JP6626395B2 - 管路の異常検知方法および管路の異常監視方法 - Google Patents
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Description
また、特許文献2の方法においては、郊外などで振動源が少ない場合に音圧レベルが小さい値に集中したり、ポンプ等の大きな振動源があった場合に音圧レベルが大きな値に集中したりするなどのおそれがある。
特許文献3の方法においては、水使用による流量に対して漏水は微小である場合が多く、微小な漏水の検知が困難であるという問題がある。
一局面に従う管路の異常検知方法は、管路における複数箇所で振動を計測し、異常箇所を特定する管路の異常検知方法であって、第一の時間帯において振動レベルを所定時間に亘って計測する第一計測工程と、第一の時間帯よりも前記管路内の水圧が高い第二の時間帯において振動を所定時間に亘って計測する第二計測工程と、第一計測工程において最小領域となった振動レベル、および第二計測工程において最小領域となった振動レベルの差分を計算する振動レベル差計算工程と、振動レベル差計算工程における差分が、所定の閾値を下回った場合に異常と判定する判定工程と、を含むものである。
その結果、振動レベルのみで、水流による管路固有の振動、または機械等の連続振動源の有無によって誤判別が生じるおそれの少ない管路の異常を検知することができる。
また、所定の時間とは、1sec以上100sec以下の範囲であることが好ましい。所定の時間が長くなると、計測器を稼働させるための電源の消費が大きくなるし、短すぎると車の通行等による突発的なノイズあると、最小領域に混入してしまうおそれがある。
第2の発明にかかる管路の異常検知方法は、一局面にかかる管路の異常検知方法において、第一計測工程により計測された振動レベルを分割する第一分割工程と、第二計測工程により計測された振動レベルを分割する第二分割工程と、をさらに含み、振動レベル差計算工程は、第一分割工程において分割された複数の振動レベル内から最小領域となった振動レベルを1または所定個数、抽出する第一抽出工程と、第二分割工程において分割された複数の振動レベル内から最小領域となった振動レベルを1または所定個数、抽出する第二抽出工程と、を含み、振動レベル差計算工程は、第1抽出工程と第二抽出工程との振動レベルから差分を計算してもよい。
ここで、最小領域は、所定の時間で区切った場合、最小の振幅を示す領域を意味する。
第3の発明にかかる管路の異常検知方法は、一局面または第2の発明にかかる管路の異常検知方法において、第一計測工程、第二計測工程、振動レベル差計算工程および判定工程を複数回に亘って繰り返してもよい。
第4の発明にかかる管路の異常検知方法は、一局面、第2または第3の発明にかかる管路の異常検知方法において、所定の閾値は、0であってもよい。
他の局面にかかる管路の異常監視方法は、管路における複数箇所で振動を計測し、異常箇所を特定する管路の異常監視方法であって、第一の時間帯において振動レベルを所定時間に亘って計測する第一計測工程と、第一の時間帯よりも管路内の水圧が高い第二の時間帯において振動を所定時間に亘って計測する第二計測工程と、第一計測工程において最小領域となった振動レベル、および第二計測工程において最小領域となった振動レベルとの差分を計算する振動レベル差計算工程と、振動レベル差計算工程における差分が、所定の閾値を下回った場合に異常と判定する判定工程と、を含み、第一計測工程、第二計測工程、振動レベル差計算工程を複数日に亘って複数回繰り返し、判定工程は、振動レベル差計算工程における差分が、所定の閾値を1回または複数回において下回った場合に異常と判定するものである。
その結果、振動レベルのみで、水流による管路固有の振動、または機械等の連続振動源の有無によって誤判別が生じるおそれの少ない管路の異常を監視することができる。
第6の発明にかかる管路の異常監視方法は、第5の発明にかかる管路の異常監視方法において、第一計測工程により計測された振動レベルを分割する第一分割工程と、第二計測工程により計測された振動レベルを分割する第二分割工程と、をさらに含み、振動レベル差計算工程は、第一分割工程において分割された複数の振動レベル内から最小領域となった振動レベルを1または所定個数、抽出する第一抽出工程と、第二分割工程において分割された複数の振動レベル内から最小領域となった振動レベルを1または所定個数、抽出する第二抽出工程と、を含み、振動レベル差計算工程は、第1抽出工程と第二抽出工程との振動レベルから差分を計算してもよい。
