JP2024018441A - 狭小口を有する密閉容器に対する漏れ検査方法及びそれを実施する漏れ検査装置 - Google Patents

狭小口を有する密閉容器に対する漏れ検査方法及びそれを実施する漏れ検査装置 Download PDF

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【課題】狭小口を有する密閉容器の内部を真空とし且つその外側を探査ガスで置換・加圧して漏れ検査を行う真空外覆法において密閉容器の内部から漏れ出る探査ガスの漏れ流量を短時間で正確に検出することが可能な漏れ検査方法及び漏れ検査装置を提供する。【解決手段】被試験体10の狭小口部10aとシール治具11から成る狭小部12において、先ず粗引き弁2aを開とし第2配管2を介して第1真空ポンプ30によって狭小部12の上流側と下流側の内部圧力を大気圧の1/10未満の低真空に到達するまで粗引き真空排気し、次に粗引き弁2aを閉じタンク弁3aを開として真空タンク50によって狭小部12の上流側の内部圧力は低真空に維持したまま、狭小部12の下流側の内部圧力は大気圧の1/1000未満の中真空以下になるように、排気ガスを膨張させながら狭小部12の下流側を真空排気する。【選択図】図1

Description

本発明は、狭小口を有する密閉容器の内部を真空とし且つその外側を探査ガスで置換・加圧して漏れ検査を行う真空外覆法において密閉容器の内部から漏れ出る探査ガスの漏れ流量を短時間で正確に検出することができる漏れ検査方法及びそれを実施する漏れ検査装置に関する。
比較的狭小口を持つ真空断熱製品や電子管などの真空封止製品、電子デバイス用パッケージ、そして液晶セルや電池セルなどの各種容器では、大気圧環境下での製品外側から製品内側への漏れ検査が必要である。
一般的に、真空封止製品や各種容器(以下「密閉容器」ともいう。)に対する漏れ検査は、いわゆる浸漬法によって行われる。「浸漬法」とは、封止後に被試験体を加圧タンク内に入れて探査ガスで一定時間加圧放置した後、それを取り出し、真空チャンバー内で被試験体の外側を真空排気して、被試験体から漏れ出る探査ガスを検出する漏れ検査方法である。しかし、浸漬法は漏れ流量検出範囲が狭いことから、漏れを検出しにくいという欠点を有している。そのため封止前の漏れ検査が別途要請されている。封止前の漏れ検査は以下のように行われる。
図11は、封止前の漏れ検査を行う従来の漏れ検査装置を示す説明図である。なお、探査ガスはヘリウムである。先ず(1)粗引弁を開き真空ポンプにより被試験体の内部及び第1配管と第2配管を真空排気する。この時、被試験体用外覆容器の内部も真空排気ラインにより真空排気を行う。 続けて(2)真空計が所望の圧力(例50Pa)以下となった時、粗引弁を閉じテスト弁を開けて、探査ガス検出器(Heリークディテクタ)により漏れシグナルの検出を開始する。この時、探査ガスは導入されていないことから、漏れ無し測定となる。 その後、(3)被試験体用外覆容器の真空排気を終了し、探査ガス加圧ラインから探査ガス(ヘリウムガス)を加圧導入する。 漏れがある場合は、その漏れはHeリークディテクタによりヘリウムが検出されることになる。このように被試験体内部を真空とし、その外側を探査ガス(ヘリウムガス)で置換・加圧して漏れ検査する方法は、真空外覆法と呼ばれている。また探査ガスにヘリウムガスを用いる漏れ検査はヘリウム漏れ検査法として確立しており汎用されている。
一般的に、真空封止製品や各種容器の漏れ検査では、10-10~10-4 Pa・m/sの微量の漏れ流量の検出が必要である。このため被試験体の内部圧力は100Pa程度に、Heリークディテクタの入口圧力は数十Pa以下にそれぞれ到達させる必要がある。一方、真空封止製品や各種容器の開口は、数百μmから数mmの狭小口であることが多い。このため、図11に示される従来の漏れ検査装置では数百μmから数mmの孔径のシール孔(狭小孔)と配管を持つ孔開きシール治具が必要となる。すなわち、被試験体が狭小口を持ち且つシール治具が狭小孔を持つこと、並びにこれに接続する第1配管も比較的細くて長い配管を用いることから、被試験体の内部を真空引きすることは難しくなってしまう。その結果、目標とする被試験体内部の真空度(100Pa程度)に到達するまでに50~100秒の長時間を要してしまう場合がある。
