JP2001108563A - 異常箇所検出装置 - Google Patents

異常箇所検出装置

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JP2001108563A JP28412399A JP28412399A JP2001108563A JP 2001108563 A JP2001108563 A JP 2001108563A JP 28412399 A JP28412399 A JP 28412399A JP 28412399 A JP28412399 A JP 28412399A JP 2001108563 A JP2001108563 A JP 2001108563A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 導管からの雑音中に含まれる漏洩音を短い検
査時間で検出する異常箇所検出装置を提供する。 【解決手段】 被検査管に発生する漏洩音を受信する3
つの超音波センサを備えると共に、これらセンサからの
受信信号を処理する信号処理部に、fを受信信号の周波
数、3つの超音波センサの内、ある2つの超音波センサ
の受信信号から求めたコヒーレンシィをγ(f)、積分
区間の下限値と上限値をfs’とfe’とし、予め決めら
れた周波数帯域幅をWとして、コヒーレンシィの絶対値
の積分値が最大になるときの積分区間の上限値fs’と
下限値fe’を上限周波数fsと下限周波数feとし、上
限周波数fsと下限周波数feとの間の周波数範囲では
1、その他は0となる周波数特性H(f)を持つバンド
パスフィルタを含む前処理部と、前処理された信号から
相互相関関数を演算する相関処理部とを備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、水、油、あるい
はその他の液体またはガス等の気体を通す被検査管例え
ば導管の異常箇所を検出する異常箇所検出装置に関する
もので、特に、導管の複数箇所において異常箇所からの
漏洩音を受信し、受信信号の相互相関関数の計算に基づ
いて異常箇所の位置を検出する方式を採用した異常箇所
検出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の異常箇所検出装置として
は、例えば特開平5−87669号公報に開示されてい
るように、2つのセンサで受信した受信信号に前処理を
施す異常箇所検出装置が知られている。図12は上述し
た異常箇所検出装置を示す構成図である。図12におい
て、1は導管、2は異常箇所、3aおよび3bは超音波
センサ、4は音圧測定器、5は相関器である。
【0003】上述した異常箇所検出装置においては、導
管1に異常箇所2が存在すると、それにより漏洩が生
じ、それに伴い漏洩音が発生する。上記漏洩音は、雑音
とともに、上記導管1を伝搬して2つの超音波センサ3
aおよび3bで受信される。受信信号は、雑音を除去す
るため、予め決められた帯域を持つバンドパスフィルタ
によりフィルタリングされる。その後、音圧測定器4を
経て相関器5により相互相関関数が計算され、相互相関
関数がピークをとる時間と、上記漏洩音が導管1を伝搬
する伝搬速度とに基づいて異常箇所2の位置を特定す
る。
【0004】また、その他の従来の異常箇所検出装置と
して、例えば特開平11−14492号公報に開示され
ているような、2つのセンサで受信した受信信号に前処
理を施す異常箇所検出装置が知られている。図13は上
述した異常箇所検出装置を示す構成図である。図13に
おいて、図12に示す従来例と同一部分は同一符号を付
してその説明は省略する。
【0005】図13に示す異常個所検出装置において
は、導管1に異常箇所2が存在すると、そこに漏洩が生
じ、それに伴い漏洩音が発生する。上記漏洩音は、雑音
とともに上記導管1を伝搬して2つの超音波センサ3a
および3bで受信され、次のようにして異常箇所が特定
される。
【0006】まず、2つの超音波センサ3aおよび3b
で挟まれた導管1上の区間を検査区間とし、検査区間上
のある範囲を検査範囲とする。2つの受信信号は、複数
の異なる周波数帯域を持つバンドパスフィルタによりフ
ィルタリングされ、それぞれのバンドパスフィルタによ
りフィルタリングされた2つの受信信号から、各周波数
帯域毎に相互相関係数を求める。
【0007】次に、上記各周波数帯域毎の相互相関係数
において、上記検査範囲に相当する遅延時間の範囲の部
分が抽出される。抽出された上記各周波数帯域毎の相互
相関係数において、その値の最大値がある閾値以上にな
る周波数帯域が求められ、この周波数帯域を持つバンド
パスフィルタが選択される。
【0008】さらに、2つの超音波センサ3aおよび3
bの少なくとも1つについて、上記選択されたバンドパ
スフィルタによりフィルタリングされた受信信号を合成
する。上記検査範囲における漏洩箇所の有無は、上記合
成された受信信号の時間的な連続性、振幅強度および合
成波形を得る過程における周波数帯域の加算数から行
う。以上の処理を、上記検査区間上のすべての検査範囲
について施すことにより、上記検査区間上における漏洩
箇所2の有無および位置の特定を行う。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、従来で
は、導管1の2箇所で超音波信号を受信し、2つの受信
信号に前処理し、次に、前処理した信号に対し相関処理
を施すことから、異常箇所2の位置を特定する技術が知
られている。
【0010】このように、相関処理の前処理にバンドパ
スフィルタを用いることにより、漏洩音および雑音の周
波数スペクトルが既知である場合には、雑音を効率良く
除去することができる。また、導管1を伝搬する超音波
は、周波数により伝播速度が異なる、すなわち速度分散
を持つので、受信信号において全ての周波数帯域を考慮
するには、速度分散の影響を考慮する必要があるが、バ
ンドパスフィルタを用いてある限られた周波数帯域のみ
を考慮することから、速度分散の影響を抑制することが
できる。
【0011】しかしながら、漏洩音の周波数帯域は、異
常箇所の大きさや形状および導管1中を流れる媒質にか
かる圧力により変化するので、予め漏洩音の周波数帯域
を正確に予測することはできない。したがって、特開平
5−87669号公報に開示された異常箇所検出装置の
ように、相関処理の前処理として、予めその帯域が定め
られたバンドパスフィルタでフィルタリングしても、予
め定めた周波数帯域が漏水音の持つ周波数帯域であると
は限らない。また、予め定めた周波数帯域が漏洩音の持
つ周波数帯域であったとしても、雑音も上記周波数帯域
を持つ場合もある。
【0012】以上のことから、予めその帯域が定められ
たバンドパスフィルタのみでは、雑音を除去するには不
十分である。したがって、上記バンドパスフィルタによ
り抽出した信号に対して相関処理を行うことから、異常
箇所の位置の特定を行っても、その特定精度には問題が
ある。
【0013】また、特開平11−14492号公報に開
示された異常箇所検出装置においては、複数の異なる周
波数帯域を持つバンドパスフィルタを用いて受信信号を
フィルタリングし、各周波数帯域毎に相互相関係数を逐
次計算し、各相互相関係数の最大値の大きさから採用す
るバンドパスフィルタの周波数帯域を選択している。ま
た、上記選択されたバンドパスフィルタによりフィルタ
リングされた受信信号を合成し、上記合成された受信信
号の時間的な連続性、振幅強度および合成波形を得る過
程における周波数帯域の加算数から、漏洩箇所の有無を
