JP2005134192A - 筒状体内面付着層の厚さ測定方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】送受信される超音波によって筒状体内面付着層の物性を推定または確認でき、また筒状体内面の付着層の厚さを正確に推測でき、すなわち筒状体内面の付着層の厚さをその物性に応じて簡易かつ正確に測定できる方法にすることである。
【解決手段】一対の送信側探触子2と受信側探触子3を検査対象の鋼鉄製筒状体5の外面に所定間隔を開けて設置し、両探触子2、3間に超音波を送受信することにより、筒状体5に板波6を伝播させる。送信された所定範囲の周波数について、探触子3に受信される超音波の速度または振幅を測定する。前記周波数に対する速度または振幅の変化傾向Aを調べ、また筒状体内面を付着物のない状態または付着層の厚さを既知の状態で、両探触子2、3間に送受信された超音波の所定周波数に対する速度または振幅の基準変化Bを調べ、これらの変化傾向Aおよび基準変化Bを比較することにより、筒状体内面付着層の厚さの推定値を求める筒状体内面付着層の厚さ測定方法である。
【選択図】図1
【解決手段】一対の送信側探触子2と受信側探触子3を検査対象の鋼鉄製筒状体5の外面に所定間隔を開けて設置し、両探触子2、3間に超音波を送受信することにより、筒状体5に板波6を伝播させる。送信された所定範囲の周波数について、探触子3に受信される超音波の速度または振幅を測定する。前記周波数に対する速度または振幅の変化傾向Aを調べ、また筒状体内面を付着物のない状態または付着層の厚さを既知の状態で、両探触子2、3間に送受信された超音波の所定周波数に対する速度または振幅の基準変化Bを調べ、これらの変化傾向Aおよび基準変化Bを比較することにより、筒状体内面付着層の厚さの推定値を求める筒状体内面付着層の厚さ測定方法である。
【選択図】図1
Description
この発明は、化学プラントなどにおける管、タンク、反応器、ドラムその他の筒状体の内側に付着した汚れ等の付着層厚を筒状体の外部から測定する筒状体内面付着物の厚さ測定方法に関する。
一般に、化学プラントその他の工業用施設には、熱交換器や蒸留塔などに接続されるような配管などの筒状体が多数設置されており、これら配管の内側には使用時に通過する物質により様々な汚れが付着する。
化学プラントの配管内に原料の流体が結晶化などで固体化して積層状態になるまで付着すると、流通抵抗が大きくなって製造効率が低下したり、配管内圧力の上昇による安全性の問題や製品純度の低下など種々の問題を起こす懸念がある。
このような問題を起こさないように、定期的に管などの筒状体内は洗浄されるが、そのための洗浄作業は、製造工程の一時的な停止状態を要する作業であり、作業で製造時間も遅延し、経済的な損失も大きい。
洗浄作業の非効率性を改善するために、予め決められた定期的な日程に従って管などの内側の洗浄作業が行なわれているが、通常、管などの内面に汚れが付着していても流体の流れを阻害する汚れかどうかはわかり難く、また汚れの付着程度を広い範囲で確実に調べることは困難であった。
敢えて管などの筒状体内の汚れの付着量を測定する従来方法を挙げれば、筒状体外部から外周面に垂直に超音波を入射させ、付着層表面の反射波から内部の付着層の厚さを計測する、いわゆる垂直法が知られている。
一方、溶接部を有する鋼板のような板厚変化のある薄板の超音波探傷方法として、超音波による板波を用いた透過法が公知である(特許文献1参照。)が、この方法は、筒状体内の汚れの付着量を測定する方法としては採用された例がない。
しかし、垂直法による筒状体内付着層の厚さ測定方法では、特に筒状体が薄肉の場合に測定が困難であり、例えば、測定対象のパイプの肉厚が、5.5mm、付着層の厚みが数mmと薄く、付着物による減衰が大きい場合には垂直法による厚みの測定は困難であった。
また、筒状体内部に均一に汚れの付着層が形成されているとは限らないので、垂直法によって検査対象の筒状体の一部のみを測定しても、筒状体全体の汚れの付着程度を把握できないので、筒状体内付着層の形成程度を広範囲について把握できる筒状体内面付着層の厚さ測定方法が希求されている。
