JPH1121726A - ポリビニルアルコール系合成繊維とその製造方法 - Google Patents

ポリビニルアルコール系合成繊維とその製造方法

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JPH1121726A
JPH1121726A JP18249897A JP18249897A JPH1121726A JP H1121726 A JPH1121726 A JP H1121726A JP 18249897 A JP18249897 A JP 18249897A JP 18249897 A JP18249897 A JP 18249897A JP H1121726 A JPH1121726 A JP H1121726A
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真也 稲田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高温オートクレーブ養生が可能なセメント製品
の補強用として、また長期間水や湿熱にさらされるゴム
製品やプラスチックス製品の補強用として適した、耐湿
熱性に優れた高強力ポリビニルアルコール系繊維を提供
する。 【解決手段】ポリビニルアルコール系繊維を製造する際
に、該繊維内部あるいは表面に含有あるいは付着させた
ジアルデヒド化合物もしくはそのアセタール化物あるい
はその双方からなる混合物を固体酸触媒によって該ポリ
ビニルアルコールが有する水酸基とアセタール化するこ
とによって、目的とする優れた耐湿熱性を有するポリビ
ニルアルコール系繊維を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐湿熱性と高強度
が要求される漁網、ロープ、テント、土木シートなどの
一般産業資材やセメント、ゴム、プラスチックの補強材
に有効なポリビニルアルコール(以下、PVAと略記)
系合成繊維及びその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来PVA系繊維はポリアミド、ポリエ
ステル、ポリアクリロニトリル系繊維に比べて強度、弾
性率が高く、産業資材用繊維として使用されている。さ
らにそれ以外でも、ゴム、プラスチック、セメントなど
の補強繊維として広く利用されており、中でもPVA系
繊維は汎用繊維の中で最も高強力高弾性を有し、かつ接
着性や耐アルカリ性が良好なため、石綿代替のセメント
補強材として脚光を浴びている。しかしながらPVA系
繊維は耐湿熱性に乏しく、一般産業資材や衣料素材とし
て用いられるにしても用途が制限され、さらにセメント
成型品に対して通常行われている高温でのオートクレー
ブ養生が不可能であった。現在セメント補強材にPVA
系繊維を使用する場合は、室温養生製品に限っており、
そのためセメント製品の寸法安定性や強度が十分でな
く、かつ養生日数が長いなどの欠点を有していた。
【0003】PVA系繊維の耐湿熱性を改良しようとす
る試みは古くからなされて来た。たとえば、特開平2−
133605号公報や特開平1−207435号公報に
は、アクリル酸系重合体をブレンドし架橋させるか、又
は繊維表面を有機系過酸化物やイソシアネート化合物、
ウレタン系化合物、エポキシ化合物などで架橋させる方
法が記述されている。しかしアクリル酸系重合体による
架橋はエステル結合であるため、セメント中のアルカリ
成分で容易に加水分解されその効果を失うこと、及び他
の架橋剤も繊維表面架橋であるため、くり返し湿熱にさ
らされていると、あるいはオートクレーブ養生中に繊維
の中心部から膨潤、溶解が起こることなどの問題点を抱
えていた。他に酸を用いて脱水架橋により耐湿熱性を向
上させる方法が特開平2−84587号公報や特開平4
−100912号公報などで公知であるが、本発明者ら
が追試したところ繊維内部まで架橋させようとするとP
VA繊維の分解が激しく起こり、繊維強度の著しい低下
を招いた。
【0004】これに対して、ホルマリンのごときモノア
ルデヒド化合物、あるいはグリオキザールやグルタルア
ルデヒドのごときポリアルデヒド化合物とPVAの水酸
基とのアセタール化反応を利用してPVA系繊維を疎水
化あるいは架橋させることにより、かかる繊維の耐湿熱
性の向上を図る方法が数多く報告されている。たとえば
特公昭30−7360号公報や特公昭36−14565
号公報には、ホルマリンを用い、PVAの水酸基をホル
マール化して疎水化することにより染色や洗濯に耐えら
れるPVA系繊維が記載されている。しかし、これらの
繊維は強度が低く、本発明に言う一般産業資材やセメン
