JPH11217498A - 成形特性に優れるポリアミド樹脂組成物 - Google Patents

成形特性に優れるポリアミド樹脂組成物

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JPH11217498A
JPH11217498A JP10024512A JP2451298A JPH11217498A JP H11217498 A JPH11217498 A JP H11217498A JP 10024512 A JP10024512 A JP 10024512A JP 2451298 A JP2451298 A JP 2451298A JP H11217498 A JPH11217498 A JP H11217498A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 近年のポリアミド樹脂の成形性能向上のニー
ズに対応できるような、幅広い金型温度での離型性を向
上させ、そのバラツキもなくした、可塑化性の特性にも
優れたポリアミド樹脂組成物、および高い生産性での製
造方法の提供。 【解決手段】ポリアミド樹脂100部に対し、高級脂肪
酸の金属塩0.01〜1.0重量部および高級脂肪酸と
高級アルコールとのエステル化物0.01〜1.0重量
部とが溶解液の状態で添加分散されているポリアミド樹
脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、成形用のポリアミ
ド樹脂組成物に関する。詳しくは、広範囲の射出成形条
件における離型性および可塑化性等の加工性に優れたポ
リアミド樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリアミド樹脂、特にナイロン66樹脂
はその優れた機械的特性のために、コネクターや結束バ
ンド等の用途に広く使用されている。近年、ますます成
形品の形状が複雑になり、かつ幅広い成形条件で生産が
行われるようになってきた。例えば、300℃を超える
溶融温度で成形が行われたり、金型温調器により室温以
下の低温にした金型温度でも成形が行われる例が見られ
る。これらの成形条件に対応し、かつ生産性を上げるた
めには、射出成形における金型からの成形品の離型性を
向上させることおよび可塑化時間を短縮することが重要
な手段の一つである。
【0003】離型性を向上させるために、ポリアミド樹
脂ペレットに種々の滑剤を添加する方法が一般的に行わ
れている。ポリアミドの離型性を向上させる滑剤として
は、高級脂肪酸を添加する例、ビスアミドを添加する
例、高級脂肪酸の金属塩を添加する例、高級脂肪酸エス
テルを添加する例が見られる。しかし、これらの滑剤を
単独で使用したのでは特定の狭い温度範囲の離型性が向
上するのみで、低型温から高型温までの種々の成形にお
ける広範囲の型温度の離型性をカバーすることは困難で
ある。
【0004】特開平7−228770号公報には、高級
脂肪酸金属塩と高級脂肪酸エステルの組み合わせをペレ
ット表面に付着させる例が見られる。これらの滑剤を組
み合わせることにより、単独の滑剤使用の場合よりも離
型性は向上するが、この例のように滑剤をペレット表面
に付着させる方法では、表面付着量のムラや脱落による
離型性能のバラツキを生じ易いという悪影響があり、ま
た特に高温溶融での成形において、射出成形時の可塑化
時間が長くなって生産性が低下する等の問題が発生す
る。
【0005】これらの問題を解決するためには、滑剤を
樹脂組成物内部に含有させることが有効であるが、特公
平6−19016号公報の例に見られるように押出機等
でペレットに滑剤を練り込んでペレット内部に滑剤を含
有させる方法では、離型性能のバラツキや高温可塑化性
の問題は解決できるが、一旦重合したペレットを再溶融
押出しするために、工程が新たに増えることによりエネ
