JP2017181395A - 差圧測定方法及び差圧測定システム - Google Patents

差圧測定方法及び差圧測定システム Download PDF

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康文 ▲高▼橋
Yasufumi Takahashi
俊之 山路
Toshiyuki Yamaji
俊之 山路
林原 浩文
Hirofumi Hayashibara
浩文 林原
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Abstract

【課題】互いに隔離された区画間の差圧を精度のよく、且つ、リアルタイムに測定可能な差圧測定方法及び差圧測定システムを提供する。【解決手段】互いに隔離された複数の区画間の差圧を測定するための差圧測定方法に関する。複数の区画に設置された複数の圧力測定装置が有する複数の圧力センサの測定値を、無線ネットワークを介して取得し、特異な測定値を排除した残りに基づいて複数の圧力測定装置の測定結果を算出し、当該測定結果に基づいて複数の区画間の差圧を算出する。【選択図】図1

Description

本開示は、互いに隔離された複数の区画間の差圧を測定するための差圧測定方法及び差圧測定システムに関する。
例えば原子力発電プラントのような設備では、緊急時に周辺環境の影響に関わらず機能を維持すべき区画(対策所や制御室等)は、高い気密性を有することにより外部から隔離された区画に配置される。このような区画における気密性に関する評価は、例えば当該区画への空気流入率や、当該区画からの空気漏洩率の測定によって行われる他、互いに隣接する区画間における差圧が重要なパラメータとなっている。
このように隣接する区画間における差圧測定に関する技術として、例えば特許文献1がある。特許文献1では、測定対象がハウジング内に収容されたフィルタである点で異なっているものの、ハウジング内の仕切られた区画間に差圧センサが埋め込まれており、トランスミッタを利用した無線通信を用いて差圧センサの測定値を外部に送信して評価することが開示されている。
特開2013−139036号公報
上記特許文献1では、区画間を隔離する隔壁に差圧センサを埋め込むために貫通部が形成されている。このように本来貫通部を有さない隔壁に対して差圧センサを埋め込むために隔壁を打ち貫いて貫通部を形成することはコスト的に現実的でない。またこのような貫通部は、仮に差圧センサを埋め込むことで封止したとしても、少なからず隙間を生じる要因となり、区画間に少なからず空気の流入出を発生させる要因となる。特に高気密性を要求される区画間の差圧評価では、貫通部を形成することは評価精度の低下要因となるため好ましくない。
尚、隔壁に貫通部を形成することなく差圧測定を行うためには、例えば各区画に配置された圧力センサの測定値を無線通信で取得することは有効であるものの、各区画に配置された圧力センサ間の個体差による測定精度の低下が問題となる。このような個体差による影響を解消するためには、例えば校正処理を行うことが考えられるが、演算処理が複雑化すると校正管理負担や測定時間差が増大することによりリアルタイムな評価が難しくなってしまう。
本発明の少なくとも1実施形態は上述の事情を鑑みなされたものであり、互いに隔離された区画間の差圧を迅速且つ精度のよく測定可能な差圧測定方法及び差圧測定システムを提供することを目的とする。
(1)本発明の少なくとも1実施形態に係る差圧測定方法は上記課題を解決するために、互いに隔離された複数の区画間の差圧を測定するための差圧測定方法であって、前記複数の区画に、複数の圧力センサを有する複数の圧力測定装置をそれぞれ設置し、前記複数の圧力測定装置の各々から、無線ネットワークを介して前記複数の圧力センサの測定値を取得し、前記取得した測定値から特異な測定値を排除した残りに基づいて前記複数の圧力測定装置の測定結果を算出し、前記算出された前記複数の圧力測定装置の測定結果に基づいて前記複数の区画間の差圧を算出する。