特定している。
【0014】なお、導管1からの漏洩音は、移動するこ
とのない一定位置の発信源からの信号であるという特徴
を持つ。このような信号が支配的な周波数帯域において
は、相互相関係数の最大値は大きいと考えられる。つま
り、上述のようにバンドパスフィルタを選択することに
よって、一定位置の発信源からの信号が支配的な周波数
帯域を持つバンドパスフィルタを選択することができ
る。つまり、漏洩音の周波数帯域が未知であっても、漏
洩音が支配的な周波数帯域を持つバンドパスフィルタを
選択することができる。
【0015】また、導管からの漏洩音は、時間的に連続
的な信号であるという特徴も併せ持つ。したがって、上
記合成された受信信号の時間的な連続性から、合成され
た信号が漏洩音であるかどうかを特定できる。
【0016】以上のことから、特開平11−14492
号公報に開示された異常箇所検出装置においては、一定
位置の発信源からの時間的に連続的な信号である漏洩音
を、受信信号から効率良く抽出し、漏洩箇所の有無およ
び位置の特定精度を上げることを意図したものである。
【0017】しかしながら、特開平11−14492号
公報に開示された異常箇所検出装置においては、複数の
異なる周波数帯域を持つバンドパスフィルタを用いて受
信信号をフィルタリングし、各周波数帯域毎に相互相関
係数を逐次計算するために、膨大な計算時間を要する。
計算時間が膨大になるということは、例えば、水道管の
漏水検査等において、検査時間が膨大になるということ
を意味する。
【0018】このように、従来の異常箇所検出装置にお
ける相関処理の前処理の方法は、異常箇所からの漏洩音
の特徴を考慮したものでないか、もしくは、膨大な計算
時間のかかるものであった。したがって、例えば水道管
の漏水検査等の異常箇所の検出において、実用に値する
ものではなかった。
【0019】この発明は上述した点に鑑みてなされたも
ので、異常箇所からの漏洩音の特徴と、導管の異常箇所
の検査の際にしばしば問題となるような雑音の特徴とを
考慮した前処理を施し、その後に相関処理を行い、導管
における異常箇所の存在の有無と異常箇所の位置の特定
の確度や精度を向上すると共に、短い検査時間での異常
箇所の検出を可能とする異常箇所検出装置を提供するも
のである。
【0020】
【課題を解決するための手段】この発明に係る異常箇所
検出装置は、被検査管に異常箇所が存在することにより
発生する漏洩音を受信するための3つの超音波センサを
備えると共に、これらの超音波センサによる漏洩音の受
信信号をそれぞれ受信部を介して入力し信号処理する信
号処理部に、fを受信信号の周波数、上記3つの超音波
センサの内、ある2つの超音波センサで受信した受信信
号から求めたコヒーレンシィをγ(f)、積分区間の下
限値をfs’、積分区間の上限値をfe’とし、予め決め
られた周波数帯域幅をWとして、
【0021】
【数5】
【0022】の値が最大になるときの積分区間の下限値
s’と上限値fe’を下限周波数fsと上限周波数fe
し、
【0023】
【数6】
【0024】で表わされる周波数特性H(f)を持つバ
ンドパスフィルタを含む前処理部と、上記前処理部によ
り前処理された信号から相互相関関数を演算する相関処
理部とを備えたことを特徴とするものである。
【0025】また、上記信号処理部は、上記相関処理部
により演算された相互相関関数の包絡線を求め、さらに
予め決められた繰り返し回数だけ求められた上記相互相
関関数の包絡線を平均化する後処理部をさらに備えたこ
とを特徴とするものである。
【0026】また、上記後処理部は、上記平均化された
相互相関関数の包絡線のピーク値と予め決められたある
閾値との大小関係から異常箇所の有無を判定することを
特徴とするものである。
【0027】また、上記後処理部は、3つの超音波セン
サの内、ある2つの超音波センサで受信した受信信号に
ついての上記平均化された相互相関関数の包絡線がピー
クになる時間と、3つの超音波センサの内、上記2つの
超音波センサの片方のセンサと上記2つの超音波センサ
以外の超音波センサとで受信した受信信号についての上
記平均化された相互相関関数の包絡線がピークになる時
間と、上記3つの超音波センサの各離間距離とから異常
箇所の位置を特定することを特徴とするものである。
【0028】また、上記後処理部は、異常箇所が存在す
る場合としない場合の予備実験から得られる統計データ
に基づいて上記平均化された相互相関関数の包絡線のピ
ーク値に関する閾値を決定することを特徴とするもので
ある。
【0029】また、他の発明に係る異常箇所検出装置
は、被検査管に異常箇所が存在することにより発生する
漏洩音を受信するための2つの超音波センサを備えると
共に、これら超音波センサによる漏洩音の受信信号をそ
れぞれ受信部を介して入力し信号処理する信号処理部
に、fを受信信号の周波数、上記2つのセンサで受信し
た受信信号から求めたコヒーレンシィをγ(f)、積分
区間の下限値をfs’、積分区間の上限値をfe’とし、
予め決められた周波数帯域幅をWとして、
【0030】
【数7】
【0031】の値が最大になるときの積分区間の下限値
s’と上限値fe’を下限周波数fsと上限周波数fe
し、
【0032】
【数8】
【0033】で表わされる周波数特性H(f)を持つバ
ンドパスフィルタを含む前処理部と、上記前処理部によ
り前処理された信号から相互相関関数を演算する相関処
理部とを備えたことを特徴とするものである。
【0034】また、上記信号処理部は、上記相関処理部
において演算された相互相関関数の包絡線を求め、さら
に予め決められた繰り返し回数だけ求められた上記相互
相関関数の包絡線を平均化する後処理部をさらに備えた
ことを特徴とするものである。
【0035】また、上記後処理部は、上記平均化された
相互相関関数の包絡線のピーク値と予め決められたある
閾値との大小関係から異常箇所の有無を判定することを
特徴とするものである。
【0036】また、上記後処理部は、2つの超音波セン
サで受信した受信信号についての上記平均化された相互
相関関数の包絡線がピークになる時間と、被検査管を漏
洩音が伝搬するときの伝播速度と、上記2つの超音波セ
ンサの各離間距離とから異常箇所の位置を特定すること
を特徴とするものである。
【0037】さらに、上記後処理部は、異常箇所が存在
する場合としない場合の予備実験から得られる統計デー
タに基づいて上記平均化された相互相関関数の包絡線の
ピーク値に関する閾値を決定することを特徴とするもの
である。
【0038】
【発明の実施の形態】実施の形態1.この発明の実施の
形態1に係る異常箇所検出装置について図1ないし図1
1を参照しながら説明する。図1はこの発明の実施の形
態1に係る異常箇所検出装置を示す構成図である。図1
において、1は水、油、あるいはその他の液体またはガ
ス等気体を通す被検査管としての導管、2は上記導管1
の異常箇所、6は地中である。
【0039】また、図1に示す異常箇所検出装置は、異
常箇所2が存在することにより発生する漏洩音を受信す
るための超音波センサ3a、3bおよび3cと、受信装
置7とを備えている。
【0040】図1においては、上記導管1が上記地中6
に埋もれている場合について示しているが、上記導管1
は、そのすべての部分もしくはその一部分が上記地中6
より上に存在していても構わない。また、図1におい
て、上記異常箇所2は1箇所である場合について述べて
いるが、上記異常箇所2は1箇所でなくても、複数箇所
でも構わない。
【0041】また、図1において、L1は超音波センサ
