JPH11215922A - 育苗容器と育苗方法 - Google Patents
育苗容器と育苗方法Info
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- JPH11215922A JPH11215922A JP1923698A JP1923698A JPH11215922A JP H11215922 A JPH11215922 A JP H11215922A JP 1923698 A JP1923698 A JP 1923698A JP 1923698 A JP1923698 A JP 1923698A JP H11215922 A JPH11215922 A JP H11215922A
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- JP
- Japan
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- seedling
- raising
- pot
- seedling raising
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- Cultivation Receptacles Or Flower-Pots, Or Pots For Seedlings (AREA)
Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【課題】 成育した苗の抜き取りを容易にする為に、育
苗ポットの内側面に上下方向の垂直線状に貫通する溝を
設けたものにおいて、灌水時に、該溝を通って直ぐに水
が抜け落ちてしまうので育苗ポット内への灌水作業が困
難であり、苗の育苗に支障を来す場合があった。 【解決手段】 育苗ポット5の内側面5aに上端は育苗
ポット5の上端開口部よりも下方で下端は底面まで貫通
する溝9を設けると共に、該溝9の下端部を育苗ポット
5の底中央部に設けた孔6に連通させ、発砲スチロール
等の断熱性の良い素材で成形されている育苗容器とした
ものであり、育苗容器の育苗ポット5に圧縮成形された
培地をその圧縮された方向が上下方向となる姿勢で入
れ、該培地に水を含ませて膨張させ、播種して育苗する
育苗方法としたものである。
苗ポットの内側面に上下方向の垂直線状に貫通する溝を
設けたものにおいて、灌水時に、該溝を通って直ぐに水
が抜け落ちてしまうので育苗ポット内への灌水作業が困
難であり、苗の育苗に支障を来す場合があった。 【解決手段】 育苗ポット5の内側面5aに上端は育苗
ポット5の上端開口部よりも下方で下端は底面まで貫通
する溝9を設けると共に、該溝9の下端部を育苗ポット
5の底中央部に設けた孔6に連通させ、発砲スチロール
等の断熱性の良い素材で成形されている育苗容器とした
ものであり、育苗容器の育苗ポット5に圧縮成形された
培地をその圧縮された方向が上下方向となる姿勢で入
れ、該培地に水を含ませて膨張させ、播種して育苗する
育苗方法としたものである。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、育苗容器と圧縮
成形された培地を用いて育苗する方法に関する。
成形された培地を用いて育苗する方法に関する。
【0002】
【従来技術と発明が解決しようとする課題】従来、成育
した苗の抜き取りを容易にする為に、育苗ポットの内側
面に上下方向の垂直線状に貫通する溝を設けたものがあ
る。併し乍ら、上下方向に垂直線状に貫通する溝である
為に、灌水時に、該溝を通って直ぐに水が抜け落ちてし
まうので育苗ポット内の培地への灌水作業が困難であ
り、また、溝を通って上下方向に早く抜け落ちる水によ
り、培地までもが洗い流されて溝から脱落してしまい、
個々の苗が不均一に成長したり、苗の育苗に支障を来す
場合があった。更に、溝が育苗ポットの上面で開口して
いるので、灌水時にゴミ等が溝内に流れ込んで溝を閉塞
してしまって灌水の度に溝が埋まり、エアープルーニン
グ効果を充分に奏する状態での育苗が行なえなくなるこ
とがあった。
した苗の抜き取りを容易にする為に、育苗ポットの内側
面に上下方向の垂直線状に貫通する溝を設けたものがあ
る。併し乍ら、上下方向に垂直線状に貫通する溝である
為に、灌水時に、該溝を通って直ぐに水が抜け落ちてし
まうので育苗ポット内の培地への灌水作業が困難であ
り、また、溝を通って上下方向に早く抜け落ちる水によ
り、培地までもが洗い流されて溝から脱落してしまい、
個々の苗が不均一に成長したり、苗の育苗に支障を来す
場合があった。更に、溝が育苗ポットの上面で開口して
いるので、灌水時にゴミ等が溝内に流れ込んで溝を閉塞
してしまって灌水の度に溝が埋まり、エアープルーニン
グ効果を充分に奏する状態での育苗が行なえなくなるこ
とがあった。
【0003】
【課題を解決するための手段】この発明は、従来の課題
を解決するために、請求項1記載の発明は、育苗ポット
5の内側面5aに上端は育苗ポット5の上端開口部より
も下方で下端は底面まで貫通する溝9を設けた育苗容器
としたものであり、請求項2記載の発明は、育苗ポット
5の内側面5aに上端は育苗ポット5の上端開口部より
も下方で下端は底面まで貫通する溝9を設けると共に、
該溝9の下端部を育苗ポット5の底中央部に設けた孔6
に連通させた育苗容器としたものであり、請求項3記載
の発明は、発砲スチロール等の断熱性の良い素材で成形
されている請求項1または請求項2記載の育苗容器とし
たものであり、請求項4記載の発明は、請求項1または
請求項2または請求項3記載の育苗容器4の育苗ポット
5に圧縮成形された培地1をその圧縮された方向が上下
方向となる姿勢で入れ、該培地1に水を含ませて膨張さ
せ、播種して育苗する育苗方法としたものである。
を解決するために、請求項1記載の発明は、育苗ポット
5の内側面5aに上端は育苗ポット5の上端開口部より
も下方で下端は底面まで貫通する溝9を設けた育苗容器
としたものであり、請求項2記載の発明は、育苗ポット
5の内側面5aに上端は育苗ポット5の上端開口部より
も下方で下端は底面まで貫通する溝9を設けると共に、
該溝9の下端部を育苗ポット5の底中央部に設けた孔6
に連通させた育苗容器としたものであり、請求項3記載
の発明は、発砲スチロール等の断熱性の良い素材で成形
されている請求項1または請求項2記載の育苗容器とし
たものであり、請求項4記載の発明は、請求項1または
