JPH1121417A - フェノール系樹脂組成物 - Google Patents
フェノール系樹脂組成物Info
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- JPH1121417A JPH1121417A JP9179912A JP17991297A JPH1121417A JP H1121417 A JPH1121417 A JP H1121417A JP 9179912 A JP9179912 A JP 9179912A JP 17991297 A JP17991297 A JP 17991297A JP H1121417 A JPH1121417 A JP H1121417A
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- Japan
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- phenolic resin
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- hydrogen atom
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Abstract
(57)【要約】
【解決手段】 本発明は、熱水で抽出される硫酸根の量
が、20ppm以下であるフェノール樹脂1種以上並び
に一般式(2)、一般式(3)及び一般式(4)表され
る化合物を少なくとも1種以上0.2重量%から5重量
%からなるフェノール系樹脂組成物である。 【効果】 成形時の流動性が優れ、かつ、型内に充填後
の硬化速度が速いフェノ−ル系樹脂組成物を提供するこ
とが可能となり、トランスファ−成形、射出成形、圧縮
成形等の生産性を飛躍的に向上させることができる。
が、20ppm以下であるフェノール樹脂1種以上並び
に一般式(2)、一般式(3)及び一般式(4)表され
る化合物を少なくとも1種以上0.2重量%から5重量
%からなるフェノール系樹脂組成物である。 【効果】 成形時の流動性が優れ、かつ、型内に充填後
の硬化速度が速いフェノ−ル系樹脂組成物を提供するこ
とが可能となり、トランスファ−成形、射出成形、圧縮
成形等の生産性を飛躍的に向上させることができる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トランスファ−成
形、射出成形、圧縮成形、等の加工性に優れた熱硬化型
フェノ−ル系樹脂の製造に関するものである。より詳細
には、成形時の流動性が優れ、かつ、型内に充填後の硬
化速度が速い新規なフェノ−ル系樹脂組成物に関するも
のである。
形、射出成形、圧縮成形、等の加工性に優れた熱硬化型
フェノ−ル系樹脂の製造に関するものである。より詳細
には、成形時の流動性が優れ、かつ、型内に充填後の硬
化速度が速い新規なフェノ−ル系樹脂組成物に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】フェノ−ル系樹脂は、耐熱性、耐薬品性
等、数々の優れた特性を有しているため、非常に多くの
用途で使用されている。ただし、フェノ−ル樹脂のみで
硬化させた場合には脆く実用に耐えない場合が多い。そ
こで、一般的には各種の充填材を混練してから成形に供
されている。そのため、成形時の流動性が低下し特に、
微細な構造を有する成形物の成形が困難な場合がある。
硬化剤の種類あるいは添加量を変えて硬化速度を抑制す
ることにより流動性の向上は図れるが、この場合、成形
サイクルが長くなり生産性が低下するという不都合が発
生した。なお、硬化剤としては、ヘキサメチレンテトラ
ミン、パラホルムアルデヒドやトリオキサンなどの架橋
メチレン源が用いられており、一般的にはヘキサメチレ
ンテトラミンが広く用いられている。
等、数々の優れた特性を有しているため、非常に多くの
用途で使用されている。ただし、フェノ−ル樹脂のみで
硬化させた場合には脆く実用に耐えない場合が多い。そ
こで、一般的には各種の充填材を混練してから成形に供
されている。そのため、成形時の流動性が低下し特に、
微細な構造を有する成形物の成形が困難な場合がある。
硬化剤の種類あるいは添加量を変えて硬化速度を抑制す
ることにより流動性の向上は図れるが、この場合、成形
サイクルが長くなり生産性が低下するという不都合が発
生した。なお、硬化剤としては、ヘキサメチレンテトラ
ミン、パラホルムアルデヒドやトリオキサンなどの架橋
メチレン源が用いられており、一般的にはヘキサメチレ
ンテトラミンが広く用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来のフェノ−ル系樹
脂においては、樹脂成形時に樹脂の硬化速度を速めると
成形時の樹脂の流動性が劣化し細密な形状の成形が困難
になる問題があった。そこで 本発明の課題は、耐熱
性、電気絶縁性、機械的強度等の特性を維持しつつ、細
密な形状の成形にも適用できる成形時の流動性と型内充
填後の硬化速度とのバランスが優れたフェノ−ル系樹脂
組成物を提供することにある。
脂においては、樹脂成形時に樹脂の硬化速度を速めると
成形時の樹脂の流動性が劣化し細密な形状の成形が困難
になる問題があった。そこで 本発明の課題は、耐熱
性、電気絶縁性、機械的強度等の特性を維持しつつ、細
密な形状の成形にも適用できる成形時の流動性と型内充
填後の硬化速度とのバランスが優れたフェノ−ル系樹脂
組成物を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、充填材を
添加して使用する場合においても、成形時の流動性が優
れ、かつ、型内に充填後の硬化速度が速いフェノ−ル系
樹脂組成物に関して鋭意検討した結果、本発明を完成す
るに至った。
添加して使用する場合においても、成形時の流動性が優
れ、かつ、型内に充填後の硬化速度が速いフェノ−ル系
樹脂組成物に関して鋭意検討した結果、本発明を完成す
るに至った。
【0005】すなわち、本発明は10倍量の95±5℃
の水で抽出される硫酸根の量が、20ppm以下である
一般式(1)(化11)で表されるフェノール樹脂1種
以上
の水で抽出される硫酸根の量が、20ppm以下である