ルギーコストの増加や生産性の低下が生じるとともに、
押出機で再溶融することによりポリマーが余分に熱量を
受けるために、劣化が進み色調が悪化する問題を有す
る。
【0006】低型温から高型温までの幅広い金型温度で
の離型性を向上させるためには、単一の滑剤では対応す
ることは困難であり、複数の滑剤を組み合わせて始めて
目的とする離型性能が得られる。この時、高級脂肪酸金
属塩や高級脂肪酸エステル化物等の組み合わせの滑剤を
ポリアミドペレットに添加する場合、通常行われている
ようにペレット表面に付着添加した場合には、ナイロン
66の例では290℃以上の高温のシリンダー温度で成
形する条件では、可塑化時間が極端に延びてしまい、生
産性が低下する問題が発生する。これは、滑剤をペレッ
ト表面に付着させた場合には、成形において高温のシリ
ンダー内に供給されたペレットの表面の滑剤が溶融し
て、ペレット同士の融着を引き起こし、シリンダー内で
のペレットのスムーズな移動を妨げるためと考えられ
る。さらに、ペレット表面に粉末状の滑剤をブレンドに
よりまぶしたり、またコーティングしたりする方法では
滑剤の付着ムラや脱落は避けることができず、この結
果、離型等の成形性能のバラツキが生じ易い。
【0007】重合ポリマーを一旦ペレット化した後に、
押出機等を使用して滑剤をペレット内部に練り込み含有
させる方法では、前述の可塑化性への悪影響や滑剤添加
のバラツキはある程度なくなるが、新たに押出工程が必
要になり、生産性およびエネルギーコスト的に不利であ
り、かつポリマーの再溶融工程での劣化着色という重要
問題が生じる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、近年のポリ
アミド樹脂の成形性能向上のニーズに対応できるよう
に、幅広い金型温度での離型性を向上させてそのバラツ
キもなくし、かつ可塑化性能にも優れたポリアミド樹脂
組成物を、高い生産性で提供することを目的とするもの
である。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意検討し
た結果、高級脂肪酸金属塩と高級脂肪酸エステル化物の
組み合わせの滑剤をポリマーの重合時に溶融添加してポ
リマーに含有させることによって、前記の問題が解決で
きることを見出し、本発明に完成した。すなわち、本発
明は、次の通りである。 (1)ポリアミドの溶融重合工程において、重縮合が進
行して溶融ポリアミド中の水分が10%以下になった段
階において、ポリアミド100重量部に対し、高級脂肪
酸の金属塩の融解物、および高級脂肪酸と高級アルコー
ルとのエステル化物の融解物、各々0.01〜1.0重
量部が融融ポリアミドの中に注入添加され分散されてい
ることを特徴とする成形特性に優れるポリアミド樹脂組
成物。 (2)高級脂肪酸の金属塩の融解物、および高級脂肪酸
と高級アルコールとのエステル化物の融解物が、高級脂
肪酸の金属塩および高級脂肪酸と高級アルコールとのエ
ステル化物の混合物を、該混合物の融点以上の温度で加
熱融解して得られた混合融解物である前記(1)記載の
成形特性に優れるポリアミド樹脂組成物。 (3)高級脂肪酸の金属塩、および高級脂肪酸と高級ア
ルコールとのエステル化物の混合物を、この混合物の融
点以上の温度で加熱融解した後、ポリアミドの溶融重合
工程において、重縮合が進行して溶融ポリアミド中の水
分が10%以下になった段階において、上記混合融解物
を溶融ポリアミドの中にポリアミド100重量部に対
し、上記混合融解物を注入添加して分散させたことを特
徴とする成形特性に優れるポリアミド樹脂組成物の製造
方法。
【0010】以下に具体的に本発明の詳細説明を行う。
本発明に適用されるポリアミド樹脂としては、公知のも
のを用い得る。たとえば、ラクタムの重縮合物、ジアミ
ン化合物とジカルボン酸化合物の重縮合物、ω−アミノ
カルボン酸の重縮合物等の各種タイプのポリアミド樹脂