3aと超音波センサ3bの間の導管1に沿った距離、L
2は超音波センサ3bと超音波センサ3cの間の導管1
に沿った距離であり、xは超音波センサ3aから異常箇
所2までの導管1に沿った距離である。
【0042】なお、図1において、導管1の中の水、
油、あるいはその他の液体またはガス等の気体は、流れ
ていても、流れていなくても構わない。また、流れてい
る場合には、流れの方向はどちら向きでも構わない。
【0043】超音波は、人間の耳に聞こえない程度に高
い周波数の音波や弾性波を指す言葉として使われるが、
この発明では、周波数は特に規定しないものとする。す
なわち、この発明における「超音波」という文言には、
人間の耳で聞こえる周波数の上限の限界よりも高い周波
数の音波や弾性波に限らず、この上限よりも低い周波数
の音波や弾性波も含めた波という意味を含んでおり、無
論、人間の耳で聞こえる周波数の下限の限界よりも低い
周波数の音波や弾性波という意味も含む。
【0044】また、図1においては、超音波センサ3
a、3bおよび3cが導管1に当てて置かれている場合
を示しているが、上記超音波センサ3a、3bおよび3
cは、上記導管1の3箇所において漏洩音を受信するこ
とが目的であり、この目的が達成できるならば、上記超
音波センサ3a、3bおよび3cは、上記導管1に直接
接触していなくても構わない。また、この目的が達成で
きるならば、上記超音波センサ3a、3bおよび3c
は、上記導管1の内部に配置されても構わない。
【0045】ここで、異常箇所2と、超音波センサ3
a、3bおよび3cとの位置関係について説明する。3
つの超音波センサの内、2つの超音波センサ、例えば、
図1における超音波センサ3bと3cとの間は、地表上
に露出していて、その間に異常箇所がないことが目視に
より判断できる領域等、異常箇所2がないことが既知で
ある領域である。異常箇所2は、3つの超音波センサの
内、上記2つの超音波センサ以外の超音波センサ、例え
ば図1における超音波センサ3aと、上記2つの超音波
センサの内、上記2つの超音波センサ以外の超音波セン
サに近い方の超音波センサ、例えば図1における超音波
センサ3bとの間に位置している。
【0046】図1において、受信装置7は、受信部71
と、信号処理部72と、報知手段としての表示部73
と、制御部74とを含む。超音波センサ3a、3bおよ
び3cは、各受信部71にそれぞれ接続され、各受信部
71は信号処理部72に接続され、信号処理部72は表
示部73に接続されている。
【0047】制御部74は、各受信部71、信号処理部
72および表示部73に接続されており、検査を行うた
めの情報やコマンドが入力され、また、受信部71、信
号処理部72および表示部73に対し、これらの動作を
制御するための制御信号や、検査の進行状況の情報に関
する信号を逐次送受信して、これらの機能を司る。
【0048】また、受信部71は、図示はしないが、受
信信号を増幅するためのアンプと、A/D変換部とを含
む。信号処理部72は、受信信号をフィルタリングする
ための前処理部72aと、超音波センサ3a、3bおよ
び3cで受信した3つの受信信号の内の2つの信号の相
互相関関数を計算するための相関処理部72bと、相互
相関関数に包絡線検波等の処理を行うための後処理部7
2cとを含む。前処理部72aは、相関処理部72bに
接続されており、相関処理部72bは、後処理部72c
に接続されている。また、上記信号処理部72は、図示
はしていないが、内部にメモリを有する。そのメモリに
演算処理された種々の結果が適宜記憶される。
【0049】また、信号処理部72における前処理部7
2aは、下限周波数をfsとし、上限周波数をfeとし
て、式(1)で表わされる周波数特性H(f)を持つバ
ンドパスフィルタを含んでいる。
【0050】
【数9】
【0051】なお、後述するが、漏洩音が導管1を伝搬
するときの伝搬速度が既知であれば、超音波センサ3
a、3bおよび3cの3つの内、2つの超音波センサの
間が地表上に露出していて、その間に異常箇所がないこ
とが目視により判断できる領域等、異常箇所2がないこ
とが既知である領域内にある2つの超音波センサの内の
一つ、例えば図1における超音波センサ3cを取り除い
ても、異常箇所2の有無、異常箇所2の位置の特定を行
うことができる。このような場合であれば、超音波セン
サ3a、3bおよび3cの内の一つを取り除くことによ
り、検査を容易にし、検査システムを廉価にできるとい
う効果がある。
【0052】ここで、漏洩音の特徴および雑音の特徴に
ついて説明する。漏洩音には、一定位置の発信源からの
時間的に連続な信号であるという特徴がある。一方、例
えば水道管の漏水検査において、しばしば受信される自
動車の走行音、一時的な水道使用音等の雑音は、移動す
る発信源からの信号であるか、もしくは、時間的に不連
続的な信号であるかの、少なくともどちらかの特徴を持
つ。
【0053】次に、図1に示した異常箇所検出装置の動
作について、図2のフローチャートを用いて説明する。
まず、制御部74に、超音波センサ3aと超音波センサ
3bの離間距離、超音波センサ3bと超音波センサ3c
の離間距離、1回の受信で取り込むデータの時間長さ、
1回の受信で取り込んだデータを時間軸上で分割する分
割数N、後述する異常箇所2の位置の特定精度を安定さ
せるための、データ取り込みの繰り返し回数M、上記バ
ンドパスフィルタの帯域幅Wおよび漏洩の有無を判断す
るための予め決められた閾値が入力される(ステップS
1)。
【0054】また、上記1回の受信で取り込むデータの
時間長さおよび上記データ取込みの繰り返し回数Mは、
許容される検査の安定性および検査にかかる許容時間に
より設定され、上記1回の受信で取り込むデータの長さ
を大きくし、上記データ取り込みの繰り返し回数Mを多
くすることにより、検査の安定性を増加させることがで
きる。また、許容される検査時間が短ければ、上記取り
込むデータの長さを小さくし、上記データ取り込みの繰
り返し回数Mを少なくすればよい。
【0055】また、制御部74においては、検査を行っ
た日付け、検査を行った時間、超音波センサ3a、3b
および3cの種類やシリアルナンバー、検査を行った導
管1の地図上の位置等の情報の内、すべての情報あるい
は上記の情報の内のいずれか1つあるいは2つ以上を入
力できるようにし、入力した情報を表示部73に表示で
きるようにする。また、上記入力した情報を、記録、保
管しておけば、検査の安定性が増すばかりでなく、異常
箇所2の発生傾向に関するデータベースの構築に役立つ
作用効果を奏する。さらに、ある一定期間後の定期検査
の際の参照データとして役立つ作用効果を奏する。ま
た、ある一定期間を過ぎて、再度の検査を行う際に、検
査データの再現性の確認や、経時変化の調査に役立てる
こともできる。
【0056】次に、検査者により、検査開始のタイミン
グが入力される。上記タイミングの入力は、スイッチの
オン・オフにより行われても良いし、例えば検査者の音
声や検査者が手を叩いた音をマイクで拾うことにより行
われても良い。また、制御部74に、タイマを備えるこ
とにより、上記タイミングが入力されてからある時間が
経過した時点で検査が開始されるようにしてもよい。
【0057】図1において、導管1に異常箇所2が存在
すると、上記異常箇所2から漏洩が生じ、それに伴って
漏洩音が発生する。発生した漏洩音は、導管1を伝搬し
て超音波センサ3a、3bおよび3cで雑音とともに受
信される。
【0058】次に、制御部74から、超音波センサ3
a、3bおよび3cでの受信を開始するための信号を受