上記(1)の方法によれば、互いに隔離された複数の区画にそれぞれ配置された圧力測定装置の測定結果を、無線ネットワークを介して取り扱うため、貫通部のように区画間で空気の流入出を伴うような構成を要さない。そのため、差圧測定のために隔壁に対して新たに貫通部を設ける必要がない。それに伴い、各区画の気密性を確保した状態で差圧測定ができ、精度のよい評価ができる。また各区画に配置された圧力測定装置は、それぞれ複数の圧力センサを有するため、これらの測定結果から特異なものを排除した残りに基づいて差圧を算出することで、信頼性の高いデータに基づいて精度のよい差圧評価ができる。このような測定結果の選定は比較的簡易な処理であるため、迅速な差圧測定が可能である。
(2)幾つかの実施形態では上記(1)の方法において、前記複数の圧力測定装置のうち1の圧力測定装置が有する前記複数の圧力センサの測定値間に差異がある場合、前記複数の圧力測定装置のうち他の圧力測定装置の測定結果に基づいて誤差要因を推定し、前記推定された誤差要因に基づいて前記1の圧力測定装置が有する前記複数の圧力センサの測定値から前記特異な測定値を排除する。
上記(2)の方法によれば、ある特定の圧力測定装置における特異な測定値を排除する際に、他の圧力測定装置の測定結果から推定される誤差要因(例えば静電気、電磁波、振動等)に基づいて特異な測定値の選定ができる。このような選定は、例えばある圧力測定装置が2個の圧力センサを有する場合のように統計的手法(例えば多数決方式)による優劣判定によって特異な測定値の選定が困難である場合においても有効である。
(3)幾つかの実施形態では上記(1)の方法において、前記複数の圧力測定装置が前記圧力センサをそれぞれ3個以上含む場合、前記複数の圧力センサの測定値から統計的処理により前記特異な測定値を特定する。
上記(3)の方法によれば、各圧力測定装置が3個以上の圧力センサを含む場合には統計的処理によって、各圧力センサの測定値のうち相対的に解離したものを特異な測定値として特定し、信頼性が低い測定値を排除できる。
補足して説明すると、各圧力測定装置が2個の圧力センサを有する場合には、仮に一方の圧力センサが何らかの要因で特異な結果を示していたとしても、他方と比較して優劣の判断ができないが、3個以上の圧力センサではこのような統計的処理による相対評価により優劣の判断が可能となる。
(4)幾つかの実施形態では上記(2)又は(3)の方法において、前記複数の圧力センサは、互いに異なる測定原理を有するセンサを含む。
上記(4)の方法では、例えば、静電容量式、振動式、歪みゲージ式等の原理が異なるセンサを含むことで、様々な測定条件下においても信頼性のある測定結果を得やすくなる。この場合、例えば、例えば、予め測定対象となる区画に存在する誤差要因を予め把握しておき、その誤差要因に対して影響を受けやすい圧力センサの測定値が優先的に特異な測定値として排除されるようにしてもよい。
(5)幾つかの実施形態では上記(1)から(4)のいずれか1方法において、前記複数の圧力測定装置の位置情報を取得し、前記取得された位置情報に基づいて前記圧力センサの測定値を補正し、前記補正された測定値に基づいて前記差圧を算出する。
上記(5)の方法では、各区画に配置される圧力測定装置の位置情報に基づいて圧力センサの測定値を補正することで、例えば測定点間の位置関係によって測定値を正規化処理することで、より詳細で有用な差圧評価が可能となる。また圧力測定装置が設置される測定点が多数にわたる場合や、圧力測定装置を区画内で移動しながら測定する場合には、測定データが膨大になることがあるため、位置情報と関連付けて管理することで、後のデータ利用の効率化な管理や利便性向上に貢献することもできる。
(6)幾つかの実施形態では上記(5)の方法において、前記位置情報に基づいて前記複数の圧力測定装置間に高低差がある場合に、前記測定結果を前記高低差に基づいて補正する。
上記(6)の方法では、圧力測定装置が設置される測定点間に高低差がある場合には、高低差に基づいて大気圧の影響を加味した補正を測定結果に対して実施することで、区画間の差圧の絶対値評価だけでなく、高低差のある区画間における空気の流入出可能性のような相対的評価も実施することが可能となる。