ところで、超音波探傷方法では、超音波による板厚の変化を知ることができるが、これを実際の管やタンクなどに応用すると、液体部分と固体部分の成分が同じであるために密度に明瞭な境界が存在せず、また付着層の上に液体がない場合でも、付着層の表面からの反射波は減衰して振幅が小さくなり、実際の筒状体では反射波は得られなかった。
そこで、この発明の課題は、上記した問題点を解決して、送受信される超音波によって筒状体内面付着層の物性を推定または確認でき、また筒状体内面の付着層の厚さを正確に推測でき、すなわち筒状体内面の付着層の厚さをその物性に応じて簡易かつ正確に測定できる方法にすることである。
上記の課題を解決するために、この発明においては、一対の探触子を検査対象の筒状体外面に設置し、両探触子間に超音波を送受信することにより筒状体に板波を伝播させ、送信された所定範囲の周波数について前記探触子に受信される超音波の速度もしくは振幅または両者を測定して、前記周波数に対する速度または振幅の変化傾向Aを調べ、また筒状体内面を付着物のない状態または付着層の厚さを既知の状態で両探触子間に送受信された超音波の所定周波数に対する速度もしくは振幅または両者の基準変化Bを調べ、これら変化傾向Aおよび基準変化Bを所定周波数に対する速度もしくは振幅または両者について比較することにより、筒状体内面付着層の厚さの推定値を求めることからなる筒状体内面付着層の厚さ測定方法としたのである。
上記したように構成されるこの発明の筒状体内面付着層の厚さ測定方法は、予め検査対象の筒状体の内側に付着することが想定される物質を想定しておき、検査対象の筒状体の内面に前記物質からなる付着物のない状態または同物質からなる付着層の厚さを既知の状態で、両探触子間に送受信された超音波の所定周波数に対する速度または振幅の基準変化Bを調べ、たとえばこれを検量線として測定基準とする。
そして、検査対象の筒状体外面に一対の探触子を設置し、両探触子間に前記所定範囲の周波数の超音波を送受信することにより検査対象の筒状体に板波を伝播させ、送信された周波数について前記探触子に受信される超音波の速度または振幅を測定し、周波数に対する速度または振幅の変化傾向Aを調べる。
すなわち、検査対象の筒状体の変化傾向Aが、付着層の物性とその厚さTが既知である場合の基準変化Bと一致するか、もしくは類似している場合には、検査対象の筒状体の内面付着層の物性と厚さは基準変化Bと同一もしくはTに近似する値であると推定するのである。
このような物性および厚さの測定方法は、好ましくは、予め付着層の物性とその厚さTが既知である場合の基準変化Bをコンピュータの記憶装置にできるだけ多くのデータとして記憶させておくことが好ましく、グラフ化した検量線としてデータをファイルに蓄積しておくと、これと同じ傾向を示すかどうかの判断が容易にできる。具体的には、付着層の物性が基準変化Bを調べたものと同じと推定される場合に、基準変化Bの付着層の厚さTが0〜30mmの条件でデータ蓄積されていれば、変化傾向Aと同様な基準変化Bを検索して、その付着層の厚さTを変化傾向Aを示す筒状体内の付着層の厚さと推定することができる。
例えば、厚さ2mm毎、好ましくは1mm毎、より好ましくは0.5mm毎の付着層の周波数と振幅の関係についてのデータを蓄積しておいて、これをグラフ化したものを検量線とし、これと検査対象の筒状体の周波数と振幅の関係を示すデータを検索して、ある程度合致した検量線の付着物の厚さを推定値とする。
また、前記した超音波は、より確実に筒状体内面の付着層の物性および厚さを正確に測定できるように、バースト波であることが好ましく、また超音波の周波数は、通常、0.1〜1MHzを採用すればよく、好ましい周波数範囲は、0.2〜0.7MHzである。
また、付着物が、パラフィンおよびアクリル系樹脂から選ばれる一種以上の付着物である場合に適当な筒状体内面付着層の厚さ測定方法になることが判明している。
この発明は、以上説明したように、一対の探触子を検査対象の筒状体外面に設置し、所定範囲の周波数の超音波を両探触子間に送受信することにより筒状体に板波を伝播させ、受信される超音波の速度または振幅を測定して所定周波数に対する変化傾向Aを調べ、これを付着層の厚さが既知の基準変化Bと比較することにより、筒状体内面付着層の厚さの推定値を求める方法としたので、受信される超音波の速度によって付着物の物性が確認でき、また超音波の振幅の変化から筒状体内面の付着層の厚さをmm単位で正確に推測でき、付着層の物性および厚さを正確に測定できるという利点がある。