信部71に送信し、超音波センサ3a、3bおよび3c
で受信した受信信号を受信部71に取り込む(ステップ
S2)。受信部71において、受信信号は、増幅された
後にA/D変換され、信号処理部72に含まれる前処理
部72aに送られる。
【0059】前処理部72aにおいて、3つの受信信号
は、時間軸上で予め決められた個数であるN個に各々分
割される。分割されたN個のデータそれぞれがフーリエ
変換され、N個のデータそれぞれについての周波数スペ
クトルが計算される。
【0060】超音波センサ3aで受信した信号に関し
て、1回の受信で取り込むデータの時間長さをTとし、
上記N個に分割されたデータの第n番目のデータにおい
て、ある周波数fの成分における上記周波数スペクトル
の絶対値をAn、その位相をφa n、共役複素数を表わす
記号を*として、式(2)で表わされるパワースペクト
ルCaa(f)が計算される。
【0061】
【数10】
【0062】また、超音波センサ3bで受信した信号に
関して、上記N個に分割されたデータの第n番目のデー
タにおいて、ある周波数fの成分における上記周波数ス
ペクトルの絶対値をBn、その位相をφbnとして、式
(3)で表わされるパワースペクトルCbb(f)が計算
される。
【0063】
【数11】
【0064】また、超音波センサ3cで受信した信号に
関して、上記N個に分割されたデータの第n番目のデー
タにおいて、ある周波数fの成分における上記周波数ス
ペクトルの絶対値をCn、その位相をφcnとして、式
(4)で表わされるパワースペクトルCcc(f)が計算
される(ステップS3)。
【0065】
【数12】
【0066】次に、2つの超音波センサ間の領域が地表
上に露出していて、その間に異常箇所がないことが目視
により判断できる領域等、異常箇所2がないことが既知
である領域内にある2つの超音波センサ3b、3cの内
の一つと、前記2つの超音波センサとは異なる他の一つ
の超音波センサ3aとの組み合わせ、例えば図1におけ
る超音波センサ3aと超音波センサ3bの組み合わせが
選択される。
【0067】さらに、2つの超音波センサ3b、3c間
の領域が地表上に露出していて、その間に異常箇所がな
いことが目視により判断できる領域等、異常箇所2がな
いことが既知である領域内にある2つの超音波センサの
内、上記の超音波センサの組み合わせにおいて選択され
なかった超音波センサ3cと、2つの超音波センサの間
の領域が地表上に露出していて、その間に異常箇所がな
いことが目視により判断できる領域等、異常箇所2がな
いことが既知である領域内にある2つの超音波センサの
他の一つの組み合わせ、例えば図1における超音波セン
サ3aと超音波センサ3cの組み合わせが選択される
(ステップS4)。
【0068】ここで、上記2つの超音波センサの組み合
わせ、超音波センサ3aと3bの組み合わせと、超音波
センサ3aと3cの組み合わせの内、超音波センサ3a
と3bの組み合わせについての信号処理方法について説
明する。2つの超音波センサ3aおよび3bで受信した
受信信号のクロススペクトルC ab(f)が式(5)で計
算され(ステップS5)、クロススペクトルCab(f)
は、式(1)に示す周波数特性を有するバンドパスフィ
ルタによってフィルタリングされる。
【0069】
【数13】
【0070】ここで、バンドパスフィルタの下限周波数
sおよび上限周波数feの決定方法について述べる。ま
ず、式(2)で表されるパワースペクトルCaa(f)、
式(3)で表されるパワースペクトルCbb(f)、式
(5)で表されるクロススペクトルCab(f)から、式
(6)に示すコヒーレンシィγ(f)が計算される(ス
テップS6)。
【0071】
【数14】
【0072】ここで、コヒーレンシィγ(f)の性質に
ついて以下に説明する。式(6)で表わされるコヒーレ
ンシィγ(f)は、式(6)に式(2)、式(3)およ
び式(5)を代入することから分かるように、式(7)
の条件が成立すると、その絶対値が1となる値であり、
式(7)の条件が成立しなければ、その絶対値が1以下
となる関数である。なお、Aとφaは超音波センサ3a
で受信される受信信号の周波数スペクトルの振幅と位相
を示し、同様に、Bとφbは超音波センサ3bで受信さ
れる受信信号の周波数スペクトルの振幅と位相(添字は
時間データ)を示す。
【0073】
【数15】
【0074】式(7)の条件が成立するということは、
上記周波数fにおいて、2つの超音波センサ3aおよび
3bで受信される受信信号の周波数スペクトルの振幅比
と位相差とが時間軸上で分割されたN個のデータ間で一
定であるということを意味している。これは、上記周波
数fの成分は、一定位置の発信源からの時間的に連続的
な信号であるということを意味する。つまり、この周波
数fの信号においては、漏洩音が含まれているというこ
とを意味する。
【0075】また、式(7)の条件が成立しないという
ことは、上記周波数fにおいて、2つの超音波センサ3
aおよび3bで受信される受信信号の周波数スペクトル
の振幅比と位相差とが時間軸上で分割されたN個のデー
タ間で一定でないということを意味している。つまり、
この周波数fの信号は、移動する発信源からの信号であ
るか、時間的に不連続的な信号であるかの、少なくとも
どちらかの性質を持つ信号であるということを意味す
る。さらに、上記周波数fの成分には、漏洩音の他に、
自動車の走行音、水道使用音や管内流水音等の雑音も含
まれているということを意味する。
【0076】また、ある周波数fにおいて、漏洩音のよ
うな、一定位置の発信源からの時間的に連続的な信号が
支配的であれば、式(7)は近似的には成立し、コヒー
レンシィγ(f)の絶対値は近似的に1となるが、自動
車の走行音、水道使用音や管内流水音といった雑音等の
移動する発信源からの信号であるか、時間的に不連続的
な信号であるかの少なくともどちらかの性質を持つ信号
が支配的になるにつれ、式(7)は近似的にも成立しな
くなり、コヒーレンシィγ(f)の絶対値はそれに応じ
て小さい値をとる。
【0077】以上述べたように、式(6)に示すコヒー
レンシィγ(f)は、上記周波数fにおいて、2つの超
音波センサ、ここでは、超音波センサ3aおよび3bで
受信される受信信号の周波数スペクトルの各周波数成分
において、漏洩音のような一定位置の発信源からの時間
的に連続的な信号と、自動車の走行音、水道使用音や管
内流水音といった雑音等の移動する発信源からの信号で
あるか、時間的に不連続的な信号であるかの少なくとも
どちらかの性質を持つ信号とのレベル比を反映した関数
である。
【0078】次に、コヒーレンシィの絶対値|γ(f)
|を、予め決められた周波数帯域幅Wを積分区間の幅と
し、積分区間の幅を一定に保ちながら積分区間を変化さ
せ、コヒーレンシィの絶対値の値を式(8)に従って計
算する。
【0079】
【数16】
【0080】そして、式(8)の値が最大となるときの
積分区間の下限値と上限値を、式(1)の周波数特性を
持つバンドパスフィルタの下限周波数fsと上限周波数
eに決定する(ステップS7)。
【0081】上述したように、コヒーレンシィγ(f)
は、上記周波数fにおいて、2つの超音波センサ、ここ
では、超音波センサ3aおよび3bで受信される受信信
号の周波数スペクトルの各周波数成分において、漏洩音
のような一定位置の発信源からの時間的に連続的な信号
と、自動車の走行音、水道使用音や管内流水音といった
雑音等の移動する発信源からの信号であるか、時間的に
不連続的な信号であるかの少なくともどちらかの性質を
