JP3786770B2 - 配管構造調査方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、音響信号の送受信により配管構造を調査する配管構造調査方法に関する。
【0002】
【従来の技術及びその問題点】
埋設管(ガス管、水道管、通信ケーブル等)の維持補修作業に際して、その埋設管の構造を調査しなければならないことがある。埋設管の構造を調査する方法としては試掘を行うという方法があるが、この方法は多大な労力と時間とを要する。試掘を行うことなく構造を調査できるようにした技術としては、特開昭53−92188号公報、特開昭61−29757号公報、特開昭61−29758号公報等に記載のあるように、埋設管の管端から内部に向けて音響信号を送信し、埋設管の内部からの反射波を受信し、受信した反射波が送信した音響信号に対してどの程度減衰しているかを検出し、その結果に基づいて、口径が変化している部位の存在及び管端からその部位までの距離を検出する、という技術がある。この技術を利用した調査を実施する際には、音響信号を送信するためのスピーカや反射波を受信するためのマイクを管端に装着するのみでよく、試掘は不要であるから、作業者の労力は軽くなり、また時間や費用も短縮乃至軽減される。
【0003】
しかしながら、反射波のレベル検出値に基づき口径変化部位を検出するだけでは、その口径変化部位がどのような部位なのかに関する情報を得ることはできない。即ち、音響信号の反射をもたらす部位(本願では「音響的不連続部」と呼ぶ)としては、メカニカル継ぎ手、エルボ、分岐等の部材(本願ではこの種の部材を総称して「継ぎ手」と呼ぶ)や、つぶれ、曲がり等の変形(本願ではこれらの変形を総称して「故障」又は「故障箇所」と呼ぶ)がある。埋設管の維持補修作業に際しては、音響的不連続部が継ぎ手なのか故障箇所なのか、あるいはその音響的不連続部がどの種類の継ぎ手(若しくは故障)なのか、に関する情報が得られると便利であるが、従来の調査方法ではそのような情報は得られない。
【0004】
更に、従来の方法では、音響的不連続部の種類の特定まではできないものの、反射波のレベル検出値が送信した音響信号のレベルに対してどの程度低下しているかにより、どの程度の口径変化が生じているかを検出することができる。しかし、埋設管に複数個の音響的不連続部があるときに、管端から数えて例えば2番目に近い位置にある音響的不連続部における口径変化を知ろうとしても、正確には知ることができない。即ち、管端から数えて例えば1番目に近い位置にある音響的不連続部を通過する際の音響信号の減衰(通過減衰)の量は、当該1番目の音響的不連続部の種類によって、異なる。従って、音響的不連続部の種類を特定できない従来の方法では、管端から数えて例えば2番目に近い位置にある音響的不連続部からの反射波に現れているレベル低下のうち、どの部分が当該2番目の音響的不連続部における口径変化によるものであってどの部分が1番目の音響的不連続部における通過減衰によるものであるのかを、分離して認識することができない。このような認識が可能でない以上、従来の方法によれば、2番目以遠の音響的不連続部については不正確な検出しかなしえない。
【0005】
【発明の概要】
本発明の第1の目的は、音響的不連続部の種類を特定できるようにすると共に、音響的不連続部が複数ある場合にも各音響的不連続部を正確に検出できその種類を特定できるようにすることにある。また、本発明の第2の目的は、一連の動作に要する時間を短縮すると共に、雑音を抑制できかつ小さな音響的不連続部も検出できるようにすることにある。本発明の第3の目的は、上述の第1及び第2の目的の達成を通じ、埋設管を含め各種の配管の構造をより手軽に調査できるようにし、低コストでの維持補修等を可能にして事業者の負担を軽減することにある。
【0006】
本発明においては、これらの目的を、音響的不連続部の種類による音響信号反射の周波数特性の差に着目して、達成している。即ち、本発明の発明者の知見によれば、音響的不連続部における音響信号の反射(具体的には反射率即ち入射した音響信号のレベルに対する反射波のレベルの比により表せる)は、音響的不連続部の種類に応じて、異なる周波数特性を呈する。例えば、メカニカル継ぎ手とエルボとでは(若しくは曲がりとつぶれとでは、或いは継ぎ手と故障箇所とでは)周波数対反射率特性が異なる。本発明においては、このように反射に関する周波数特性が音響的不連続部の種類毎に異なることに着目し、反射に関する周波数特性を検出してその結果から音響的不連続部の種類を判別する。
