JP7058428B1 - エアリーク検査方法及び装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】判定値が自動的に設定され、ユーザ側で判定値を設定する必要がないエアリーク検査方法及び装置を提供する。【解決手段】被検査体2のエアリークを検査して合否を判定するエアリーク検査方法において、複数の被検査体2のリークの有無を判断するステップと、リーク無しと判断した被検査体2のリーク流量を演算して記憶するステップと、直前の所定数のリーク流量Qの平均値を演算するステップと、被検査体2のリーク流量Qが平均値に基づく判定値内にあるときに合格と判定するステップと、を備える。平均値の演算に加えて、標準偏差σを演算し、リーク流量Qの判定値は、リーク流量Qが所定数に達するまでは、平均値の定数倍、リーク流量Qが所定数に達した後は、平均値+標準偏差σの定数倍とする。【選択図】図1

Description

本発明は、真空機器、加圧機器、密封機器等の被検査体のリークの有無を検査するエアリーク検査方法及び装置に関する。
従来、1×10-3Pa・m/sec程度までの漏れを検査可能なエアリークデテクタと、1×10-10Pa・m/sec程度までの小さな漏れを検査可能なリークデテクタとがある。特許文献1には、従来のエアリークデテクタと価格が同等以下で、扱いやすく、ヘリウムリークデテクタに近い精度で漏れを検査することができるエアリーク検査装置が本発明者により提案されている。
従来の検査装置では、被検査体が必要とする真空度に応じて、ユーザ側で判定値を設定する必要があった。しかし、温度、湿度等の次々変化する検査環境の雰囲気、被検査体に付着した油分、水分、被検査体に吸蔵したガス等の被検査体の状態等の外乱要因により、設定した判定値は必ずしも適正値ではなかった。また、判定値を固定する場合に、厳しい側に決めると偽リーク(疑リーク)が増え、緩い側に決めるとリークのすり抜けが増える、というジレンマに陥る。このジレンマは製造の検査工程全般の宿命的な問題であった。
特許第6228285号公報
本発明は、判定値が自動的に設定され、ユーザ側で判定値を設定する必要がないエアリーク検査方法及び装置を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明のエアリーク検査方法は、
(1)被検査体のエアリークを検査して合否を判定するエアリーク検査方法において、
複数の被検査体のリークの有無を判断するステップと、
リーク無しと判断した被検査体のリーク流量を演算し記憶するステップと、
前記リーク無しと判断した被検査体の直前の所定数のリーク流量の平均値と当該平均値に基づく判定値とを演算するステップと、
被検査体のリーク流量が前記平均値に基づく判定値未満であるときに合格と判定するステップと、
を備えることを特徴とする。
(2)前記平均値の演算に加えて、標準偏差σを演算し、
前記リーク流量の判定値は、リーク流量が所定数に達するまでは、平均値の定数倍、リーク流量が所定数に達した後は、平均値+標準偏差σの定数倍であることが好ましい。
(3)前記リーク流量が所定数に達する前に判定した被検査体に対して、前記判定値を用いて合否を再判定することが好ましい。
(4)前記平均値の演算に加え、前記リーク流量の前記平均値に対する乖離量を演算し、
前記判定値は、前記平均値と同数であり、
前記被検査体のリーク流量が前記判定値未満であるときに合格と判定し、
前記被検査体のリーク流量が前記判定値以上であって、前記乖離量が所定値未満であるときに合格と判定するようにしてもよい。
(5)同一の被検査体に対して検査を反復して行うステップを備えることが好ましい。
(6)被検査体を取り付けないで、又は被検査体とリーク検査装置との接続を断続する弁を閉じた状態で、前記リーク検査装置のエアリークの有無を判断するステップを備えることが好ましい。
(7)前記被検査体のリークの有無を判断するステップは、
被検査体に接続された排気管と、前記排気管より細い径を有する排気細管とで前記被検査体を排気し、
所定時間後に前記被検査体の圧力が第1閾値に到達した後、前記排気管による排気を停止して前記排気細管のみで排気し、
前記被検査体の圧力が前記第1閾値より大きい第2閾値を越えるとリーク有りと判断し、前記被検査体の圧力が前記第2閾値未満であるとリーク無しと判断する、
ことが好ましい。
(8)前記リークの有無の判断の第1閾値は、固定値を用い、
前記リークの有無の判断の第2閾値は、1個目又は2個目の被検査体に対しては固定値を用い、2個目又は3個目以降の被検査体に対しては、リーク流量から逆算した圧力値に基づいて設定することが好ましい。
(9)本発明のエアリーク検査装置は、
排気管と、
排気管の一端に設けられ、被検査体に接続されるワークポートを有する吸気弁と、
排気管の他端に設けられ、真空ポンプに接続される排気ポートを有する排気弁と、
前記排気管の中間に設けられた遮断弁と、
前記遮断弁より上流側の前記排気管に設けられ、上流側排気細管接続ポートを有する開閉弁と、
前記遮断弁より下流側の前記排気管に設けられた下流側排気細管接続ポートと、
前記排気管より細い径を有し、前記上流側排気細管接続ポートと前記下流側排気細管接続ポートとを接続する排気細管と、
前記遮断弁より上流側で前記排気管に接続され、前記被検査体内の圧力を検出する圧力検出手段と、
複数の被検査体のリークの有無を判断するステップと、
リーク無しと判断した被検査体のリーク流量を演算して記憶するステップと、
