JP2017173034A - 管路の異常箇所特定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の主な目的は、正確に異常箇所を特定することができる管路の異常箇所特定方法を提供することである。【解決手段】管路の異常箇所特定方法は、同時刻に管路における複数箇所で振動を計測し、各振動の相互相関関数を用いて異常箇所を特定する管路の異常箇所特定方法であって、相互相関関数から2つ以上のピーク値が検出され、ピーク値のうち第一のピーク値を形成する相互相関関数の周波数と、ピーク値のうち第二のピーク値を形成する相互相関関数の周波数との差が所定の範囲内にあるか否かを判定する判定工程と、判定工程において所定の範囲内にあると判定した場合、第二のピーク値と第一のピーク値との時間差に基づいて異常箇所の位置補正を行うものである。【選択図】図3

Description

本発明は、管路の異常箇所特定方法に関する。
例えば、特許文献1(特開2013−210347号公報)には、センサの設置が簡便であり、かつ、検知の精度が高く、信頼性の高い、内部に流体が流れている配管の漏洩検知方法、漏水検知方法、漏洩検知装置および漏水検知装置について開示されている。
特許文献1(特開2013−210347号公報)記載の内部に流体が流れている配管の漏洩検知方法は、2つの音響センサが、相互に一定の距離を置き、かつ、配管場所から一定の距離を置いて配置され、2つの音響センサを一組とし、一組の音響センサを構成する音響センサを時刻同期させ、音響センサが音響データを取得する音響データ取得工程と、各音響センサの受信した音の到来時間差を求める時間差算出工程と、到来時間差から、音の音源と各音響センサとの距離の差を算出する距離差算出工程と、各音響センサからの距離の差が一定である点の集合である、各音響センサの位置を焦点とする双曲線を求める双曲線取得工程と、配管と双曲線との交点から漏洩位置を特定する位置特定工程とを含むものである。
特開2013−210347号公報
従来、管路において複数の振動センサを設置し、その振動波形から相互相関関数を算出し、相互相関関数のピーク値から振動の伝達時間差を求めて異常箇所を特定する方法がある。この方法はセンサ間の管路長と、管種または口径から求まる振動の伝達速度とをあらかじめ把握し、ピーク値と伝達時間差とから場所を特定することができる。
しかしながら、振動センサ間が長く、管路長の計測誤差が大きい場合、管種または口径によって決定される振動の伝達速度に誤差が大きい場合、異常箇所特定の精度が低下する可能性がある。
つまり、相互相関関数から求められる時間差情報と、管路情報の対比において絶対的な一致点とを持たないことが課題である。
本発明の主な目的は、正確に異常箇所を特定することができる管路の異常箇所特定方法を提供することである。
(1)
一局面に従う管路の異常箇所特定方法は、同時刻に管路における複数箇所で振動を計測し、各振動の相互相関関数を用いて異常箇所を特定する管路の異常箇所特定方法であって、相互相関関数から2つ以上のピーク値が検出され、ピーク値のうち第一のピーク値を形成する相互相関関数の周波数と、ピーク値のうち第二のピーク値を形成する相互相関関数の周波数との差が所定の範囲内にあるか否かを判定する判定工程と、判定工程において所定の範囲内にあると判定した場合、第二のピーク値および第一のピーク値の時間差に基づいて異常箇所の位置補正を行う補正工程と、を含むものである。
この場合、第一のピーク値と、第二のピーク値との周波数の差が所定の範囲内にある場合、時間差に基づいて異常箇所の位置補正を行うことができる。
すなわち、2つ以上のピーク値が生じる場合とは、異常箇所における振動と、反響点における振動とが生じていると考慮できる。
異常箇所における振動と、反響点における振動とは同一の異常由来の振動であるため、周波数帯が類似したものとなる。したがって、相互相関関数は波形として表記できるが、各ピーク値を構成する波形の周波数を比較することで反響点のピーク値を探すことができる。
その結果、反響点と判定されたピーク値と、異常箇所のピーク値との時間差を求め、振動の伝達速度から距離に換算することで、反響点を起点とした距離を特定することができる。
(2)
第2の発明にかかる管路の異常箇所特定方法は、一局面に従う管路の異常箇所特定方法において、補正工程は、第一のピーク値および、第二のピーク値のいずれか一方が、管路に対して交差する壁面部位からの反射に依存すると判定する反射判定工程を、さらに含んでもよい。