第7の発明にかかる管路の異常監視方法は、他の局面または第6の発明にかかる管路の異常監視方法において、所定の閾値は、0であってもよい。
図1は、漏水位置特定方法の状況を説明するための模式図である。
図2は、振動センサを含む漏水位置検知装置の一例を示す模式図である。
図2の振動センサ200は、台座210、支柱220、薄膜電極230,240、リード線231,241、圧電素子250、錘260、発電装置261およびGPS装置262を含む。
演算装置300は、フィルターを生成する生成部310、および演算部320からなる。
また、圧電素子250の他端部で、かつ薄膜電極230上に錘260が載置されている。
リード線231,241から出力される電位差を、演算装置等の処理装置により振動波形として出力する。
なお、本実施の形態においては、リード線231,241を用いることとしているが、これに限定されず、演算装置300との間で送受信可能な機能部を設けてもよい。
と示すことができる。
本実施の形態に係る共振型の振動センサ200は、100Hzから500Hzまでの間に共振周波数foが4個存在するように形成している。その理由としては、管網110を伝わる異常音、特に漏水音は、可聴音が多く、中でも1000Hz未満が多いからである。
続いて、漏水位置特定方法について具体例を示しつつ説明する。
各振動センサ200に入力された波形のコヒーレンス関数を用いてフィルターを作成する。このフィルターを作成する際に、異常音発生位置の精度を高めるために後述する処理を行い、フィルターを作成し、当該フィルターを適用した後、相互相関関数から振動の伝達時間差Tdを求め、伝達時間差Tdと振動の伝搬速度Vとから異常音発生位置を特定する漏水位置特定方法である。
また、
N=D−2L・・・(4)
で示すことができる。
L=(D−V・Td)/2・・・(5)
と表すことができる。
以上のように距離Lを求めることができる。
以下、当該異常音の発生特定装置100を用いて管路の異常を判定するための手法について説明を行う。図3は、時間帯の異なる場合の漏水を説明するための模式図であり、図4は、演算装置300の動作の一例を示すフローチャートである。
すなわち、本実施の形態においては、菅網110の一の水圧の場合と、一の水圧と異なる他の水圧の場合と、で計測を行う。以下、菅網110の一の水圧の場合を第1の計測工程と呼び、一の水圧と異なる他の水圧の場合を第2の計測工程と呼ぶ。
まず、演算装置300は、振動センサ200から出力される電位差を振動波形として出力する。
振動センサ200は、検知した振動データを演算装置300に送信する(ステップS12)。
演算装置300は、20個の振動データの最小振幅の振動データAを選定する(ステップS14)。
次に、演算装置300は、所定の時間、例えば、夜間2時に演算装置300の指示に基づいて、振動センサ200は、菅網110の振動を所定時間計測し、振動データを得る(ステップS21)。本実施の形態においては、100秒間の振動データを計測する。
振動センサ200は、検知した振動データを演算装置300に送信する(ステップS22)。
演算装置300は、20個の振動データの最小振幅の振動データBを選定する(ステップS24)。すなわち、所定時間幅で分割したとき、振幅が最小になる領域(最小振幅)を選定する。
さらに、本実施の形態の第1および第2の計測工程においては、最小振幅の振動データを選定することとしているが、これに限定されず、車の通行等による突発的な振動の影響をなくすことができる振動データであればよい。
この場合、差分ABを算出することで、管網110の有する固有振動または周囲の機械等による連続振動源の影響を相殺することができる。
また、閾値は、ノイズ等の通常の外乱よりも小さく設定しているため、当該閾値の範囲に差分の結果が該当した場合、漏水が生じる箇所が存在すると特定することができる。
また、第1の計測工程と第2の計測工程とを各1回として異常検知してもよく、複数日に亘ってステップS11〜S34を繰り返して異常検知および異常監視を行ってもよい。
この場合、一日目の差分ABまたは二日目の差分ABを基準として閾値を設定することも可能であり、夜間に停止する機械振動がある場合には特に有効である。
続いて、第2の実施の形態について説明を行う。本実施の形態においては、第2の実施の形態が、第1の実施の形態と異なる点についてのみ説明を行う。
図5は、演算装置300の動作の他の例を示すフローチャートである。
