JPWO2016194331A1 - 劣化分析装置、劣化分析方法および劣化分析プログラムおよび記録媒体 - Google Patents

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Abstract

[課題]配管の欠陥をより正確に検出すること。[解決手段]モデルデータ計算部133は、特定パラメータを変化させて設定された複数のモデル毎に、振動周波数および振動伝搬速度の理論値を互いに対応つけて計算する。モデル抽出部134は、振動周波数取得部131により取得される複数の振動周波数の測定値に対応する複数の振動伝搬速度の理論値および測定値の比較結果に基づいて、複数のモデルから特定モデルを抽出する。劣化判定部135は、モデル抽出部134により抽出された設定モデルに対応する特定パラメータに基づいて、配管900の劣化状態を判定する。

Description

本発明は、劣化分析装置等に関し、例えば、肉厚減少や材質変化等の配管の劣化を検出するものに関する。
近年、水道配管やガス配管や工業用配管(たとえば、石油のパイプラインや、工場内の各種オイル用配管)など、多数の配管が地中等に配置されている。配管が経年劣化等することにより、配管が脆くなったり、配管の肉厚が薄くなったりする。これにより、配管内を流れる流体が配管外へ漏洩したり、配管が破裂したりする場合がある。
たとえば、水道配管が破裂した場合、当該水道配管の周辺地域に断水が生じうる。また、当該水道配管の周辺の家屋や道路が浸水する恐れもある。
また、たとえば、ガスやオイルなどの可燃物を流す配管が破裂した場合、当該配管の周辺で火災や爆発が生じる恐れがある。また、配管を流れるオイルが当該配管の周辺土壌に流出して、土壌汚染が発生する恐れもある。
これらの災害を防ぐため、配管の定期的な保守点検や、配管の定期的な交換が、必要となる。そのためには配管の劣化状態を把握する必要がある。
配管の劣化を検出する方法として、地中に埋没されていない配管の場合、たとえば、超音波検査器などを用いる非破壊検査法を適用することができる。一方、地中に埋没されている配管に対しては、このような非破壊検査法を適用することはできない。
地中に埋没されている配管の劣化を検出する方法として、たとえば、配管周辺の土壌の一部を除去して、配管を露出させてから、外観を観察したり、超音波肉厚計で配管の肉厚を計測したりする方法が、知られている。また、配管内に検査用のロボットを入れて、検査用のロボットを配管内で走行させながら、配管を検査する方法も、知られている。
しかしながら、前者の方法では、地中から配管を掘り起こすために、多大な時間やコストがかかるという問題があった。また、後者の方法では、検査用のロボットを配管内に入れるため、配管の口径が大きな配管にしか適用ができないとともに、検査中に流体の搬送を停止する必要があった。
これに対して、例えば、特許文献1および2には、配管の欠陥劣化を検出する技術の一例として、配管内を伝搬する振動の速度(音速)を測定し、音速の測定値と理論値を比較することにより、配管の肉厚を推定する技術が、開示されている。
特表2008−544260号公報 特開2013−61350号公報
特許文献1および2に記載の技術では、配管の円周方向の肉厚プロファイルと、配管内を伝搬する振動の速度(音速)との関係式を用いて、この音速に基づいた配管の肉厚を算出している。しかしながら、この方法では、配管への付着物や配管周辺の土砂が音速に与える影響を考慮できない。この結果、実際の音速および配管の肉厚の関係は、上述した関係式に適合しないという問題があった。すなわち、特許文献1および2で示された方法では、地中に埋没された配管の肉厚を正確に算出できず、配管の劣化を正確に検出できないという問題があった。
本発明は、このような事情を鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、配管の劣化をより正確に検出することができる劣化分析装置等を提供することにある。
本発明の劣化分析装置は、配管または前記配管内を流れる流体を伝搬する振動の周波数を、振動周波数の測定値として取得する振動周波数取得手段と、前記配管または前記配管内を流れる流体を伝搬する振動の速度を、振動伝搬速度の測定値として測定する振動伝搬速度測定手段と、前記配管に関するパラメータである設定パラメータを変化させて設定された複数のモデル毎に、前記振動周波数および前記振動伝搬速度の理論値を互いに対応つけて計算するモデルデータ計算手段と、前記振動周波数取得手段により取得される複数の前記振動周波数の測定値に対応する複数の前記振動伝搬速度の理論値および測定値の比較結果に基づいて、前記複数のモデルから特定モデルを抽出するモデル抽出手段と、前記モデル抽出手段により抽出された特定モデルに対応する設定パラメータに基づいて、前記配管の劣化状態を判定する劣化判定手段とを備えている。
本発明の劣化分析方法は、配管または前記配管内を流れる流体を伝搬する振動の周波数を、振動周波数の測定値として取得し、前記配管または前記配管内を流れる流体を伝搬する振動の速度を、振動伝搬速度の測定値として測定し、前記配管に関するパラメータである設定パラメータを変化させて設定された複数のモデル毎に、前記振動周波数および前記振動伝搬速度の理論値を互いに対応つけて計算し、複数の前記振動周波数の測定値に対応する複数の前記振動伝搬速度の理論値および測定値の比較結果に基づいて、前記複数のモデルから特定モデルを抽出し、前記特定モデルに対応する設定パラメータに基づいて、前記配管の劣化状態を判定する。
本発明の記憶媒体は、配管または前記配管内を流れる流体を伝搬する振動の周波数を、振動周波数の測定値として取得し、前記配管または前記配管内を流れる流体を伝搬する振動の速度を、振動伝搬速度の測定値として測定し、前記配管に関するパラメータである設定パラメータを変化させて設定された複数のモデル毎に、前記振動周波数および前記振動伝搬速度の理論値を互いに対応つけて計算し、前記振動周波数取得ステップにより取得される複数の前記振動周波数の測定値に対応する複数の前記振動伝搬速度の理論値および測定値の比較結果に基づいて、前記複数のモデルから特定モデルを抽出し、前記特定モデルに対応する設定パラメータに基づいて、前記配管の劣化状態を判定する処理をコンピュータに行わせる劣化分析プログラムを記憶する。
本発明にかかる劣化分析装置等によれば、配管の劣化をより正確に検出することができる。
本発明の第1の実施の形態における劣化分析装置の構成を示す図である。 配管および配管周辺の断面図である。 各モデルの特定パラメータの一例を示す図である。 設定パラメータを変化させた場合の各モデルの振動周波数および振動伝搬速度の関係を示す図である。 本発明の第1の実施の形態における劣化分析装置の動作フローを示す図である。 本発明の第2の実施の形態における劣化分析装置の構成を示す図である。 本発明の第3の実施の形態における劣化分析装置の構成を示す図である。
<第1の実施の形態>
本発明の第1の実施の形態における劣化分析装置100の構成について説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態における劣化分析装置100の構成を示す図である。
図1に示されるように、配管900は、地中の土砂800内に埋設されている。また、流体910(液体または気体)は、配管900内を流れている。図1の例では、図1紙面の矢印A1の方向に流れているものとする。なお、以下の説明では、流体910を水として説明する。
図1に示されるように、2つの消火栓920が配管900に設けられている。これらの消火栓920から、水(流体910)を、配管900の外部へ取り出すことができる。消火栓920は、マンホール700の設置位置に、配置されている。消火栓920は、マンホール700内にて、地中の土砂800から露出されている。
図1に示されるように、劣化分析装置100は、加振部110と、水圧センサ120と、処理部130とを備えている。水圧センサ120は、本発明の振動検出部に相当する。加振部110および水圧センサ120の間の距離をD1とする。加振部110および処理部130の間は、有線または無線により通信接続されている。同様に、水圧センサ120おび処理部130の間も、有線または無線により通信接続されている。
