JP6557576B2 - 異常音の発生位置特定方法および異常音の発生位置特定装置 - Google Patents

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本発明は、異常音発生位置の特定方法および異常音の発生位置特定装置に関する。
従来、配管の漏れの位置を決定する方法として、センサにより振動を検知し、検知された信号から相互相関関数を生成し、音響の伝搬速度を用いて異常音発生位置を特定する方法が存在する。
例えば、特許文献1(特開平8−226865号公報)には、掘削が容易でなく、雑音が多い環境において、侵入的でない方法で、邪魔な雑音源を排除して、正確に導管の漏れの位置を決定する導管の漏れの位置を決定する方法について開示されている。
特許文献1(特開平8−226865号公報)記載の導管の漏れの位置を決定する方法は、a)第1時間差の生プロットを得るため、導管に沿って離間して配置された第1センサ対から得られる漏れ雑音データから相互相関関数を計算する段階と、b)第2時間差の生プロットを得るため、導管に沿って離間して配置された第2センサ対から得られる漏れ雑音データから相互相関関数を計算する段階と、c)各プロットの時間差ピークを得るために、時間差の各生プロットを平滑化する段階と、d)第1時間差ピーク、及び第1センサ対間の既知の間隔を用いることで、導管の漏れ雑音に対する伝搬速度を決定する段階と、e)伝搬速度、第2時間差ピーク、及び第2センサ対間の間隔を用いることに よって、漏れの位置を決定する段階とからなることを特徴とする導管の漏れの位置を決定するものである。
また、特許文献2(特表2003-502678号公報)には、相関に基づく技術を使って流体搬送管内での漏れを検知および位置特定する方法および装置が記載されている。
特許文献2(特表2003-502678号公報)記載の位置特定の方法においては、相関に基づく技術を使って2つの入力信号の共通信号を検知および位置特定する方法であって、周波数領域での入力信号の位相の分析により、少なくとも1個の フィルターを準備する工程と、前記の少なくとも1個のフィルターを使って周波数領域で入力信号をフィルター処理する工程と、フィルター処理した信号の相互相関を実行する工程とから成る共通信号の検知である。
特開平8−226865号公報 特表2003−502678号公報
このように、上水道またはガス管等の老朽化が進み、欠陥からの流体漏洩が問題となっている。そこで、特許文献1(特開平8−226865号公報)または特許文献2(特表2003−502678号公報)に記載の方法を適用して、欠陥位置を特定することが考えられる。
しかしながら、実際の漏洩現場においては、異常音の他に自動車の通行音等の外騒音、その他ノイズが入力されるという問題がある。
また、漏洩する流体量が少なく異常音が小さい場合、漏洩位置と振動センサ位置とが離れており、検出される異常音が小さいという問題がある。
そのため、特許文献2記載の方法では、充分なコヒーレンス性を示さない周波数を除去あるいは、阻止することで、相互相関関係のピークを増強することにより、異常音を検出しようとしている。
しかしながら、特許文献2記載の方法では、不完全なデジタル化の結果として極めて相関性の高いノイズが含まれてしまうため、自動帯域フィルターを併用して当該ノイズを削除している。
その削除の結果、合成樹脂管の微小な漏水のように、ノイズよりも小さな異常音が入力された場合に、必要な波形成分が除去されてしまうという問題が生じる。
本発明の主な目的は、減衰が大きく微小な異常音においても位置を明確に特定する異常音の発生位置特定方法および異常音の発生位置特定装置を提供することである。
本発明の他の目的は、合成樹脂管の漏水の減衰が大きく微小な異常音においても位置を明確に特定する異常音の発生位置特定方法および異常音の発生位置特定装置を提供することである。
(1)
一局面に従う異常音の発生位置特定方法は、0Hz以上1000Hz未満の間に少なくとも複数の共振点を持ち、かつ複数の共振点のうち、少なくとも1組の共振点の差が50Hz以下である振動センサを、少なくとも2個用いて振動を計測する計測工程と、計測工程による計測値に基づいて異なる周波数帯域を有する複数の周波数フィルター、または予め規定された周波数帯域を有する複数の周波数フィルターのいずれか一方を作成するフィルター作成工程と、フィルター作成工程で作成されたフィルターの総当たりの組合せを設定する設定工程と、設定工程で設定された組合せのフィルターで計測値を処理する処理工程と、処理工程で処理された処理値から複数の相互相関関数を演算する相互相関関数演算工程と、複数の相互相関関数から所定の相関最大値および所定の波形の少なくとも一方を有する関数を選択する相互相関関数選択工程と、を含むものである。
この場合、振動センサは、低周波数領域に複数の共振点を有し、かつ複数の共振点のうち、少なくとも1組の隣接する共振点の差が50Hz以下であるので、エネルギロスを無くして小さな波形を大きく示すことができる。すなわち、微小な音に対してエネルギロスを最小限にして感度良く取得することができる。また、少なくとも2個の振動センサを用いるので、共振点による影響を打ち消すことができる。
なお、微小な漏水、径が大きな鋳鉄配管、または樹脂配管等の場合の異常音には、低周波成分が多く含まれる。さらに、振動センサと振動センサとの設置距離が長い場合の異常音にも低周波成分が多く含まれる。特に、設置距離が長い場合、高周波成分の多くは減衰し、低周波成分のみが残存する。
