JPH10281921A - ガス配管の漏洩監視方法および装置 - Google Patents

ガス配管の漏洩監視方法および装置

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JPH10281921A
JPH10281921A JP8809497A JP8809497A JPH10281921A JP H10281921 A JPH10281921 A JP H10281921A JP 8809497 A JP8809497 A JP 8809497A JP 8809497 A JP8809497 A JP 8809497A JP H10281921 A JPH10281921 A JP H10281921A
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gas
leak
pressure wave
leakage
sensor
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Application number
JP8809497A
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English (en)
Inventor
Yuichiro Ueno
雄一郎 上野
Makoto Senoo
誠 妹尾
Minoru Yanagibashi
実 柳橋
Shuichi Kato
修一 加藤
Kiyousuke Wakasa
匡輔 若狭
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Hitachi Engineering and Services Co Ltd
Hitachi Ltd
Tokyo Gas Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Engineering and Services Co Ltd
Hitachi Ltd
Tokyo Gas Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ガス配管の微小な漏洩、ノイズに埋もれ検出不
可能であった漏洩の検出と位置標定を可能とする。 【解決手段】ガス配管内に圧力波発生装置60から圧力
波を注入し、ガス漏洩点Xの漏洩音に変動を励起し、振
幅の強調と相互相関を変動された漏洩音を、配管に設置
した2個のマイクロフォン11,12で検出する。A/
D変換された2つの検出信号により、相互相関算出部3
0で相互相関値が算出される。コンピュータ40は、遅
延時間算出部42で相関値のピーク値を読み取り、しき
い値以上のときガス漏洩を判定し、ピーク値の遅延時
間、すなわちマイクロフォン11,12の時間差からガ
スの漏洩位置Xを標定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、音響信号を用いる
ガス配管の漏洩位置検出に関し、特に微小ガス漏洩の検
知と漏洩位置標定を高精度に行う方法及び装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ガス配管からのガス漏れは爆発等の大事
故の危険性が非常に高く、早急に発見し補修する必要が
ある。また、地震等の自然災害に伴うガス漏れは、ライ
フライン確保の見知からも迅速な対応が求められてい
る。しかし、漏洩の発生したガス配管の補修工事は、漏
洩位置を特定できないまま広範囲の配管を掘り起こして
いるため、莫大な費用と時間がかかっているのが現状で
ある。
【0003】配管の漏洩位置の検出に関しては多くの提
案がなされている。特開昭58−34334号には、配
管の両端にAEセンサを設置し、センサ出力実効値の増
大から漏洩を検知し、実効値の比から漏洩位置を標定す
る方式が開示されている。特開昭58−168934号
には、配管に取り付けられた複数の音響センサにより受
信された漏洩音の周波数成分毎の振幅情報を得ることに
より、定常音に基いて漏洩位置を検出する方式が開示さ
れている。特開平4−72537号には、所定距離だけ
離した対の音波センサを配管の複数箇所に設け、配管に
発生した漏洩音や建設機械による衝撃音などの異常音
を、複数箇所のセンサ間の検出時差と対のセンサ間の時
差から求めた流体の流れ方向による音速とから、その発
生位置を算出する方式が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ガス配管のガス漏洩位