図1に示されるように、加振部110は、配管900に取り付けられる。より具体的には、加振部110は、一方の消火栓920に取り付けられている。また、加振部110は、処理部130に、有線または無線により通信接続されている。加振部110は、配管900内を流れる水(流体910)に振動を加える。換言すると、加振部110は、配管900内を流れる水(流体910)に振動を励起する。加振部110は、周波数を変化させて、配管900内を流れる水(流体910)に振動を加えることができる。すなわち、加振部110は、励起する周波数を変化させることができる。また、加振部110は、配管900内を流れる水(流体910)に励起する振動と同期した信号を、処理部130へ出力する。加振部110は、設置箇所に常設されてよいし、あるいは所定期間設置されてもよい。
図1に示されるように、水圧センサ120は、配管900に取り付けられている。より具体的には、水圧センサ120は、他方の消火栓920に取り付けられている。また、水圧センサ120は、処理部130に、有線または無線により通信接続されている。水圧センサ120は、配管900および配管900内を流れる水(流体910)を伝搬する振動を伝搬振動として検出する。水圧センサ120は、検出した伝搬振動を、出力信号に乗せて、処理部130へ出力する。水圧センサ120は、設置箇所に常設されて常時振動を検出してもよいし、あるいは所定期間設置されて間欠的に振動を検出してもよい。なお、上述の通り、水圧センサ120は、本発明の振動検出部に相当する。
加振部110および水圧センサ120は、配管900の内壁面に取り付けられてもよい。さらに、加振部110および水圧センサ120は、配管900に設置された弁栓等の付属物(不図示)の外表面や内部に設置されてもよい。加振部110および水圧センサ120を配管900や配管900の付属物に設置する方法としては、配管や付属物に設置された取水口へ専用治具を介して接続する方法などが考えられる。
図1に示されるように、処理部130は、加振部110および水圧センサ120に、有線または無線により接続されている。処理部130は、加振部110により出力される信号を、受信する。この信号は、上述の通り、配管900内を流れる水(流体910)に励起する振動と同期した信号である。処理部130は、水圧センサ120により検出された伝搬振動を受信する。
図1に示されるように、処理部130は、振動周波数取得部131と、振動伝搬速度測定部132と、モデルデータ計算部133と、モデル抽出部134と、劣化判定部135とを備えている。
図1に示されるように、振動周波数取得部131は、処理部130内に設けられている。振動周波数取得部131は、配管900および配管900内を流れる水(流体910)を伝搬する振動の周波数を、振動周波数として取得する。具体的には、振動周波数取得部131は、加振部110により加えられる振動の周波数を、振動周波数として取得する。あるいは、振動周波数取得部131は、水圧センサ120により検出される伝搬振動の周波数を、振動周波数として取得する。
図1に示されるように、振動伝搬速度測定部132は、処理部130内に設けられている。振動伝搬速度測定部132は、配管900および配管900内を流れる水(流体910)を伝搬する振動の速度を、振動伝搬速度として測定する。より具体的には、振動伝搬速度測定部132は、加振部110からの信号と、水圧センサ120からの信号を比較することにより、両信号の時間差を測定する。すなわち、振動伝搬速度測定部132は、振動が加振部110により配管内900を流れる水(流体910)に加えられた第1の時間と、水圧センサ120により伝搬振動が検出された第2の時間との間の時間差を、測定する。そして、振動伝搬速度測定部132は、この時間差と、2か所の消火栓920の間の距離(加振部110および水圧センサ120の間の距離D1と同じ)とに基づいて、振動伝搬速度を算出する。すなわち、振動伝搬速度測定部132は、測定された前記時間差と、加振部110および水圧センサ120の間の距離D1に基づいて、振動伝搬速度を測定する。前述の通り、加振部110は、周波数を変化させて、配管900内を流れる水(流体910)に振動を加えることができる。したがって、振動伝搬速度測定部132は、加振部110により変化された振動周波数に対応して、複数の振動周波数毎の振動伝搬速度を測定する。なお、振動伝搬速度は、音速とも呼ばれる。
モデルデータ計算部133は、処理部130内に設けられている。モデルデータ計算部133は、複数のモデル毎に、振動周波数および振動伝搬速度の理論値を互いに対応つけて計算する。
図2は、配管900および配管900周辺のモデルを示す断面図である。図2に示されるモデルでは、配管900の断面に対して垂直方向に沿って無限に続く構造を想定している。図2に示されるように、配管900は、地中の土砂800内に埋没されている。配管900内には、水(流体910)で満たされている。また、付着物940が配管900の内周壁面に形成されている。
モデルデータは、設定パラメータを変化させて設定された複数のモデル毎に、振動周波数および振動伝搬速度の理論値を互いに対応付けて設定されたものである。設定パラメータは、たとえば、配管900に関するパラメータ(配管のヤング率、配管の肉厚、ポアソン比等)や、配管900を流れる流体910に関するパラメータや、配管900内に付着した付着物に関するパラメータや、配管900周辺の土砂に関するパラメータである。
なお、図3に示した例示では、6種類の設定パラメータが設定されている。ここで、変化させる設定パラメータは1種類でも構わない。この場合、変化させる設定パラメータ以外は、固定値となる。
図3は、各モデルの設定パラメータの一例を示す図である。図4は、設定パラメータを変化させた場合の各モデルの振動周波数および振動伝搬速度の関係を示す図である。
モデル1について、配管900に関するパラメータ(配管のヤング率a1、配管の肉厚b1、ポアソン比c1)や、配管900を流れる流体910に関するパラメータd1や、配管900内に付着した付着物に関するパラメータe1や、配管900周辺の土砂に関するパラメータf1と設定した。同様に、モデル2について、配管900に関するパラメータ(配管のヤング率a2、配管の肉厚b2、ポアソン比c2)や、配管900を流れる流体910に関するパラメータd2や、配管900内に付着した付着物に関するパラメータe2や、配管900周辺の土砂に関するパラメータf2と設定した。さらに、モデル3について、配管900に関するパラメータ(配管のヤング率a3、配管の肉厚b3、ポアソン比c3)や、配管900を流れる流体910に関するパラメータd3や、配管900内に付着した付着物に関するパラメータe3や、配管900周辺の土砂に関するパラメータf3と設定した。モデル4について、配管900に関するパラメータ(配管のヤング率a4、配管の肉厚b4、ポアソン比c4)や、配管900を流れる流体910に関するパラメータd4や、配管900内に付着した付着物に関するパラメータe4や、配管900周辺の土砂に関するパラメータf4と設定した。
図3に示された各モデル1〜4について、縦軸を振動伝搬速度とし、横軸を振動周波数として、各モデルの振動周波数および振動伝搬速度の理論値の関係を、図4に示す。なお、図4内には、測定値1〜8が示されているが、この点については、後述する。
図4に示されるように、モデル1〜4のいずれにおいても、振動伝搬速度が、振動周波数に応じて、変化している。
図1に戻って、モデル抽出部134は、処理部130内に設けられている。モデル抽出部134は、振動周波数取得部131により取得される複数の振動周波数の測定値に対応する複数の振動伝搬速度の理論値および測定値の比較結果に基づいて、複数のモデルから特定モデルを抽出する。複数の振動伝搬速度の理論値は、前述の通り、モデルデータ計算部133により、複数の振動周波数の理論値と対応付けて、計算される。モデル抽出部134は、モデルデータ計算部133の計算結果から、振動周波数取得部131により取得される複数の振動周波数の測定値に対応する複数の振動伝搬速度の理論値を抽出する。そして、モデル抽出部134は、抽出した複数の振動伝搬速度の理論値と、振動伝搬速度測定部132により測定された複数の振動伝搬速度の測定値とを比較する。
そして、モデル抽出部134は、上記比較結果に基づいて、複数のモデルから特定モデルを抽出する。より具体的には、モデル抽出部134は、複数の振動伝搬速度の理論値および測定値が互いにより近似する場合、当該複数の振動伝搬速度の理論値に対応するモデルを、複数の特定モデルから抽出する。