で例えばナイロン6、66、610、6I、6Tなどが
あり、またはそれらの共重合ポリアミド樹脂で例えばナ
イロン66/6、66/610、66/6I、66/6
T等があり、またこれらの相互ブレンド物が挙げられ
る。
【0011】これらのポリアミドの製造方法は、一般に
行われているポリアミドの溶融重合方法でよく、バッチ
式重合でもまた連続式重合でもよい。本発明の成形特性
に優れるポリアミド樹脂組成物は、重合で得られたポリ
アミド樹脂に以下の二つの滑剤を含有している樹脂組成
物である。本発明に適用される滑剤1は、高級脂肪族カ
ルボン酸の金属塩である。炭素数は10〜30であるも
のが好ましい。具体的には、パルミチン酸、ステアリン
酸、モンタン酸等のカルシウム塩、アルミニウム塩等が
挙げられ、好ましくはステアリン酸カルシウム塩、ステ
アリン酸アルミウム塩等が挙げられる。
【0012】滑剤2としては、高級脂肪族カルボン酸と
高級アルコールとのエステル化物である。高級アルコー
ルの炭素数は10〜30であるものが好ましい。具体的
には、高級脂肪族カルボン酸としては、ラウリン酸、ス
テアリン酸、ベヘン酸等があり、高級アルコールとして
は、ラウリルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘ
ニルアルコール等があり、これらの脂肪酸とアルコール
の組み合わせのエステルが使用される。好ましくは、ス
テアリン酸とステアリルアルコールのエステルであるス
テアリルステアレートやベヘン酸とベヘニルアルコール
のエステルであるベヘニルベヘネート等が挙げられる。
【0013】本発明のポリアミド樹脂組成物は、上記の
滑剤1、2を組み合わせることによって、目的とする低
型温から高型温までの広い型温領域で良好な離型性が得
られる。必要に応じて、これら二種類の滑剤の中から3
つ以上を組み合わせて使用することも出来る。滑剤1、
2は、添加量が、いずれもポリアミド樹脂100重量部
に対して、0.01〜1.0重量部である。いずれも添
加量が0.01重量部未満では十分な離型効果を示さ
ず、また1.0重量部より多いと成形品の粘度が低下し
たり、またシルバーが発生し易い等の問題が起こる。好
ましくは、いずれも0.03〜0.5重量部の範囲であ
る。
【0014】本発明のポリアミド樹脂組成物は、滑剤
1、2がそれぞれ単独で添加されていても、混合されて
添加されていてもよい。好ましくは、混合されて融解物
とされていることが好ましい。これらの混合した滑剤
が、滑剤の融点以上の温度に加熱され融解させて融解物
とされ、この融解物がポリアミドの重合工程において溶
融ポリマー中に注入添加され、製造される。
【0015】注入添加は、ギアポンプ、プランジャーポ
ンプ等のフィードポンプを使用して、液体状になった滑
剤の融解物をポリマーの重合ラインの溶融ポリアミド中
にサイド注入添加を行う。通常、原料ナイロン塩水溶液
からポリマーの重合を行うポリアミドの重合において
は、重合の初期の工程では水分が多いため、この工程に
滑剤の融解物を添加すると、塩およびオリゴマー水溶液
と滑剤とが分離してしまう。
【0016】本発明のポリアミド樹脂組成物は、重縮合
が進行し溶融ポリアミド中の水分が10%以下になった
段階で滑剤を注入添加して製造する必要がある。好まし
くはポリマー中の水分が1%以下になった段階で添加す
るのがよい。滑剤を加熱溶融し液体状とすることによっ
て、二種類の滑剤が均一に混合され、また上記のフィー
ドポンプを使用することにより、ペレット表面に付着さ
せたり、押出機でペレットと滑剤とを混合練り込みを行
う場合に比べて、格段に添加精度が高くなり、含有量に
バラツキのない、品質の安定した均一な樹脂組成物が得
られる。
【0017】なお、本発明のポリアミド樹脂組成物は、
必要に応じて次亜リン酸塩、亜リン酸エステル、フェニ
ルホスホン酸塩等のリン化合物等の重合触媒や、酢酸
