチック処理装置の防食処理方法を提供す
ることを目的する。
の実状に鑑み、超臨界水で前記廃プラスチックを直接処
理する装置に関し、安価なステンレス鋼の適用を可能と
する、廃プラスチック処理装置の防食処理方法を提供す
ることを目的する。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、超臨界水によ
り廃プラスチックを処理するための処理装置を防食処理
する方法であって、ステンレス鋼製の廃プラスチック処
理装置に少なくとも一種以上のアルカリ金属塩を含む水
溶液を所定量張り込み、しかる後に脱気し、次いで超臨
界条件まで昇温、昇圧した後、該温度と圧力を一定期間
保持するといった工程を含む。本発明では、防食処理方
法によりステンレス鋼の表面には数μmの緻密な黒色皮
膜が形成される。該皮膜は耐食性、耐傷付性、耐摩耗性
に優れており、飽和NaCl水溶液を含む超臨界水条件
下でも全く腐食されない。本発明により形成される黒色
皮膜は、Fe3 O4 及びFeCr2 O4 からなる酸化皮
膜であり、組成は従来の前記不働態化処理皮膜と同等で
ある。しかし、本発明により形成された黒色皮膜は従来
の不働態化処理皮膜の数十nmに比べ数μmと非常に厚
く耐食性、耐傷付性、耐摩耗性が大幅に優れている。こ
の皮膜は防食処理時間を長くすることによって厚くする
ことができる。
り廃プラスチックを処理するための処理装置を防食処理
する方法であって、ステンレス鋼製の廃プラスチック処
理装置に少なくとも一種以上のアルカリ金属塩を含む水
溶液を所定量張り込み、しかる後に脱気し、次いで超臨
界条件まで昇温、昇圧した後、該温度と圧力を一定期間
保持するといった工程を含む。本発明では、防食処理方
法によりステンレス鋼の表面には数μmの緻密な黒色皮
膜が形成される。該皮膜は耐食性、耐傷付性、耐摩耗性
に優れており、飽和NaCl水溶液を含む超臨界水条件
下でも全く腐食されない。本発明により形成される黒色
皮膜は、Fe3 O4 及びFeCr2 O4 からなる酸化皮
膜であり、組成は従来の前記不働態化処理皮膜と同等で
ある。しかし、本発明により形成された黒色皮膜は従来
の不働態化処理皮膜の数十nmに比べ数μmと非常に厚
く耐食性、耐傷付性、耐摩耗性が大幅に優れている。こ
の皮膜は防食処理時間を長くすることによって厚くする
ことができる。
【0006】
【発明の実施の形態】図1に本発明にかかる廃プラスチ
ック処理装置の防食処理方法の各工程を示す。本発明
は、ステンレス鋼を用いた廃プラスチック処理装置の防
食処理方法である(図1中のA)。一般に、ステンレス
鋼を常圧で硝酸、硝酸とフッ酸の混酸等に浸漬すること
により、ステンレス鋼の表面に数十nmの酸化皮膜を形
成し、不働態化され、耐食性が向上することはよく知ら
れている。しかし、不働態化処理した皮膜は非常に薄い
ために装置製作時、建設時の当て傷あるいはプロセス流
体に含有される固形分の衝突や高流速液体の摩耗によっ
て消滅することが多く、ニッケル系合金を使用せざるを
得ないようなところは適用できないのが現状である。本
発明はこのような常識を打ち破って、画期的な不働態処
理方法を考案した。また、本発明は超臨界水により廃プ
ラスチックを処理する方法に用いられる装置に関するも
のである。本発明において超臨界水とは、温度:200
〜800℃、圧力:20.0〜918kgf/cm2 の
範囲で温度及び圧力を適切に調整した超臨界状態の水を
いう。さらには、温度:250〜450℃、圧力:51
〜510kgf/cm2 の範囲で温度及び圧力を適切に
調整したものが好ましい。また、用語「超臨界水」に
は、本発明の適用に支障がない限り、亜臨界水も含まれ
る。
ック処理装置の防食処理方法の各工程を示す。本発明
は、ステンレス鋼を用いた廃プラスチック処理装置の防
食処理方法である(図1中のA)。一般に、ステンレス
鋼を常圧で硝酸、硝酸とフッ酸の混酸等に浸漬すること
により、ステンレス鋼の表面に数十nmの酸化皮膜を形
成し、不働態化され、耐食性が向上することはよく知ら
れている。しかし、不働態化処理した皮膜は非常に薄い
ために装置製作時、建設時の当て傷あるいはプロセス流