図1に示されるように、劣化判定部135は、処理部130内に設けられている。劣化判定部135は、モデル抽出部134により抽出された特定モデルに対応する設定パラメータに基づいて、配管900の劣化状態を判定する。
以上、劣化分析装置100の構成を説明した。
次に、本発明の第1の実施の形態における劣化分析装置100の動作について、説明する。
図5は、本発明の第1の実施の形態における劣化分析装置100の動作フローを示す図である。
図5に示されるように、まず、振動周波数取得部131が、振動周波数を取得する(S1)。具体的には、振動周波数取得部131は、配管900および配管900内を流れる水(流体910)を伝搬する振動の周波数を、振動周波数として取得する。ここでは、振動周波数取得部131は、加振部110により加えられる振動の周波数を、振動周波数として取得する。あるいは、振動周波数取得部131は、水圧センサ120により検出される伝搬振動の周波数を、振動周波数として取得する。
つぎに、図5に示されるように、振動伝搬速度測定部132は、振動伝搬速度(音速)を測定する(S2)。具体的には、振動伝搬速度測定部132は、配管900および配管900内を流れる水(流体910)を伝搬する振動の速度を、振動伝搬速度として測定する。
ここでは、振動伝搬速度測定部132は、加振部110からの信号と、水圧センサ120からの信号を比較することにより、両信号の時間差を測定する。すなわち、振動伝搬速度測定部132は、振動が加振部110により配管内900を流れる水(流体910)に加えられた第1の時間と、水圧センサ120により伝搬振動が検出された第2の時間との間の時間差を、測定する。
そして、振動伝搬速度測定部132は、この時間差と、2か所の消火栓920の間の距離(加振部110および水圧センサ120の間の距離D1と同じ)とに基づいて、振動伝搬速度を算出する。すなわち、振動伝搬速度測定部132は、測定された前記時間差と、加振部110および水圧センサ120の間の距離D1に基づいて、振動伝搬速度を測定する。前述の通り、加振部110は、周波数を変化させて、配管900内を流れる水(流体910)に振動を加えることができる。したがって、振動伝搬速度測定部132は、加振部110により変化された振動周波数に対応して、複数の振動周波数毎の振動伝搬速度を測定する。
なお、図5の説明では、S2の処理はS1の処理の後に行うと、説明した。一方、S2の処理はS1の処理の前に行ってもよい。さらに、S1およびS2の処理を同時に行ってもよい。
また、S1で、振動周波数取得部131が複数の振動周波数を取得する。そして、S2で、振動伝搬速度測定部132が、振動周波数取得部131により取得された複数の振動周波数の各々に対応する振動伝搬速度を測定してもよい。図4に測定値の一例を示す。
図4に示されるように、振動周波数および振動伝搬速度について、測定値A1〜A8の8点の測定値を、振動周波数取得部131および振動伝搬速度測定部132により、取得する。
次に、図5に示されるように、モデル抽出部134が特定モデルを抽出する(S3)。具体的には、モデル抽出部134は、振動周波数取得部131により取得される複数の振動周波数の測定値に対応する複数の振動伝搬速度の理論値および測定値の比較結果に基づいて、複数のモデルから特定モデルを抽出する。この際、モデルデータ計算部133は、複数のモデル毎に、振動周波数および振動伝搬速度の理論値を互いに対応つけて計算する。モデル抽出部134は、モデルデータ計算部133の計算結果から、振動周波数取得部131により取得される複数の振動周波数の測定値に対応する複数の振動伝搬速度の理論値を抽出する。そして、モデル抽出部134は、抽出した複数の振動伝搬速度の理論値と、振動伝搬速度測定部132により測定された複数の振動伝搬速度の測定値とを比較する。そして、モデル抽出部134は、上記比較結果に基づいて、複数のモデルから特定モデルを抽出する。すなわち、モデル抽出部134は、複数の振動伝搬速度の理論値および測定値が互いにより近似する場合に、当該複数の振動伝搬速度の理論値に対応するモデルを複数の特定モデルから抽出する。
図4の例では、測定値A1〜A8は、モデル1〜4のうちで、モデル2に最も近い。このため、モデル抽出部134は、モデル2を特定モデルとして抽出する。
次に、図5に示されるように、劣化判定部135が配管900の劣化状態を判定する(S4)。具体的には、劣化判定部135は、モデル抽出部134により抽出された特定モデルに対応する設定パラメータに基づいて、配管900の劣化状態を判定する。
このとき、設定パラメータには、上述の通り、配管900に関するパラメータ(配管のヤング率、配管の肉厚、ポアソン比)、配管900を流れる流体910に関するパラメータ、配管900内に付着した付着物に関するパラメータ、配管900周辺の土砂に関するパラメータが設定されていた。劣化判定部135は、特定モデルに対応する設定パラメータの各数値を確認することにより、配管900の劣化状態を判定する。
一般に配管900の劣化により配管900の肉厚が薄くなったり、ヤング率が低下したりすると、振動伝搬速度(音速)は低下する。一方、配管900内部に付着物が堆積し、水(流体910)が通る断面積が狭くなると振動伝搬速度(音速)は増加する。すなわち、これらの2つのパラメータは、振動伝搬速度(音速)に逆の影響を与える。
配管900の経年変化により当該配管900が劣化し、かつ付着物が堆積した場合、2つのパラメータの変化による効果が相殺し、振動伝搬速度(音速)はほとんど変わらない場合もありうる。
振動伝搬速度(音速)の周波数依存性を考慮せず、1つの周波数帯のみで測定値と理論値を比較する場合、これらの2つのパラメータの変化による効果を分離することが困難である。一方、上記2つのパラメータの変化による効果は異なる周波数依存性を有する。このため、振動伝搬速度(音速)の周波数依存性を測定し、理論値と比較することがより好ましい。これにより、2つのパラメータの変換による効果を切り分けることが可能となる。同様に土砂の特性も振動伝搬速度(音速)に影響を与える。しかし、土砂に関するパラメータも設定パラメータに取り入れることにより、この影響を配管900の特性の変化の影響と切り分けることができる。
上述の通り、図4の例では、モデル抽出部134は、モデル2を特定モデルとして抽出した。図3に示されるように、モデル2の設定パラメータは、配管900に関するパラメータ(配管のヤング率a2、配管の肉厚b2、ポアソン比c2)、配管900を流れる流体910に関するパラメータd2、配管900内に付着した付着物に関するパラメータe2、配管900周辺の土砂に関するパラメータf2と設定されている。
劣化判定部135は、モデル2の設定パラメータに基づいて、配管900の状態を推定し、配管900の劣化状態を判定する。
以上、本発明の第1の実施の形態における劣化分析装置100の動作について、説明した。
以上のように、本発明の第1の実施の形態における劣化分析装置100は、振動周波数取得部131と、振動伝搬速度測定部132と、モデルデータ計算部133と、モデル抽出部134と、劣化判定部135とを備えている。振動周波数取得部131は、配管900および配管900内を流れる流体910を伝搬する振動の周波数を、振動周波数の測定値として取得する。振動伝搬速度測定部132は、配管900および配管900内を流れる流体910を伝搬する振動の速度を、振動伝搬速度の測定値として測定する。モデルデータ計算部133は、配管900に関するパラメータである設定パラメータを変化させて設定された複数のモデル毎に、振動周波数および振動伝搬速度の理論値を互いに対応つけて計算する。モデル抽出部134は、振動周波数取得部131により取得される複数の振動周波数の測定値に対応する複数の振動伝搬速度の理論値および測定値の比較結果に基づいて、複数のモデルから特定モデルを抽出する。劣化判定部135は、モデル抽出部134により抽出された特定モデルに対応する設定パラメータに基づいて、配管900の劣化状態を判定する。