銅、ヨウ化銅等の銅化合物等の熱安定剤、またタルク等
の充填剤、ガラスファイバー等の補強材等の公知の物質
を含有させることができる。また、必要に応じて、ペレ
ットにした後、高級脂肪酸金属塩などの従来の滑剤をさ
らにペレット表面に添加付着させることも可能である。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、実施例および比較例によっ
て本発明を具体的に説明する。なお、物性評価の方法は
下記の通りに実施した。 (1)離型性能 図1に示すように、成形品の突き出しピン(エジェクタ
ーピン)にロードセルを設置した離型力測定装置を取り
付けた金型を用いて、下記の成形条件で成形を行い、5
0ショットの離型力の測定値より、平均値およびバラツ
キを計算した。バラツキは測定した離型力の最大値と最
小値の差として求めた。 射出成形機:東芝機械(株)製、IS−90B 金型:カップ状成形品 シリンダー温度設定:280℃ 金型温度:高型温評価は100℃、低型温評価は30℃ 射出圧力:400kg/cm2 射出速度:30% 射出時間:7秒 冷却時間:20秒 (2)可塑化性能 下記の条件以外は上記の離型性能の評価と同様に成形を
行ない、可塑化時にスクリューが後退するのに要する時
間を測定し、50ショットの可塑化時間の平均値を求め
た。 シリンダー温度設定:320℃ 金型温度:100℃ (3)成形品品質(色調) 上記離型性評価(型温100℃)で成形した成形品の色
調を測定した。 測色器:日本電色(株) ND−300A 反射測定で成形品底面部のL、a、b値の測定を実施
し、黄色度をb値で評価した。b値が絶対値+で大きい
方が色調が黄色いことを示す。
【0019】
【実施例1】滑剤1、2としてステアリン酸カルシウム
(ST−Ca)と、ステアリルステアレート(ステアリ
ン酸とステアリルアルコールとのエステル化物)(ST
−ST)とを同重量ずつ混合した滑剤の混合物を作成し
た。この滑剤の混合物の融点は160℃であった。この
滑剤の混合物を180℃に加熱して、均一な融解物を作
成した。
【0020】この融解物を、ナイロン66(N66)の
連続重合工程において注入添加を行った。まず、アジピ
ン酸とヘキサメチレンジアミンとからなるAH塩の50
%水溶液を80%に予備濃縮してから、重合槽において
250℃に加熱し、17気圧に加圧しながら縮合水を除
去してプレポリマー化させた。この後、大気圧にまで減
圧して280℃に加熱し、さらに縮合水を除去して重縮
合を完結させ、硫酸相対粘度(1g/100cc−98
%硫酸,25℃)ηr=2.8のナイロン66ポリマー
を得た。この段階でのポリマー中の水分率は1%以下で
あった。
【0021】このナイロン66の溶融ポリマーの排出ラ
インに、加熱融解した滑剤の融解物をプランジャーポン
プを用いて、ポリマー100重量部に対して0.3重量
部の量を注入添加し、滑剤を含有したポリアミド樹脂組
成物を作成した。次いで、ストランドに形成し、カット
した後に乾燥して、滑剤を内部に含有したナイロン66
樹脂ペレットを作成した。
【0022】得られたペレットを用いて射出成形によ
り、離型性と可塑化性の成形加工性の評価、および成形
品色調の品質評価を行い、その結果を表1に示した(表
1中で、N66はナイロン66、ST−Caはステアリ
ン酸カルシウム、ST−STはステアリルステアレート
を表す)。
【0023】
【実施例2】滑剤1、2としてステアリン酸モノアルミ
ニウム(ST−Al)と、ステアリルステアレートとを
同重量ずつ混合した滑剤の混合物を作成した。この滑剤
の混合物の融点は180℃であった。この滑剤の混合物
を200℃に加熱して、均一な融解物を作成した。
【0024】これを実施例1と同様の方法によって、ナ
イロン66ポリマーの重合工程においてポリマー100
重量部に対し、0.3重量部の量を注入添加して、滑剤
