JPH1121318A - 発泡用プロピレン系共重合体、その発泡粒子及び発泡体 - Google Patents

発泡用プロピレン系共重合体、その発泡粒子及び発泡体

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JPH1121318A
JPH1121318A JP9175617A JP17561797A JPH1121318A JP H1121318 A JPH1121318 A JP H1121318A JP 9175617 A JP9175617 A JP 9175617A JP 17561797 A JP17561797 A JP 17561797A JP H1121318 A JPH1121318 A JP H1121318A
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foaming
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ethylene
foam
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Toshimichi Ito
利通 伊藤
Yasushi Seta
寧 瀬田
Riyouichi Tsunori
良一 津乗
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Idemitsu Petrochemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 剛性などの機械物性に優れるとともに、一次
発泡性及び二次発泡性の向上した発泡用プロピレン系共
重合体、それから得られた発泡粒子及び発泡体を提供す
ること。 【解決手段】 (1)エチレン単位含有量〔x(重量部
%)〕が0.2〜10重量%、(2)MIが1〜16g/
10分、(3)沸騰ジエチルエーテル抽出量〔E(重量
%)〕とxとが式(I) E≦0.25x+1.1 ・・・(I) の関係を満たすこと、(4)融点〔Tm(℃)〕とxと
が、式(II) Tm≦165−5x ・・・(II) の関係を満たすこと、(5)13C−NMR測定より求め
たPPP連鎖部のアイソタクチックトライアッド分率が
98モル%以上、好ましくはさらに(6)緩和時間τ
(sec)とMIとが、式(III) τ≦0.80−0.42×logMI ・・・(III) の関係を満たすことを特徴とする発泡用プロピレン−エ
チレンランダム共重合体、その発泡粒子及び発泡体であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、発泡用プロピレン
系共重合体、その発泡粒子及び発泡体に関し、さらに詳
しくは、剛性などの機械物性に優れるとともに、一次発
泡性及び二次発泡性の向上したアイソタクチックプロピ
レン−エチレンランダム共重合体からなる発泡用プロピ
レン系共重合体、それから得られた発泡粒子及び該発泡
粒子を発泡成形してなる発泡体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】結晶性ポリプロピレン系樹脂を基材とす
る発泡体は、一般に(1)緩衝性に優れること、(2)
熱伝導率が低い上、耐熱温度がポリエチレン発泡体に比
べてはるかに高く、温度安定性が良好であること、
(3)耐薬品性に優れること、(4)機械加工,プレス
加工,真空成形などが容易であること、(5)腰が強
く、強度が大きいことなどの特徴を有することから、例
えば緩衝材,包材,バンパーコア材,フロート材,断熱
材などとして賞用されている。この結晶性ポリプロピレ
ン系樹脂発泡体の製造方法としては、一般に下記の方法
が好ましく採用されている。すなわち、まず、分散剤を
含有する水性媒体中に樹脂粒子を分散させ、加熱,加圧
下に物理発泡剤を導入して、樹脂粒子に該発泡剤を含浸
させたのち、樹脂粒子を水性媒体と共に大気圧下に放出
し、一次発泡させて発泡粒子を調製する。次いで、この
発泡粒子を金型内で、通常水蒸気により加熱、加圧処理
して二次発泡させ、所望形状の発泡体に成形するといっ
た方法が用いられている。
【0003】このような発泡方法においては、一次発泡
及び二次発泡のいずれにおいても、できるだけ低い温度
で、所望倍率の発泡粒子や、高発泡でしかもボイドの少
ない品質の良好な発泡体を製造することが工業的な面か
ら望ましい。ところで、結晶性プロピレン−エチレンラ
ンダム共重合体は、エチレン単位含有量が多くなると、
一般に剛性が低下する傾向があり、したがって、剛性を
高くするには、エチレン単位含有量を低く抑える必要が
ある。しかしながら、従来の結晶性プロピレン−エチレ
ンランダム共重合体の場合、エチレン単位含有量が低く
なると一次発泡及び二次発泡において、加熱温度が高く