【0007】
更に、音響的不連続部の種類に応じて通過減衰量が異なることに着目して各音響的不連続部の通過減衰量を求め、2番目以遠の音響的不連続部について反射に関する周波数特性を検出する際により管端により近い音響的不連続部の通過減衰量を利用した補償処理を施す。また、送信する音響信号として擬似雑音(Pseudo Noise:PN)信号を用いることにより周波数対反射率特性の検出における所要時間の短縮を実現する。更に、送信したPN信号とその反射波の相関情報から周波数対反射率特性を求めることにより、相関演算に含まれる平均化により目的外雑音を抑制し小型の音響的不連続部からの反射波の検出を容易にする。また、相関処理の結果を周波数領域に変換する際、送信した音響信号の自己相関を利用してこの音響信号の特性を除去することにより、より正確な検出を可能にする。
【0008】
即ち、本発明の第1の構成に係る配管構造調査方法は、配管構造にて生じうる複数種類の音響的不連続部それぞれについて音響信号の反射に関する周波数特性を予め調べて記憶しておき、調査すべき配管構造の管端から当該配管構造の内部へと音響信号を送信し当該配管構造の内部からその反射波を受信する送受信動作を、複数の周波数成分を含むPN信号を上記音響信号として利用して一度に行い、送信した音響信号を遅延させた信号と受信した反射波との相互相関を求め、求めた相互相関にピークが現れる遅延時間の近傍における相互相関の時間波形をフーリエ変換することにより、上記周波数特性を検出し、送信した音響信号の自己相関を利用して、上記フーリエ変換により得られる周波数特性から、送信した音響信号の周波数特性を除去し、上記周波数特性に関しその検出結果を記憶内容と照合することにより、受信した反射波がどの種類の音響的不連続部からの反射波かを判別することを特徴とする。
【0011】
本発明の第の構成に係る配管構造調査方法は、第の構成において、上記複数種類の音響的不連続部それぞれにおける音響信号の通過減衰量若しくはその周波数特性を予め調べて記憶しておき、上記判別に際しては、その結果たる種類に対応した通過減衰量若しくはその周波数特性を記憶内容から求め、受信した反射波から見て複数個の音響的不連続部が存在していると見なせるときに、調査すべき配管構造の管端から数えて2個目以遠の音響的不連続部については、その音響的不連続部よりも管端に近い位置にある音響的不連続部に係る通過減衰量若しくはその周波数特性に基づく補償を施しつつ上記反射に関する周波数特性を検出することを特徴とする。
【0012】
本発明の第の構成に係る配管構造調査方法は、第1又は2の構成において、上記音響的不連続部が、配管構造を実現する際に用いられることがある継ぎ手又は当該配管構造の内部にて生じうる故障箇所であり、上記判別が、受信した反射波に係る音響的不連続部が継ぎ手かそれとも故障箇所かに関する継ぎ手/故障判別、受信した反射波に係る音響的不連続部たる継ぎ手がどの種類の継ぎ手かに関する継ぎ手種類判別、及び受信した反射波に係る音響的不連続部たる故障箇所がどの種類の故障に係るものかに関する故障種類判別のうちいずれか又はこれらの任意の組合せであることを特徴とする。
【0013】
以下、本発明の好適な実施形態に関し図面に基づき説明する。なお、本願では、本発明を「配管構造調査方法」に関する発明であると述べているが、本発明は例えば「配管構造調査装置」等としても表現できる。更に、以下の説明では、継ぎ手の種類による周波数対反射率特性の相違を使用し、継ぎ手の種類を判別する例を示すが、本発明は、故障の種類を判別する構成や、継ぎ手か故障かを判別する構成や、或いはこれら2乃至3種類の判別機能を併有した構成とすることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