一般式(1)(化11)で表されるフェノール樹脂1種
以上
【0006】
【化11】 (式中、R1 は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、
アルコキシ基またはアリ−ル基を、φはベンゼン環を、
nは0〜100の整数を表す。) 並びに一般式(2)(化12)、一般式(3)(化1
3)及び一般式(4)(化14)
アルコキシ基またはアリ−ル基を、φはベンゼン環を、
nは0〜100の整数を表す。) 並びに一般式(2)(化12)、一般式(3)(化1
3)及び一般式(4)(化14)
【0007】
【化12】 R2−Ar1−SO3−R3 (2) (式中、R2は水素原子またはアルキル基を、Ar1 は
フェニル基またはナフチル基を、R3 は水素原子、メチ
ル基またはエチル基を表す。)
フェニル基またはナフチル基を、R3 は水素原子、メチ
ル基またはエチル基を表す。)
【0008】
【化13】 R4−Ar2−COOH (3) (式中、R4は水素原子、メチル基または水酸基を、A
r2はフェニル基、ベンジル基またはナフチル基を表
す。)
r2はフェニル基、ベンジル基またはナフチル基を表
す。)
【0009】
【化14】 R5−O−SO2−O−R6 (4) (式中、R5、R6はそれぞれ独立にメチル基またはエチ
ル基を表す。)で表される化合物から選択される少なく
とも1種以上、0.2重量%から5重量%からなるフェ
ノール系樹脂組成物を用いることによって目的を達成す
ることができた。
ル基を表す。)で表される化合物から選択される少なく
とも1種以上、0.2重量%から5重量%からなるフェ
ノール系樹脂組成物を用いることによって目的を達成す
ることができた。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明に関して詳細に説明
する。本願発明のフェノール系樹脂組成物における一般
式(1)で表されるフェノール樹脂において、R1 は水
素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基また
はアリ−ル基を表し、好ましくは、水素原子、ハロゲン
原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子)、炭
素数1〜8のアルキル基(例えば、メチル基、エチル
基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、
イソブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソ
ペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、n−
ヘキシル基、シクロヘキシル基、n−ヘプチル基、シク
ロヘキシルメチル基、n−オクチル基、tert−オクチル
基、2−エチルヘキシル基など)、炭素数1〜8のアル
コキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロ
ポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブ
トキシ基、sec −ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、
ネオペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、シクロ
ヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、n−オクチ
ルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基など)、また
は炭素数6〜10のアリ−ル基(例えば、フェニル基、
2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メ
チルフェニル基、4−エチルフェニル基、4−n−プロ
ピルフェニル基、4−tert−ブチルフェニル基、2−メ
トキシフェニル基、4−メトキシフェニル基、3−エト
キシフェニル基、3−フルオロフェニル基、1−ナフチ
ル基、2−ナフチル基など)であり、より好ましくは、
水素原子、塩素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素
数1〜6のアルコキシ基または炭素数6〜10のアリ−
ル基であり、最も好ましくは、水素原子、炭素数1〜4
のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基または炭素
数6〜10のアリ−ル基である。
する。本願発明のフェノール系樹脂組成物における一般
式(1)で表されるフェノール樹脂において、R1 は水
素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基また
はアリ−ル基を表し、好ましくは、水素原子、ハロゲン
原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子)、炭
素数1〜8のアルキル基(例えば、メチル基、エチル
基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、
イソブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソ
ペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、n−
ヘキシル基、シクロヘキシル基、n−ヘプチル基、シク
ロヘキシルメチル基、n−オクチル基、tert−オクチル
基、2−エチルヘキシル基など)、炭素数1〜8のアル
コキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロ
ポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブ
トキシ基、sec −ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、
ネオペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、シクロ
ヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、n−オクチ
ルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基など)、また
は炭素数6〜10のアリ−ル基(例えば、フェニル基、
2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メ
チルフェニル基、4−エチルフェニル基、4−n−プロ
ピルフェニル基、4−tert−ブチルフェニル基、2−メ
トキシフェニル基、4−メトキシフェニル基、3−エト
キシフェニル基、3−フルオロフェニル基、1−ナフチ
ル基、2−ナフチル基など)であり、より好ましくは、
水素原子、塩素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素
数1〜6のアルコキシ基または炭素数6〜10のアリ−
ル基であり、最も好ましくは、水素原子、炭素数1〜4
のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基または炭素
数6〜10のアリ−ル基である。
【0011】本発明で用いられる一般式(1)で表され
るフェノ−ル樹脂は、例えば、本出願人により先に出願
した特開平6−100667号公報に開示された方法に
より製造される。即ち、一般式(5)(化15)
るフェノ−ル樹脂は、例えば、本出願人により先に出願
した特開平6−100667号公報に開示された方法に
より製造される。即ち、一般式(5)(化15)
【0012】
【化15】 R7−(CH2 X)2 (5) (式中、R7はフェニレン基、Xはハロゲン原子を示
す)で表わされる芳香族ビスハロゲノメチル化合物とフ
ェノール化合物を無触媒で反応させ製造できる。
す)で表わされる芳香族ビスハロゲノメチル化合物とフ
ェノール化合物を無触媒で反応させ製造できる。
【0013】一般式(5)で表わされる芳香族ビスハロ
ゲノメチル化合物は、例えば1,2−ジ(クロロメチ
ル)ベンゼン、1,2−ジ(ブロモメチル)ベンゼン、
1,3−ジ(クロロメチル)ベンゼン、1,3−ジ(フ
ルオロメチル)ベンゼン、1,4−ジ(クロロメチル)
ベンゼン、1,4−ジ(ブロモメチル)ベンゼン、1,
4−ジ(フルオロメチル)ベンゼンある。これらのう
ち、工業的には塩素系化合物が好ましい。
ゲノメチル化合物は、例えば1,2−ジ(クロロメチ
ル)ベンゼン、1,2−ジ(ブロモメチル)ベンゼン、
1,3−ジ(クロロメチル)ベンゼン、1,3−ジ(フ
ルオロメチル)ベンゼン、1,4−ジ(クロロメチル)
ベンゼン、1,4−ジ(ブロモメチル)ベンゼン、1,
4−ジ(フルオロメチル)ベンゼンある。これらのう
ち、工業的には塩素系化合物が好ましい。
【0014】フェノール化合物としては、フェノール、
p−クレゾール、o−クレゾール、m−クレゾール、p
−エチルフェノール、o−エチルフェノール、p−イソ
プロピルフェノール、p−n−プロピルフェノール、p
−sec−ブチルフェノール、o−sec−ブチルフェ
ノール、p−tert−ブチルフェノール、o−ter
t−ブチルフェノール、p−tert−アミルフェノー
ル、p−tert−オクチルフェノール、ノニルフェノ
ール、ドデシルフェノール、p−シクロヘキシルフェノ
ール、o−フェニルフェノール、p−フェニルフェノー
ル、p−クミルフェノール、p−α−メチルベンジルフ
ェノール、p−クロロフェノール、p−ブロモフェノー
ル等が挙げられるが、これらに限定されるものではな
い。これらフェノール化合物を前記ビスハロゲノメチル
化合物に対して1.3〜15倍モルの範囲で用いて反応
を行う。反応温度は50〜200℃の範囲であり、反応
時間をできるだけ短縮するためには100℃以上で行う
ことが好ましい。反応時間は温度により異なるが、2〜
10時間の範囲で十分である。
p−クレゾール、o−クレゾール、m−クレゾール、p
−エチルフェノール、o−エチルフェノール、p−イソ
プロピルフェノール、p−n−プロピルフェノール、p
−sec−ブチルフェノール、o−sec−ブチルフェ
ノール、p−tert−ブチルフェノール、o−ter
t−ブチルフェノール、p−tert−アミルフェノー
ル、p−tert−オクチルフェノール、ノニルフェノ
ール、ドデシルフェノール、p−シクロヘキシルフェノ
ール、o−フェニルフェノール、p−フェニルフェノー
ル、p−クミルフェノール、p−α−メチルベンジルフ
ェノール、p−クロロフェノール、p−ブロモフェノー
ル等が挙げられるが、これらに限定されるものではな
い。これらフェノール化合物を前記ビスハロゲノメチル
化合物に対して1.3〜15倍モルの範囲で用いて反応
を行う。反応温度は50〜200℃の範囲であり、反応
時間をできるだけ短縮するためには100℃以上で行う
ことが好ましい。反応時間は温度により異なるが、2〜
10時間の範囲で十分である。
【0015】反応は全原料を一括装入して昇温しながら
行ってもよく、フェノール化合物を予め一定の温度に保
った状態で芳香族ビスハロゲノメチル化合物を添加して
行ってもよい。又、必要によっては反応に有機溶媒を使
用してもよい。この有機溶媒としては、トルエンやモノ
クロルベンゼンのような反応に不活性の溶媒で、沸点が
110℃以上のものが使用される。この溶媒の使用量は
任意の量が使われるが、通常は全原料に対し、0.1〜
10重量倍の範囲で使用すればよい。
行ってもよく、フェノール化合物を予め一定の温度に保
った状態で芳香族ビスハロゲノメチル化合物を添加して
行ってもよい。又、必要によっては反応に有機溶媒を使
用してもよい。この有機溶媒としては、トルエンやモノ
クロルベンゼンのような反応に不活性の溶媒で、沸点が
110℃以上のものが使用される。この溶媒の使用量は
任意の量が使われるが、通常は全原料に対し、0.1〜
10重量倍の範囲で使用すればよい。
【0016】反応の進行に伴ってハロゲン化水素ガスが
生成するが、このガスは窒素ガス等の不活性ガスを通気
させて系外へ除去するか、減圧状態にして除去する方法
が多用される。反応後、未反応のフェノール化合物や溶