この場合、反射判定工程により第一のピーク値と、第二のピーク値とのいずれか一方が、管路に対して交差する壁面部位からの反射に依存すると判定することができる。その結果、2つのピーク値のうち、いずれが漏水等の異常音であるかを判定することができる。特に、壁面部位とは、継手、分岐部または量水器への立ち上げ部等の絶対位置を有する部位を含む。
(3)
第3の発明にかかる管路の異常箇所特定方法は、一局面または第2の発明にかかる管路の異常箇所特定方法において、所定の範囲内は、±100Hz以内であってもよい。
この場合、±100Hzを超過すると、同一振動源由来か否かの判別がつかなくなるおそれが生じるからである。
(4)
第4の発明にかかる管路の異常箇所特定方法は、一局面または第2の発明にかかる管路の異常箇所特定方法において、所定の範囲内は、±20Hz以内であってもよい。
この場合、±20Hz以内であることが好ましい。また、共振タイプの振動センサを用いる場合においては、範囲が狭すぎる場合、振動センサのもつ感度特性の誤差により判別できないおそれがあるため、所定の範囲内は、±1Hz以上であることが好ましい。
(5)
他の局面に従う管路の異常箇所特定方法は、同時刻に管路における複数箇所で振動を計測し、各振動の相互相関関数を用いて異常箇所を特定する管路の異常箇所特定方法であって、相互相関関数から2つ以上のピーク値が検出され、ピーク値のうち第一のピーク値を形成する相互相関関数の周波数が予め定められた所定の範囲内にあるか否かを判定する判定工程と、判定工程において予め定められた所定の範囲内にあると判定した場合、第一のピーク値および第二のピーク値の時間差に基づいて異常箇所の位置補正を行う補正工程と、を含むものである。
この場合、第一のピーク値を形成する相互相関関数の周波数が、予め定められた所定の範囲内にある場合、第一のピーク値と第二のピーク値との時間差に基づいて異常箇所の位置補正を行うことができる。
すなわち、2つ以上のピーク値が生じる場合とは、異常箇所における振動と、他の振動とが生じていると考慮できる。
特に、予め定められた所定の範囲内は、自動販売機、ポンプ、トランス等の周波数である。自動販売機、ポンプ、トランス等が設置されていると認識できる場合、当該振動が生じる絶対位置を認識することができる。その結果、第一のピーク値と、第二のピーク値との時間差に基づいて異常箇所の補正を行うことができる。
(6)
第6の発明にかかる管路の異常箇所特定方法は、他の局面に従う管路の異常箇所特定方法において、予め定められた所定の範囲内は、管路近傍に設置された機器から生じる周波数の範囲内であってもよい。
この場合、予め定められた所定の範囲内は、管路近傍に設置された機器から生じる周波数の範囲内であるので、第一のピーク値および第二のピーク値のいずれが当該機器から生じているかを容易に判定することができる。
(7)
第7の発明にかかる管路の異常箇所特定方法は、第6の発明にかかる管路の異常箇所特定方法において、機器は、ポンプ、自動販売機および電柱のトランスの少なくともいずれか1つを含んでもよい。
この場合、機器は、ポンプ、自動販売機および電柱のトランスの少なくともいずれか1つを含むので、確実に管路近傍の位置を特定することができる。また、ポンプ、自動販売機および電柱のトランスの少なくともいずれかであるため、予め定められた所定の範囲内も確実に認識することができる。
漏水位置特定方法の状況を説明するための模式図である。 振動センサを含む漏水位置検知装置の一例を示す模式図である。 本実施の形態にかかる管路の異常箇所特定方法の一例を示すフローチャートである。 本実施の形態にかかる管路の異常箇所特定方法の他の例を示すフローチャートである。 本実施の形態にかかる管路の異常箇所特定方法のさらに他の例を示すフローチャートである。 相互相関関数の一例を示す模式図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
<漏水位置特定方法の状況説明>
図1は、漏水位置特定方法の状況を説明するための模式図である。
図1に示すように、地中に管網110が設けられている。管網110には、一定間隔で、縦孔(マンホール)120が設けられている。本実施の形態においては、ポイントAおよびポイントBの間隔で縦孔120が設けられている。この場合、図1のポイントAおよびポイントBの縦孔120に、それぞれ振動センサ200を設ける。