(7)本発明の少なくとも1実施形態に係る差圧測定システムは上記課題を解決するために、互いに隔離された複数の区画間の差圧を測定するための差圧測定システムであって、前記複数の区画にそれぞれ設置され、複数の圧力センサを有する複数の圧力測定装置と、前記複数の圧力測定装置と無線ネットワークを介して通信可能な解析装置と、を備え、前記解析装置は、前記無線ネットワークを介して前記複数の圧力測定装置の各々から前記複数の圧力センサの測定値を取得し、前記取得した測定値から特異な測定値を排除した残りに基づいて算出された測定結果から前記複数の区画間の差圧を算出する。
上記(7)の構成によれば、上述の(1)記載の差圧測定方法を好適に実施できる。
(8)幾つかの実施形態では上記(7)の構成において、前記複数の圧力測定装置は、前記圧力センサをそれぞれ3個以上含む。
上記(8)の構成によれば、各圧力測定装置が3個以上の圧力センサを含む場合には統計的処理によって、各圧力センサの測定値のうち相対的に解離したものを特異な測定値として特定し、信頼性が低い測定値を排除できる。
(9)幾つかの実施形態では上記(7)又は(8)の構成において、前記複数の圧力センサは、互いに異なる測定原理を有するセンサを含む。
上記(9)の構成によれば、例えば、静電容量式、振動式、歪みゲージ式等の原理が異なるセンサを含むことで、様々な測定条件下においても信頼性のある測定結果を得やすくなる。この場合、例えば、例えば、予め測定対象となる区画に存在する誤差要因を予め把握しておき、その誤差要因に対して影響を受けやすい圧力センサの測定値が優先的に特異な測定値として排除されるようにしてもよい。
(10)幾つかの実施形態では上記(7)から(9)のいずれか1構成において、前記複数の圧力測定装置の位置情報を検出する位置情報検出装置を更に備え、前記解析装置は、前記位置情報に基づいて前記圧力センサの測定結果を補正し、該補正された測定結果に基づいて前記差圧を算出する。
上記(10)の構成によれば、各区画に配置される圧力測定装置の位置情報に基づいて圧力センサの測定値を補正することで、例えば測定点間の位置関係によって測定値を正規化処理することで、より詳細で有用な差圧評価が可能となる。また圧力測定装置が設置される測定点が多数にわたる場合や、圧力測定装置を区画内で移動しながら測定する場合には、測定データが膨大になることがあるため、位置情報と関連付けて管理することで、後のデータ利用の効率化な管理や利便性向上に貢献することもできる。
本発明の少なくとも1実施形態によれば、互いに隔離された区画間の差圧を迅速且つ精度のよく測定可能な差圧測定方法及び差圧測定システムを提供できる。
第1実施形態に係る差圧測定システムを測定対象となるフィールドとともに示す模式図である。 図1の圧力測定装置及び解析装置の内部構成を機能的に示すブロック図である。 第1実施形態に係る差圧測定方法を工程ごとに示すフローチャートである。 図3のステップS14における排除処理の一実施例を示すフローチャートである。 図3のステップS14における排除処理の他の実施例を示すフローチャートである。 第2実施形態に係る差圧測定システムを測定対象となるフィールドとともに示す模式図である。 第2実施形態に係る差圧測定方法を工程ごとに示すフローチャートである。
以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
また例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一の構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
(第1実施形態)
まず本発明の第1実施形態に係る差圧測定方法を実施するために用いられる差圧測定システムの構成について説明する。図1は第1実施形態に係る差圧測定システム1を測定対象となるフィールドとともに示す模式図である。図2は図1の圧力測定装置6及び解析装置14の内部構成を機能的に示すブロック図である。
差圧測定システム1が設置されているフィールドは、互いに隔離された複数の区画2A〜2Dを有する(以下、複数の区画2A〜2Dを総称する場合には、「区画2」と称する)。これらの区画2は、隔壁4を介して互いに隔離されており、図1では特に、2階層にわたって構成されたレイアウト例が示されている(具体的に言えば、1階層には区画2A及び2Bが配置されており、2階層には区画2C及び2Dが配置されている)。