ト、ゴム、プラスチックの補強材には向かないものであ
った。また、高強力PVA繊維をホルマール化すること
が特開昭63−120107号公報に開示されている
が、ホルマール化度が5から15モル%と低く、PVA
系繊維の非晶領域の極く一部が疎水化されているに過ぎ
ず、耐湿熱性は十分でなく、くり返し長期間湿熱にさら
される産業資材や高温オートクレーブ養生されるセメン
ト補強材での使用においては到底満足できるものではな
かった。
【0005】一方、ジアルデヒド化合物による架橋は特
公昭29−6145号公報や特公昭32−5819号公
報などに明記されているが、ジアルデヒド化合物と反応
触媒である酸の混合浴で後処理するため繊維分子が高度
に配向結晶化した高強力繊維ではジアルデヒド化合物が
浸透しずらく繊維全体の架橋が困難であった。また特開
平5−163609号公報には、ジアルデヒド又はその
アセタール化合物を紡糸原糸に付与し、高倍率に乾熱延
伸したあと酸処理により繊維内部に架橋を生じさせるこ
とが記載されている。さらに、特開平5ー263311
(対応ヨーロッパ特許第520297号、米国特許第5
380588号)においては、乾熱延伸したPVA系繊
維に、上記特開平5ー163609号公報記載のジアル
デヒド化合物を繊維内部まで浸透させたのち、モノアル
デヒドと架橋触媒を含有する浴に浸漬して架橋反応を起
こさせることにより、耐熱水性に優れたPVA系繊維が
得られ、この架橋PVA系繊維は160℃オートクレー
ブ養生に耐えうる繊維であることが報告されている。し
かしながら、本発明者等が追試した結果、実施例に記載
されている酸処理工程時にPVA系繊維の強度がかなり
低下するため、本発明に言う一特に高強度が要求される
産業資材やセメント、ゴム、プラスチックの補強材の分
野には必ずしも適したものとは言えなかった。
【0006】また、特開平5−106109号公報に
は、分解抑制剤の添加とアセタール化との併用により、
耐湿熱性に優れるPVA系繊維が得られることが報告さ
れている。この方法は、アセタール化反応単独、あるい
は、分解抑制剤添加のみの製造法に比較して、より耐湿
熱性に優れるPVA系繊維を与える点で優れている。し
かしながら、この方法でも同様に、酸処理工程時にPV
A系繊維の強度が大幅に低下するため、本発明に言う一
特に高強度が要求される産業資材やセメント、ゴム、プ
ラスチックの補強材の分野には必ずしも適したものとは
言えなかった。
【0007】従来報告されているホルマリンのごときモ
ノアルデヒド化合物、あるいはグリオキザールやグルタ
ルアルデヒドのごときポリアルデヒド化合物とPVAの
水酸基とのアセタール化反応を利用してPVA系繊維を
疎水化あるいは架橋させることにより、かかる繊維の耐
湿熱性の向上を図る方法においては、アセタール化処理
は全て酸の水溶液中で処理する方法がとられている。し
かし、この方法ではアセタール化反応を充分進行させる
ため、塩酸、あるいは硫酸のような強酸が必要であり、
また、その温度も50℃以上が必要であることが本発明
者らの検討で明らかとなった。このような条件で処理す
ることはPVAにとっての良溶媒中で処理することに他
ならず、繊維が処理中に膨潤してしまうことは避けられ
ないばかりか、PVA自身が一部溶解してしまう恐れも
あった。これらの現象はPVAの分子配向を乱したり結
晶化度を低下させる効果があり、その結果、PVA系繊
維が本来有する力学的機械的強度の低下を招くという大
きな問題があった。また、前述した酸処理工程は通常紡
糸後に行われるが、アセタール化に使用した酸が残存す
るとPVA系繊維の着色、強度低下の原因となるため、
実際には充分な中和と水洗工程が必要であり、工程の高
コスト化の原因となるという問題もあった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】かかる状況下、本発明
は高温オートクレーブ養生のような激しい高温高湿条件
においても、本来の優れた性質である高強力、高弾性、
優れた接着性や耐アルカリ性を損なうことなく、また煩
雑な工程を必要とすることなく高い耐湿熱性を有するP
VA系繊維およびその製造方法を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】以上の背景を踏まえて本
発明者らは、高温オートクレーブ養生のような激しい高
温高湿条件においても、本来の優れた性質である高強
力、高弾性、優れた接着性や耐アルカリ性を損なわな
い、高い耐湿熱性を有するPVA系繊維の製造法につい
て鋭意検討を重ねた結果、PVA系繊維を製造する際
に、該繊維内部に含有もしくは表面に付着させたジアル
