JPH0953005A - 成形安定性に優れたポリブチレンテレフタレート樹脂組成物ペレット - Google Patents

成形安定性に優れたポリブチレンテレフタレート樹脂組成物ペレット

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JPH0953005A
JPH0953005A JP20950495A JP20950495A JPH0953005A JP H0953005 A JPH0953005 A JP H0953005A JP 20950495 A JP20950495 A JP 20950495A JP 20950495 A JP20950495 A JP 20950495A JP H0953005 A JPH0953005 A JP H0953005A
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浩樹 藤絵
Noriyuki Akagi
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリブチレンテレフタレート(以下PBTと
略す)の離型性を損うことなく、著しく成形安定性が改
良された成形用PBTペレットを得る。 【解決手段】 長鎖脂肪族モノカルボン酸、ジカルボン
酸およびポリオールからなる混合エステルをPBTに配
合し、かつ、ペレット表面に傷をつけることにより、B
PTの有する機械的特性を損うことなく、成形物の離型
性に優れ、さらに、リサイクル時の成形安定性に優れた
成形物を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、成形安定性、耐熱
性、剛性および靭性に優れたポリブチレンテレフタレー
ト樹脂組成物ペレットに関するものであり、さらに詳し
くは、連続成形したとき可塑化時間のばらつきがなく成
形安定性に優れるポリブチレンテレフタレート樹脂組成
物ペレットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリブチレンテレフタレート(以下PB
Tと略す)樹脂は、剛性、靭性に代表される機械的強
度、耐薬品性および成形加工性に優れるため、電気・電
子部品、自動車部品またはその他の機械部品などに広く
用いられている。
【0003】一般的に、これらの製品は射出成形法で製
造されるが、近年は部品の複雑形状化に加えて、製造コ
スト低減のため成形サイクルを短縮して時間あたりの生
産性を向上させようとする傾向がある。
【0004】PBTは、成形加工性に優れた樹脂である
が、複雑な形状の製品を短いサイクルで製造する場合、
金型からの製品の取り出しを容易にするため、樹脂に離
型剤を配合させて用いるのが一般的である。
【0005】離型剤は、成形加工時、樹脂が金型内で固
化するまでの間に樹脂と金型との界面にブリードアウト
して成形品が金型から容易に取り出せるようにするもの
で、最近では特開平1―103654号公報に例示され
るモンタン酸と2価アルコールとのエステル体などの高
級脂肪酸系のものが広く用いられている。
【0006】射出成形材料用のPBTはペレット状で成
形業者に供給され、通常成形直前に加熱乾燥されるが、
これにより離型剤が樹脂ペレット表面にブリードアウト
して樹脂ペレット同士が滑り、成形機のホッパーまたは
材料供給装置で円滑に流れなくなり、成形サイクルが変
動するという問題があった。
【0007】さらに、成形業者ではコストダウンを進め
るため、成形時に発生するランナー、スプルー等の副生
品を粉砕して新しい樹脂ペレットと混合してリサイクル
成形することが多い。
【0008】この場合、成形材料の嵩密度が低下するた
め、成形機へ材料が食い込みにくくなり、前述した離型
剤のブリードアウトの問題に加えて成形サイクルを変動
させる原因の一つとなる。
【0009】このような成形不良を改善するために様々
な方法が提案されてきた。代表例を以下に示す。 (1)ポリエステルにステアリン酸金属塩および/また
は無機固体粉末を溶融混合する方法。(特開昭47―1
0532号公報、特公昭48―48894号公報) (2)ポリエステルチップに脂肪酸金属塩および/また
は無機固体粉末を均一にまぶす方法。(特公昭45―1