前記リーク無しと判断した被検査体の直前の所定数のリーク流量の平均値と当該平均値に基づく判定値とを演算するステップと、
被検査体のリーク流量が前記平均値に基づく判定値未満であるときに合格と判定するステップと、を実行する制御手段とを備えることを特徴とする。
(10)前記上流側排気細管接続ポートに前記排気細管を接続する方向と、前記下流側排気細管接続ポートに前記排気細管を接続する方向とが異なることが好ましい。
(11)前記排気細管は透明又は半透明であることが好ましい。
(12)前記排気ポートは、高真空用ポンプに接続される高真空用排気ポートと、低真空用ポンプに接続される低真空用排気ポートとを備えることが好ましい。
本発明によれば、リーク無しと判断した被検査体のリーク流量のうち、直前の所定数のリーク流量の平均値に基づく判定値が演算されるので、次々変化する検査環境や、リーク有りと判断した不良な被検査体の影響を受けない、最適な判定値が自動的に設定される。このため、ユーザ側で判定値を設定する必要がなくなり、最適な判定値により被検査体の検査の信頼性が高まる。また、被検査体の品番別に判定値を設定するという煩雑で膨大な作業も不要になり、量産化作業の大幅な削減にも寄与する。さらに、判定値を固定する場合に、厳しい側に決めると偽リーク(疑リーク)が増え、緩い側に決めるとリークのすり抜けが増える、というジレンマが無くなり、外乱要因の多い被検査体のリーク検査にきわめて有効であるという効果を有する。
本発明のエアリーク検査方法を実施する装置の系統図。 本発明のエアリーク検査装置の平面図(a)、断面図(b)及び斜視図(c)。 本発明のエアリーク検査方法のコースと工程を示す図。 エアリーク検査方法の動作を示すフローチャート。 図4に続くエアリーク検査方法の動作を示すフローチャート。 図5に続くエアリーク検査方法の動作を示すフローチャート。 図6に続くエアリーク検査方法の動作を示すフローチャート。 図7の変形例によるエアリーク検査方法の動作を示すフローチャート。 エアリーク検査装置内の各弁の開閉状態及び管内の流れを示す図。 図8に続くエアリーク検査装置内の各弁の開閉状態及び管内の流れを示す図。 図9に続くエアリーク検査装置内の各弁の開閉状態及び管内の流れを示す図。 低真空コースの低真空テスト工程と演算・判定工程の各弁の開閉状態及び管内の流れを示す図。
以下、本発明の実施形態を添付図面に従って説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るエアリーク検査方法を実施するエアリーク検査装置1
の構成を示す。エアリーク検査装置1は、被検査体2のエアリークを検査して合否を判定するもので、排気管3、排気細管4a、4b、圧力検出器5、温度検出器6、及び制御部7を備えている。
被検査体2は、エアリーク検査の検査対象である。本発明では、魔法瓶や真空ジャケット等の真空排気された空間を有する真空機器、圧力容器等の加圧空間を有する加圧機器、気密又は液密の密封部分を有する密封機器等、種々のものを検査対象とすることができる。図1は、真空排気される空間2aに連通するチップ管2bが接続された真空容器を示している。
排気管3は、ステンレス鋼管からなり、8~100mmの内径を有する。排気管3の内径は、被検査体2の排気容積に応じて選定すればよいが、排気容量が1リットルの場合には20~25mmである。排気管3は一端が被検査体2のチップ管2bに接続され、他端がロータリポンプ8a、分子ターボポンプ8bに接続されている。以下、これらのポンプ8a又は8bにより排気管3を介して被検査体2を排気する場合に、排気管4の排気方向の被検査体側を「上流側」、ポンプ側を「下流側」という。
排気管3の上流側端部は、2つに分岐され、一方には吸気弁VWが接続され、他方にはガス供給弁VGが接続されている。吸気弁VWは、被検査体2が接続されるワークポート9を有している。吸気弁VWとワークポート9の間から分岐する分岐管10には、開放弁VBが接続され、開放弁VBは、大気導入ポート11を有している。ガス供給弁VGは、例えば窒素(N)、炭酸ガス(CO)、アルゴン(Ar)等の清浄ガス源12が接続されるガス導入ポート13を有している。
排気管3の下流側端部は、2つに分岐され、一方には第1排気弁VRが接続され、他方には第2排気弁VMが接続されている。第1排気弁VRは、ロータリーポンプ8aが接続されるフランジ付き第1排気ポート14aを有している。第2排気弁VMは、分子ターボポンプ8bが接続されるフランジ付き第2排気ポート14bを有している。
排気管3の中間には遮断弁VTが設けられている。排気管3の遮断弁VTより上流側には、2つの分岐管15a、15bが設けられ、各分岐管15a、15bには、上流側排気細管第1接続ポート16aを有する第1開閉弁VF1、上流側排気細管第2接続ポート16bを有する第2開閉弁VF2が接続されている。排気管3の遮断弁VTより下流側には、下流側排気細管第1接続ポート16cと下流側排気細管第2接続ポート16dが設けられている。
遮断弁VTより上流側の排気管3の容積は遮断弁VTより下流側の排気管3の容積より小さくすることが好ましい。これにより、感度が向上するとともに、遮断弁VTより上流側の排気管3に導入する窒素ガスの容量を減少することができ、窒素ガスの使用量を削減することができる。