持つ信号とのレベル比を反映した関数であるので、以上
のようにして、バンドパスフィルタの下限周波数fs
上限周波数feを決定すれば、バンドパスフィルタの周
波数帯域を、漏洩音と雑音のSN比が最大になるように
決定することができる。
【0082】以上のように、バンドパスフィルタの周波
数帯域を決定すれば、漏洩音の周波数帯域が未知な場合
であっても、漏洩音と雑音の性質を十分に考慮し、バン
ドパスフィルタの周波数帯域を漏洩音と雑音のSN比が
最大になるように決定することができる。また、有限の
周波数帯域幅Wを持つフィルタを用いているので、漏洩
音が導管を伝搬する上での速度分散の影響を抑制するこ
とができる。
【0083】また、以上述べた相関処理の前処理におい
ては、コヒーレンシィγ(f)の値をもとに簡単な式
(8)を用いてバンドパスフィルタの周波数帯域を決定
しているので、複数の周波数帯域の異なるバンドパスフ
ィルタを予め用意して各周波数帯域毎の相互相関係を逐
次求め、相互相関係数の最大値の大小によりバンドパス
フィルタの周波数帯域を決定するような特開平11−1
4492号公報に示された前処理と比較して、計算時間
を圧倒的に少なくするできる。このため、計算時間を少
なくすることができれば、例えば水道管の漏水検査等に
おける異常箇所の検出に有する時間を少なくすることが
でき、実用上有効であることは言うまでもない。以上、
前処理の効果について述べた。
【0084】次に、クロススペクトルCab(f)をフィ
ルタリングしてクロススペクトルC'(f)を得た(ス
テップS8)後、フィルタリングしたクロススペクトル
C'(f)は相関処理部72bに送られ、逆フーリエ変
換されて、式(9)に示す相互相関関数φ(τ)が計算
される(ステップS9)。なお、τは超音波センサ3a
での受信時間に対する遅延時間を示す。そして、相関処
理部72bで計算された相互相関関数φ(τ)の計算結
果は、後処理部72cに出力される。
【0085】
【数17】
【0086】次に、後処理部72cの動作について説明
する。後処理部72cにおいて、上記相互相関関数φ
(τ)は包絡線検波される(ステップS10)。上記包
絡線はその都度内蔵するメモリに保存される。それと同
時に、包絡線をメモリに保存した回数をカウントする。
この回数は、制御部74から受信部71に対してデータ
を取り込むための制御信号を送信した回数と同じであ
る。もし、包絡線をメモリに保存した回数が、予め決め
られたデータ取り込みの繰り返し回数Mより小さい値で
あれば、後処理部72cから制御部74に、再度データ
の取り込みを行うことを要求する信号を送信する。それ
に従い、制御部74からは、受信部71にデータを取り
込むための制御信号を送信する。
【0087】以上述べた繰り返しを、上記包絡線をメモ
リに保存した回数が、予め決められたデータ取り込みの
繰り返し回数Mと等しくなるまで行う。上記包絡線をメ
モリに保存した回数が、予め決められたデータ取り込み
の繰り返し回数Mと等しくなったら、この繰り返しを終
了する(ステップS11)。
【0088】次に、メモリに保存された上記包絡線は平
均化された後、平均化された包絡線のピーク値Aabと、
上記平均化された包絡線がピークになるときの超音波セ
ンサ3aでの受信時間に対する遅延時間τabが求められ
る(ステップS12)。
【0089】以上述べた信号処理は、超音波センサ3a
および超音波センサ3bの組み合わせに関して行われた
が、超音波センサ3aおよび3bの組み合わせに関して
行われるのと平行して、超音波センサ3aおよび超音波
センサ3cの組み合わせに関しても行われる。
【0090】これにより、超音波センサ3aおよび超音
波センサ3cの組み合わせに関しても、上記平均化され
た相互相関関数φ(τ)の包絡線のピーク値Aacと、上
記平均化された包絡線がピークになるときの超音波セン
サ3aでの受信時間に対する遅延時間τacが得られる。
【0091】次に、超音波センサ3aおよび超音波セン
サ3bの間の平均化された相互相関関数の包絡線のピー
ク値Aabと、超音波センサ3aおよび超音波センサ3c
の間の平均化された相互相関関数の包絡線のピーク値A
acの内、いずれか一方、もしくは両方の値が、予め決め
られた異常箇所2の有無を判定するための閾値に比べて
大か小かを判定する。これにより、異常箇所2の有無が
判定される(ステップS13,S14)。
【0092】異常箇所2の有無を判定するための上記閾
値は、超音波センサ3aおよび超音波センサ3bの間の
平均化された相互相関関数の包絡線のピーク値Aabに関
する閾値であっても、また、超音波センサ3aおよび超
音波センサ3cの間の平均化された相互相関関数の包絡
線のピーク値Aacに関する閾値であってもよい。また、
上記閾値は、超音波センサ3aおよび超音波センサ3b
の間の平均化された相互相関関数の包絡線のピーク値A
abと、超音波センサ3aおよび超音波センサ3cの間の
平均化された相互相関関数の包絡線のピーク値Aacとの
積や、和に関する閾値であっても構わない。
【0093】また、異常箇所2の有無を判定するための
上記閾値は、平均化された相互相関関数の包絡線のピー
ク値に関する閾値でなくても、受信信号のレベルに関す
る閾値であっても良いし、その周波数スペクトルの絶対
値に関する閾値、フィルタリングされたクロススペクト
ルC’(f)の絶対値に関する閾値であってもよい。そ
の場合は、前処理部72の段階で異常箇所2の有無が判
定される。
【0094】また、異常箇所2の有無に関する判定は、
これら全ての閾値の内、いずれか一つによって判定して
もよいし、2つあるいは3つ以上の情報を組み合わせて
判定してもよい。
【0095】上記閾値は、予備実験により決められてい
る。この予備実験は、異常箇所2が存在する場合と、実
質上、存在しない場合について、この実施の形態1に係
る異常箇所検出装置と同じか、または、同様の異常箇所
検出装置を用いて行われる。このような予備実験から得
られた統計データから、異常箇所2の有無を判定するた
めの上記閾値データが予め決められている。
【0096】また、上記閾値は、異常箇所2の有無の判
定だけでなく、異常箇所2の形状やサイズをクラス分け
するためのものであってもよい。この場合、上記予備実
験は、異常箇所2の形状やサイズに関してクラス分けさ
れる各場合について、この実施の形態1に係る異常箇所
検出装置と同じか、または、同様の異常箇所検出装置を
用いて行われる。
【0097】なお、上記の大小関係に関する情報の内、
より多くの情報を組み合わせて異常箇所の有無の判定を
行えば、より確度の高い判定を行うことができる効果が
得られる。特に、各判定結果について異なる重み付けを
行って重み付け多数決の論理を使って判定すれば、上記
の3つの判定結果がバラバラの判定結果になったとき、
より確度の高い判定結果を得ることができる。重み付け
多数決の判定に使う重みの係数については、上述したも
のと同様の予備実験から決めれば、判定の確度はさらに
高くできる。
【0098】異常箇所2があると判定された場合、超音
波センサ3aと3bとの間の離間距離と、超音波センサ
3bと超音波センサ3cとの間の離間距離と、超音波セ
ンサ3aと3bとの間の平均化された相互相関関数の包
絡線がピークになるときの、超音波センサ3aでの受信
時間に対する遅延時間τabと、超音波センサ3aと3c
との間の平均化された相互相関関数の包絡線がピークに
なるときの、超音波センサ3aでの受信時間に対する遅
延時間τacとから、超音波センサ3aから異常箇所2ま
でのの導管1に沿った距離xが式(10)により特定さ