デヒド化合物又はそのアセタール化物(以下ジアルデヒ
ド類化合物と称することがある)を固体酸触媒によって
該PVAが有する水酸基とアセタール化することを特徴
とするPVA系繊維およびその製造方法が上記目的を達
成することを見いだし本発明に至ったものである。
【0010】以下、本発明の内容をさらに詳細に説明す
る。本発明に言うPVA系ポリマーとは、通常のPVA
の製造法であるポリ酢酸ビニルあるいはその共重合体の
けん化から得られる。また、ピバリン酸ビニル、蟻酸ビ
ニルのごとき側鎖の嵩高いビニルエステルまたは極性の
高いビニルエステル、もしくはt−ブチルビニルエーテ
ルやトリメチルシリルビニルエーテル、ベンジルビニル
エーテルのごときビニルエーテルの単独重合体あるいは
共重合体の分解によっても得られる。
【0011】ここで、共重合体の場合のコモノマー単位
は、けん化、あるいは分解によってビニルアルコール単
位を生成する単位とそれ以外の単位に分けられる。
【0012】後者のコモノマー単位は、主として変性を
目的に共重合されるもので、本発明の趣旨を損なわない
範囲で使用される。このような単位としては、たとえ
ば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブテン等
のオレフィン類、アクリル酸およびその塩、アクリル酸
メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸−n−プロピ
ル、アクリル酸−i−プロピル、アクリル酸−n−ブチ
ル、アクリル酸−i−ブチル、アクリル酸−t−ブチ
ル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸ドデ
シル、アクリル酸オクタデシル等のアクリル酸エステル
類、メタクリル酸およびその塩、メタクリル酸メチル、
メタクリル酸エチル、メタクリル酸−n−プロピル、メ
タクリル酸−i−プロピル、メタクリル酸−n−ブチ
ル、メタクリル酸−i−ブチル、メタクリル酸−t−ブ
チル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル
酸ドデシル、メタクリル酸オクタデシル等のメタクリル
酸エステル類、アクリルアミド、N−メチルアクリルア
ミド、N−エチルアクリルアミド、N,N−ジメチルア
クリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、アクリルア
ミドプロパンスルホン酸およびその塩、アクリルアミド
プロピルジメチルアミンおよびその塩と4級塩、N−メ
チロールアクリルアミドおよびその誘導体等のアクリル
アミド誘導体、メタクリルアミド、N−メチルメタクリ
ルアミド、N−エチルメタクリルアミド、N,N−ジメ
チルメタクリルアミド、ジアセトンメタクリルアミド、
メタクリルアミドプロパンスルホン酸およびその塩、メ
タクリルアミドプロピルジメチルアミンおよびその塩と
4級塩、N−メチロールメタクリルアミドおよびその誘
導体等のメタクリルアミド誘導体、メチルビニルエーテ
ル、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテ
ル、i−プロピルビニルエーテル、i−ブチルビニルエ
ーテル、t−ブチルビニルエーテル、ベンジルビニルエ
ーテル、ドデシルビニルエーテル、ステアリルビニルエ
ーテル等のビニルエーテル類、アクリロニトリル、メタ
クリロニトリル等のニトリル類、塩化ビニル、塩化ビニ
リデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン等のハロゲン
化ビニル類、酢酸アリル、塩化アリル等のアリル化合
物、マレイン酸およびその塩とエステル、イタコン酸お
よびその塩とエステル、ビニルトリメトキシシラン等の
ビニルシリル化合物、酢酸イソプロペニル等である。
【0013】該PVA系重合体のけん化度は通常70モ
ル%以上が好ましい。特に耐熱性、耐水性、耐油性が要
求される場合のけん化度は90〜99.99モル%が好
ましい。ここで、けん化度は酢酸ビニルの単独重合体ま
たは共重合体中のけん化によりビニルアルコール単位に
変換され得る単位に対する、けん化後のビニルアルコー
ル単位の割合を表したものあり、残基は酢酸ビニル単位
である。
【0014】PVA系ポリマーの重合度も本発明の繊維
の性能に影響する。PVA系ポリマーの平均重合度が高
いほど結晶間を連結するタイ分子の数が多く、かつ欠点
となる分子末端数が少なくなるので高強度、高弾性率、
高耐湿熱性が得られやすく、したがって好ましくは重合
度1000以上のPVA系ポリマーであり、さらに好ま