請求項2または請求項3記載の育苗容器4の育苗ポット
5に圧縮成形された培地1をその圧縮された方向が上下
方向となる姿勢で入れ、該培地1に水を含ませて膨張さ
せ、播種して育苗する育苗方法としたものである。
【0004】
【発明の作用効果】請求項1記載の発明は、育苗ポット
5の内側面5aに上端は育苗ポット5の上端開口部より
も下方で下端は底面まで貫通する溝9を設けた育苗容器
としたものであるから、該溝9は育苗ポットの上下方向
に垂直線状に貫通していないので、従来例のように灌水
時に溝を通って直ぐに水が抜け落ちてしまうことがな
く、適当に育苗ポット内の培地へ浸透しながら排水され
るので灌水作業が容易となり、また、従来例のように貫
通する溝を通って上下方向に早く抜け落ちる水により、
培地までもが洗い流されて溝から脱落してしまうことが
防止され、更に、溝は育苗ポットの上面で開口していな
いので、灌水時にゴミ等が溝内に流れ込んで溝9が埋ま
ってしまうことが防止され、エアープルーニング効果を
奏する状態での育苗が容易に行なえる。
5の内側面5aに上端は育苗ポット5の上端開口部より
も下方で下端は底面まで貫通する溝9を設けた育苗容器
としたものであるから、該溝9は育苗ポットの上下方向
に垂直線状に貫通していないので、従来例のように灌水
時に溝を通って直ぐに水が抜け落ちてしまうことがな
く、適当に育苗ポット内の培地へ浸透しながら排水され
るので灌水作業が容易となり、また、従来例のように貫
通する溝を通って上下方向に早く抜け落ちる水により、
培地までもが洗い流されて溝から脱落してしまうことが
防止され、更に、溝は育苗ポットの上面で開口していな
いので、灌水時にゴミ等が溝内に流れ込んで溝9が埋ま
ってしまうことが防止され、エアープルーニング効果を
奏する状態での育苗が容易に行なえる。
【0005】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明に加えて、溝9の下端部を育苗ポット5の底中央部に
設けた孔6に連通させた育苗容器としたものであるか
ら、更に、エアープルーニング効果を充分に奏する状態
での育苗が容易に行なえる。また、育苗ポット5の底面
側から苗押出し具等にて苗を押し出す作業が容易とな
り、機械移植や不良苗の交換に適した容器となる。
明に加えて、溝9の下端部を育苗ポット5の底中央部に
設けた孔6に連通させた育苗容器としたものであるか
ら、更に、エアープルーニング効果を充分に奏する状態
での育苗が容易に行なえる。また、育苗ポット5の底面
側から苗押出し具等にて苗を押し出す作業が容易とな
り、機械移植や不良苗の交換に適した容器となる。
【0006】請求項3記載の発明は、請求項1及び請求
項2記載の発明において、発砲スチロール等の断熱性の
良い素材で成形されているので、上記の各請求項の作用
効果に加えて、根部の温度が必要以上に上がることが防
止され、夏場の熱い時期に苗を育苗しても、苗がひょろ
長く伸びてしまう徒長を防止でき、健全な苗の育成が行
なえると共に、育苗容器4の各育苗ポット5の各苗を更
に均一に成育させることができる。
項2記載の発明において、発砲スチロール等の断熱性の
良い素材で成形されているので、上記の各請求項の作用
効果に加えて、根部の温度が必要以上に上がることが防
止され、夏場の熱い時期に苗を育苗しても、苗がひょろ
長く伸びてしまう徒長を防止でき、健全な苗の育成が行
なえると共に、育苗容器4の各育苗ポット5の各苗を更
に均一に成育させることができる。
【0007】請求項4記載の発明は、請求項1または請
求項2または請求項3記載の育苗容器4の育苗ポット5
に圧縮成形された培地1をその圧縮された方向が上下方
向となる姿勢で入れ、該培地1に水を含ませて膨張さ
せ、播種して育苗する育苗方法としたので、上記の各請
求項の作用効果に加えて、育苗ポット5内で育苗された
苗の培地1は上下方向の剪断に対して強いことになるか
ら、苗の茎を持って上方に引っ張って抜くことが容易に
でき、また、育苗ポット5の底部側から苗を押し出すと
きには培地1が崩れにくく、苗の根があまり伸びていな
いときでも、従来に比べて苗を育苗ポット5から取り出
しやすくなる。従って、移植機にて苗の植付けができる
適応性の高い良質の苗(各育苗ポット5内から上方に引
き抜く装置や下方から押し出す装置にて抜きやすい苗)
を育成することができる。
求項2または請求項3記載の育苗容器4の育苗ポット5
に圧縮成形された培地1をその圧縮された方向が上下方
向となる姿勢で入れ、該培地1に水を含ませて膨張さ
せ、播種して育苗する育苗方法としたので、上記の各請
求項の作用効果に加えて、育苗ポット5内で育苗された
苗の培地1は上下方向の剪断に対して強いことになるか
ら、苗の茎を持って上方に引っ張って抜くことが容易に
でき、また、育苗ポット5の底部側から苗を押し出すと
きには培地1が崩れにくく、苗の根があまり伸びていな
いときでも、従来に比べて苗を育苗ポット5から取り出
しやすくなる。従って、移植機にて苗の植付けができる
適応性の高い良質の苗(各育苗ポット5内から上方に引
き抜く装置や下方から押し出す装置にて抜きやすい苗)
を育成することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】この発明の実施の一形態であるレ
タスを播種育苗する場合について、以下に詳述する。図
1に示すものは、圧縮成形した培地(圧縮成形培地)1
の一実施例で、タブレット(錠剤)の形状に成形したも
のである。この培地1の材料となる植物繊維を含む材料
としては、ピートやヤシ類の果実繊維(ヤシの実の果肉
部の繊維を圧搾裁断したもの)、おが屑、樹皮(バー
ク)などを用いることができる。特に、好ましいのはピ
ートであって、しかもそのうち、ミズゴケ類が堆積して
できたピートモスが最も好ましい。なお、ピートモスと
ヤシ類の果実繊維等を混合した材料を用いることもでき
る。
タスを播種育苗する場合について、以下に詳述する。図
1に示すものは、圧縮成形した培地(圧縮成形培地)1
の一実施例で、タブレット(錠剤)の形状に成形したも
のである。この培地1の材料となる植物繊維を含む材料
としては、ピートやヤシ類の果実繊維(ヤシの実の果肉
部の繊維を圧搾裁断したもの)、おが屑、樹皮(バー
ク)などを用いることができる。特に、好ましいのはピ
ートであって、しかもそのうち、ミズゴケ類が堆積して
できたピートモスが最も好ましい。なお、ピートモスと
ヤシ類の果実繊維等を混合した材料を用いることもでき
る。