置標定技術の最大の課題は、S/Nの向上である。漏洩
音響信号(S)の面から見ると、微小なガス漏洩であっ
ても、長時間に渡って漏洩するとガス漏洩量が多くなる
ので、たとえ微小な漏洩でも検知し漏洩箇所を補修しな
ければならない。
【0005】しかし、ガス配管はその配管距離が数10
〜数100kmに達し、その大半は地中に埋設されるの
で、センサの取付け箇所が限られる。必然的にセンサ間
距離が長くなり、漏洩音響の減衰を生じ、センサで捕ら
えられる信号レベルが低下する。逆に、雑音信号(N)
は、上流から伝播してくるガス整流器などの発生音、下
流から伝搬して来るガス燃焼器などの発生音、埋設して
いる地上を通過する自動車や近くの工事等の機械音など
があり、これら外来音がS/Nを悪化させる。
【0006】上記に引用した従来技術の場合も、センサ
で検出したガス漏洩音のレベルが周波数帯域の類似して
いるノイズレベルに近くなると識別が困難になり、S/
Nの課題を克服しているとは言い難い。また、S/Nの
悪い漏洩音からその漏洩位置を検出するためには、複数
のセンサからの検出信号を常時、受動的に監視し、その
オンラインデータまたは蓄積データを解析処理する必要
があり、きわめて処理効率が悪い。膨大な延長量のガス
配管に適用するためには、多数の区分領域に配置したセ
ンサ出力を高速処理するための計算機が必要となる。
【0007】本発明の目的は、従来技術の問題点を克服
し、微小ガス漏洩の検出感度を向上しその位置標定を可
能としたガス管漏洩監視方法を提供することにある。ま
た、上記方法による主動的なタイミングで漏洩音の解析
処理量を低減し、比較的安価な計算機によるガス管漏洩
監視装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明の第1の特徴は、漏洩の検査時にガス配管内に人為的
に圧力波を注入し、ガス漏洩音に圧力波による変調を励
起することで、ガス漏洩音の信号レベルを向上させるこ
とにあり、1センサによる方式と複数センサによる方式
がある。
【0009】図2に、1センサによる本発明の概念図
と、検出信号の波形図を示す。センサからX(未知)の
距離にガス漏洩点があると仮定する。ガス配管内の音速
をSと仮定する。センサから既知の距離L1から圧力波
を注入したとき、センサ1で検出される信号同図(b)
のように時間変化する。
【0010】圧力波注入からL1/S時間後(トリガタ
イミング)にセンサは圧力波を検出し、そのX/S時間
後に圧力波がガス漏洩点Xに到達して、ガス漏洩点より
漏洩音の変動波が放出される。ガス漏洩音は圧力波によ
って変調され、それ以前のレベルから識別可能なレベル
に強調されている。
【0011】さらに、ガス漏洩音の変動波の放出からX
/S時間後に、センサはガス漏洩音の変動波を検出す
る。従って、圧力波の到達時間とガス漏洩音の変動波の
到達時間の時間差Tを測定すれば、T=2X/Sより、
センサから漏洩位置までの距離Xは式(1)から求ま
る。
【0012】
【数1】 X=TS/2 …(1) X=TS/2+L1 …(2) ガス漏洩位置の方向については、検査前に検討がつけれ
ることが多いので、図2のようにガス漏洩点Xとセンサ
の外延に、圧力波注入位置を設置できる。しかし、事前
にガス漏洩位方向についての予測がつかず、結果として
注入位置がセンサとガス漏洩点Xの間になる場合にも、
本実施例の1センサによる位置標定が以下のように可能
である。
【0013】センサからガス漏洩点Xの間に、センサか
らL1の距離に注入位置が設置された場合、圧力波注入
時を起点とすると、そのL1/S後に圧力波がセンサに
到達する。一方、(X−L1)/S時間後に圧力波が漏
洩点に到達し、それによる漏洩音の変調波が(2X−L
1)/S時間後にセンサに到達する。したがって、距離
Xは式(2)から求まる。この式(1),(2)はの使
い分けは、センサに到来する音波の受信方向によって選
択できる。たとえば、指向性のある2個の音響センサの
一対を、受信方向を反対にして設置すればよい。もちろ
ん、L1の値はXに比べて十分に小さい場合が多いの
で、式(1)のみによってもその誤差は無視できる程度
となる。
【0014】図3に、2センサによる本発明の概念図
と、検出信号の波形図を示す。センサ1及びセンサ2を
距離Lの間隔で設置し、その間のセンサ1からX(未
知)の距離にガス漏洩点があると仮定する。センサ1の
外延の距離L1から圧力波を注入したとき、センサ1、