その結果、振動センサが低周波帯域に50Hz以下の差の共振点を持つため、低周波成分を感度良く抽出することができ、従来よりも小さな異常音を確実に検出することができ、確実に位置を特定することができる。
(2)
第2の発明に係る異常音の発生位置特定方法は、一局面に係る異常音の発生位置特定方法において、振動センサは、60Hz以上1000Hz未満の間に4個の共振点を持つものである。
この場合、4個の共振点を有するので、エネルギロスを無くして小さな波形を大きく示すことができる。すなわち、微小な音に対してエネルギロスを最小限にして感度良く取得することができる。
(3)
第3の発明に係る異常音の発生位置特定方法は、一局面または第2の発明に係る異常音の発生位置特定方法において、フィルターは、少なくとも1個の周波数バンドパスフィルターであってもよい。
この場合、フィルターが、バンドパスフィルターからなるので、ノイズを除去することができ、異常音の位置特定の信頼性を高めることができる。
(4)
第4の発明に係る異常音の発生位置特定方法は、一局面から第3の発明のいずれかに係る異常音の発生位置特定方法において、振動センサは、片持ち梁形状からなってもよい。
この場合、片持ち梁形状(カンチレバー形状)により、複数の共振点を持たせることで、非共振点に比べて高い電圧感度を持つことができる。
(5)
第5の発明に係る異常音の発生位置特定方法は、一局面から第4の発明に係る異常音の発生位置特定方法において、フィルター作成工程は、計測工程による計測値のコヒーレンス値に基づいて異なる周波数帯域を有する複数の周波数フィルターを作成してもよい。
この場合、コヒーレンス関数からフィルターが生成される。したがって、コヒーレンス関数から生成されたフィルターにより少なくとも2個の振動センサの共振点による影響を打ち消すことができる。
その結果、確実に異常音を検出し、確実に漏水等の異常音発生位置を特定することができる。
(6)
第6の発明に係る異常音の発生位置特定方法は、一局面から第5の発明に係る異常音の発生位置特定方法において、計測工程は、振動センサにより合成樹脂管の振動を計測してもよい。
この場合、微小な漏水、径が大きな鋳鉄配管、または樹脂配管等の場合の異常音には、低周波成分が多く含まれる。さらに、振動センサと振動センサとの設置距離が長い場合の異常音にも低周波成分が多く含まれる。特に、設置距離が長い場合、高周波成分の多くは減衰し、低周波成分のみが残存することが多い。
そのため、振動センサが低周波帯域に複数の共振点を持つため、低周波成分を感度良く抽出することができ、従来よりも小さな異常音を確実に検出することができ、確実に位置を特定することができる。
すなわち、振動センサが低周波帯域に複数の共振点を持つため、エネルギロスを無くして小さな波形を大きく示すことができる。すなわち、微小な音に対してエネルギロスを最小限にして感度良く取得することができる。また、少なくとも2個の振動センサを用いるので、共振点による影響を打ち消すことができる。
(7)
第7の発明に係る異常音の発生位置特定方法は、一局面から第6の発明に係る異常音の発生位置特定方法において、相互相関関数選択工程において選択された頻度に応じて、1または複数の周波数フィルターを決定するフィルター選択工程と、フィルター選択工程により決定された1または複数の周波数フィルターに基づき異なる周波数帯域が決定される周波数帯域決定工程と、周波数帯域決定工程により決定された周波数帯域を通過するフィルターにより計測値を処理し、処理された計測値から相互相関関数を演算し、演算された相互相関関数に基づき、各振動センサに対する異常音の到達時間を求め、音の発生位置を算出する算出工程と、を含み、計測工程から相互相関関数選択工程は、フィルター選択工程の前に繰り返し複数回行われてもよい。
この場合、振動センサにより計測された計測値に対して、異なる周波数帯域で、複数個の計測値を抽出し、抽出された複数の計測値から複数の相互相関関数を演算し、所定の相関最大値および所定の波形の少なくとも一方を有する関数を選択することで、ノイズ成分を除去することができる。また、計測工程から相互相関関数選択工程は、フィルター選択工程の前に繰り返し複数回行うことから、よりノイズ成分を除去することができ、さらに信頼性の高いピークを有する周波数フィルターを作成することができる。
(8)
他の発明に係る異常音の発生位置特定装置は、0Hz以上1000Hz未満の間に少なくとも複数の共振点を持ち、かつ複数の共振点のうち、少なくとも1組の隣接する共振点の差が50Hz以下である振動センサを、少なくとも2個用いて振動を計測する計測部と、計測部による計測値に基づいて異なる周波数帯域を有する複数の周波数フィルター、または予め規定された周波数帯域を有する複数の周波数フィルターのいずれか一方を作成するフィルター作成部と、フィルター作成部で作成されたフィルターの総当たりの組合せを設定する設定部と、設定部で設定された組合せのフィルターで計測値を処理する処理部と、処理部で処理された処理値から複数の相互相関関数を演算する相互相関関数演算部と、複数の相互相関関数から所定の相関最大値および所定の波形の少なくとも一方を有する関数を選択する相互相関関数選択部と、を含む。
この場合、振動センサは、低周波数領域に複数の共振点を有し、かつ複数の共振点のうち、少なくとも1組の隣接する共振点の差が50Hz以下であるので、エネルギロスを無くして小さな波形を大きく示すことができる。すなわち、微小な音に対してエネルギロスを最小限にして感度良く取得することができる。また、少なくとも2個の振動センサを用いるので、共振点による影響を打ち消すことができる。