このように、モデルデータ計算部133は、配管900に関するパラメータである設定パラメータを変化させて設定された複数のモデル毎に、振動周波数および振動伝搬速度の理論値を互いに対応つけて計算する。そして、モデル抽出部134は、振動周波数取得部131により取得される複数の振動周波数の測定値に対応する複数の振動伝搬速度の理論値および測定値の比較結果に基づいて、複数のモデルから特定モデルを抽出する。すなわち、モデル抽出部134は、複数の振動周波数において、振動伝搬速度の測定値により近い理論値が設定されたモデルを、特定モデルとして抽出する。この結果、モデル抽出部134は、配管900の実態により近いモデルを特定モデルで推定することができる。また、劣化判定部135は、モデル抽出部134により抽出された特定モデルに対応する設定パラメータに基づいて、配管900の劣化状態を判定する。すなわち、劣化判定部135は、配管900の実態により近い特定モデルに対応する設定パラメータを用いて、配管900の欠陥の有無を判定することができる。したがって、劣化分析装置100によれば、配管900の劣化状態をより正確に検出することができる。
劣化分析装置100によれば、設定パラメータに、たとえば、配管に関するパラメータや、配管900内を流れる流体910に関するパラメータや、配管900内に付着した付着物に関するパラメータ等を設定することができる。これにより、例えば、2つの埋設配管910の振動伝搬速度(音速)を測定した場合、それが配管910の状態(肉厚やヤング率)の違いによるものか、周辺の土壌や付着物の違いによるものかを切り分けられる。たとえば、配管周辺の土砂に関するパラメータが変化していても、配管900に関するパラメータが変化していなければ、配管900に劣化が生じていないと判断する。なお、水のパラメータについては、通常は理論値を用いて固定とすることができる。
また、本発明の第1の実施の形態における劣化分析装置100において、設定パラメータは、配管900のヤング率または配管900の肉厚であってもよい。
本発明の第1の実施の形態における劣化分析装置100は、加振部110と、振動検出部(水圧センサ120)を備えている。加振部110は、配管900に取り付けられている。加振部110は、配管900内を流れる流体910に振動を加える。振動検出部(水圧センサ120)は、配管900および配管900内を流れる流体910を伝搬する振動を伝搬振動として検出する。そして、振動伝搬速度測定部132は、後述の第1の時間と、後述の第2の時間との間の時間差と、加振部110および振動検出部120の間の距離に基づいて、振動伝搬速度を測定する。第1の時間は、振動が加振部110により配管900内を流れる流体910に加えられた時間である。第2の時間は、振動検出部(水圧センサ120)により伝搬振動が検出された第2の時間である。これにより、振動伝搬速度を測定することができる。
本発明の第1の実施の形態における劣化分析装置100において、振動検出部(水圧センサ120)は、配管900内を流れる流体910の圧力を検出する圧力センサである。振動検出部(水圧センサ120)は、検出される圧力に基づいて伝搬振動を検出する。これにより、振動伝搬速度を測定することができる。
本発明の第1の実施の形態における劣化分析方法は、振動周波数取得ステップと、振動伝搬速度測定ステップと、モデルデータ計算ステップと、モデル抽出ステップと、劣化判定ステップとを含んでいる。振動周波数取得ステップでは、配管900および配管900内を流れる流体910を伝搬する振動の周波数を、振動周波数の測定値として取得する。振動伝搬速度測定ステップでは、配管900および配管900内を流れる流体910を伝搬する振動の速度を、振動伝搬速度の測定値として測定する。モデルデータ計算ステップでは、配管900に関するパラメータである設定パラメータを変化させて設定された複数のモデル毎に、振動周波数および振動伝搬速度の理論値を互いに対応つけて計算する。モデル抽出ステップでは、振動周波数取得ステップにより取得される複数の振動周波数の測定値に対応する複数の振動伝搬速度の理論値および測定値の比較結果に基づいて、複数のモデルから特定モデルを抽出する。劣化判定ステップでは、モデル抽出部134により抽出された特定モデルに対応する設定パラメータに基づいて、配管900の劣化状態を判定する。
この劣化分析方法によっても、前述した劣化分析装置100がなし得た効果を奏することができる。
また、本発明の第1の実施の形態における劣化分析プログラムは、前述の振動周波数取得ステップと、振動伝搬速度測定ステップと、モデルデータ計算ステップと、モデル抽出ステップと、劣化判定ステップとを含む処理をコンピュータに行わせる。
この劣化分析プログラムによっても、前述した劣化分析装置100がなし得た効果を奏することができる。
また、本発明の第1の実施の形態における記憶媒体は、前述の振動周波数取得ステップと、振動伝搬速度測定ステップと、モデルデータ計算ステップと、モデル抽出ステップと、劣化判定ステップとを含む処理をコンピュータに行わせる劣化分析プログラムを記憶する。
この記憶媒体によっても、前述した劣化分析装置100がなし得た効果を奏することができる。
<第2の実施の形態>
本発明の第2の実施の形態における劣化分析装置100Aの構成について説明する。
図6は、本発明の第2の実施の形態における劣化分析装置100Aの構成を示す図である。なお、図6では、図1〜5に示した各構成要素と同等の構成要素には、図1〜5に示した符号と同等の符号を付している。
図6に示されるように、配管900Aの中央部は、地中の土砂800内に埋設されている。また、流体910(液体または気体)は、配管900A内を流れている。図6の例では、図6紙面の矢印A2の方向に流れているものとする。なお、以下の説明では、流体910をオイルとして説明する。
図6に示されるように、4箇所の屈曲部901が配管900Aに形成されている。これにより、図6において、配管900Aの中央部は、地中の土砂800内に埋設される。図6において、配管900Aの両端部は、地表上に露出されている。
図6に示されるように、劣化分析装置100Aは、加速度センサ140a、140bと、処理部130とを備えている。加速度センサ140a、140bは、本発明の振動検出部、第1の振動検出部または第2の振動検出部に相当する。加速度センサ140aおよび加速度センサ140bの間の距離をD2とする。加速度センサ140aおよび処理部130の間は、有線または無線により通信接続されている。同様に、加速度センサ140bおよび処理部130の間も、有線または無線により通信接続されている。
図6に示されるように、加速度センサ140a、140bは、配管900Aに取り付けられる。より具体的には、加速度センサ140aは、図6において、配管900Aの右端部の露出部分に、取り付けられている。加速度センサ140bは、図6において、配管900Aの左端部の露出部分に、取り付けられている。
加速度センサ140a、140bは、配管900Aおよび配管900A内を流れるオイル(流体910)を伝搬する振動を伝搬振動として検出する。たとえば、ハンマー(不図示)により配管900Aに衝撃を与える。このときの衝撃の大きさは、配管900Aを破損しない程度にする。配管900Aに加えられた衝撃は、配管900Aおよび配管900A内を流れるオイル(流体910)を伝搬し、2つの加速度センサ140a、140bを加振する。これにより、加速度センサ140a、140bには、加速度が加えられる。加速度センサ140a、140bは、検出した伝搬振動を、出力信号に乗せて、処理部130へ出力する。すなわち、加速度センサ140a、140bは、加速度の大きさに応じた信号を伝搬振動として、出力信号に乗せて、処理部130へ出力する。
加速度センサ140a、140bは、設置箇所に常設されて常時振動を検出してもよいし、あるいは所定期間設置されて間欠的に振動を検出してもよい。なお、上述の通り、加速度センサ140a、140bは、本発明の振動検出部、第1の振動検出部または第2の振動検出部に相当する。
ここで、第1の実施の形態では、流体910を水とし、水圧センサ120を振動検出部として用いていた。この水圧センサ120を用いる場合、当該水圧センサ120を直接的に水(流体910)に接触させる必要があった。一方、本実施の形態のように、流体910にオイルを用いる場合、オイルが配管900Aの外部に浸透することや、オイルが加熱されて配管900Aで爆発することを、防止する必要がある。このため、流体910にオイルを用いる場合、流体910に直接的に接触させる必要がある水圧センサ120を、使用することは好ましくない。そこで、本実施の形態では、第1および第2の振動検出部として、配管900Aの外部から振動を検出できる加速度センサ140a、140bを用いた。これにより、流体910にオイルを用いる場合に生じうる上記問題を回避した。