【0009】なお、ピートモスは、含水率約30%以下
に乾燥すると撥水性が顕著となる。そのため、ピートモ
スを圧縮成形する材料に使用する場合は、それが乾燥し
ていると、圧縮成形後使用時に水で膨張させるとき、そ
の水が吸収されにくくなり、取扱いが不便となる。そこ
で、圧縮成形前にピートモスを、ベントナイト或はモン
モリロナイトの水溶液に浸して、ピートモスの繊維表面
にベントナイト或はモンモリロナイトの微粒子を付着さ
せ、それを乾燥して圧縮成形すれば、圧縮成形されたピ
ートモスが乾燥していても吸水しやすいものとなり、上
記問題は解消される。なお、ベントナイト或はモンモリ
ロナイトは粘土成分の一種で天然の物から抽出できるも
のであるが、化学物質のものを用いるならば、アルキレ
ンオキサイド系やエステル系の非イオン活性剤などを撥
水防止剤として用いることができる。また、ピートモス
は、一般にpH3.5〜5.5と、pHが低いため、消
石灰や生石灰、苦土石灰、炭酸カルシウムなどでpH調
節を行う。なお、取扱易さと効果の面から消石灰が好ま
しい。ところで、上記ベントナイト或はモンモリロナイ
トは、ピートモスを圧縮成形する時のバインダーとして
作用する粘結剤にもなり、成形時の粘結効果を高めるも
のとなる。ほかのバインダーとしてアルギン酸ナトリウ
ム等を使用することもできる。
に乾燥すると撥水性が顕著となる。そのため、ピートモ
スを圧縮成形する材料に使用する場合は、それが乾燥し
ていると、圧縮成形後使用時に水で膨張させるとき、そ
の水が吸収されにくくなり、取扱いが不便となる。そこ
で、圧縮成形前にピートモスを、ベントナイト或はモン
モリロナイトの水溶液に浸して、ピートモスの繊維表面
にベントナイト或はモンモリロナイトの微粒子を付着さ
せ、それを乾燥して圧縮成形すれば、圧縮成形されたピ
ートモスが乾燥していても吸水しやすいものとなり、上
記問題は解消される。なお、ベントナイト或はモンモリ
ロナイトは粘土成分の一種で天然の物から抽出できるも
のであるが、化学物質のものを用いるならば、アルキレ
ンオキサイド系やエステル系の非イオン活性剤などを撥
水防止剤として用いることができる。また、ピートモス
は、一般にpH3.5〜5.5と、pHが低いため、消
石灰や生石灰、苦土石灰、炭酸カルシウムなどでpH調
節を行う。なお、取扱易さと効果の面から消石灰が好ま
しい。ところで、上記ベントナイト或はモンモリロナイ
トは、ピートモスを圧縮成形する時のバインダーとして
作用する粘結剤にもなり、成形時の粘結効果を高めるも
のとなる。ほかのバインダーとしてアルギン酸ナトリウ
ム等を使用することもできる。
【0010】また、圧縮成形した培地1が水を含んで膨
張するときの膨張倍率を大きくするため、前記ピートモ
ス等の植物繊維を含む材料に、市販の高吸水性ポリマー
等を混入させて用いることもできる。上記の植物繊維を
含む材料の圧縮成形には、プレス機を用い、下型2の円
筒状の穴内に材料(ピートモスの繊維表面にベントナイ
ト或はモンモリロナイトの微粒子を付着させて乾燥させ
たもの等)を詰めて上型3の円筒状突部が上方から下降
して圧縮成形する(図2参照)。このときの圧縮する圧
力は、材料の含水率によって異なるが、50〜300k
g/cm2 の圧力で圧縮すると良好に圧縮成形できる。
また、圧縮する材料の含水は、ピートモスの圧縮の場
合、繊維質を傷めないよう、45〜60%の含水率のも
のが好ましい。
張するときの膨張倍率を大きくするため、前記ピートモ
ス等の植物繊維を含む材料に、市販の高吸水性ポリマー
等を混入させて用いることもできる。上記の植物繊維を
含む材料の圧縮成形には、プレス機を用い、下型2の円
筒状の穴内に材料(ピートモスの繊維表面にベントナイ
ト或はモンモリロナイトの微粒子を付着させて乾燥させ
たもの等)を詰めて上型3の円筒状突部が上方から下降
して圧縮成形する(図2参照)。このときの圧縮する圧
力は、材料の含水率によって異なるが、50〜300k
g/cm2 の圧力で圧縮すると良好に圧縮成形できる。
また、圧縮する材料の含水は、ピートモスの圧縮の場
合、繊維質を傷めないよう、45〜60%の含水率のも
のが好ましい。
【0011】また、具体的な寸法を示すと、圧縮成形培
地1の大きさは、直径D1=15mm、高さH1=15
mmの円筒形状に圧縮成形されている。図3の斜視図及
び図4の底面図に示す育苗容器4は、発砲スチロールを
材料として成形したもので、図5及び図6に示されるよ
うな平面視が円形で断面形状がコップ状の育苗ポット5
…を多数設けたものである。そして、その育苗ポット5
の内側面5aの複数箇所(図面では4箇所)に底面から
上面の近くまで溝9・9・9・9が形成されており(各
溝9は底面から上面まで貫通していない)、その底部に
は育苗時の水抜け孔であり、苗育苗後に苗を押し出す為
に指等を差し込むことのできる孔6…が開けられてい
る。そして、この孔6と4つの溝9とは貫通路9a…に
て連通している。即ち、育苗ポット5の底面部には、十
字状の貫通孔が設けられている。ここで、具体的な寸法
を示すと、育苗ポット5の内容部の大きさは、底部直径
D3=18mm、上端開口部の口径D2=23mm、深
さH2=37mmに形成されている。
地1の大きさは、直径D1=15mm、高さH1=15
mmの円筒形状に圧縮成形されている。図3の斜視図及
び図4の底面図に示す育苗容器4は、発砲スチロールを
材料として成形したもので、図5及び図6に示されるよ
うな平面視が円形で断面形状がコップ状の育苗ポット5
…を多数設けたものである。そして、その育苗ポット5
の内側面5aの複数箇所(図面では4箇所)に底面から
上面の近くまで溝9・9・9・9が形成されており(各
溝9は底面から上面まで貫通していない)、その底部に
は育苗時の水抜け孔であり、苗育苗後に苗を押し出す為
に指等を差し込むことのできる孔6…が開けられてい
る。そして、この孔6と4つの溝9とは貫通路9a…に
て連通している。即ち、育苗ポット5の底面部には、十
字状の貫通孔が設けられている。ここで、具体的な寸法
を示すと、育苗ポット5の内容部の大きさは、底部直径
D3=18mm、上端開口部の口径D2=23mm、深
さH2=37mmに形成されている。
【0012】以上のようにして成形した圧縮成形培地1
と育苗容器4とを用いて播種育苗する過程を図7〜図1
2に基づいて詳述すると、育苗容器4の各育苗ポット5
…の各々に圧縮された方向が上下方向となる姿勢で圧縮
成形培地1を入れる(図7)。そして、その各育苗ポッ