2によって検出される信号は同図(b)のように時間変
化する。
【0015】圧力波注入のL1/S時間後(トリガタイ
ミング)に、センサ1は圧力波を検出し、その2X/S
時間後にガス漏洩音の強調された変動波を検出する。一
方、センサ1が圧力波を検出したL/S時間後に、セン
サ2は圧力波及びガスの漏洩音の変動波を検出する。従
って、センサ1及びセンサ2にガス漏洩音の変動波が到
達する時間差T=(L−2X)/Sより、漏洩位置Xは
式(3)から求まる。
【0016】
【数2】X=(L−ST)/2 …(3) ここで、漏洩位置がセンサ1及びセンサ2の外にある場
合、その両センサの検出信号による時間差はセンサ間距
離Lによる固定値(L/S)となる。この場合は、セン
サ配置を変更して、時間差が固定値(L/S)とならな
いように、すなわち、漏洩位置がセンサ間となるように
センサの配置を変更する。もちろん、センサを3個以上
の配置として、時間差が固定値(L/S)とならない2
センサ間の測定値を利用するようにしてもよい。
【0017】上記において、2センサより1センサの検
出精度が低いとは限らない。2個のセンサの設置距離が
長くなりすぎ、S/Nが悪化する場合には、センサの配
置が自由な1個の方が優れていることもある。また、信
号処理が非常に簡単なため、信号処理時間が短く、信号
処理装置自体の構造も簡単にできる利点がある。
【0018】上記目的を達成する本発明の第2の特徴
は、2センサによってガス漏洩音を検出し、その相互相
関値を算出し、そのピーク値の遅延時間が2センサの検
出時間差に相当することを利用して、漏洩位置の標定を
行うことにある。すなわち、微小漏洩で漏洩音の信号レ
ベルが小さい場合や、漏洩音以外の外乱音等のノイズが
大きい場合に、しきい値を越えた信号の時間差で判定す
ることができなくなるので、2センサを使用し信号間の
相互相関を算出し漏洩位置を標定する必要がある。な
お、2センサは本構成における最小数であり、必要に応
じそれ以上のセンサを配置してもよい。
【0019】さらに、本発明の第3の特徴は、第2の特
徴に加えて圧力波を注入するもので、圧力波によってガ
ス漏洩音に励起される非定常的な変動を2センサで受信
し、その非定常な変動によって高められた相関値から、
より微小な漏洩やノイズに埋もれて検出不能な漏洩も検
出可能としたことを特徴とする。
【0020】図4に、相互相関関数による相関値と遅延
時間の関係を示す。この相関関数は図3(b)によるセ
ンサ1及びセンサ2の検出信号について、センサ1によ
る圧力波受信後を起点にした相関値を示し、ピーク値が
存在する遅延時間Tが2つのセンサの時間差Tに相当す
る。
【0021】ここで、相互相関関C(τ)の定義式を式
(4)に示す。式中のバー(横線)は時間平均を意味
し、τは遅延時間である。式(5)に示すように、相互
相関関数はクロススペクトルSxy(f)を逆フーリエ変
換したものであり、Sxy(f)は信号X(f)、Y
(f)により、式(6)のように表せる。ここで、Eは
アンサンブル平均を意味する。従って、2センサの検出
信号x(t)、y(t)を、FFT処理によりフーリエ
変換してクロススペクトルを算出し、そのクロススペク
トルを逆FFT処理することにより、相互相関を求める
ことができる。
【0022】
【数3】
【0023】上記目的を達成する本発明の第4の特徴
は、上記した第1から第3の特徴を実現する装置構成に
ある。最も複雑となる第3の特徴の場合は、少なくとも
2個のセンサよりなる音響信号検出部によりガス配管の
音響信号を検出し、信号前処理部により音響信号の増幅
及び周波数帯域制限を行い、相関演算部により圧力波の
注入と同期して前処理済みの音響信号の相互相関を算出
し、ガス漏洩判定部において相互相関より漏洩検知及び
漏洩位置標定を行う。さらに、本構成において、上記各
特徴の構成を制御装置により適宜、選択構成できるよう
にしてもよい。
【0024】ガス配管内に注入する圧力波は、低周期の
衝撃波及び正弦波等があり、圧力波の注入は、配管をた
ゝいて衝撃波を励起する方式、コンプレッサ等を利用し
強制的にガス配管に圧力波を注入する方式、配管の整流
器の弁を駆動し配管内に流入するガスの圧力を変化させ
る方式等がある。この圧力波の変動レベルは、異常燃焼
等を押さえるために設定しているガス圧規定値を越えな
い程度とし、これによってガス供給を遮断せずにガス漏
洩の検査補修が可能となる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態につい