排気細管4a、4bは、上流側排気細管第1接続ポート16aと下流側排気細管第1接続ポート16cとの間に接続された第1排気細管4aと、上流側排気細管第2接続ポート16bと下流側排気細管第2接続ポート16dとの間に接続された第2排気細管4bとからなる。第1排気細管4aと第2排気細管4bは、シリコン樹脂、フッ素樹脂、ポリウレタン樹脂等からなる透明なチューブ、ステンレス鋼管または銅管からなり、排気管3よりも細く、1~6mmの内径を有する。但し、排気細管4a、4bからのHeの透過が問題になるレベルの検査を行う場合は、銅などの金属製が好ましい。
第1排気細管4aと第2排気細管4bは、同一の外径4.0mm、内径2.0mmを有するが、長さが異なる。実施例では、第1排気細管4aの長さは、324mm、第2排気細管4bの長さは、648mmであるが、これに限るものではない。第1排気細管4aと第2排気細管4bの長さを変えてコンダクタンスを異ならせることで、遮断弁VTを閉じてリークテストを開始するとき、第1排気細管4aと第2排気細管4bとを使用して排気することで、リークテストに要する時間を短縮することができる。
圧力検出器5は、排気管3の遮断弁VTより上流側に設けた圧力検出ポート17に接続されている。圧力検出器5として、ピラニ真空計、熱電対真空計等の真空計が用いられ、ピラニ真空計が好ましい。ピラニ真空計は、気体分子の衝突により熱を奪われた白金細線の抵抗値の変化から圧力を求めるものである。圧力検出器5は、排気管3内、すなわち、被検査体2の圧力(真空度)を検出して表示するとともに、後述する制御部7に検出圧力のデジタル値を出力する。
温度検出器6は、排気管3の遮断弁VTより上流側に設けた温度検出ポート18に接続されている。温度検出器6として、熱電対が用いられている。熱電対は、排気管3内の温度を検出して表示するとともに、後述する制御部7に検出温度のデジタル値を出力する。被検査体2に窒素ガスを導入して断熱圧縮させたときの排気管3の温度上昇を温度検出器6で検出し、この検出温度に相当する圧力変化に基づいてリーク判定結果を補正することができる。
制御部7は、シーケンス制御により、圧力検出器5、温度検出器6から出力される検出圧力、検出温度に基づいて、吸気弁VW、開放弁VB、ガス供給弁VG、第1排気弁VR、第2排気弁VM、遮断弁VT,第1開閉弁VF1、第2開閉弁VF2を開閉制御するとともに、被検査体2のリークの有無を判断して、表示部19にリークの有無を表示する。
表示部19には、準備中、準備完了、検査中をそれぞれ示す検査状態表示用ランプ20a、20b、20cと、NG1、NG2、NG3、OKをそれぞれ示す検査結果表示ランプ21a、21b、21c、21dが設けられている。
図2は、本発明のエアリーク検査装置1の外観を示す。エアリーク検査装置1の正面側には、ワークポート9、ガス導入ポート13、上流側排気細管第1接続ポート16a、上流側排気細管第2接続ポート16bが設けられ、背面側には、第1排気ポート14a、第2排気ポート14bが設けられるとともに、下流側排気細管第1接続ポート16cと下流側排気細管第2接続ポート16dが設けられ、左側面側には、温度検出ポート18、右側面側には、圧力検出ポート17が設けられている。
下流側排気細管第1接続ポート16cと下流側排気細管第2接続ポート16dは背面側で上方に開口し、上流側排気細管第1接続ポート16aと上流側排気細管第2接続ポート16bは正面側で手前方向に開口している。このため、上流側排気細管第1接続ポート16aと下流側排気細管第1接続ポート16cの間に接続される第1排気細管4aと、上流側排気細管第2接続ポート16bと下流側排気細管第2接続ポート16dの間に接続される第2排気細管4bの曲がりが多くなって、十分な長さを確保することができるとともに、上方から見やすい位置に配管することができる。このため、排気細管4a、4bの保守点検、交換作業が容易となる。
また、第1排気細管4a及び第2排気細管4bは、透明または半透明にすることで、排気細管4a、4bの汚れや詰まりを視認することができ、適切な時期に排気細管4a、4bの洗浄や交換を行うことができる。
さらに、排気ポート14a、14bは、低真空用ポンプであるロータリポンプ8aに接続される低真空用の第2排気ポート14aと、高真空用ポンプである分子ターボポンプ8bに接続される高真空用の第1排気ポート14bと、とを備えるので、ユーザは被検査体2が要求する真空度に応じて、高真空検査コースと、低真空検査コースのいずれでも選択して設定することができる。
次に、前記実施形態のエアリーク検査装置1によるエアリーク検査方法について説明する。
図3は、エアリーク検査工程の検査コース及び工程を示す。エアリーク検査装置1では、8つのコースを設定することができる。まず、高真空ポンプか低真空ポンプによって、高真空コースと低真空コースがある。また、高真空コースと低真空コースの各コースにおいて、断熱圧縮を真空排気の前後に行うコースA、a、断熱圧縮を真空排気の後に行うコースB、b、断熱圧縮を真空排気の前に行うコースC、c、断熱圧縮を行わないコースD、dの4つのコースがある。ユーザは、被検査体2が必要とする真空度に応じて、高真空コースが低真空コースを設定し、被検査体2の状態、検査環境の雰囲気等を考慮して、断熱圧縮を行うか否か、断熱圧縮を何時行うかによって、コースA~D、a~dのいずれかを設定することができる。エアリーク検査装置1の標準値(デフォルト値)としては、高真空ポンプを使用する高真空コースで、断熱圧縮を真空排気前に行うコースCが設定されているが、所望のコースに変更することができる。
本実施形態のエアリーク検査工程は、被検査体2に付着した水分や油分、被検査体2の壁面に吸蔵したガスの影響を排除するために、断熱圧縮の回数や時期を設定することができるようにしている。