図1に、本発明の第1実施形態に係る装置の構成を示す。この図に示す装置は、スピーカ10、マイク12及び温度センサ14によって構成され図2に示すように配管構造物16の管端18に装着されるアセンブリ20を備えている。スピーカ10は、管端18から配管構造物16の内部へと音響信号を送信する手段であり、マイク12は配管構造物16内部からの反射波を受信するための手段であり、温度センサ14は後述する音速の温度補正のため配管構造物16の内部における温度を検出する手段である。
【0015】
スピーカ10を用いて音響信号を配管構造物16の内部に送信する回路としては、信号発生回路22及び増幅器24が設けられている。信号発生回路22は、例えば100Hz〜2kHzの帯域に属する周波数の正弦波の波形を、例えば100Hz刻みで格納するROM26を備えている。ROM26上の波形データは、D/A変換器28によって、例えば0.7秒以上間隔をおいて(即ち配管構造物16のうち調査対象としている部分を音波が往復するのに要する時間以上の間隔をおいて)読み出され、読み出された波形データに基づき1周期分の正弦波がフィルタ30に供給される。フィルタ30は、D/A変換器28から出力される1周期分の正弦波を濾波及び波形整形して、増幅器24に供給する。増幅器24は、この正弦波を増幅してスピーカ10を駆動する。すると、図3において“送信波”として表されているように、1乃至数周期分の音響信号が配管構造物16の内部へ管端18から送信されることになる。なお、図3において1周期ではなくより多くの周期の信号が送信されているのは、スピーカ10の特性によるものである。
【0016】
スピーカ10によって配管構造物16の内部に送信された信号は、配管構造物16にて生じている各種の音響的不連続部、例えば継ぎ手によって反射される。例えば、図2に示されているように、配管構造物16上に、3個の継ぎ手32−1、32−2及び32−3があるとする。また、継ぎ手32−1がいわゆるメカニカル継ぎ手であり、継ぎ手32−2がエルボであり、継ぎ手32−3が分岐であるとする。このような構成の配管構造物16の内部に管端18から音響信号が送信されると、送信された音響信号はまず直ちにマイク12により受信される(図3中の“直接波”)。
【0017】
更に、配管構造物16内部に送信された音響信号は、継ぎ手32−1につながる配管内を伝搬し、継ぎ手32−1に到達した音響信号の一部は継ぎ手32−1により管端18方向へ反射され、残りの一部は継ぎ手32−1を介して継ぎ手32−2方向に伝搬する。管端18から継ぎ手32−1までの間を伝搬する間に音響信号はこの配管の長さに比例した量L01の減衰を受ける。更に、管端18から送信された音響信号が継ぎ手32−1により反射され再度管端18を経てマイク12に至るには、音波がこの配管内を往復するための時間が必要である。従って、マイク12は、図3において“1個目の継ぎ手からの反射波”と表されているように、音響信号の送信から時間t01を経た時刻において、送信した音響信号に比べて減衰した反射波を受信することになる。
【0018】
更に、継ぎ手32−1においては、図2中L1で表される量の通過減衰が生じる。更に、継ぎ手32−1を通過した後、継ぎ手32−2に至るまでの配管において、音響信号は、この配管の長さに応じた量L12の減衰を受ける。むろんこの配管内を音響信号が伝搬するにも、この配管の長さに応じた時間が必要である。従って、配管32−2において反射される音響信号は、図3において“2個目”で示されているように、送信した音響信号に比べまた継ぎ手32−1による反射波に比べても減衰した信号となっており、更に、継ぎ手32−1による反射波に対して継ぎ手32−1から継ぎ手32−2に至る配管内を音響信号が往復するのに要する時間t12だけ遅れた時刻にマイク12により受信されることになる。継ぎ手32−3による反射に関しても同様の理論が成り立つ。
【0019】
マイク12は、このような波形を有する音響信号を受信し、マイク12の後段に設けられている増幅器34はマイク12の電気出力を増幅してA/D変換器36に供給する。A/D変換器36は、増幅器34の出力や温度センサ14の検知出力即ち配管構造物16内の温度を示す信号をディジタルデータに変換し、演算部38に供給する。演算部38は、具体的にはCPUにより実現することができ、機能的には距離検出部40及び判別部42を備えている。更に、演算部38にはROM44が付設されており、また演算部38における処理の結果を出力する手段としては、表示部46が設けられている。
