JP3488623B2 - 漏水位置検出方法および漏水位置検出装置 - Google Patents

漏水位置検出方法および漏水位置検出装置

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JP3488623B2
JP3488623B2 JP05200098A JP5200098A JP3488623B2 JP 3488623 B2 JP3488623 B2 JP 3488623B2 JP 05200098 A JP05200098 A JP 05200098A JP 5200098 A JP5200098 A JP 5200098A JP 3488623 B2 JP3488623 B2 JP 3488623B2
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義之 佐藤
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    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A20/00Water conservation; Efficient water supply; Efficient water use

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  • Measuring Volume Flow (AREA)
  • Examining Or Testing Airtightness (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、地中に埋設されて
いる水道管等の漏水位置を地表において推定検出する漏
水位置検出方法および漏水位置検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】老朽化等によって地中に埋設されている
水道管が破損すると、この破損箇所からいわるゆる漏水
が発生する。水道管からの漏水によって地中に浸透する
水の量は莫大なものであるといわれている。最近のよう
に水不足が重大な社会問題となつているときには、水道
管からの漏水をできるだけ少なくすることが水資源確保
のためにも重要である。
【0003】ところで、地中に埋設されている水道管の
漏水位置を検知する方法としては、従来から幾つか考え
られている。
【0004】代表的な例は人間の聴覚による方法であ
る。この方法では、水道管の地上に露出している部分、
たとえば弁の設けられている場所において、熟練作業者
が水道管を通して伝わる音を聴くことにより、その水道
管に漏水音(振動)が発生しているか否かを検知する。
この検知作業は、人間の聴覚および経験によるよるた
め、車の振動等による外部雑音の少ない深夜等に行われ
るのが一般的である。そして、水道管から漏水音が発生
していると検知されたときには、漏水音の最も大きい位
置を把握するために、作業者が地上を移動しながらマイ
ク(音聴センサ)や音聴棒を用いて音源を探査する。漏
水音の最も大きい位置を把握した時点で、その地面を掘
って水道管を露出させ、現実に漏水しているか否かを調
べ、必要な修復を行う。
【0005】しかし、この検出方法では、時間的な制約
があるばかりか、作業者の感覚を主体にして行われるた
め、作業能率が非常に悪く、しかも漏水箇所を精度良く
見つけ出し難いという問題があった。
【0006】一方、最近では、音響信号処理技術を応用
し、地表面に伝わる漏水エネルギの流れ方向を検出する
ことで、人間の感覚に頼ることなく、地中に存在する漏
水箇所を地上から検出する方法が提案されている。
【0007】この方法では、図18に示すように、地中
に埋設されている水道管1の一部分に漏水位置Eからの
漏水音を検知する漏水音検知センサ2を取付けるととも
に地表面3の2箇所に所定間隔dだけ離間させて地表振
動検知センサ4,5を配置し、この地表振動検知センサ
4,5を水道管1の配設経路に沿って移動させ、このと
きに信号処理装置6で地表振動検知センサ4,5の出力
信号から漏水音検知センサ2で得られた信号成分に関わ
りのある信号成分を相互相関処理で抽出し、抽出された
信号成分から地表面に伝わる漏水エネルギのインテンシ
ティを演算し、このインテンシティの大きさおよび極性
から漏水位置Eを示すベクトルを得るようにしている。
【0008】すなわち、この方法では、漏水位置Eから
放射された漏水音が地中を伝播して地表振動検知センサ
4,5に入射するとき、地表振動検知センサ4,5の位
置の違いに起因して位相差が生じることに着目し、この
位相差をインテンシティとして捉え、このインテンシテ
ィの大きさおよび極性から漏水位置Eを示すベクトル
(大きさおよび方向)を得るようにしている。
【0009】しかしながら、このような音響信号処理技
術を応用した検出方法にあっても次のような問題あっ
た。
【0010】すなわち、図18に示す方法で用いるイン
テンシティは、音響分野でいうアクティブインテンシテ
ィであり(以下、これを用いる方法をAI法と称す)、
音の進行方向に垂直な単位面積を単位時間に通過する音
のエネルギで定義される。これは音圧(振動)と粒子速
度の時間平均の量であり、粒子速度項は2つの地表振動
検知センサ4,5で検出した音圧(振動)の差を積分す
ることで得られる。この手法は直接積分法と呼ばれ、空
間域での音源探査では広く用いられている。
【0011】このAI法を用いた装置で得られるインテ