なるのを免れず、設備上の問題が生じ、工業的に不利と
なる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
状況下で、剛性などの機械的物性に優れるとともに、一
次発泡性及び二次発泡性が良好で、従来の結晶性ポリプ
ロピレン系樹脂に比べて、低い温度で一次発泡及び二次
発泡が可能な発泡用結晶性ポリプロピレン系樹脂、それ
から得られた発泡粒子及び発泡体を提供することを目的
とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するために鋭意研究を重ねた結果、特定の性状を
有するプロピレンとエチレンとのランダム共重合体が、
剛性などの機械物性に優れ、かつ一次発泡性及び二発泡
性が良好であることを見出した。本発明は、かかる知見
に基づいて完成したものである。すなわち、本発明は、
プロピレンとエチレンとのランダム共重合体であって、 (1)エチレン単位含有量〔x(重量%)〕が0.2〜1
0重量%であること、(2)メルトインデックス〔MI
(230℃,荷重2160g)〕が1〜16g/10分
であること、(3)沸騰ジエチルエーテル抽出量〔E
(重量%)〕とxとが、式(I) E≦0.25x+1.1 ・・・(I) の関係を満たすこと、(4)示差走査型熱量計で測定し
た融点〔Tm(℃)〕とxとが、式(II) Tm≦165−5x ・・・(II) の関係を満たすこと、及び(5)13C−NMRの測定に
より求めたPPP連鎖部のアイソタクチックトライアッ
ド分率が98モル%以上であることを特徴とする発泡用
プロピレン系共重合体、並びに、プロピレンとエチレン
とのランダム共重合体であって、前記(1)〜(5)の
性状を有するとともに、さらに(6)周波数分散測定に
より得られる周波数ω0 =100 rad/secにおけ
る緩和時間τ(sec)とMIとが、式(III) τ≦0.80−0.42×logMI ・・・(III) の関係を満たすことを特徴とする発泡用プロピレン系共
重合体を提供するものである。また、本発明は、前記プ
ロピレン系共重合体を用いてなる発泡粒子及びこの発泡
粒子を発泡成形してなる発泡体をも提供するものであ
る。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の発泡用プロピレン系共重
合体は、プロピレンとエチレンとのランダム共重合体で
あって、以下に示す性状を有する。まず、(1)エチレ
ン単位含有量〔x(重量%)〕が0.2〜10重量%の範
囲にあることが必要である。このエチレン単位含有量が
0.2重量%未満では一次発泡性及び二次発泡性に劣り、
10重量%を超えると得られる発泡体の剛性や耐熱性が
低下する。一次発泡性,二次発泡性及び発泡体の剛性お
よび耐熱性などの面から、好ましいエチレン単位含有量
は0.3〜8.0重量%の範囲である。なお、上記エチレン
単位含有量の測定方法については、後述する。また、
(2)メルトインデックス〔MI(230℃,荷重21
60g)〕が1〜16g/10分の範囲にあることが必
要である。このMIが上記範囲を逸脱すると一次発泡性
及び二次発泡性が不充分となる。なお、このMIは、J
IS K7210に準拠し、温度230℃、荷重216
0gの条件で測定した値である。
【0007】さらに、(3)沸騰ジエチルエーテル抽出
量〔E(重量%)〕前記xとが、式(I) E≦0.25x+1.1 ・・・(I) の関係を満たすべきである。Eの値がこの範囲より多く
なると、発泡粒子及び発泡体がべとつくという不都合が
生じる。なお、この沸騰ジエチルエーテル抽出量の測定
方法については、後述する。次に、(4)示差走査型熱
量計で測定した融点〔Tm(℃)〕と前記xとが、式
(II) Tm≦165−5x ・・・(II) の関係を満たすことが必要である。Tmの値がこの範囲
より高くなると一次発泡及び二次発泡における加熱温度
が高くなり、本発明の目的が達せられない。なお、この
Tmの測定方法については後述する。
【0008】また、(5)13C−NMRの測定により求
めたPPP連鎖部のアイソタクチックトライアッド分率
が98モル%以上であることが必要である。このアイソ
タクチックトライアッド分率が98モル%未満では結晶
性が低く、得られる発泡体の剛性などの機械物性が不充
分であり、本発明の目的が達せられない。なお、このア
イソタクチックトライアッド分率とは、任意の連続する
3つのプロピレン単位で構成される炭素−炭素結合によ
る主鎖に対し、側鎖である3つのメチル基がいずれも同
方向に位置する立体構造の割合を指し、13C−NMR測
定により算出することができる。この算出方法について
は後述する。本発明のプロピレン系共重合体としては、
特に、前記(1)〜(5)の性状を有するとともに、さ
らに、(6)周波数分散測定により得られる周波数ω0
=100 rad/secにおける緩和時間τ(sec)