【0020】
演算部38においては、まず、距離検出部40により、管端18から継ぎ手32−1までの距離d01、継ぎ手32−1から継ぎ手32−2までの距離d12及び継ぎ手32−2から継ぎ手32−3までの距離d23の演算が行われる。この演算は、音響信号の送信時刻や各反射波の受信時刻の検出値から求めた時間t01、t12及びt23を用いて次の式
【数1】
01=v×t01/2
12=v×t12/2
23=v×t23/2
により行われる。上式中vは配管構造物16内部における音響信号の伝搬速度であり、一般に、配管構造物16内の気体の種類とその温度Tの関数v(T)で与えることができるため、距離検出部40においては、温度センサ14による検出の結果(具体的にはA/D変換器36により得られた温度を示すディジタルデータ)に基づき、音速vの温度補正も行っている。
【0021】
判別部42は、A/D変換器36から供給されるデータに基づき図3に示される直接波及び各反射波のレベルを検出する。判別部42は、更に、検出したレベルに基づき、まず1個目の継ぎ手32−1における音響信号の反射率γ1を計算する。反射率γ1は次の式
【数2】
γ1=O1/I1
ただし、I1=I0−L01:継ぎ手32−1に入力される音響信号のレベル
1=R1+L01:継ぎ手32−1にて反射される音響信号のレベル
01=α×d01
0:マイクにおける直接波の受信レベル
1:マイク12における継ぎ手32−1からの反射波の受信レベル
α:配管の単位長あたり減衰量(減衰率)
により計算される。なお、減衰率αは、始め、使用する各周波数毎に実験的に測定しておき、例えばROM44上に格納しておくようにすればよい。
【0022】
判別部42は、1個目の継ぎ手32−1に関する上述のような演算を、スピーカ10による送信毎に、即ちROM26上の波形データに基づき周期的に生成されるさまざまな周波数それぞれについて、実行する。これによって、判別部42は、1個目の継ぎ手32−1における音響信号の反射率γ1について、その周波数特性を検出する。判別部42は、このようにして検出した周波数特性を、ROM44上に格納されているさまざまな継ぎ手についての反射特性データと比較する。
【0023】
即ち、この実施形態に係る装置を使用するに際しては、あらかじめ、各種の継ぎ手についてその周波数対音響信号反射率特性を測定し、これをデータとしてROM44上に書き込んでおく。音響信号の反射率は、図4に示すように、継ぎ手の種類によって異なる傾向を示す周波数特性を有しているから、判別部42は、検出した反射率γ1の周波数特性をROM44上のデータと比較対照することにより、1個目の継ぎ手32−1が、例えばメカニカル継ぎ手である旨、特定することができる。
【0024】
判別部42は、A/D変換器36から得られるデータに加え、1個目の継ぎ手32−1についてのその種類の測定の結果をも利用して、2個目の継ぎ手32−2に関する演算を行う。即ち、判別部42は、2個目の継ぎ手32−2における音響信号の反射率γ2を、次の式
【数3】
γ2=O2/I2
ただし、I2=I1−L1−L12:継ぎ手32−2に入力される音響信号の レベル
2=R2+L1+L01+L12:継ぎ手32−2にて反射される音響信号のレベル
12=α×d12
2=マイク12における継ぎ手32−2からの反射波の受信レベルに従い演算する。上式中のL1即ち継ぎ手32−1における通過減衰量は、継ぎ手32−1の種類の特定結果によって決定される量である。即ち、継ぎ手32−1が上述のようにメカニカル継ぎ手である旨判別されたときには、判別部42は、メカニカル継ぎ手における典型的な通過減衰量L1を示すデータを例えばROM44から読み込み、上の式による反射率γ2の計算に利用する。判別部42は、このようにして求めた反射率γ2についても、反射率γ1について行ったと同様周波数特性を求め、その結果により継ぎ手32−2の種類を例えばエルボと特定する処理を実行する。継ぎ手32−3についても同様である。
【0025】
演算部38は、距離検出部40によって検出した距離d01、d12及びd23や判別部42によって判別された継ぎ手の種類に関する映像を、表示部46の画面上に表示させる。例えば、図5に示すように、各継ぎ手の種類を示す図形や継ぎ手と継ぎ手の間の配管を示す図形を画面上に表示させると共に、距離d01、d12及びd23を示す図形及び装置を表示部46の画面上に表示させる。このような表示を見ることにより、使用者は、配管構造物16上にある継ぎ手の種類や各継ぎ手の位置を、正確に知ることができる。