れる。
【0099】
【数18】
【0100】なお、漏洩音が導管1を伝搬するときの伝
搬速度が既知であれば、超音波センサ3a、3bおよび
3cの内、2つの超音波センサの間が地表上に露出して
いて、その間に異常箇所がないことが目視により判断で
きる領域等の、異常箇所2がないことが既知である領域
内にある2つの超音波センサの内の一つ、例えば図1に
おける超音波センサ3cを取り除いても、異常箇所2の
有無、異常箇所2の位置の特定を行うことができる。例
えば、超音波センサ3cを取り除いた場合、超音波セン
サ3aから異常箇所2までの距離xは、漏洩音が導管1
を伝搬するときの伝搬速度をvとし、式(11)で与え
られる。これにより、検査を容易にし、検査システムを
廉価にできるという効果がある。
【0101】
【数19】
【0102】このように求められた、異常箇所2の有無
および特定された異常箇所2の位置は、表示部73に出
力される(ステップS15)。表示部73では、異常箇
所2の有無および特定された異常箇所2の位置を表示す
る。これらの情報は、単に表示するだけでなく、検査結
果の記録として、記録、保管しておけば、異常箇所の発
生傾向に関するデータベースの構築に役立つだけでな
く、ある一定期間後の定期検査の際の参照データとして
役立つ作用効果を奏する。
【0103】また、表示部73には、上述したように、
異常箇所2の有無に関する情報が入力される。この情報
は2値の情報である。したがって、これを光のオン・オ
フや、表示のほかに警報音のオン・オフなど、検査者の
五感に反応する形式で検査者に報知できるように表示部
以外に他の報知手段を設けて伝えるようにしても良い。
また、検査にかかる許容時間が多い場合には、異常箇所
2の有無や、異常箇所2の位置の特定に関する判断を、
検査者が平均化された包絡線を目で見て判断しても良
い。このような場合には、言うまでもないが、表示部2
において異常箇所2の有無や特定した漏水箇所の表示を
行う機能を取り除いても構わない。これにより、装置が
低廉化できる作用効果が得られることは言うまでもな
い。
【0104】また、表示部73において、平均化された
包絡線、平均化された包絡線のピーク値、平均化された
包絡線がピークになる時間、超音波センサ3a、3bお
よび3cで得られた受信信号波形、上記受信信号の周波
数スペクトル、上記受信信号から求めたコヒーレンシィ
などの内、すべての情報、あるいは上記の情報の内のい
ずれか1つあるいは2つ以上を表示し、これらの情報を
さらに記録、保管しておけば、検査の安定性が増すばか
りでなく、異常箇所の発生傾向に関するデータベースの
構築に役立つ。さらに、ある一定期間後の定期検査の際
の参照データとして役立つ作用効果を奏する。また、あ
る一定期間を過ぎて、再度の検査を行う際に、検査デー
タの再現性の確認や、経時変化の調査に役立てることも
できる。
【0105】次に、以上述べた異常箇所2の位置の特定
方法に関して、その効果を確認した実験結果を図3から
図11を用いて示す。図3は、上記実験の実験系を示す
ものであり、8は消火栓、9はレコーダー、10は計算
機である。また、導管1は、ここでは水道管であり、超
音波センサ3bと超音波センサ3cの間は、導管1が地
上に出ていて異常箇所2が存在しないことが目視により
判断できる領域である。また、超音波センサ3aと超音
波センサ3bの間の導管1に沿った離間距離L1は1
9.8mであり、超音波センサ3bと超音波センサ3c
の間の導管1に沿った離間距離L2は10mである。ま
た、超音波センサ3aから異常箇所2までの導管1に沿
った離間距離xを実測したところ、この値は9mであっ
た。
【0106】図3において、3つの超音波センサ3a、
3bおよび3cで、異常箇所2からの漏洩音を受信し、
レコーダー9に受信信号を記録した。レコーダー9で受
信した受信信号は、計算機10に取り込み、計算機上
で、図1に示す前処理部72a、相関処理部72b、後
処理部72cにおける処理と同じ処理を行い、異常箇所
2の位置を特定した。なお、漏洩音の周波数帯域は未知
であるとし、1回の受信で取り込むデータの時間長さを
1秒とし、1回の受信で取りこんだデータを時間軸上で
分割する分割数Nを12とし、データ取り込みの繰り返
し回数Mを10とし、バンドパスフィルタの帯域幅Wは
3KHzとした。
【0107】図4〜図11は、図3の実験系において、
超音波センサ3a、3bおよび3cで得られた受信信号
波形、受信信号の周波数スペクトルの絶対値、受信信号
のパワースペクトルの絶対値、上記3つの超音波センサ
の内の2つの超音波センサで受信した受信信号から求め
たクロススペクトルの絶対値、コヒーレンシィの絶対
値、相互相関関数、相互相関関数の包絡線および平均化
された相互相関関数の包絡線を示す図である。
【0108】図4〜図11における受信信号波形、受信
信号の周波数スペクトルの絶対値、受信信号のパワース
ペクトルの絶対値、上記3つの超音波センサの内の2つ
の超音波センサで受信した受信信号から求めたクロスス
ペクトルの絶対値、コヒーレンシィの絶対値、相互相関
関数、相互相関関数の包絡線および平均化された相互相
関関数の包絡線の値は、図を見易くするために、適当な
値を1として規格化し、相対振幅として示されている。
【0109】図4は、超音波センサ3a、3bおよび3
cで1回の受信で受信した受信信号波形である。図4
(a)は超音波センサ3aで受信した受信信号波形であ
り、図4(b)は超音波センサ3bで受信した受信信号
波形であり、図4(c)は超音波センサ3cで受信した
受信信号波形である。
【0110】図5は、超音波センサ3a、3bおよび3
cで1回の受信で受信した受信信号を時間軸上でN個に
分割し、N個に分割したその1個目のデータに関して求
めた周波数スペクトルの絶対値であり、図5(a)は超
音波センサ3aで1回の受信で受信した受信信号に関す
るものであり、図5(b)は超音波センサ3bで1回の
受信で受信した受信信号に関するものであり、図5
(c)は超音波センサ3cで1回の受信で受信した受信
信号に関するものである。
【0111】図6は、超音波センサ3a、3bおよび3
cで受信した受信信号の周波数スペクトルと、式(8)
〜式(10)とを用いて求めたパワースペクトルの絶対
値である。図6(a)は、超音波センサ3aで受信した
受信信号から求めたパワースペクトルの絶対値であり、
図6(b)は、超音波センサ3bで受信した受信信号か
ら求めたパワースペクトルの絶対値であり、図6(c)
は、超音波センサ3cで受信した受信信号から求めたパ
ワースペクトルの絶対値である。
【0112】図7は、超音波センサ3aと超音波3bの
組み合わせおよび超音波センサ3aおよび3cの組み合
わせに関するクロススペクトルの絶対値であり、図7
(a)は、超音波センサ3aと超音波センサ3bの組み
合わせから求めたクロススペクトルの絶対値、図7
(b)は、超音波センサ3aと超音波センサ3cの組み
合わせから求めたクロススペクトルの絶対値である。
【0113】図8は、超音波センサ3aと超音波3bの
組み合わせおよび超音波センサ3aおよび3cの組み合
わせに関するコヒーレンシィの絶対値|γ(f)|であ
り、図8(a)は、超音波センサ3aと超音波センサ3
bの組み合わせから求めたコヒーレンシィの絶対値、図
8(b)は、超音波センサ3aと超音波センサ3cの組
み合わせから求めたコヒーレンシィの絶対値である。な
お、図8のコヒーレンシィをもとに式(8)を用いて求
めたバンドパスフィルタの下限周波数fsと上限周波数