と前記MIとが、式(III) τ≦0.80−0.42×logMI ・・・(III) の関係を満たすものが好適である。緩和時間τがこの範
囲より長いと、一次発泡性及び二次発泡性が不充分であ
る。なお、このτの測定方法については後述する。
【0009】このようなプロピレン系共重合体の製造方
法としては、前記要件を満たすプロピレン−エチレンラ
ンダム共重合体が得られる方法であればよく、特に制限
されず、様々な方法を用いることができる。例えば
(a)マグネシウム,チタン及びハロゲン原子を必須成
分とする固体触媒成分、(b)有機アルミニウム化合物
などの有機金属化合物触媒成分及び(c)有機ケイ素化
合物などの電子供与性化合物触媒成分からなる触媒系の
存在下、プロプレンとエチレンとをランダム共重合させ
ることにより、製造することができる。前記(a)固体
触媒成分において、好ましい担体となるものは、金属マ
グネシウムとアルコールとハロゲン及び/又はハロゲン
含有化合物から得られる。この場合、金属マグネシウム
は、顆粒状,リボン状,粉末状等のものを用いることが
できる。また、この金属マグネシウムは、表面に酸化マ
グネシムウム等の被覆が生成されていないものが好まし
い。アルコールとしては、炭素数1〜6の低級アルコー
ルを用いるのが好ましく、特に、エタノールを用いる
と、触媒性能の発現を著しく向上させる担体が得られ
る。
【0010】ハロゲンとしては、塩素,臭素,又はヨウ
素が好ましく、特にヨウ素を好適に使用できる。また、
ハロゲン含有化合物としては、MgCl2 、Mg12
好適に使用できる。アルコールの量は、金属マグネシウ
ム1モルに対して好ましくは2〜100モル、特に好ま
しくは5〜50モルである。ハロゲン又はハロゲン含有
化合物の使用量は、金属マグネシウム1グラム原子に対
して、ハロゲン原子又はハロゲン含有化合物中のハロゲ
ン原子が、0.0001グラム原子以上、好ましくは0.0
005グラム原子以上、さらに好ましくは、0.001グ
ラム原子以上である。ハロゲン及びハロゲン含有化合物
はそれぞれ一種を単独で使用してもよく、二種以上を併
用してもよい。金属マグネシウムとアルコールとハロゲ
ン及び/又はハロゲン含有化合物との反応は、例えば、
金属マグネシウムとアルコールとハロゲン及び/又はハ
ロゲン含有化合物とを、還流下(例えばエタノールの場
合約79℃)で水素ガスの発生が認められなくなるまで
(通常20〜30時間)行なうのがよい。この反応は、
不活性ガス(例えば窒素ガス、アルゴンガス)雰囲気下
で行なうことが好ましい。得られた担体を次の固体触媒
成分の合成に用いる場合、乾燥させたものを用いてもよ
く、また濾別後へプタン等の不活性溶媒で洗浄したもの
を用いてもよい。
【0011】このようにして得られた担体は粒状に近
く、しかも粒径分布がシャープである。さらには、粒子
一つ一つをとってみても、粒径のばらつきは非常に小さ
い。この場合、下記の式(IV)で表される球形度
(S)が1.60未満、特に1.40未満であり、かつ下記
の式(V)で表される粒径分布指数(P)が5.0未満、
特に4.0未満であることが好ましい。 S=(E1/E2)2 ・・・(IV) (ここで、E1は粒子の影の輪郭長、E2は粒子の投影
面積に等しい円の周長を示す。) P=D90/D10 ・・・(V) (ここで、D90は重量累積分率が90%に対応する粒
子径をいう。すなわち、D90で表される粒子径より小
さい粒子群の重量和が全粒子総重量和の90%であるこ
とを示している。D10も同様である。) (a)固体触媒成分は、このようにして得られた担体
に、少なくともチタン化合物を接触させることにより、
調製することができる。
【0012】このチタン化合物としては、一般式(V
I) TiX1 n (OR1 4-n ・・・(VI) (式中、X1 はハロゲン原子、特に塩素原子が好まし
く、R1 は炭素数1〜10の炭化水素基、特に直鎖又は
分岐鎖のアルキル基であり、R1 が複数存在する場合に
はそれらは互いに同じでも異なっていてもよい。nは0
〜4の整数である。)で表される化合物を用いることが
できる。具体的には、Ti(O−i−C3 7 4 ,T
i(O−C4 9 4 ,TiCl(O−C2 5 3
TiCl(O−i−C3 7 3 ,TiCl(O−C4
9 3 ,TiCl2 (O−C4 92 ,TiCl2
(O−i−C3 7 2 ,TiCl4 などを挙げること
ができるが、これらの中で、特にTiCl4 が好まし
い。これらのチタン化合物は単独で用いてもよく、二種
以上を組合せて用いてもよい。この固体触媒成分は、前
記担体にチタン化合物と共に、場合により電子供与性化
合物を接触させて調製してもよい。この電子供与性化合
物としては、芳香族ジカルボン酸ジエステルが好まし
く、特にフタル酸ジ−n−ブチルが好ましい。
【0013】また、前記の担体にチタン化合物と場合に