【0026】
図6に、本発明の第2実施形態に係る装置の構成を示す。この図では、第1実施形態を構成する部材と対応する部材については、同一の符号を使用している。
【0027】
この実施形態では、第1実施形態における信号発生回路22に代えて、PN発生器48を用いている。PN発生器48は、例えば100Hz〜2kHzの帯域に属するさまざまな周波数成分を含み雑音と見なしうる信号、即ちPN信号を発生させ、これを増幅器24を介してスピーカ10から音響信号として配管構造物16の内部に送信させると共に、相関演算のため演算部38に供給している。演算部38は相関演算部49を有しており、相関演算部49は遅延回路50、乗算器52及び平均化回路54を有している。遅延回路50は、PN発生器48から出力されるPN信号を遅延させ、乗算器52に供給する。乗算器52は、A/D変換器36から出力され受信した音響信号の波形を示すデータと、遅延回路50によって遅延されたPN信号との積を演算する。また、平均化回路54は、乗算器52の出力に平均化処理を施すことにより、相互相関値を求める。平均化回路54での平均化処理により、目的外雑音を除去することが可能になると共に、比較的形状が小さく反射が弱い継ぎ手であっても容易に検出することが可能になる。
【0028】
ここに、遅延回路50における遅延時間を変化させていくと、図7に示されているように、直接波や各反射波に対応して、相互相関のピークが現れる(図7中のピーク0〜3)。この実施形態における距離検出部40は、相関演算部49によって得られた相互相関値からそのピークを検出し、そのピークが得られた遅延時間τ1,τ2及びτ3を検出してこれを次の式
【数4】
01=v×τ1/2
12=v×(τ2−τ1)/2
23=v×(τ3−τ2)/2
により距離d01、d12及びd23を検出して表示部46に出力する。
【0029】
平均化回路54にて得られる平均化された相互相関値は、FFT部56において高速フーリエ変換(FFT)され、時間領域から周波数領域へと変換される。即ち、図7において一点鎖線で示されている部分が、周波数領域へ変換され、これにより各継ぎ手における音響信号反射率の周波数特性が得られる。FFT部56の後段に設けられている特性補正部58は、FFT部56によって得られる周波数特性に関し、送信されるPN信号の特性を補償する処理を施す。即ち、特性補正部58は、
【数5】
F’(φ1(τ))←F(φ1(τ))/F(φ(τ))
ただし、φ(τ):PN信号の自己相関関数
φ1(τ):ピーク1を含む一点鎖線内の相互相関関数
に従い、FFT部56の出力F(φ1(τ))に補正を施す。なお、F(・)はフーリエ変換を表している。特性補正部58は、同様に、次の式
【数6】
Figure 0003786770
ただし、φ2(τ):ピーク2を含む一点鎖線内の相互相関関数
に基づき、FFT部56の出力たるF(φ2(τ))を補正する。なお、この式において分母にF(φ1(τ))が含まれているのは、1個目の継ぎ手32−1における反射を考慮に入れたものである。3個目の継ぎ手32−3についても、同様の考慮を施しつつ、FFT部56の出力に関する補正を行う。判別部42は、特性補正部58によって補正された周波数特性と、ROM44上のデータとを対照することによって、各継ぎ手32−1、32−2及び32−3の種類を判別し、その結果を表示部46の画面上に表示させる。
【0030】
