JPH1121577A - 金型潤滑剤 - Google Patents

金型潤滑剤

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JPH1121577A
JPH1121577A JP9195018A JP19501897A JPH1121577A JP H1121577 A JPH1121577 A JP H1121577A JP 9195018 A JP9195018 A JP 9195018A JP 19501897 A JP19501897 A JP 19501897A JP H1121577 A JPH1121577 A JP H1121577A
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oil
ptfe powder
fatty acid
metal salt
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Mamoru Sakai
衛 界
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ダイキャスト金型などに用いる潤滑剤に関
し、保温性、濡れ性に優れ、比較的低粘度で、PTFE
粉末が安定に分散した潤滑剤を提供する。 【解決手段】 植物油、動物油、鉱油、エステル化油、
混合油及び変性油からなる群の中から選ばれた一の基油
と、この基油に溶解している高級脂肪酸の多価金属塩に
よって分散されたテトラフロロエチレン重合体粉末とを
含んでいる。PTFE粉末の平均粒径は、工業的には
0.2〜20μである。金型潤滑剤の基油は、溶湯の接
触時に燃焼し、一部が炭化しグラファイト化して潤滑・
離型作用を示す。基油はPTFE粉末の分散媒でもあ
る。高級脂肪酸の多価金属塩は、これが溶解する温度ま
で基油を加熱攪拌し、溶解後任意の温度でPTFE粉末
を加え高速高シェアーの分散機または乳化機でPTFE
粉末を分散する。少量の脂肪酸の多価金属塩を基油に溶
解するだけでPTFE粉末の沈降を防止できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ダイ、コアロッド
等の工具(金型)の表面に塗る金型潤滑剤に関するもの
であり、アルミダイキャスト用の金型などに特に好適な
潤滑剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えばダイキャストマシンでは、アルミ
ニウム合金、亜鉛合金、マグネシウム合金、錫合金、鉛
合金、銅、銅合金、金、銀、鉄、鉄合金等の溶融液(溶
湯)を鋳込み口から流れ道(湯道)を通してキャビティ
へ流し込み、固化したあと金型を開いて製品を取り出し
ている。この際、溶湯が湯道を滑らかに通過してキャビ
ティに流れ込むようにするために、また、鋳込み口や湯
道を冷やさないために、鋳型や湯道の導入口(スリーブ
と称される)や溶湯を押し込む金棒(チップと称され
る)に金型潤滑剤が塗布されている。
【0003】従来の金型潤滑剤は、テトラフロロエチレ
ン重合体粉末(以下「PTFE粉末」と略する)をポリ
ビニールアルコール樹脂で水中に分散させたもの(水中
分散型、特公昭40−180409号公報)、基油を有
機アマイドで増粘し、この粘稠液にPTFE粉末(必要
により高級脂肪酸リチウムを添加)をコロイド状に分散
させたもの(第1の油中分散型、特開平3−12119
7号公報)および水分を0.02%以下に抑えた基油に
平均粒径2〜20ミクロンのPTFE粉末を分散し、脂
肪酸アマイドで増粘したもの(第2の油中分散型、特開
平7−292381号公報)などがある。
【0004】金型潤滑剤のPTFE粉末は、溶湯に含ま
れているガスによって生ずるいろいろな障害を避けるた
めの脱ガス剤として作用するものであり、溶湯に接触す
ると熱分解して、フッ化水素ガス等に変化するが、直ち
に溶湯と化学反応してフッ化金属となり、その殆どが製
品表面または鋳型表面あるいはスリーブ表面に残り、有