eは、超音波センサ3aと3bとの組み合わせについ
ては、下限周波数fsが2.3KHzで、上限周波数fe
が5.3KHzとなり、超音波センサ3aと3cの組み
合わせに関しても、下限周波数fsが2.3KHzで、
上限周波数feが5.3KHzとなった。
【0114】図8と式(8)を用いて求めた下限周波数
sと上限周波数feのバンドパスフィルタを用いてクロ
ススペクトルをフィルタリングし、フィルタリングされ
たクロススペクトルを逆フーリエ変換して求めた相互相
関関数を図9に示す。図9(a)は超音波センサ3aと
超音波センサ3bの組み合わせに関するもの、図9
(b)は超音波センサ3aと超音波センサ3cの組み合
わせに関するものである。
【0115】図9の相互相関関数を包絡線検波して求め
た包絡線を図10に示す。図10(a)は超音波センサ
3aと超音波センサ3bの組み合わせに関するもの、図
10(b)は超音波センサ3aと超音波センサ3cの組
み合わせに関するものである。
【0116】図10(a)において、包絡線がピークに
なるときの超音波センサ3aでの受信時間に対する遅延
時間τabは0.75ms、図10(b)において、包絡
線がピークになるときの超音波センサ3aでの受信時間
に対する遅延時間τacは6.29msである。これらの
遅延時間から、図3における異常箇所2の位置を式(1
6)により特定すると、異常箇所2の超音波センサ3a
からの導管1に沿った距離xは9.20mとなった。し
たがって、誤差0.20mで異常箇所2の検出を行うこ
とができた。
【0117】図10の包絡線を求める過程を予め決めら
れたデータ取り込みの繰り返し回数Mだけ繰り返し、そ
れらを平均化して求めた平均化された包絡線を図11に
示す。図11(a)は超音波センサ3aと超音波センサ
3bの組み合わせに関するもの、図11(b)は超音波
センサ3aと超音波センサ3cの組み合わせに関するも
のである。
【0118】図11(a)において、平均化された包絡
線がピークになるときの超音波センサ3aでの受信時間
に対する遅延時間τabは0.79ms、図11(b)に
おいて、平均化された包絡線がピークになるときの超音
波センサ3aでの受信時間に対する遅延時間τacは6.
21msである。これらの遅延時間から、図3における
異常箇所2の位置を式(16)により特定すると、異常
箇所2の超音波センサ3aからの導管1に沿った距離x
は9.17mとなった。したがって、誤差0.17mで
異常箇所2の検出を行うことができた。
【0119】このように、式(1)の周波数特性を持つ
フィルタを用いてクロススペクトルをフィルタリングす
ることにより、異常箇所2の位置を精度良く特定するこ
とができた。また、予め決められた繰り返し回数Mだけ
受信を繰り返し、包絡線を平均化することにより、特定
精度がさらに向上する効果が見られた。
【0120】以上の実験結果から、この発明の実施の形
態1における信号処理部72の前処理部72aにおける
信号処理により、導管の異常箇所を精度良く特定できる
ことが実験的にも確認された。さらに、後処理部72c
における信号処理により、導管の異常箇所の特定を安定
して行えることが実験的にも確認された。
【0121】また、以上述べた実験結果から、この発明
の実施の形態1における信号処理法により、漏洩音の周
波数帯域が未知な場合であっても、異常箇所2の位置を
精度良く特定できることが実験的にも確認された。
【0122】この発明の実施の形態1においては、従来
とは異なり、相関処理の前処理に、式(1)の周波数特
性を持つフィルタを持ち合わせているので、漏洩音の周
波数帯域が未知な場合であっても異常箇所2の位置を精
度良く特定することができる。
【0123】さらに、相互相関関数の包絡線を、複数回
の繰り返し測定から平均化するという平均化処理をさら
に行うことによって、漏洩音や雑音がランダムで周期性
のない信号であるという問題を克服することができ、異
常箇所2の位置の特定を安定して行うことができる。
【0124】以上のように、上記実施の形態によれば、
異常箇所からの漏洩音の特徴と、被検査管の異常箇所の
検査の際にしばしば問題となるような雑音の特徴とを十
分に考慮した前処理を施し、その後に相関処理を行い、
さらに後処理を行うようにすることにより、雑音中に含
まれる被検査管からの漏洩音の周波数帯域が未知であ
り、且つ、導管の異常箇所の検査においてしばしば問題
となるような雑音が存在するような場合であっても漏洩
音を効率良く抽出し、被検査管に存在する異常箇所の存
在の有無と位置を精度良く特定することができる。
【0125】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、被検
査管に発生する漏洩音を受信する3つの超音波センサを
備えると共に、これらセンサからの受信信号を処理する
信号処理部に、fを受信信号の周波数、3つの超音波セ
ンサの内、ある2つの超音波センサの受信信号から求め
たコヒーレンシィをγ(f)、積分区間の下限値と上限
値をfs’とfe’とし、予め決められた周波数帯域幅を
Wとして、コヒーレンシィの絶対値の積分値が最大にな
るときの積分区間の上限値fs’と下限値fe’を上限周
波数fsと下限周波数feとし、上限周波数fsと下限周
波数feとの間の周波数範囲では1、その他は0となる
周波数特性H(f)を持つバンドパスフィルタを含む前
処理部と、前処理された信号から相互相関関数を演算す
る相関処理部とを備えたので、バンドパスフィルタの周
波数帯域を決定すれば、漏洩音の周波数帯域が未知な場
合であっても、漏洩音と雑音の性質を十分に考慮し、バ
ンドパスフィルタの周波数帯域を漏洩音と雑音のSN比
が最大になるように決定することができ、有限の周波数
帯域幅Wを持つフィルタを用いているので、漏洩音が導
管を伝搬する上での速度分散の影響を抑制することがで
きる。また、複数の周波数帯域の異なるバンドパスフィ
ルタを予め用意して各周波数帯域毎の相互相関係を逐次
求め、相互相関係数の最大値の大小によりバンドパスフ
ィルタの周波数帯域を決定するような前処理と比較し
て、計算時間を圧倒的に少なくするできる。このため、
計算時間を少なくすることができ、異常箇所の検出に有
する時間を少なくすることができる。
【0126】また、上記信号処理部は、上記相関処理部
により演算された相互相関関数の包絡線を求め、さらに
予め決められた繰り返し回数だけ求められた上記相互相
関関数の包絡線を平均化する後処理部をさらに備えたの
で、漏洩音を効率良く抽出し、被検査管に存在する異常
箇所の存在の有無と位置を精度良く特定することができ
る。
【0127】また、上記後処理部は、上記平均化された
相互相関関数の包絡線のピーク値と予め決められたある
閾値との大小関係から異常箇所の有無を判定することに
より、被検査管に存在する異常箇所の存在の有無と位置
を精度良く特定することができる。
【0128】また、上記後処理部は、3つの超音波セン
サの内、ある2つの超音波センサで受信した受信信号に
ついての上記平均化された相互相関関数の包絡線がピー
クになる時間と、3つの超音波センサの内、上記2つの
超音波センサの片方のセンサと上記2つの超音波センサ
以外の超音波センサとで受信した受信信号についての上
記平均化された相互相関関数の包絡線がピークになる時
間と、上記3つの超音波センサの各離間距離とから異常
箇所の位置を特定することにより、被検査管に存在する
異常箇所の存在の有無と位置を精度良く特定することが
できる。
【0129】また、上記後処理部は、異常箇所が存在す
る場合としない場合の予備実験から得られる統計データ