9392号公報、特公昭47―32435号公報、特公
昭48―4097号公報) (3)ポリエステルチップに脂肪酸金属塩および/また
は無機固体粉末を均一にまぶす際に、流動パラフィン等
の液状展着剤を用いる方法。(特開昭50―78647
号公報) (4)無機固体粉末を溶融混合によって含むポリエステ
ルチップ、もしくは含まないポリエステルチップにモン
タン酸塩を被覆する方法。(特公昭47―13137号
公報) (5)脂肪族カルボ酸金属塩と無機固体粉末を該脂肪族
カルボン酸金属塩の融点以上、ポリブチレンテレフタレ
ートの融点以下で加熱混合する方法。(特公昭62―9
41号公報) (6)ソルビタンと脂肪酸とからるエステルを配合する
方法。(特開平4―218559号公報、特開平4―2
18560号公報) (7)多価アルコールと脂肪酸とからなる特定の離型剤
を使用する方法。(特開平4―120162号公報) (8)ペレットにポリオレフィンワックスを被覆する方
法。(特開平2―242849号公報) (9)ペレットの断面形状を変更させる方法。(特開平
6―134754号公報) しかし、上記(1)から(7)の方法は、前述したリサ
イクル成形では効果が見られないか、あるいはペレット
に付着させた化合物が成形前に分離・飛散し乾燥機フィ
ルターを詰らせたり、成形者の健康を害するという問題
がある。
【0010】さらに(8)の方法は、連続成形すると使
用した薬液が金型を汚染するという問題があるし、
(9)の方法はリサイクル成形で効果が発現しない。
【0011】このように、従来の方法では効果が不充分
であったり、別の問題が発生するため、あらゆる成形機
でリサイクル成形しても安定した成形サイクルで連続成
形できる方法はなかった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、成形安定
性、耐熱性、剛性および靭性に優れたPBT樹脂組成物
ペレットを提供することを目的とする。さらに詳しく
は、連続成形したとき可塑化時間のばらつきがなく成形
安定性に優れ、耐熱性、剛性および靭性に優れたPBT
樹脂組成物ペレットを提供することを課題とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる課
題について鋭意検討した結果、特定の混合エステルを離
型剤として使用しかつペレットの表面に傷を付けること
により、PBT本来の特性を低下させることなく離型性
および成形安定性が両立されたPBT樹脂組成物からな
る成形材料を開発するに至った。
【0014】本発明は、(A)PBT95〜99.9重
量%並びに(B)混合エステル0.1〜5重量%からな
る樹脂組成物ペレットである。
【0015】本発明で用いられる(A)成分のPBT
は、テトラメチレングリコールあるいはそのエステル形
成性誘導体と、テレフタル酸あるいはそのエステル形成
性誘導体とを主成分とする縮合反応により得られる重合
体である。
【0016】かかるPBTは本来の特性を損なわない範
囲で前記の化合物以外のジカルボン酸成分および/また
はジオール成分を共重合してもよい。
【0017】共重合可能なジカルボン酸成分としては、
イソフタル酸、ナフタレン―2,6―ジカルボン酸、ナ
フタレン―1,5―ジカルボン酸、ナフタレン―2,7
―ジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、あるいはそ
れらのエステル形成性誘導体が挙げられる。ジオール成
分としては、エチレングリコール、ヘキサメチレングリ
コール、ジエチレングリコール、シクロヘキサンジメタ
ノールなどの脂肪族グリコール、1,4―ビスオキシエ
トキシベンゼン、ビスフェノールAなどの芳香環を有す
るジオールあるいはそのエステル形成性誘導体などが適
用できる。
【0018】PBTは公知の方法で製造される。すなわ
ち、エステル化またはエステル交換反応後、高真空下で
重縮合反応を実施する。また、必要ならばかかるPBT
をさらに固相重合してもよい。
【0019】本発明に用いられる(B)成分の混合エス
テルは(B1)長鎖脂肪族モノカルボン酸、(B2)ジ
カルボン酸および(B3)ポリオールからなる種々のエ
ステルの混合物である。
