JPH11210999A - 相関法による管路系の漏洩位置特定方法 - Google Patents

相関法による管路系の漏洩位置特定方法

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JPH11210999A
JPH11210999A JP989698A JP989698A JPH11210999A JP H11210999 A JPH11210999 A JP H11210999A JP 989698 A JP989698 A JP 989698A JP 989698 A JP989698 A JP 989698A JP H11210999 A JPH11210999 A JP H11210999A
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JP989698A
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Tetsuaki Ishida
哲章 石田
Satoshi Takagi
聡 高木
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Osaka Gas Co Ltd
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Osaka Gas Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 相関法を用いて管路系からの流体の漏洩位置
を特定することができる可能性を向上させる。 【解決手段】 流体の漏洩が生じている管路系の軸線に
沿って間隔をあけて2箇所に振動センサを設置する(b
2)。振動センサの測定結果は、0〜5kHzの周波数
帯域の範囲内で1kHz以下の通過周波数帯域幅を有
し、24dB/octを超える急峻な減衰傾度を有する
BPFで帯域濾波する前処理を行う(b4)。前処理結
果から相互相関関数を求める相関演算を行い(b5)、
判別しやすいピークが得られる周波数帯域の選定が可能
であれば(b6)、ピークに基づいて振動センサ間の到
達時間差を確認し(b7)、振動センサ間の距離に基づ
いて漏洩位置を特定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、都市ガスや水道水
などの流体を輸送する導管の漏洩位置を相互相関関数を
用いて特定する相関法による管路系の漏洩位置特定方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】都市ガスや水道水を輸送する導管や地域
的冷暖房システムの熱供給管などは、地中に埋設され、
地上の土地利用や交通の妨げとならないようにされてい
る。このため、地中に埋設されている導管から流体の漏
れが生じると、漏洩位置付近を地表から掘削して、漏洩
箇所を補修し、漏洩を止めなければならない。導管に沿
って掘削する部分は、できるだけ少ない必要があり、そ
のためには漏洩位置を正確に特定する必要がある。
【0003】図10は、従来から行われている相互相関
関数を用いて管路系の漏洩位置を特定する方法を示す。
導管1は、地表面2の下方の地中に埋設され、導管1の
軸線方向に間隔をあけて複数箇所に設けられるプロテク
タ3a,3bの部分でしか、地表面2からは接触するこ
とができない。プロテクタ3a,3bは、本来導管1に
設けられる弁などを、地表面2から操作可能なように設
置される。導管1が地中で漏洩しているような場合に
は、プロテクタ3a,3bに振動センサ4a,4bをそ
れぞれ設置し、振動センサ4a,4bの検出結果を測定
装置5で相互相関関数処理を行うと、漏洩位置6を特定
することができる。
【0004】導管1から漏洩が生じていることは、たと
えば流量の変化や圧力の変化などから推定される。漏洩
位置6では、流体の漏洩に伴って、漏洩音が発生する。
発生した漏洩音は、導管1内を伝播し、振動センサ4
a,4bでも検知することができる。漏洩音は、不規則
な変化を示す雑音であり、短い時間内で比較すると、決
して均一な波形ではない。2つの振動センサ4a,4b
が検出する波形間の相互相関関数を求めれば、相互間の
波形の時間差を算出することができる。漏洩音の到達時
間差をτとし、漏洩音の伝播速度をVとする。振動セン
サ4bの方が漏洩位置6に近いとすると、振動センサ4