なお、微小な漏水、径が大きな鋳鉄配管、または樹脂配管等の場合の異常音には、低周波成分が多く含まれる。さらに、振動センサと振動センサとの設置距離が長い場合の異常音にも低周波成分が多く含まれる。特に、設置距離が長い場合、高周波成分の多くは減衰し、低周波成分のみが残存する。
その結果、振動センサが低周波帯域に50Hz以下の差の共振点を持つため、低周波成分を感度良く抽出することができ、従来よりも小さな異常音を確実に検出することができ、確実に位置を特定することができる。
異常音発生位置の特定方法の状況を説明するための模式図である。 振動センサを含む異常音の発生位置特定装置の一例を示す模式図である。 図2の振動センサの特徴の一例を示す模式図である 本実施の形態にかかる異常音発生位置の特定方法の一例を示すフローチャートである。 振動センサの周波数帯域における強度を示す模式図である。 振動センサの周波数帯域における強度を示す模式図である。 振動センサのコヒーレンス関数の一例を示す模式図である。 本発明にかかる実施例の相互相関関数の一例を示す模式図である。 比較例の相互相関関数の一例を示す模式図である。 コヒーレンス関数処理の前段の一例を示すフローチャートである。 コヒーレンス関数処理の後段の一例を示すフローチャートである。 処理を32回繰り返し、相互相関関数の周波数帯の頻度を積算した一例を示す模式図である。 図10のコヒーレンス関数処理の他の例を示すフローチャートである。 実施例の相互相関関数の一例を示す模式図である。 比較例の相互相関関数の一例を示す模式図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
<異常音発生位置の特定方法の状況説明>
図1は、異常音発生位置の特定方法の状況を説明するための模式図である。
図1に示すように、地中に管網110が設けられている。管網110には、一定間隔で、縦孔(マンホール)120が設けられている。本実施の形態においては、ポイントAおよびポイントBの間隔で縦孔120が設けられている。この場合、図1のポイントAおよびポイントBの縦孔120に、それぞれ振動センサ200を設ける。
<振動センサの説明>
図2は、振動センサを含む異常音の発生位置特定装置の一例を示す模式図であり、図3は図2の振動センサの特徴の一例を示す模式図である。
図2に示すように、本実施の形態にかかる異常音の発生位置特定装置100は、演算装置300および少なくとも一対の振動センサ200を含む。一対の振動センサ200は、共振型の振動センサ200である。
図2の振動センサ200は、台座210、支柱220、薄膜電極230,240、リード線231,241、圧電素子250、錘260およびGPS装置262を含む。
演算装置300は、後述するフィルターを生成する生成部310、および演算部320からなる。
図2に示すように、振動センサ200は、鉄製の台座210上に支柱220が固定される。支柱220の上端部に圧電素子250が設けられる。圧電素子250の一端部は、支柱220の上端部に片持ち支持されている。
圧電素子250の両面に銀ペーストを塗布して形成された上下一対の薄膜電極230,240が設けられる。支柱220および一対の薄膜電極230,240の間は、絶縁されている。
また、圧電素子250の他端部で、かつ薄膜電極230上に錘260が載置されている。
薄膜電極230には、リード線231が接続されており、薄膜電極240には、リード線241が接続されており、リード線231,241はそれぞれ演算装置300につながっている。
リード線231,241から出力される電位差を、コンピュータ等の処理装置により振動波形として出力する。
なお、本実施の形態においては、リード線231,241を用いることとしているが、これに限定されず、演算装置300との間で送受信可能な機能部を設けてもよい。
また、圧電素子250は、高分子圧電材料であるポリフッ化ビニリデンの延伸フィルム(PVDFフィルム)によって形成されている。
具体的なパラメータが、圧電材料の弾性Eと、断面二次モーメントJと、長さLと、幅bと、高さhとである場合、バネ定数kは、以下のように示される。
k=3EJ/L(J=bh/12)・・・(1)
圧電素子250と錘260とからなる系の共振周波数foは、以下のように示される。
fo=√(k/M)/2π・・・(2)
また、共振型の振動センサ200は、共振周波数foが、60Hz以上1000Hz未満の範囲内に少なくとも1個存在するように形成する。
本実施の形態に係る共振型の振動センサ200は、図3に示すように、100Hzから500Hzまでの間に共振周波数foが4個存在するように形成している。その理由としては、管網110を伝わる異常音、特に漏水音は、可聴音が多く、中でも1000Hz未満が多いからである。
具体的には、図3に示すように、共振周波数foは、260Hz近辺のピークP1、310Hz近辺のピークP2、350Hz近辺のピークP3、480Hz近辺のピークP4の4個のピークを有する。
なお、本実施の形態において、隣接するピークP1とピークP2との差は、50Hzであり、ピークP2とピークP3との差は、40Hzであり、ピークP3とピークP4との差は、130Hzである。
すなわち、本実施の形態においては、隣接する共振点の差が50Hz以下の組が2組ある。また、隣接する共振点の差が最大の離間130Hzである。