真空排気時間の短縮手段としては、複数の真空ポンプの併用による到達圧力の低減や、真空タンクを用いた大排気速度の真空排気が考えられ、既に従来技術として開示されている。特開2007-40769は、キャビティ付きパッケージを被試験体としたリーク検査に関するものであり、被試験体を含む装置の圧力を検査可能圧力まで真空排気する手段として、複数台の高真空ポンプを併用することが開示されている。ここで、「高真空ポンプ」とは稼働圧力が0.1Pa以下の高真空まで真空排気可能な真空ポンプである。図11の従来例において、第1真空ポンプ30の下段に低真空ポンプ(図示せず)を別途設け、大気圧から100Pa程度まで低真空ポンプで粗引きした後に第1真空ポンプ30により高真空まで真空排気することで、100Pa以下の真空排気時間を短時間とできると共に数十Paから数Paまで圧力低下できるとされている。
真空タンクを用いた真空排気は、大気圧付近の真空排気のための真空ポンプによる脈動低減や、大排気速度による数秒~10秒の瞬時の真空排気に利用されている。真空タンクを用いた大排気速度による数秒~10秒の瞬時の真空排気については、特開平11―230034、特開2001-47209、特開2006―75850、特開2009―52432などで開示されている。なお、真空タンクによる大排気速度の真空排気を、これら狭小口を有する被試験体の漏れ検査に適用する場合、真空タンクは常時真空排気状態とした方が、被試験体を含む装置の圧力をより低下させることができることは自明である。
特開2007-40769号公報 特開平11-230034号公報 特開2001-47209号公報 特開2006-75850号公報 特開2009-52432号公報
上述した通り、被試験体が狭小口を持ち且つシール治具も狭小径を持ち、それに接続する配管も比較的細くて長い配管(図11の第1配管)を用いる場合、例えば被試験体狭小口から各種配管に到るコンダクタンスが小さくなって漏れ検査装置の実効排気速度は小さくなってしまい、結果としてこれら製品の漏れ検査の真空排気に50~100秒の時間を要してしまうという問題がある。
漏れ検査装置の実効排気速度を大きくするために、真空ポンプ単体のポンプ排気速度を大きくすること、即ち前述の高真空ポンプを利用すること、或いは粗引き配管(図11の第2配管)の途中に前述の真空タンクを配置してポンプ排気速度を大きくして真空排気を実行することが考えられる。
しかし、上記ポンプ排気速度を大きくした場合であっても、被試験体内部を狭小コンダクタンスを通じて排気するために、漏れ検査装置の実効排気速度はそれほど大きくならないことから、上記ポンプ排気速度を大きくする手段はあまり効果的ではなく、やはり真空排気に20秒以上の時間を要してしまう。
ところで、粗引き真空排気後において、被試験体の圧力を100Pa程度にすれば、この圧力と下流に位置するHeリークディテクタの入口圧力(50Pa)との圧力差は数十Paとなる。この時、被試験体の狭小口とシール治具のコンダクタンスは非常に小さくなることから、ヘリウムガス導入開始から一定漏れ流量(漏れが飽和する流量)の63%になるまでの漏れ応答時間が60秒程度以上の長時間となってしまう。これは 、一般的な量産部品の漏れ検査における漏れ応答時間10~20秒と比較すると約6倍の長時間である。なお、漏れ応答時間とは、体積V[m]の真空容器が実効排気速度Se[m/s]で真空排気され、真空容器にQ[Pa・m/s]の漏れがある時に0.63×Qとなる時間のことで、漏れ応答時間t=V/Seで定義されるものである。
また、狭小口を持つ各種容器には、パウチ加工が施された樹脂製の可撓性容器(低剛性容器)がある。このような可撓性容器はゼリー等のゲル状飲料またはボディソープ等の洗浄液を収容する容器として広く利用されている。可撓性容器についても真空封止部品と同様に所定の気密性が要求されている。パウチ等の可撓性容器を真空外覆法によって漏れ検査を実施する場合、被試験体内部を真空排気する、または探査ガスを被試験体用外覆容器に高圧導入すると、被試験体が圧縮され変形してしまうことが起こり得る。これを回避する方法を考案する必要がある。