より電子供与性化合物を接触させる際に、さらに四塩化
ケイ素などのハロゲン含有ケイ素化合物を接触させると
よい。この固体触媒成分は、公知の方法、例えばペンタ
ン,ヘキサン,ヘプタン,オクタンなどの不活性炭化水
素溶媒中に、前記担体、場合により電子供与性化合物及
びハロゲン含有ケイ素化合物を投入し、攪拌しながらチ
タン化合物を投入することにより調製することができ
る。この際、電子供与性化合物は、マグネシウム原子換
算で担体1モルに対し、通常0.01〜10モル、好まし
くは、0.05〜5モルの割合で加え、チタン化合物は、
マグネシウム原子換算で担体1モルに対し、通常1〜5
0モル、好ましくは2〜20モルの割合で加える。ま
た、反応温度及び反応時間は、通常0〜200℃の範囲
で5分〜10時間程度、好ましく30〜150℃の範囲
で30分〜5時間程度である。なお、反応終了後は不活
性炭化水素(例えば、n−ヘキサン、n−ヘプタンな
ど)で生成した固体触媒成分を洗浄するのが好ましい。
【0014】また、(b)触媒成分の有機金属化合物と
しては、有機アルミニウム化合物を好適に用いることが
できる。この有機アルミニウム化合物としては、一般式
(VII) AIR2 m 2 3-m ・・・(VII) (式中、R2 は炭素数1〜10のアルキル基,シクロア
ルキル基又はアリール基であり、X2 はハロゲン原子で
あり、塩素原子または臭素原子が好ましい。mは1〜3
の整数である。)で表される化合物が広く用いられる。
具体的には、トリアルキルアルミニウム化合物、例え
ば、トリメチルアルミニウム,トリエチルアルミニウ
ム,トリイソブチルアルミニウムなど、さらにはジエチ
ルアルミニウムモノクロリド,ジイソブチルアルミニウ
ムモノクロリド,ジエチルアルミニウムモノエトキシ
ド,エチルアルミニウムセスキクロリド等を挙げること
ができる。これらは、一種を単独で用いてもよく、二種
以上を併用してもよい。
【0015】さらに、(c)触媒成分として、重合系に
供する電子供与性化合物としては、有機ケイ素化合物が
好ましく、特にジシクロペンチルジメトキシシランが好
ましい。前記の固体触媒成分は、前処理してから、重合
に用いるとよい。例えば、ペンタン,ヘキサン,ヘプタ
ン又はオクタン等の不活性炭化水素を溶媒に、上記の固
体触媒成分、有機金属化合物及び電子供与性化合物を投
入し、攪拌しながら、プロピレンを供給し、反応させ
る。また、有機金属化合物は、固体触媒成分中のチタン
原子1モルに対して、通常0.01〜10モル、好ましく
は0.05〜5モルを加え、電子供与性化合物は、固体触
媒成分中のチタン原子1モルに対して、通常0.01〜2
0モル、好ましくは0.1〜5モルを加えるとよい。プロ
ピレンは、大気圧よりも高いプロピレン分圧下で供給
し、0〜100℃程度にて、0.1〜24時間程度処理す
るとよい。なお、反応終了後は不活性炭化水素(例え
ば、nヘキサン、n−ヘプタンなど)で、前処理したも
のを洗浄するのが好ましい。
【0016】重合条件は、特に制限されず、公知の方法
と同様の条件を用いることができる。例えば、大気圧よ
りも高いプロピレン及びエチレンの分圧下で、通常−8
0〜150℃の温度下で重合することができる。好まし
くは、20〜150℃の温度下で、プロピレン及びエチ
レンの分圧は大気圧〜40kg/cm2 Gの範囲であ
る。また、有機金属化合物は、固体触媒成分中のチタン
原子1モルに対して、通常0.1〜400モル、好ましく
は1〜200モルを加え、電子供与化合物は、固体触媒
成分中チタン原子1モルに対して、通常0.1〜100モ
ル、好ましくは1〜50モルを加えるとよい。また、所
望のエチレン単位含有量及び分子量となるようにエチレ
ン供給量及び水素供給量をそれぞれ調節する。なお、エ
チレン単位含有量は重合装置内のエチレン濃度だけでな
く水素濃度の影響も受ける。また、分子量も水素濃度だ
けでなく、エチレン濃度の影響も受ける。
【0017】このようにして、プロピレン−エチレンラ
ンダム共重合体からなる本発明の発泡用プロピレン系共
重合体が得られる。立体規則性(アイソタクチック)プ
ロピレン重合体にエチレン単位を導入した場合とその立
体規則性を乱した場合を比較すると、結晶性の低下につ
いては両者に大きな差は生じないが、融点の低下につい
ては前者の方が後者よりもかなり大きい。本発明は、こ
の知見に基づき、プロピレン単位連鎖部の立体規則性を
高くし、そこにエチレンをランダム共重合させることに
より、高い結晶性を有し、かつ低い融点を有するプロピ
レン系ランダム共重合体を得ることができた。また、共
重合性が良いため、少ない共重合量で効果的に融点を低
くすることができた。その結果、本発明の発泡用プロピ
レン系共重合体は、一次発泡性及び二次発泡性に優れた
ものとなる。
【0018】次に、本発明の発泡粒子について説明す
る。本発明の発泡粒子は、前記のようにして得られた本