しくは重合度1700以上のPVA系ポリマーである。
但し、重合度30000を超えるようなPVA系ポリマ
ーは一般的に製造が困難であり、工業生産という観点か
らは必ずしも適したものとはいえない。
【0015】これらPVA系ポリマーから繊維を得る方
法としては、まずこれらPVA系ポリマーを溶剤に溶解
し、そして得られる原液をノズルから吐出し、溶媒を除
去する方法が用いられる。PVA系ポリマーの溶剤とし
ては、たとえばグリセリン、エチレングリコール、ジエ
チレングリコール、トリエチレングリコール、ブタンジ
オールなどの多価アルコール類やジメチルスルホキシ
ド、ジメチルホルムアミド、ジエチレントリアミン、水
及びこれら2種以上の混合溶剤などが挙げられる。ただ
し、本発明のジアルデヒド類化合物を該溶剤に混合添加
する場合は、該化合物を凝集させたり、分離させる溶剤
は望ましくなく、均一分散又は溶解する溶剤が好まし
い。この点で、上記したジメチルスルホキシドやグリセ
リンなどが好ましく、特にジメチルスルホキシドがもっ
とも好ましい。またPVA系ポリマーを溶剤で溶解する
際にホウ酸、界面活性剤、分解抑制剤、染料、顔料など
を添加しても支障ないが、紡糸性や延伸性を悪化させる
ものは好ましくない。また原液中のPVA系ポリマー濃
度としては5〜50重量%が好ましく、特に湿式紡糸方
法または乾湿式紡糸方法を用いる場合には、5〜20重
量%が、また乾式紡糸方法を用いる場合には10〜50
重量%が好ましい。また紡糸原液の温度は80から23
0℃が一般的である。
【0016】このようにして得られた紡糸原液は常法に
より湿式、乾式、乾湿式のいずれかの方法でノズルより
吐出され固化する。湿式および乾湿式紡糸では凝固浴に
て固化し繊維化させるが、その際の凝固浴液としては、
アルコール、アセトン、メチルエチルケトン、アルカリ
水溶液、アルカリ金属塩水溶液などいずれでも良い。な
お、凝固における溶剤抽出をゆっくりさせて均一ゲル構
造を生成させ、より高い強度と耐湿熱性を得るため、該
凝固浴駅に該溶剤を10重量%以上混合させるのが好ま
しい。特にメタノールで代表されるアルコールと原液溶
剤との混合液が好ましい。さらに凝固浴液温度を20℃
以下にして吐出液を急冷させるのも均一な微結晶構造を
得るのに都合が良い。また繊維間の膠着を少なくし、そ
の後の乾熱延伸を容易にするために溶剤を含んだ状態で
2〜10倍の湿延伸をするのが望ましい。湿延伸温度と
しては20から60℃の範囲が好ましい。なお、アルカ
リ凝固(凝固浴液がアルカリ水溶液)の場合には、湿延
伸の前で張力下で中和を行うのが良い。次いで繊維を抽
出浴に浸漬して溶剤の抽出を行なうが、抽出剤としては
メタノール、エタノール、プロパノールなどのアルコー
ル類やアセトン、メチルエチルケトン、エーテル、水な
どが使用できる。続いて、必要に応じ、油剤などを付与
して該抽出剤を乾燥させるが、乾式の場合は、抽出剤を
使用せずに紡糸時及び紡糸後で該溶剤を蒸発させて乾燥
させる。
【0017】PVA系繊維の強度を発現するためには、
乾燥後紡糸原糸を200℃以上、好ましくは230℃以
上で総延伸倍率が14倍以上、好ましくは16倍以上と
なるように乾熱延伸する。延伸温度は高重合度ほど高く
して高倍率を維持するのが好ましいが、260℃以上で
はPVAの分解が生じ易く好ましくない。なお、総延伸
倍率とは湿延伸倍率と乾熱延伸倍率の積で表される。
【0018】本発明の特徴は、繊維を製造する際に、P
VA系繊維内部に含有又は表面に付着させたジアルデヒ
ド類化合物を固体酸触媒によって該PVAが有する水酸
基とアセタール化することである。
【0019】本発明で用いることのできるジアルデヒド
類化合物の例としては、グリオキザール、マロンジアル
デヒド、スクシンアルデヒド、グルタルアルデヒド、ヘ
キサン−1,6−ジアール、オクタンジアール、ノナン
ジアール、デカンジアール、ドデカンジアール、2,4
−ジメチルヘキサンジアール、5−メチルヘプタンジア
ール、4−メチルオクタンジアール、2,5−ジメチル
オクタンジアール、3,6−ジメチルデカンジアールな
どの脂肪族化合物、あるいはオルソフタルアルデヒド、
イソフタルアルデヒド、テレフタルアルデヒド、フェニ
ルマロンジアルデヒドなどの芳香族化合物、あるいは
1,4−シクロヘキサンジアルデヒドのような脂環式化
合物が挙げられる。あるいはこれらのジアルデヒド化合
物とメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノー
ル、エチレングリコール、プロピレングリコールなどの
アルコール類を反応させて両末端または片末端をアセタ
ール化した化合物が挙げられる。これらの化合物は、1