ンシティIa(x,y)は、図18に示される条件を用
いて示すと、(1)式で評価される。なお、漏水音は点
音源から放射され、地中の伝播経路では減衰はあるもの
の、反射はないものとする。
【数1】
【0012】この(1)式から判るように、AI法にお
けるインテンシティIa(x,y)は、漏水位置Eから
地表振動検知センサ4,5までの伝播距離の差とセンサ
設置誤差αとによって大きく変化する。このうちセンサ
設置誤差αとは、地表面と各地表振動センサとの接触状
態から生じる漏水振動検出時間遅れのことである。
【0013】今、センサ設置誤差αが零であると仮定す
ると、2つの地表振動検知センサ4,5を、その間隔d
を保って水道管1に沿って移動させたときの測定位置x
(ここでは漏水位置Eから2つの地表振動検知センサ
4,5の中間位置までの水平距離とする)に対するイン
テンシティIa(x,y)の大きさ(振動振幅)および
極性は、図19(b)に示すように、漏水位置Eに近付
くにしたがってインテンシティIa(x,y)が次第に
大きくなり、さらに近付くと一転して小さくなり、漏水
位置Eの真上では零となる。そして、2つの地表振動検
知センサ4,5をさらに移動させると、インテンシティ
Ia(x,y)の極性が反転し、その大きさが次第に増
加する。このときに得られる漏水位置特定ベクトルは図
19(a)に示すように変化する。
【0014】したがって、2つの地表振動検知センサ
4,5を水道管1に沿って移動させ、インテンシティI
a(x,y)の極性が+(−)から−(+)に転じる零
点位置、つまり漏水位置特定ベクトルが零の位置を求め
れば、その位置が漏水位置Eの真上(あるいは真上の
横)であることから、漏水位置Eを知るとができる。な
お、漏水位置Eから離れた場所では、漏水位置特定ベク
トルが反転するが、振幅が小さくなることから検知精度
には影響を与えない。
【0015】このように、図18に示されるAI法で
は、条件が理想的に満たされた場合でも、そのインテン
シティIa(x,y)が漏水位置Eの真上で零となって
しまうため、漏水位置特定ベクトルも零となる。漏水位
置近傍では、本来漏水から受けるエネルギが大きいにも
拘らず、この有効な情報をAI法では漏水位置特定ベク
トルに反映できないという問題があった。
【0016】なお、通常の空間域における音源探査で利
用するインテンシティも上述したアクティブインテンシ
ティの原理を使っている。しかし、この場合には漏水位
置の真上で見られるような上述した問題は生じない。こ
れは、音源探査の場合には空間に音源信号検出用マイク
を互いに直交するxyz軸上に複数設置することがで
き、1つの軸上のインテンシティ射影成分がたとえ零に
なつても、他の軸上の射影成分が大きさを持つことか
ら、最終的にインテンシティは3軸のベクトルの合成と
なり、エネルギ量を少なく算出することがないことによ
る。
【0017】漏水位置検出の場合においても、もしも地
中にセンサを埋設できれば、深さ方向に伝わるエネルギ
量を検出できるので、漏水位置真上の地表面インテンシ
ティが零になっても、深さ(鉛直)方向のインテンシテ
ィが最大となり、通常の空間域における音源探査と同様
の探査機能を発揮させることができる。しかし、漏水位
置検出では現実問題として地下にセンサを埋設すること
はできないので、地下方向のインテンシティを漏水位置
特定ベクトルに加えることができず、漏水エネルギを最
大限に利用することはできない。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】上述の如く、音響信号
処理技術を応用した漏水位置検出方法は、人間の聴覚に
頼る方法に比べて自由度が大きい。しかし、アクティブ
インテンシティ法を用いた従来の漏水位置検出方法で
は、漏水エネルギの有効利用を図ることができないた
め、この面から精度の高い漏水位置検出ができないとい
う問題があった。
【0019】そこで本発明は、上述した従来のアクティ
ブインテンシティ法が持つ不具合を解消でき、装置構成
も単純化でき、検出精度の向上に寄与できる漏水位置検
出方法および漏水位置検出装置を提供することを目的と
している。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に係る漏水位置検出方法では、地中に埋設
されている配管の漏水位置を推定検出するに当り、上記
配管の一部分に漏水音検知センサを取付けるとともに少
なくとも一対の地表振動検知センサを地表面に移動可能
に配置し、これら地表振動検知センサの出力信号から前
記漏水音検知センサで得られた信号とは関わりのない雑
音信号を相互相関処理でそれぞれ除去し、この処理を経
た対をなす信号を用いて地表面に伝わる漏水エネルギの
アクティブインテンシティを演算し、さらに前記相互相
関処理を経た一方の信号と時間積分処理された他方の信
号とを用いて周波数重み付けのあるリアクティブインテ
ンシテイを演算し、漏水の特定位置を示すベクトルの大
きさには前記リアクティブインテンシティの大きさを用
い、上記ベクトルの方向には前記アクティブインテンシ
ティの極性を用いて漏水位置特定ベクトルを求めるよう
にしている。
【0021】また、上記目的を達成するために、請求項
2に係る漏水位置検出方法では、地中に埋設されている
配管の漏水位置を推定検出するに当り、上記配管の一部
分に漏水音検知センサを取付けるとともに少なくとも一
対の地表振動検知センサを地表面に移動可能に配置し、
これら地表振動検知センサの出力信号から前記漏水音検