区画2間を隔離する隔壁4は、空気流路や信号ケーブルを通すための貫通部を有しておらず、各区画2が互いに気密になるように構成されている。本実施形態では特に、フィールドとして地盤上に建設された原子力発電プラント建屋が示されており、区画2には緊急事対策所、緊急事制御室或いは中央制御室のような、緊急時に周辺環境の影響に関わらず機能を維持すべき区画(対策所や制御室等)が含まれる。
尚、各区画2は不図示の加圧装置によって大気圧より高圧に設定されることにより、外部からの雰囲気流入を防止するように構成されていてもよい。
差圧測定システム1は、複数の区画2A〜2Dにそれぞれ設置された複数の圧力測定装置6A〜6Dを有する(以下、複数の圧力測定装置6A〜6Dを総称する場合には、「圧力測定装置6」と称する)。圧力測定装置6は、図2に示されるように、その内部に複数の圧力センサ8と、複数の圧力センサ8の測定値を無線ネットワーク10を介して、後述の解析装置14に送信するためのインターフェイスである通信装置12と、を備える。
圧力測定装置6は少なくとも2以上の圧力センサ8を有している。圧力センサ8は、例えば、静電容量式、振動式、歪みゲージ式等の各種方式のセンサを用いてよい。
尚、圧力センサ8の方式選択は任意であってよいが、例えば、測定対象である区画2の仕様が予め把握されている場合には、当該仕様に適した方式の圧力センサ8を選択してもよい。また複数の圧力センサ8に異なる方式のセンサが含まれるように選択することで、様々な測定条件下においてもいずれかのセンサにおいて信頼性のある測定結果を得やすくなるようにしてもよい。
圧力測定装置6は特に、3個以上の圧力センサ8を有していてもよい。この場合、後述するように、各圧力センサ8の測定値に基づいて特異な測定値を特定する際に、統計的処理に基づいて各測定値の信頼性の優劣を評価できることから有利である。
無線ネットワーク10は、無線通信を介して各種データを送受信可能なワイヤレスネットワークであり、例えば施設内で無線LANを形成するWLANや、BlueTooth(登録商標)のような周辺機器間の通信に適したWPANが用いられる。特に無線ネットワーク10としてWi−Fiネットワークを用いる場合には、後述する第2実施形態の位置情報検出装置20として使用されるインドアポジショニングシステム(IPS)と相性がよい点で好ましい。
差圧測定システム1は、複数の圧力測定装置6と無線ネットワーク10を介して通信可能な解析装置14を備える。解析装置14は、フィールドを構成する複数の区画2のいずれかに設置されるが、図1では特に、例示的に区画2Aに設置されている。解析装置14は、図2に示されるように、無線ネットワーク10を介して圧力測定装置6が有する複数の圧力センサ8の測定値を受信するための通信装置16と、通信装置16で受信した測定値に基づいて各圧力測定装置6の測定結果を求めるとともに該測定結果に基づいて差圧算出を行うための処理装置18と、を備える。
このように差圧測定システム1では、互いに隔離された複数の区画2にそれぞれ配置された圧力測定装置6と解析装置14との間が、無線ネットワーク10を介して通信可能に構成されているため、区画2間に空気流路や通信ケーブルを通すための貫通部を有することなく、差圧測定が可能になっている。そのため、差圧測定時に区画2間で空気の流入出を伴わず、各区画2の気密性を確保した状態で精度のよい差圧測定ができる。
続いて上記構成を有する差圧測定システム1によって実施される差圧測定方法について説明する。図3は、第1実施形態に係る差圧測定方法を工程ごとに示すフローチャートである。
まず差圧測定を行う作業者は、測定対象となる各区画2に圧力測定装置6をそれぞれ設置する(ステップS10)。これにより、圧力測定装置6は各区画2の任意の測定点に設置される。
続いて、ステップS10で設置された複数の圧力測定装置6を用いて圧力測定を実施する(ステップS11)。ここで各圧力測定装置6は、それぞれ複数の圧力センサ8を有するため、各測定点において複数の圧力センサ8による圧力測定が実施されることとなる。
各圧力測定装置6が有する複数の圧力センサ8における測定値は、それぞれ無線ネットワーク10を介して解析装置14にて送信される(ステップS12)。解析装置14では無線ネットワーク10から測定値を受信し(ステップS13)、該取得した測定値から特異な測定値を排除するための排除処理を実施する(ステップS14)。