媒等を減圧下に留去する等の方法で除去することによ
り、高純度のフェノール樹脂を得る。
生成するが、このガスは窒素ガス等の不活性ガスを通気
させて系外へ除去するか、減圧状態にして除去する方法
が多用される。反応後、未反応のフェノール化合物や溶
媒等を減圧下に留去する等の方法で除去することによ
り、高純度のフェノール樹脂を得る。
【0017】上記の高純度のフェノール樹脂の中から1
0倍量の95±5℃の水で抽出される硫酸根の量が20
ppm以下であり、数平均分子量600〜3000、重
量平均分子量1000〜20000であるフェノール樹
脂が本願発明のフェノール系樹脂組成に好適に用いられ
る。
0倍量の95±5℃の水で抽出される硫酸根の量が20
ppm以下であり、数平均分子量600〜3000、重
量平均分子量1000〜20000であるフェノール樹
脂が本願発明のフェノール系樹脂組成に好適に用いられ
る。
【0018】本発明のフェノール系樹脂組成物において
は、上記のフェノール樹脂1種または任意の2種以上を
95〜99.8重量%の範囲で好ましく用いることがで
きる。
は、上記のフェノール樹脂1種または任意の2種以上を
95〜99.8重量%の範囲で好ましく用いることがで
きる。
【0019】一般式(2)で表される化合物において、
R2 は水素原子またはアルキル基を表し、好ましくは、
水素原子または炭素数1〜8のアルキル基(例えば、メ
チル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、
n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ペ
ンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペ
ンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、n−ヘ
プチル基、シクロヘキシルメチル基、n−オクチル基、
tert−オクチル基、2−エチルヘキシル基など)であ
り、より好ましくは、水素原子または炭素数1〜6のア
ルキル基であり、さらに好ましくは、水素原子または炭
素数1〜4のアルキル基である。なお、一般式(2)で
表される化合物の中で、トルエンスルホン酸は特に好ま
しく用いられ、最も好ましくはパラトルエンスルホン酸
(以下PTSと記す)が用いられる。
R2 は水素原子またはアルキル基を表し、好ましくは、
水素原子または炭素数1〜8のアルキル基(例えば、メ
チル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、
n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ペ
ンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペ
ンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、n−ヘ
プチル基、シクロヘキシルメチル基、n−オクチル基、
tert−オクチル基、2−エチルヘキシル基など)であ
り、より好ましくは、水素原子または炭素数1〜6のア
ルキル基であり、さらに好ましくは、水素原子または炭
素数1〜4のアルキル基である。なお、一般式(2)で
表される化合物の中で、トルエンスルホン酸は特に好ま
しく用いられ、最も好ましくはパラトルエンスルホン酸
(以下PTSと記す)が用いられる。
【0020】一般式(3)で表される化合物において、
Ar2 はフェニル基、ベンジル基またはナフチル基を表
し、好ましくは、フェニル基、ベンジル基である。な
お、一般式(3)で表される化合物の中で、サリチル
酸、安息香酸、またはフェニル酢酸は、特に好ましく用
いられる。
Ar2 はフェニル基、ベンジル基またはナフチル基を表
し、好ましくは、フェニル基、ベンジル基である。な
お、一般式(3)で表される化合物の中で、サリチル
酸、安息香酸、またはフェニル酢酸は、特に好ましく用
いられる。
【0021】一般式(4)で表される化合物において、
R5 ,R6 はメチル基またはエチル基からなる群から選
択された基を表し、その中では硫酸ジエチルが好ましく
用いられる。
R5 ,R6 はメチル基またはエチル基からなる群から選
択された基を表し、その中では硫酸ジエチルが好ましく
用いられる。
【0022】本発明のフェノール系樹脂組成物において
は、一般式(2)、一般式(3)及び一般式(4)で表
される化合物から選ばれる少なくとも1種以上を、0.
2重量%から5重量%、好ましくは、0.5重量%から
3重量%用いることができる。
は、一般式(2)、一般式(3)及び一般式(4)で表
される化合物から選ばれる少なくとも1種以上を、0.
2重量%から5重量%、好ましくは、0.5重量%から
3重量%用いることができる。
【0023】本発明のフェノール系樹脂組成物は、フェ
ノ−ル樹脂を80〜130℃において融解し、この中に
一般式(2)、一般式(3)及び一般式(4)から選択
される少なくとも1種以上の所定量を溶解することによ
り調製できる。ここで、溶解とは肉眼で観察して濁って
いない状態を指す。なお、本発明の樹脂組成物は固体状
態でも液体状態でも好ましく用いられる。
ノ−ル樹脂を80〜130℃において融解し、この中に
一般式(2)、一般式(3)及び一般式(4)から選択
される少なくとも1種以上の所定量を溶解することによ
り調製できる。ここで、溶解とは肉眼で観察して濁って
いない状態を指す。なお、本発明の樹脂組成物は固体状
態でも液体状態でも好ましく用いられる。
【0024】本発明のフェノール系樹脂組成物は、粉末
状または繊維状の充填材や補強材等と混練されて用いら
れる時、本発明の効果がより顕著に現れる。本発明に用
いられる充填材や補強材はどのようなものでも良いが、
好ましく用いられる充填材および補強材を例示すれば、
酸化アルミニウム、酸化マグネシウム等の金属酸化物、
水酸化アルミニウムなどの金属水酸化物、炭酸カルシウ
ム、炭酸マグネシウム等の金属炭酸化物、ケイ酸アルミ
ニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム等の天
然および合成ケイ酸塩、天然および合成ケイ酸、グラフ