また、超音波として、バースト波を用いた場合や、超音波の周波数が、0.2〜0.7MHzである筒状体内面付着層の厚さ測定方法では、より確実に筒状体内面の付着層の物性および厚さを正確に測定できる利点がある。
なお、化学プラントにおいては、筒状体内面に付着した汚れの有無やその付着量は、筒状体の使用状態によって大きく異なるから、筒状体内面付着物の量を適宜に知ることにより、安全性の高い補修作業が可能になり、より効率的な補修プログラムの設定が可能になると共により最適な条件で筒状体を使用できるようになる。
この発明の筒状体内面付着層の厚さ測定方法である実施形態を、以下に添付図面に基づいて説明する。
図1に示すように、実施形態に用いる装置は、一対の送信側探触子2と受信側探触子3を検査対象の鋼鉄製筒状体(図は筒状体の一部の断面を示す。)5の外面に所定間隔を開けて設置し、両探触子2、3間に超音波を送受信することにより、筒状体5に板波6を伝播させるが、このとき、送信された所定範囲の周波数について、探触子3に受信される超音波の速度または振幅を測定するものである。すなわち、前記周波数に対する速度または振幅の変化傾向Aを調べ、また筒状体内面を付着物のない状態または付着層aの厚さを既知の状態で、両探触子2、3間に送受信された超音波の所定周波数に対する速度または振幅の基準変化Bを調べ、これらの変化傾向Aおよび基準変化Bを比較することにより、筒状体内面の付着層aの厚さの推定値を求める筒状体内面付着層の厚さ測定方法である。なお、図中符号bは、溶液を示している。
図1に示すように、実施形態に用いる装置は、一対の送信側探触子2と受信側探触子3を検査対象の鋼鉄製筒状体(図は筒状体の一部の断面を示す。)5の外面に所定間隔を開けて設置し、両探触子2、3間に超音波を送受信することにより、筒状体5に板波6を伝播させるが、このとき、送信された所定範囲の周波数について、探触子3に受信される超音波の速度または振幅を測定するものである。すなわち、前記周波数に対する速度または振幅の変化傾向Aを調べ、また筒状体内面を付着物のない状態または付着層aの厚さを既知の状態で、両探触子2、3間に送受信された超音波の所定周波数に対する速度または振幅の基準変化Bを調べ、これらの変化傾向Aおよび基準変化Bを比較することにより、筒状体内面の付着層aの厚さの推定値を求める筒状体内面付着層の厚さ測定方法である。なお、図中符号bは、溶液を示している。
この発明でいう筒状体は、管、タンク、反応器、ドラムなどであって、内部に物質を貯留または通過させ得るように主要部が筒状に形成されている装置や設備の一部またはその全体をいい、特に限定された形態のみをいうものではない。
また、この発明における付着物は、一般には固形状またはゲル状の付着物である。
また、この発明における付着物は、一般には固形状またはゲル状の付着物である。
この発明に用いる板波は、理想条件において厚さが有限で広さが無限な板に沿って伝搬する弾性波である。板波は、ラム(Lamb)波とSH波の2モードに分けられ、このうちSH波は、媒質中の粒子が、入射面に垂直で、かつ伝搬方向に対して垂直な方向に振動して伝わる波である。また、ラム(Lamb)波は、厚さに対して充分な広さをもつ固体板中を縦波と横波が混在一体となって伝搬する波である。この横波は、SV波と呼ばれるものであり、SV波は媒質中の粒子が入射面に平行で、かつ波の伝搬方向に対して垂直な方向に振動して伝わる波である。
因みに、固体に斜めから縦波を入射すると、縦波で伝搬していた波が境界面で反射し、その際、縦波と同時に横波が発生する。横波が境界面において反射する場合にも同じ現象が起こり、この現象をモード変換という。ラム(Lamb)波は無限にモード変換を繰り返し、縦波と横波が混在一体となって伝搬する波である。
図2に示すように、板波発生方法の代表的なものは、超音波の板への入射角を適当に選定する方法である。媒質(水)の縦波伝搬速度をVw、媒質(例えば鋼)における位相速度をVp、入射角をθとすれば、下記式の関係が成立するとき、位相速度Vpをもつ板波モードを強勢に発生させることができる。