なお、加速度センサ140a、140bは、配管900Aに設置されたフランジ(不図示)や、弁栓等の付属物(不図示)の外表面に設置されてもよい。加速度センサ140a、140bを配管900Aや配管900Aの付属物に設置する方法としては、例えば磁石の利用、専用冶具の利用、接着剤の利用が考えられる。
図6に示されるように、処理部130は、加速度センサ140a、140bの各々に、有線または無線により接続されている。処理部130は、加速度センサ140a、140bにより出力される信号を、受信する。
図6に示されるように、処理部130は、振動周波数取得部131と、振動伝搬速度測定部132と、モデルデータ計算部133と、モデル抽出部134と、劣化判定部135とを備えている。図6の処理部130の構成は、図1の処理部130の構成と同様である。ただし、図6の処理部130内の各部の機能は、図1の処理部130内の各部の機能と若干異なる場合もある。この違いについては、以下の劣化分析装置100Aの動作説明にて、詳しく説明する。
以上、劣化分析装置100Aの構成を説明した。
次に、本発明の第2の実施の形態における劣化分析装置100Aの動作について、説明する。劣化分析装置100Aの動作フローは、図5と同じである。したがって、図5を流用して、劣化分析装置100Aを説明する。なお、第1の実施の形態における劣化分析装置100と同様の動作等については、簡単な説明とする。
図5に示されるように、まず、振動周波数取得部131が、振動周波数を取得する(S1)。具体的には、振動周波数取得部131は、配管900および配管900内を流れるオイル(流体910)を伝搬する振動の周波数を、振動周波数として取得する。ここでは、まず、ハンマー(不図示)により配管900Aに衝撃を与える。配管900Aに加えられた衝撃は、配管900Aおよび配管900A内を流れるオイル(流体910)を伝搬し、2つの加速度センサ140a、140bを加振する。これにより、加速度センサ140a、140bには、加速度が加えられる。加速度センサ140a、140bは、検出した伝搬振動を、出力信号に乗せて、処理部130へ出力する。すなわち、加速度センサ140a、140bは、加速度の大きさに応じた信号を伝搬振動として、出力信号に乗せて、処理部130へ出力する。
ハンマーにより配管900Aに加えられた衝撃は、広い周波数範囲に渡る連続的な周波数スペクトルを有している。すなわち複数の振動周波数を含んでいる。したがって、第1の実施の形態で行ったように、加振部110の振動周波数を順次変化させ、それぞれの周波数に対する振動伝搬速度を測定することはできない。しかし数学的な解析、例えば窓付きフーリエ解析やウェーブレット解析などを用いることにより、加速度センサ140a、140bの加速度データから振動検出時間の周波数依存性を算出することができる。これにより、複数の周波数スペクトルに対応する振動伝搬速度を得ることができる。この場合、振動周波数取得部131による振動周波数を取得(S1)と、振動伝搬速度測定部132による振動伝搬速度(音速)の取得(S2)が同時に行われることとなる。
図4の測定値の一例についても、本実施の形態で流用する。図4に示されるように、振動周波数および振動伝搬速度について、測定値A1〜A8の8点の測定値を、振動周波数取得部131および振動伝搬速度測定部132により、取得する。
次に、図5に示されるように、モデル抽出部134が特定モデルを抽出する(S3)。このS3の処理の詳細については、第1の実施の形態と同様である。したがって、S3の処理について、詳細な説明を省略する。ここでも、第1の実施の形態と同様に、図6の例において、モデル抽出部134は、モデル2を特定モデルとして抽出するものとする。
次に、図5に示されるように、劣化判定部135が配管900の劣化状態を判定する(S4)。このS4の処理の詳細については、第1の実施の形態と同様である。したがって、S4の処理について、詳細な説明を省略する。
上述の通り、図4の例では、モデル抽出部134は、モデル2を特定モデルとして抽出する。図3に示されるように、モデル2の設定パラメータは、配管900に関するパラメータ(配管のヤング率a2、配管の肉厚b2、ポアソン比c2)、配管900を流れる流体910に関するパラメータd2、配管900内に付着した付着物に関するパラメータe2、配管900周辺の土砂に関するパラメータf2と設定されている。
劣化判定部135は、モデル2の特定パラメータに基づいて、配管900の状態を推定し、配管900の欠陥が生じているか否かを判断する。
以上、本発明の第2の実施の形態における劣化分析装置100Aの動作について、説明した。
以上の通り、本発明の第2の実施の形態における劣化分析装置100Aは、加速度センサ140a、140b(第1および第2の振動検出部)を備えている。加速度センサ140a、140bは、配管900Aに取り付けられている。加速度センサ140a、140bは、配管900Aおよび配管900A内を流れる流体に伝搬する振動を伝搬振動として検出する。振動伝搬速度測定部132は、加速度センサ140aにより伝搬振動が検出された時間と、加速度センサ140bにより伝搬振動が検出された時間との間の時間差と、距離D2に基づいて、振動伝搬速度を測定する。なお、距離D2は、加速度センサ140aおよび加速度センサ140bの間の距離である。このような構成でも、振動伝搬速度を測定することもできる。
また、本発明の第2の実施の形態における劣化分析装置100Aにおいて、加速度センサ140a、140b(第1および第2の振動検出部)は、配管900Aおよび配管900A内を流れる流体の加速度を検出する加速度センサである。加速度センサ140a、140bは、検出される加速度に基づいて伝搬振動を検出する。このような構成でも、伝搬振動を検出できる。
<第3の実施の形態>
本発明の第3の実施の形態における劣化分析装置100Bの構成について説明する。
図7は、本発明の第3の実施の形態における劣化分析装置100Bの構成を示す図である。なお、図7では、図1〜6に示した各構成要素と同等の構成要素には、図1〜6に示した符号と同等の符号を付している。
図7に示されるように、配管900Bは、地中の土砂800内に埋設されている。また、流体910(液体または気体)は、配管900B内を流れている。図7の例では、図7紙面の矢印A3の方向に流れているものとする。なお、以下の説明では、流体910を水として説明する。
図7に示されるように、2つの消火栓920が配管900に設けられている。消火栓920は、マンホール700の設置位置に、配置されている。消火栓920は、マンホール700内にて、地中の土砂800から露出されている。
2つの消火栓920のうちで、図7紙面右側の消火栓920には、吐出口950が設けられている。この吐出口950は、消火栓920に設けられた開口である。この吐出口950から、水(流体910)を、配管900Bの外部へ取り出すことができる。
また、2つの消火栓920のうちで、図7紙面右側の消火栓920には、電磁弁960が取り付けられている。より具体的には、電磁弁960は、消火栓920と吐出口950の間に、設けられている。電磁弁960は、外部からの信号によって、開閉される。
また、2つの消火栓920のうちで、図7紙面右側の消火栓920には、さらに加速度センサ140が取り付けられている。加速度センサ140は、処理部130に、有線または無線により通信接続されている。
図7に示されるように、劣化分析装置100Bは、水圧センサ120と、加速度センサ140と、処理部130とを備えている。水圧センサ120および加速度センサ140は、本発明の振動検出部、第1の振動検出部または第2の振動検出部に相当する。
水圧センサ120および加速度センサ140の間の距離をD3とする。水圧センサ120および処理部130の間は、有線または無線により通信接続されている。同様に、加速度センサ140および処理部130の間も、有線または無線により通信接続されている。
図7に示されるように、水圧センサ120および加速度センサ140は、配管900Bに取り付けられる。より具体的には、水圧センサ120は、図7において、配管900Bの右側の消火栓920に、取り付けられている。加速度センサ140は、図7において、配管900Bの左側の消火栓920に、取り付けられている。
水圧センサ120および加速度センサ140は、配管900Bおよび配管900B内を流れる水(流体910)を伝搬する振動を伝搬振動として検出する。