害なフッ化ガスとして外部に気散することはない。水中
分散型のものではPTFE粉末が水中に安定に分散する
が、油中分散型のものではPTFE粉末が基油中で安定
に分散することが困難とされており(特開平7−292
381号公報の1欄48行)、従ってPTFE粉末の沈
降を防ぐ方法として、第1の油中分散型では、ステアリ
ン酸リチウム等の1価のアルカリ金属塩(特開平3−1
21197号公報)を用いており、第2の油中分散型で
は、脂肪酸アマイドの増粘効果又はベントナイト等の無
機増粘剤で基油の粘度を上昇させる方法を用いている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記従来の金型潤滑剤
のうち、水中分散型のものは、水性であるため、冷却作
用があり、濡れ性が悪く、使用されない傾向にある。油
中分散型のものは、冷却作用がなく、本質的に油性であ
るので、表面張力が水に比べてかなり低く、ダイキャス
トチップや鋳型に対する濡れ性が良好であり、湯道の溶
湯を押し出すプランジャへの濡れ性に優れ、優れた潤滑
性や離型性を示す。
【0006】しかし、第1の油中分散型のものは、ステ
アリン酸リチウム等の1価のアルカリ金属塩(1価の高
級脂肪酸金属塩)の基油への溶解度はゼロに近く、高級
脂肪酸塩を粉末で基油に分散使用しても、PTFE粉末
の分散作用がなく、経時的にPTFE粉末が沈降し、P
TFE粉末への充分な分散力が認められない。一方、第
2の油中分散型ものは、高温の溶湯、特に鉄の圧延工程
で燃焼時の有機アマイドの窒素成分による酸化作用で製
品を損なうので、脂肪酸アマイドの添加は避ける必要が
ある。更に、圧延工程では高い粘性は取り扱いが不便で
ある欠点も有していた。また、脂肪酸アマイドはその増
粘機構から、温度が高くなると次第に、特に40℃を超
えると増粘機構である分子架橋ネットワークが基油に溶
解し、著しく粘度が低下し、冷却してももはや増粘性を
回復することはなく、温度安定性に欠けていた。また、
ベントナイト等の無機増粘剤は燃焼することがないの
で、製品表面に残り、製品の表面仕上げを悪化させる傾
向があった。
【0007】また、油中分散型の金型潤滑剤は、引火性
が高いという問題を有し、高温の溶湯作業現場では火災
に対する細心の配慮が必要となる。更に、換気の不十分
な現場では基油の燃焼によって発生する悪臭や刺激臭が
問題になることが多かった。従って、従来の製造現場で
は、これまでの水中分散型と油中分散型の欠点を克服し
た性能の金型潤滑剤が要望されていた。
【0008】本発明は、保温作用があり、濡れ性に優
れ、比較的低粘度で、PTFE粉末が安定に分散した金
型潤滑剤を提供することを第1の課題としている。更
に、本発明は、引火性の低い金型潤滑剤を提供すること
を第2の課題としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1の金型潤滑剤
は、植物油、動物油、鉱油、エステル化油、混合油及び
変性油からなる群の中から選ばれた一の基油と、この基
油に溶解している高級脂肪酸の多価金属塩によって分散
されたテトラフロロエチレン重合体粉末とを含んでいる
ことを特徴とするものである。植物油とは、菜種油、大
豆油、ヤシ油等の常温で液状のものであり、動物油とは
魚油等の常温で液状のものであり、鉱油とは灯油や軽油
等である。さらに、エステル化油とは、植物油及び動物
油を加水分解して製造した脂肪酸及び牛脂や豚脂等を加
水分解して製造した脂肪酸をエステル化したものであ
る。混合油とは前記油を2種以上混合したものである。
変性油とは前記油にポリブテンやワックス類等の他の成
分を助剤として加えたものである。
【0010】PTFE粉末は、平均粒子径が約0.01
μから100μの粉末である。微粉末が好ましいが、工
業的には0.2から20μの平均粒子径で供給される。
【0011】高級脂肪酸の多価金属塩の高級脂肪酸と
は、動植物油等を加工分離精製して得られる飽和脂肪酸
又は不飽和脂肪酸であり、又は化学合成して得られるも
のである。高級脂肪酸は炭素数が6個以上の脂肪酸であ