体に含有される固形分の衝突や高流速液体の摩耗によっ
て消滅することが多く、ニッケル系合金を使用せざるを
得ないようなところは適用できないのが現状である。本
発明はこのような常識を打ち破って、画期的な不働態処
理方法を考案した。また、本発明は超臨界水により廃プ
ラスチックを処理する方法に用いられる装置に関するも
のである。本発明において超臨界水とは、温度:200
〜800℃、圧力:20.0〜918kgf/cm2 の
範囲で温度及び圧力を適切に調整した超臨界状態の水を
いう。さらには、温度:250〜450℃、圧力:51
〜510kgf/cm2 の範囲で温度及び圧力を適切に
調整したものが好ましい。また、用語「超臨界水」に
は、本発明の適用に支障がない限り、亜臨界水も含まれ
る。
【0007】本発明では、まず、少なくとも一種以上の
アルカリ金属塩を含む水溶液を装置内に張り込む(図1
中の工程B)。用いられるアルカリ金属塩はNa、Kの
硫酸塩、亜硫酸塩、炭酸塩、炭酸水素塩、硝酸塩、塩化
物の単独、あるいは混合物が用いられる。その濃度は1
00mg/L〜飽和溶解量までであるが、好ましくは
1,000〜10,000mg/Lである。
アルカリ金属塩を含む水溶液を装置内に張り込む(図1
中の工程B)。用いられるアルカリ金属塩はNa、Kの
硫酸塩、亜硫酸塩、炭酸塩、炭酸水素塩、硝酸塩、塩化
物の単独、あるいは混合物が用いられる。その濃度は1
00mg/L〜飽和溶解量までであるが、好ましくは
1,000〜10,000mg/Lである。
【0008】次いで、本発明では、N2 置換等の脱気処
理を行い、水溶液中の溶存酸素を0.5mg/L以下に
調整する(図1中の工程C)。溶存酸素量が0.5mg
/Lを越える条件では、本発明の目的とするFe3 O4
及びFeCr2 O4 からなる耐食性に優れた不働態皮膜
は形成されず、Fe2 O3 が主体で柔軟でポーラスな皮
膜が付着している状態であり、防食効果は得られない。
理を行い、水溶液中の溶存酸素を0.5mg/L以下に
調整する(図1中の工程C)。溶存酸素量が0.5mg
/Lを越える条件では、本発明の目的とするFe3 O4
及びFeCr2 O4 からなる耐食性に優れた不働態皮膜
は形成されず、Fe2 O3 が主体で柔軟でポーラスな皮
膜が付着している状態であり、防食効果は得られない。
【0009】そして、本発明では、装置内の温度、圧力
を超臨界条件まで昇温、昇圧する(図1中の工程D)。
不働態皮膜は超臨界水条件以下の例えば、300℃、1
00kg/cm2 の処理温度、処理圧力でも形成される
が厚さが非常に薄く、本発明の目的とする皮膜と同等の
膜厚を得るためには非常に長時間を要し、経済性面でも
実用的ではない。さらに、超臨界状態で一定時間装置を
保持する(図1中の工程E)。通常この保持時間は、1
0時間以上好ましくは50〜100時間である。
を超臨界条件まで昇温、昇圧する(図1中の工程D)。
不働態皮膜は超臨界水条件以下の例えば、300℃、1
00kg/cm2 の処理温度、処理圧力でも形成される
が厚さが非常に薄く、本発明の目的とする皮膜と同等の
膜厚を得るためには非常に長時間を要し、経済性面でも
実用的ではない。さらに、超臨界状態で一定時間装置を
保持する(図1中の工程E)。通常この保持時間は、1
0時間以上好ましくは50〜100時間である。
【0010】
【実施例】皮膜の形成 10mm×50mm×2mmの表1に示すステンレス鋼
の試験片を複数個入れた内容積500mLのオートクレ
ーブの中に表1に示す組成の水溶液を100mL張り込
み、図1の手順で脱気処理して、液中の溶存酸素を0.
5mg/L以下に調整した。その後、オートクレーブを
外部加熱用電気炉に設置した錫浴中に入れ、500℃、
250kg/cm2 に調整し、表1に記載の時間保持し
た。その後、試験片を取り出し、表1に示すステンレス
鋼の試験片の表面に形成された黒色の緻密な皮膜の厚さ
を、試験片断面の電子顕微鏡観察により計測した。さら
に、蛍光X線分析とX線回折測定により皮膜の化合物を
同定した。
の試験片を複数個入れた内容積500mLのオートクレ
ーブの中に表1に示す組成の水溶液を100mL張り込
み、図1の手順で脱気処理して、液中の溶存酸素を0.