種又は2種以上を混合してもよく、ジアルデヒドとその
アセタール化物との混合物でもよい。
【0020】本発明で用いるジアルデヒド類化合物の付
与は、紡糸原液から乾熱延伸後のいずれの工程において
行われても構わない。具体的には、紡糸原液中に溶解あ
るいは分散させ、該PVA中に含有せしめる方法、抽出
浴のアルコールやケトン類に該化合物を溶解し、その中
に膨潤状態の糸条を通過させることで、該化合物を繊維
内部へ十分含有させる方法、さらには、紡糸した繊維表
面に適当な溶剤あるいは水に溶解あるいは分散させたジ
アルデヒド類化合物を塗布する方法、等が挙げられる。
このうち、抽出浴のアルコールやケトン類に該化合物を
溶解し、その中に膨潤状態の糸条を通過させることで、
該化合物を繊維内部へ十分含有させる方法が、該化合物
を繊維中に均一かつ充分量含有させることができ、さら
にその量を容易に制御できるという点において好まし
い。この場合のジアルデヒド類化合物を含有する浴の温
度としては−10℃〜50℃、浴中の該化合物含有量と
しては0.3〜20重量%が好ましい。また浴への繊維
浸漬時間としては5秒以上が好ましく、5秒未満の浸漬
時間では繊維への該化合物の付着量が不足し十分な耐熱
水性が得られない。
【0021】本発明におけるジアルデヒド化合物の付着
量は乾熱延伸糸に対して0.5重量%以上、好ましくは
2〜15重量%であり、さらに好ましくは3〜12重量
%である。付着量が0.5重量%未満では架橋密度が少
ないため耐湿熱性が不十分であり、15重量%を超える
と分子配向を乱したりPVAの分解が促進されて強度低
下を招き易い。付着量は、ジアルデヒド類化合物を含有
する浴のジアルデヒド類化合物の含有量を変えることに
よってコントロールすることができる。
【0022】本発明で云う固体酸触媒とは、東京化学同
人発行「化学辞典」第484頁にも記載されているよう
に、その表面が酸性を示す固体の総称であり、本発明で
はこのような固体をアセタール化触媒として用いるもの
である。本発明において使用される固体酸触媒は、先述
したジアルデヒド類化合物とポリビニルアルコール系重
合体が有する水酸基とのアセタール化反応を進行させる
に充分な酸性を室温、あるいは適当な加熱条件下で発現
するような化合物であれば特に限定されない。具体的に
は、、硫酸亜鉛、硫酸アルミニウム、硫酸インジウム、
硫酸カリウム、硫酸水素カリウム、硫酸カドミウム、硫
酸カルシウム、硫酸銀、硫酸クロム、硫酸コバルト、硫
酸水銀、硫酸スズ、硫酸ストロンチウム、硫酸セシウ
ム、硫酸セリウム、硫酸タリウム、硫酸第一鉄、硫酸第
二鉄、硫酸銅、硫酸ナトリウム、硫酸鉛、硫酸ニッケ
ル、酸化硫酸バナジウム、硫酸パラジウム、硫酸バリウ
ム、硫酸ビスマス、硫酸ベリリウム、硫酸マグネシウ
ム、硫酸マンガン、硫酸ランタン、硫酸リチウム、硫酸
ルビジウム等の金属硫酸塩あるいはそれらの水和物、塩
化亜鉛、塩化アルミニウム、塩化アンチモン、塩化イッ
テルビウム、塩化イットリウム、塩化イリジウム、塩化
インジウム、塩化カドミウム、塩化カリウム、塩化カル
シウム、塩化銀、塩化クロム、塩化ゲルマニウム、塩化
コバルト、塩化サマリウム、塩化酸化ジルコニウム、塩
化第一水銀、塩化第二水銀、塩化第一スズ、塩化第二ス
ズ、塩化ストロンチウム、塩化セシウム、塩化セリウ
ム、塩化第一鉄、塩化第二鉄、塩化第一銅、塩化第二
銅、塩化タリウム、塩化タングステン、塩化タンタル、
塩化チタン、塩化ナトリウム、塩化鉛、塩化ニッケル、
塩化ネオジム、塩化バナジウム、塩化ハフニウム、塩化
パラジウム、塩化バリウム、塩化ビスマス、塩化マグネ
シウム、塩化マンガン、塩化モリブデン、塩化ユウロピ
ウム、塩化ランタン、塩化リチウム、塩化ルテニウム、
塩化ルビジウム、塩化ロジウム等の金属塩酸塩あるいは
それらの水和物、リン酸亜鉛、リン酸アルミニウム、リ
ン酸一カリウム、リン酸一ナトリウム、リン酸コバル
ト、リン酸三カリウム、リン酸三カルシウム、リン酸三
ナトリウム、リン酸三マグネシウム、リン酸第二銅、リ
ン酸鉄、リン酸二カリウム、リン酸マンガン、リン酸二
ナトリウム、リン酸バリウム、リン酸二マグネシウム、
リン酸リチウム、リン酸タングステン等の金属リン酸塩
あるいはその水和物、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸
化珪素、酸化アンチモン、酸化チタン、酸化セリウム、
酸化砒素、酸化バナジウム等の金属酸化物、硝酸アルミ
ニウム、硝酸イッテルビウム、硝酸イットリウム、硝酸
カドミウム、硝酸カリウム、硝酸ガドリニウム、硝酸カ
ルシウム、硝酸銀、硝酸クロム、硝酸コバルト、硝酸サ
マリウム、硝酸ジルコニル、硝酸第一水銀、硝酸第二水