断熱圧縮は、清浄ガス源12から排気管3を介して被検査体2に清浄ガスを導入する工程である。従来、真空ポンプにより被検査体を排気すると、断熱膨張により温度が低下し、その後に周囲の空気により加熱されて圧力が上昇していたが、一旦、被検査体2を100Pa以下に排気した後、100,000~110,000Paまで窒素(N)等の清浄ガスを導入することで、水、油、及び断熱膨張現象の影響を少なくできる。すなわち、清浄ガスの導入により、断熱圧縮を生じさせて被検査体2を加熱し、水、油を蒸発させて、排気する。
コースA、aは、断熱圧縮を2回行うもので、水分や油が多い被検出体のリークテストに適している。
コースB、bは、真空排気後に断熱圧縮を行うもので、断熱圧縮前に水分を蒸発させることができるので、水分が多い被検査体に適している。
コースC、cは、真空排気前に断熱圧縮を行うもので、窒素ガスの節約が望まれる場合に適している。
コースD、dは、断熱圧縮を行わないもので、水分や油を含まない被検出体のリークテストに適している。
本実施形態のエアリーク検査工程は、被検査体2の検査時間を短縮するために、複数の段階でリークの有無を判断している。
すなわち、本実施形態のエアリーク検査工程では、1回目の真空排気1工程、2回目の真空排気1工程、真空排気2工程、テスト工程(リークテスト1)、テスト工程(リークテスト2)、演算・判定工程の6段階でリークの有無を判定する。1回目の真空排気1工程、2回目の真空排気1工程及び真空排気2工程では、検出圧力が5Pa以上となる「漏れ大」の判定を行う。テスト工程(リークテスト1)とテスト工程(リークテスト2)では、検出圧力が5Pa以上となる「漏れ中」の判定を行う。演算・判定工程では、直近の所定数のリーク流量の平均値と標準偏差に基づいて、「漏れ小」か「合格」かの判定を行う。このように、「漏れ大」や「漏れ中」の被検査体2を検査工程の早い段階で発見して、検査から外すことで、検査時間を短縮することができる。
本実施形態のエアリーク検査方法は、特許第6228285号明細書に記載の排気細管を用いるエアリーク検査方法を利用している。このエアリーク検査方法は、従来のエアリークデテクタと価格が同等以下で、扱いやすく、ヘリウムリークデテクタに近い精度で漏れを検査することができ、水や油をヘリウムリークデテクタの精度維持のために必要なレベルまで十分に除去できていない被検査体でも精度が低下したり、故障することがないエアリーク検査方法を提供することを課題としたものである。
従来のエアリークデテクタは、加圧又は吸引後に直ぐに弁を閉じるので、断熱圧縮又は断熱膨張の影響により大きな漏れ以外は圧力の変化に現れず、隠れてしまう。そこで、本発明者は、排気経路を遮断せずに、排気速度を大流量から微小流量に切り換えることで、微小流量よりも大きいリーク流量(リーク)を検出できるとの知見に基づくものである。
本実施形態のエアリーク検査方法は、排気管3と排気細管4a、4bとで被検査体2の排気を行い、圧力検出器5の圧力が第1閾値に到達した後、遮断弁VTを閉じると、排気細管4a、4bのみで排気が継続される。排気細管4a、4bで排気される流量はそのコンダクタンスと排気細管4a、4bの両側の圧力とに依存する。被検査体2にリークがあり、そのリーク流量が排気細管4a、4bの排気速度より大きいと、排気管3の圧力が上昇する。リーク流量が小さいと、排気細管4a、4bから排気されるので、排気管3の圧力は上昇しない。圧力検出器5の圧力が第2閾値より大きいと、漏れ有り、第2閾値より小さいと漏れ無しと判断できる。
本実施形態のエアリーク検査方法によれば、排気管3より細い排気細管4a、4bによって被検査体2の小さなリーク流量を逃がし、大きなリーク流量による圧力の変化でリーク有りを検査でき、広範な産業分野における許容リーク流量を検査できるので、安価な真空ポンプを用いることができる。このため、従来のエアリークデテクタと価格が同等以下で、扱いやすく、ヘリウムリークデテクタに近い精度で漏れを検査することができ、微量の水や油の付着した被検査体2でも精度が低下したり、故障することがないという効果を有している。
ここで、排気細管4a、4bの径Dと長さLの選定方法について説明する。排気中に管内を気体が流れるときに排気抵抗が生じるが、管の流れやすさ示すために、排気抵抗の逆数をとってこれをコンダクタンスという。コンダクタンスをC[m/s]、配管両端の圧力をP[Pa],P[Pa]とすると、流量Q[Pa・m/s]は、次式で表される。
Q=C(P-P)・・(数1)
配管の気体の流れを粘性流領域とし、P=(P+P)/2[Pa]、配管の径(内径)をD[m]、配管の長さをL[m]とすると、細くて長い配管のコンダクタンスC[m/s]は、次式で表される(千田裕彦、「粘性流領域における真空排気の理論計算とその応用」、2010年1月・SEIテクニカルレビュー・第176号、2頁参照)。
C=1349DP/L・・(数2)
流量Qを被検査体2の許容できる流量とし、排気細管4a、4bの両端の圧力P1,P2を状況に応じて仮定し、排気細管4a、4bの径Dを固定すると、数1と数2から、排気細管4a、4bの長さLを決定できる。また、排気細管4a、4bの長さLを固定すると、排気細管4a、4bの径Dを決定できる。排気細管4a、4bの径D及び配管の長さLが固定している場合には、許容流量Qを決定できる。
例えば、排気細管4a、4bの両端の圧力P1,P2を、それぞれ、10Pa,1Paと仮定し、排気細管4a、4bとして、外径4mm、肉厚0.45mm、長さ50cmを使用すると、