また、0Hz以上500Hz以下の範囲に複数の共振点をもってもよく、好ましくは、100Hz以上500Hz以下の範囲に複数の共振点をもってもよく、さらに好ましくは、200Hz以上350Hz以下の範囲内に複数の共振点をもってもよい。
さらに、共振点の最小離間は1Hz以上であればよく、コストの面から好ましくは、10Hz以上であることが好ましい。
一方、図3の破線は、従来の振動センサの一例を示すものである。この場合、ピークを形成していない。
また、振動センサ200は、管網110のいずれの位置に設置されたかをGPS装置262により演算装置300に送信する。その結果、演算装置300は、振動センサ200の位置を認識することができる。例えば、演算装置300は、振動センサ200の埋設位置を認識できる。
<異常音発生位置の特定方法のフローチャート>
続いて、異常音発生位置の特定方法について具体例を示しつつ説明する。
本実施の形態にかかる異常音発生位置の特定方法は、管網110の少なくとも2ヶ所(ポイントAおよびポイントB)に振動センサ200を設置し、管網110の欠陥等によって発生する異常音または振動を振動センサ200により検知する。
各振動センサ200に入力された波形のコヒーレンス関数を用いてフィルターを作成し、当該フィルターを適用した後、相互相関関数から振動の伝達時間差Tdを求め、伝達時間差Tdと振動の伝搬速度Vとから異常音発生位置を特定する方法である。
図1において、ポイントAの振動センサ200から距離Lの位置で流体の漏洩が発生したと仮定する。すなわち、距離Lの位置が異常音の発生位置(流体の漏洩位置)である。この場合、漏洩音は、ポイントBの振動センサ200に到達するまでにポイントAの振動センサ200の距離Lよりも距離にして距離Nだけ長い距離(L+N)を伝搬する。
したがって、ポイントAの振動センサ200およびポイントBの振動センサ200の距離をDと仮定した場合、漏洩音がポイントAの振動センサ200とポイントBの振動センサ200とに到着する伝達時間差Tdとすると、漏洩音の伝搬速度V、2つの振動センサ間の距離をDとして以下の式で求めることができる。
Td=N/V・・・(3)
また、
N=D−2L・・・(4)
で示すことができる。
式(4)を式(3)に代入することにより、
L=(D−V・Td)/2・・・(5)
と表すことができる。
以上のように距離Lを求めることができる。
以下、本実施の形態にかかる異常音発生位置の特定方法の具体例について説明する。図4は、本実施の形態にかかる異常音発生位置の特定方法の一例を示すフローチャートである。
また、図5および図6は、振動センサ200の周波数帯域における強度を示す模式図であり、図7は、振動センサ200のコヒーレンス関数の一例を示す模式図である。
まず、図4に示すように、管網110のポイントAの振動センサ200から漏洩音の波形を取得する(ステップS11)。同様に、管網110のポイントBの振動センサ200から漏洩音の波形を取得する(ステップS21)。
ここで、本発明に係る振動センサ200は、図3に示したように、共振周波数foが、60Hz以上1000Hz未満の間で4個あるため、流量の少ない漏れなどの振動波形を感度よく検出することができる。特に低周波数の帯域の振動波形の感度を高く維持することができる。すなわち、振動センサは、対象音の周波数が共振周波数と大きく異なる場合に、感度が極端に小さくなり、共振周波数に近づく程、感度を大きくすることができる。
なお、共振周波数foは、100Hz以上500Hz以下に少なくとも1個以上存在することが望ましい。
特に、振動センサの共振周波数foは、60Hz以上1000Hz未満の間において、好ましくは2個以上6個以下で、所定の間隔で有することが好ましいが、一定感度以下に落ち込んだ周波数帯域がある場合、当該周波数帯域に共振点を追加してもよい。
次いで、ポイントAの振動センサ200から取得した漏洩音の波形をフーリエ変換処理(ステップS12)し、フーリエスペクトルAを取得する(ステップS13)。同様に、ポイントBの振動センサ200から取得した漏洩音の波形をフーリエ変換処理(ステップS22)し、フーリエスペクトルBを取得する(ステップS23)。
<フーリエ変換処理(ステップS12およびステップS22)>
フーリエ変換処理に際しては、ポイントAの振動センサ200およびポイントBの振動センサ200で得られた波形から、同時刻を始点とする一定時間の波形を取り出して、その波形をフーリエ変換処理する。フーリエスペクトルをX(f)とすると、X(f)は、下記の(6)式のように、複素関数として表現される。
X(f)=∫-∞ x(t)e-j2πftdt・・・(6)
式(6)は、下記の式(7)のように、実数部と虚数部とに分けて表現することが出来る。
X(f)=XR(f)+jX(f)=|X(f)|ejθ(f)・・・(7)
式(7)において、|X(f)|は、フーリエスペクトルの振幅を表し、θ(f)は、位相を表す。フーリエスペクトルの振幅|X(f)|は、下記(8)式で求めることができる。
|X(f)|=√{X(f)+X(f)}・・・(8)
ここで、図5および図6で示すように、振動センサ200のそれぞれの周波数帯域に対する感度を取得することができる。ここで、図5および図6に示すように、振動センサ200により取得された波形は、周波数250Hzの近辺において高い値を示していることが判る。
<コヒーレンス関数処理(ステップS31)>
次いで、フーリエスペクトルAおよびフーリエスペクトルBに対してコヒーレンス関数処理を行う(ステップS31)。