に基づいて上記平均化された相互相関関数の包絡線のピ
ーク値に関する閾値を決定することにより、被検査管に
存在する異常箇所の存在の有無と位置を精度良く特定す
ることができる。
【0130】さらに、超音波センサとして3つのうち1
つを取り除いて2つの超音波センサだけ用いてもよく、
検査を容易にし、検査システムを廉価にできるという効
果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1による異常箇所検出
装置の構成を示す模式図である。
【図2】 この発明の実施の形態1における信号処理方
法を説明するための説明図である。
【図3】 この発明の実施の形態1における信号処理方
法の効果を説明するための説明図である。
【図4】 この発明の実施の形態1における信号処理方
法の効果を説明するための説明図である。
【図5】 この発明の実施の形態1における信号処理方
法の効果を説明するための説明図である。
【図6】 この発明の実施の形態1における信号処理方
法を説明するための説明図である。
【図7】 この発明の実施の形態1における信号処理方
法の効果を説明するための説明図である。
【図8】 この発明の実施の形態1における信号処理方
法の効果を説明するための説明図である。
【図9】 この発明の実施の形態1における信号処理方
法の効果を説明するための説明図である。
【図10】 この発明の実施の形態1における信号処理
方法を説明するための説明図である。
【図11】 この発明の実施の形態1における信号処理
方法の効果を説明するための説明図である。
【図12】 従来例に係る異常箇所検出装置を説明する
ための構成図である。
【図13】 従来例に係る異常箇所検出装置を説明する
ための構成図である。
【符号の説明】
1 導管、2 漏洩箇所、3a 超音波センサ、3b
超音波センサ、3c 超音波センサ、4 音圧測定器、
5 相関器、6 地中、7 受信装置、71 受信部、
72信号処理部、72a 前処理部、72b 相関処理
部、72c 後処理部、73 表示部、74 制御部、
8 消火栓、9 レコーダー、10 計算機。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 和高 修三 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 Fターム(参考) 2G067 BB11 DD13 EE03 EE06

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被検査管に異常箇所が存在することによ
    り発生する漏洩音を受信するための3つの超音波センサ
    を備えると共に、 これらの超音波センサによる漏洩音の受信信号をそれぞ
    れ受信部を介して入力し信号処理する信号処理部に、 fを受信信号の周波数、上記3つの超音波センサの内、
    ある2つの超音波センサで受信した受信信号から求めた
    コヒーレンシィをγ(f)、積分区間の下限値を
    s’、積分区間の上限値をfe’とし、予め決められた
    周波数帯域幅をWとして、 【数1】 の値が最大になるときの積分区間の下限値fs’と上限
    値fe’を下限周波数fsと上限周波数feとし、 【数2】 で表わされる周波数特性H(f)を持つバンドパスフィ
    ルタを含む前処理部と、 上記前処理部により前処理された信号から相互相関関数
    を演算する相関処理部とを備えたことを特徴とする異常
    箇所検出装置。
  2. 【請求項2】 上記信号処理部は、上記相関処理部によ
    り演算された相互相関関数の包絡線を求め、さらに予め
    決められた繰り返し回数だけ求められた上記相互相関関
    数の包絡線を平均化する後処理部をさらに備えたことを
    特徴とする請求項1に記載の異常箇所検出装置。
  3. 【請求項3】 上記後処理部は、上記平均化された相互
    相関関数の包絡線のピーク値と予め決められたある閾値
    との大小関係から異常箇所の有無を判定することを特徴
    とする請求項2に記載の異常箇所検出装置。
  4. 【請求項4】 上記後処理部は、3つの超音波センサの
    内、ある2つの超音波センサで受信した受信信号につい
    ての上記平均化された相互相関関数の包絡線がピークに
    なる時間と、3つの超音波センサの内、上記2つの超音
    波センサの片方のセンサと上記2つの超音波センサ以外
    の超音波センサとで受信した受信信号についての上記平
    均化された相互相関関数の包絡線がピークになる時間
    と、上記3つの超音波センサの各離間距離とから異常箇
    所の位置を特定することを特徴とする請求項2または3
    に記載の異常箇所検出装置。
  5. 【請求項5】 上記後処理部は、異常箇所が存在する場
    合としない場合の予備実験から得られる統計データに基
    づいて上記平均化された相互相関関数の包絡線のピーク
    値に関する閾値を決定することを特徴とする請求項2な
    いし4のいずれかに記載の異常箇所検出装置。
  6. 【請求項6】 被検査管に異常箇所が存在することによ
    り発生する漏洩音を受信するための2つの超音波センサ
    を備えると共に、 これら超音波センサによる漏洩音の受信信号をそれぞれ
    受信部を介して入力し信号処理する信号処理部に、 fを受信信号の周波数、上記2つのセンサで受信した受
    信信号から求めたコヒーレンシィをγ(f)、積分区間
    の下限値をfs’、積分区間の上限値をfe’とし、予め
    決められた周波数帯域幅をWとして、 【数3】 の値が最大になるときの積分区間の下限値fs’と上限
    値fe’を下限周波数fsと上限周波数feとし、 【数4】 で表わされる周波数特性H(f)を持つバンドパスフィ
    ルタを含む前処理部と、 上記前処理部により前処理された信号から相互相関関数
    を演算する相関処理部とを備えたことを特徴とする異常
    箇所検出装置。
  7. 【請求項7】 上記信号処理部は、上記相関処理部にお
    いて演算された相互相関関数の包絡線を求め、さらに予
    め決められた繰り返し回数だけ求められた上記相互相関
    関数の包絡線を平均化する後処理部をさらに備えたこと
    を特徴とする請求項6に記載の異常箇所検出装置。
  8. 【請求項8】 上記後処理部は、上記平均化された相互
    相関関数の包絡線のピーク値と予め決められたある閾値
    との大小関係から異常箇所の有無を判定することを特徴
    とする請求項7記載の異常箇所検出装置。
  9. 【請求項9】 上記後処理部は、2つの超音波センサで
    受信した受信信号についての上記平均化された相互相関
    関数の包絡線がピークになる時間と、被検査管を漏洩音
    が伝搬するときの伝播速度と、上記2つの超音波センサ
    の各離間距離とから異常箇所の位置を特定することを特
    徴とする請求項7または8に記載の異常箇所検出装置。
  10. 【請求項10】 上記後処理部は、異常箇所が存在する
    場合としない場合の予備実験から得られる統計データに
    基づいて上記平均化された相互相関関数の包絡線のピー
    ク値に関する閾値を決定することを特徴とする請求項7
    ないし9のいずれかに記載の異常箇所検出装置。
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