ァイト、カ−ボンブラック、木粉、ナットシェル粉末、
フッソ系樹脂粉末、二硫化モリブデン、三酸化アンチモ
ン、マイカ、アスベスト、ガラス繊維、ロックウ−ル、
鉱物繊維、セラミック繊維、セルロ−ス繊維、アルミナ
繊維、チタン酸カリウム繊維、炭素繊維、ポリアミド繊
維、有機充填材等が掲げられる。また、ワックス、オイ
ル等の滑剤、シランカップリング剤、染料、顔料等の添
加剤も好ましく用いても良いし、必要に応じて、メタノ
−ル、エタノ−ル等の有機溶媒を用いても良い。
状または繊維状の充填材や補強材等と混練されて用いら
れる時、本発明の効果がより顕著に現れる。本発明に用
いられる充填材や補強材はどのようなものでも良いが、
好ましく用いられる充填材および補強材を例示すれば、
酸化アルミニウム、酸化マグネシウム等の金属酸化物、
水酸化アルミニウムなどの金属水酸化物、炭酸カルシウ
ム、炭酸マグネシウム等の金属炭酸化物、ケイ酸アルミ
ニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム等の天
然および合成ケイ酸塩、天然および合成ケイ酸、グラフ
ァイト、カ−ボンブラック、木粉、ナットシェル粉末、
フッソ系樹脂粉末、二硫化モリブデン、三酸化アンチモ
ン、マイカ、アスベスト、ガラス繊維、ロックウ−ル、
鉱物繊維、セラミック繊維、セルロ−ス繊維、アルミナ
繊維、チタン酸カリウム繊維、炭素繊維、ポリアミド繊
維、有機充填材等が掲げられる。また、ワックス、オイ
ル等の滑剤、シランカップリング剤、染料、顔料等の添
加剤も好ましく用いても良いし、必要に応じて、メタノ
−ル、エタノ−ル等の有機溶媒を用いても良い。
【0025】本発明のフェノール系樹脂組成物の硬化剤
としては、ヘキサメチレンテトラミン、パラホルムアル
デヒドやトリオキサンなどの架橋メチレン源が好ましく
用いられる。特に好ましくは、ヘキサメチレンテトラミ
ンが用いられる。
としては、ヘキサメチレンテトラミン、パラホルムアル
デヒドやトリオキサンなどの架橋メチレン源が好ましく
用いられる。特に好ましくは、ヘキサメチレンテトラミ
ンが用いられる。
【0026】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、勿論、本発明はこれらに限定されるものでは
ない。なお、実施例中、”部”は”重量部”を示す。ま
た、実施例中の物性値の測定方法を以下に示す。 (1)フェノール樹脂の熱水による硫酸根の定量 粗粉砕したフェノール樹脂の試料30g を三角フラスコ50
0ml に正確に秤取り、イオン交換水を蒸留した10倍量
の水(例えばミリポア水)300ml を加え、冷却管を取
付、ウオ−タ−バスにて95±5 ℃、20時間抽出し、冷却
後、ガラスフィルタ−で濾別し、濾液を遠心分離、上澄
液を試料溶液とする。試料溶液50μl を用いてイオンク
ロマト法にて硫酸根を定量する。 (2)ゲルタイム測定 フェノール樹脂組成物の試料5gとヘキサメチレンテトラ
ミン0.4gを室温下にて混ぜ、粉状に粉砕し、150 ±1 ℃
に加熱した鋼板上に試料0.5gをのせ、あらかじめ150 ±
1 ℃に加熱しておいたヘラを使用して試料を直径約30mm
の円状にかきひろげ、約1秒間に1回の割合で均一に押
しつけながら練り合わせ、試料とヘラの間に糸を引かな
くなるまでの時間をはかる。この操作を3回以上行い、
その平均時間を秒単位で表示し、ゲルタイムとする。 (3)コンパウンドの低圧スパイラルフロ−長さ測定 低圧スパイラルフロ−金型を用いて、金型温度150 ℃、
注入圧 100Kg/cm2で測定した。
明するが、勿論、本発明はこれらに限定されるものでは
ない。なお、実施例中、”部”は”重量部”を示す。ま
た、実施例中の物性値の測定方法を以下に示す。 (1)フェノール樹脂の熱水による硫酸根の定量 粗粉砕したフェノール樹脂の試料30g を三角フラスコ50
0ml に正確に秤取り、イオン交換水を蒸留した10倍量
の水(例えばミリポア水)300ml を加え、冷却管を取
付、ウオ−タ−バスにて95±5 ℃、20時間抽出し、冷却
後、ガラスフィルタ−で濾別し、濾液を遠心分離、上澄
液を試料溶液とする。試料溶液50μl を用いてイオンク
ロマト法にて硫酸根を定量する。 (2)ゲルタイム測定 フェノール樹脂組成物の試料5gとヘキサメチレンテトラ
ミン0.4gを室温下にて混ぜ、粉状に粉砕し、150 ±1 ℃
に加熱した鋼板上に試料0.5gをのせ、あらかじめ150 ±
1 ℃に加熱しておいたヘラを使用して試料を直径約30mm
の円状にかきひろげ、約1秒間に1回の割合で均一に押
しつけながら練り合わせ、試料とヘラの間に糸を引かな
くなるまでの時間をはかる。この操作を3回以上行い、
その平均時間を秒単位で表示し、ゲルタイムとする。 (3)コンパウンドの低圧スパイラルフロ−長さ測定 低圧スパイラルフロ−金型を用いて、金型温度150 ℃、
注入圧 100Kg/cm2で測定した。
【0027】実施例1 式(A)(化16)で示されるフェノ−ルアラルキル樹
脂(重量平均分子量Mw=7500、数平均分子量Mn
=1400/ポリスチレン換算)を、特開平6−100
667号公報に開示された方法により製造した。即ち、
温度計、撹拌装置を備えたガラス製反応器にフェノール
141g(1.5モル)を装入し、撹拌しながら昇温し
て内温を100〜110℃の範囲に保った。次に同温度
範囲を保ちながら、α,α’−ジクロロ−p−キシレン
175g(1モル)を2時間かけて分割添加した。途
中、発生する塩化水素ガスはアスピレーターによる吸引
を行って洗気瓶に補集した。添加終了後、内温を3時間
かけて150℃まで昇温した。この後、温度範囲150
〜160℃で6時間熟成を行って反応を終了した。次
に、この反応溶液から真空下で未反応フェノールを回収
した。この処理中、内温は170℃までで真空圧力は2
mmHgまでとした。未反応フェノールを回収した粘稠
な反応液をただちに磁製皿に排出し、放冷すると、淡黄
色透明な固くて脆い式(A)(化16)で表されるフェ
ノール樹脂が得られた(収量179g)。
脂(重量平均分子量Mw=7500、数平均分子量Mn
=1400/ポリスチレン換算)を、特開平6−100
667号公報に開示された方法により製造した。即ち、
温度計、撹拌装置を備えたガラス製反応器にフェノール