P=(10+1)/2=5.5[Pa]
D=(4-0.45×2)×10-3=3.1×10-3[m]
L=0.5[m]
であるから、コンダクタンスC及び流量Qは、次の通りになる。
C=1349×(3.1×10-3)×5.5/0.5
=1.370×10-6[m/s]
Q=1.370×10-6×(10-1)
=12.33×10-6[Pa・m/s]
この場合、流量Q=12.33×10-6[Pa・m/s]を基準にして、リークの有無を検査できる。すなわち、本実施形態において、排気細管4a、4bの流量Qを超えるリーク流量があれば、排気細管4a、4bの被検査体2側の圧力P2の上昇(真空度の低下)がみられ、被検査体2にリーク(漏れ)があると判断できる。逆に、流量Q以下のリーク流量があれば、排気細管4a、4bを通って排気されるので、排気細管4a、4bの被検査体2側の圧力P2の上昇(真空度の低下)がなく、被検査体2にリーク(漏れ)が無いと判断できる。
具体的には、テスト工程において、遮断弁VTの遮断により排気管3による排気は停止するが、開閉弁VF1、VF2は開いているので、排気細管4a、4bによる排気は継続する。しかし、排気細管4a、4bの複合コンダクタンスは排気管3のコンダクタンスより小さいので、流量が制限される。遮断弁VTを閉じた時点で、被検査体2に全くリークが無ければ、排気細管4a、4b内は僅かに残る水や油の蒸発によるガスの流れのみとなり、圧力検出器5が検出する圧力は一定値を維持する。被検査体2にリークがあり、そのリーク流量が排気細管4a、4bの許容流量以下であれば、そのリーク流量は排気細管4a、4bを通ってポンプ8a、8bから排気されるので、圧力検出器5が検出する圧力の変化は小さい。また、被検査体2にリークがあり、そのリーク流量が排気細管5の許容流量以上であれば、そのリーク流量は排気細管4a、4bを通過しないため、被検査体2及び排気管3内の圧力の変化が大きくなる結果、圧力検出器5が検出する圧力は上昇する。
本実施形態のエアリーク検査方法は、テスト工程において、リーク無しと判断した被検査体2のリーク流量を演算して記憶し、演算・判定工程において、直前の所定数のリーク流量の平均値と標準偏差σを演算し、被検査体2のリーク流量が前記平均値と標準偏差σに基づく判定値内にあるときに合格と判定する。
すなわち、最初の被検査体2から順にリークテストを行い、リーク無しと判断した被検査体2が所定数(実施例では10)となり、次にリーク無しと判断した被検査体2の演算・判定工程において、直前の10のリーク流量の平均値と標準偏差σに基づく判定値によって、合否を判定する。
本実施形態のエアリーク検査方法によれば、リーク無しと判断した被検査体2のリーク流量のうち、直前の所定数のリーク流量の平均値と標準偏差σに基づく判定値が演算されるので、次々変化する検査環境や、リーク有りと判断した不良な被検査体2の影響を受けない、最適な判定値が自動的に設定される。このため、ユーザ側で判定値を設定する必要がなくなり、最適な判定値により被検査体2の検査の信頼性が高まる。
なお、この演算・判定工程における方法は、排気細管を用いるエアリー検査方法に適しているが、排気細管を用いない従来のエアリークテスタにも適用することができる。
以下のエアリーク検査方法の実施形態は、高真空コースで、断熱圧縮を真空排気の前後に行うコースAについて、図4~7及び図8~11を参照して説明する。なお、図8~11において、ハッチングを附した弁は、当該弁が閉じていることを示し、ハッチングを附さない弁は、当該弁が開いていることを示す。
準備工程において、ステップ1では、図示しない準備スイッチがオンされると、ステップ2で、図8(a)に示すように、第1開閉弁VF1、第2開閉弁VF2、遮断弁VT、第1排気弁VRを開いて、ロータリポンプ8aにより排気管3内を排気する。ここで、開放弁VBは開いておき、表示部19に、準備中のランプ20aを点灯する。
ステップ3で、圧力検出器5の検出圧力P1が10Pa未満であるか否かを判断し、検出圧力P1が10Pa未満でなければ、排気を継続し、検出圧力P1が10Pa未満であれば、表示部19に、準備完了のランプ20bを点灯し、ワーク取付工程に移行する。
ワーク取付工程では、ステップ4で、被検査体2が取付けられ、ステップ5で図示しない始動スイッチがオンされると、断熱圧縮1工程に進む。
断熱圧縮1工程では、ステップ6で、図8(b)に示すように、開放弁VBを閉じ、第1開閉弁VF1、第2開閉弁VF2、遮断弁VTを閉じ、第1排気弁VRを開いたまま、吸気弁VW、ガス供給弁VGを開いて、排気管3内及び被検査体2にN2ガスを導入する。表示部19に、検査中のランプ20cを点灯する。ステップ7で、圧力検出器5の検出圧力P1が11万Pa以上であるか否かを判断し、検出圧力P1が11万Pa以上でなければ、N2ガスの導入を継続し、検出圧力P1が11万Pa以上であれば、ステップ8で、ガス供給弁VGを閉じ、排気管3内及び被検査体2の内部を断熱圧縮状態に置く。ステップ9で、検出圧力P1が11万Pa以上になってから2秒経過すれば、真空排気1工程に進む。
真空排気1工程では、ステップ10で、図8(c)に示すように、ガス供給弁VGを閉じたまま、吸気弁VW、第1開閉弁VF1、第2開閉弁VF2、遮断弁VT、第1排気弁VRを開いて、ロータリポンプ8aにより、排気管3及び第1排気細管4a、第2排気細管4bを介して、被検査体2を真空排気する。ステップ11で、真空排気開始から10秒経過した否か判断し、10秒経過していなければ、真空排気を継続する。10秒経過すれば、ステップ12で、圧力検出器5の検出圧力P1が5Pa未満であるか否かを判断し、検出圧力P1が5Pa未満でなければ、表示部19に「漏れ大」のNG1ランプ21aを点灯し、ステップ1に戻って、次の被検査体2の検査を開始する。検出圧力P1が5Pa未満であれば、次の断熱圧縮2工程に進む。