5mg/L以下に調整した。その後、オートクレーブを
外部加熱用電気炉に設置した錫浴中に入れ、500℃、
250kg/cm2 に調整し、表1に記載の時間保持し
た。その後、試験片を取り出し、表1に示すステンレス
鋼の試験片の表面に形成された黒色の緻密な皮膜の厚さ
を、試験片断面の電子顕微鏡観察により計測した。さら
に、蛍光X線分析とX線回折測定により皮膜の化合物を
同定した。
【0011】腐食試験 ついで、内容積500mLのオートクレーブの中に前記
処理後の試験片と飽和NaCl水溶液80mLを張り込
んだ後、N2 ガス置換法により、気相中の酸素をN2 置
換するとともに液中の溶存酸素を0.5mg/L以下に
調整した後、500℃、250kg/cm2 の超臨界条
件で3ヶ月間の腐食試験を行った。結果は表1に示す通
りである。なお、表1中No.31からNo.39につ
いては、前記防食処理と腐食試験において溶存酸素を
0.5mg/L以上の1.0〜1.5mg/Lに調整し
た。
処理後の試験片と飽和NaCl水溶液80mLを張り込
んだ後、N2 ガス置換法により、気相中の酸素をN2 置
換するとともに液中の溶存酸素を0.5mg/L以下に
調整した後、500℃、250kg/cm2 の超臨界条
件で3ヶ月間の腐食試験を行った。結果は表1に示す通
りである。なお、表1中No.31からNo.39につ
いては、前記防食処理と腐食試験において溶存酸素を
0.5mg/L以上の1.0〜1.5mg/Lに調整し
た。
【0012】結果と考察 本発明の前記した各工程の処理条件を満たすNo.1か
らNo.28については、いずれの材料も、腐食減量は
0.01mm/y以下で、孔食、割れ等の異常も認めら
れなかった。しかし、アルカリ金属塩を添加しないN
o.29、超臨界水を用いなかったNo.30について
は孔食が認められた。さらに、溶存酸素を0.5mg/
L以上の1.0〜1.5mg/Lに調整したNo.31
からNo.39については、腐食減量が0.5mm/y
を超え、孔食が認められた。
らNo.28については、いずれの材料も、腐食減量は
0.01mm/y以下で、孔食、割れ等の異常も認めら
れなかった。しかし、アルカリ金属塩を添加しないN
o.29、超臨界水を用いなかったNo.30について
は孔食が認められた。さらに、溶存酸素を0.5mg/
L以上の1.0〜1.5mg/Lに調整したNo.31
からNo.39については、腐食減量が0.5mm/y
を超え、孔食が認められた。
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
【0013】この結果から了解されるように、本発明の
防食処理方法により、処理した場合、ステンレス鋼の表
面には数μmの緻密な黒色皮膜が形成される。この皮膜
は耐食性、耐傷付性、耐摩耗性に優れており、前記実施
例に示したように、飽和NaCl水溶液を含む、超臨界
水条件下でも全く、腐食されない。本発明により形成さ
れる黒色皮膜は、表1に示すようにFe3 O4 及びFe
Cr2 O4 からなる酸化皮膜であり、組成は従来の前記
不働態化処理皮膜と同等である。しかし、本発明により
形成された黒色皮膜は従来の不働態化処理による皮膜の
数十nmに比べ数μmと非常に厚く耐食性、耐傷付性、
耐摩耗性が大幅に優れている。また、溶存酸素を0.5
mg/L以上とすると、本発明の目的とするFe3 O 4
及びFeCr2 O4 からなる耐食性に優れた不働態皮膜
は形成されず、Fe2O3 が主体で柔軟でポーラスな皮
膜が付着している状態であり、防食効果は得られないこ
とも了解される。
防食処理方法により、処理した場合、ステンレス鋼の表
面には数μmの緻密な黒色皮膜が形成される。この皮膜
は耐食性、耐傷付性、耐摩耗性に優れており、前記実施
例に示したように、飽和NaCl水溶液を含む、超臨界
水条件下でも全く、腐食されない。本発明により形成さ
れる黒色皮膜は、表1に示すようにFe3 O4 及びFe
Cr2 O4 からなる酸化皮膜であり、組成は従来の前記
不働態化処理皮膜と同等である。しかし、本発明により
形成された黒色皮膜は従来の不働態化処理による皮膜の
数十nmに比べ数μmと非常に厚く耐食性、耐傷付性、
耐摩耗性が大幅に優れている。また、溶存酸素を0.5
mg/L以上とすると、本発明の目的とするFe3 O 4
及びFeCr2 O4 からなる耐食性に優れた不働態皮膜
は形成されず、Fe2O3 が主体で柔軟でポーラスな皮
膜が付着している状態であり、防食効果は得られないこ
とも了解される。
【0014】
【発明の効果】上記したところから明かなように、本発
明によれば、超臨界水で前記廃プラスチックを直接処理
する装置に関し、安価なステンレス鋼の適用を可能とす
る、廃プラスチック処理装置の防食処理方法が提供され
る。
明によれば、超臨界水で前記廃プラスチックを直接処理
する装置に関し、安価なステンレス鋼の適用を可能とす
る、廃プラスチック処理装置の防食処理方法が提供され
る。
【図1】本発明の防食方法の手順の概要を示す工程図で
ある。
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小林 一登 広島県広島市西区観音新町四丁目6番22号 三菱重工業株式会社広島研究所内 (72)発明者 長谷川 繁夫 広島県広島市西区観音新町四丁目6番22号 三菱重工業株式会社広島研究所内 (72)発明者 松原 亘 広島県広島市西区観音新町四丁目6番22号 三菱重工業株式会社広島研究所内 (72)発明者 岩崎 謙二 広島県広島市西区観音新町四丁目6番22号 三菱重工業株式会社広島研究所内
Claims (3)
- 【請求項1】 ステンレス鋼製の廃プラスチック処理装
置に少なくとも一種以上のアルカリ金属塩を含む水溶液
を所定量張り込み、しかる後に脱気し、次いで超臨界条
件まで昇温、昇圧した後、該温度と圧力を一定期間保持
することを含む廃プラスチック処理装置の防食処理方
法。 - 【請求項2】 溶存酸素量が0.5mg/L以下になる
ように脱気することを特徴とする請求項1の廃プラスチ