知センサで得られた信号とは関わりのない雑音信号を相
互相関処理でそれぞれ除去し、この処理を経た対をなす
信号を用いて地表面に伝わる漏水エネルギのアクティブ
インテンシティを演算し、さらに前記相互相関処理を経
た一方の信号と時間積分処理または時間微分処理された
他方の信号とを用いて最終的に周波数重み付けの除かれ
た真のリアクティブインテンシテイを演算し、漏水の特
定位置を示すベクトルの大きさには前記真のリアクティ
ブインテンシティの大きさを用い、上記ベクトルの方向
には前記アクティブインテンシティの極性を用いて漏水
位置特定ベクトルを求めるようにしている。
【0022】また、上記目的を達成するために、請求項
5に係る漏水位置検出装置では、地中に埋設されている
配管の一部分に取付けられる漏水音検知センサと、地表
面に移動可能に配置される少なくとも一対の地表振動検
知センサと、これら地表振動検知センサの出力信号から
前記漏水音検知センサで得られた信号とは関わりのない
雑音信号を相互相関処理でそれぞれ除去する手段と、こ
の手段による処理を経た対をなす信号を用いて地表面に
伝わる漏水エネルギのアクティブインテンシティを演算
する手段と、前記相互相関処理を経た一方の信号と時間
積分処理された他方の信号とを用いて周波数重み付けの
あるリアクティブインテンシティを演算する手段と、漏
水の特定位置を示すベクトルの大きさには前記リアクテ
ィブインテンシティの大きさを用い、上記ベクトルの方
向には前記アクティブインテンシティの極性を用いて漏
水位置特定ベクトルを求める手段とを備えている。
【0023】また、上記目的を達成するために、請求項
6に係る漏水位置検出装置では、地中に埋設されている
配管の一部分に取付けられる漏水音検知センサと、地表
面に移動可能に配置される少なくとも一対の地表振動検
知センサと、これら地表振動検知センサの出力信号から
前記漏水音検知センサで得られた信号とは関わりのない
雑音信号を相互相関処理でそれぞれ除去する手段と、こ
の手段による処理を経た対をなす信号を用いて地表面に
伝わる漏水エネルギのアクティブインテンシティを演算
する手段と、前記相互相関処理を経た一方の信号と時間
積分処理または時間微分処理された他方の信号とを用い
て最終的に周波数重み付けの除かれた真のリアクティブ
インテンシティを演算する手段と、漏水の特定位置を示
すベクトルの大きさには前記真のリアクティブインテン
シティの大きさを用い、上記ベクトルの方向には前記ア
クティブインテンシティの極性を用いて漏水位置特定ベ
クトルを求める手段とを備えている。
【0024】なお、請求項1,2に係る漏水位置検出方
法および請求項5,6に係る漏水位置検出装置におい
て、漏水音に含まれている周波数成分に対応させて間隔
を異ならせた実質的に複数対の地表振動検知センサを移
動可能に配置し、対象とする周波数成分毎に前記漏水位
置特定ベクトルをそれぞれ求めることが好ましい。この
場合、複数の周波数成分に対応させて配置される実質的
に複数対の地表振動センサは、対象とする周波数が低い
ほど間隔が広く設定される。そして、各周波数成分毎に
求められたインテンシティを合成して漏水位置特定ベク
トルを求めるようにしてもよい。
【0025】請求項1,2に係る漏水位置検出方法およ
び請求項5,6に係る漏水位置検出装置では、相互相関
処理を経た対をなす信号を用いて地表面に伝わる漏水エ
ネルギのアクティブインテンシティと、音圧(振動)の
変化のみでエネルギの伝播はないリアクティブインテン
シティ(電気系や機械系での無効パワーに相当する)と
を求め、漏水の特定位置を示すベクトルの大きさ(振動
振幅)にはリアクティブインテンシティの大きさ(絶対
値)を用い、上記ベクトルの方向にはアクティブインテ
ンシティの極性を用いて漏水位置特定ベクトルを求めて
いる。
【0026】このようにアクティブインテンシティとリ
アクティブインテンシティとを用いて漏水位置特定ベク
トルを算出する方法を以後、WLI法(Water−L
eak−Intensity)と呼ぶことにする。な
お、リアクティブインテンシティだけを用いて漏水位置
特定ベクトルを算出する方法も考えられる。これをRI
法と呼ぶことにする。WLI法は、AI法とRI法とを
組み合わせたものといえる。
【0027】WLI法で最終的に求められるインテンシ
ティI(x,y)は、(1)式で用いている変数を用い
て示すと、(2)式のようになる。
【0028】
【数2】
【0029】この(2)式は、後述するように、本来、
漏水エネルギが最も大きい位置である漏水位置真上にお
ける漏水位置特定ベクトルの大きさを最大にできること
を意味している。したがって、WLI法によれば、より
精度の高い漏水位置特定が可能となる。
【0030】また、特に請求項1,5に係る漏水位置検
出方法および漏水位置検出装置では、リアクティブイン
テンシティの演算に、相互相関処理を経た一方の信号と
時間積分処理された他方の信号とを用いており、請求項
2,6に係る漏水位置検出方法および漏水位置検出装置
では、相互相関処理を経た一方の信号と時間積分処理ま
たは時間微分処理された他方の信号とを用いて最終的に
周波数重み付けの除かれた真のリアクティブインテンシ
ティを演算するようにしている。
【0031】このように、リアクティブインテンシティ
の演算過程に時間積分処理といった簡単なソフトウェア
で実現できる手法を取り入れているので、演算系にバン
ドパスフィルタ等を用いる場合に比べて演算系の単純化
を図ることができる。