そこで、本発明は上記従来技術の問題点に鑑み成されたものであり、その目的は、狭小口を有する密閉容器の内部を真空とし且つその外側を探査ガスで置換・加圧して漏れ検査を行う真空外覆法において密閉容器の内部から漏れ出る探査ガスの漏れ流量を短時間で正確に検出することができる漏れ検査方法及びそれを実施する漏れ検査装置を提供することにある。
上記目的を達成するための本発明に係る漏れ検査方法は、表面に排気口部(10a)を有する密閉容器(10、10’)の内部を低真空とし且つその外側(20)を探査ガスで置換・加圧しながら、前記密閉容器(10、10’)の内部を真空排気して排気ガス中に含まれる探査ガスの流量を検出する漏れ検査方法であって、前記排気口部(10a)と真空排気用配管(1)を密に接続するシール治具(11b)と前記排気口部(10a)から構成される狭小部(12)において、前記狭小部(12)の上流側と下流側の内部圧力が大気圧の1/10未満の低真空に到達するまで、前記密閉容器(10、10’)の内部を真空排気する第1プロセス(S2、S3、S4)と、前記第1プロセス(S2、S3、S4)の後に、前記狭小部(12)の上流側の内部圧力は大気圧の1/10未満の低真空を維持したまま前記狭小部(12)の下流側の内部圧力は大気圧の1/1000未満の中真空以下になるように、真空ポンプ(40)が接続された真空タンク(50)によって排気ガスを膨張させながら前記狭小部(12)の下流側を真空排気する第2プロセス(S5、S6、S7)と、前記第2プロセスの後に前記密閉容器(10、10’)の外側(20)を探査ガスで置換・加圧して前記密閉容器(10、10’)の内部を真空排気して前記密閉容器(10、10’)の内部から漏れ出る探査ガスの漏れ流量を検出する第3プロセス(S10)とを備えたことを特徴とする。
上記構成では、上記第1プロセス(S2、S3、S4)によって狭小部(12)の上流側および下流側の双方の内部圧力が共に数千から数百Paの低真空(大気圧の1/10未満~1/1000)になるように粗引き真空排気し、次に上記第2プロセス(S5、S6、S7)によって狭小部(12)の上流側の内部圧力は低真空を維持したまま、狭小部(12)の下流側の内部圧力は数十Pa以下の中真空(大気圧の1/1000未満)以下になるように、大排気速度による瞬時(数秒)の真空排気を行うことが可能となる。これにより、狭小部(12)の上流と下流における圧力差が大きくなることから、狭小部(12)のコンダクタンスが増大し、検査ガスを含む密閉容器内部の残存気体が、探査ガス検出器(60)まで効率的に運搬され、探査ガス検出器(60)による漏れ検出時間が短縮することになる。
本発明に係る漏れ検査方法の第2の特徴は、前記真空タンク(50)によって排気ガスを膨張させながら前記密閉容器(10、10’)の内部を真空排気する場合、真空排気の最初または途中において前記真空ポンプ(40)による前記真空タンク(50)に対する真空排気を停止することである。
上記構成では、狭小部(12)の下流側においてバルブの切り替えによる圧力変動が起きにくくなる。
本発明に係る漏れ検査方法の第3の特徴は、前記第1プロセス(S2、S3、S4)では、前記密閉容器(10’)の外側(20)を真空排気しながら前記密閉容器(10’)の内部を真空排気することである。
上記構成では、密閉容器(10’)の内部と外部との圧力差を小さく維持したまま密閉容器(10’)の内部を真空排気することが可能となる。これにより、耐圧強度の低い合成樹脂製の密閉容器(10’)に対しても漏れ検査において真空排気時間と漏れ検出時間を短縮することが可能となる。
本発明に係る漏れ検査方法の第4の特徴は、前記第2プロセス(S5、S6、S7)で使用される配管(3)は、前記第1プロセス(S2、S3、S4)で使用される配管(2)より内径が大きいことである。
上記構成では、上記配管(3)のコンダクタンスが増大するため、狭小部(12)の下流側の内部圧力を短時間(数秒)で探査ガス検出器(60)の許容導入圧力以下にすることが可能となる。
