JP2016148617A - 分析データ作成方法、漏水位置検知装置および漏水位置特定方法 - Google Patents
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Abstract
Description
また、漏洩する流体量が少なく異常音が小さい場合、漏洩位置と振動センサ位置とが離れており、検出される異常音が小さいという問題がある。
そのため、特許文献2記載の方法では、充分なコヒーレンス性を示さない周波数を除去あるいは、阻止することで、相互相関関係のピークを増強することにより、異常音を検出しようとしている。
その削除の結果、合成樹脂管の微小な漏水のように、ノイズよりも小さな異常音が入力された場合に、必要な波形成分が除去されてしまうという問題が生じる。
一局面に従う分析データ作成方法は、少なくとも2つのセンサにより、同時刻における所定時間の振動を複数回計測する計測工程と、計測工程において計測された複数の波形から複数個の相互相関を求める相互相関算出工程と、相互相関算出工程において算出された相互相関を所定スパンごとに分割する分割工程と、分割工程において分割された各スパンにおいて最大値、もしくは、所定の相関値以上を有する特定のスパンを特定するスパン特定工程と、スパン特定工程において特定された特定スパンの頻度を算出する頻度算出工程と、を含むものである。
第2の発明に係る分析データ作成方法は、一局面に従う分析データ作成方法において、頻度算出工程において頻度が一定値以上と算出された特定スパンを含む相互相関を選択する相互相関選択工程を含んでもよい。
第3の発明に係る分析データ作成方法は、第2の発明に係る分析データ作成方法において、相互相関選択工程において選択された特定スパンを含む相互相関のうち複数の特定スパンを含む相互相関を平均化して用いてもよい。
第4の発明に係る分析データ作成方法は、一局面に係る分析データ作成方法において、頻度算出工程において、頻度が一定値以上と算出された特定スパンにおける相互相関を選択するスパン選択工程を含んでもよい。
第5の発明に係る分析データ作成方法は、第4の発明に係る分析データ作成方法において、スパン選択工程において選択された特定スパンのうち、複数の特定スパンにおける相互相関を平均化して用いてもよい。
他の局面に従う漏水検知装置は、請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の分析データ作成方法により作成された分析データを用いて構成されるものである。
さらに他の局面に従う漏水位置特定方法は、請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の分析データ作成方法により作成された分析データを用いて漏水位置を特定するものである。
図1は、漏水位置特定方法の状況を説明するための模式図である。
図2は、振動センサを含む漏水位置検知装置の一例を示す模式図であり、図3は図2の振動センサの特徴の一例を示す模式図である。
図2の振動センサ200は、台座210、支柱220、薄膜電極230,240、リード線231,241、圧電素子250、および錘260を含む。
また、演算装置300は、アナログ―デジタル変換部(AD変換部)310、および無線装置320を含む。
また、圧電素子250の他端部で、かつ薄膜電極230上に錘260が載置されている。
リード線231,241から出力される電位差を、コンピュータ等の処理装置により振動波形として出力する。
なお、本実施の形態においては、リード線231,241を用いることとしているが、これに限定されず、演算装置300との間で送受信可能な機能部を設けてもよい。
と示すことができる。
本実施の形態に係る共振型の振動センサ200は、図3の実線に示すように、100Hzから500Hzまでの間に共振周波数foが4個存在するように形成している。その理由としては、管網110を伝わる異常音、特に漏水音は、可聴音が多く、中でも1000Hz未満が多いからである。
一方、図3の破線は、従来の振動センサの一例を示すものである。この場合、ピークを形成していない。
続いて、漏水位置特定方法について具体例を示しつつ説明する。
各振動センサ200に入力された波形のコヒーレンス関数を用いてフィルターを作成する。このフィルターを作成する際に、異常音発生位置の精度を高めるために後述する処理を行い、フィルターを作成し、当該フィルターを適用した後、相互相関関数から振動の伝達時間差Tdを求め、伝達時間差Tdと振動の伝搬速度Vとから異常音発生位置を特定する漏水位置特定方法である。
また、
N=D−2L・・・(4)
で示すことができる。
L=(D−V・Td)/2・・・(5)
と表すことができる。
以上のように距離Lを求めることができる。
また、図5および図6は、振動センサ200の周波数帯域における強度を示す模式図である。
ここで、本発明に係る振動センサ200は、図3に示したように、共振周波数foが、60Hz以上1000Hz未満の間で4個あるため、流量の少ない漏れなどの振動波形を感度よく検出することができる。特に低周波数の帯域の振動波形の感度を高く維持することができる。すなわち、振動センサは、対象音の周波数が共振周波数と大きく異なる場合に、感度が極端に小さくなり、共振周波数に近づく程、感度を大きくすることができる。