ここでステップS14で実施される排除処理について、いくつかの実施例に基づいて、具体的に説明する。
図4は図3のステップS14における排除処理の一実施例を示すフローチャートである。この実施例では、まず処理装置18は、複数の圧力測定装置6のうち1の圧力測定装置(ここでは仮に「6A」とする)が有する複数の圧力センサ8の測定値を取得し(ステップS21)、取得した測定値間に差異が生じているか否かを判定する(ステップS22)。このような差異の有無判定は、例えば、測定値間の偏差が予め設定された所定閾値以上であるか否かに基づいて行われる。差異があると判定された場合(ステップS22:YES)、処理装置18は他の圧力測定装置6(ここでは仮に「6B」とする)の測定結果を参照し(ステップS23)、当該圧力測定装置6Aにおける誤差要因(静電気、電磁波、振動等)を推定する(ステップS24)。そして処理装置18は、当該推定された誤差要因に基づいて、圧力測定装置6Aが有する複数の圧力センサ8の測定値から特異な測定値を特定し、圧力測定装置6Aの測定結果の算出に用いられる測定値グループから排除する(ステップS25)。
尚、測定値間に差異がない場合(ステップS22:NO)、処理装置18は特異な測定値はないと判断し、排除処理を終了する。
このように図4の実施例に係る排除処理では、ある特定の圧力測定装置6Aにおける特異な測定値を排除する際に、他の圧力測定装置6Bの測定結果から推定される誤差要因に基づいて特異な測定値の選定がなされる。このような選定は、例えば各圧力測定装置6が2個の圧力センサ8を有する場合に、多数決方式による優劣判定によって特異な測定値の選定が困難である場合においても有効である。
また処理装置18は、ステップS24で推定された誤差要因に基づいて複数の測定値から最も誤差が少ない測定値を判別可能な場合には、当該測定値を圧力測定装置6の測定結果として採用してもよい。
続いて図5は図3のステップS4における排除処理の他の実施例を示すフローチャートである。この実施例は、複数の圧力測定装置6がそれぞれn(3以上の自然数)個以上の圧力センサ8を有する場合に適用できる。
まず処理装置18は、圧力測定装置6から無線ネットワーク10を介してn個の圧力センサ8の測定値P(1)、P(2)、・・・、P(n)を取得する(ステップS31)。処理装置18は、取得した計測値について統計化処理を実施することにより、特異な測定値を特定する(ステップS32)。具体的には、処理装置18はn個の測定値について平均値μ、及び、標準偏差σを次式
μ=[P(1)+P(2)+・・・+P(n)]/n (1)
σ=([(P(1)−μ)+(P(2)−μ)+・・・+(P(n)−μ)]/(n−1))1/2 (2)
から求め、平均値μ及び標準偏差σに基づく正規分布において、最も平均値から外れた測定値が(μ±mσ)の範囲を超えるか否かを判定する(mは要求精度に応じて1〜3の値を設定)。超えると判定された場合は、この測定値を除外した(n−1)個の測定値の集団について平均値と標準偏差を求め、(n−1)個の測定値の集団の中で最も平均値から外れた測定値を除外する。この判定を繰り返すことで、特定された特異な測定値は排除される(ステップS33)。
このように圧力測定装置6が3個以上の圧力センサ8を含む場合には、統計的処理に基づいて複数の圧力センサ8の測定値から特異な測定値を特定することで排除できる。
尚、図5では統計的処理として平均値及び標準偏差に基づいた算出例が示されているが、多数決方式によって特異な測定値を特定するようにしてもよい(例えば、複数の測定値のうち顕著に乖離した測定値を特異な測定値として特定してもよい)。
尚、圧力測定装置6が有する複数の圧力センサ8に、互いに異なる測定原理(例えば静電容量式、振動式、ひずみゲージ式等)を有するセンサが含まれている場合には、例えば、予め測定対象となる区画2に存在する誤差要因を予め把握しておき、その誤差要因に対して影響を受けやすい圧力センサ8の測定値が優先的に特異な測定値として排除されるようにしてもよい。
図3に戻って、このような排除処理によって特異な測定値が排除された残りの測定値に基づいて各圧力測定装置6の測定結果が求められる(ステップS15)。例えば、特異な測定値が排除された残りの測定値を平均化処理することにより、各圧力測定装置6の測定結果が決定される。