Vp=Vw/sinθ
Vp=Vw/sinθ
板波を発生させる場合は、媒質中に存在するモードが周波数と板厚の積をパラメータとして変化するが、多くの波は単一の周波数のみをもったものではないため、モードの選定が容易ではない。そこで、印加波形にほぼ単一な周波数をもつバースト波を用いることにより、角度のみの調整で特定のモードを発生させられる。板波を明瞭に確認するための入射角は、10〜60度であり、好ましくは20〜40度である。周波数をより単一に近づけるためには、バースト波に用いるsin波の波数を適当に増やし、継続時間を長くすればよい。
図3に示すように、この発明に用いられるバースト波は、ガウス関数と連続的に続くsin関数を掛け合わせることによって作成できる。これにより、バースト波の立ち上がりと立下りの振幅が小さくなり、単一の周波数成分の波が得やすくなる。
探触子に受信される超音波の速度を測定するには、以下のように行なう。すなわち、板波法では、超音波を斜めに入射させているから、板波の正確な伝搬距離を実測することができず、ある伝搬時間のみでは音速を算出することができない。そこで、送受信間距離を変化させ、波の伝搬時間と移動距離を測定し、下記の式によって鋼板等を伝搬している板波の音速を算出した。
v=Δd/Δt (v:板波群速度、Δd:送受信間距離、Δt:伝搬時間の差)
v=Δd/Δt (v:板波群速度、Δd:送受信間距離、Δt:伝搬時間の差)
具体的な測定手順としては、まず、2つの探触子間の移動を例えば300mmにして、板波の伝搬時間をそれぞれの周波数で測定し、その後、2点間距離を例えば100mmだけ近づけて、同様に伝播時間を測定する。
筒状体内の付着層厚さの測定方法の実験方法については、筒状体を想定して、それより測定しやすい鋼板製のバットで中仕切りのあるものを採用した。中仕切りによって3等分されたバットは、3種類の基準付着物を各仕切り内側に付着させておくことができ、付着物の種類または層厚さの異なる条件で3本の鋼鉄筒状体を想定した試験を行なうことができる。
図4および図5に示すように、鋼板製のバット1の底裏面には、送信側の探触子(トランスミッター)2および受信側の探触子(レシーバー)3を水溜4を介して接触させる。任意波形発生装置(LeCroy LW410)は、パワーアンプを介して送信側の探触子2に接続し、受信側の探触子3はパルサーレシーバーを介してオシロスコープと接続して測定装置を構成する。
測定に用いた想定付着物は、次の2種類である。
a.パラフィン (密度:1.011×103g/mm3)
b.アクリル系樹脂 (密度:0.965×103g/mm3)
a.パラフィン (密度:1.011×103g/mm3)
b.アクリル系樹脂 (密度:0.965×103g/mm3)
上記の想定付着物の種類毎に、これらをそれぞれ1mmまたは2mmの厚みでバットの内側底面に塗布し、また塗布しないものをブランクとして、周波数が0.2MHzから0.50MHzまでの範囲で音速の変化を測定した。なお、入射波には10波のバースト波を用い、これを任意波形発生装置を用いて周期が2μsから0.2μsずつ5μsまで変化させ、バースト波の入射角度は、30度付近を採用し、微調整して探触子の中心周波数である0.5MHzの超音波を入射した時に受信波形の振幅が最大となる角度に固定した。前記した具体的な測定手順に従って、想定付着物がパラフィンである場合の音速の測定結果を図6に示し、アクリル樹脂の場合の音速の測定結果を図7に示した。
図6の結果からも明らかなように、パラフィンを1mm塗布した場合は、塗布なしの場合に比べて音速が約0.03km/s(1〜2%)遅くなったが、周波数変化に伴う音速の傾きは略似ていた。また、2mm塗布した場合は、音速が山形に変化し、低周波側では逆に1mm塗布層より速くなった。塗布層があると、音速はいずれの周波数でも塗布なしの場合と比べて遅くなるが、その変化の仕方は塗布厚さによって変化した。