銀、硝酸セシウム、硝酸セリウム、硝酸第一鉄、硝酸第
二鉄、硝酸第一銅、硝酸第二銅、硝酸タリウム、硝酸ナ
トリウム、硝酸鉛、硝酸ニッケル、硝酸ネオジム、硝酸
パラジウム、硝酸バリウム、硝酸ビスマス、硝酸マグネ
シウム、硝酸マンガン、硝酸ランタン、硝酸リチウム、
硝酸ルテチウム等の金属硝酸塩あるいはそれらの水和
物、炭酸カルシウム等の炭酸塩あるいはその水和物、硫
酸アンモニウム等の硫酸塩、タングステン酸、過塩素酸
カリウム、過塩素酸銀、過塩素酸水銀、過塩素酸鉄、過
塩素酸ニッケル、過塩素酸バリウム、過塩素酸ナトリウ
ム、過塩素酸マグネシウム、過塩素酸リチウム等の過塩
素酸塩、硫化亜鉛、硫化カドミウム、硫化カリウム、硫
化銀、硫化コバルト、硫化タリウム、硫化鉄、硫化銅、
硫化ナトリウム、硫化鉛等の金属硫化物等、または酸性
白土、クラリット、ベントナイト、カオリン、フラーズ
・アース、モンモリロナイト、フロリジン等の天然の粘
土鉱物、シリカゲルやアルミナに硫酸、リン酸、マロン
酸などを付着させたものや石英砂を担体としたリン酸、
陽イオン交換樹脂、シリカ・アルミナ、シリカ・マグネ
シア、シリカ・ボリヤ等の酸化物系固体酸触媒等が挙げ
られる。
【0023】これらのうち、酸性の強さ、工業的に使用
する際の汎用性、溶剤への溶解性や分散性等を考慮する
と、下記一般式(1)で表される2価以上の価数を有す
る金属の酸化物、硫化物、金属塩あるいはその水和物が
本発明の固体酸触媒として特に好ましい。 MxRy (1) (Mは、2〜15族から選ばれる少なくとも1種の金
属、RはCl、NO3、PO3、SO4、S原子またはO
原子、xおよびyは1以上の整数を表す。) 具体的には、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化チタ
ン、酸化セリウム、、酸化砒素、酸化バナジウム、酸化
珪素、酸化アンチモン、硫酸アルミニウム、硫酸カルシ
ウム、硫酸マグネシウム、硫酸ニッケル、硫酸銅、硫酸
コバルト、硫酸カドミウム、硫酸ストロンチウム、硫酸
亜鉛、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄、硫酸バリウム、硫酸ク
ロム、リン酸ジルコニウム、リン酸チタン、リン酸アル
ミニウム、硝酸カルシウム、硝酸ビスマス、硝酸亜鉛、
硝酸第二鉄、炭酸カルシウム、塩化鉛、塩化水銀、塩化
銅、塩化アルミニウム、塩化スズ、塩化カルシウムある
いはそれらの水和物、硫化亜鉛、硫化カルシウム等が好
ましい。
【0024】これらの固体酸触媒とPVA系繊維中に含
有させたジアルデヒド類化合物とを接触させることによ
り、該繊維とジアルデヒド類化合物とのアセタール化反
応を進行せしめる。固体酸触媒と該ジアルデヒド類化合
物との接触は、アセタール化反応が効率よく進行する方
法であれば紡糸原液から乾熱延伸後のいずれの工程にお
いて行われても構わない。具体的には、紡糸原液中に固
体酸触媒を溶解あるいは分散させ、該PVA系繊維中に
含有せしめる方法、抽出浴中に固体酸触媒を溶解あるい
は分散させる方法、さらには紡糸した繊維表面に適当な
溶剤あるいは水に溶解あるいは分散させた固体酸触媒を
塗布する方法、等が挙げられる。
【0025】これらのうち、使用する固体酸触媒の酸性
が強く、ジアルデヒド類化合物と接触すると瞬時にアセ
タール化反応が進行してしまう場合は、一度、ジアルデ
ヒド類化合物をPVA系繊維内部に均一に含有させた
後、乾燥、延伸工程を経た後、該ジアルデヒド類化合物
と固体酸を接触させてアセタール化反応を行うのが好ま
しく、具体的には、抽出浴のアルコールやケトン類にジ
アルデヒド類化合物を溶解しその中に膨潤状態の糸条を
通過させることで該化合物を繊維内部へ十分含有させた
後、乾燥、延伸工程を経た後、繊維表面に適当な溶剤あ
るいは水に溶解あるいは分散させた固体酸触媒を塗布す
る方法が挙げられる。
【0026】先述した如き固体酸触媒を乾燥、延伸後の
繊維表面に塗布する手法において、繊維中のジアルデヒ
ド類化合物をアセタール化させるのに充分量の触媒が繊
維内部まで浸透させるのが困難な場合には、以下のよう
な方法が好ましい。すなわち、適当な加熱処理すること
によって初めてジアルデヒド類化合物とPVAが有する
水酸基とのアセタール化反応を進行させるに充分な酸性
を発現するような金属塩を固体酸触媒として選び、抽出
浴のアルコールやケトン類に該ジアルデヒド類化合物と
該固体酸触媒とを同時に溶解あるいは分散させ、その中
に膨潤状態の糸条を通過させることで該化合物類を繊維
内部へ十分含有させた後、乾燥、延伸工程を経た後、さ
らに適当な温度下での加熱処理工程を経ることによっ