ト5…内に入れられた培地1に上から灌水し或は底面側
からしみ込ませて水を含ませる。すると、培地1は各育
苗ポット5…内で膨張し、膨張した培地1’は育苗ポッ
ト5…内にほぼ充満する(図8)。この圧縮成形培地1
は、水を含んで膨張すると、育苗ポット5の内側面5a
との間に少し空隙が残り、上端開口部からH3=1〜2
mm突出するような大きさの培地1’になるように圧縮
成形されている。
と育苗容器4とを用いて播種育苗する過程を図7〜図1
2に基づいて詳述すると、育苗容器4の各育苗ポット5
…の各々に圧縮された方向が上下方向となる姿勢で圧縮
成形培地1を入れる(図7)。そして、その各育苗ポッ
ト5…内に入れられた培地1に上から灌水し或は底面側
からしみ込ませて水を含ませる。すると、培地1は各育
苗ポット5…内で膨張し、膨張した培地1’は育苗ポッ
ト5…内にほぼ充満する(図8)。この圧縮成形培地1
は、水を含んで膨張すると、育苗ポット5の内側面5a
との間に少し空隙が残り、上端開口部からH3=1〜2
mm突出するような大きさの培地1’になるように圧縮
成形されている。
【0013】そして、このように充填された培地1’の
上部から周知の播種穴形成ロール10を転動させて圧を
掛けると(図9)、その播種穴形成突部11が培地1’
内に嵌まり込んで深さL=5mmの播種穴12を形成す
ると共に、円筒外面13にて培地1’の上部が押圧され
て前記培地1’の育苗ポット5上端開口部から1〜2m
m突出した分だけ培地1’は圧縮されて、培地1’は育
苗ポット5内に充満される(図10)。このとき、圧縮
成形された培地1の膨張に多少の誤差があって育苗ポッ
ト5の内側面5aとの間に多少空隙が生じていても、育
苗ポット5の適正な培地高さH2よりもH3だけ高く膨
張させた後に適正な培地高さH2まで押圧するから、育
苗ポット5に適切に培地を充填することができる。
上部から周知の播種穴形成ロール10を転動させて圧を
掛けると(図9)、その播種穴形成突部11が培地1’
内に嵌まり込んで深さL=5mmの播種穴12を形成す
ると共に、円筒外面13にて培地1’の上部が押圧され
て前記培地1’の育苗ポット5上端開口部から1〜2m
m突出した分だけ培地1’は圧縮されて、培地1’は育
苗ポット5内に充満される(図10)。このとき、圧縮
成形された培地1の膨張に多少の誤差があって育苗ポッ
ト5の内側面5aとの間に多少空隙が生じていても、育
苗ポット5の適正な培地高さH2よりもH3だけ高く膨
張させた後に適正な培地高さH2まで押圧するから、育
苗ポット5に適切に培地を充填することができる。
【0014】その後、播種穴12に播種をして播種穴1
2部をバーミキュライト若しくは土にて覆土14して育
苗が行われる(図11)。その時、上記のように各育苗
ポット5に適切な培地の充填がなされるのであるが、仮
に、培地1の角が欠けていて、膨張後に押圧しても適切
な培地の充填が行なわれなかった場合にも、バーミキュ
ライトや土等の覆土14で育苗ポット5内の培地を適切
な量に補正できて、個々の苗が不均一に成長したり苗の
育苗に支障を来したりすることなく、良好な育苗が行な
えて、良質の苗を得ることができる(図12)。尚、覆
土14にはバーミキュライトを用いると、比重が軽いの
で、種子が出芽し易く出芽率が向上し、また、保水性が
良いので育苗も容易である。そして、適度に成長した苗
は栽培圃場に移植される。このとき、育苗ポット5の底
部の孔6から苗の底を指で押し上げることにより育苗ポ
ット5…内に収容された苗を押し出すと容易に苗を育苗
容器4の育苗ポット5…から取り出すことができるが、
この育苗容器4を野菜移植機に装填して苗の移植を機械
で行なう場合には、図13のような苗押出し具7を用い
ると良い。
2部をバーミキュライト若しくは土にて覆土14して育
苗が行われる(図11)。その時、上記のように各育苗
ポット5に適切な培地の充填がなされるのであるが、仮
に、培地1の角が欠けていて、膨張後に押圧しても適切
な培地の充填が行なわれなかった場合にも、バーミキュ
ライトや土等の覆土14で育苗ポット5内の培地を適切
な量に補正できて、個々の苗が不均一に成長したり苗の
育苗に支障を来したりすることなく、良好な育苗が行な
えて、良質の苗を得ることができる(図12)。尚、覆
土14にはバーミキュライトを用いると、比重が軽いの
で、種子が出芽し易く出芽率が向上し、また、保水性が
良いので育苗も容易である。そして、適度に成長した苗
は栽培圃場に移植される。このとき、育苗ポット5の底
部の孔6から苗の底を指で押し上げることにより育苗ポ
ット5…内に収容された苗を押し出すと容易に苗を育苗
容器4の育苗ポット5…から取り出すことができるが、
この育苗容器4を野菜移植機に装填して苗の移植を機械
で行なう場合には、図13のような苗押出し具7を用い
ると良い。
【0015】即ち、苗押出し具7は、野菜移植機の機体
に設けられた作動装置に連結された作動棒15・15に
固定の連結板16に8個の苗押し部17…が一列に設け
られている(図4で育苗容器4の縦方向の8つの育苗ポ
ット5…と同じピッチで配置されている)。そして、苗
押し部17は、育苗ポット5の底面部の孔6と4つの溝
9と貫通路9aよりなる底面部の十字状の貫通孔に底面
側から嵌入する平面視で十字状の板体で形成されてお
り、その上端には凹み部18が設けられている。
に設けられた作動装置に連結された作動棒15・15に
固定の連結板16に8個の苗押し部17…が一列に設け
られている(図4で育苗容器4の縦方向の8つの育苗ポ
ット5…と同じピッチで配置されている)。そして、苗
押し部17は、育苗ポット5の底面部の孔6と4つの溝
9と貫通路9aよりなる底面部の十字状の貫通孔に底面
側から嵌入する平面視で十字状の板体で形成されてお
り、その上端には凹み部18が設けられている。
【0016】ここで、苗押出し作用を説明すると、苗押
出し具7は、野菜移植機に装填された育苗容器4の底面
側に配置されており、作動装置により育苗容器4の底面
側から苗を押出し作用するようにイ−ロ方向に往復動す
る。即ち、図14の状態からイ方向に作動すると、8個
の苗押し部17…が同時に育苗容器4の8つの育苗ポッ
ト5…の底面側から嵌入し、その上端凹み部18にて苗
の底部を支持した状態で図15の位置まで苗を押し出
す。その後、苗の上方から苗掴み装置で培地1’の上部
を掴んで、育苗ポット5から苗を抜き取り、周知の嘴状
移植具に苗を移して、嘴状移植具にて圃場に苗を植付け