【0032】すなわち、アクティブインテンシティIa
(x,y)は、(1)式で示すとおりであり、これに対
して真のリアクティブインテンシティIr(x,y)は
(3)式で示される。
【0033】
【数3】
【0034】実際にリアクティブインテンシティIr
(x,y)を算出するには、相互相関処理を経た2つの
信号のうちの一方の信号の位相を90度ずらす必要があ
る。漏水音は単一周波数ではないので、対象とする周波
数全域に亘って位相を90度ずらす必要がある。これを
実現する手段として、複数のバンドパスフィルタを用い
るとともに、それぞれのバンドの中心周波数の位相を9
0度ずらすことが考えられるが、この手段では数多くの
フィルタを必要とするので、装置を構成したときに大掛
かりになるばかりか、演算結果に誤差が入り込み易い。
しかし、相互相関処理を経た一方の信号と時間積分処理
された他方の信号とを用いてリアクティブインテンシテ
ィIr(x,y)を算出する方法であると、上述した問
題を解決でき、WLI法の利点を最大限に発揮させた状
態で、なおかつ漏水位置特定精度を向上させることがで
きる。
【0035】なお、相互相関処理を経た一方の信号と時
間積分処理された他方の信号とを用いて算出されたリア
クティブインテンシティIr(x,y)は、アクティブ
インテンシティIa(x,y)に対して90度位相がず
れた真のリアクティブインテンシティの振幅に周波数の
重み付け、具体的には1/(2πf)の重みを付けたも
のとなるが、地中を伝播する音波は周波数が高くなるほ
ど距離減衰作用が大きく、実際にはセンサまで到達しな
いことが多いので、重み付けの影響は極めて少ない。勿
論、請求項2および6に係る漏水位置検出方法および漏
水位置検出装置のように、最終的に重み付けを除く処理
を施してもよい。
【0036】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら発明の
実施形態を説明する。
【0037】図1には本発明の一実施形態に係る漏水位
置検出装置のブロック構成図が示されている。
【0038】この装置は、大きく分けて、地中に埋設さ
れている水道管11の一部分、たとえば地上に露出して
いる弁部分等に取付けられる漏水音検知センサ12と、
漏水音信号に含まれる複数の周波数帯域を検出対象にし
て地表面13に移動可能に配置され、対象とする周波数
帯域に対応させて間隔をそれぞれ異ならせた実質的に複
数対の地表振動検知センサ14〜18と、これら地表振
動検知センサ14〜18の出力信号から漏水音検知セン
サ12で得られた信号とは関わりのない雑音信号を相互
相関処理でそれぞれ除去する相互相関処理部19と、こ
の処理部19を経た各対をなす信号を用いて地表面13
に伝わる漏水エネルギのうちの上記信号を出力した対を
なす地表振動検知センサが対象にしている周波数成分を
それぞれ抽出処理する信号処理部20と、アクティブイ
ンテンシティ算出部21とリアクティブインテンシティ
算出部22とを備え、信号処理部20で抽出された対を
なす各周波数帯域信号を導入してアクティブインテンシ
ティを算出するとともにリアクティブインテンシティを
算出し、漏水の特定位置を示すベクトルの大きさ(振動
振幅)にはリアクティブインテンシティの大きさ(絶対
値)を用い、上記ベクトルの方向にはアクティブインテ
ンシティの極性を用いて各周波数帯域毎に漏水位置特定
ベクトルを求めるベクトル演算部23と、信号処理部2
0とリアクティブインテンシティ算出部22との間に設
けられて信号処理部20で抽出された対をなす各周波数
帯域信号のうちの基準となる信号については積分処理を
施してリアクティブインテンシティ算出部22に導入す
る時間積分部24と、ベクトル演算部23によって演算
された各周波数帯域毎のインテンシティを合成演算する
演算部25と、この演算部25の出力に基づいて漏水位
置特定ベクトルを表示する表示部26とで構成されてい
る。
【0039】ここで、地表振動センサ14〜18は、対
をなすもの同士が所定の間隔を設けて直線上に配置され
ている。すなわち、この例では図2に示すように、地表
振動検知センサ14を共通(基準)センサとして用い、
この地表振動検知センサ14から距離X1 ,X2
3 ,X4 離れた位置に地表振動検知センサ15〜18
が配置されている。この配置から判るように、地表振動
検知センサ14と15、地表振動検知センサ14と1
6、地表振動検知センサ14と17、地表振動検知セン
サ14と18とがそれぞれ対をなしている。
【0040】さらに詳しく説明すると、地表振動検知セ
ンサ14と15とは、たとえば1kHz成分を対象にしてX
1 =20cmに設定されており、地表振動検知センサ14と
16とはたとえば600Hz 成分を対象にしてX2 =30cmに
設定されており、地表振動検知センサ14と17とはた
とえば400Hz 成分を対象にしてX3 =40cmに設定されて
おり、地表振動検知センサ14と18とはたとえば200H
z 成分を対象にしてX4 =50cmに設定されている。
【0041】これら地表振動検知センサ14〜18は、
支持部材27によって共通に支持されており、水道管1
1の配設経路に沿って移動可能に地表面3上に載置され
る。なお、対をなして配置される地表振動検知センサの
設け方は、上記例に限られるものではなく、たとえば図
3に示すように、各周波数成分専用のものを2個ずつ用
意し、これら対をなすもの同士で間隔の小さいものほど
中央部に位置するように配置してもよい。また、地表振
動検知センサの移動には、動力車を用いることもできる