ここで、コヒーレンス関数とは、振動センサ200の信号に一定の関係が有るか否かを、0以上1以下の値で周波数毎に評価するための関数である。コヒーレンス値が1に近い程、2つの振動センサ200の関係性が大きいことを示し、2つの振動センサ200において共通の波形であると言える。
一方、コヒーレンス値が0に近い程、2つの振動センサ200のうち、いずれか一方に取得された波形である可能性が高く、その波形は、いわゆるノイズとして見なすことができるというものである。
図7に示すように、振動センサ200のコヒーレンス関数は、周波数600Hz以上800Hz以下の範囲において高い値を示していることがわかる。
本実施の形態においては、周波数帯域を200Hzとして、コヒーレンス関数の積分値が最も大きい範囲を選択し、最も大きい範囲のバンドパスフィルターを作成する。
したがって、本実施の形態においては、周波数600Hz以上800Hz以下のバンドパスフィルターを作成している。
なお、周波数帯域は200Hzでなくてもよく、50Hz、100Hz、300Hzの周波数帯域を用いてもよく、その他の任意の周波数帯域であってもよい。
次に、フーリエスペクトルAおよびフーリエスペクトルBを上述したコヒーレンス関数に基づくバンドパスフィルターに通し、フーリエ逆変換して(ステップS32)相互相関関数(ステップS33)を求める。相互相関関数は、N乗(Nは1以外の自然数)され、これにより相互相関関数の波形のピーク点が保存された状態で、それ以外の点が圧縮される。
フーリエ逆変換することで、式(9)に示すような振幅情報を排除した波形X‘(t)を得ることができる。
x‘(t)=∫-∞ X(f)e-j2πftdf・・・(9)
このx‘(t)を各振動センサ200の波形により算出し、これらの相互相関をとることによって伝達時間差Tdを求めて、位置算出処理(ステップS34)を行うことができる。
<実施例および比較例>
以下、管路長7.2mのポリ塩化ビニル管を用いて実施例および比較例を実施した。
<実施例>
本実施例においては、管路長7.2mのポリ塩化ビニル管の両端に振動センサ200をそれぞれ設けた。また、振動センサ200が設置された位置から3.2m離れた位置に、φ6の孔を空け漏水位置を作成した。
振動センサ200のそれぞれの場所で振動波形を計測して、ロガーに保存した。ロガーのサンプリングレートを50kHzとし、60秒間の波形(1秒間の波形データを60個)を取得した。その波形について、コンピュータを用いて解析を行った。
実施例においては、コヒーレンス関数処理によるバンドパスフィルターによる処理を行ない、相互相関関数を算出し、異常音位置を算出した。
<比較例>
次に、比較例においては、実施例と異なり、コヒーレンスによるバンドパスフィルターによる処理を行わず、相互相関関数を算出し、異常音位置を算出した。その他においては、実施例と同じ処理を行った。
図8は、本発明にかかる実施例の相互相関関数の一例を示す模式図であり、図9は、比較例の相互相関関数の一例を示す模式図である。
図9に示す比較例における相互相関関数から算出した異常音位置は、1.6m離れた位置であり、実際と1.6mのずれが生じた。
一方、図8に示す実施例における相互相関関数は、振動センサ200から3m離れた位置であり、20cmのずれで対応できた。
実施例および比較例から、本実施の形態における異常音発生位置の特定方法は、有効性が高いことがわかった。すなわち、1.6mずれた位置は、管網110の深さまで穴を掘っても漏水位置が見つからないという問題があるが、本実施の形態においては、ずれが20cmであるため、穴を掘っても微小な漏水または樹脂管における漏水を見つけることができることがわかった。
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態においては、第1の実施の形態と異なる点についてのみ説明を行う。第2の実施の形態においては、第1の実施の形態におけるステップS11およびステップS21で得られた振動センサ200の波形を用いてフィルターを作成するものである。以下、説明を行う。
まず、ステップS11およびステップS21において各振動センサ200に入力された波形のコヒーレンス関数を用いてフィルターを作成する。このフィルターを作成する際に、異常音発生位置の精度を高めるために後述する処理を行ってフィルターを作成し、当該フィルターを適用した後、相互相関関数から振動の伝達時間差Tdを求め、伝達時間差Tdと振動の伝搬速度Vとから異常音発生位置を特定する異常音発生位置の特定方法である。
図10は、コヒーレンス関数処理の前段の一例を示すフローチャートであり、図11はコヒーレンス関数処理の後段の一例を示すフローチャートである。
図10に示すように、まず、一対の振動センサ200の計測値から上述したコヒーレンス関数を算出する(ステップS51)。ここで、A地点の所定時刻の波形をA−1とし、B地点の同時刻の波形をB−1とする。
次に、コヒーレンス値の高い周波数帯を所定の周波数幅で選択する(ステップS52)。
具体的には、コヒーレンス値の高い周波数帯とは、所定の周波数幅におけるコヒーレンス値の積分値が大きい部分である。
すなわち、図7の所定の周波数幅におけるコヒーレンス値の面積が大きい部分を選択する。
本実施の形態においては、所定の周波数幅は、100Hzであるとし、面積が大きい順で、第1最大値、第2最大値、第3最大値の3か所の周波数帯を選択することとする。