141g(1.5モル)を装入し、撹拌しながら昇温し
て内温を100〜110℃の範囲に保った。次に同温度
範囲を保ちながら、α,α’−ジクロロ−p−キシレン
175g(1モル)を2時間かけて分割添加した。途
中、発生する塩化水素ガスはアスピレーターによる吸引
を行って洗気瓶に補集した。添加終了後、内温を3時間
かけて150℃まで昇温した。この後、温度範囲150
〜160℃で6時間熟成を行って反応を終了した。次
に、この反応溶液から真空下で未反応フェノールを回収
した。この処理中、内温は170℃までで真空圧力は2
mmHgまでとした。未反応フェノールを回収した粘稠
な反応液をただちに磁製皿に排出し、放冷すると、淡黄
色透明な固くて脆い式(A)(化16)で表されるフェ
ノール樹脂が得られた(収量179g)。
【0028】
【化16】 (φはベンゼン環を、nは0〜100の整数を表す。) この樹脂(以下、樹脂−1と記す)の熱水により抽出さ
れる硫酸根の量は、5ppmであった。また、ゲルタイ
ムは、310 秒であった。樹脂−1をあらかじめ115 ℃か
ら120 ℃で40分間加熱し融液としたのち、樹脂100 部に
対して1部の割合でPTSを加え、この温度で20分間攪
はんして溶解させた。その後、冷却してから粉砕して、
樹脂組成物−1を得た。樹脂組成物−1のゲルタイムは
160 秒であった。樹脂組成物−1の100部に対し、ヘ
キサメチレンテトラミン8部、レゾルシンの50%メタノ
−ル溶液4部、ガラス繊維140部、ヘッドマン繊維5
0部、クレ−45部、酸化マグネシウム2部、カップリ
ング剤の50%メタノ−ル溶液1部、カ−ボンブラック3
部、スピリットブラック3部、ワックス3部の割合で配
合し、ロ−ル混練により、コンパウンド−1を得た。コ
ンパウンド−1の低圧スパイラルフロ−長さは、35.8cm
であった。一方、金型温度160 ℃で射出成形により茶卓
を成形した所、型内充填後の経過時間(以下、硬化時間
と記す)が30秒で充分に硬化した。
れる硫酸根の量は、5ppmであった。また、ゲルタイ
ムは、310 秒であった。樹脂−1をあらかじめ115 ℃か
ら120 ℃で40分間加熱し融液としたのち、樹脂100 部に
対して1部の割合でPTSを加え、この温度で20分間攪
はんして溶解させた。その後、冷却してから粉砕して、
樹脂組成物−1を得た。樹脂組成物−1のゲルタイムは
160 秒であった。樹脂組成物−1の100部に対し、ヘ
キサメチレンテトラミン8部、レゾルシンの50%メタノ
−ル溶液4部、ガラス繊維140部、ヘッドマン繊維5
0部、クレ−45部、酸化マグネシウム2部、カップリ
ング剤の50%メタノ−ル溶液1部、カ−ボンブラック3
部、スピリットブラック3部、ワックス3部の割合で配
合し、ロ−ル混練により、コンパウンド−1を得た。コ
ンパウンド−1の低圧スパイラルフロ−長さは、35.8cm
であった。一方、金型温度160 ℃で射出成形により茶卓
を成形した所、型内充填後の経過時間(以下、硬化時間
と記す)が30秒で充分に硬化した。
【0029】比較例1 式(A)で表されるが10倍量の95±5℃の水で抽出
される硫酸根の量(以下、熱水により抽出される硫酸根
の量という。)が45ppm であるフェノ−ルアラルキル樹
脂(三井東圧化学(株)製ミレックスXL−225、重
量平均分子量Mw=7400、数平均分子量Mn=15
00/ポリスチレン換算、ゲルタイムは180 秒)を用い
たこと、および、PTSを加えなかったことを除いて実
施例−1と同様にしてコンパウンド−2を得た。コンパ
ウンド−2を用いて、実施例−1と同様の方法で茶卓を
成形した所、硬化時間30秒で充分に硬化したが、低圧ス
パイラルフロ−長さは27.0cmしかなかった。
される硫酸根の量(以下、熱水により抽出される硫酸根
の量という。)が45ppm であるフェノ−ルアラルキル樹
脂(三井東圧化学(株)製ミレックスXL−225、重
量平均分子量Mw=7400、数平均分子量Mn=15
00/ポリスチレン換算、ゲルタイムは180 秒)を用い
たこと、および、PTSを加えなかったことを除いて実
施例−1と同様にしてコンパウンド−2を得た。コンパ
ウンド−2を用いて、実施例−1と同様の方法で茶卓を
成形した所、硬化時間30秒で充分に硬化したが、低圧ス
パイラルフロ−長さは27.0cmしかなかった。
【0030】比較例2 比較例1で用いたフェノールアラルキル樹脂を樹脂−1
の替わりに用いたことを除いて実施例−1と同様にし
て、樹脂組成物−2、および、コンパウンド−3を得
た。樹脂組成物−2のゲルタイムは150 秒であった。ま
た、コンパウンド−3を用いて、実施例−1と同様の方
法で茶卓を成形した所、硬化時間30秒で充分に硬化した
が、低圧スパイラルフロ−長さは25.0cmとなった。
の替わりに用いたことを除いて実施例−1と同様にし
て、樹脂組成物−2、および、コンパウンド−3を得
た。樹脂組成物−2のゲルタイムは150 秒であった。ま
た、コンパウンド−3を用いて、実施例−1と同様の方
法で茶卓を成形した所、硬化時間30秒で充分に硬化した
が、低圧スパイラルフロ−長さは25.0cmとなった。
【0031】比較例3 樹脂−1にPTSを加えなかったことを除いて実施例−
1と同様にして、コンパウンド−4を得た。コンパウン
ド−4の低圧スパイラルフロ−長さは52.2cmと良好であ
ったが、実施例−1と同様の方法で茶卓を成形した所、
硬化時間30秒では未硬化であり、充分に硬化させるのに
60秒を要した。
1と同様にして、コンパウンド−4を得た。コンパウン
ド−4の低圧スパイラルフロ−長さは52.2cmと良好であ
ったが、実施例−1と同様の方法で茶卓を成形した所、
硬化時間30秒では未硬化であり、充分に硬化させるのに
60秒を要した。
【0032】実施例2 PTSの替わりにサリチル酸を3部を用いたことを除い
て、実施例−1と同様にして、樹脂組成物−3、およ
び、コンパウンド−5を得た。樹脂組成物−3のゲルタ
イムは150 秒であった。また、コンパウンド−5の低圧
スパイラルフロ−長さは34.7cmであり、実施例−1と同
様の方法で茶卓を成形した所、硬化時間30秒で充分に硬
化した。
て、実施例−1と同様にして、樹脂組成物−3、およ
び、コンパウンド−5を得た。樹脂組成物−3のゲルタ