ック処理装置の防食処理方法。 - 【請求項3】 上記アルカリ金属塩がNa、Kの硫酸
塩、亜硫酸塩、炭酸塩、炭酸水素塩、硝酸塩、塩化物か
ら成る群から選択した少なくとも一種以上であることを
特徴とする請求項1又は2の廃プラスチック処理装置の
防食処理方法。
Priority Applications (7)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP01657098A JP3349420B2 (ja) | 1998-01-29 | 1998-01-29 | 廃プラスチック処理装置の防食処理方法 |
DE69920069T DE69920069T2 (de) | 1998-01-29 | 1999-01-26 | Verfahren zur antikorrosiven Behandlung von Aufbereitungsanlagen für Kunststoffabfälle |
EP99101085A EP0935014B1 (en) | 1998-01-29 | 1999-01-26 | Method for the anticorrosive treatment of waste plastics treating equipment |
TW088101223A TW387934B (en) | 1998-01-29 | 1999-01-27 | Method for the anticorrosive treatment of waste plastics treating equipment |
SG1999000216A SG71905A1 (en) | 1998-01-29 | 1999-01-27 | Method for the anticorrosive treatment of waste plastics treating equipment |
CN99101803A CN1090685C (zh) | 1998-01-29 | 1999-01-29 | 废塑料处理设备的防蚀处理方法 |
US09/239,607 US6277327B1 (en) | 1998-01-29 | 1999-01-29 | Method for the anticorrosive treatment of waste plastics treating equipment |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP01657098A JP3349420B2 (ja) | 1998-01-29 | 1998-01-29 | 廃プラスチック処理装置の防食処理方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11217686A true JPH11217686A (ja) | 1999-08-10 |
JP3349420B2 JP3349420B2 (ja) | 2002-11-25 |
Family
ID=11919961
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP01657098A Expired - Fee Related JP3349420B2 (ja) | 1998-01-29 | 1998-01-29 | 廃プラスチック処理装置の防食処理方法 |
Country Status (7)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US6277327B1 (ja) |
EP (1) | EP0935014B1 (ja) |
JP (1) | JP3349420B2 (ja) |
CN (1) | CN1090685C (ja) |
DE (1) | DE69920069T2 (ja) |
SG (1) | SG71905A1 (ja) |
TW (1) | TW387934B (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9862902B2 (en) | 2013-08-01 | 2018-01-09 | Empire Technology Development Llc | Corrosion-resistant surfaces for reactors |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
NL1015626C2 (nl) * | 2000-05-18 | 2001-11-20 | Skf Eng & Res Centre Bv | Stuurinrichting voor een elektrisch bestuurd (drive-by-wire) voertuig. |
BR112016029964B1 (pt) | 2014-06-27 | 2021-02-23 | Henkel Ag & Co. Kgaa | método para o revestimento de substrados de aço revestidos com zinco ou liga de zinco e uso de uma composição de revestimento aquosa para este fim |
CN115463952A (zh) * | 2021-06-11 | 2022-12-13 | 华南师范大学 | 一种促进废塑料向次生碳源转化的方法 |
Family Cites Families (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6112878A (ja) * | 1984-06-27 | 1986-01-21 | Mitsubishi Electric Corp | 耐熱ステンレス鋼の表面処理方法 |
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