が、作業者の手で行うようにしてもよい。また、一対の
地表振動検知センサだけ用意し、両センサの間隔を作業
者の手で順次変更する方式も採用できる。
【0042】ここで、相互相関処理部19、演算部2
0、ベクトル演算部23、時間積分部24、演算部25
における、たとえば地表振動検知センサ14と15との
対、地表振動検知センサ14と16との対の処理系を代
表して取り出すと、これらの処理系は図4に示すように
構成されている。
【0043】この構成から判るように、演算部20を構
成しているデジタルフィルタによって抽出された対象と
する周波数帯域の対をなす信号を、一方においてはアク
ティブインテンシティ算出部21に導入してアクティブ
インテンシティを算出させ、他方においては基準となる
地表振動検知センサ14の信号のみを時間積分部24、
具体的には積分器に通し、この積分器を通った信号と残
りの信号とをリアクティブインテンシティ算出部22に
導入してリアクティブインテンシティを算出させ、さら
にベクトル演算部23において漏水の特定位置を示すベ
クトルの大きさには前記リアクティブインテンシティの
大きさを用い、上記ベクトルの方向には前記アクティブ
インテンシティの極性を用いる漏水位置特定ベクトルを
演算させるようにしている。
【0044】このような構成であると、次のようにして
漏水位置特定ベクトルが算出される。なお、ここでは説
明を簡単にするために、対をなす地表振動検知センサ1
4,15に注目して説明する。
【0045】先に説明したように、地表振動検知センサ
14,15によって検出された信号のうち相互相関処理
部19によって相関処理された信号は演算部20に導入
され、この演算部20によって対象とする周波数帯域の
信号成分のみが抽出される。抽出された一対の対象とす
る周波数帯域信号は、一方においてはアクティブインテ
ンシティ算出部21に導入される。このアクティブイン
テンシティ算出部21で算出されるアクティブインテン
シティIaは、(1)式によって表現され、測定位置に
よって図5(b)に示すように変化する。
【0046】抽出された一対の対象とする周波数帯域信
号は、他方においては時間積分部24を介して(一方の
信号のみ)リアクティブインテンシティ算出部22に導
入される。このりアクティブインテンシティ算出部21
で算出されるリアクティブインテンシティIrは、理想
的な条件においては(3)式によって表現され、測定位
置によって図5(c)に示すように変化する。
【0047】ベクトル演算部23は、漏水の特定位置を
示すベクトルの大きさにはリアクティブインテンシティ
Irの大きさを用い、ベクトルの方向にはアクティブイ
ンテンシティIaの極性を用いてインテンシティIを演
算する。このインテンシティIは、(2)式によって表
現され、測定位置によって図5(d)に示すように変化
する。
【0048】そして、最終的に演算部25を介して表示
部26に表示される漏水位置特定ベクトルは、図5
(a)に示すように、漏水位置に近づくほど大きくな
り、真上で最大となり、これを境にして極性が反転して
小さくなっていく。
【0049】したがって、この例に係る装置によれば、
漏水エネルギが最も大きい位置である漏水位置真上にお
ける漏水位置特定ベクトルの大きさを最大にすることが
でき、効率よく精度の高い漏水位置推定が可能となる。
なお、この例に係る装置では漏水位置から離れた位置で
もインテンシティが反転しないように振幅項に絶対値を
付けている。
【0050】ところで、この例に係る装置ではリアクテ
ィブインテンシティIrの演算に当たって、基準となる
信号については時間積分部24において積分された信号
を用いている。このため、算出されたリアクティブイン
テンシティIr′は、(4)式に示すように、振幅に−
(1/ω)、つまり−(1/2πf)の重み付けがなさ
れたものとなる。
【0051】
【数4】
【0052】しかし、このように、(2πf)で除算す
る重み付けが行われても、重み付けの影響はほとんど表
れない。
【0053】すなわち、(2πf)で除算することは、
換言すると、高周波数の影響を小さくし、低周波数を強
調することになる。地表に伝わる漏水信号が低周波数域
から高周波数域まで同じレベルの場合には、低周波数の
信号成分で算出されたインテンシティの数値の方が高周
波数よりも支配的となり、真のインテンシティに近づけ
難くなる。しかし、実際には、地中にある音源から地表
に音が伝わる間に距離減衰が働き、高周波数域ほど減衰
が大きい。
【0054】図6(a),(b)には、図6(c)に示
す配置で実際に地中に加振源を埋設して漏水信号相当の
加速度レベルで加振し、その加振源信号と地表面に伝わ
る信号との間でのコヒーレンス(相関度)を調べた結果
が示されており、また図7には地表でのコヒーレンスの
分布を調べた結果が示されている。これらから判るよう
に、漏水位置近傍であっても、高周波数の信号ほど地表
に伝わり難い。したがって、地表で検出される漏水信号
はもともと高周波成分が小さいので、積分処理の影響を
受け難いことになる。
【0055】発明者らは、さらに「積分処理によるイン
テンシティに及ぼす影響」をシミュレーションによって
考察した。
【0056】(1) センサ間隔一定(周波数分割なし)に
おけるシミュレーション結果 これは間隔が一定に保たれた一対の地表振動検知センサ
を用いる場合である。この条件で、真のリアクティブイ
ンテンシティIrを用いた場合、WLI法で得られるイ
ンテンシティI(x,y)は(5)式のようになる。