イムは150 秒であった。また、コンパウンド−5の低圧
スパイラルフロ−長さは34.7cmであり、実施例−1と同
様の方法で茶卓を成形した所、硬化時間30秒で充分に硬
化した。
【0033】実施例3 PTSの替わりに硫酸ジエチルを0.5 部用いたことを除
いて、実施例−1と同様にして、樹脂組成物−4、およ
び、コンパウンド−6を得た。樹脂組成物−4のゲルタ
イムは170 秒であった。また、コンパウンド−6の低圧
スパイラルフロ−長さは36.6cmであり、実施例−1と同
様の方法で茶卓を成形した所、硬化時間30秒で充分に硬
化した。
いて、実施例−1と同様にして、樹脂組成物−4、およ
び、コンパウンド−6を得た。樹脂組成物−4のゲルタ
イムは170 秒であった。また、コンパウンド−6の低圧
スパイラルフロ−長さは36.6cmであり、実施例−1と同
様の方法で茶卓を成形した所、硬化時間30秒で充分に硬
化した。
【0034】実施例1〜3および比較例1〜3のフェノ
ール系樹脂、フェノール系樹脂組成物およびコンパウン
ドの物性測定結果を表−1にまとめた。比較例1および
比較例2から熱水で抽出される硫酸根の量が20ppm
より多いフェノ−ル系樹脂を用いたフェノール系樹脂組
成物では、流動性と硬化速度とのバランスが良いものは
得られなかった。また、コンパウンド−1およびコンパ
ウンド−2を用いてトランスファー成形(金型温度19
0℃、トランスファー圧力100Kgf/mm2)し、
成形品の一般物性を測定(JIS K-6911)して結果を表−2
に記載した。表−1および表−2から、本願発明のフェ
ノール系樹脂組成物は、耐熱性、電気絶縁性、機械的強
度等の特性を維持しつつ、成形時の流動性が優れ、か
つ、型内に充填後の硬化速度が速いことが明かである。
ール系樹脂、フェノール系樹脂組成物およびコンパウン
ドの物性測定結果を表−1にまとめた。比較例1および
比較例2から熱水で抽出される硫酸根の量が20ppm
より多いフェノ−ル系樹脂を用いたフェノール系樹脂組
成物では、流動性と硬化速度とのバランスが良いものは
得られなかった。また、コンパウンド−1およびコンパ
ウンド−2を用いてトランスファー成形(金型温度19
0℃、トランスファー圧力100Kgf/mm2)し、
成形品の一般物性を測定(JIS K-6911)して結果を表−2
に記載した。表−1および表−2から、本願発明のフェ
ノール系樹脂組成物は、耐熱性、電気絶縁性、機械的強
度等の特性を維持しつつ、成形時の流動性が優れ、か
つ、型内に充填後の硬化速度が速いことが明かである。
【0035】
【表1】 ──────────────────────────────────── フェノール系樹脂 フェノール系 コンパウンド 樹脂組成物 ────────── ───────── ────────── 樹脂 熱水 ゲル 添加物 ゲルタイム 低圧スパイ 硬化速度 分子量 硫酸根 タイム ラルフロー Mw,Mn ppm 秒 秒 cm 秒 ──────────────────────────────────── 実施例1 7500,1400 5 310 PTS 160 35.8 30 比較例1 7400,1500 45 180 なし - 27.0 30 比較例2 7400,1500 45 180 PTS 150 25.0 30 比較例3 7500,1400 20 180 なし - 52.2 60 実施例2 7500,1400 20 - サリチル酸 150 34.7 30 実施例3 7500,1400 20 - 硫酸ジメチル 170 36.6 30 ────────────────────────────────────
【0036】
【表2】 ──────────────────────────────────── 測定項目 単位 コンパウンド コンパウンド −1 −2 ──────────────────────────────────── 加重たわみ温度 ℃ 250以上 250以上 曲げ強さ Kgf/mm2 20.9 20.6 曲げ弾性率 Kgf/mm2 1696 1707 体積抵抗率 Ω・cm 1.2E15 1.5E15 誘電率 1MHz 5.24 5.25 誘電正接 1MHz 0.0102 0.0104 ────────────────────────────────────
【0037】
【発明の効果】本発明のフェノ−ル系樹脂組成物は、成
形時の流動性が優れ、かつ、型内に充填後の硬化速度が
速いため、トランスファ−成形、射出成形、圧縮成形等
の生産性を飛躍的に向上させることができる。
形時の流動性が優れ、かつ、型内に充填後の硬化速度が
速いため、トランスファ−成形、射出成形、圧縮成形等
の生産性を飛躍的に向上させることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 詫摩 啓輔 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内 (72)発明者 田中 耕三 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内
Claims (4)
- 【請求項1】 10倍量の95±5℃の水で抽出される
硫酸根の量が20ppm以下である一般式(1)(化
1)で表される数平均分子量600〜3000、重量平
均分子量1000〜20000のフェノール樹脂95〜
99.8重量% 【化1】 (式中、R1 は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、
アルコキシ基またはアリ−ル基を、φはベンゼン環を、
nは0〜100の整数を表す。) 及び一般式(2)(化2) 【化2】 R2−Ar1−SO3−R3 (2) (式中、R2は水素原子またはアルキル基を、Ar1 は
フェニル基またはナフチル基を、R3 は水素原子、メチ
ル基またはエチル基を表す。)で表される化合物0.2
〜5重量%からなることを特徴とするフェノール系樹脂
組成物。 - 【請求項2】 10倍量の95±5℃の水で抽出される
硫酸根の量が20ppm以下である一般式(1)(化
3)で表される数平均分子量600〜3000、重量平
均分子量1000〜20000のフェノール樹脂95〜