て図面を参照しながら詳細に説明する。図1に、ガス管
の漏洩監視装置の構成を示す。本実施形態では圧力波発
生装置60を用意し、かつ、2個のセンサ信号の相互相
関を算出する機能を備えている。圧力波発生装置60に
は、配管を直接たゝいて衝撃波を励起する打撃機構を具
備している。
【0026】ガス配管に距離Lの間隔でマイクロフォン
11,12を設置し、その検出信号を増幅するプリアン
プ21及びメインアンプ22、信号の周波数帯域を制限
するローパスフィルタ23及びA/D変換器24からな
る信号前処理部を経由する。ガス漏洩音の周波数帯域
(数Hz〜数kHz)に対応して、ローパスフィルタ2
3は数kHzである。
【0027】相互相関算出部(DSP)30はマイクロ
フォン11,12で検出し、前処理部から出力された2
つのデジタル信号をFFT処理し、相互相関を算出す
る。コンピュータ40はDSP31から相互相関値を取
り込み、ガス漏洩の検知と漏洩位置の標定を行って、結
果をマンマシンインタフェース50に表示する。
【0028】コンピュータ40にはガス管の漏洩監視機
能として、DSP制御部43、圧力波発生装置制御部4
4、相関値からピーク値を読み取り、しきい値以上の場
合に遅延時間を算出する遅延時間算出部42、マンマシ
ンインタフェース50を含む各部との入出力処理を含
む、総合制御部41を有している。
【0029】図5に、実施形態1によるガス漏洩監視の
処理フローを示す。まず、圧力波発生装置60を稼働し
て、圧力波をガス管に注入する(S101)。次に、圧
力波に同期して2個のセンサ11,12から音響信号を
取り込み(S102)、相互相関を算出する(S10
3)。この処理を規定回数繰返し加算平均する(S10
4)。加算平均後、相互相関値のピーク値を算出し(S
105)、そのピーク値が予め設定したしきい値を越え
たか判定し(S106)、越えていない場合は漏洩なし
と判定し(S107)、処理を終了する。ピーク値がし
きい値を越えている場合は漏洩有りと判定し、相関値の
ピーク位置が示す遅延時間を算出し(S108)、その
遅延時間より漏洩位置を標定する(S109)。
【0030】図6に、コンピュータとDSPの処理につ
いてブレークダウンしたフローを示す。漏洩検知スター
トの前に、コンピュータ40はマイクロフォン間距離
L、信号取り込みトリガレベルα、漏洩判定相関値のし
きい値β、相互相関値加算回数Nなどのパラメータをマ
ンマシンインターフェース50から取り込む。
【0031】漏洩検知スタートで、コンピュータ40は
圧力波発生装置60を稼働して衝撃波をガス管に注入
し、マイクロフォン11,12による音響信号の受信が
開始される(S201)。マイクロフォン11の音響信
号がαレベル以上となる信号を監視し(S202)、マ
イクロフォン11が圧力波を受信してトリガレベルαを
受信したとき、コンピュータ40はA/D変換器24を
制御して、マイクロフォン11、12からの受信信号を
A/D変換する(S203)と共に、DSP30を制御
して以後の処理を行う。なお、A/D変換を処理S20
1の直後に行うようにしてもよい。
【0032】次に、DSP30はマイクロフォン11,
12のデジタル信号x(t)、y(t)を、FFT処理
によりフーリエ変換してクロススペクトルS(ω)
(ω:角振動数)を演算し、N回にわたるS(ω)加算
を行ない(S204〜S207)、その1/NによるS
(ω)平均値を求める(S208)。ここまでが式
(6)による。さらに、S(ω)平均値の逆FTTによ
り相互相関関数C(τ)を演算する(S209)。次
に、コンピュータ40はC(τ)のピーク値Mcの読み
取り、ピーク値の遅延時間T(マイクロホン11からマ
イクロホン12の遅延時間)を算出する(S210)。
ピーク値Mcがしきい値β以上であるかチエックし(S
211)、β以上であればガス漏洩と判定して位置Xを
式(3)より算出する(S212)。
【0033】上記の処理S202では、マイクロフォン
11がトリガレベルαを越える音響信号を受信したと
き、圧力波を最初に受信したタイミングと判断して、マ
イクロフォン11及びマイクロフォン12の受信信号に
よる相互相関関数の演算処理を開始している。しかし、
圧力波発生装置60とマイクロフォン11の距離L1が
既知の場合には、圧力波発生装置60からの圧力波注入
のタイミング信号をコンピュータ40で受信し、それか
らL1/S時間をカウントして、圧力波がマイクロフォ
ン11に最初に到達する時間T1(L1/S)をカウン
トし、相互相関関数の演算処理を開始するようにしても