断熱圧縮2工程では、ステップ13で、図9(a)に示すように、第1開閉弁VF1、第2開閉弁VF2、遮断弁VTを閉じ、第1排気弁VRを開いたまま、吸気弁VW、ガス供給弁VGを開いて、排気管3内及び被検査体2にN2ガスを導入する。表示部19に、検査中のランプ20cを点灯する。ステップ14で、圧力検出器5の検出圧力P1が11万Pa以上であるか否かを判断し、検出圧力P1が11万Pa以上でなければ、N2ガスの導入を継続し、検出圧力P1が11万Pa以上であれば、ステップ15で、ガス供給弁VGを閉じ、排気管3内及び被検査体2の内部を断熱圧縮状態に置く。ステップ16で、検出圧力P1が11万Pa以上になってから2秒経過すれば、真空排気1工程に進む。
真空排気1工程では、ステップ17で、図9(b)に示すように、ガス供給弁VGを閉じたまま、吸気弁VW、第1開閉弁VF1、第2開閉弁VF2、遮断弁VT、第1排気弁VRを開いて、ロータリポンプ8aにより、排気管3及び第1排気細管4a、第2排気細管4bを介して、被検査体2を真空排気する。ステップ18で、真空排気開始から10秒経過した否か判断し、10秒経過していなければ、真空排気を継続する。10秒経過すれば、ステップ19で、圧力検出器5の検出圧力P1が5Pa未満であるか否かを判断し、検出圧力P1が5Pa未満でなければ、表示部19に「漏れ大」のNG1ランプを点灯し、ステップ1に戻って、次の被検査体2の検査を開始する。検出圧力P1が5Pa未満であれば、次の真空排気2工程に進む。
真空排気2工程では、ステップ20で、図9(c)に示すように、ガス供給弁VGを閉じたまま、第1排気弁VRを閉じ、吸気弁VW、第1開閉弁VF1、第2開閉弁VF2、遮断弁VT、第2排気弁VMを開いて、分子ターボポンプ8bにより、排気管3及び第1排気細管4a、第2排気細管4bを介して、被検査体2を真空排気する。ステップ21で、真空排気開始から10秒経過した否か判断し、10秒経過していなければ、真空排気を継続する。10秒経過すれば、ステップ22で、圧力検出器5の検出圧力P1が第1閾値(Ps1)である2E-2Pa未満であるか否かを判断し、検出圧力P1が2E-2Pa未満でなければ、表示部19に「漏れ大」のNG1ランプを点灯し、ステップ1に戻って、次の被検査体2の検査を開始する。検出圧力P1が2E-2Pa未満であれば、次の高真空テスト工程に進む。
高真空テスト工程では、ステップ23で、所定時間待機し、ステップ24で、図10(a)に示すように、吸気弁VWを開き、供給弁VGを閉じ、第1開閉弁VF1と第2開閉弁VF2を開き、第1排気弁VRを閉じ、第2排気弁VMを開いたまま、遮断弁VTを閉じて、ステップ25でリークテスト1を行う。ステップ26で、リークテスト1開始から10秒経過した否か判断し、10秒経過していなければ、リークテスト1を継続する。10秒経過すれば、ステップ27で、圧力検出器5の検出圧力P1を第2A閾値Ps2Aと比較する。ここで、第2A閾値Ps2Aは、被検査体2が最初の1個目(N=1)及び2個目(N=2)の場合は、仮値として、Ps2A=5Paとし、被検査体2が3個目以降(N>2)の場合は、テスト済の被検査体2のリーク流量Qから演算で求めた後述する第2B閾値Ps2Bの90%、すなわち、Ps2A=0.9Ps2Bとする。このように、1個目及び2個目の被検査体2に対しては仮値の5Paを使用し、3個目の被検査体2に対してはテスト済の被検査体2の検査圧力P1に基づいて自動的に閾値を設定する。ここで、第2A閾値Ps2Aとして、2個目まで仮値を用いるのは、検査圧力P1の測定回数が2個以上でないとPs2Bが使えないからである。検出圧力P1がPs2A未満であるか否かを判断し、検出圧力P1がPs2A未満でなければ、表示部19に「漏れ中」のNG2ランプ20bを点灯し、ステップ1に戻って、次の被検査体2の検査を開始する。検出圧力P1がPs2A未満であれば、ステップ28のリークテスト2に進む。
リークテスト2では、図10(b)に示すように、第1開閉弁VF1を閉じ、リークテスト2を行う。ステップ29で、リークテスト2開始から10秒経過したか否か判断し、10秒経過していなければ、リークテスト2を継続する。10秒経過すれば、ステップ30で、圧力検出器5の検出圧力P1を第2B閾値Ps2Bと比較する。ここで、第2B閾値Ps2Bは、被検査体2が最初の1個目(N=1)の場合は、仮値として、Ps2B=5Paとし、被検査体が2個目以降(N>1)の場合は、テスト済の被検査体2のリーク流量Qから演算で求めたP1の平均値P1mの2倍、すなわち、Ps2B=2xP1mとする。このように、1個目の被検査体2に対しては仮値の5Paを使用し、2個目の被検査体2に対してはテスト済の被検査体2のリーク流量Qから求めたP1に基づいて自動的に閾値を設定する。検出圧力P1がPs2B未満であるか否かを判断し、検出圧力P1がPs2B未満でなければ、表示部19に「漏れ中」のNG2ランプ20bを点灯し、ステップ1に戻って、次の被検査体2の検査を開始する。検出圧力P1がPs2B未満であれば、ステップ31で、リーク流量Qを演算し、ステップ32でリーク流量Qを制御装置7の図示しないメモリに記憶する。
リーク流量Qは、リーク流量Qの演算値(Pa・m/s)で、前述した式、Q=C(P-P)によって求めることができる。