【0057】
【数5】
【0058】これに対して、時間積分処理を導入して算
出されたリアクティブインテンシティを用いた場合、W
LI法で得られるインテンシティI(x,y)は、
(6)式のようになる。
【0059】
【数6】
【0060】図8、図9には配管の埋設深度等の条件を
同じくし、センサ間隔のみを0.2m、0.4mと異な
らせて、(5)式に基づいて算出された漏水位置特定ベ
クトル(図8(b)、図9(b))と、(6)式に基づ
いて算出された漏水位置特定ベクトル(図8(a)、図
9(a))とが示されている。
【0061】これらの図から判るように、リアクティブ
インテンシティの算出過程に積分処理を導入し、この結
果として(1/2πf)の重み付けが行われても、20
0Hzから1kHzのランダム音を対象にしたインテン
シティの結果にはほとんど変わりがない。これは、高周
波域では距離減衰が大きいため、低周波域に比べて地表
に伝わる漏水インテンシティそのものが小さく、(1/
2πf)の重み付けの影響が現れにくいことによる。
【0062】したがって、リアクティブインテンシティ
の算出過程に積分処理を導入しても真のリアクティブイ
ンテンシティを用いた場合とほとんど同じ結果が得ら
れ、漏水位置特定精度を低下させることはないといえ
る。
【0063】(2) 周波数帯域毎にセンサ間隔を変えた条
件におけるシミュレーション結果 ここでは、間隔の異なる2対の地表振動検知センサを用
いる場合について説明する。このように対象とする周波
数帯域に最適な間隔の地表振動検知センサを用いる理由
は、地表面と地表振動検知センサとの接触状態から生じ
る検出時間遅れ(位相遅れ)による漏水位置特定精度の
低下を抑制するためで、この点については後述する。
【0064】対象とする周波数域を低周波数帯域と高周
波数帯域とに分け、各周波数帯域に適した間隔を持つ実
質的に2対の地表振動検知センサ用いる条件で、真のリ
アクティブインテンシティIrを用いた場合、WLI法
で算出されるインテンシティI(x,y)は(7)式の
ようになる。
【0065】
【数7】
【0066】これに対して、時間積分処理を導入してリ
アクティブインテンシティを算出した場合、WLI法で
得られるインテンシティI(x,y)は(8)式のよう
になる。
【0067】
【数8】
【0068】図10、図11には配管の埋設深度、セン
サ間隔(低域0.4m、高域0.2m)等の条件を同じ
くし、センサ設置誤差(位相差)のみを0度、30度と
異ならせて、(7)式に基づいて算出された漏水位置特
定ベクトル(図10(b)、図11(b))と、(8)
式に基づいて算出された漏水位置特定ベクトル(図10
(a)、図11(a))とが示されている。
【0069】これらの図から判るように、センサ設置誤
差が0度、30度の場合でも、またセンサ間隔を対象と
する周波数帯域毎に変化させた場合においても、リアク
ティブインテンシティの算出過程に積分処理を導入した
ことによる漏水位置特定精度劣化は生じていない。した
がって、センサ設置誤差対策として、複数対の地表振動
検知センサを用いる場合であってもリアクティブインテ
ンシティの算出過程に積分処理を導入することによって
真のリアクティブインテンシティを用いた場合とほとん
ど同程度の漏水位置特定精度を確保できるといえる。
【0070】このように、リアクティブインテンシティ
の算出過程に積分処理を導入しても真のリアクティブイ
ンテンシティに近づけることができるので、信号処理系
の複雑化をなく漏水位置特定精度を向上させることがで
きる。
【0071】次に、リアクティブインテンシティの算出
過程に積分処理を導入したことの有効性を検証した模擬
漏水実験および実際の漏水現場試験の結果を説明する。
【0072】(1)模擬漏水実験 鉛管に漏水個所となる直径2mmの穴を開け、この鉛管を
地中1mに埋設した。メータますに漏水音検知センサを
取り付けた。図12に示すように、地表面に低周波数帯
域用および高周波数帯域用の3個1組の地表振動検知セ
ンサを配置し、鉛管から漏水させている状態で鉛管に沿
って40cm間隔で図1に示した装置と同様の手法で漏水
位置特定ベクトルを測定した。その結果、図13に示す
ように、漏水位置の真上で漏水位置特定ベクトルが最大
となり、リアクティブインテンシティの算出過程に積分
処理を導入したことの有効性が確認された。
【0073】(2)漏水現場試験 地中1mに埋設された漏水配管を用いて実際の漏水位置
特定を実施した。図14に示すように、メータますに漏
水音検知センサを取り付けるとともに地表面に低周波数
帯域用および高周波数帯域用の3個1組の地表振動検知
センサを配置し、配管に沿って40cm間隔で図1に示し
た装置と同様の手法で漏水位置特定ベクトルを測定し
た。その結果、図14に示すように実際の漏水位置周囲
50cm内で漏水位置特定ベクトルの向きが反転し、リア
クティブインテンシティの算出過程に積分処理を導入し
たことの有効性が確認された。
【0074】なお、上述した例では、リアクティブイン
テンシティの算出過程に時間積分処理を導入し、振動振
幅に周波数重み付けのあるリアクティブインテンシティ
を算出しているが、これに限られるものではなく、相互
相関処理を経た一方の信号と時間積分処理または時間微
分処理された他方の信号とを用いて最終的に重み付けの
逆数を掛けることによって、周波数重み付けの除かれた
真のリアクティブインテンシテイを演算するようにして
もよい。
【0075】次に、対象とする周波数帯域に最適な間隔