また、図7の結果からも明らかなように、アクリル樹脂を1mm塗布した場合は、周波数が0.20〜0.28MHzの範囲で音速の値が増加と減少を繰り返して複雑に変化したが、それを超える周波数域では穏かな減少傾向であり、塗布なしの音速に近づいた。また、アクリル樹脂が塗布2mmの厚さでは、音速は複雑に変化し、高周波側では塗布層厚さ1mmの場合の音速を超え、さらに塗布層のない場合の音速を超えた。このようにアクリル樹脂が層状に付着した場合には、1mm厚では音速は低下するが、2mm厚では、0.35MHz以上の周波数領域で増加した。
これらの音速の周波数特性は、塗布が不均一である場合にも平均層厚における周波数特性に似た結果であることが判明している。
したがって、音速の周波数特性変化から付着層厚さを評価することは、付着物質ごとの周波数特性のデータを予め求めておくことにより可能となり、逆に受信される超音波の速度によって推定していた付着物の物性を確認することもできることがわかる。
次に、前記実施例1と同様の条件でパラフィンまたはアクリル樹脂からなる想定付着物の種類毎に、これらをそれぞれ1mmまたは2mmの厚みでバットの内側底面に塗布し、また塗布しないものをブランクとして、周波数が0.2MHzから0.50MHzまでの範囲で振幅の変化を測定した。想定付着物がパラフィンである場合の振幅の測定結果を図8に示し、アクリル樹脂の場合の振幅の測定結果を図9に示した。
図8の結果からも明らかなように、パラフィン付着層なしの場合、振幅は0.45MHzで最大になり、低周波側で急激に減じ、最大振幅の約1/4になった。一方、パラフィン付着層があると、振幅は付着層がない場合の約1/4に減少した。なお、2mm厚の場合の振幅測定では、他モード波との干渉が生じることがあった。
図9の結果からも明らかなように、アクリル系樹脂を1mmの厚さの付着物を形成した場合には、パラフィンを付着させた場合と同様に0.36MHzで振幅は最大となり、付着物のない場合に比べて振幅は1/3に低下した。アクリル樹脂2mmの厚さの付着物を形成した場合には、振幅は0.5MHzで最大値を示した。なお、これらの結果では、振幅変化が下側に凹状に低下した領域が見られるが、これは他モード波との干渉が原因であると考えられ、これを除くと振幅の周波数特性は滑らかになると考えられる。そして、付着層が、1mm厚および2mm厚の場合では共に、振幅が付着層なしの場合に比べて数分の一に減少し、付着層が厚くなると、全般的に振幅の減少が大きくなっていた。
この振幅の周波数特性の結果から、付着層の厚さの1mmの違いが明確に現れており、モードの干渉に注意すれば、付着層厚の推定値の測定が可能であることがわかる。
1 バット
2 送信側の探触子
3 受信側の探触子
4 水溜
5 筒状体
2 送信側の探触子
3 受信側の探触子
4 水溜
5 筒状体
Claims (5)
- 一対の探触子を検査対象の筒状体外面に設置し、両探触子間に超音波を送受信することにより筒状体に板波を伝播させ、送信された所定範囲の周波数について前記探触子に受信される超音波の速度もしくは振幅または両者を測定して、前記周波数に対する速度または振幅の変化傾向Aを調べ、また筒状体内面を付着物のない状態または付着層の厚さを既知の状態で両探触子間に送受信された超音波の所定周波数に対する速度もしくは振幅または両者の基準変化Bを調べ、これら変化傾向Aおよび基準変化Bを所定周波数に対する速度もしくは振幅または両者について比較することにより、筒状体内面付着層の厚さの推定値を求めることからなる筒状体内面付着層の厚さ測定方法。
- 変化傾向Aおよび基準変化Bの比較が、超音波の所定範囲の周波数に対する伝播速度の変化を比較することによる筒状体内面付着物質の推定または確認であり、または超音波の所定範囲の周波数に対する振幅の変化を比較することによる筒状体内面付着物質の厚さの推定である請求項1に記載の筒状体内面付着層の厚さ測定方法。
- 超音波が、バースト波である請求項1または2に記載の筒状体内面付着層の厚さ測定方法。
- 所定範囲の周波数が、0.2〜0.7MHzである請求項1〜3のいずれかに記載の筒状体内面付着層の厚さ測定方法。
- 付着物が、パラフィンおよびアクリル系樹脂から選ばれる一種以上の付着物である請求項1〜4のいずれかに記載の筒状体内面付着層の厚さ測定方法。
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