を含有したナイロン66樹脂組成物を作成した。次い
で、ペレットを作成した。得られたペレットを用いて実
施例1と同様に、射出成形により、離型性と可塑化性の
成形加工性の評価、および成形品色調の品質評価を行
い、その結果を表1に示した(表1中で、ST−Alは
ステアリン酸モノアルミニウムを表す)。
【0025】
【実施例3】滑剤1、2としてステアリン酸カルシウム
と、ベヘニルベヘネート(ベヘン酸とベヘニルアルコー
ルとのエステル化物)(Be−Be)とを同重量ずつ混
合した滑剤の混合物を作成した。この滑剤の混合物の融
点は170℃であった。この滑剤の混合物を190℃に
加熱して、均一な融解物を作成した。
【0026】これを実施例1と同様の方法によって、ナ
イロン66ポリマーの重合工程においてポリマー100
重量部に対し、0.3重量部の量を注入添加して、滑剤
を含有したナイロン66の樹脂組成物を作成した。次い
で、ペレットを作成した。得られたペレットを用いて実
施例1と同様に、射出成形により、離型性と可塑化性の
成形加工性の評価および成形品色調の品質評価を行い、
その結果を表1に示した(表1中で、Be−Beはベヘ
ニルベヘネートを表す)。
【0027】
【実施例4】滑剤1、2としてステアリン酸カルシウム
とステアリルステアレートを1:2の重量比で混合した
滑剤の混合物を作成した。この滑剤の混合物の融点は1
40℃であった。この滑剤の混合物を160℃に加熱し
て、均一な融解物を作成した。
【0028】これを実施例1と同じ方法によって、ナイ
ロン66ポリマーの重合工程においてポリマー100重
量部に対し、0.3重量部の量を注入添加して、滑剤を
含有したナイロン66の樹脂組成物を作成した。次い
で、ペレットを作成した。得られたペレットを用いて実
施例1と同様に、射出成形により、離型性と可塑化性の
成形加工性の評価および成形品色調の品質評価を行い、
その結果を表1に示した。
【0029】
【実施例5】AH塩50%水溶液に対し、次亜リン酸ナ
トリウム(リン*a)を生成ポリマーの重量に対して1
00ppmになるように添加した以外は実施例1と同様
の方法によってナイロン66の樹脂組成物を作成し、ペ
レットを作成した。得られたペレットを用いて実施例1
と同様に、射出成形により、離型性と可塑化性の成形加
工性の評価、および成形品色調の品質評価を行い、その
結果を表1に示した(表1中で、リン*aは次亜リン酸
ナトリウムを表す)。
【0030】
【実施例6】AH塩50%水溶液に対し、ヨウ化銅とヨ
ウ化カリウム(銅*b)を生成ポリマーの重量に対して
それぞれ0.03%および0.5%になるように添加し
た以外は実施例1と同様の方法によってナイロン66樹
脂組成物を作成し、ペレットを作成した。
【0031】得られたペレットを用いて実施例1と同様
に、射出成形により、離型性と可塑化性の成形加工性の
評価および成形品色調の品質評価を行い、その結果を表
1に示した(表1中で、銅*bはヨウ化銅とヨウ化カリ
ウムを表す)。
【0032】
【比較例1】ポリマーの重合のみを実施例1と同様に行
い、滑剤は添加しなかったナイロン66樹脂組成物を作
成し、ペレットを作成した。得られたペレット100重
量部に対し、滑剤としてステアリン酸カルシウムを0.
15重量部、ステアリルステアレートを0.15重量部
の割合で混合し、コーン型ブレンダーでブレンドして、
ペレット表面に滑剤を付着させたナイロン66樹脂ペレ
ットを作成した。
【0033】得られたペレットを用いて実施例1と同様
に、射出成形により、離型性と可塑化性の成形加工性の
評価および成形品色調の品質評価を行い、その結果を表
1に示した。
【0034】
【比較例2】ポリマーの重合のみを実施例1と同様に行
い、滑剤は添加しなかったナイロン66樹脂組成物を作
成し、ペレットを作成した。得られたペレット100重
量部に対し、滑剤としてステアリン酸カルシウムを0.