図5に示すように、所定の時間、例えば、昼間14時に、演算装置300の指示に基づいて、振動センサ200が菅網110の振動を検知する。振動センサ200は、菅網110の振動を所定時間計測し、振動データを得る(ステップS11)。本実施の形態においては、100秒間の振動データを計測する。
振動センサ200は、検知した振動データを演算装置300に送信する(ステップS12)。
演算装置300は、20個の振動データの最小振幅から複数個、例えば、3個の振動データC1、C2、C3を選定する(ステップS14a)。
演算装置300は、3個の振動データC1、C2、C3の平均振動データCを算出する(ステップS15)。
演算装置300の指示に基づいて、振動センサ200は、夜間2時に、菅網110の振動を所定時間計測し、振動データを得る(ステップS21)。本実施の形態においては、100秒間の振動データを計測する。
振動センサ200は、検知した振動データを演算装置300に送信する(ステップS22)。
演算装置300は、100秒間の振動データを5秒毎に20分割し、20個の振動データを抽出する(ステップS23)。
また、演算装置300は、20個の振動データの最小振幅から複数個、例えば、3個の振動データD1、D2、D3を選定する(ステップS24a)。
演算装置300は、3個の振動データD1、D2、D3の平均振動データDを算出する(ステップS25)。
演算装置300は、平均振動データCと平均振動データDの差分CDを算出する(ステップS31)。
この場合、差分CDを算出することで、管網110の有する固有振動または周囲の機械等による連続振動源の影響を相殺することができる。
続いて、第3の実施の形態について説明を行う。本実施の形態においては、第3の実施の形態が、第1および第2の実施の形態と異なる点についてのみ説明を行う。第3の実施の形態は、複数日において管網110の異常検知または異常監視を行うものである。
図6および図7は、演算装置300の動作の一例を示すフローチャートである。
図6および図7に示すように、所定の時間、例えば、1日目の昼間14時に、演算装置300の指示に基づいて、振動センサ200が菅網110の振動を検知する。振動センサ200は、菅網110の振動を所定時間計測し、振動データを得る(ステップS11)。本実施の形態においては、100秒間の振動データを計測する。
振動センサ200は、検知した振動データを演算装置300に送信する(ステップS12)。
演算装置300は、20個の振動データの最小レベル、例えば、振動データEを選定する(ステップS14b)。
次に、演算装置300は、1日目の夜間2時に演算装置300の指示に基づいて、振動センサ200は、菅網110の振動を所定時間計測し、振動データを得る(ステップS21)。本実施の形態においては、100秒間の振動データを計測する。
振動センサ200は、検知した振動データを演算装置300に送信する(ステップS22)。
また、演算装置300は、20個の振動データの最小レベル、例えば、振動データFを選定する(ステップS24b)。
次いで、演算装置300は、閾値Hを設定する(ステップS32b)。ここで、演算装置300は、差分Gに計測誤差を付加したものを閾値Hとする。本実施の形態においては、計測誤差を3dBとする。
演算装置300は、所定の時間、例えば、2日目の昼間14時に、演算装置300の指示に基づいて、ステップS11、S12、S13を実施し、20個の振動データの最小レベル、例えば、振動データIを選定する(ステップS14c)。
演算装置300は、所定の時間、例えば、2日目の夜間2時に、演算装置300の指示に基づいて、ステップS21、S22、S23を実施し、20個の振動データの最小レベル、例えば、振動データJを選定する(ステップS24c)。
次に、演算装置300は、差分IJが閾値H以下であるか判定する(ステップS32c)。
閾値Hより大きい場合、演算装置300は、漏水であると判定する(ステップS33c)。
閾値H以下の場合、演算装置300は、漏水でないと判定する(ステップS34c)。
演算装置300は、n(nは、任意の正の整数)日目において、ステップS11、〜、S13、S14b、S21、〜、S23、S24b、S31、S32b、S14c、S24c、S31c〜、S34cを繰り返し、異常監視を行う。
第1の実施の形態に基づいて、閾値を以下の表1のように設定した。
測定結果を以下の表2に示す。
また、最小領域振動最大レベルは、表1および表2における振動データAの最大値、振動データBの最大値を示す。
したがって、閾値Hが18dB>差分AB10dBであるため、漏水が生じていると判定することができた。