本実施の形態におけるステップS52の処理は、以下に示す。図7に示したコヒーレンス値の積分値で大きい周波数帯は、650Hz以上750Hz以下(f1−1とする。)、750Hz以上850Hz以下(f1−2とする。)、300Hz以上400Hz以下(f1−3とする。)の3か所であるため、当該3か所を選択する。
なお、本実施の形態においては、3か所の周波数帯を選択することとしたが、これに限定されず、第P箇所(Pは任意の整数)の周波数帯を選択してもよい。
ここで、選択された3か所の周波数帯を説明の上、650Hz以上750Hz以下の周波数帯を第1の周波数帯とし、750Hz以上850Hz以下の周波数帯を第2の周波数帯とし、300Hz以上400Hz以下の周波数帯を第3の周波数帯とする。
次に、一対の振動センサ200の元波形に対して選択された周波数帯の総当たりのバンドパスフィルターを通して波形を得る(ステップS53)。
ここで、具体的に、一対の振動センサ200の元波形に対して、第1周波数帯の周波数帯でバンドパスフィルターを通した波形を第1波形(A地点波形A’−1−1、B地点波形B‘−1−1)とする。
同様に、一対の振動センサ200の元波形に対して、第2周波数帯の周波数帯でバンドパスフィルターを通した波形を第2波形(A地点波形A’−1−2、B地点波形B‘−1−2)とし、第3周波数帯の周波数帯でバンドパスフィルターを通した波形を第3波形として作成する。
さらに、第1周波数帯および第2周波数帯のバンドパスフィルター、第2周波数帯および第3周波数帯のバンドパスフィルター、第1、第2、第3周波数帯のいずれも用いないバンドパスフィルター、第1、第2、第3周波数帯のすべてを用いたバンドパスフィルターを通した波形を第8波形(A地点波形A’−1−8、B地点波形B‘−1−8)として作成する。
次に、得られた波形に対して相互相関関数を算出する(ステップS54)。
具体的には、第1波形(A地点波形A’−1−1、B地点波形B‘−1−1)について第1相互相関関数(Td−1−1)を算出し、第2波形(A地点波形A’−1−2、B地点波形B‘−1−2)について第2相互相関関数(Td−1−2)を算出し、第3波形乃至第8波形(A地点波形A’−1−8、B地点波形B‘−1−8)について第3乃至第8相互相関関数(Td−1−8)を算出する。
続いて、得られた複数の相互相関関数において、ピークが明確に表れているものを1つ選択する(ステップS55)。
具体的には、ステップS54の処理において、第1相互相関関数から第8相互相関関数までの中より結果のピークが明確なものを選定する。
ここで、ピークが明確に表れているとは、8個の中からピークが最も高いものを選定する。
なお、本実施の形態においては、ピークが明確に表れているとは、8個の中からピークが最も高いものを選定することとしたが、これに限定されず、他の所定の条件を設定してもよい。
続いて、図11に示すように、ステップS51からステップS55の処理をn回数(nは任意の正の整数)繰り返した否かを判定する(ステップS55L)。n回数繰り返すまでステップS51からステップS55の処理を繰り返す。
続いて、n回数繰り返したステップS51からステップS55の処理から選択した相互相関関数の周波数帯の頻度を積算する(ステップS56)。
次いで、最大頻度の50%以上の頻度を有する周波数帯のみ通すフィルタ(バンドパスフィルター)を作成し、振動センサ200の波形に適用する(ステップS57)。
具体的に、図12は、ステップS55Lの処理を32回(n=32)繰り返し、相互相関関数の周波数帯の頻度を積算した一例を示す模式図である。なお、当然のことながら、当該処理とは、図10および図11のステップS51からステップS57までの処理を意味する。
図12に示すように、10回以上(最大となった20回の半分)選択された周波数帯を選定する。
その結果、60Hz以上200Hz以下の範囲、300Hz以上410Hz以下の範囲、460Hz以上560Hz以下の範囲となる。
続いて、選択された周波数帯以外を排除するフィルターを作成し、ステップS57により作成されたフィルターを振動センサ200の元波形に適用する。
なお、ステップS57の処理において使用する元波形は、フィルター作成時に使用した一対の振動センサ200からの波形であってもよく、一対の振動センサ200から再度、ステップS11からステップS13およびステップS21からステップS23を行い、再取得した波形を用いてもよい。
次いで、振動センサ200の元波形を上述したフィルターに通し、コヒーレンス関数処理を実施した後、フーリエ変換処理を行い、相互相関関数(ステップS33)を求める。相互相関関数は、必要に応じてN乗(Nは1以外の自然数)され、これにより相互相関関数の波形のピーク点が保存された状態で、それ以外の点を圧縮することができる。
これらの相互相関をとることによって伝達時間差Tdを求めて、位置算出処理(ステップS34)を行うことができる。
<第3の実施の形態>
次に、第3の実施の形態について説明する。第3の実施の形態においては、主に第2の実施の形態と異なる点について説明を行う。
図13は、図10のコヒーレンス関数処理の他の例を示すフローチャートである。
第3の実施の形態においては、ステップS31(ステップS51からS57の処理)のコヒーレンス関数の処理において、ステップS54の処理の得られた波形に対して相互相関関数を算出した後、全ての相互相関関数の平均化を算出する(ステップS55a)。
次に、ステップS11からS13、ステップS21からS23および、ステップS51からステップS55aまでの処理を繰り返し(図11のステップS55Lと同様に)行い、さらに平均化する(ステップS56a)。