aから漏洩位置6までの距離Laは振動センサ4bから
漏洩位置6までの距離Lbよりもτ×Vだけ長いことに
なる。振動センサ4a,4b間の距離Lは、地表面2で
容易に測定することができ、したがって距離Lbは、次
の第1式で表される。 Lb = (L−τ×V)/2 …(1)
【0005】図11は、図10に示す測定装置5の内部
構成を示す。測定装置5は、漏洩音のように全く不規則
に変動する信号の性質を遅延時間τの関数としての相関
関数として取扱う。振動センサ4aで測定される信号を
x(t)とし、漏洩位置6に近い振動センサ4bが測定
する信号をy(t)とすると、信号y(t)には遅延回
路7で遅延時間τを与えた後で、掛算回路8で信号x
(t)と積を演算し、加算回路9で瞬間的な積の値を加
算してCRT表示装置10で表示すると、遅延回路7で
与える遅延時間τの値が信号y(t)に対して信号x
(t)が遅れている時間と一致するときにピークが得ら
れる。
【0006】相互相関関数は、次の第2式のように定義
される。
【0007】
【数1】
【0008】Δtはサンプリング時間であり、たとえば
100μsecである。第2式は、原信号x(t)と異
なる信号y(t)を遅延時間τ=0からτまでずらせた
ときに、原信号との積の総和平均がΦx・y(τ)とし
て表されることを示している。測定装置5では、第2式
に示すような演算処理を、デジタル演算処理で行う。入
力信号は、有限長として取扱い、一時的にメモリに記録
して計算する。また入力信号は、通常前処理として、バ
ンドパスフィルタ(以下、「BPF」と略称する)処理
を行う。この場合、BPFの周波数帯域幅は2200H
z〜2300Hz程度である。また周波数帯域外の減衰
傾度は、24dB/octである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】図10のような漏洩位
置6を特定するために振動センサ4a,4bが測定する
漏洩音は、不規則な雑音であり、漏洩音以外の雑音も混
入しているために、相互相関関数処理によって得られる
ピークは判別しにくい場合が多い。また伝播速度Vを求
めるために、導管1に加振音を与えて到達時間差から伝
播速度Vを算出する場合も、相互相関関数のピークが判
別しにくいと、正確に伝播速度Vを測定することができ
ず、漏洩位置6の特定を行うことができない。
【0010】伝播速度Vは、予め導管1の種類に応じて
測定しておく場合もあるけれども、種々の条件で実際の
伝播速度が異なる場合もある。そのため、漏洩音の測定
とほぼ同時に、導管1に加振音を加え、到達時間差から
伝播速度Vを測定することが好ましい。
【0011】本発明の目的は、相互相関関数処理で明瞭
なピークを得ることができ、漏洩位置の特定の可能性を
高めることができる相関法による管路系の漏洩位置特定
方法を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、流体を輸送す
る管路系からの流体の漏洩位置を、管路系に沿って間隔
をあけた2箇所の測定箇所での漏洩音の検出信号間の相
互相関関数処理によって得られる時間差と、測定箇所間
の距離および漏洩音の伝播速度とを用いて特定する方法
において、漏洩音の検出信号間の相互相関関数処理の前
処理として、漏洩音を、0〜5000Hzの周波数帯域
内で、1000Hz以下の通過周波数帯域幅を有し、通
過周波数帯域外での減衰傾度が24dB/octを超え
るバンドパスフィルタで濾波することを特徴とする相関
法による管路系の漏洩位置特定方法である。
【0013】本発明に従えば、管路系に沿って間隔をあ
けた2箇所での漏洩音の検出信号間の相互相関関数処理
の前処理として、漏洩音を、0〜5000Hzの周波数
帯域内で、1000Hz以下の周波数帯域幅を有し、通
過周波数帯域外での減衰傾度が24dB/octを超え
るバンドパスフィルタで濾波するので、相互相関関数処
理での時間差を示すピークの判別性が向上し、漏洩音の
特定の可能性を高めることができる。
【0014】また本発明で、前記前処理および前記相互
相関関数処理は、前記0〜5000Hzの周波数帯域内
を複数の周波数帯域に分割して各周波数帯域毎に行い、
複数得られる相互相関関数ピークのうち、判別が最も容
易である周波数帯域についてのピークを、漏洩位置特定
のために選択することを特徴とする。