よい。
【0034】また、上記では圧力波として衝撃波をガス
管内に注入しているが、低周期の正弦波を注入すること
も可能である。圧力波として低周期の正弦波を注入する
場合は、注入する正弦波の波長をマイクロホン間距離L
にすれば、上記で実行している音響信号取り込みのタイ
ミングを考慮する必要がなくなる。また、音響信号をハ
イパスフィルタ処理することにより、注入した正弦波状
の圧力波を除去し、より微小な漏洩音の検出も可能とな
る。
【0035】本実施例の信号処理は図5及び図6の処理
手順に限定されない。たとえば、加算平均した相互相関
関数を演算する手順において、クロススペクトルの加算
平均を行い、加算平均したクロススペクトルを逆FFT
して相互相関関数の加算平均値を算出する代りに、信号
取り込みごとに相互相関関数まで演算し直に相互相関関
数の加算平均を求めてもよい。また、相互相関関数の演
算方法において、音響信号のFFTを実行してクロスス
ペクトルを算出し、逆FFT処理して相互相関関数を算
出する代りに、音響信号の時系列データから直接相互相
関関数を演算してもよい。
【0036】本実施例の構成を、上記した本発明の特徴
1または特徴2に対応させて、縮減した構成とすること
は容易である。さらに、コンピュータ40の総合制御部
41に、マンマシンインターフェース50からの指示に
従って、上記特徴1、上記特徴2及び上記特徴3である
本実施例の構成を選択制御する機能を備えるようにして
もよい。
【0037】すなわち、特徴1の場合はマイクロフォン
11のみ、またはマイクロフォン11,12を機能さ
せ、DSP30は演算を行わずに信号をスルーする。遅
延時間算出部42は圧力波で励起された漏洩音信号の変
動波の時間差からガス漏洩位置を算出する。特徴2の場
合は圧力波発生装置60を稼働しない。DSP30によ
る相互相関関数の演算処理は漏洩検知スタートと同時に
開始される。
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、圧力波による励起によ
って漏洩音響信号が強調され、あるいは2センサの漏洩
音響信号による相関関数を求めることで信号間の時間差
を識別できるので、ガス管の微小な漏洩や、ノイズに埋
もれて検出不可能であった漏洩の検出と位置標定を可能
にする効果がある。
【0039】本発明によれば、圧力波の注入タイミング
に同期して漏洩検知を行うので、計算機による解析処理
が少なく、装置コストの低減が可能になる。また、音響
センサの配置の自由度を高くできるので、ガス管漏洩検
査の作業が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例によるガス管漏洩監視装置の
構成図。
【図2】本発明の1センサによる漏洩位置標定の概念を
示す説明図。
【図3】本発明の2センサによる漏洩位置標定の概念を
示す説明図。
【図4】2センサの相関関数による時間差の検出を示す
説明図。
【図5】本発明の一実施例によるガス管漏洩方法の処理
手順を示すフロー図。
【図6】図6を部分的に詳細化したフロー図。
【符号の説明】
11…マイクロフォン、12…マイクロフォン、21…
プリアンプ、22…メインアンプ、23…ローパスフィ
ルタ、24…A/D変換器、30…DSP(相互相関算
出部)、40…コンピュータ、41…総合制御部、42
…遅延時間算出部、43…DSP制御部、44圧力波発
生装置制御部、50…マンマシンインタフェース、60
…圧力波発生装置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 妹尾 誠 茨城県日立市大みか町七丁目2番1号 株 式会社日立製作所電力・電機開発本部内 (72)発明者 柳橋 実 茨城県日立市幸町三丁目2番2号 株式会 社日立エンジニアリングサービス内 (72)発明者 加藤 修一 茨城県日立市幸町三丁目2番2号 株式会 社日立エンジニアリングサービス内 (72)発明者 若狭 匡輔 千葉県千葉市美浜区中瀬2番3号 東京瓦 斯株式会社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガス配管からのガス漏洩音をセンサで検
    出して、ガス漏洩の検知と漏洩位置の標定を行う漏洩監
    視方法において、 ガス漏洩の監視時にガス配管内に圧力波を注入し、前記
    圧力波がセンサに受信されるトリガ時刻を起点に、前記
    圧力波によって励起された前記ガス漏洩音の変動波が前
    記センサに受信される時間に基づいて、前記漏洩位置の