の地表振動検知センサを用いなけれならない理由につい
て説明する。
【0076】図15から図17には地表振動検知センサ
の間隔を20cm、50cmに設定し、これらの間隔で20
0Hz、400Hz、600Hz、800Hz、1kH
zの漏水信号をWLI法で測定したときのインテンシテ
ィIの変化が示されている。インテンシティIの極性が
+(−)から−(+)に急激に変わる場所が漏水箇所の
真上に当たる。なお、これらの図で破線はAI法で測定
されたインテンシティを示している。
【0077】これらの図において、たとえばセンサ間隔
50cmを例にとると、周波数が200Hzのとには、漏
水箇所の真上だけにおいて極性転換が行われるが、周波
数が高くなると、漏水箇所の真上以外の場所においても
極性転換が行われる。前述の如く、WLI法では極性転
換を有効に活用しているので、漏水箇所の真上以外の複
数の場所において極性転換が行われると漏水位置特定精
度が低下する。したがって、高い漏水位置特定精度を確
保するには、対象とする周波数が200Hzの場合には
センサ間隔をたとえば50cmにする必要がある。同様
に、対象とする周波数が1kHzの場合には、図17に
示されるように、センサ間隔が50cmの場合より、セン
サ間隔が20cmのほうが有利である。
【0078】このように、同じセンサ間隔でも周波数に
よってインテンシティの変化特性に差が出るのは、地表
面と地表振動検知センサとの接触状態から生じるセンサ
設置誤差α、つまり検出時間遅れが周波数によって異な
ることによる。
【0079】図15から図17に示す特性から判るよう
に、低周波数帯域では地表振動検知センサの間隔dを大
きくした方がセンサ設置誤差αの許容範囲が拡大する。
一方、高周波数帯域では波長が短いことから、間隔dを
小さくした方がよいことが判る。
【0080】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
人間の聴覚に頼ることなく、また雑音の多い昼間におい
ても容易に、しかも装置構成の複雑化を招くことなく地
中内配管に存在する漏水位置を精度よく特定することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る漏水位置検出装置の
ブロック構成図
【図2】同装置における地表振動検知センサの配置例を
説明するための図
【図3】地表振動検知センサの異なる配置例を説明する
ための図
【図4】同装置の信号処理系を局部的に取り出して示す
【図5】同装置によって算出された漏水位置特定ベクト
ルの特徴を説明するための図
【図6】地中に埋設された加振源の信号と地表面に伝わ
る信号との間でのコヒーレンスを調べた実験結果を示す
【図7】同実験において地表のコヒーレンス分布を調べ
た結果を示す図
【図8】リアクティブインテンシティの演算に積分処理
を導入したことによる影響を調べた結果を説明するため
の図
【図9】リアクティブインテンシティの演算に積分処理
を導入したことによる影響を調べた結果を説明するため
の図
【図10】リアクティブインテンシティの演算に積分処
理を導入したことによる影響を調べた結果を説明するた
めの図
【図11】リアクティブインテンシティの演算に積分処
理を導入したことによる影響を調べた結果を説明するた
めの図
【図12】模擬漏水実験で採用したセンサ位置関係を説
明するための図
【図13】模擬漏水実験の結果を説明するための図
【図14】漏水現場試験の状況と観測された漏水位置特
定ベクトルとの関係を示す図
【図15】WLI法におけるセンサ間隔と周波数とイン
テンシティとの関係の一例を示す図
【図16】WLI法におけるセンサ間隔と周波数とイン
テンシティとの関係の一例を示す図
【図17】WLI法におけるセンサ間隔と周波数とイン
テンシティとの関係の一例を示す図
【図18】AI法を用いた従来の漏水位置検出装置の概
略構成図
【図19】従来の装置で算出した漏水位置特定ベクトル
を説明するための図
【符号の説明】
11…水道管(配管) 12…漏水音検知センサ 13…地表面 14〜18,14a,14b,15a,15b,16
a,16b,17a,17b…地表振動検知センサ 19…相互相関処理部 20…信号処理部 21…アクティブインテンシティ算出部 22…リアクティブインテンシティ算出部 23…ベクトル演算部 24…時間積分部 25…演算部 26…漏水位置特定ベクトル表示装置 E…漏水位置
フロントページの続き (72)発明者 田崎 拓也 東京都新宿区西新宿2丁目8番1号 東 京都水道局内 (72)発明者 江波戸 明彦 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 佐藤 義之 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東 芝府中工場内 (72)発明者 環 省二郎 東京都港区芝浦1丁目1番1号 株式会 社東芝本社事務所内 (56)参考文献 特開 平5−256726(JP,A) 特開 平6−273223(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01M 3/24 G01F 1/00

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】地中に埋設されている配管の漏水位置を推
    定検出するに当り、上記配管の一部分に漏水音検知セン
    サを取付けるとともに少なくとも一対の地表振動検知セ