【0015】本発明に従えば、複数の周波数帯域でのバ
ンドパスフィルタ処理を前処理として行った後それぞれ
相互相関関数処理を行い、最も判別性が高いピークに対
応する遅れ時間を到達時間差とするので、明瞭なピーク
が得られる可能性が大きくなり、漏洩位置の特定の可能
性を一層高めることができる。
【0016】また本発明は、前記伝播速度を、管路系に
加振音を加えながら、管路系に沿って間隔をあけた2箇
所の測定箇所での加振音の検出信号間の相互相関関数処
理によって得られる時間差と測定箇所間の距離とを用い
て求める際に、加振音の検出信号間の相互相関関数処理
の前処理として、加振音を、0〜5000Hzの周波数
帯域内で、1000Hz以下の通過周波数帯域幅を有
し、通過周波数帯域外での減衰傾度が24dB/oct
を超えるバンドパスフィルタで濾波することを特徴とす
る。
【0017】本発明に従えば、管路系に加振音を加えな
がら伝播速度を測定する際にも、加振音を管路系に沿っ
て間隔をあけて設けられる2箇所で測定し、0〜500
0Hzの周波数帯域内で1000Hz以下の周波数帯域
幅を有し、減衰傾度が24dB/octを超えるバンド
パスフィルタを通した後で相互相関関数処理を行うの
で、時間差を示すピークが得られやすく、到達時間差に
基づく伝播速度の算出の程度を向上させることができ
る。バンドパスフィルタとしては、たとえば漏洩音の検
出信号に対する前処理で用いる帯域フィルタを流用する
ことができる。
【0018】また本発明で、前記加振音によって伝播速
度を求めるための前処理および前記相互相関関数処理
は、前記0〜5000Hzの周波数帯域内を複数の周波
数帯域に分割して各周波数帯域毎に行い、複数得られる
相互相関関数ピークのうち、判別が最も容易である周波
数帯域についてのピークを、伝播速度算出のために選択
することを特徴とする。
【0019】本発明に従えば、加振音の測定結果を相互
相関関数処理する前処理として、バンドパスフィルタを
用いる濾波を、複数の周波数帯で行い、それぞれの前処
理処理結果を相互相関関数処理した結果を比較して、判
別が最も容易であるピークに対応する到達時間差に基づ
いて伝播速度を算出するので、精度の高い伝播速度の測
定を行うことができる。加振音と漏洩音とは前処理とし
て適切な周波数帯域が必ずしも同一ではなく、それぞれ
で最適な周波数帯域を選択して、より精度の高い到達時
間差を求めることができる。
【0020】また本発明で、前記加振音によって伝播速
度を求めるための前処理および前記相互相関関数処理
は、前記漏洩音の検出信号について、前記前処理および
前記相互相関関数処理を行う周波数帯域で得られるピー
クを用いて行うことを特徴とする。
【0021】本発明に従えば、漏洩音の検出信号に用い
るバンドパスフィルタを用いて、加振音の検出信号の前
処理および相互相関関数処理を行うことができる。
【0022】また本発明で、前記漏洩音または前記加振
音の測定箇所では、振動センサの管への取付けを、大略
的に板状で、管の外周面に適合する凹曲面を片面に有す
る治具を介して行うことを特徴とする。
【0023】本発明に従えば、管路系から漏洩音または
加振音を測定する振動センサの管への取付けに片面が管
の外周面に適合する凹曲面を有する治具を介して行うの
で、管を伝わる振動を損失が少ない状態で検出し、有効
な測定を行うことができる。
【0024】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施の一形態と
して相互相関関数処理を行って漏洩位置の特定や伝播速
度を求めるための測定装置の概略的な構成を示す。振動
センサ11は、漏洩音や加振音を振動として検出する。
振動センサ11を、加速度センサに変更することもでき
る。振動の検出は、前述の図10に示すように、導管1
の軸線に沿って間隔をあけた複数箇所で行うので、振動
センサ11からの検出信号は、一旦DATと略称される
デジタルオーディオテープなどのテープ状やMDと略称
されるミニディスクなどのディスク状の記録媒体12に
一旦記録する。記録媒体12に記録されている検出信号
は、BPF13を通過させて帯域濾波する前処理を行っ
てから相互相関関数処理手段14に入力する。相互相関
関数処理手段14の処理結果は、CRTと略称される陰
極線管などの表示手段15で表示される。本実施形態で
は、BPF13による前処理を、複数の周波数帯域で行