尚、ステップS15では、このような平均化処理に代えて、例えば残りの測定値のうち、最も測定値が近い2個の測定値を平均化することにより圧力測定装置6の測定結果を求めるようにしてもよい。
そしてステップS15で算出された各圧力測定装置6の測定結果に基づいて、区画2間の差圧が算出される(ステップS16)。このように算出された差圧は、所定の出力装置(例えばディスプレイ等)に出力され(ステップS17)、一連の差圧測定処理が終了する(エンド)。
以上説明したように上述の差圧測定方法によれば、互いに隔離された複数の区画2にそれぞれ配置された圧力測定装置6と解析装置14との間で、無線ネットワーク10を介して通信することで、区画2間の気密性を良好に保持した状態で差圧測定ができる。また各圧力測定装置6が有する複数の圧力センサ8の測定値から特異な測定値を排除することで、高精度な差圧算出ができる。このような演算は比較的簡易な処理であるため、迅速な差圧測定が可能となりリアルタイム評価に適している。
(第2実施形態)
続いて第2実施形態に係る差圧測定システム30について説明する。図6は第2実施形態に係る差圧測定システム30を測定対象となるフィールドとともに示す模式図である。差圧測定システム30は、上述の第1実施形態に係る差圧測定システム1(図1を参照)と比較して、各圧力測定装置6が設置されている測定点の位置情報を検出するための位置情報検出装置20を更に備える点で異なっている。
尚、以下の説明では上述の実施形態と対応する構成については共通の符号を付すこととし、特段の記載がない限りにおいて、重複する説明は適宜省略することとする。
本実施形態では、無線ネットワーク10として施設内の無線LANを構築するWi−Fiネットワークが用いられるとともに、各区画2に設置された圧力測定装置6には、位置検出のためのWi−Fiアクセスポイントが設けられることにより、インドアポジショニングシステム(IPS)が適用されている。位置情報検出装置20は、無線ネットワーク10を介して各圧力測定装置6にアクセスすることにより、各圧力測定装置6のフィールド内座標を位置情報として検出できるようになっている。位置情報検出装置20で検出された位置情報は、無線ネットワーク10を介して解析装置14に送信可能になっており、各種解析処理に用いられる。
続いて上記構成を有する差圧測定システムで実施される差圧測定方法について説明する。尚、本実施形態に係る差圧測定方法では、上記第1実施形態に係る差圧測定方法(図3を参照)を前提としつつ、以下の処理が実施されるようになっている。
尚、以下の説明では上記第1実施形態に係る差圧測定方法と対応する内容については共通のステップ符号を用いることとし、重複する説明は適宜省略することとする。
図7は第2実施形態に係る差圧測定方法を工程ごとに示すフローチャートである。
処理装置18は、位置情報検出装置20から位置情報を取得する(ステップS41)。そして処理装置18は取得した位置情報に基づいて、複数の圧力測定装置6の測定結果に対する補正処理の要否を判定する(ステップS42)。ここでステップS42における判定基準の一例としては、ステップS41で取得した位置情報に基づいて差圧測定対象となる圧力測定装置6の設置箇所間の高低差が所定閾値より大きい場合に、補正処理が必要であると判定する。この場合(ステップS42:YES)、処理装置18はステップS13で各圧力測定装置6から測定値を取得した際に、続くステップS14を実施する前に、高低差に基づいて圧力測定装置6の測定結果を補正し(ステップS43)、続くステップS15以降の処理では、補正後の測定結果に基づいて処理を進める。
ステップS43の補正処理について適用例に基づいて具体的に説明すると、例えば閾値より大きな高低差が存在する場合、圧力測定装置6の測定結果には大気圧の影響が含まれているため、このような大気圧の影響をキャンセルするような補正を行う。これにより、各区画2に配置された圧力測定装置6の測定結果から差圧の絶対値評価ができるだけでなく、高低差を考慮した区画2間における圧力差に基づく空気の流入出の可能性を評価することができる。