【0020】(B1)成分の長鎖脂肪族モノカルボン酸
は、分子中に24〜40個の炭素原子を有するものであ
り、モンタン酸が好ましい。モンタン酸はモノカルボン
酸の混合物であり、分子中の炭素原子数が26〜34個
である脂肪族カルボン酸を高い割合で(80%)含有
し、炭素原子数が25個以下である脂肪族カルボン酸を
低い割合で含有する。
【0021】(B2)成分のジカルボン酸は、分子中に
2〜12個の炭素原子を有しており、脂肪族、脂環族お
よび/または芳香族のジカルボン酸であることができ
る。かかるジカルボン酸の例としては、シュウ酸、マロ
ン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン
酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ノナンジ
カルボン酸、デカンジカルボン酸、マレイン酸、フマル
酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸、シクロプ
ロパンジカルボン酸、シクロブタンジカルボン酸、シク
ロペンタンジカルボン酸、樟脳酸、ヘキサヒドロフタル
酸、フタル酸、テレフタル酸およびイソフタル酸があ
る。これらのうち、脂肪族ジカルボン酸が好ましく、ア
ジピン酸が特に好ましい。
【0022】(B3)成分のポリオールは、分子中に3
〜12個の炭素原子と3〜6個のOH基を有する。グリ
セロール、ジグリセロール、トリメチロールプロパン、
ジトリメチロールプロパン、エリスリトール、ペンタエ
リスリトール、ジペンタエリスリトール、キシリトー
ル、マンニトールおよびソルビトールが例示される。こ
れらのうち、グリセロール、ジグリセロール、トリメチ
ロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、ペンタエ
リスリトールまたはジペンタエリスリトールが好まし
く、さらにトリメチロールプロパンがより好ましい。
【0023】混合エステル(B)を構成する長鎖脂肪族
モノカルボン酸(B1)、ジカルボン酸およびポリオー
ル(B3)は、各群について、単独の化合物を用いても
よいし、各群について複数の化合物を組み合わせ用いて
もよい。
【0024】本発明で用いられる(B)成分の混合エス
テルは、それ自体公知のエステル化方法によって調製す
ることができる。
【0025】例えば、(B1)長鎖脂肪族モノカルボン
酸と(B3)ポリオールの反応によって遊離ヒドロキシ
ル基を有する部分エステルを合成する。この部分エステ
ルとはポリオールの有する複数のOH基のうち1ないし
数個のOH基がエステル結合の生成に用いられて生成し
たエステルであり、エステル結合の生成に用いられなか
った遊離のOH基を1個以上有するエステルを指す。次
に、この部分エステルを(B2)ジカルボン酸と反応さ
せることにより、遊離のOH基の一部あるいは全部をエ
ステル化して混合エステルを得る。
【0026】さらに例えば、(B2)ジカルボン酸と
(B3)ポリオールの反応によって遊離ヒドロキシル基
を有する部分エステルを合成する。この部分エステルと
は上述した部分エステルと同様のものである。次にこの
部分エステルを(B1)長鎖脂肪族モノカルボン酸と反
応させることにより、遊離のOH基の一部あるいは全部
をエステル化して混合エステルを得る。
【0027】(B)成分として用いられる混合エステル
を得るエステル化反応は、最終的に得られる混合エステ
ルが1gあたり、KOH 8〜30mgの酸価、好まし
くは1gあたりKOH 8〜20mgの酸価、および1
gあたりKOH 130〜220mgの加水分解価、好
ましくは1gあたりKOH 130〜200mgの加水
分解価を有するようになる方法で行う。
【0028】かかる方法で得られた混合エステルは、固
体であり、90℃において、200〜2000mPa・
Sの溶融粘度、好ましくは200〜800mPa・Sの
溶融粘度を有する。
【0029】本発明で用いられる(B)成分の混合エス
テルは、(B1)長鎖脂肪族モノカルボン酸、(B2)
ジカルボン酸、および(B3)ポリオールからなり、
(B1)成分、(B2)成分、(B3)成分の当量比
は、(1.5〜2.5):(0.4〜1.0):(2.