15重量部、ステアリルステアレートを0.15重量部
の割合で混合し、押出機(東芝機械(株)製、TEM3
5)で280℃に加熱して50kg/hrの吐出量で再
溶融練り込みを行い、得られたポリマーのストランドを
カットして滑剤を含有したナイロン66樹脂ペレットを
作成した。
【0035】得られたペレットを用いて実施例1と同様
に、射出成形により、離型性と可塑化性の成形加工性の
評価、および成形品色調の品質評価を行い、その結果を
表1に示した。
【0036】
【比較例3】比較例1において、滑剤としてステアリン
酸カルシウムのみを0.3重量部の割合で混合した以外
は、比較例1と同様にして滑剤を付着させたナイロン6
6樹脂ペレットを作成した。得られたペレットを用いて
実施例1と同様に、射出成形により、離型性と可塑化性
の成形加工性の評価、および成形品色調の品質評価を行
い、その結果を表1に示した。
【0037】
【比較例4】比較例1において、滑剤としてステアリル
ステアレートのみを0.3重量部の割合で混合した以外
は、比較例1と同様にして、ペレット表面に滑剤を付着
させたナイロン66樹脂ペレットを作成した。得られた
ペレットを用いて実施例1と同様に、射出成形により、
離型性と可塑化性の成形加工性の評価、および成形品色
調の品質評価を行い、その結果を表1に示した。
【0038】
【実施例7】滑剤1、2としてステアリン酸カルシウム
と、ステアリルステアレートとを同重量ずつ混合した滑
剤の混合物を作成し、この滑剤の混合物を180℃に加
熱して、均一な融解物を作成した。この融解物を、ナイ
ロン6(N6)の連続重合工程において注入添加した。
【0039】まず、ε−カプロラクタムをメルターで溶
融し、水と重合度調整剤とを添加した後、常圧重合塔に
て260℃に加熱して10時間の反応の後、硫酸相対粘
度ηr=2.4のナイロン6ポリマーを得た。この段階
でのポリマー中の水分率は1%以下であった。このナイ
ロン6の溶融ポリマーの排出ラインに、加熱融解した滑
剤の融解物をプランジャーポンプを用いて、ポリマー1
00重量部に対して0.3重量部の量を注入添加し、ナ
イロン6の樹脂組成物を作成した。
【0040】これをストランドに形成しカットして得ら
れたペレットを、熱水処理して未反応のオリゴマーを抽
出除去した後に乾燥して、滑剤を内部に含有したナイロ
ン6樹脂ペレットを作成した。得られたペレットを用い
て、下記の成形条件を変更した以外は実施例1と同様に
射出成形を行い、離型性と可塑化性の成形加工性の評価
および成形品色調の品質評価を行った結果を表2に示す
(表2中で、N6はナイロン6を表す)。 シリンダー温度設定:290℃ 射出時間:15秒 冷却時間:40秒
【0041】
【比較例5】ポリマーの重合のみを実施例7と同様に行
い、滑剤は添加しなかったナイロン6樹脂ペレット10
0重量部に対し、滑剤としてステアリン酸カルシウムを
0.3重量部の割合で混合し、コーン型ブレンダーでブ
レンドして、ペレット表面に滑剤を付着させたナイロン
6樹脂ペレットを作成した。
【0042】得られたペレットを用いて実施例7と同様
に、射出成形により、離型性と可塑化性の成形加工性の
評価、成形品色調の品質評価およびプロセス生産性の評
価を行い、その結果を表2に示した。
【0043】
【実施例8】滑剤1、2としてステアリン酸カルシウム
と、ステアリルステアレートとを同量ずつ混合した滑剤
の混合物を作成し、この滑剤の混合物を180℃に加熱
融解して、均一な融解物を作成した。この融解物を、ナ
イロン66/6I(N66/6I)のバッチ式重合工程
において注入添加を行った。まず、アジピン酸とヘキサ
メチレンジアミンとからなるAH塩の50%水溶液10
0重量部に対し、ヘキサメチレンジアミンを5重量部お
よびイソフタル酸を7重量部混合し、80%に予備濃縮
してから、重合槽において250℃に加熱し、17気圧
に加圧しながら縮合水を除去してプレポリマー化させ
た。この後、大気圧にまで減圧して280℃に加熱し、
さらに縮合水を除去して重縮合を完結させ、ナイロン6