る。このとき、苗押出し具7の苗押し部17…は、育苗
ポット5の底面側から苗を保持した状態で育苗ポット5
に嵌入して苗の培地1’の上半部が育苗ポット5から出
る位置まで押し出すので、苗掴み装置で苗が掴みやす
く、適切な苗の移植が可能となる。
出し具7は、野菜移植機に装填された育苗容器4の底面
側に配置されており、作動装置により育苗容器4の底面
側から苗を押出し作用するようにイ−ロ方向に往復動す
る。即ち、図14の状態からイ方向に作動すると、8個
の苗押し部17…が同時に育苗容器4の8つの育苗ポッ
ト5…の底面側から嵌入し、その上端凹み部18にて苗
の底部を支持した状態で図15の位置まで苗を押し出
す。その後、苗の上方から苗掴み装置で培地1’の上部
を掴んで、育苗ポット5から苗を抜き取り、周知の嘴状
移植具に苗を移して、嘴状移植具にて圃場に苗を植付け
る。このとき、苗押出し具7の苗押し部17…は、育苗
ポット5の底面側から苗を保持した状態で育苗ポット5
に嵌入して苗の培地1’の上半部が育苗ポット5から出
る位置まで押し出すので、苗掴み装置で苗が掴みやす
く、適切な苗の移植が可能となる。
【0017】また、苗育苗時に育苗容器4の各育苗ポッ
ト5…中で発芽しなかったものや枯れたものや苗の成長
が悪いものは、培地1’ごと抜き取って、他の育苗容器
4で育苗した正常な苗と交換する。この時、培地1’ご
と苗を抜き取る作業に、上記の苗押出し具7を用いる
と、発芽しなかったものや枯れたものや苗の成長が悪い
ものの培地はきれいに抜き取れるし、交換する正常な苗
を育苗ポット5から抜き取る作業も苗を痛めることなく
容易に行なえ、作業能率が非常に良い。
ト5…中で発芽しなかったものや枯れたものや苗の成長
が悪いものは、培地1’ごと抜き取って、他の育苗容器
4で育苗した正常な苗と交換する。この時、培地1’ご
と苗を抜き取る作業に、上記の苗押出し具7を用いる
と、発芽しなかったものや枯れたものや苗の成長が悪い
ものの培地はきれいに抜き取れるし、交換する正常な苗
を育苗ポット5から抜き取る作業も苗を痛めることなく
容易に行なえ、作業能率が非常に良い。
【0018】一方、この育苗容器4の各育苗ポット5…
には溝9…が設けられており、培地1’が膨張時に溝9
…内に入り込んで溝を埋めてしまわないので、溝9…内
には空間が形成されている(この溝9…は底面で外部と
連通している)。従って、育苗時に、苗の根が伸長して
培地内から溝9…内に出て伸びようとしたとき、エアー
プルーニング効果により、そこで根の伸長が止まる。よ
って、育苗期間が長くなって根が培地外周面に沿って過
密に巻いた状態になるのが防止され、圃場へ移植したと
きの苗の活着が良好となる。(尚、根が伸長し過ぎて培
地外周面に沿って過密に巻いた状態になると、移植後、
圃場に活着しようとする新しい根が培地外周面に過密に
巻いた根に阻止されて、培地の外の土壌に根が伸長しに
くくなり活着しにくくなる問題がある。) 更に詳述すると、上記のような育苗上の効果を有する育
苗ポット5…を形成した育苗容器4を用いた育苗を行う
とき、前記のように、圧縮成形培地1を、その圧縮され
た方向が上下方向となる姿勢で各育苗ポット5内に入
れ、そのように入れた圧縮成形培地1に水を含ませるこ
とで培地1を各育苗ポット5内で膨張させて充満させ、
育苗ポット5内に培地を充填する方法をとると、その圧
縮成形培地1は、水を含むと水平方向には大きく膨張せ
ず上下方向に大きく膨張するから、溝9…内を埋めるよ
うに培地が入り込むことがなく溝9…内に空間が形成さ
れる状態に培地を育苗ポット5内に充填することが容易
に行なえ、従って、この育苗ポット5…の溝9…による
エアープルーニング効果を充分に奏する状態での播種、
育苗が容易に行なえるものとなる。
には溝9…が設けられており、培地1’が膨張時に溝9
…内に入り込んで溝を埋めてしまわないので、溝9…内
には空間が形成されている(この溝9…は底面で外部と
連通している)。従って、育苗時に、苗の根が伸長して
培地内から溝9…内に出て伸びようとしたとき、エアー
プルーニング効果により、そこで根の伸長が止まる。よ
って、育苗期間が長くなって根が培地外周面に沿って過
密に巻いた状態になるのが防止され、圃場へ移植したと
きの苗の活着が良好となる。(尚、根が伸長し過ぎて培
地外周面に沿って過密に巻いた状態になると、移植後、
圃場に活着しようとする新しい根が培地外周面に過密に
巻いた根に阻止されて、培地の外の土壌に根が伸長しに
くくなり活着しにくくなる問題がある。) 更に詳述すると、上記のような育苗上の効果を有する育
苗ポット5…を形成した育苗容器4を用いた育苗を行う
とき、前記のように、圧縮成形培地1を、その圧縮され
た方向が上下方向となる姿勢で各育苗ポット5内に入
れ、そのように入れた圧縮成形培地1に水を含ませるこ
とで培地1を各育苗ポット5内で膨張させて充満させ、
育苗ポット5内に培地を充填する方法をとると、その圧
縮成形培地1は、水を含むと水平方向には大きく膨張せ
ず上下方向に大きく膨張するから、溝9…内を埋めるよ
うに培地が入り込むことがなく溝9…内に空間が形成さ
れる状態に培地を育苗ポット5内に充填することが容易
に行なえ、従って、この育苗ポット5…の溝9…による
エアープルーニング効果を充分に奏する状態での播種、
育苗が容易に行なえるものとなる。
【0019】一方、育苗容器4は、発砲スチロールを材
料として成形されているので、断熱性が良くて根部の温
度が必要以上に上がることが防止され、夏場の熱い時期
に苗を育苗しても、苗がひょろ長く伸びてしまう徒長を
防止でき、健全な苗の育成が行なえる。さて、植物繊維
を含む材料を圧縮成形した培地1には、圧縮成形後、水
を含ませて膨張させると、圧縮成形時の圧縮方向とは略
々反対方向に向かう膨張が大きいという特性がある。例
えば、図1に示すタブレットの形状の圧縮成形培地1
を、ピートモスを用いて、上下方向から圧縮して成形し
たところ、圧縮成形時の大きさが直径15mm×高さ1
5mmの大きさのものが、水を含んで膨張すると、圧縮
方向の反対方向の膨張が、高さ15mmから高さ38〜
39mmとなって約2.5倍の膨張となり、圧縮方向に
交差する方向の膨張が、直径15mmから直径18〜1
9mmとなって約1.2倍の膨張となった。
料として成形されているので、断熱性が良くて根部の温
度が必要以上に上がることが防止され、夏場の熱い時期
に苗を育苗しても、苗がひょろ長く伸びてしまう徒長を
防止でき、健全な苗の育成が行なえる。さて、植物繊維