<振動センサの説明>
図2は、振動センサを含む漏水位置検知装置の一例を示す模式図である。
図2に示すように、本実施の形態にかかる異常音の発生特定装置100は、演算装置300および少なくとも一対の振動センサ200を含む。一対の振動センサ200は、共振型の振動センサ200である。
図2の振動センサ200は、台座210、支柱220、薄膜電極230,240、リード線231,241、圧電素子250、錘260、発電装置261およびGPS装置262を含む。
演算装置300は、フィルターを生成する生成部310、および演算部320からなる。
図2に示すように、振動センサ200は、鉄製の台座210上に支柱220が固定される。支柱220の上端部に圧電素子250が設けられる。圧電素子250の一端部は、支柱220の上端部に片持ち支持されている。
圧電素子250の両面に銀ペーストを塗布して形成された上下一対の薄膜電極230,240が設けられる。支柱220および一対の薄膜電極230,240の間は、絶縁されている。
また、圧電素子250の他端部で、かつ薄膜電極230上に錘260が載置されている。
薄膜電極230には、リード線231が接続されており、薄膜電極240には、リード線241が接続されており、リード線231,241はそれぞれ演算装置300につながっている。
リード線231,241から出力される電位差を、演算装置等の処理装置により振動波形として出力する。
なお、本実施の形態においては、リード線231,241を用いることとしているが、これに限定されず、演算装置300との間で送受信可能な機能部を設けてもよい。
また、圧電素子250は、高分子圧電材料であるポリフッ化ビニリデンの延伸フィルム(PVDFフィルム)によって形成されている。
具体的なパラメータが、圧電材料の弾性Eと、断面二次モーメントJと、長さLと、幅bと、高さhとである場合、バネ定数kは、以下のように示される。
k=3EJ/L(J=bh/12)・・・(1)
圧電素子250と錘260とからなる系の共振周波数foは、以下のように示される。
fo=√(k/M)/2π・・・(2)
また、共振型の振動センサ200は、共振周波数foが、60Hz以上1000Hz未満の範囲内に少なくとも1個存在するように形成する。
本実施の形態に係る共振型の振動センサ200は、100Hzから500Hzまでの間に共振周波数foが4個存在するように形成している。その理由としては、管網110を伝わる異常音、特に漏水音は、可聴音が多く、中でも1000Hz未満が多いからである。
なお、本実施の形態においては、共振型の振動センサ200を用いることとしているが、これに限定されず、従来の振動センサを用いてもよい。
また、本実施の形態に係る振動センサ200は、管網のいずれの位置に設置されたかをGPS装置262により演算装置300に送信する。また、振動センサ200は、発電装置261により振動センサ200の稼働を行うことができる。例えば、発電装置261は、管内を流れる流体による発電、地熱発電、太陽光が差し込む場合には、太陽光発電等からなる。その結果、演算装置300は、振動センサ200の位置を認識することができる。例えば、演算装置300は、振動センサ200の埋設位置を認識できる。
<管路の異常箇所特定方法>
以下、本実施の形態にかかる管路の異常箇所特定方法の具体例について説明する。図3は、本実施の形態にかかる管路の異常箇所特定方法の一例を示すフローチャートである。
一般に、管網110内で水の噴き出しが生じた場合、振動が生じ、漏水等の異常音が生じる。当該振動または異常音は、管網110と管網110内の水中との両方を伝達する。
図3に示すように、管網110のポイントAの振動センサ200およびポイントBの振動センサ200から漏洩音の波形を取得し、相互相関関数を算出する(ステップS11)。
特に、管網110においては、給水等の分岐部、末端の量水器への立ち上げ部、または閉塞された仕切弁等が存在する。これらの場所では振動または異常音が伝達されてきた際に反響が生じる。反響が生じると、反響点も振動源として認識され、相互相関関数にピークが生じる。
続いて、相互相関関数から2個のピークを抽出する(ステップS12)。抽出した2個のピーク値の周波数が所定の周波数の範囲内にあるか否か判定を行う(ステップS13)。