ステップ33で、図10(c)に示すように、吸気弁VW、ガス供給弁VGを閉じ、第1開閉弁VF1、第2開閉弁VF2、遮断弁VTを開き、排気弁VR,排気弁VMを閉じ、開放弁VBを開いて、被検査体2を大気に開放し、次の演算/判定工程に進む。
演算/判定工程では、ステップ34で、直前の所定数以内(実施例では10)のリーク流量Qの平均値と標準偏差σを演算し、ステップ35で、リーク流量Qを判定値Qjと比較する。ここで、判定値Qjは、リーク流量Qが所定数(実施例では10)記憶されるまでは、リーク流量Qの平均値の定数倍(実施例では2倍であるが、これに限るものではなく、1.2倍にすることもできる。)とし、リーク流量Qが所定数(実施例では10)以上記憶された後は、直前の所定数のリーク流量Qの平均値+標準偏差σの定数倍(実施例では3σであるが、これに限るものではない。)とする。リーク流量Qが、Qj未満でなければ、表示部19に「漏れ小」のNG3ランプ21cを点灯し、ステップ1に戻って、次の被検査体2の検査を開始する。リーク流量QがQj未満であれば、ステップ36で、表示部19に「合格」のOKランプ21dを点灯し、ステップ1に戻って、次の被検査体2の検査を開始する。
前記実施形態では、リーク流量Qの判定値として、リーク流量Qの平均値の定数倍、又は直前の所定数のリーク流量Qの平均値+標準偏差σの定数倍としたが、プラス乖離率を考慮することもできる。図7Aは、このプラス乖離率を考慮した演算判定処理を示す。
図7Aにおいて、ステップ34の演算処理で、リーク流量Qの平均値(「移動平均」ともいう。)の演算に加えて、リーク流量Qの平均値に対する乖離量Dを演算する。ステップ35では、リーク流量Qを判定値Qjと比較する、ここで、判定値Qjは平均値と同数である(Qj=平均値)。ステップ35で、リーク流量Qが判定値Qj(平均値)未満であれば、合格とし、ステップ37に移行する。ステップ35で、リーク流量Qが判定値Qj(平均値)以上であれば、ステップ36で、乖離率Dと判定値Djと比較する。ここで、判定値Djは、例えば、Dj=(リーク流量Qの直前N個の上限値-移動平均)×常数で設定することができる。ステップ36で、乖離率Dが判定値Dj以上であれば、不合格とし、ステップ36-1で、表示部19に「漏れ小」のNG3ランプ21cを点灯し、ステップ1に戻って、次の被検査体2の検査を開始する。ステップ36で、乖離率Dが判定値Dj未満であれば、合格とし、ステップ37に移行する。ステップ37では、表示部19に「合格」のOKランプ21dを点灯し、ステップ1に戻って、次の被検査体2の検査を開始する。
図11は、低真空コースの低真空テスト工程と演算・判定コースを示すが、真空ポンプとしてロータリポンプを使用する以外は、実質的に低真空コースと同様であるので、説明を省略する。
前記実施形態のエアリーク検査方法によれば、リーク無しと判断した被検査体2のリーク流量のうち、直前の所定数のリーク流量の平均値と標準偏差σに基づく判定値が演算されるので、次々変化する検査環境や、リーク有りと判断した不良な被検査体2の影響を受けない、最適な判定値が自動的に設定される。このため、ユーザ側で判定値を設定する必要がなくなり、最適な判定値により被検査体2の検査の信頼性が高まり、判定値を不当に厳しくしたり、緩めたりする必要がなくなる。
前記実施形態において、所定数(実施例では10)のリーク流量に達する前にリーク無しと判断した被検査体2、すなわち、NG1、NG2、又はNG3と判断した被検査体2に対して、11のリーク流量を用いて演算した判定値を用いて、合否を再判定することができる。これにより、検査の初期に不合格となった被検査体2でも、合格となる可能性があるので、疑不良品の数を低減することができるだけでなく、すり抜けも減少することができる。
前記実施形態において、漏れがない被検査体2でも、被検査体2又は検査装置1自身の汚れにより検査中の発生するガスによって漏れ有りと判断される恐れがある。そこで、同一の被検査体2に対して検査を反復して行うステップを備えることで、被検査体2又は検査装置1自身の汚れが1回目の検査で除去され、2回目の検査では被検査体2又は検査装置1自身の汚れの影響がなくなり、合格となる可能性があるので、不良品の数を低減することができる。
被検査体2を取り付けないで、又は被検査体2とリーク検査装置1との接続を断続する吸気弁VWを閉じた状態で、前記実施形態のいずれかのコースの検査工程を実施して、リーク検査装置1自体のエアリークの有無を判断するステップを備えてもよい。これにより、リーク検査装置1自身のリークの影響がなくなり、被検査体2が合格となる可能性が増加し、不良品の数を低減することができる。また、検査の途中で生じた接続部の緩みによるリークをタイムリーに発見することにも寄与する。
本発明は、以上に実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で変更することができきる。
例えば、遮断弁VTより上流側の排気管に放熱フィンを備えることにより、被検査体2に窒素ガスを導入して断熱圧縮させたときの排気管3の温度上昇と圧力の増加を防止することができる。
1…エアリーク検査装置
2…被検査体
3…排気管
4a、4b…排気細管
5…圧力検出器
6…温度検出器
7…制御部
8a…ロータリポンプ
8b…分子ターボポンプ
9…ワークポート
10…分岐管
11…大気導入ポート
12…清浄ガス源
13…ガス導入ポート
14a…第1排気ポート
14b…第2排気ポート