を含む材料を圧縮成形した培地1には、圧縮成形後、水
を含ませて膨張させると、圧縮成形時の圧縮方向とは略
々反対方向に向かう膨張が大きいという特性がある。例
えば、図1に示すタブレットの形状の圧縮成形培地1
を、ピートモスを用いて、上下方向から圧縮して成形し
たところ、圧縮成形時の大きさが直径15mm×高さ1
5mmの大きさのものが、水を含んで膨張すると、圧縮
方向の反対方向の膨張が、高さ15mmから高さ38〜
39mmとなって約2.5倍の膨張となり、圧縮方向に
交差する方向の膨張が、直径15mmから直径18〜1
9mmとなって約1.2倍の膨張となった。
【0020】この圧縮成形培地1には、上記のように膨
張する特性があるので、育苗容器4の育苗ポット5内に
入れた圧縮成形培地1が、その圧縮方向が水平方向とな
る姿勢になっていると、育苗ポット5の内側面5aに向
かって圧縮成形培地1が膨張しようとするため、培地1
が育苗ポット5内に充満しなくなる問題がある。そこ
で、育苗容器4に設けた多数の育苗ポット5に、植物繊
維を含む材料を育苗ポット5より小さく圧縮成形した培
地1を入れ、該圧縮成形培地1に水を含ませることで培
地1を各育苗ポット5内で膨張させて充満させる育苗容
器への培地充填方法において、前記圧縮成形された培地
1を、その圧縮された方向が上下方向となる姿勢で各育
苗ポット5内に入れる培地充填方法を採用することによ
り、圧縮成形培地1…が、各育苗ポット5…内で充満す
るよう確実に膨張する。よって、育苗容器4の各育苗ポ
ット5…への培地充填作業が能率良く行なえるようにな
る。
張する特性があるので、育苗容器4の育苗ポット5内に
入れた圧縮成形培地1が、その圧縮方向が水平方向とな
る姿勢になっていると、育苗ポット5の内側面5aに向
かって圧縮成形培地1が膨張しようとするため、培地1
が育苗ポット5内に充満しなくなる問題がある。そこ
で、育苗容器4に設けた多数の育苗ポット5に、植物繊
維を含む材料を育苗ポット5より小さく圧縮成形した培
地1を入れ、該圧縮成形培地1に水を含ませることで培
地1を各育苗ポット5内で膨張させて充満させる育苗容
器への培地充填方法において、前記圧縮成形された培地
1を、その圧縮された方向が上下方向となる姿勢で各育
苗ポット5内に入れる培地充填方法を採用することによ
り、圧縮成形培地1…が、各育苗ポット5…内で充満す
るよう確実に膨張する。よって、育苗容器4の各育苗ポ
ット5…への培地充填作業が能率良く行なえるようにな
る。
【0021】また、この圧縮成形培地1は、上記のよう
に、水を含むと圧縮方向とは略々反対方向に大きく膨張
するが、その膨張後の培地1’は、膨張方向(上下方
向)の剪断に対しては強く、その膨張方向と交差する方
向(左右方向)の剪断に対しては弱い特性がある。従
来、エアープルーニング効果により根巻きが起こってい
ない苗の茎を持って上方に引っ張って抜こうとすると、
根が培地に絡んでいないため苗だけが引き抜かれてしま
って培地ごと苗を引き抜くことはできにくく、また、育
苗ポットの底部の孔に具を押し込んで培地ごと苗を取り
出そうとしても、根が培地に絡んでいないため底部に押
し込んだ具が土を崩してしまい培地ごと苗を押し上げる
ことができにくい問題がある。
に、水を含むと圧縮方向とは略々反対方向に大きく膨張
するが、その膨張後の培地1’は、膨張方向(上下方
向)の剪断に対しては強く、その膨張方向と交差する方
向(左右方向)の剪断に対しては弱い特性がある。従
来、エアープルーニング効果により根巻きが起こってい
ない苗の茎を持って上方に引っ張って抜こうとすると、
根が培地に絡んでいないため苗だけが引き抜かれてしま
って培地ごと苗を引き抜くことはできにくく、また、育
苗ポットの底部の孔に具を押し込んで培地ごと苗を取り
出そうとしても、根が培地に絡んでいないため底部に押
し込んだ具が土を崩してしまい培地ごと苗を押し上げる
ことができにくい問題がある。
【0022】そこで、上記育苗容器への培地充填方法を
用いて育苗した育苗方法をとると、即ち、育苗容器4に
設けた多数の育苗ポット5に、植物繊維を含む材料を育
苗ポット5より小さく圧縮成形した培地1を入れ、該圧
縮成形培地1に水を含ませることで培地1を各育苗ポッ
ト5内で膨張させて充満させ、該膨張後の培地1’に播
種して育苗する育苗方法において、前記圧縮成形培地1
…をその圧縮された方向が上下方向となる姿勢で各育苗
ポット5…内に入れ、該培地1…に水を含ませて培地1
…を各育苗ポット5…内で膨張させて充満させ、その
後、該膨張後の培地1’…に播種して育苗する育苗方法
をとることにより、各育苗ポット5…内で育苗された苗
の培地1は上下方向の剪断に対して強いことになるか
ら、苗の茎を持って上方に引っ張って抜くことができ、
また、育苗ポット5…の底部から苗押出し具7…を差し
込んで育苗ポット5…内に収容された苗を押し出すとき
に培地1が崩れにくく、苗の根があまり伸びていないと
きでも、従来に比べて苗を育苗ポット5…から取り出し
やすくなる。従って、移植機にて苗の植付けができる適
応性の高い苗(各育苗ポット5…内から上方に引き抜く
装置や下方から押し出す装置にて抜きやすい苗)を育成
することができる。
用いて育苗した育苗方法をとると、即ち、育苗容器4に
設けた多数の育苗ポット5に、植物繊維を含む材料を育
苗ポット5より小さく圧縮成形した培地1を入れ、該圧
縮成形培地1に水を含ませることで培地1を各育苗ポッ
ト5内で膨張させて充満させ、該膨張後の培地1’に播
種して育苗する育苗方法において、前記圧縮成形培地1
…をその圧縮された方向が上下方向となる姿勢で各育苗
ポット5…内に入れ、該培地1…に水を含ませて培地1
…を各育苗ポット5…内で膨張させて充満させ、その
後、該膨張後の培地1’…に播種して育苗する育苗方法
をとることにより、各育苗ポット5…内で育苗された苗
の培地1は上下方向の剪断に対して強いことになるか
ら、苗の茎を持って上方に引っ張って抜くことができ、
また、育苗ポット5…の底部から苗押出し具7…を差し
込んで育苗ポット5…内に収容された苗を押し出すとき
に培地1が崩れにくく、苗の根があまり伸びていないと
きでも、従来に比べて苗を育苗ポット5…から取り出し
やすくなる。従って、移植機にて苗の植付けができる適
応性の高い苗(各育苗ポット5…内から上方に引き抜く
装置や下方から押し出す装置にて抜きやすい苗)を育成
することができる。
【0023】尚、また、育苗ポット5が平面視円形なの
で、上記圧縮成形培地1の平面視形状も円形のものを用