い、それぞれの前処理結果を相互相関関数処理して表示
手段15で表示し、最も判別しやすいピークを選択手段
16で選択し、演算手段17で漏洩位置の特定や伝播速
度の算出を行う。
【0025】図2は、図1のBPF13の特性を示す。
本実施形態のBPF13は、0〜5000Hzの周波数
帯域内を、0〜1000Hz、1000〜2000
Hz、2000〜3000Hz、3000〜400
0Hzおよび4000〜5000Hzの5つの周波数
帯域に分割し、それぞれ96dB/octの非常に急峻
な減衰傾度を持たせて通過周波数帯域外の成分を除くよ
うにしている。このようなBPF13の特性は、たとえ
ばDSPと略称されるデジタル・シグナル・プロセッサ
を用いることによって実現される。
【0026】図3は、図1の構成で漏洩位置を求める手
順を示す。ステップa1から手順を開始し、ステップa
2で振動センサ11による漏洩音の測定を行う。ステッ
プa3では、BPF13による前処理と相互相関関数処
理手段14による相互相関関数処理結果を表示手段15
で表示させ、ピークを示す漏洩時間差(τ)を確認す
る。ステップa4では、複数のBPF13の周波数帯域
に基づく漏洩時間差のピークのうち最も判別性のよいピ
ークを選んで漏洩時間差τとし、演算手段17で漏洩位
置を求める計算を行う。ステップa5で計算結果を表示
し、ステップa6で手順を終了する。
【0027】図4は、図3のステップa1からステップ
a3までの手順を、より詳細に示す。ステップb1から
手順を開始し、ステップb2では導管の軸線方向に沿っ
て間隔をあけて複数箇所に振動センサを設置する。ステ
ップb3では、各振動センサの測定結果を記録媒体に録
音する。ステップb4では、図1のBPF13による前
処理を行う。ステップb5では、図1の相互相関関数処
理手段14による相関演算を行う。ステップb4の前処
理は複数の周波数帯域で行い、各前処理結果をそれぞれ
相互相関関数演算した結果をステップb6で表示手段に
表示し、明瞭なピークを示す周波数帯域の選定が可能で
あるか否かを判断する。周波数の選定が可能であればそ
の周波数帯域を選択し、ステップb7でピークに対応す
る漏洩時間差が確認可能となり、ステップb8で終了す
る。ステップb6で周波数帯域の選定が不可能な場合、
すなわち複数の周波数帯域のいずれも明瞭なピークを示
さないときには、ステップb2での振動センサの設置位
置が不適当であると判断され、他の位置に振動センサを
設置しなおす。
【0028】図5は、本実施形態のBPF13として、
種々の減衰傾度のBPFを用いて前処理を行い、相互相
関関数処理手段14によって得られる相互相関関数ピー
クの結果を比較して示す。図5(a)は24dB/oc
tの減衰傾度の場合を示し、図5(b)は48dB/o
ctの減衰傾度の場合を示し、図5(c)は96dB/
octの減衰傾度の場合を示す。各図で、ピークの位置
には印を付して示すけれども、図5(a)の24dB/
octの減衰傾度ではピークの判別性が必ずしも良くな
い。図5(c)に示す96dB/octの減衰傾度の場
合には、相関ピーク判別性が最も良好であることが判
る。
【0029】図6は、通過周波数帯域幅が1000Hz
のBPF13の通過周波数帯域を変えたときの相関ピー
クの判別性を比較して示す。図6(a)は、周波数帯域
が0〜1000Hzの結果を示す。図6(b)は、通過
周波数帯域が1000〜2000Hzの結果を示す。図
6(c)は、通過周波数帯域が2000〜3000Hz
の結果を示す。図6(d)は、通過周波数帯域が300
0〜4000Hzの結果を示す。図6(e)は、通過周
波数帯域が4000〜5000Hzの結果を示す。それ
ぞれの結果で、減衰傾度は96dB/octである。図
6(a)〜(e)の結果のうちでは、(d)に示す周波
数帯域幅が3000〜4000Hzが最もピークの判別
性が良好であることが判る。しかしながら、この周波数
帯域は、次に同じ結果が得られるとは限らず、条件が変
われば異なる周波数帯域の方がピーク判別性がよくなる
可能性もある。このため、可能であれば毎回全ての周波
数帯域について相関ピークを取り、最も判別性が良好な
周波数帯域の結果を選択することが好ましい。また通過
周波数帯域幅を1000Hzよりも狭くすることも好ま
しい。
【0030】図7は、図1に示すような構成を用いて、
管路系における漏洩音の伝播速度Vを算出する手順を示
す。ステップc1から手順を開始し、ステップc2で