て、あるいは繊維の乾燥工程、延伸工程において同時に
アセタール化処理を行うことができる。
【0027】固体酸触媒の含有量は種類によって異なる
が、天然の粘土鉱物、シリカゲルやアルミナに硫酸、リ
ン酸、マロン酸などを付着させたものや石英砂を担体と
したリン酸やケイソウ土とリン酸のか焼合成物等の固型
化酸、陽イオン交換樹脂、シリカ・アルミナ、シリカ・
マグネシア、シリカ・ボリヤ等の酸化物系固体酸触媒で
はPVA系重合体に対して概ね0.1から1.5重量%
が好ましく、金属酸化物、金属硫化物、金属塩類では金
属元素換算で100から10000ppmが好ましい。
上記添加量未満であると、PVA重合体中のジアルデヒ
ド類化合物のアセタール化反応が充分進行しないため耐
湿熱性発現の効果が少なく、上記添加量を越えると最終
的に得られる繊維の機械的力学的強度の低下や、着色、
分解を促進する場合があり好ましくない。なお固体酸触
媒を2種類以上使用した時の含有量は総和量を意味す
る。
【0028】本発明によって得られる繊維の単繊維強度
は8g/d以上であり、さらに好ましくは10g/d以
上である。単繊維強度が8g/d未満の場合には耐湿熱
性と高強度が要求される魚網、ロープ、テント、土木シ
ートなどの一般産業資材やセメント、ゴム、プラスチッ
クの補強材としての有効性が低く、特にオートクレーブ
養生を行うセメント製品の補強材としては使用すること
ができない。
【0029】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明は実施例のみに限定されるものではない。
なお、本発明における各種の物性値は以下の方法で規定
されたものである。 1)PVAの粘度平均重合度PA JIS K−6726に基づき30℃におけるPVA希
薄水溶液の比粘度ηSPを5点測定し、次式(1)より極
限粘度〔η〕を求め、さらに次式(2)より粘度平均重
合度PAを算出した。 〔η〕=lim(C→O)ηSP/C ‥‥‥(1) PA=(〔η〕×104/8.29)1.613 ‥‥‥(2)
【0030】2)単繊維の引張強度 JIS L−1015に準じ、予め調湿された単繊維を
試長10cmになるように台紙に貼り25℃×60%R
Hで12時間以上放置。次いでインストロン1122で
2kg用チャックを用い、初荷重1/20g/d、引張
速度50%/分にて破断強度を求めn≧10の平均値を
採用した。デニールは1/10g/d荷重下で30cm
長にカットし重量法により求めた。なおデニール測定後
の単繊維を用いて強伸度、弾性率を測定し1本ずつデニ
ールと対応させた。
【0031】3)繊維中の固体酸含有量 固体酸として使用した金属化合物は、乾熱延伸処理前の
糸を100から130℃のジメチルスルホキシドに溶解
せしめ、蛍光X線で特定金属元素のピークを測定し、検
量線より求めた。
【0032】4)繊維の熱水中の溶出量 最終的に得られたPVA系繊維約100ミリグラムを試
験管中に精評し、蒸留水10ミリリットルを加えた後、
封管し、オートクレーブ(ヤマト科学製、SP22)中
で熱処理(121℃X2時間)した。試験管中のPVA
系繊維を濾別し、蒸留水で水洗後、乾燥し(120℃X
10時間以上)、溶出率を求めた。
【0033】実施例1〜40 粘度平均重合度が1700でケン化度が99.5モル%
のPVAを濃度20重量%になるようにジメチルスルホ
キシド(DMSO)に100℃で溶解し、得られた溶液
を1000ホールのノズルより吐出させ、メタノール/
DMSO=7/3重量比、5℃の凝固浴で湿式紡糸し
た。さらに40℃メタノール浴で3.5倍湿延伸したあ
と、繊維を2段のメタノール抽出浴を順次通過させるこ
とによりジメチルスルホキシドを全部除去した。最後の
メタノール抽出浴にテトラメトキシノナンを浴に対して
5重量%、表1に示す固体酸触媒をそれぞれ浴に対して
金属元素換算で300ppm添加し、均一溶液としたあ
と、繊維を1.5分間滞留させてメタノール含有繊維の
内部および表面に該ジアルデヒド類化合物および固体酸
触媒を含有させ、次いで120℃にて乾燥した。得られ
た紡糸原糸を175℃、175℃、230℃の3セクシ
ョンからなる熱風炉で総延伸倍率16.1倍になるよう
に延伸し、更に245℃で30秒間の定長熱処理を行っ
た。最終的に得られた繊維物性を表1に示す。
【0034】実施例41〜43 最後のメタノール抽出浴にテトラメトキシノナンを浴に
対して5重量%、硫酸銅を浴に対して金属元素換算1
0、100、1000ppmの濃度でそれぞれ添加した
ほかは、実施例1〜40と同様の手法で、紡糸、延伸お
よび熱処理を行った。最終的に得られた繊維物性を表2
に示す。
【0035】比較例1 最後のメタノール抽出浴にテトラメトキシノナンと金属