発明の発泡用プロピレン系共重合体を使用して製造され
るが、この際、本発明の目的が損なわれない範囲で、所
望により、該発泡用プロピレン系共重合体に対し、発泡
核剤を始め、公知の各種添加剤や他の熱可塑性樹脂を配
合して樹脂組成物を調製し、このものを用いてもよい。
上記発泡核剤としては、例えばタルク,シリカ,ケイ酸
カルシウム,炭酸カルシウム,酸化アルミニウム,酸化
チタン,酸化亜鉛,ケイソウ土,クレイ,炭酸水素ナト
リウム,硫酸バリウム,ベントナイト,ステアリン酸塩
などが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、二種
以上を組み合わせて用いてもよい。その配合量は、発泡
用プロピレン系共重合体100重量部に対し、通常0.0
1〜3.0重量部の範囲で選ばれる。また、公知の各種添
加剤としては、例えば熱安定剤,酸化防止剤,ヒンダー
ドアミン系光安定剤,紫外線吸収剤,無機フィラーや有
機フィラーなどの強化剤,滑剤,帯電防止剤,難燃剤,
着色剤,離型剤などが挙げられる。
【0019】本発明においては、まず、前記の発泡用プ
ロピレン系共重合体及び必要に応じて用いられる各種添
加成分を混合して溶融混練し、樹脂組成物を調製したの
ち、ペレット化して樹脂粒子を作製する。この樹脂粒子
としては、径が0.25〜2mm程度でL/D比が1〜3
程度の大きさのものが有利である。この樹脂粒子を作製
する方法としては特に制限はなく、公知の方法を用いる
ことができる。例えば、押出機を用いて溶融混練したの
ち、押出機先端に取付けた微小穴を有する口金より糸状
に押出し、引取り機を備えた切断機で上記サイズに切断
して樹脂粒子を作製する方法、あるいはニーダーやミキ
サーなどの混練機で混練し、粉砕機により粉砕して樹脂
粒子を作製する方法などを用いることができる。
【0020】次に、このようにして得られた樹脂粒子を
一次発泡させて発泡粒子を調製する。この発泡粒子の調
製方法としては特に制限はなく、従来公知の方法を用い
ることができるが、本発明においては、分散媒発泡方法
が好ましく用いられる。この分散媒発泡方法は、通常、
次のようにして実施される。すなわち、密閉し開放でき
る圧力容器に、分散媒,分散剤及び前記樹脂粒子を仕込
み、さらに物理発泡剤を導入し、攪拌下に、圧力容器の
外部又は内部からの加熱で昇温し、発泡剤が樹脂粒子に
有効に含浸する温度まで、圧力容器内部の温度を上げ、
一定時間保持する。次いで、圧力容器内部よりも低圧の
雰囲気に圧力容器を開放して、圧力容器内容物を容器外
に放出することにより、発泡粒子が得られる。分散媒と
しては、水などの水性媒体が好ましく、また、分散剤は
樹脂粒子の容器内での融着防止のために用いられるもの
であり、分散媒へ実質上溶解しない無機又は有機の高融
点物である。その具体例としては、酸化アルミニウム,
炭酸カルシウム,炭酸マグネシウム,炭酸亜鉛,塩基性
第三リン酸カルシウム,カオリン,マイカ,タルクなど
が挙げられるが、これらの中で、酸化アルミニウム,塩
基性第三リン酸カルシウム及びカオリンが好ましい。こ
の分散剤は、単独で用いてもよく、二種以上を組み合わ
せて用いてもよい。また、その使用量は、通常樹脂粒子
100重量部に対し、0.01〜3.0重量部の範囲で選ば
れる。また、必要に応じて、ドデシルベンゼンスルホン
酸ナトリウムやオレイン酸ナトリウムなどの界面活性剤
を併用してもよい。
【0021】一方、物理発泡剤としては、不活性ガス,
飽和脂肪族炭化水素,飽和脂環式炭化水素,芳香族炭化
水素,ハロゲン化炭化水素,エーテル,ケトンなどが用
いられる。この物理発泡剤の具体例としては、メタン;
エタン;プロパン;ノルマルブタン;イソブタン;ノル
マルペンタン;イソペンタン;ネオペンタン;シクロペ
ンタン;ノルマルヘキサン;2−メチルペンタン;3−
メチルペンタン;2,2−ジメチルブタン;2,3−ジ
メチルブタン;メチルシクロプロパン;1,1−ジメチ
ルシクロプロパン;シクロヘキサン;メチルシクロペン
タン;エチルシクロブタン;1,1,2−トリメチルシ
クロプロパン;ベンゼン;塩化メチル;モノクロロジフ
ルオロエタン;ジクロロジフルオロメタン;ジメチルエ
ーテル;2-エトキシエタノール;アセトン;メチルエチ
ルケトン;アセチルアセトン;LPG;二酸化炭素;窒
素;空気などが挙げられる。これらは単独で用いてもよ
く、二種以上を組み合せて用いてもよい。またその使用
量は、樹脂粒子100重量部に対し、通常3〜60重量
部の範囲で選ばれる。この一次発泡の条件としては、通
常加熱温度は125〜160℃の範囲であり、一方、圧
力は20〜50kg/cm2 G程度である。また、発泡
させるために、容器内容物を放出する際の低圧部は大気
圧以下でもよいが、通常はコスト的に有利な大気圧下に
放出される。このようにして得られた発泡粒子は、平均