り、その例としては、カプリル酸、カプリン酸、ラウリ
ル酸、ミスチン酸、パルミチン酸、オレイン酸、ステア
リン酸、リノール酸、リノレイン酸、アラキジン酸、エ
イコセン酸、エルシン酸、リグノセリン酸、ベヘニン酸
等であり、魚油,ヤシ油、牛脂等からの加工精製物又は
化学合成品の高級脂肪酸である。多価金属とは、2価以
上の金属であり、前記高級脂肪酸との塩を形成する金属
である。アルカリ金属を含まない2価以上の金属であ
り、亜鉛、カルシウム、アルミニウム、マグネシウム、
バリウム等である。
【0012】高級脂肪酸の多価金属塩は上記基油に溶解
しなければならない。室温では基油に殆ど溶解しなくて
も、溶解温度まで加熱すると溶解するものであってもよ
い。高級脂肪酸の多価金属塩と基油との組み合わせにも
よるが、一旦溶解すると、室温に戻しても再結晶しない
組み合わせが必要となる。例えば、ステアリン酸アルミ
ニウムと菜種油の場合、120℃以上に加熱すると容易
に溶解し、室温に戻してもステアリン酸アルミニウムが
再結晶して析出することはない。高粘度の金型潤滑剤が
必要の場合、ステアリン酸アルミニウムの溶解量を例え
ば菜種油に対し重量百分率で4%以上に増加すると、溶
解液の室温での粘度が1000cps以上に上昇し、P
TFE粉末を分散するとさらに粘度上昇が見られ、経時
的に安定な高粘度の潤滑剤又は離型剤が得られる。従っ
て、従来の有機アマイドや無機増粘剤の添加での増粘が
不要となる。
【0013】請求項2記載の発明は、請求項1記載の金
型潤滑剤において、基油の重量百分率が99.8から5
0%、高級脂肪酸の多価金属塩の重量百分率が0.1か
ら10%、テトラフロロエチレン重合体粉末の重量百分
率が0.1から40%であることを特徴とするものであ
る。高級脂肪酸の多価金属塩は0.1%以下では、テト
ラフロロエチレン重合体粉末の分散効果が大幅に低下
し、10%を超えると基油への溶解性がなくなる。テト
ラフロロエチレン重合体粉末が0.1以下では、潤滑剤
としての効果が失われ、40%以上では基油に分散して
も粘度が急激に上昇し、そのまま潤滑剤として用いるこ
とができない。基油は分散媒であり、100から高級脂
肪酸の多価金属塩及びテトラフロロエチレン重合体粉末
の重量百分率を減算した数値である。
【0014】請求項3記載の発明は、請求項1記載の金
型潤滑剤において、基油に溶解した高級脂肪酸の多価金
属塩によって分散された水性液体を含んでいることを特
徴とするものてある。水性液体とは水、水にPTFE粉
末を分散した分散液、水にワックス類を乳化した乳化
液、または水に無機物を分散した分散液、あるいは水に
無機物を溶解した水溶液である。水性液体はW/O型の
乳化物として安定に存在していなければならない。これ
を達成する際に、適当な界面活性剤を添加して、高速度
シェアー分散機又は乳化機又は攪拌機で、水性液体を約
0.1μから100μの微粒子に乳化ないし分散する
と、安定なW/O型が得られる。水性液体の量を引火性
がなくなるまで増加すると、非引火性のものとなる。W
/O型乳化物に適する界面活性剤は、HLBが10以下
のノニオン活性剤が好ましい。例えば、高級アルコール
のエチレンオキサイド付加物、ノニルフェノールのエチ
レンオキサイド付加物、ソルビタンアルキルエステル類
等であり、好ましくはHLBが3から8である。添加量
は任意でよいが、通常は基油に対し0.1%から10%
が経済的に好ましい範囲である。
【0015】請求項4記載の発明は、請求項3記載の金
型潤滑剤において、基油の重量百分率が98.8から1
0%、高級脂肪酸の多価金属塩の重量百分率が0.1か
ら10%、テトラフロロエチレン重合体粉末の重量百分
率が0.1から40%であり、残余が水性液体の重量百
分率である。例えば基油98.8%、高級脂肪酸の多価
金属塩0.1%、テトラフロロエチレン重合体粉末0.
1%のときは、水性液体の重量百分率は1.0%であ
り、基油10%、高級脂肪酸の多価金属塩0.1%、テ
トラフロロエチレン重合体粉末0.1%のときは、水性
液体の重量百分率は89.8%である。水性液体が1.