ここで、ステップS1の処理を行う理由は、異常箇所における振動と、反響点における振動とは、同一の異常音に由来する振動から派生しているため、周波数帯が類似したものとなるからである。本実施の形態において、相互相関関数は波形として表記できるが、各ピークを構成する波形の周波数を比較することで反響点のピークを探すことができる。
まず、一つ目のピーク抽出方法について説明する。相互相関関数の一つ目ピークは、相互相関値が最大となった点とすることができる。この場合の相互相関関数は1つでも良いし、複数個の相互相関関数を算出し、平均化したものを用いても良い。
また、複数の相互相関関数を用いる場合は、相互相関値が最大となる頻度を算出し、頻度が最も多い点をピークとすることも可能である。
次に、二つ目のピーク抽出方法について説明する。まず、一つ目のピークを構成する相互相関波形の周波数帯を調べる。周波数帯はピークを構成する相互相関関数の周期を調べることにより導出することができる。
また、他の方法としては、相互相関関数を連続ウェーブレット変換すれば、時間軸に対する各周波数帯の強度を調べることができる。
この場合、第1のピークを構成する周波数帯において、二番目に高いピークを第2ピークとすることができる。
第1のピークおよび第2のピークは、それぞれ異常発生源由来のものと、異常音の反響のものとなる。
第1のピークと第2のピークとが比較的近い場合は、最も高いピークである第1ピークが異常発生源由来、二番目に高い第2のピークが反響由来のものとなる。上記の「比較的近い」とは、例えば距離に換算した場合に20m以内となった場合である。
また、20m超過で距離がある場合は、異常発生源由来のピークよりも反響由来のピークの方が高くなることがある。これは、2つのセンサに対し、異常発生源よりも反響を生じる点の方が極端に近い場合に生じる。このような場合は、管路における分岐等、反響を生じる点に近い方のピークを反響由来のピーク、分岐等から遠い方のピークを異常発生源由来のピークと判定する。
また、当該周波数の範囲の好ましい範囲は、第一のピーク値の周波数に対して±100Hz以内の範囲である。また、より好ましくは、±20Hz以内の範囲である。
周波数の範囲の好ましい範囲が広すぎると、同一の振動源由来か否かの判別がつかなくなるおそれがある。また、共振型の振動センサ200を用いる場合においては、範囲が狭すぎるとセンサ自体の有する感度特性の誤差により判別できないおそれがあるため、最低限の周波数の範囲は、±1以上であることが好ましい。
続いて、2個のピーク値の周波数が所定の周波数の範囲内にない場合(ステップS13のNo)、ステップS12の処理を繰り返し実施する。
一方、2個のピーク値の周波数が所定の周波数の範囲内にある場合(ステップS13のYes)、2個のピーク値の時間差を算出する(ステップS14)。
次に、算出した時間差と、振動の伝達速度より距離を計算し(ステップS15)、管路情報に基に異常箇所の位置を特定する(ステップS16)。
ここで、反響点とされたピーク値と異常箇所のピーク値との時間差を求めて、振動の伝達速度を距離へ換算することで、反響点を起点とした異常音の発生位置までの距離を算出することができる。
その結果、分岐点または量水器への立ち上げ部等の絶対位置からの距離で異常箇所を特定することができる。
(他の例)
図4は、本実施の形態にかかる管路の異常箇所特定方法の他の例を示すフローチャートである。図4に示す管路の異常箇所特定方法が、図3に示した管路の異常箇所特定方法と異なる点についてのみ説明を行う。図4において異なる点は、ステップS15の処理の代わりにステップS11aの処理を実施する。
図4に示すように、相互相関関数を算出した後(ステップS11)、振動の伝達速度より相互相関関数を距離軸に変換する(ステップS11a)。その後、距離軸から2つのピーク値を抽出し(ステップS12)、抽出した2個のピーク値の周波数が所定の周波数の範囲内にあるか否か判定を行い(ステップS13)、2個のピーク値の周波数が所定の周波数の範囲内にある場合(ステップS13のYes)、管路情報を基に異常箇所の位置を特定する(ステップS16)。
すなわち、図4においては、相互相関関数を距離軸に変換してから二つのピーク値を抽出し、判定しているので、図3のようにピーク間の時間差を算出するのではなく、ピーク間の距離を算出することができる。
(さらに他の例)
図5は、本実施の形態にかかる管路の異常箇所特定方法のさらに他の例を示すフローチャートである。