この場合、相互相関関数の処理を繰り返し行い、平均化するため、ノイズを除去することができる。
図14は、実施例の相互相関関数の一例を示す模式図であり、図15は、比較例の相互相関関数の一例を示す模式図である。
(実施例)
実施例として、振動センサ200のそれぞれの場所で振動波形を計測して、ロガーに保存した。ロガーのサンプリングレートを50kHzとし、60秒間の波形(1秒間の波形データを60個)を取得した。その波形について、コンピュータを用いて解析を行った。
実施例においては、第2の実施の形態における分析データ作成方法、周波数フィルター作成方法、異常音発生位置の特定方法を用いて実際の相互相関関数を算出した。
(比較例)
比較例は、実施例とほぼ同じ処理で、異なる点は、本実施の形態に係るコヒーレンス関数処理を行わず、相互相関関数を算出した。
図14に示すように、実施例においては、−0.05secにおいて明らかなピークが表れた。そのため、そのピーク位置が漏水位置であることが容易に認識できた。
一方、図15に示すように、比較例においては、ピークが複数表れている。具体的には、−0.05secおよび0.03secにおいてピークが表れた。
なお、本発明における「総当たり」とは、複数の地点における波形のコヒーレンス値からバンドパス周波数帯を決定し、複数のバンドパスフィルターを形成する。仮に2個作製した場合、バンドパスフィルターのそれぞれを、組み合わせる。具体的に、フィルターなしの場合、フィルター1個目のみの場合、フィルター2個目のみの場合、フィルター1個目および2個目を適用した場合、の4種類である。すなわちバンドパスフィルターの数(N)に対して、Nの階乗個数のフィルターの総当たりを行うものであり、3個作製した場合、9種類である。なお、複数のバンドパスフィルターであればよく、Nの階乗個数でなく、2以上の整数となるような(Nの階乗−整数)個数であってもよい。
以上のように、第1の実施の形態にかかる異常音発生位置の特定方法によると、振動センサ200は、60Hz以上1000Hz未満の間である低周波数領域に共振点を有するので、本来であれば、ノイズとされる微小な異常音を示す小さな波形を大きく示すことができる。特に、共振点を低周波数領域に配置させることで、共振点を低周波数領域に配置させない場合と比較して、エネルギロスを最小限にすることができる。すなわち、微小な音に対してエネルギロスを最小限にして感度良く取得することができる。
また、コヒーレンス関数を用いて少なくとも2個の振動センサ200を用いるので、共振点による影響を打ち消すことができる。
その結果、振動センサが60Hz以上1000Hz未満の間である低周波帯域に共振点を持つため、低周波成分を感度良く抽出することができ、従来よりも小さな異常音を確実に検出することができ、確実に異常音の発生位置を特定することができる。
また、コヒーレンス関数から生成されるフィルターがバンドパスフィルターとして使用されるため、重み付けによる処理と異なり、ノイズにも対応することができる。
すなわち、外乱ノイズ、電気的ノイズが波形に入った場合、重み付け処理では、外乱ノイズを除去することができず、異常音の位置特定への信頼性が低下する。
一方、バンドパスフィルターによる処理は、ノイズを確実に除去することができるので、異常音の位置特定の信頼性を高めることができる。
また、演算装置300には、生成部310および演算部320を有する。生成部310において、コヒーレンス関数からフィルターが生成され、演算部320により波形の相互相関関数が演算される。したがって、コヒーレンス関数から生成されたフィルターにより少なくとも2個の振動センサ200の共振点による影響を打ち消すことができる。
さらに、振動センサ200は、GPS装置262により管網110のいずれの位置の振動センサ200からの波形であるのかを認識することができる。その結果、演算装置300により正確に波形の処理を行い、異常音の発生位置を特定することができる。
また、以上のように、第2および第3の実施の形態によると、振動センサ200により計測された計測値に対して、異なる周波数帯域で、コヒーレンス値の積分値が大きい順に抽出工程を行ない、抽出された複数の計測値から複数の相互相関関数を演算し、所定の相関最大値および所定の波形の少なくとも一方を有する関数を選択することで、ノイズ成分を除去することができるため、信頼性の高いピークを有する分析データを作成することができる。
また、上記の処理を複数回繰り返すことにより、よりノイズ成分を除去することができるので、さらに信頼性の高い分析データを作成することができる。
さらに、コヒーレンス値に基づいて、フィルターを形成するので、ノイズを有効に除去し、相関性の高い計測値(振動波形)のみを抽出することができる。
また、当該分析データにより信頼性の高いピークを有する周波数フィルターを作成することができる。
さらに、分析データおよび周波数フィルターを用いて、信頼性の高い異常音の発生位置を算出することができる。
なお、上記異常音の発生位置特定方法および異常音の発生位置特定装置については、各種の管網110に適用することができる。例えば、水道の配管からの漏水を検出する他、水道以外の各種配管内の漏水を検出する用途、または、工場内の薬液等の配管における薬液等の流体の漏洩を検出する用途などでも使用することができる。