    ンサを地表面に移動可能に配置し、これら地表振動検知
    センサの出力信号から前記漏水音検知センサで得られた
    信号とは関わりのない雑音信号を相互相関処理でそれぞ
    れ除去し、この処理を経た対をなす信号を用いて地表面
    に伝わる漏水エネルギのアクティブインテンシティを演
    算し、さらに前記相互相関処理を経た一方の信号と時間
    積分処理された他方の信号とを用いて周波数重み付けの
    あるリアクティブインテンシテイを演算し、漏水の特定
    位置を示すベクトルの大きさには前記リアクティブイン
    テンシティの大きさを用い、上記ベクトルの方向には前
    記アクティブインテンシティの極性を用いて漏水位置特
    定ベクトルを求めるようにしたことを特徴とする漏水位
    置検出方法。
  2. 【請求項2】地中に埋設されている配管の漏水位置を推
    定検出するに当り、上記配管の一部分に漏水音検知セン
    サを取付けるとともに少なくとも一対の地表振動検知セ
    ンサを地表面に移動可能に配置し、これら地表振動検知
    センサの出力信号から前記漏水音検知センサで得られた
    信号とは関わりのない雑音信号を相互相関処理でそれぞ
    れ除去し、この処理を経た対をなす信号を用いて地表面
    に伝わる漏水エネルギのアクティブインテンシティを演
    算し、さらに前記相互相関処理を経た一方の信号と時間
    積分処理または時間微分処理された他方の信号とを用い
    て最終的に周波数重み付けの除かれた真のリアクティブ
    インテンシテイを演算し、漏水の特定位置を示すベクト
    ルの大きさには前記真のリアクティブインテンシティの
    大きさを用い、上記ベクトルの方向には前記アクティブ
    インテンシティの極性を用いて漏水位置特定ベクトルを
    求めるようにしたことを特徴とする漏水位置検出方法。
  3. 【請求項3】漏水音に含まれている周波数成分に対応さ
    せて間隔を異ならせた実質的に複数対の地表振動検知セ
    ンサを移動可能に配置し、周波数成分毎に前記漏水位置
    特定ベクトルをそれぞれ求めるようにしたことを特徴と
    する請求項1または2に記載の漏水位置検出方法。
  4. 【請求項4】前記複数の周波数成分に対応させて配置さ
    れる実質的に複数対の地表振動センサは、対象とする周
    波数が低いほど間隔が広く設定されることを特徴とする
    請求項3に記載の漏水位置検出方法。
  5. 【請求項5】地中に埋設されている配管の漏水位置を推
    定検出するための装置であって、 前記配管の一部分に取付けられる漏水音検知センサと、 地表面に移動可能に配置される少なくとも一対の地表振
    動検知センサと、 これら地表振動検知センサの出力信号から前記漏水音検
    知センサで得られた信号とは関わりのない雑音信号を相
    互相関処理でそれぞれ除去する手段と、 この手段による処理を経た対をなす信号を用いて地表面
    に伝わる漏水エネルギのアクティブインテンシティを演
    算する手段と、 前記相互相関処理を経た一方の信号と時間積分処理され
    た他方の信号とを用いて周波数重み付けのあるリアクテ
    ィブインテンシティを演算する手段と、 漏水の特定位置を示すベクトルの大きさには前記リアク
    ティブインテンシティの大きさを用い、上記ベクトルの
    方向には前記アクティブインテンシティの極性を用いて
    漏水位置特定ベクトルを求める手段とを具備してなるこ
    とを特徴とする漏水位置検出装置。
  6. 【請求項6】地中に埋設されている配管の漏水位置を推
    定検出するための装置であって、 前記配管の一部分に取付けられる漏水音検知センサと、 地表面に移動可能に配置される少なくとも一対の地表振
    動検知センサと、 これら地表振動検知センサの出力信号から前記漏水音検
    知センサで得られた信号とは関わりのない雑音信号を相
    互相関処理でそれぞれ除去する手段と、 この手段による処理を経た対をなす信号を用いて地表面
    に伝わる漏水エネルギのアクティブインテンシティを演
    算する手段と、 前記相互相関処理を経た一方の信号と時間積分処理また
    は時間微分処理された他方の信号とを用いて最終的に周
    波数重み付けの除かれた真のリアクティブインテンシテ
    ィを演算する手段と、 漏水の特定位置を示すベクトルの大きさには前記真のリ
    アクティブインテンシティの大きさを用い、上記ベクト
    ルの方向には前記アクティブインテンシティの極性を用
    いて漏水位置特定ベクトルを求める手段とを具備してな
    ることを特徴とする漏水位置検出装置。
  7. 【請求項7】地表面に移動可能に配置される地表振動検
    知センサは漏水音に含まれている周波数成分に対応させ
    て間隔が異なるように配置された実質的に複数対設けら
    れており、周波数成分毎に前記漏水位置特定ベクトルを
    それぞれ求めるようにしていることを特徴とする請求項
    5または6に記載の漏水位置検出装置。
  8. 【請求項8】前記複数の周波数成分に対応させて配置さ
    れる実質的に複数対の地表振動センサは、対象とする周
    波数が低いほど間隔が広く設定されることを特徴とする
    請求項7に記載の漏水位置検出装置。
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