5〜3.5)であり、好ましくは(1.8〜2.2):
(0.7〜0.9):(2.8〜3.2)である。
【0030】(B)成分の混合エステルとして特に好ま
しいものは、モンタン酸、アジピン酸、トリメチロール
プロパンからなる混合エステルであり、モンタン酸、ア
ジピン酸、トリメチロールプロパンの当量比が0.8:
2:3である混合エステルがさらに好ましい。
【0031】混合エステルの配合量は0.1〜5重量%
であることが好ましい。配合量が0.1重量%未満であ
ると離型性が低下する。逆に5重量%を超えると樹脂組
成物の剛性をはじめとする諸特性が低下するため好まし
くない。
【0032】PBT樹脂には、所望によりその他の添加
剤、例えば充填材、熱安定剤、難燃剤、難燃助剤、遮光
剤、帯電防止剤、顔料、染料、滑剤、発泡剤または蛍光
増白剤などを添加してもよい。
【0033】特に、成形時の溶融熱安定性および耐熱老
化性を必要とされる場合には、熱安定剤を添加すること
が好ましい。
【0034】以上、組成に関して本発明の特徴を説明し
たが、本発明は他にペレットの形状についても特徴を有
する。
【0035】本発明の樹脂ペレットは、円柱状または楕
円柱状の形状を有し、かつ表面に少なくとも1個以上の
傷状ないし溝状の凹凸を有することが特徴である。
【0036】ペレットの製造方法については、(A)P
BTおよび(B)混合エステル、さらに必要に応じて前
記添加剤を、単軸または多軸押出機で溶融混合し、ノズ
ルから出た樹脂スレッドを、水冷、湯冷、空冷から選ば
れた1種以上の方法で冷却し、ペレタライザーやチップ
カッターなどの装置で所定の長さに切断してペレット化
する方法が一般的である。本発明においては、この製造
工程間あるいは製造工程後に、ペレット表面に傷状ない
し溝状の凹凸を付ける。
【0037】ペレット表面に傷状ないし溝状の凹凸を加
える方法には、傷状ないし溝状の凹凸を表面に有するロ
ーラーを用いてローラーの模様または凹凸をペレット表
面に転写する方法、鋭利な刃状のものでスレッドに連続
的に傷状の凹凸を付ける方法、あるいはVブレンダーの
ような攪拌装置でペレット表面に剪断応力を加え傷状の
凹凸を作る方法などがある。ただし、製造工程のなかで
傷状ないし溝状の凹凸を加える工程がどこにあってもよ
く、傷状ないし溝状の凹凸を加える方法も前述の方法に
制限されるものではない。
【0038】好ましい製造方法は、図1に示すように、
押出機ノズルから出た樹脂スレッドを、スレッドがやや
固化するまで水冷し、次に傷状ないし溝状の凹凸を表面
に有するローラーでスレッド表面に傷状ないし溝状の凹
凸を転写した後、スレッドが充分固化するまで再び水冷
して、このスレッドをペレタライザーで所定の長さに切
断する方法である。
【0039】転写ローラーの形状例を図2に示す。
【0040】傷状ないし溝状の凹凸を表面に付与された
ペレットの形状例を図3に示す。ペレット表面の傷状な
いし溝状の凹凸はペレット1個に1つ以上あればよい。
ただし、ペレット表面の傷状ないし溝状の凹凸の形状は
図3に例示されたものに限定されるものではない。
【0041】本願発明の樹脂組成物ペレットは単独であ
るいは他のペレットともに成形用樹脂材料として用いる
ことができる。さらに、成形時に発生するランナー、ス
プルーなどの副生品を粉砕したものとともに成形用樹脂
材料として用いることもできる。これらの場合、本発明
の樹脂組成物のペレットが全成形用樹脂材料の70重量
%以上であることが好ましい。
【0042】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例に
よって限定されるものではない。なお、固有粘度とは樹
脂をオルソクロロフェノール中、35℃で測定した粘度
から溶質の濃度を0に外挿した値をいう。
【0043】[材料の調製方法] [PBTの調製]ジメチルテレフタレートおよび1,4
―ブタンジオールを、重合釜にてエステル交換反応、さ
らに高真空下で重縮合反応を実施し、固有粘度0.84
のPBTを得た。
【0044】[混合エステルの調製]モンタン酸(酸価
=1gあたりKOH 139.2mg)402.7g
を、ウイットジャーの中で溶融させた。次に、攪拌しな
がらトリメチロールプロパン67.1gと、触媒として
ブチル錫トリス―2―エチルヘキサノエート1.32m
lを加えた。その混合物を攪拌しながら、かつエステル
化反応で生成した水を蒸留によって除去しながら、窒素