    標定を行うことを特徴とするガス配管の漏洩監視方法。
  2. 【請求項2】 ガス配管からのガス漏洩音を少なくとも
    2つのセンサで検出して、ガス漏洩の検知と漏洩位置の
    標定を行う漏洩監視方法において、 ガス漏洩の監視時にガス配管内に圧力波を注入し、前記
    圧力波の注入位置に近い第1のセンサに前記圧力波が受
    信されるトリガ時刻を起点に、前記圧力波によって励起
    された前記ガス漏洩音の変動波が前記第1のセンサに受
    信される時間と、前記ガス漏洩音の変動波が第2のセン
    サに受信される時間に基づいて、前記漏洩位置の標定を
    行うことを特徴とするガス配管の漏洩監視方法。
  3. 【請求項3】 ガス配管からのガス漏洩音を少なくとも
    2つのセンサで検出して、ガス漏洩の検知と漏洩位置の
    標定を行う漏洩監視方法において、 ガス漏洩の監視時に第1のセンサによる検出信号と第2
    のセンサによる検出信号の相互相関を演算し、そのピー
    ク値がしきい値以上のときにガスの漏洩有りと判定し、
    前記ピーク値の示す遅延時間から第1のセンサと第2の
    センサの漏洩音の時間差を求め、前記漏洩位置の標定を
    行うことを特徴とするガス配管の漏洩監視方法。
  4. 【請求項4】 請求項3において、 ガス漏洩の監視の開始時にガス配管内に圧力波を注入
    し、前記圧力波の注入位置に近い第1のセンサに前記圧
    力波が受信されるトリガ時刻を起点に、前記圧力波によ
    って相互相関に非定常の変動を励起されているガス漏洩
    音を前記第1及び第2のセンサで受信し、これらセンサ
    による検出信号によって前記相互相関の演算を行うこと
    を特徴とするガス配管の漏洩監視方法。
  5. 【請求項5】 請求項1、2または4において、 前記トリガ時刻は、圧力波を意味する所定レベル以上の
    音響信号が受信された時点、または圧力波の注入タイミ
    ングから該圧力波が最も近いセンサへ到達する所定時間
    によって定められることを特徴とするガス配管の漏洩監
    視方法。
  6. 【請求項6】 請求項5において、 前記圧力波を意味する所定レベルは、通常のガス漏洩音
    の信号より高く、かつ配管中のガスに燃焼を発生させる
    ことのないガス圧規定値より低い値に設定されることを
    特徴とするガス配管の漏洩監視方法。
  7. 【請求項7】 ガス配管からのガス漏洩音を検出して、
    ガス漏洩の検知と漏洩位置の標定を行う漏洩監視装置に
    おいて、 ガス配管の所定位置に配置され前記ガス漏洩音を検出す
    る少なくとも1つの音響センサと、 前記所定位置から離間したガス配管内に圧力波を注入す
    る圧力波発生装置と、 前記圧力波によって励起された前記ガス漏洩音の変動波
    が前記音響センサに受信される到達時間またはセンサ間
    の到達時間差に基づいて、前記漏洩位置の算出を行う計
    算機を備えていることを特徴とするガス配管の漏洩監視
    装置。
  8. 【請求項8】 ガス配管からのガス漏洩音を検出して、
    ガス漏洩の検知と漏洩位置の標定を行う漏洩監視装置に
    おいて、 ガス配管の所定位置に配置され前記ガス漏洩音を検出す
    る少なくとも2つの音響センサと、 前記所定位置から離間したガス配管内に圧力波を注入す
    る圧力波発生装置と、 前記圧力波によって励起された前記ガス漏洩音の変動波
    が前記音響センサに受信されるセンサ間の遅延時間を示
    す表す相互相関を演算する相互相関演算装置(DSP)
    と、 前記遅延時間に基づいて、前記漏洩位置の算出を行う計
    算機を備えていることを特徴とするガス配管の漏洩監視
    装置。
  9. 【請求項9】 請求項8において、 前記計算機装置は、前記音響センサの1つまたは2つ以
    上の信号の取り込み、前記圧力波発生装置の稼働または
    休止、前記相互相関演算装置の起動または停止の複数の
    組合せを選択可能にする制御部を有していることを特徴
    とするガス配管の漏洩監視装置。
  10. 【請求項10】 請求項7、8または9において、 前記圧力波発生装置は前記圧力波として、パルス状の衝
    撃波または低周期の正弦波を発生することを特徴とする
    ガス管の漏洩監視装置。
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