気泡径が、通常10〜500μm程度であり、またその
かさ密度は、一次発泡条件などにより異なるが、通常は
0.009〜0.3g/cm3 程度である。
【0022】次に、本発明の発泡体は、前記発泡粒子を
金型内に充填し、金型内に加熱媒体を導入して、該発泡
粒子を二次発泡させるとともに、加熱融着させることに
より、製造される。この際、加熱媒体としては、通常2
〜4kg/cm2 G程度の水蒸気が用いられる。このよ
うにして得られた発泡体は、表面及び内部にボイドが少
なく、良好な品質を有し、また、発泡倍率は、通常3〜
100倍程度である。本発明の発泡体は、所望により常
法に従って、非発泡の熱可塑性樹脂,繊維強化熱可塑性
樹脂,繊維強化熱硬化性樹脂と積層させてもよく、ある
いは各種金属と積層させてもよい。
【0023】
【実施例】次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定さ
れるものではない。なおプロピレン系共重合体の物性
は、下記の方法に従って測定した。 <プロピレン系共重合体の物性> (1)エチレン単位の含有量〔x(重量部%)〕 下記の条件で厚さ300μmのシート作製し、日本分光
社製FT/IR5300を用い、718cm-1及び73
3cm-1の吸光度から、エチレン単位の含有量〔x(重
量部%)〕を算出した。 x1 =0.599×(A733 /d・L)−0.161×(A
718 /d・L) x2 =0.599×(A718 /d・L)−0.161×(A
733 /d・L) x =0.809×(x1 +x2 ) (A718 :718cm-1の吸光度、A733 :733cm
-1の吸光度、d=0.9、L:試料の厚さ) ・シート成形条件 プレス温度:220℃ 加・冷却時の成形圧:50kg/cm2 G 予熱:5分 加圧:5分 冷却:3分 ・IR測定条件 積算回数:20回 分解能:4cm-1
【0024】 (2)メルトインデックス〔MI〕(g/10分) JIS K7210に準拠し、温度230℃,荷重21
60gの条件で測定した。 (3)沸騰ジエチルエーテル抽出量〔E(重量部%)〕 1mmφメッシュパスの大きさに粉砕したペレットを円
筒濾紙に3g、抽出溶剤のジエチルエーテルを平底フラ
スコに160ミリリットル入れ、リフラックス頻度を1
回/5分程度にしてソックスレー抽出器で10時間抽出
する。抽出後、ジエチルエーテルをエバポレーターで回
収し、さらに真空乾燥器で、恒量になるまで乾燥し、そ
の重量から沸騰ジエチルエーテル抽出量を求めた。 (4)示差走査型熱量計で測定した共重合体の融点〔T
m(℃)〕 示差走査型熱量計(パーキンエルマー社製、DSC7)
を用いて、あらかじめ試料10mgを窒素雰囲気下23
0℃で3分間溶融した後、10℃/分で40℃まで降温
する。この温度で3分間保持した後、10℃/分で昇温
させて得られた融解吸熱カーブの最大ピークのピークト
ップを融点(Tm)とした。
【0025】(5)13C−NMRで測定したPPP連鎖
部のアイソタクチックトライアッド分率〔mm(モル
%)〕 プロピレン系共重合体のプロピレン単位連鎖部のアイソ
タクチックトライアッド分率(mm)は、共重合体分子
鎖のプロピレン単位連鎖におけるトライアッド単位のア
イソタクチック分率であり、13C−NMRスペクトルか
ら求めることができる。プロピレン単独重合体の場合
は、次の式(a)でそれ計算できる。 mm(モル%)=〔Imm/(Imm+Imr+Irr)〕×100 ・・・(a) 但し、Imm、Imr及びIrrは、13C−NMRスペ
クトルでメチル炭素領域をmm、mr及びrrの3領域
に区分けしたときの、それぞれの領域のピーク強度を示
す。mm領域は化学シフトで21.4〜22.2ppm、m
r領域は化学シフトで20.6〜21.4ppm、rr領域
は化学シフトで19.8〜20.6ppmである。プロピレ
ン系ランダム共重合体の場合は、エチレン単位(E)に
隣接するプロピレン単位(P)のメチル炭素の吸収位置
がエチレン単位により影響を受ける。具体的には、EP
E連鎖中のプロピレン単位のメチル炭素の吸収ピーク
は、rr領域に現れ、PPE連鎖の中央のプロピレン単
位のメチル炭素の吸収ピークはmr領域に現れる。この
EPE連鎖中の、プロピレン単位のメチル炭素の吸収ピ
ーク強度は、Tδδ(33.3ppm)のピーク強度で代
用ができる。また、このPPE連鎖中のプロピレン単位
のメチル炭素の吸収ピーク強度は、Sαγ(38.0pp
m)のピーク強度で代用ができる。
【0026】そこで、プロピレン系ランダム共重合体の
PPP連鎖のアイソタクチックトライアッド分率を求め
るには、次の式(b)を用いる。 mm(モル%)={Imm/〔(Imm+Imr−Sαγ)+(Irr−Tδ δ)〕}×100 ・・・(b)13 C−NMRスペクトルは、日本電子社製のJNM−E
X400型NMR装置を用いて測定した。測定条件は、