いるが、育苗ポットが平面視四角形であれば、それに入
れる圧縮成形培地の平面視形状も四角形のものを用いる
と、育苗ポット内に入れた培地に水を含ませて膨張させ
たとき、適確に育苗ポット内に培地が充満する。よっ
て、圧縮成形培地の平面視形状は、それを入れる育苗容
器の育苗ポットの平面視形状に合わせたものとすると、
良好に育苗ポット内に培地を充満させられる。
で、上記圧縮成形培地1の平面視形状も円形のものを用
いるが、育苗ポットが平面視四角形であれば、それに入
れる圧縮成形培地の平面視形状も四角形のものを用いる
と、育苗ポット内に入れた培地に水を含ませて膨張させ
たとき、適確に育苗ポット内に培地が充満する。よっ
て、圧縮成形培地の平面視形状は、それを入れる育苗容
器の育苗ポットの平面視形状に合わせたものとすると、
良好に育苗ポット内に培地を充満させられる。
【0024】次に、図16及び図17にて、苗押出し具
7の第2実施例を示す。この第2実施例の苗押出し具7
は、野菜移植機の機体に設けられた作動装置により往復
駆動され一列に並べて配置された8本の作動棒20…の
先端に苗押し部21…が各々設けられている(図4で育
苗容器4の縦方向の8つの育苗ポット5…と同じピッチ
で8本の作動棒20…及び苗押し部21…は配置されて
いる)。そして、苗押し部21は、育苗ポット5の底面
部の孔6と4つの溝9と貫通路9aよりなる底面部の十
字状の貫通孔に底面側から嵌入する平面視で十字状に形
成された4本の針状部22…よりなり、4本の針状部2
1…を有する苗押し部22の内形状は培地1’の外周形
状と同じになっており、その外幅W1は対向する2つの
溝9の各々の上端が育苗ポット5の内側面5aに達する
点間の距離W2よりも若干小さく形成されている。ま
た、作動棒20の直径は、育苗ポット5の底面部の孔6
の直径よりも小さく形成されている。従って、この苗押
出し作用を説明すると、苗押出し具7は、野菜移植機に
装填された育苗容器4の底面側に配置されており、作動
装置により育苗容器4の底面側から苗を押出し作用する
ようにイ−ロ方向に往復動する。即ち、図16の状態か
らイ方向に作動すると、8個の苗押し部21…が同時に
育苗容器4の8つの育苗ポット5…の底面側から嵌入
し、4本の針状部21…にて各々苗の培地1’を支持し
た状態で図17の位置まで苗を押し出す。その後、完全
に育苗ポット5から離れた苗の培地1’を苗掴み装置で
掴んで、4本の針状部21…から苗を抜き取り、周知の
嘴状移植具に苗を移して、嘴状移植具にて圃場に苗を植
付ける。
7の第2実施例を示す。この第2実施例の苗押出し具7
は、野菜移植機の機体に設けられた作動装置により往復
駆動され一列に並べて配置された8本の作動棒20…の
先端に苗押し部21…が各々設けられている(図4で育
苗容器4の縦方向の8つの育苗ポット5…と同じピッチ
で8本の作動棒20…及び苗押し部21…は配置されて
いる)。そして、苗押し部21は、育苗ポット5の底面
部の孔6と4つの溝9と貫通路9aよりなる底面部の十
字状の貫通孔に底面側から嵌入する平面視で十字状に形
成された4本の針状部22…よりなり、4本の針状部2
1…を有する苗押し部22の内形状は培地1’の外周形
状と同じになっており、その外幅W1は対向する2つの
溝9の各々の上端が育苗ポット5の内側面5aに達する
点間の距離W2よりも若干小さく形成されている。ま
た、作動棒20の直径は、育苗ポット5の底面部の孔6
の直径よりも小さく形成されている。従って、この苗押
出し作用を説明すると、苗押出し具7は、野菜移植機に
装填された育苗容器4の底面側に配置されており、作動
装置により育苗容器4の底面側から苗を押出し作用する
ようにイ−ロ方向に往復動する。即ち、図16の状態か
らイ方向に作動すると、8個の苗押し部21…が同時に
育苗容器4の8つの育苗ポット5…の底面側から嵌入
し、4本の針状部21…にて各々苗の培地1’を支持し
た状態で図17の位置まで苗を押し出す。その後、完全
に育苗ポット5から離れた苗の培地1’を苗掴み装置で
掴んで、4本の針状部21…から苗を抜き取り、周知の
嘴状移植具に苗を移して、嘴状移植具にて圃場に苗を植
付ける。
【0025】この時、苗押出し具7の苗押し部21…
は、育苗ポット5の底面側から苗を保持した状態で育苗
ポット5を貫通して苗を育苗ポット5から離れた上方位
置まで押し出すので、以後の苗掴み装置での苗の取扱い
が容易となり、適切な苗の移植が可能となる。また、第
1実施例と同様に、不良苗を培地1’ごと抜き取る作業
にもこの苗押出し具7は更に有効に利用できる。
は、育苗ポット5の底面側から苗を保持した状態で育苗
ポット5を貫通して苗を育苗ポット5から離れた上方位
置まで押し出すので、以後の苗掴み装置での苗の取扱い
が容易となり、適切な苗の移植が可能となる。また、第
1実施例と同様に、不良苗を培地1’ごと抜き取る作業
にもこの苗押出し具7は更に有効に利用できる。
【0026】最後に、図18,図19,及び図20に
て、育苗容器4の育苗ポット5…の第2実施例とその苗
押出し具7の説明をする。この育苗ポット5…は、4つ
の溝9・9・9・9及び孔6及び貫通路9a…の形状は
略同じで、育苗ポット5の内容部の大きさを、底部直径
D3=18mm、上端開口部の口径D2=28mm、深
さH2=37mmに形成し、内側面5aの傾斜を緩やか
なものにして、対向する2つの溝9の各々の上端が育苗
ポット5の内側面5aに達する点間の距離W3を苗押出
し具7の苗押し部17の外幅W4よりも若干大きくなる
ように形成されている。尚、苗押出し具7の構造は第1
実施例と殆ど同じであるが、苗押し部17の長さが育苗
ポット5を底面側から貫通して上面よりも上方にまで達
するように長く形成されている。
て、育苗容器4の育苗ポット5…の第2実施例とその苗
押出し具7の説明をする。この育苗ポット5…は、4つ
の溝9・9・9・9及び孔6及び貫通路9a…の形状は
略同じで、育苗ポット5の内容部の大きさを、底部直径
D3=18mm、上端開口部の口径D2=28mm、深
さH2=37mmに形成し、内側面5aの傾斜を緩やか
なものにして、対向する2つの溝9の各々の上端が育苗
ポット5の内側面5aに達する点間の距離W3を苗押出
し具7の苗押し部17の外幅W4よりも若干大きくなる
ように形成されている。尚、苗押出し具7の構造は第1
実施例と殆ど同じであるが、苗押し部17の長さが育苗
ポット5を底面側から貫通して上面よりも上方にまで達
するように長く形成されている。