6とナイロン6Iとの比率が8:2で硫酸相対粘度ηr
=2.3のナイロン66/6I共重合ポリマーを得た。
この段階でのポリマー中の水分率は1%以下であった。
【0044】この溶融ポリマーの排出ラインに、加熱融
解した滑剤の融解物をプランジャーポンプを用いて、ポ
リマー100重量部に対して0.3重量部の量を注入添
加し、これをストランドに形成し、カットした後に乾燥
して、滑剤を内部に含有したナイロン66/6I共重合
樹脂ペレットを作成した。得られたペレットを用いて、
下記の成形条件を変更した以外は実施例1と同様に射出
成形を行い、離型性と可塑化性の成形加工性の評価、成
形品色調の品質評価およびプロセス生産性の評価を行
い、その結果を表2に示した(表2中で、N66/6I
はナイロン66/6Iを表す)。 シリンダー温度設定:290℃ 射出時間:20秒 冷却時間:60秒
【0045】
【比較例6】ポリマーの重合のみを実施例8と同様に行
い、滑剤は添加しなかったナイロン66/6I共重合樹
脂組成物を作成し、ペレットを作成した。ペレット10
0重量部に対し、滑剤としてステアリン酸カルシウムを
0.3重量部の割合で混合し、コーン型ブレンダーでブ
レンドして、ペレット表面に滑剤を付着させたペレット
を作成した。
【0046】得られたペレットを用いて実施例8と同様
に、射出成形により、離型性と可塑化性の成形加工性の
評価、および成形品色調の品質評価を行い、その結果を
表2に示した。
【0047】
【表1】
【0048】
【表2】
【0049】
【発明の効果】本発明の成形特性に優れるポリアミド樹
脂組成物は、従来のものに比較して、射出成形における
幅広い成形条件での離型性能および可塑化性能に優れる
ため、成形サイクルを短縮することができ、また成形品
外観品質にも優れる。さらに、本発明の成形特性に優れ
るポリアミド樹脂組成物は、高い生産性で製造すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で離型性能の測定に用いた金型の断面図
【符号の説明】
1;スプルランナー 2;カップ状成形品 3:エジェクターピン 4;エジェクタープレート 5;ロードセル 6;エジェクターロッド

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリアミドの溶融重合工程において、重
    縮合が進行して溶融ポリアミド中の水分が10%以下に
    なった段階において、ポリアミド100重量部に対し、
    高級脂肪酸の金属塩の融解物、および高級脂肪酸と高級
    アルコールとのエステル化物の融解物、各々0.01〜
    1.0重量部が融融ポリアミドの中に注入添加され分散
    されていることを特徴とする成形特性に優れるポリアミ
    ド樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 高級脂肪酸の金属塩の融解物、および高
    級脂肪酸と高級アルコールとのエステル化物の融解物
    が、高級脂肪酸の金属塩および高級脂肪酸と高級アルコ
    ールとのエステル化物の混合物を、該混合物の融点以上
    の温度で加熱融解して得られた混合融解物である請求項
    1記載の成形特性に優れるポリアミド樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 高級脂肪酸の金属塩、および高級脂肪酸
    と高級アルコールとのエステル化物の混合物を、この混
    合物の融点以上の温度で加熱融解して混合融解物とした
    後、ポリアミドの溶融重合工程において、重縮合が進行
    して溶融ポリアミド中の水分が10%以下になった段階
    において、上記混合融解物を溶融ポリアミド中に注入添
    加し、分散させることを特徴とする成形特性に優れるポ
    リアミド樹脂組成物の製造方法。
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