第1の実施の形態に基づいて、閾値を以下の表3のように設定した。
上記の閾値Hを用いて実際に漏水を検出できるか実験した。測定結果を以下の表2に示す。
また、最小領域振動最大レベルは、表3および表4における振動データAの最大値、振動データBの最大値を示す。
したがって、閾値Hが3dB>差分AB−10dBであるため、漏水が生じていると判定することができた。
第1の実施の形態に基づいて、複数日の間、実施例1を繰り返した。
第N日は、差分ABが閾値Hを下回ったために、漏水が生じたと判定することができた。なお、上記実施例3においては、第N日において、下回ったために漏水と判定したが、これに限定されず、複数日、または連日において、差分ABが閾値Hより小さくなった場合に、漏水と判定してもよい。
その結果、振動レベルA,B,C,D1、D2,D3、E、Fから差分AB、CD、G、IJおよび閾値Hを用いることで、水流による管路固有の振動、または機械等の連続振動源の有無によって誤判別が生じるおそれの少ない管路の異常を検知することができる。
110 管網
200 振動センサ
300 演算装置
AB、CD、G、IJ 差分
H 閾値
Claims (7)
- 管路における複数箇所で振動を計測し、異常箇所を特定する管路の異常検知方法であって、
第一の時間帯において振動レベルを所定時間に亘って計測する第一計測工程と、
前記第一の時間帯よりも前記管路内の水圧が高い第二の時間帯において振動を所定時間に亘って計測する第二計測工程と、
前記第一計測工程において最小領域となった振動レベル、および前記第二計測工程において最小領域となった振動レベルの差分を計算する振動レベル差計算工程と、
前記振動レベル差計算工程における差分が、所定の閾値を下回った場合に異常と判定する判定工程と、を含む管路の異常検知方法。 - 前記第一計測工程により計測された振動レベルを分割する第一分割工程と、
前記第二計測工程により計測された振動レベルを分割する第二分割工程と、をさらに含み、
前記振動レベル差計算工程は、
前記第一分割工程において分割された複数の振動レベル内から最小領域となった振動レベルを1または所定個数、抽出する第一抽出工程と、
前記第二分割工程において分割された複数の振動レベル内から最小領域となった振動レベルを1または所定個数、抽出する第二抽出工程と、を含み、
前記振動レベル差計算工程は、前記第1抽出工程と前記第二抽出工程との振動レベルから差分を計算する、請求項1記載の管路の異常検知方法。 - 前記第一計測工程、前記第二計測工程、前記振動レベル差計算工程および前記判定工程を複数回に亘って繰り返す、請求項1または2記載の管路の異常検知方法。
- 前記所定の閾値は、0である、請求項1から3のいずれか1項に記載の管路の異常検知方法。
- 管路における複数箇所で振動を計測し、異常箇所を特定する管路の異常監視方法であって、
第一の時間帯において振動レベルを所定時間に亘って計測する第一計測工程と、
前記第一の時間帯よりも前記管路内の水圧が高い第二の時間帯において振動を所定時間に亘って計測する第二計測工程と、
前記第一計測工程において最小領域となった振動レベル、および前記第二計測工程において最小領域となった振動レベルの差分を計算する振動レベル差計算工程と、
前記振動レベル差計算工程における差分が、所定の閾値を下回った場合に異常と判定する判定工程と、を含み、
前記第一計測工程、前記第二計測工程、前記振動レベル差計算工程を複数日に亘って複数回繰り返し、
前記判定工程は、前記振動レベル差計算工程における差分が、所定の閾値を1回または複数回において下回った場合に異常と判定する、管路の異常監視方法。 - 前記第一計測工程により計測された振動レベルを分割する第一分割工程と、
前記第二計測工程により計測された振動レベルを分割する第二分割工程と、をさらに含み、
前記振動レベル差計算工程は、
前記第一分割工程において分割された複数の振動レベル内から最小領域となった振動レベルを1または所定個数、抽出する第一抽出工程と、
前記第二分割工程において分割された複数の振動レベル内から最小領域となった振動レベルを1または所定個数、抽出する第二抽出工程と、を含み、
前記振動レベル差計算工程は、前記第1抽出工程と前記第二抽出工程との振動レベルから差分を計算する、請求項5記載の管路の異常監視方法。 - 前記所定の閾値は、0である、請求項5または6記載の管路の異常監視方法。
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