たとえば、電磁弁960の開閉状態を急激に変化させる。すなわち、電磁弁960を急激に開から閉、もしくは閉から開へと状態を変化させる。これにより、吐出口950から放出される水(流体910)の流れが急激に変化する。この結果、振動が、配管900Bおよび配管900B内を流れる水(流体910)を介して、水圧センサ120および加速度センサ140に伝搬する。これにより、水圧センサ120および加速度センサ140に、振動が加えられる。そして、水圧センサ120および加速度センサ140は、この振動を伝搬振動として検出する。さらに、水圧センサ120および加速度センサ140は、検出した伝搬振動を、出力信号に乗せて、処理部130へ出力する。すなわち、水圧センサ120および加速度センサ140は、振動の大きさに応じた信号を伝搬振動として、出力信号に乗せて、処理部130へ出力する。
水圧センサ120および加速度センサ140は、設置箇所に常設されて常時振動を検出してもよいし、あるいは所定期間設置されて間欠的に振動を検出してもよい。なお、上述の通り、水圧センサ120および加速度センサ140は、本発明の振動検出部、第1の振動検出部または第2の振動検出部に相当する。
図7に示されるように、処理部130は、水圧センサ120および加速度センサ140の各々に、有線または無線により接続されている。処理部130は、水圧センサ120および加速度センサ140により出力される信号を、受信する。
図7に示されるように、処理部130は、振動周波数取得部131と、振動伝搬速度測定部132と、モデルデータ計算部133と、モデル抽出部134と、劣化判定部135とを備えている。図7の処理部130の構成は、図1の処理部130の構成と同様である。ただし、図7の処理部130内の各部の機能は、図1の処理部130内の各部の機能と若干異なる場合もある。この違いについては、以下の劣化分析装置100Bの動作説明にて、詳しく説明する。
以上、劣化分析装置100Bの構成を説明した。
次に、本発明の第3の実施の形態における劣化分析装置100Bの動作について、説明する。劣化分析装置100Bの動作フローは、図5と同じである。したがって、図5を流用して、劣化分析装置100Bを説明する。なお、第1の実施の形態における劣化分析装置100と同様の動作等については、説明を省略する。
S1、S2の処理に関連して、ここでは、まず、電磁弁960の開閉状態を急激に変化させる。すなわち、電磁弁960を急激に開から閉、もしくは閉から開へと状態を変化させる。これにより、吐出口950から放出される水(流体910)の流れが急激に変化する。この結果、振動が生じ、配管900Bおよび配管900B内を流れる水(流体910)に、伝搬する。これにより、水圧センサ120および加速度センサ140に、振動が加えられる。
そして、水圧センサ120および加速度センサ140は、この振動を伝搬振動として検出する。さらに、水圧センサ120および加速度センサ140は、検出した伝搬振動を、出力信号に乗せて、処理部130へ出力する。すなわち、水圧センサ120および加速度センサ140は、振動の大きさに応じた信号を伝搬振動として、出力信号に乗せて、処理部130へ出力する。
吐出口950から放出される水(流体910)の流れの急激に変化により、第2の実施の形態で述べたハンマーでの加振の場合と同様に、水中に連続的な周波数スペクトルを有する振動が励起される。したがって、ここでも第2の実施の形態と同様に数学的な解析により、水圧センサ120および加速度センサ140のデータから振動検出時間の周波数依存性を算出し、複数の周波数スペクトルに対応する振動伝搬速度を得る。
図4の測定値の一例についても、本実施の形態で流用する。図4に示されるように、振動周波数および振動伝搬速度について、測定値A1〜A8の8点の測定値を、振動周波数取得部131および振動伝搬速度測定部132により、取得する。
S3では、図5に示されるように、モデル抽出部134が特定モデルを抽出する(S3)。このS3の処理の詳細については、第1の実施の形態と同様である。したがって、S3の処理について、詳細な説明を省略する。ここでも、第1の実施の形態と同様に、図6の例において、モデル抽出部134は、モデル2を特定モデルとして抽出するものとする。
次に、図5に示されるように、劣化判定部135が配管900Bの劣化を判定する(S4)。このS4の処理の詳細については、第1の実施の形態と同様である。したがって、S4の処理について、詳細な説明を省略する。
上述の通り、図4の例では、モデル抽出部134は、モデル2を特定モデルとして抽出した。図3に示されるように、モデル2の特定パラメータは、配管900Bに関するパラメータ(配管のヤング率a2、配管の肉厚b2、ポアソン比c2)、配管900Bを流れる流体910に関するパラメータd2、配管900内に付着した付着物に関するパラメータe2、配管900B周辺の土砂に関するパラメータf2と設定されている。
劣化判定部135は、モデル2の特定パラメータに基づいて、配管900Bの状態を推定し、配管900Bの劣化状態を判定する。
ここで、本実施の形態では、第1の実施の形態と異なり、振動周波数を変更できる加振器110を用いていない。このため、本実施の形態における劣化分析装置100Bの構成を、第1の実施の形態における劣化分析装置100と比較して、簡単にすることができる。また、第2の実施の形態では、ハンマー(不図示)を用いて、間接的に振動を流体910に励起していた。これに対して、本実施の形態では、第2の実施の形態と異なり、振動を水(流体910)に直接的に励起することができる。このため、本実施の形態における劣化分析装置100Bでは、第2の実施の形態と比較して、配管900Bへの負荷を抑えることができるとともに、長距離まで伝搬可能で強い振動を流体910中に生じさせることができる。
以上、本発明の第3の実施の形態における劣化分析装置100Bの動作について、説明した。
以上の通り、本発明の第3の実施の形態における劣化分析装置100Bにおいて、加速度センサ140(振動検出部)は、配管900Bの加速度を検出する加速度センサである。加速度センサ140は、検出される加速度に基づいて伝搬振動を検出する。このような構成でも、伝搬振動を検出できる。
また、本発明の第3の実施の形態における劣化分析装置100Bにおいて、水圧センサ120(振動検出部)は、配管900B内を流れる流体の圧力を検出する圧力センサである。水圧センサ120は、検出される圧力に基づいて伝搬振動を検出する。このような構成でも、伝搬振動を検出できる。
なお、上記の実施の形態では、振動検出部として、水圧センサおよび加速度センサを用いた。しかしながら、これに限定されず、水圧センサおよび加速度センサ以外の種類のセンサを用いて、振動を検知してもよい。
例えば、各実施の形態では、振動周波数取得部131、振動伝搬速度測定部132、モデルデータ計算部133、モデル抽出部134および劣化判定部135が同一の場所にあるかのように書かれていた。しかしながら、これらの構成が、互いに異なる場所に設けられ、その間を有線もしくは無線でつないでも良い。例えば、振動周波数取得部131および振動伝搬速度測定部132を測定対象である配管900の近傍に設置し、モデルデータ計算部133、モデル抽出部134および劣化判定部135を配管900から離れた屋内に設置し、これらを有線もしくは無線のネットワークでつないでも良い。
図3では、付着物や土砂に関するパラメータを一つの記号で例示しているが、これは必ずしもそれぞれ一つのパラメータであることを意味しない。たとえば、付着物に関するパラメータは、付着物の厚さ、ヤング率、ポアソン比などから構成されうる。また、各実施の形態では、複数のパラメータのセットに対して、振動伝搬速度(音速)の周波数依存性を計算し、測定値と最も近いものを選択すると説明した。しかしながら、一般にはある計算モデルに対して、各パラメータの初期値を与え、測定値と計算値が最も良く合うようにパラメータを変化させながら計算を反復することが行われており、本発明においてもそのような手法を適用することができる。
また、各実施の形態では、流体の振動を測定するために圧力センサを用いているが、圧力センサは静的な水圧を測定できるものに限らず、ハイドロフォンのようなものも含まれる。
また、前述の第1〜第3の実施形態の一部又は全部は、以下のようにも記載されうるが、以下に限られない。
(付記1)
配管または前記配管内を流れる流体を伝搬する振動の周波数を、振動周波数の測定値として取得する振動周波数取得部と、
前記配管または前記配管内を流れる流体を伝搬する振動の速度を、振動伝搬速度の測定値として測定する振動伝搬速度測定部と、