図5に示す管路の異常箇所特定方法が、図3に示した管路の異常箇所特定方法と異なる点についてのみ説明を行う。図5において異なる点は、ステップS13の処理の代わりにステップS13aの処理を実施する。
図5に示すように、相互相関関数を算出し(ステップS11)、相互相関関数から2個のピーク値を抽出する(ステップS12)。
次いで、2個のピーク値のうち1個のピーク値の周波数が予め定められた周波数の範囲内にあるか否かを判定する(ステップS13a)。その後、2個のピーク値の時間差を算出し(ステップS14)、次に、算出した時間差と、振動の伝達速度より距離を計算し(ステップS15)、管路情報に基に異常箇所の位置を特定する(ステップS16)。
管網110においては、ポンプが接続されていたり、管網110の直上の地上に自動販売機が設置されていたり、近傍にトランスを備えた電柱が立っている場合等がある。これらの機器等からは、機械的な振動が発生する。しかしながら、それらの周波数は事前に計測し、把握することが可能である。したがって、それらの周波数を予め定められた所定の範囲内であると規定する。
したがって、相互相関関数を算出する際に、異常音由来の振動に加え、設備機器等の機械的振動由来のピークを含むことがある。したがって、予め定められた周波数範囲のピークを見つけることで異常音由来か、機械的振動由来かの判別を容易に行うことができる。
(実施例1)
実施例1においては、図1の管網100において計測された2つの振動波形から相互相関関数を求めた。図6は、相互相関関数の一例を示す模式図である。
図6に示すように、本実施例1における相互相関関数は、3つのピーク値A、B、Cが表れた。
ピーク値Aを構成する相互相関関数の波形の周波数は200Hzであり、ピーク値Bを構成する相互相関関数の波形の周波数は210Hzであり、ピーク値Cを構成する相互相関関数の波形の周波数は60Hzであった。
同一の振動源を由来と判定する周波数範囲を20Hzと規定すると、ピーク値Aとピーク値Bとが周波数の差が±20Hz以内であるため、同一の振動源由来であると判別することができる。ここで、ピーク値Cは、±100Hz超過で離間しているため、考慮しない。
この場合、ピーク値Aとピーク値Bとの時間差をTd1とすると、ピーク値Aとピーク値Bとの間の距離L1は次のように求められる。
L1=V・Td1(Vは振動の伝達速度)・・・(1)
式(1)に示すように、振動センサ200間の管網110に分岐がある場合、ピーク値Bの位置を分岐点として、当該分岐点からの距離L1でピーク値Aを示す異常箇所を特定することができた。
(実施例2)
次に、実施例1と同様のケースにおいて、一対の振動センサ200の間に電柱(トランス)がある。電柱(トランス)は、商用電源と同様の60Hzの振動を発しており、60Hz±10Hzのピークを探した。
この時、図6のピーク値Cが、電柱(トランス)由来のピークであると判別できる。ピーク値Aとピーク値Cとの時間差をTd2とすると、電柱(トランス)からの距離L2は次のように求められる。
L2=V・Td2(Vは振動の伝達速度)・・・(2)
式(2)に示すように、一対の振動センサ200間の管網110に電柱(トランス)がある場合、電柱(トランス)からの距離L2でピーク値Aの異常箇所を特定することができた。
以上のように、管路の異常箇所特定方法においては、第一のピーク値と、第二のピーク値との周波数の差が所定の範囲内にある場合、時間差に基づいて異常箇所の位置補正を行うことができる。すなわち、反響点と判定されたピーク値と、異常箇所のピーク値との時間差を求め、振動の伝達速度から距離に換算することで、反響点を起点とした距離を特定することができる。
また、管路の異常箇所特定方法において、第一のピーク値を形成する相互相関関数の周波数が、設備機器等の予め定められた所定の範囲内にある場合、第一のピーク値と第二のピーク値との時間差に基づいて異常箇所の位置補正を行うことができる。
特に、予め定められた所定の範囲内は、自動販売機、ポンプ、トランス等の周波数である。自動販売機、ポンプ、トランス等が設置されていると認識できる場合、当該振動が生じる絶対位置を認識することができる。その結果、第一のピーク値と、第二のピーク値との時間差に基づいて異常箇所の補正を行うことができる。
なお、本実施の形態においては、図1に示すように、ポイントAおよびポイントBの縦孔120に、それぞれ振動センサ200を設けることとしたが、これに限定されず、管網110内部(水中)に振動センサ200を設けても良い。水中に振動センサ200を設けることで、雑音を減少させることができる。