は、管路系に沿って設けられるプロテクタなどの位置に
加振器を設置する。ステップc3では、図4のステップ
b1からステップb7までと同様の手順で、管路系に沿
って設けられる複数の位置での到達時間差測定を行う。
複数の位置間の距離は地表面上で測定し、その距離と到
達時間差とに基づいて、ステップc4で伝播速度Vを計
算する。ステップc5で手順を終了し、得られた伝播速
度Vは、図3のステップa4における漏洩位置計算の際
に用いられる。
【0031】図8は、導管30に振動センサ11を設置
する状態を示す。本実施形態では、導管30の外周面
に、治具31を介して振動センサ11を装着する。治具
31は、導管30の外周面に接触する部分が、外周面の
円筒に適合する凹曲面32として形成され、振動センサ
11に接する側は平面33として形成される。このた
め、導管30から効率よく振動を振動センサ11まで伝
達することができる。
【0032】図9は、図8に示す治具31の外形を示
す。図9(a)は斜視図、図9(b)は正面図をそれぞ
れ示す。このような治具31は、たとえば鉄などの金属
材料から製造する。導管30の外周への取付けは、導管
30が鉄などの金属製であれば、溶接で直接取付けた
り、治具31をマグネットとして磁力で装着したりする
ことができる。また導管30に接着剤によって接着する
こともできる。治具31に対して振動センサ11を取付
ける際にも、接着剤を用いることができる。またねじや
マグネットを用いて装着することもできる。なおねじや
マグネットで装着を行う際には、それぞれの接合面にシ
リコンオイル等を塗布しておいた方が、振動の伝達損失
を低減することができるので好ましい。
【0033】なお伝播速度Vを測定する際にも、図1の
BPF13は複数の周波数帯域で前処理し、相関ピーク
の判別性が良好なものを選択することが好ましい。次の
表1は、加振器設置位置と伝播速度との測定結果につい
て、BPF13の通過周波数帯域による違いを示す。
【0034】
【表1】
【0035】以上説明した実施形態では、振動センサの
測定結果である検出信号は一旦記録媒体に記録してから
相互相関関数処理を行うようにしているけれども、有線
または無線で測定結果を測定装置に伝送して、リアルタ
イムで処理することも可能である。
【0036】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、振動セン
サの測定結果を前処理するバンドパスフィルタの通過周
波数帯域幅を1000Hz以下と狭くし、減衰傾度を2
4dB/octを超えるように急峻にするので、漏洩音
の相互相関処理でピークが得られやすくなり、漏洩位置
の特定の可能性を高めることができる。
【0037】また本発明によれば、前処理を複数の周波
数帯域で行い、それぞれの相互相関関数処理結果から明
瞭に得られるピークを選択して到達時間差を求めるの
で、最も適合した周波数帯域の相互相関関数処理による
ピークを得ることができ、到達時間差に基づく漏洩位置
の特定の可能性を一層高めることができる。
【0038】また本発明によれば、加振音を加えて伝播
速度を測定する際にも、バンドパスフィルタで1000
Hz以下の周波数帯域幅を用い、減衰傾度も24dB/
octを超えるような急峻なものにするので、相互相関
関数処理でピークが得られやすくなり、加振音の到達時
間差に基づく伝播時間の測定を行える可能性を高めるこ
とができる。
【0039】また本発明によれば、加振音の測定に基づ
く伝播時間の測定の可能性を一層高めることができる。
【0040】また本発明によれば、漏洩音と加振音とに
対して、前処理および相互相関関数処理に用いるバンド
パスフィルタを共用することができる。
【0041】また本発明によれば、管に装着して漏洩音
または加振音を測定する振動センサへの振動の伝達効率
を高め、相互相関処理によるピークが得られる可能性を
高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態として、相関法による管
路系の漏洩位置特定方法によって管路系の漏洩位置を特
定する測定装置の概略的な構成を示すブロック図であ
る。
【図2】図1のBPF13の通過帯域特性を示すグラフ
である。
【図3】図1に示す測定装置を用いる漏洩位置特定の全
体的な手順を示すフローチャートである。
【図4】図1の測定装置を用いて漏洩位置を特定するた