0%以下では引火性が生じ、89.8%を超えるとW/
O型乳化液にならない。
【0016】請求項5記載の発明は、請求項1、2、3
又は4記載の金型潤滑剤において、高級脂肪酸の多価金
属塩として高級脂肪酸のアルミニウム塩を用いたことを
特徴とするものである。
【0017】
【作用】本発明の金型潤滑剤の基油は、溶湯の接触時に
燃焼し、一部が炭化しグラファイト化して潤滑・離型作
用を示す。基油はPTFE粉末の分散媒でもある。
【0018】高級脂肪酸の多価金属塩は、これが溶解す
る温度まで基油を加熱攪拌し、溶解後任意の温度でPT
FE粉末を加え高速高シェアーの分散機または乳化機で
PTFE粉末を分散する。得られた分散液は、PTFE
粉末を比較的低粘度で安定的に基油中に分散している。
従って有機アマイドを含まなくても安定な分散液であ
り、経時的にもPTFE粉末の沈降は認められない。こ
の場合、少量の脂肪酸の多価金属塩を基油に溶解するだ
けで比較的低粘度で比重の大きなPTFE粉末の沈降を
防止することができ、水分含有やフィルタの目詰まりの
原因となる有機アマイド系増粘剤や無機増粘剤を使用し
なくてもよい。鉄又は鉄合金の場合、低粘度が好まれ
る。必要において、高級脂肪酸の多価金属塩の添加量を
多くすることで高粘度のPTFE粉末の分散液が容易に
得られる。従来の有機アマイド増粘で見られた高温での
粘度低下はなく、広い温度領域で粘度安定が得られる。
【0019】基油にPTFE粉末を分散した本発明の金
型潤滑剤は、その優れた潤滑性・離型性にもかかわら
ず、引火性を有し少なくとも第4石油類に該当し、輸送
及び保管数量に規制がある。さらに、溶湯の接触で燃焼
する際に刺激臭や嫌な臭気を発し、換気が不十分な作業
現場では、作業員の労働環境問題にも発展する。本発明
の金型潤滑剤に適当な界面活性剤によって水性液体を乳
化したW/O型乳化液とした場合、本来の油とほぼ同程
度の低い表面張力を維持し、優れた潤滑性や離型性も保
持することができる。引火しない程度に水性液体の分量
を調整することにより、本質的に油性でありながら非引
火性であり、従来の油性タイプで見られた刺激臭や嫌な
臭気発生を防止することができる。
【0020】高級脂肪酸の多価金属塩として高級脂肪酸
のアルミニウム塩を用いたものは、高級脂肪酸のアルミ
ニウム塩の基油への溶解性が高く、分散安定化効果が高
い。高級脂肪酸のアルミニウム塩を用いたW/O型乳化
液は、PTFE粉末が安定に分散し、水性液体も良好に
分散される。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、具体例を挙げて説明する。
【0022】
【実施例1】200mlのビーカにユニスターH−38
1(牛脂類のネオペンチルエステル化油、日本油脂
(株)製)98.5gを入れ、ステアリン酸カルシウム
粉末(粒度:330メッシュ通過品、表1中「StC
a」と略して表す)を1.5g混合し、約170℃まで
加熱しステアリン酸カルシウムを完全に溶解させ、室温
までに冷却する。PTFE粉末(平均粒子径:5μ)
4.0gを加え、乳化機「ULTRA-TURRAX T-25 」で高速
回転で乳化し、試作品No.1Aを得た。同じ配合割合
であるが、ユニスターH−381にステアリン酸カルシ
ウムを添加し加熱溶解せずに、室温でPTFE粉末を加
えて乳化機「ULTRA-TURRAX T-25 」で高速回転した参考
例No.1Bを得た。得られた分散液を一昼夜静置し
て、PTFE粉末の沈降を観察した。No.1Aは沈降
が認められないが、No.1BはPTFE粉末がビーカ
底部にハードケーキング状態で沈降した。同様の操作を
種々の基油及びステアリン酸アルミニウムで検討し、表
1にまとめた。表1中、粒度200メッシュ通過品のス
テアリン酸アルミニウムを「StAl」と略して表す。
【0023】
【表1】
【0024】
【実施例2】図1は基油1にPTFE粉末2を4重量%
分散し、これに水3を20重量%乳化した状態のW/O
型乳化液の概念図である。菜種油98.5gにステアリ
ン酸アルミニウム1.5gを130℃まで加熱溶解した
あと室温まで冷却し、ステアリン酸アルミニウムを溶解
した分散液(StAlを溶解した菜種油)を得た。この
分散液73.5gにPTFE粉末4gを加え、乳化機
「ULTRA-TURRAX T-25 」で高速回転で乳化し、次にエマ
ルゲン903(花王(株)製、ノニルフェノールポリエ
チレンオキサイド付加物、HLB:7.8、表2中「#