雰囲気下で125℃まで加熱した。混合物の酸価が1g
あたりKOH 10mg未満まで下がったとき、アジピ
ン酸29.2gを加えた。再び酸価が1gあたりKOH
10mg未満に下がるまで同じ条件下で反応を継続さ
せた後、35%の過酸化水素2.5mlを加えて色調を
改善し、さらに15分間攪拌してから乾燥させて、1g
あたりKOH 8.3mgの酸価、1gあたりKOH
180mgの加水分解価、および573mPa・S(9
0℃)の溶融粘度を有する淡黄色のワックス状混合エス
テルを得た。
【0045】[評価方法] [機械的特性]ペレットを、棚段式熱風乾燥機で130
℃、5時間乾燥した後、下記成形条件で各試験片を成形
した。得られた試験片を下記測定法で、引張特性、衝撃
強度を測定した。
【0046】 成形機 :東芝IS―75E 金型 :テストピース成形型 成形温度 :(ノズル)265/260/260/
250℃ 金型温度 :30℃ 成形サイクル :射出8秒/冷却12秒/全サイクル2
7秒 引張試験法 :ASTM D―638準拠 1号引張
試験片 衝撃強度試験法:ASTM D―256準拠 機械加工
ノッツ付き
【0047】[離型性]ペレットを、棚段式熱風乾燥機
で130℃、5時間乾燥後、金型内のエジェクタピンに
圧力ゲージを組み込んだ離型力測定金型で下記成形条件
にて連続成形しているときの、エジェクタピンの突出し
応力を20ショット分測定した。この突出し応力の平均
値を離型力とした。また、成形品の離型状況を全ショッ
トについて肉眼観察した。
【0048】 成形機 :日精PS―40E 金型 :離型力測定金型(成形品:カップ状、
外径33mm、高さ31mm、厚さ1mm) 成形温度 :(ノズル)265/260/260/
250℃ 金型温度 :30℃
【0049】[成形安定性]ペレットを、棚段式熱風乾
燥機で130℃、14時間乾燥後、下記条件で連続成形
した。生じたランナー、スプルーは、5mmのメッシュ
径をもつ粉砕機で粉砕し、ただちに成形前のペレットと
均一になるよう混合した。その後に生じたランナー、ス
プルーも同様に逐次ペレットと混合した。
【0050】成形品とランナー、スプルーとの重量比は
7/3であるので、この操作を繰り返した場合、成形材
料の中に含まれるリサイクル材料の割合は30%とな
る。
【0051】そのリサイクル材料の割合が30%に安定
してから、さらに500ショット連続成形し、この間の
計量時間を記録した。500ショット分の計量時間の最
大値から平均値を減じた値を成形安定性とした。この値
が小さいほど、成形安定性が優れているといえる。
【0052】 成形機 :日精PS―40E 金型 :コネクタ成形型(成形品/ランナー、
スプルー重量比=7/3) 成形温度 :(ノズル)265/260/260/
250℃ 金型温度 :30℃
【0053】[実施例1〜3、比較例3]前記の方法で
調製したPBT、混合エステルおよび耐熱安定剤(Ir
ganox1010:チバガイギー(株)社製)を表1
に示す割合で混合した。図1に示す構成の二軸押出機で
溶融混合した後、長径2.5mm、短径2mm、長さ3
mmのやや楕円筒形状で側面にローラーから転写された
波状の傷状ないし溝状の凹凸を持つペレットを得た。
【0054】このペレットを用いて、前述の評価法によ
り機械的特性、離型性および成形安定性を評価した。結
果を表1に示す。表1中、組成の単位は重量%である。
【0055】[比較例1]ペレットに傷を転写する工程
を除いた製造方法でペレットを調製したほかは、実施例
1と同様の方法で機械的特性、離型性および成形安定性
を評価した。結果を表1に示す。
【0056】[比較例2]混合エステルを配合しない他
は比較例1と同様の方法でペレット調製および評価を行
った。結果を表1に示す。
【0057】[比較例4]混合エステルの代わりに、エ
チレングリコールのモンタン酸ジエステル(WAX―
E:ヘキスト(株)社製)を用いた他は、実施例1と同
様の方法で、ペレット調製および評価を行った。
【0058】[結果]結果を表1に示す。
【0059】
【表1】
【0060】実施例1〜3は混合エステルの含有量を、
それぞれ0.5重量%、0.2重量%、4.0重量%、
比較例2、3は混合エステルの含有量をそれぞれ0重量
%、10重量%としたものである。
【0061】成形品の離型状況をみると、混合エステル
の含有量が前3者(0.5重量%、0.2重量%、4.