このように、第2実施形態においては、PN信号の送受信や相関演算、FFT及び特性補正といった処理を施すことにより、各継ぎ手までの距離や各継ぎ手の種類を判別している。このような構成を採用することによって、第1実施形態に比べ、処理を迅速化することができる。例えば、100mの長さを有する配管構造物についてその配管構造物を構成している継ぎ手の存否及びその種類を検出及び判別しようとする場合、第1実施形態のような構成では、各1周期の正弦波を0.7秒程度以上時間をおいて送信する必要があるため、100Hz〜2kHzの周波数範囲を100Hz刻みでスイープすると2分以上の時間が掛かってしまう。この実施形態において本実施形態の如き平均化処理を行うのであれば、例えば10スイープ分の印加であっても20分以上の時間が掛かってしまうことになる。これに対して、本実施形態では、数百回の平均化を行う場合であっても、数秒程度の時間で処理が終わる。このように、本実施形態では、処理を大幅に高速化することができる。加えて、前述のように、平均化によって目的外雑音が抑制され、また平均化の際の加算処理によって強調されるための小形状の継ぎ手からの反射の検出が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態に係る装置の構成を示すブロック図である。
【図2】 配管構造物の一例構成を示す図である。
【図3】 受信する波形の一例を示すタイミングチャートである。
【図4】 継ぎ手別の周波数対反射率特性を示す図である。
【図5】 表示形態の一例を示す画面図である。
【図6】 本発明の第2実施形態に係る装置の構成を示すブロック図である。
【図7】 相互相関値の一例を示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
10 スピーカ、12 マイク、14 温度センサ、16 配管構造物、22信号発生回路、38 演算部、32−1,32−2,32−3 継ぎ手、40距離検出部、42 判別部、44 ROM、46 表示部、48 PN発生器、49 相関演算部、50 遅延回路、52 乗算器、54 平均化回路、56FFT部、58 特性補正部、t01,t12,t23 反射波の受信間隔、d01,d12,d23 各部の配管長、L01,L12,L23 各配管における減衰量、L1,L2 各継ぎ手における通過減衰量、τ1,τ2,τ3 相互相関のピークタイミング。

Claims (3)

  1. 配管構造にて生じうる複数種類の音響的不連続部それぞれについて音響信号の反射に関する周波数特性を予め調べて記憶しておき、
    調査すべき配管構造の管端から当該配管構造の内部へと音響信号を送信し当該配管構造の内部からその反射波を受信する送受信動作を、複数の周波数成分を含む擬似雑音信号を上記音響信号として利用して一度に行い、
    送信した音響信号を遅延させた信号と受信した反射波との相互相関を求め、
    求めた相互相関にピークが現れる遅延時間の近傍における相互相関の時間波形をフーリエ変換することにより、上記周波数特性を検出し、
    送信した音響信号の自己相関を利用して、上記フーリエ変換により得られる周波数特性から、送信した音響信号の周波数特性を除去し、
    上記周波数特性に関しその検出結果を記憶内容と照合することにより、受信した反射波がどの種類の音響的不連続部からの反射波かを判別することを特徴とする配管構造調査方法。
  2. 請求項記載の配管構造調査方法において、
    上記複数種類の音響的不連続部それぞれにおける音響信号の通過減衰量若しくはその周波数特性を予め調べて記憶しておき、
    上記判別に際しては、その結果たる種類に対応した通過減衰量若しくはその周波数特性を記憶内容から求め、
    受信した反射波から見て複数個の音響的不連続部が存在していると見なせるときに、調査すべき配管構造の管端から数えて2個目以遠の音響的不連続部については、その音響的不連続部よりも管端に近い位置にある音響的不連続部に係る通過減衰量若しくはその周波数特性に基づく補償を施しつつ上記反射に関する周波数特性を検出することを特徴とする配管構造調査方法。
  3. 請求項1又は2記載の配管構造調査方法において、
    上記音響的不連続部が、配管構造を実現する際に用いられることがある継ぎ手又は当該配管構造の内部にて生じうる故障箇所であり、
    上記判別が、受信した反射波に係る音響的不連続部が継ぎ手かそれとも故障箇所かに関する継ぎ手/故障判別、受信した反射波に係る音響的不連続部たる継ぎ手がどの種類の継ぎ手かに関する継ぎ手種類判別、及び受信した反射波に係る音響的不連続部たる故障箇所がどの種類の故障に係るものかに関する故障種類判別のうちいずれか又はこれらの任意の組合せであることを特徴とする配管構造調査方法。
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