以下のとおりである。 試料濃度 :220mg/NMR溶媒3ml NMR溶媒 :1,2,4−トリクロロベンゼン/
重ベンゼン(90/10vol%) 測定温度 :130℃ パルス :45° パルス繰返し時間:4秒 積算回数 :4000回
【0027】(6)緩和時間τ レオメトリクス社製回転型レオメーターにおいて、コー
ンプレート(直径25.0mm、コーンアングル0.10ラ
ジアン)を用い、温度175℃において周波数分散測定
を行った際の周波数ω0 =100 rad/secにおけ
る緩和時間τ(sec)であり、以下のようにして算出
した。複素弾性率G* (iω)を応力σ* とひずみγ*
によりσ* /γ* で定義した場合、G* (iω)は、 G* (iω)=σ* /γ* =G’(ω)+iG”(ω) であり、τ(ω)は τ(ω)= G’(ω)/ωG”(ω) ただし、ω:周波数(rad/sec)、G’(ω):
貯蔵弾性率、G”(ω):損失弾性率である。また、樹
脂粒子の一次発泡における発泡性及び発泡粒子の二次発
泡における発泡成形性は、下記の方法に従って評価し
た。
【0028】<樹脂粒子の一次発泡における発泡性> (1)発泡性1 かさ密度を0.045g/cm3 に設定し、このかさ密度
になる発泡温度を比較例1を基準に評価した。 (2)発泡性2 比較例1を基準に、かさ密度を0.045g/cm3 の時
のセルの均一性を評価した。ここで◎は比較例1に比べ
て均一性が良好であることを示し、○は比較例1と同等
であることを示す。 <発泡粒子の二次発泡における発泡成形性> (1)二次発泡性 下記の判定基準に従い、二次発泡性を評価した。 ○:発泡体表面に金型形状が転写されており、発泡体の
表面及び内部にボイドが少なく、製品として問題がな
い。 ×:発泡体表面及び内部のボイドが多く、製品として使
用不可
【0029】(2)成形性 下記の方法に従い、成形可能な最低温度を測定し、成形
性を評価した。一次発泡粒子を300×300×5mm
の金型に充填したのち、2〜4kgGの水蒸気圧力に
て、二次発泡させて発泡成形体を作製し、評価した。 (3)圧縮特性 (2)で作成した発泡成形体をJIS K6767によ
り、圧縮硬さを測定し、評価した。
【0030】実施例1〜6 (1)マグネシウム化合物の調製 内容積500リットルの攪拌機付き反応槽を窒素ガスで
充分に置換し、エタノール97.2kg、ヨウ素640
g、及び金属マグネシウム6.4kgを投入し、攪拌しな
がら還流条件下で系内から水素ガスの発生が無くなるま
で反応させ、固体状反応生成物を得た。この固体状反応
生成物を含む反応液を減圧乾燥させることにより目的の
マグネシウム化合物(固体触媒の担体)を得た。 (2)固体触媒成分の調製 窒素ガスで充分に置換した内容積500リットルの攪拌
機付き反応槽に、前記(1)で得られたマグネシウム化
合物(粉砕していないもの)30kg、精製ヘプタン
(n−ヘプタン)150リットル、四塩化ケイ素4.5リ
ットル、及びフタル酸ジ−n−ブチル5.4リットルを加
えた。系内を90℃に保ち、攪拌しながら四塩化チタン
144リットルを投入して110℃で2時間反応させた
後、固体成分を分離して80℃の精製ヘプタンで洗浄し
た。さらに、四塩化チタン228リットルを加え、11
0℃で2時間反応させた後、精製ヘプタンで充分に洗浄
し、固体触媒成分得た。
【0031】(3)前処理 内容積500リットルの攪拌機付き反応槽に精製ヘプタ
ン230リットルを投入し、前記(2)で得られた固体
触媒成分を25kg、トリエチルアルミニウムを固体触
媒成分中のチタン原子に対して1.0mol/mol、ジ
シクロペンチルジメトキシシランを1.8mol/mol
の割合で供給した。その後、プロピレンをプロピレン分
圧で0.3kg/cm2 Gになるまで導入し、25℃で4
時間反応させた。反応終了後、固体触媒成分を精製ヘプ
タンで数回洗浄し、更に二酸化炭素を供給し24時間攪
拌した。 (4)重合 内容積200リットルの攪拌機付き重合装置に前記
(3)で得られた処理済の固体触媒成分を成分中のチタ
ン原子換算で3mmol/hrで、トリエチルアルミニ
ウムを4mmol/kg−PPで、ジシクロペンチルジ
メトキシシランを1mmol/kg−PPでそれぞれ供
給し、重合温度80℃、重合圧力(全圧)28kg/c
2 Gでプロピレンとエチレンを反応させた。この際、
重合装置内のエチレン濃度及び水素濃度を所定量にし、
所望のエチレン単位含有量及び分子量となるようにし
た。得られたプロピレン−エチレンランダム共重合体の
物性を、重合時のガス組成とともに第1表に示す。
【0032】(5)発泡 上記(4)で得られたプロピレン−エチレンランダム共
重合体100重量部に対し、酸化防止剤(イルガノック
ス 1010:チバガイキー社製)0.1重量部及びタル
ク0.05重量部を添加し、90mmφ単軸押出機によ