前記配管に関するパラメータである設定パラメータを変化させて設定された複数のモデル毎に、前記振動周波数および前記振動伝搬速度の理論値を互いに対応つけて計算するモデルデータ計算部と、
前記振動周波数取得部により取得される複数の前記振動周波数の測定値に対応する複数の前記振動伝搬速度の理論値および測定値の比較結果に基づいて、前記複数のモデルから特定モデルを抽出するモデル抽出部と、
前記モデル抽出部により抽出された特定モデルに対応する設定パラメータに基づいて、前記配管の劣化状態を判定する劣化判定部とを備えた劣化分析装置。
(付記2)
前記設定パラメータは、前記配管のヤング率または前記配管の肉厚である付記1に記載の劣化分析装置。
(付記3)
前記設定パラメータは、前記配管内を流れる流体に関するパラメータを含む付記1または2に記載の劣化分析装置。
(付記4)
前記設定パラメータは、前記配管内に付着した付着物に関するパラメータを含む付記1〜3のいずれか1項に記載の劣化分析装置。
(付記5)
前記設定パラメータは、前記配管周辺の土砂に関するパラメータを含む付記1〜4のいずれか1項に記載の劣化分析装置。
(付記6)
前記配管に取り付けられ、前記配管または前記配管内を流れる流体に振動を加える加振部と、前記配管または前記配管内を流れる流体を伝搬する振動を伝搬振動として検出する振動検出部を備え、
前記振動伝搬速度測定部は、前記振動が前記加振部により前記配管または前記配管内を流れる流体に加えられた時間と、前記振動検出部により前記伝搬振動が検出された時間との間の時間差と、前記加振部および前記振動検出部の間の距離に基づいて、前記振動伝搬速度を測定する付記1〜5のいずれか1項に記載の劣化分析装置。
(付記7)
前記配管に取り付けられ、前記配管または前記配管内を流れる流体に伝搬する振動を伝搬振動として検出する第1および第2の振動検出部を備え、
前記振動伝搬速度測定部は、前記第1の振動検出部により前記伝搬振動が検出された時間と、前記第2の振動検出部により前記伝搬振動が検出された時間との間の時間差と、前記第1および前記第2の振動検出部の間の距離に基づいて、前記振動伝搬速度を測定する付記1〜5のいずれか1項に記載の劣化分析装置。
(付記8)
前記振動検出部は、前記配管または前記配管内を流れる流体の加速度を検出する加速度センサであって、検出される前記加速度に基づいて前記伝搬振動を検出する付記6に記載の劣化分析装置。
(付記9)
前記振動検出部は、前記配管または前記配管内を流れる流体の圧力を検出する圧力センサであって、検出される前記圧力に基づいて前記伝搬振動を検出する付記6に記載の劣化分析装置。
(付記10)
第1または前記第2の振動検出部は、前記配管または前記配管内を流れる流体の加速度を検出する加速度センサであって、検出される前記加速度に基づいて前記伝搬振動を検出する付記7に記載の劣化分析装置。
(付記11)
前記第1または前記第2の振動検出部は、前記配管または前記配管内を流れる流体の圧力を検出する圧力センサであって、検出される前記圧力に基づいて前記伝搬振動を検出する付記7に記載の劣化分析装置。
(付記12)
配管または前記配管内を流れる流体を伝搬する振動の周波数を、振動周波数の測定値として取得する振動周波数取得ステップと、
前記配管または前記配管内を流れる流体を伝搬する振動の速度を、振動伝搬速度の測定値として測定する振動伝搬速度測定ステップと、
前記配管に関するパラメータである設定パラメータを変化させて設定された複数のモデル毎に、前記振動周波数および前記振動伝搬速度の理論値を互いに対応つけて計算するモデルデータ計算ステップと、
前記振動周波数取得ステップにより取得される複数の前記振動周波数の測定値に対応する複数の前記振動伝搬速度の理論値および測定値の比較結果に基づいて、前記複数のモデルから特定モデルを抽出するモデル抽出ステップと、
前記モデル抽出ステップにより抽出された特定モデルに対応する設定パラメータに基づいて、前記配管の劣化状態を判定する劣化判定ステップとを含む劣化分析方法。
(付記13)
配管または前記配管内を流れる流体を伝搬する振動の周波数を、振動周波数の測定値として取得する振動周波数取得ステップと、
前記配管または前記配管内を流れる流体を伝搬する振動の速度を、振動伝搬速度の測定値として測定する振動伝搬速度測定ステップと、
前記配管に関するパラメータである設定パラメータを変化させて設定された複数のモデル毎に、前記振動周波数および前記振動伝搬速度の理論値を互いに対応つけて計算するモデルデータ計算ステップと、
前記振動周波数取得ステップにより取得される複数の前記振動周波数の測定値に対応する複数の前記振動伝搬速度の理論値および測定値の比較結果に基づいて、前記複数のモデルから特定モデルを抽出するモデル抽出ステップと、
前記モデル抽出ステップにより抽出された特定モデルに対応する設定パラメータに基づいて、前記配管の劣化状態を判定する劣化判定ステップとを含む処理をコンピュータに行わせる劣化分析プログラム。
(付記14)
配管または前記配管内を流れる流体を伝搬する振動の周波数を、振動周波数の測定値として取得する振動周波数取得ステップと、
前記配管または前記配管内を流れる流体を伝搬する振動の速度を、振動伝搬速度の測定値として測定する振動伝搬速度測定ステップと、
前記配管に関するパラメータである設定パラメータを変化させて設定された複数のモデル毎に、前記振動周波数および前記振動伝搬速度の理論値を互いに対応つけて計算するモデルデータ計算ステップと、
前記振動周波数取得ステップにより取得される複数の前記振動周波数の測定値に対応する複数の前記振動伝搬速度の理論値および測定値の比較結果に基づいて、前記複数のモデルから特定モデルを抽出するモデル抽出ステップと、
前記モデル抽出ステップにより抽出された特定モデルに対応する設定パラメータに基づいて、前記配管の劣化状態を判定する劣化判定ステップとを含む処理をコンピュータに行わせる劣化分析プログラムを記憶する記憶媒体。

(付記15)
配管または前記配管内を流れる流体を伝搬する振動の周波数を、振動周波数の測定値として取得する振動周波数取得手段と、
前記配管または前記配管内を流れる流体を伝搬する振動の速度を、振動伝搬速度の測定値として測定する振動伝搬速度測定手段と、
前記配管に関するパラメータである設定パラメータを変化させて設定された複数のモデル毎に、前記振動周波数および前記振動伝搬速度の理論値を互いに対応つけて計算するモデルデータ計算手段と、
前記振動周波数取得手段により取得される複数の前記振動周波数の測定値に対応する複数の前記振動伝搬速度の理論値および測定値の比較結果に基づいて、前記複数のモデルから特定モデルを抽出するモデル抽出手段と、
前記モデル抽出手段により抽出された特定モデルに対応する設定パラメータに基づいて、前記配管の劣化状態を判定する劣化判定手段とを備えた劣化分析装置。
(付記16)
前記設定パラメータは、前記配管のヤング率または前記配管の肉厚である付記15に記載の劣化分析装置。
(付記17)
前記設定パラメータは、前記配管内を流れる流体に関するパラメータを含む付記15または16に記載の劣化分析装置。
(付記18)
前記設定パラメータは、前記配管内に付着した付着物に関するパラメータを含む付記15〜17のいずれか1項に記載の劣化分析装置。
(付記19)
前記設定パラメータは、前記配管周辺の土砂に関するパラメータを含む付記15〜18のいずれか1項に記載の劣化分析装置。
(付記20)
前記配管に取り付けられ、前記配管または前記配管内を流れる流体に振動を加える加振手段と、前記配管または前記配管内を流れる流体を伝搬する振動を伝搬振動として検出する振動検出手段を備え、
前記振動伝搬速度測定手段は、前記振動が前記加振手段により前記配管または前記配管内を流れる流体に加えられた時間と、前記振動検出手段により前記伝搬振動が検出された時間との間の時間差と、前記加振手段および前記振動検出手段の間の距離に基づいて、前記振動伝搬速度を測定する付記15〜19のいずれか1項に記載の劣化分析装置。
(付記21)
前記配管に取り付けられ、前記配管または前記配管内を流れる流体に伝搬する振動を伝搬振動として検出する第1および第2の振動検出手段を備え、
前記振動伝搬速度測定手段は、前記第1の振動検出手段により前記伝搬振動が検出された時間と、前記第2の振動検出手段により前記伝搬振動が検出された時間との間の時間差と、前記第1および前記第2の振動検出手段の間の距離に基づいて、前記振動伝搬速度を測定する付記15〜19のいずれか1項に記載の劣化分析装置。