903」に略して表す)2.5gを加え溶解し、水20
gを加えて乳化機で乳化して試料No.4を得た。試料
No.4はPTFE4%及び水20%を含み、粘度40
0cpsで、W/O型乳化液であった。水を5gに減ら
して同様の操作で試料No.5を得た。試料No.6は
エマルゲン903及び水を含まない油中分散液(第1実
施例に相当)である。
【0025】
【表2】
【0026】
【実施例3】上記試料No.4、No.5及びNo.6
をアルミダイキャスト潤滑剤として、次の条件で評価し
た。使用したアルミ合金ADC−12、ダイキャスト機
械:東芝機械(株)製「ダイキャストマシンDC−16
00」、潤滑剤供給方式:チップに滴下してショット毎
に供給、チップ径:130mmΦ、供試製品:自動車用
トランスミッション及びシリンダーヘッドカバー(製品
重量約10〜15kg)、ショットサイクル速度:10
00ショット/日、アルミ合金の溶湯温度:640〜6
80℃、の条件で試験を実施した。性能面で、a)チッ
プの摺動性が低下しない最小限の潤滑剤供給量(カジリ
発生がない最小量)、b)チップ摩耗による交換までの
ショット数、c)製品へのガスまき込み(製品を切断し
空隙の発生を肉眼観察で調べる)、d)クリーブランド
開放式の引火性について調べ、表3にまとめた。表3
中、市販1は当業界では広く知られたユシロ化学工業
(株)製「WPG85」であり、O/W型に分散された
当用途の潤滑剤である。市販2は当業界で知られた花野
商事製の「クラフェースGP−25」であり、グラファ
イト粉末を鉱油に分散した当用途の潤滑剤である。
【0027】
【表3】
【0028】
【発明の効果】本発明は、金属の鋳造工程において、次
の効果を提供し、従来の困難性を克服することができ
る。 (1)比重の大きいPTFE粉末が、基油中で増粘剤を
用いることなく、比較的低粘度で分散し、経時的に沈降
したり分離したりすることが少ない潤滑剤及び離型剤を
提供することができる。 (2)水中分散型の欠点である表面張力の高さによる潤
滑性低下と油中分散型の欠点である引火性を克服し、本
発明のW/O型乳化液は、両者利点を有した潤滑剤・離
型剤を提供することができる。 (3)PTFE粉末の安定化が達成され、少量の潤滑剤
又は離型剤でその効果を発揮し、従来のシリコン系潤滑
剤・離型剤の欠点である塗装時のシリコン剥離作業を省
略することができる。また、得られた鋳造製品の表面仕
上げにも優れた製造工程を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の金型潤滑剤の概念図
【符号の説明】
1 基油 2 PTFE粉末 3 水
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI //(C10M 173/00 147:02 129:40) C10N 10:04 10:06 30:04 40:36

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 植物油、動物油、鉱油、エステル化油、
    混合油及び変性油からなる群の中から選ばれた一の基油
    と、この基油に溶解している高級脂肪酸の多価金属塩に
    よって分散されたテトラフロロエチレン重合体粉末とを
    含んでいることを特徴とする、金型潤滑剤。
  2. 【請求項2】 基油の重量百分率が99.8から50
    %、高級脂肪酸の多価金属塩の重量百分率が0.1から
    10%、テトラフロロエチレン重合体粉末の重量百分率
    が0.1から40%であることを特徴とする、請求項1
    記載の金型潤滑剤。
  3. 【請求項3】 基油に乳化された水性液体を含んでいる
    ことを特徴とする、請求項1記載の金型潤滑剤。
  4. 【請求項4】 基油の重量百分率が98.8から10
    %、高級脂肪酸の多価金属塩の重量百分率が0.1から
    10%、テトラフロロエチレン重合体粉末の重量百分率
    が0.1から40%であり、残余が乳化状態の水性液体
    であることを特徴とする、請求項3記載の金型潤滑剤。
  5. 【請求項5】 高級脂肪酸の多価金属塩が高級脂肪酸の
    アルミニウム塩であることを特徴とする、請求項1、
    2、3又は4記載の金型潤滑剤。
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