めに振動センサ間の到達時間差を求める手順を示すフロ
ーチャートである。
【図5】図1のBPF13の減衰傾度の違いによる相関
ピークの判り易さの違いを示すタイムチャートである。
【図6】図1のBPF13の通過周波数帯域を変えたと
きの相関ピークの判り易さの違いを示すタイムチャート
である。
【図7】図1の測定装置を用いて管路系の伝播速度を求
める手順を示すフローチャートである。
【図8】図1の振動センサ11を治具31を用いて導管
30の外周に装着する状態を示す簡略化した正面断面図
である。
【図9】図8に示す治具31の斜視図および正面図であ
る。
【図10】地中に埋設されている導管に複数箇所で振動
センサを装着し、漏洩位置を漏洩音に基づいて特定する
方法を示す簡略化した断面図である。
【図11】図10の測定装置5の概略的な構成を示すブ
ロック図である。
【符号の説明】
11 振動センサ 13 BPF 14 相互相関関数処理手段 15 表示手段 16 選択手段 17 演算手段 30 導管 31 治具 32 凹曲面

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流体を輸送する管路系からの流体の漏洩
    位置を、管路系に沿って間隔をあけた2箇所の測定箇所
    での漏洩音の検出信号間の相互相関関数処理によって得
    られる時間差と、測定箇所間の距離および漏洩音の伝播
    速度とを用いて特定する方法において、 漏洩音の検出信号間の相互相関関数処理の前処理とし
    て、漏洩音を、0〜5000Hzの周波数帯域内で、1
    000Hz以下の通過周波数帯域幅を有し、通過周波数
    帯域外での減衰傾度が24dB/octを超えるバンド
    パスフィルタで濾波することを特徴とする相関法による
    管路系の漏洩位置特定方法。
  2. 【請求項2】 前記前処理および前記相互相関関数処理
    は、前記0〜5000Hzの周波数帯域内を複数の周波
    数帯域に分割して各周波数帯域毎に行い、複数得られる
    相互相関関数ピークのうち、判別が最も容易である周波
    数帯域についてのピークを、漏洩位置特定のために選択
    することを特徴とする請求項1記載の相関法による管路
    系の漏洩位置特定方法。
  3. 【請求項3】 前記伝播速度を、管路系に加振音を加え
    ながら、管路系に沿って間隔をあけた2箇所の測定箇所
    での加振音の検出信号間の相互相関関数処理によって得
    られる時間差と測定箇所間の距離とを用いて求める際
    に、 加振音の検出信号間の相互相関関数処理の前処理とし
    て、加振音を、0〜5000Hzの周波数帯域内で、1
    000Hz以下の通過周波数帯域幅を有し、通過周波数
    帯域外での減衰傾度が24dB/octを超えるバンド
    パスフィルタで濾波することを特徴とする請求項1また
    は2記載の相関法による管路系の漏洩位置特定方法。
  4. 【請求項4】 前記加振音によって伝播速度を求めるた
    めの前処理および前記相互相関関数処理は、前記0〜5
    000Hzの周波数帯域内を複数の周波数帯域に分割し
    て各周波数帯域毎に行い、複数得られる相互相関関数ピ
    ークのうち、判別が最も容易である周波数帯域について
    のピークを、伝播速度算出のために選択することを特徴
    とする請求項3記載の相関法による管路系の漏洩位置特
    定方法。
  5. 【請求項5】 前記加振音によって伝播速度を求めるた
    めの前処理および前記相互相関関数処理は、前記漏洩音
    の検出信号について、前記前処理および前記相互相関関
    数処理を行う周波数帯域で得られるピークを用いて行う
    ことを特徴とする請求項3記載の管路系の漏洩位置特定
    方法。
  6. 【請求項6】 前記漏洩音または前記加振音の測定箇所
    では、振動センサの管への取付けを、大略的に板状で、
    管の外周面に適合する凹曲面を片面に有する治具を介し
    て行うことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載
    の相関法による管路系の漏洩位置特定方法。
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