(付記22)
前記振動検出手段は、前記配管または前記配管内を流れる流体の加速度を検出する加速度センサであって、検出される前記加速度に基づいて前記伝搬振動を検出する付記20に記載の劣化分析装置。
(付記23)
前記振動検出手段は、前記配管または前記配管内を流れる流体の圧力を検出する圧力センサであって、検出される前記圧力に基づいて前記伝搬振動を検出する付記20に記載の劣化分析装置。
(付記24)
第1または前記第2の振動検出手段は、前記配管または前記配管内を流れる流体の加速度を検出する加速度センサであって、検出される前記加速度に基づいて前記伝搬振動を検出する付記21に記載の劣化分析装置。
(付記25)
前記第1または前記第2の振動検出手段は、前記配管または前記配管内を流れる流体の圧力を検出する圧力センサであって、検出される前記圧力に基づいて前記伝搬振動を検出する付記21に記載の劣化分析装置。
(付記26)
配管または前記配管内を流れる流体を伝搬する振動の周波数を、振動周波数の測定値として取得し、
前記配管または前記配管内を流れる流体を伝搬する振動の速度を、振動伝搬速度の測定値として測定し、
前記配管に関するパラメータである設定パラメータを変化させて設定された複数のモデル毎に、前記振動周波数および前記振動伝搬速度の理論値を互いに対応つけて計算し、
複数の前記振動周波数の測定値に対応する複数の前記振動伝搬速度の理論値および測定値の比較結果に基づいて、前記複数のモデルから特定モデルを抽出し、
前記特定モデルに対応する設定パラメータに基づいて、前記配管の劣化状態を判定する劣化分析方法。
(付記27)
配管または前記配管内を流れる流体を伝搬する振動の周波数を、振動周波数の測定値として取得し、
前記配管または前記配管内を流れる流体を伝搬する振動の速度を、振動伝搬速度の測定値として測定し、
前記配管に関するパラメータである設定パラメータを変化させて設定された複数のモデル毎に、前記振動周波数および前記振動伝搬速度の理論値を互いに対応つけて計算し、
前記振動周波数取得ステップにより取得される複数の前記振動周波数の測定値に対応する複数の前記振動伝搬速度の理論値および測定値の比較結果に基づいて、前記複数のモデルから特定モデルを抽出し、
前記特定モデルに対応する設定パラメータに基づいて、前記配管の劣化状態を判定する処理をコンピュータに行わせる劣化分析プログラム。
(付記28)
配管または前記配管内を流れる流体を伝搬する振動の周波数を、振動周波数の測定値として取得し、
前記配管または前記配管内を流れる流体を伝搬する振動の速度を、振動伝搬速度の測定値として測定し、
前記配管に関するパラメータである設定パラメータを変化させて設定された複数のモデル毎に、前記振動周波数および前記振動伝搬速度の理論値を互いに対応つけて計算し、
前記振動周波数取得ステップにより取得される複数の前記振動周波数の測定値に対応する複数の前記振動伝搬速度の理論値および測定値の比較結果に基づいて、前記複数のモデルから特定モデルを抽出し、
前記特定モデルに対応する設定パラメータに基づいて、前記配管の劣化状態を判定する処理をコンピュータに行わせる劣化分析プログラムを記憶する記憶媒体。
以上、実施形態(及び実施例)を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態(及び実施例)に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
この出願は、2015年5月29日に出願された日本出願特願2015−109697を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
100、100A、100B 劣化分析装置
110 加振部
120 水圧センサ
130 処理部
131 振動周波数取得部
132 振動伝搬速度測定部
133 モデルデータ計算部
134 モデル抽出部
135 劣化判定部
140、140a、140b 加速度センサ
700 マンホール
900、900A、900B 配管
901 屈曲部
910 流体
920 消火栓
940 付着物
950 吐出口
960 電磁弁

Claims (9)

  1. 配管または前記配管内を流れる流体を伝搬する振動の周波数を、振動周波数の測定値として取得する振動周波数取得手段と、
    前記配管または前記配管内を流れる流体を伝搬する振動の速度を、振動伝搬速度の測定値として測定する振動伝搬速度測定手段と、
    前記配管に関するパラメータである設定パラメータを変化させて設定された複数のモデル毎に、前記振動周波数および前記振動伝搬速度の理論値を互いに対応つけて計算するモデルデータ計算手段と、
    前記振動周波数取得手段により取得される複数の前記振動周波数の測定値に対応する複数の前記振動伝搬速度の理論値および測定値の比較結果に基づいて、前記複数のモデルから特定モデルを抽出するモデル抽出手段と、
    前記モデル抽出手段により抽出された特定モデルに対応する設定パラメータに基づいて、前記配管の劣化状態を判定する劣化判定手段とを備えた劣化分析装置。
  2. 前記設定パラメータは、前記配管のヤング率または前記配管の肉厚である請求項1に記載の劣化分析装置。
  3. 前記設定パラメータは、前記配管内を流れる流体に関するパラメータを含む請求項1または2に記載の劣化分析装置。
  4. 前記設定パラメータは、前記配管内に付着した付着物に関するパラメータを含む請求項1〜3のいずれか1項に記載の劣化分析装置。
  5. 前記設定パラメータは、前記配管周辺の土砂に関するパラメータを含む請求項1〜4のいずれか1項に記載の劣化分析装置。
  6. 前記配管に取り付けられ、前記配管または前記配管内を流れる流体に振動を加える加振手段と、前記配管または前記配管内を流れる流体を伝搬する振動を伝搬振動として検出する振動検出手段を備え、
    前記振動伝搬速度測定手段は、前記振動が前記加振手段により前記配管または前記配管内を流れる流体に加えられた時間と、前記振動検出手段により前記伝搬振動が検出された時間との間の時間差と、前記加振手段および前記振動検出手段の間の距離に基づいて、前記振動伝搬速度を測定する請求項1〜5のいずれか1項に記載の劣化分析装置。
  7. 前記配管に取り付けられ、前記配管または前記配管内を流れる流体に伝搬する振動を伝搬振動として検出する第1および第2の振動検出手段を備え、
    前記振動伝搬速度測定手段は、前記第1の振動検出手段により前記伝搬振動が検出された時間と、前記第2の振動検出手段により前記伝搬振動が検出された時間との間の時間差と、前記第1および前記第2の振動検出手段の間の距離に基づいて、前記振動伝搬速度を測定する請求項1〜5のいずれか1項に記載の劣化分析装置。
  8. 配管または前記配管内を流れる流体を伝搬する振動の周波数を、振動周波数の測定値として取得し、
    前記配管または前記配管内を流れる流体を伝搬する振動の速度を、振動伝搬速度の測定値として測定し、
    前記配管に関するパラメータである設定パラメータを変化させて設定された複数のモデル毎に、前記振動周波数および前記振動伝搬速度の理論値を互いに対応つけて計算し、
    複数の前記振動周波数の測定値に対応する複数の前記振動伝搬速度の理論値および測定値の比較結果に基づいて、前記複数のモデルから特定モデルを抽出し、
    前記特定モデルに対応する設定パラメータに基づいて、前記配管の劣化状態を判定する劣化分析方法。
  9. 配管または前記配管内を流れる流体を伝搬する振動の周波数を、振動周波数の測定値として取得し、
    前記配管または前記配管内を流れる流体を伝搬する振動の速度を、振動伝搬速度の測定値として測定し、
    前記配管に関するパラメータである設定パラメータを変化させて設定された複数のモデル毎に、前記振動周波数および前記振動伝搬速度の理論値を互いに対応つけて計算し、
    前記振動周波数取得ステップにより取得される複数の前記振動周波数の測定値に対応する複数の前記振動伝搬速度の理論値および測定値の比較結果に基づいて、前記複数のモデルから特定モデルを抽出し、
    前記特定モデルに対応する設定パラメータに基づいて、前記配管の劣化状態を判定する処理をコンピュータに行わせる劣化分析プログラムを記憶する記憶媒体。
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