15a、15b…分岐管
16a…上流側排気細管第1接続ポート
16b…上流側排気細管第2接続ポート
16c…下流側排気細管第1接続ポート
16d…下流側排気細管第2接続ポート
17…圧力検出ポート
18…温度検出ポート
19…表示部
20a、20b、20c…検査状態表示ランプ
21a、21b、21c、21d…検査結果表示ランプ
VB…開放弁
VG…ガス導入弁
VW…吸気弁
VF1…第1開閉弁
VF2…第2開閉弁
VT…遮断弁
VR…第1排気弁
VM…第2排気弁


Claims (12)

  1. 被検査体のエアリークを検査して合否を判定するエアリーク検査方法において、
    複数の被検査体のリークの有無を判断するステップと、
    リーク無しと判断した被検査体のリーク流量を演算して記憶するステップと、
    前記リーク無しと判断した被検査体の直前の所定数のリーク流量の平均値と当該平均値に基づく判定値とを演算するステップと、
    被検査体のリーク流量が前記平均値に基づく判定値未満であるときに合格と判定するステップと、を備えることを特徴とするエアリーク検査方法。
  2. 前記平均値の演算に加えて、標準偏差σを演算し、
    前記リーク流量の判定値は、リーク流量が所定数に達するまでは、平均値の定数倍、リーク流量が所定数に達した後は、平均値+標準偏差σの定数倍であることを特徴とする請求項1に記載のエアリーク検査方法。
  3. 前記平均値の演算に加えて、前記リーク流量の前記平均値に対する乖離量を演算し、
    前記判定値は、前記平均値と同数であり、
    前記被検査体のリーク流量が前記判定値未満であるときに合格と判定し、
    前記被検査体のリーク流量が前記判定値以上であって、前記乖離量が所定値未満であるときに合格と判定することを特徴とする請求項1に記載のエアリーク検査方法。
  4. 前記リーク流量が所定数に達する前に判定した被検査体に対して、前記判定値を用いて合否を再判定することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のエアリーク検査方法。
  5. 同一の被検査体に対して検査を反復して行うステップを備えることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のエアリーク検査方法。
  6. 被検査体を取り付けないで、又は被検査体とリーク検査装置との接続を断続する弁を閉じた状態で、前記リーク検査装置のエアリークの有無を判断するステップを備える請求項1から5のいずれかに記載のエアリーク検査方法。
  7. 前記被検査体のリークの有無を判断するステップは、
    被検査体に接続された排気管と、前記排気管より細い径を有する排気細管とで前記被検査体を排気し、
    所定時間後に前記被検査体の圧力が第1閾値に到達した後、前記排気管による排気を停止して前記排気細管のみで排気し、
    前記被検査体の圧力が前記第1閾値より大きい第2閾値を越えるとリーク有りと判断し、前記被検査体の圧力が前記第2閾値未満であるとリーク無しと判断する、
    ことを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のエアリーク検査方法。
  8. 前記リークの有無の判断の第1閾値は、固定値を用い、
    前記リークの有無の判断の第2閾値は、1個目又は2個目の被検査体に対しては固定値を用い、2個目又は3個目以降の被検査体に対しては、リーク流量から逆算した圧力値に基づいて設定することを特徴とする請求項7に記載のエアリーク検査方法。
  9. 排気管と、
    排気管の一端に設けられ、被検査体に接続されるワークポートを有する吸気弁と、
    排気管の他端に設けられ、真空ポンプに接続される排気ポートを有する排気弁と、
    前記排気管の中間に設けられた遮断弁と、
    前記遮断弁より上流側の前記排気管に設けられ、上流側排気細管接続ポートを有する開閉弁と、
    前記遮断弁より下流側の前記排気管に設けられた下流側排気細管接続ポートと、
    前記排気管より細い径を有し、前記上流側排気細管接続ポートと前記下流側排気細管接続ポートとを接続する排気細管と、
    前記遮断弁より上流側で前記排気管に接続され、前記被検査体内の圧力を検出する圧力検出手段と、
    複数の被検査体のリークの有無を判断するステップと、
    リーク無しと判断した被検査体のリーク流量を演算して記憶するステップと、
    前記リーク無しと判断した被検査体の直前の所定数のリーク流量の平均値と当該平均値に基づく判定値とを演算するステップと、
    被検査体のリーク流量が前記平均値に基づく判定値未満であるときに合格と判定するステップと、を実行する制御手段とを備えることを特徴とするエアリーク検査装置。
  10. 前記上流側排気細管接続ポートに前記排気細管を接続する方向と、前記下流側排気細管接続ポートに前記排気細管を接続する方向とが異なることを特徴とする請求項9に記載のエアリーク検査装置。
  11. 前記排気細管は透明又は半透明であることを特徴とする請求項9又は10に記載のエアリーク検査装置。
  12. 前記排気ポートは、高真空用ポンプに接続される高真空用排気ポートと、低真空用ポンプに接続される低真空用排気ポートとを備えることを特徴とする請求項9から11のいずれかに記載のエアリーク検査装置。
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