り、径1mm,長さ3mmの樹脂粒子を作製した。次に
内容積1リットルの攪拌機付き密閉容器に、水300重
量部、分散剤としての微粒状酸化アルミニウム1重量部
及び上記樹脂粒子100重量部を仕込み、攪拌下に12
5〜160℃に加熱したのち、ジクロロジフルオロメタ
ン20重量部を導入し、窒素ガスにより40kg/cm
2 Gの圧力で20分間加圧保持したのち、同圧力を保持
しながら、容器の一端を開放し、樹脂粒子と水とを大気
圧下に放出し、一次発泡させ、発泡粒子を調製した。こ
の際、一次粒子のかさ密度を0.045g/cm3 に設定
した。樹脂粒子の一次発泡における発泡性を第2表に示
す。次に、上記発泡粒子に、1.5kg/cm2 Gの粒子
内圧を空気で保持させ、この粒子を300×300×5
0mmの金型に充填したのち、2.0〜4.0kg/cm2
Gの水蒸気圧力にて二次発泡成形させ、発泡体を製造し
た。発泡粒子の二次発泡における発泡成形性を第2表に
示す。
【0033】比較例1及び2 従来のTiCl3 系触媒を用い、60℃でスラリー重合
を行い、プロピレン−エチレンランダム共重合体を製造
した。この共重合体の物性を第1表に示す。次に、実施
例と同様にして発泡粒子を調製し、さらに発泡体を製造
した。樹脂粒子の一次発泡における発泡性、及び発泡粒
子の二次発泡における発泡成形性を第2表に示す。
【0034】比較例3 従来のTiCl3 系触媒を用い、70℃で気相重合を行
い、プロピレン−エチレン−ブテン−1ランダム共重合
体を製造した。この共重合体の物性を第1表に示す。次
に、実施例と同様にして発泡粒子を調製し、さらに発泡
体を製造した。樹脂粒子の一次発泡における発泡性、及
び発泡粒子の二次発泡における発泡成形性を第2表に示
す。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】
【表3】
【0038】
【発明の効果】本発明の発泡用プロピレン系共重合体
は、アイソタクティシティの高いプロピレン−エチレン
ランダム共重合体であって、剛性などの機械物性に優れ
る上、一次発泡性及び二次発泡性が良好であり、従来の
結晶性プロピレン系共重合体に比べて、低い温度で一次
発泡及び二次発泡が可能で、工業的に有利である。本発
明の発泡体は、例えば緩衝材,包材,バンパーコア材,
フロート材,断熱材などとして好適に用いられる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プロピレンとエチレンとのランダム共重
    合体であって、(1)エチレン単位含有量〔x(重量
    %)〕が0.2〜10重量%であること、(2)メルトイ
    ンデックス〔MI(230℃,荷重2160g)〕が1
    〜16g/10分であること、(3)沸騰ジエチルエー
    テル抽出量〔E(重量%)〕とxとが、式(I) E≦0.25x+1.1 ・・・(I) の関係を満たすこと、(4)示差走査型熱量計で測定し
    た融点〔Tm(℃)〕とxとが、式(II) Tm≦165−5x ・・・(II) の関係を満たすこと、及び(5)13C−NMRの測定に
    より求めたPPP連鎖部のアイソタクチックトライアッ
    ド分率が98モル%以上であることを特徴とする発泡用
    プロピレン系共重合体。
  2. 【請求項2】 プロピレンとエチレンとのランダム共重
    合体であって、(1)エチレン単位含有量〔x(重量
    %)〕が0.2〜10重量%であること、(2)メルトイ
    ンデックス〔MI(230℃,荷重2160g)〕が1
    〜16g/10分であること、(3)沸騰ジエチルエー
    テル抽出量〔E(重量%)〕とxが、式(I) E≦0.25x+1.1 ・・・(I) の関係を満たすこと、(4)示差走査型熱量計で測定し
    た融点〔Tm(℃)〕とxとが、式(II) Tm≦165−5x ・・・(II) の関係を満たすこと、(5)13C−NMRの測定により
    求めたPPP連鎖部のアイソタクチックトライアッド分
    率が98モル%以上であること、及び(6)周波数分散
    測定により得られる周波数ω0 =100 rad/sec
    における緩和時間τ(sec)とMIとが、式(II
    I) τ≦0.80−0.42×logMI ・・・(III) の関係を満たすことを特徴とする発泡用プロピレン系共
    重合体。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載のプロピレン系共重
    合体を用いてなる発泡粒子。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の発泡粒子を発泡成形して
    なる発泡体。
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