本発明においては、振動センサ200による計測処理が、「計測工程」に相当し、異常音の発生位置特定装置100が「異常音の発生位置特定装置」に相当し、振動センサ200が「計測部」に相当し、ステップS51の処理が「フィルター作成工程」に相当し、ステップS52の処理が「設定工程」に相当し、ステップS54の処理が「相互相関関数演算工程」に相当し、ステップS55の処理が「相互相関関数選択工程」に相当し、ステップS56の処理が、「フィルター選択工程」に相当し、ステップS57の処理が、「周波数帯域決定工程」に相当し、ステップS11からS13、ステップS21からS23、ステップS31からS34までの処理、またはさらにステップS51からS57までの処理を加えたものが、「異常音発生位置の特定方法」に相当し、ステップS34の処理が「算出工程」に相当し、演算装置300は、「周波数フィルター部、抽出部、相互相関関数演算部、相互相関関数選択部、フィルター選択部、周波数帯域決定部、算出部」に相当する。
本発明の好ましい一実施の形態は上記の通りであるが、本発明はそれだけに制限されない。本発明の精神と範囲から逸脱することのない様々な実施形態が他になされることは理解されよう。さらに、本実施形態において、本発明の構成による作用および効果を述べているが、これら作用および効果は、一例であり、本発明を限定するものではない。
100 異常音の発生位置特定装置
110 管網
200 振動センサ
231,241 リード線
262 GPS装置
300 演算装置
310 生成部
320 演算部

Claims (8)

  1. 60Hz以上1000Hz未満の間に少なくとも複数の共振点を持ち、かつ前記複数の共振点うち、少なくとも1組の隣接する共振点の差が50Hz以下である振動センサを配管の少なくとも2ヶ所に設置して、前記配管の振動を計測する計測工程と、
    前記計測工程による計測値に基づいて異なる周波数帯域を有する複数の周波数フィルター、または予め規定された周波数帯域を有する複数の周波数フィルターのいずれか一方を作成するフィルター作成工程と、
    前記フィルター作成工程で作成されたフィルターの総当たりの組合せを設定する設定工程と、
    前記設定工程で設定された組合せのフィルターで計測値を処理する処理工程と、
    前記処理工程で処理された処理値から複数の相互相関関数を演算する相互相関関数演算工程と、
    前記複数の相互相関関数から所定の相関最大値および所定の波形の少なくとも一方を有する関数を選択する相互相関関数選択工程と、
    選択された相互相関関数に基づき、各振動センサに対する異常音の到達時間を求め、音の発生位置を算出する算出工程と、
    を含む、異常音の発生位置特定方法。
  2. 前記振動センサは、60Hz以上1000Hz未満の間に4個の共振点を持つ、請求項1記載の異常音の発生位置特定方法。
  3. 前記フィルターは、少なくとも1個の周波数バンドパスフィルターである、請求項1または2に記載の異常音の発生位置特定方法。
  4. 前記振動センサは、片持ち梁形状からなる、請求項1から3のいずれか1項に記載の異常音の発生位置特定方法。
  5. 前記フィルター作成工程は、前記計測工程による計測値のコヒーレンス値に基づいて異なる周波数帯域を有する複数の周波数フィルターを作成する、請求項1から4のいずれか1項に記載の異常音の発生位置特定方法。
  6. 前記計測工程は、前記振動センサにより合成樹脂管の振動を計測する、請求項1から5のいずれか1項に記載の異常音の発生位置特定方法。
  7. 前記相互相関関数選択工程において選択された頻度に応じて、1または複数の周波数フィルターを決定するフィルター選択工程と、
    前記フィルター選択工程により決定された1または複数の周波数フィルターに基づき前記異なる周波数帯域が決定される周波数帯域決定工程と、
    前記周波数帯域決定工程により決定された周波数帯域を通過するフィルターにより計測値を処理し、処理された計測値から相互相関関数を演算し、演算された相互相関関数に基づき、各振動センサに対する異常音の到達時間を求め、音の発生位置を算出する算出工程と、を含み、
    前記計測工程から前記相互相関関数選択工程は、前記フィルター選択工程の前に繰り返し複数回行われる、請求項1から6のいずれか1項に記載の異常音の発生位置特定方法。
  8. 60Hz以上1000Hz未満の間に少なくとも複数の共振点を持ち、かつ前記複数の共振点のうち、少なくとも1組の隣接する共振点の差が50Hz以下である振動センサを配管の少なくとも2ヶ所に設置して、前記配管の振動を計測する計測部と、
    前記計測部による計測値に基づいて異なる周波数帯域を有する複数の周波数フィルター、または予め規定された周波数帯域を有する複数の周波数フィルターのいずれか一方を作成するフィルター作成部と、
    前記フィルター作成部で作成されたフィルターの総当たりの組合せを設定する設定部と、
    前記設定部で設定された組合せのフィルターで計測値を処理する処理部と、
    前記処理部で処理された処理値から複数の相互相関関数を演算する相互相関関数演算部と、
    前記複数の相互相関関数から所定の相関最大値および所定の波形の少なくとも一方を有する関数を選択する相互相関関数選択部と、
    選択された相互相関関数に基づき、各振動センサに対する異常音の到達時間を求め、音の発生位置を算出する算出部と、
    を含む、異常音の発生位置特定装置。
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