塩を添加しないほかは、実施例1〜40と同様の手法
で、紡糸、延伸および熱処理を行った。最終的に得られ
た繊維の単繊維強度は15.3g/dで、121℃熱水
中で2時間処理後の繊維溶出率は85.0重量%であっ
た。
【0036】比較例2 最後のメタノール抽出浴にテトラメトキシノナンを添加
せず、硫酸銅を浴に対して金属元素換算300ppmの
濃度としたほかは、実施例1〜40と同様の手法で、紡
糸、延伸および熱処理を行った。最終的に得られた繊維
の単繊維強度は14.9g/dで、121℃熱水中で2
時間処理後の繊維溶出率は80.0重量%であった。
【0037】比較例3 最後のメタノール抽出浴に金属塩を添加しないほかは、
実施例1〜40と同様の手法で、紡糸、延伸および熱処
理を行った。最終的に得られた繊維の単繊維強度は1
4.1g/dであり、121℃熱水中で2時間処理後の
繊維溶出率は40.0重量%であった。
【0038】比較例4 最後のメタノール抽出浴に金属塩を添加しないほかは、
実施例1〜40と同様の手法で、紡糸、延伸および熱処
理を行った。この延伸糸を2規定の硫酸水溶液中で75
℃×30分浸漬してアセタール化反応を起こさせ、次い
で、残留する硫酸を中和するために1規定、25℃の水
酸化ナトリウム水溶液に30分浸漬し、さらに過剰の水
酸化ナトリウムを除去するため25℃の流水で30分繊
維を洗浄した。その後、室温下で24時間放置して繊維
を風乾させ、さらに50℃で60分熱風乾燥した。最終
的に得られた繊維の単繊維強度は12.5g/dで、1
21℃熱水中で2時間処理後の繊維溶出率は16.0重
量%であった。
【0039】比較例5 最後のメタノール抽出浴に金属塩を添加しないほかは、
実施例1〜40と同様の手法で、紡糸、延伸および熱処
理を行った。この延伸糸を2規定の硫酸水溶液中で75
℃×30分浸漬してアセタール化反応を起こさせた後、
室温下で24時間放置して繊維を風乾させ、さらに50
℃で60分熱風乾燥した。最終的に得られた繊維の単繊
維強度は9.8g/dで、121℃熱水中で2時間処理
後の繊維溶出率は15.0重量%であった。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】
【発明の効果】本発明により、高温オートクレーブ養生
のような激しい高温高湿条件においても、本来の優れた
性質である高強力、高弾性、優れた接着性や耐アルカリ
性を損なうことなく、かつ、煩雑な工程を必要とするこ
となく、高い耐湿熱性を有するPVA系繊維が得られ、
ロープ、漁網、テント、土木シートなどの一般産業資材
は勿論のこと、高温オートクレーブが可能なセメント補
強材など広幅い用途に利用できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI D01F 6/14 D01F 6/14 C D06M 13/123 D06M 13/12 // D06M 101:24 (72)発明者 吉持 駛視 岡山県倉敷市酒津1621番地 株式会社クラ レ内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリビニルアルコール系重合体からなる繊
    維を製造するに際し、該ポリビニルアルコール系重合体
    内部に含有もしくは繊維表面に付着させたジアルデヒド
    化合物又はそのアセタール化物を固体酸触媒によって該
    ポリビニルアルコール系重合体が有する水酸基とアセタ
    ール化することを特徴とするポリビニルアルコール系合
    成繊維の製造方法。
  2. 【請求項2】固体酸触媒が下記一般式(1)で表される
    金属塩又はその水和物である請求項1記載の製造法。 MxRy (1) (Mは2〜15族から選ばれる少なくとも1種の金属、
    RはCl、NO3、PO3、SO4、S原子またはO原
    子、xおよびyは1以上の整数を表す。)
  3. 【請求項3】繊維中に請求項2に記載の一般式(1)で
    表される金属塩を金属元素換算で100から10000
    ppm含有し、121℃熱水中で2時間処理した後の溶
    出率が20重量%以下であり、かつ強度が8g/d以上
    であるポリビニルアルコール系合成繊維。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2019131467A1 (ja) * 2017-12-28 2019-07-04 株式会社クラレ 補強繊維、及びこれを用いた成形体

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