特に、振動センサの共振周波数foは、60Hz以上1000Hz未満の間において、好ましくは2個以上6個以下で、所定の間隔で有することが好ましい。
フーリエ変換処理に際しては、ポイントAの振動センサ200およびポイントBの振動センサ200で得られた波形から、同時刻を始点とする一定時間(例えば、1秒間)の波形を取り出して、その波形をフーリエ変換処理する。フーリエスペクトルをX(f)とすると、X(f)は、下記の(6)式のように、複素関数として表現される。
式(6)は、下記の式(7)のように、実数部と虚数部とに分けて表現することが出来る。
ここで、クロススペクトルとは、フーリエスペクトルAおよびフーリエスペクトルBの周波数成分を相互に掛け合わせた上で平均したものである。
次いで、ステップS34における頻度処理化について説明を行う。ステップS34における頻度処理化は、複数の相互相関関数のうちから一部の相互相関関数を選択または抽出するものである。
図8から図13において、縦軸は相関値を示し、横軸は伝達時間差Td(秒)を示す。また、図14に示す(1)〜(100)は、図8から図13までの相互相関関数を略記したものである。
ここで、所定とは管種、管径、埋設時期などにより定義されるものであるが、最も多くの場合において用いられる場合は、距離換算で好ましくは0.5m以上10m以下、より好ましくは1m以上3m以下である。尚、各距離に相当する時間は管を伝わる振動の伝達速度から求めることができる。例えば、振動の伝達速度が400m/s管を、1mに相当するスパンで分割する場合、時間に換算すると0.0025s間隔である。この時、相互相関をスパン0.0025sで分割するとよい。
また、本実施の形態においては、所定のスパンを一定としているが、これに限定されず、任意のスパン幅に変化させてもよく、所定の可変変数を用いてもよい。
具体的に、図8に示したように、相互相関関数の最大値を含むスパンは、SPdであるため、特定スパンをSPdと特定する。
また、図12に示す相互相関関数において、所定の相関値以上を0.8以上であるとした場合、SPc,SPd,SPfおよびSPgが該当するため、特定スパンをSPc,SPd,SPfおよびSPgと特定する。
また、図13に示す相互相関関数において、所定の相関値以上を0.8以上であるとした場合、SPeが該当するため、特定スパンをSPeと特定する。
このようにして、ステップS72の処理を実施する。
例えば、各スパンSPa,〜,SPhにおける最大値の出現が、スパンSPaは0回、スパンSPbは2回、スパンSPcは10回、スパンSPdは15回、スパンSPeは12回、スパンSPfは3回、スパンSPgは2回、スパンSPhは0回であったとする。
なお、上記の例では、3回以上の出現回数がある場合としたが、これに限定されず、好ましくは50回、または2回以上の他の任意の回数以上の出現回数で規定してもよい。
図15の縦軸は、相互相関関数から求められる最大値を20と設定した漏水音の検知レベルの値を示し、横軸は一対の振動センサ200のうちの片方からの距離を示す。
次に、第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態においては、主に第1の実施の形態と異なる点について説明を行う。
図16は、図7の頻度処理化の他の例を示すフローチャートであり、図17はステップS74aの処理を説明する模式図である。
また、図17に示す(1)〜(100)は、図8から図13までの相互相関関数を略記したものである。
110 管網
200 振動センサ
Claims (7)
- 少なくとも2つのセンサにより、同時刻における所定時間の振動を複数回計測する計測工程と、
前記計測工程において計測された複数の波形から複数個の相互相関を求める相互相関算出工程と、
前記相互相関算出工程において算出された相互相関を所定スパンごとに分割する分割工程と、
前記分割工程において分割された各スパンにおいて最大値、もしくは、所定の相関値以上を有する特定のスパンを特定するスパン特定工程と、
前記スパン特定工程において特定された特定スパンの頻度を算出する頻度算出工程と、を含む、分析データ作成方法。 - 前記頻度算出工程において頻度が一定値以上と算出された特定スパンを含む相互相関を選択する相互相関選択工程を含む、請求項1に記載の分析データ作成方法。
- 前記相互相関選択工程において選択された特定スパンを含む相互相関のうち複数の特定スパンを含む相互相関を平均化して用いる、請求項2に記載の分析データ作成方法。
- 前記頻度算出工程において頻度が一定値以上と算出された特定スパンにおける相互相関を選択するスパン選択工程を含む、請求項1に記載の分析データ作成方法。
- 前記スパン選択工程において選択された特定スパンのうち、複数の特定スパンにおける相互相関を平均化して用いる、請求項4に記載の分析データ作成方法。
- 請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の分析データ作成方法により作成された分析データを用いて構成される漏水位置検知装置。
- 請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の分析データ作成方法により作成された分析データを用いて漏水位置を特定する漏水位置特定方法。
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