またステップS41で取得した位置情報は、ステップS13で取得する圧力センサ8の測定値や、ステップS15で決定された各圧力測定装置6の測定結果に関連付けてメモリやハードディスクのような記録媒体に記憶することにより、管理してもよい。特に圧力測定装置6が設置される測定点が多数にわたる場合や、圧力測定装置6を区画2内で移動しながら測定する場合には、測定データが膨大になることがあるため、位置情報と関連付けて管理することで、後のデータ利用の効率化な管理や利便性向上に貢献することができる。
本開示は、互いに隔離された複数の区画間の差圧を測定するための差圧測定方法及び差圧測定システムに利用可能である。
1 差圧測定システム
2 区画
4 隔壁
6 圧力測定装置
8 圧力センサ
10 無線ネットワーク
12 通信装置
14 解析装置
16 通信装置
18 処理装置
20 位置情報検出装置

Claims (10)

  1. 互いに隔離された複数の区画間の差圧を測定するための差圧測定方法であって、
    前記複数の区画に、複数の圧力センサを有する複数の圧力測定装置をそれぞれ設置し、
    前記複数の圧力測定装置の各々から、無線ネットワークを介して前記複数の圧力センサの測定値を取得し、
    前記取得した測定値から特異な測定値を排除した残りに基づいて前記複数の圧力測定装置の測定結果を算出し、
    前記算出された前記複数の圧力測定装置の測定結果に基づいて前記複数の区画間の差圧を算出することを特徴とする差圧測定方法。
  2. 前記複数の圧力測定装置のうち1の圧力測定装置が有する前記複数の圧力センサの測定値間に差異がある場合、前記複数の圧力測定装置のうち他の圧力測定装置の測定結果に基づいて誤差要因を推定し、
    前記推定された誤差要因に基づいて前記1の圧力測定装置が有する前記複数の圧力センサの測定値から前記特異な測定値を排除することを特徴とする請求項1に記載の差圧測定方法。
  3. 前記複数の圧力測定装置が前記圧力センサをそれぞれ3個以上含む場合、前記複数の圧力センサの測定値から統計的処理により前記特異な測定値を特定することを特徴とする請求項1に記載の差圧測定方法。
  4. 前記複数の圧力センサは、互いに異なる測定原理を有するセンサを含むことを特徴とする請求項2又は3に記載の差圧測定方法。
  5. 前記複数の圧力測定装置の位置情報を取得し、
    前記取得された位置情報に基づいて前記圧力センサの測定値を補正し、
    前記補正された測定値に基づいて前記差圧を算出することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の差圧測定方法。
  6. 前記位置情報に基づいて前記複数の圧力測定装置間に高低差がある場合に、前記測定結果を前記高低差に基づいて補正することを特徴とする請求項5に記載の差圧測定方法。
  7. 互いに隔離された複数の区画間の差圧を測定するための差圧測定システムであって、
    前記複数の区画にそれぞれ設置され、複数の圧力センサを有する複数の圧力測定装置と、
    前記複数の圧力測定装置と無線ネットワークを介して通信可能な解析装置と、
    を備え、
    前記解析装置は、 前記無線ネットワークを介して前記複数の圧力測定装置の各々から前記複数の圧力センサの測定値を取得し、前記取得した測定値から特異な測定値を排除した残りに基づいて算出された測定結果から前記複数の区画間の差圧を算出することを特徴とする差圧測定システム。
  8. 前記複数の圧力測定装置は、前記圧力センサをそれぞれ3個以上含むことを特徴とする請求項7に記載の差圧測定システム。
  9. 前記複数の圧力センサは、互いに異なる測定原理を有するセンサを含むことを特徴とする請求項7又は8に記載の差圧測定システム。
  10. 前記複数の圧力測定装置の位置情報を検出する位置情報検出装置を更に備え、
    前記解析装置は、前記位置情報に基づいて前記圧力センサの測定結果を補正し、該補正された測定結果に基づいて前記差圧を算出することを特徴とする請求項7から9のいずれか1項に記載の差圧測定システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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