99.8重量% 【化3】 (式中、R1 は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、
アルコキシ基またはアリ−ル基を、φはベンゼン環を、
nは0〜100の整数を表す。) 及び一般式(3)(化4) 【化4】 R4−Ar2−COOH (3) (式中、R4は水素原子、メチル基または水酸基を、A
r2はフェニル基、ベンジル基またはナフチル基を表
す。)で表される化合物0.2〜5重量%からなること
を特徴とするフェノール系樹脂組成物。 - 【請求項3】 10倍量の95±5℃の水で抽出される
硫酸根の量が20ppm以下である一般式(1)(化
5)で表される数平均分子量600〜3000、重量平
均分子量1000〜20000のフェノール樹脂95〜
99.8重量% 【化5】 (式中、R1 は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、
アルコキシ基またはアリ−ル基を、φはベンゼン環を、
nは0〜100の整数を表す。) 及び一般式(4)(化6) 【化6】 R5−O−SO2−O−R6 (4) (式中、R5、R6はそれぞれ独立にメチル基またはエチ
ル基を表す。)で表される化合物0.2〜5重量%から
なることを特徴とするフェノール系樹脂組成物。 - 【請求項4】 10倍量の95±5℃の水で抽出される
硫酸根の量が20ppm以下である一般式(1)(化
7)で表される数平均分子量600〜3000、重量平
均分子量1000〜20000のフェノール樹脂95〜
99.8重量% 【化7】 (式中、R1 は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、
アルコキシ基またはアリ−ル基を、φはベンゼン環を、
nは0〜100の整数を表す。) 並びに一般式(2)(化8)、一般式(3)(化9)及
び一般式(4)(化10) 【化8】 R2−Ar1−SO3−R3 (2) (式中、R2は水素原子またはアルキル基を、Ar1 は
フェニル基またはナフチル基を、R3 は水素原子、メチ
ル基またはエチル基を表す。) 【化9】 R4−Ar2−COOH (3) (式中、R4は水素原子、メチル基または水酸基を、A
r2はフェニル基、ベンジル基またはナフチル基を表
す。) 【化10】 R5−O−SO2−O−R6 (4) (式中、R5、R6はそれぞれ独立にメチル基またはエチ
ル基を表す。)で表される化合物から選択される1種以
上の化合物0.2〜5重量%からなることを特徴とする
フェノール系樹脂組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9179912A JPH1121417A (ja) | 1997-07-04 | 1997-07-04 | フェノール系樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9179912A JPH1121417A (ja) | 1997-07-04 | 1997-07-04 | フェノール系樹脂組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1121417A true JPH1121417A (ja) | 1999-01-26 |
Family
ID=16074095
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9179912A Pending JPH1121417A (ja) | 1997-07-04 | 1997-07-04 | フェノール系樹脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1121417A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007507680A (ja) * | 2003-10-06 | 2007-03-29 | サン−ゴバン・イソベール | 空調または換気チャネル |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5145315B2 (ja) * | 1972-09-08 | 1976-12-03 | ||
JPH0428752A (ja) * | 1990-05-23 | 1992-01-31 | Shin Kobe Electric Mach Co Ltd | フェノール樹脂成形材料 |
JPH06100667A (ja) * | 1990-12-21 | 1994-04-12 | Mitsui Toatsu Chem Inc | フェノール重合体の製造方法 |
-
1997
- 1997-07-04 JP JP9179912A patent/JPH1121417A/ja active Pending
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5145315B2 (ja) * | 1972-09-08 | 1976-12-03 | ||
JPH0428752A (ja) * | 1990-05-23 | 1992-01-31 | Shin Kobe Electric Mach Co Ltd | フェノール樹脂成形材料 |
JPH06100667A (ja) * | 1990-12-21 | 1994-04-12 | Mitsui Toatsu Chem Inc | フェノール重合体の製造方法 |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007507680A (ja) * | 2003-10-06 | 2007-03-29 | サン−ゴバン・イソベール | 空調または換気チャネル |
JP4834550B2 (ja) * | 2003-10-06 | 2011-12-14 | サン−ゴバン・イソベール | 空調または換気チャネル |
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---|---|---|---|
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