本発明においては、管網110が「管路」に相当し、図3、図4、図5のフローチャートが、「管路の異常箇所特定方法」に相当し、図6が「相互相関関数」に相当し、ピーク値Aが「第一のピーク値」に相当し、ピーク値Bが「第二のピーク値」に相当し、周波数の範囲は、±100Hz以内、または±20Hz以内が「所定の範囲内」に相当し、ステップS13の処理が「判定工程、反射判定工程」に相当し、ステップS16の処理が「補正工程」に相当し、ピーク値C、周波数が60Hz±10Hzおよびトランス、自動販売機等の周波数が「予め定められた所定の範囲内」に相当し、ステップS13aの処理が「判定工程」に相当し、トランス、自動販売機、ポンプ等が「管路近傍に設置された機器」に相当する。
本発明の好ましい一実施の形態は上記の通りであるが、本発明はそれだけに制限されない。本発明の精神と範囲から逸脱することのない様々な実施形態が他になされることは理解されよう。さらに、本実施形態において、本発明の構成による作用および効果を述べているが、これら作用および効果は、一例であり、本発明を限定するものではない。
110 管網
A ピーク値
B ピーク値
C ピーク値

Claims (7)

  1. 同時刻に管路における複数箇所で振動を計測し、各振動の相互相関関数を用いて異常箇所を特定する管路の異常箇所特定方法であって、
    前記相互相関関数から2つ以上のピーク値が検出され、前記ピーク値のうち第一のピーク値を形成する相互相関関数の周波数、および、前記ピーク値のうち第二のピーク値を形成する相互相関関数の周波数の差が所定の範囲内にあるか否かを判定する判定工程と、
    前記判定工程において所定の範囲内にあると判定した場合、前記第二のピーク値および前記第一のピーク値の時間差に基づいて異常箇所の位置補正を行う補正工程と、を含む、管路の異常箇所特定方法。
  2. 前記補正工程は、前記第一のピーク値と、前記第二のピーク値とのいずれか一方が、管路に対して交差する壁面部位からの反射に依存すると判定する反射判定工程を、さらに含む、請求項1記載の管路の異常箇所特定方法。
  3. 前記所定の範囲内は、±100Hz以内である、請求項1または2記載の管路の異常箇所特定方法。
  4. 前記所定の範囲内は、±20Hz以内である、請求項1または2記載の管路の異常箇所特定方法。
  5. 同時刻に管路における複数箇所で振動を計測し、各振動の相互相関関数を用いて異常箇所を特定する管路の異常箇所特定方法であって、
    前記相互相関関数から2つ以上のピーク値が検出され、前記ピーク値のうち第一のピーク値を形成する相互相関関数の周波数が予め定められた所定の範囲内にあるか否かを判定する判定工程と、
    前記判定工程において予め定められた所定の範囲内にあると判定した場合、前記第一のピーク値および第二のピーク値の時間差に基づいて異常箇所の位置補正を行う補正工程と、を含む、管路の異常箇所特定方法。
  6. 前記予め定められた所定の範囲内は、前記管路近傍に設置された機器から生じる周波数の範囲内である、請求項5記載の管路の異常箇所特定方法。
  7. 前記機器は、ポンプ、自動販売機、および電柱のトランスの少なくともいずれか1つを含む、請求項6記載の管路の異常箇所特定方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102018794B1 (ko) * 2019-03-20 2019-09-06 (주)가암테크 여러 주파수 대역의 누수음을 통해 정확성이 향상되고 복수의 누수지점 탐지가 가능한 상시 누수탐지 시스템
KR20200041175A (ko) * 2018-10-11 2020-04-21 김경호 공기압을 이용한 누액감지시스템
WO2021127755A1 (pt) 2019-12-27 2021-07-01 Companhia De Saneamento Básico Do Estado De São Paulo-Sabesp Método e sistema de análise e fornecimento de índice de qualidade para correlacionador de ruídos

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