【0027】ここで、この苗押出し作用を説明すると、
苗押出し具7は、野菜移植機に装填された育苗容器4の
底面側に配置されており、作動装置により育苗容器4の
底面側から苗を押出し作用するようにイ−ロ方向に往復
動する。即ち、イ方向に作動すると図20の状態とな
り、8個の苗押し部17…が同時に育苗容器4の8つの
育苗ポット5…の底面側から嵌入し、その上端凹み部1
8にて苗の培地1’下半分を支持した状態で育苗ポット
5から完全に抜き出た位置まで苗を押し出す。その後、
苗掴み装置で培地1’を掴んで苗押し部17から苗を取
り、周知の嘴状移植具に苗を移して、嘴状移植具にて圃
場に苗を植付ける。
苗押出し具7は、野菜移植機に装填された育苗容器4の
底面側に配置されており、作動装置により育苗容器4の
底面側から苗を押出し作用するようにイ−ロ方向に往復
動する。即ち、イ方向に作動すると図20の状態とな
り、8個の苗押し部17…が同時に育苗容器4の8つの
育苗ポット5…の底面側から嵌入し、その上端凹み部1
8にて苗の培地1’下半分を支持した状態で育苗ポット
5から完全に抜き出た位置まで苗を押し出す。その後、
苗掴み装置で培地1’を掴んで苗押し部17から苗を取
り、周知の嘴状移植具に苗を移して、嘴状移植具にて圃
場に苗を植付ける。
【0028】この時、苗押出し具7の苗押し部17…
は、育苗ポット5の底面側から苗を保持した状態で育苗
ポット5を貫通して苗を育苗ポット5から離れた上方位
置まで押し出すので、以後の苗掴み装置での苗の取扱い
が容易となり、適切な苗の移植が可能となる。また、第
1実施例及び第2実施例と同様に、不良苗を培地1’ご
と抜き取る作業にもこの苗押出し具7は有効に利用でき
る。
は、育苗ポット5の底面側から苗を保持した状態で育苗
ポット5を貫通して苗を育苗ポット5から離れた上方位
置まで押し出すので、以後の苗掴み装置での苗の取扱い
が容易となり、適切な苗の移植が可能となる。また、第
1実施例及び第2実施例と同様に、不良苗を培地1’ご
と抜き取る作業にもこの苗押出し具7は有効に利用でき
る。
【0029】尚、上記の例においては、育苗容器4に多
数配列した育苗ポットの例を示したが、植木鉢やビニー
ルポット(鉢)等の単体の育苗ポットに本願発明を用い
ても良いことは、謂うまでもない。
数配列した育苗ポットの例を示したが、植木鉢やビニー
ルポット(鉢)等の単体の育苗ポットに本願発明を用い
ても良いことは、謂うまでもない。
【図1】圧縮成形培地1の一例を示す斜視図である。
【図2】圧縮成形培地1の圧縮成形の一例を示す側面図
である。
である。
【図3】育苗容器4の一例を示す斜視図である。
【図4】育苗容器4の底面図である。
【図5】育苗容器4の育苗ポット5の平面図である。
【図6】図5のS1−S1断面図である。
【図7】圧縮成形培地1の育苗ポット5への装填例を示
す断面側面図である。
す断面側面図である。
【図8】育苗ポット5へ装填した圧縮成形培地1が水を
含んで膨張が終了した状態を示す断面側面図である。
含んで膨張が終了した状態を示す断面側面図である。
【図9】播種穴形成ロール10による作用説明側面図で
ある。
ある。
【図10】播種穴12が形成された状態を示す断面側面
図である。
図である。
【図11】播種穴12に播種して覆土14した状態を示
す断面側面図である。
す断面側面図である。
【図12】苗が成育した状態を示す断面側面図である。
【図13】苗押出し具7の斜視図である。
【図14】苗が成育した状態の育苗ポット5に対する苗
押出し具7の作用説明図である。
押出し具7の作用説明図である。
【図15】苗が成育した状態の育苗ポット5に対する苗
押出し具7の作用説明図である。
押出し具7の作用説明図である。
【図16】第2実施例を示す作用説明図である。
【図17】第2実施例を示す作用説明図である。
【図18】第3実施例を示す育苗ポット5の平面図であ
る。
る。
【図19】図18のS2−S2断面図である。
【図20】第3実施例を示す作用説明図である。
1 培地(圧縮成形培地) 4 育苗容器 5 育苗ポット 5a 育苗ポットの内側面 6 孔 9 溝
Claims (4)
- 【請求項1】 育苗ポット5の内側面5aに上端は育苗
ポット5の上端開口部よりも下方で下端は底面まで貫通
する溝9を設けたことを特徴とする育苗容器。 - 【請求項2】 育苗ポット5の内側面5aに上端は育苗
ポット5の上端開口部よりも下方で下端は底面まで貫通
する溝9を設けると共に、該溝9の下端部を育苗ポット
5の底中央部に設けた孔6に連通させたことを特徴とす
る育苗容器。 - 【請求項3】 発砲スチロール等の断熱性の良い素材で
成形されていることを特徴とする請求項1または請求項
2記載の育苗容器。 - 【請求項4】 請求項1または請求項2または請求項3
記載の育苗容器4の育苗ポット5に圧縮成形された培地
1をその圧縮された方向が上下方向となる姿勢で入れ、
該培地1に水を含ませて膨張させ、播種して育苗する育
苗方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1923698A JPH11215922A (ja) | 1998-01-30 | 1998-01-30 | 育苗容器と育苗方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1923698A JPH11215922A (ja) | 1998-01-30 | 1998-01-30 | 育苗容器と育苗方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11215922A true JPH11215922A (ja) | 1999-08-10 |
Family
ID=11993766
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1923698A Pending JPH11215922A (ja) | 1998-01-30 | 1998-01-30 | 育苗容器と育苗方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11215922A (ja) |
-
1998
- 1998-01-30 JP JP1923698A patent/JPH11215922A/ja active Pending
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