0重量%)の値では良好であったのに対して、後2者
(0重量%、10重量%)では不良であったことから、
混合エステルの含有量は0.1〜5重量%の範囲にある
ことが必要であることがわかる。
【0062】比較例4は混合エステルのかわりに、エチ
レングリコールのモンタン酸ジエステルを用いた例であ
る。リサイクル連続成形時に成形停止が発生した。成形
安定性の点で問題があることがわかった。すなわち、リ
サイクル連続成形時の優れた成形安定性の効果は本願発
明の混合エステルの適正量の配合によって達成されるも
のである。
【0063】比較例1は傷状の凹凸を有しないペレット
を用いた例であるが、リサイクル連続成形時に成形停止
が起こり、リサイクル成形時の成形安定性が悪かった。
一方実施例1は比較例1と同様の組成のペレットであり
ながら、表面に傷状の凹凸を有するペレットを用いた例
である。リサイクル連続成形においても成形停止が起こ
らず、計量時間の最大値と平均値の差が小さく、リサイ
クル成形時の成形安定性が優れていた。
【0064】
【発明の効果】本発明の樹脂組成物からなる本願発明の
形状を有するペレットを用いることによりPBTの有す
る機械的特性を損なうことなく、成形物の離型性に優
れ、さらにリサイクル時の成形安定性に優れた成形物を
得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】傷付きペレットの製造工程例
【図2】転写ローラーの形状例
【図3】ペレットの形状例
【符号の説明】
1 原料投入口 2 押出機 3 押出機ノズル 4 転写ローラー 5 水冷バス 6 ペレットカッター 7 樹脂スレッド 8 ペレット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08K 5/101 C08K 5/101 // B29K 67:00

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)ポリブチレンテレフタレート95
    〜99.9重量%並びに(B)混合エステル0.1〜5
    重量%からなり、(B)混合エステルが(B1)24〜
    40個の炭素原子を有する長鎖脂肪族モノカルボン酸、
    (B2)2〜12個の炭素原子を有するジカルボン酸、
    および(B3)3〜12個の炭素原子と3〜6個のOH
    基を有するポリオールからなるエステルの混合物であ
    る、樹脂組成物ペレット。
  2. 【請求項2】 (B)混合エステルが、1gあたりKO
    H 8〜30mgの酸価、1gあたりKOH 130〜
    220mgの加水分解価を有し、90℃において200
    〜2000mPa・Sの溶融粘度を有する混合エステル
    である請求項1に記載の樹脂組成物ペレット。
  3. 【請求項3】 (B1)24〜40個の炭素原子を有す
    る長鎖脂肪族モノカルボン酸がモンタン酸であり、(B
    2)2〜12個の炭素原子を有するジカルボン酸がアジ
    ピン酸であり、(B3)3〜12個の炭素原子と3〜6
    個のOH基を有するポリオールがグリセロール、ジグリ
    セロール、トリメチロールプロパン、ジトリメチロール
    プロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリト
    ール、またはこれらの組み合わせである請求項1または
    2に記載の樹脂組成物ペレット。
  4. 【請求項4】 円柱状または楕円柱状の形状を有し、表
    面に傷状ないし溝状の凹凸を有する請求項1ないし3の
    いづれかに記載の樹脂組成物ペレット。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の樹脂組成物ペレットを
    少なくとも1種類以上含み、その量が70重量%以上で
    ある成形用樹脂材料。
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