本発明に係る漏れ検査方法の第5の特徴は、前記狭小部(12)の前記分子流コンダクタンスが、温度20℃の空気において1×10-6/s以上であることである。
上記構成では、上記第1プロセス(S2、S3、S4)において狭小部(12)の上流側と下流側の内部圧力を低真空にすると共に、上記第2プロセス(S5、S6、S7)において狭小部(12)の上流側は低真空を維持したまま狭小部(12)の下流側の内部圧力は中真空以下にすることが可能となる。
本発明に係る漏れ検査装置の第1の特徴は、表面に排気口部(10a)を有する密閉容器(10、10’)を内部に収容する外覆容器(20)と、前記外覆容器(20)に挿通され前記密閉容器(10、10’)内のガスを外部に移送する第1配管(1)と、前記密閉容器(10、10’)および前記第1配管(1)を気密に接続するシール治具(11b)と、前記排気口部(10a)と前記シール治具(11b)から構成され所定の分子流コンダクタンスを有する狭小部(12)と、前記密閉容器(10、10’)の内部を所定の圧力まで真空排気する真空ポンプ(30、40、70)と、前記第1配管(1)と前記真空ポンプ(30)を連結する第2配管(2)と、前記密閉容器(10、10’)の内部から漏れ出る探査ガスの流量を検出する探査ガス検出器(60)と、前記第1配管(1)と前記探査ガス検出器(40)を連結する探査ガス検出ライン(4)とを備えた漏れ検査装置(100、200)であって、前記第1配管(1)には前記第2配管(2)に対し別個独立した第3配管(3)が接続され、該第3配管(3)には前記密閉容器(10、10’)の内部から真空排気される排気ガスを膨張させながら前記狭小部(12)の下流側の内部圧力を所定の圧力まで真空排気可能な真空タンク(50)が設けられ、該真空タンク(50)の排気側には前記真空ポンプ(40)が接続されていることである。
上記構成では、上記漏れ検査方法の上記第1の特徴を好適に実施することができる。
本発明に係る漏れ検査装置の第2の特徴は、前記真空タンク(50)と前記真空ポンプ(40)との間には仕切弁(3b)が設けられていることである。
上記構成では、上記漏れ検査方法の上記第2の特徴を好適に実施することができる。
本発明に係る漏れ検査装置の第3の特徴は、前記狭小部(12)の下流に、所定の分子流コンダクタンスを有する第2狭小部(13a)と、探査ガスの漏れ流量検出時に開となる仕切弁(13b)の並列接続を連結することである。
上記構成では、上記漏れ検査方法の上記第3の特徴を好適に実施することができる。
本発明に係る漏れ検査装置の第4の特徴は、前記第3配管(3)の内径は前記第2配管(2)の内径より大きいことである。
上記構成では、上記漏れ検査方法の上記第4の特徴を好適に実施することができる。
本発明に係る漏れ検査装置の第5の特徴は、前記狭小部(12)の前記分子流コンダクタンスは、温度20℃の空気において1×10-6/s以上であることである。
上記構成では、上記漏れ検査方法の上記第5の特徴を好適に実施することができる。
本発明の漏れ検査方法及びそれを実施する漏れ検査装置によれば、狭小口を有する密閉容器の内部を真空とし且つその外側を探査ガスで置換・加圧して漏れ検査を行う真空外覆法において密閉容器の内部から漏れ出る探査ガスの漏れ流量を短時間で正確に検出することができるようになる。
本発明の第1実施形態に係る漏れ検査装置の要部構成を示す説明図である。 本発明の第1実施形態に係る漏れ検査装置による漏れ検査工程を示すプロセス図である。 本発明の第1実施形態に係る漏れ検査装置の真空排気時間と漏れ検出時間を示す説明図である。 本発明の第1実施形態に係る漏れ検査装置において真空タンクによる真空排気が無い場合における大容量の被試験体についての真空排気時間と漏れ検出時間を示す説明図である。 本発明の第1実施形態に係る漏れ検査装置において真空タンクによる真空排気が有る場合における大容量の被試験体についての真空排気時間と漏れ検出時間を示す説明図である。 本発明の第1実施形態に係る漏れ検査装置において真空タンクによる真空排気が無い場合における小容量の被試験体についての真空排気時間と漏れ検出時間を示す説明図である。 本発明の第1実施形態に係る漏れ検査装置において真空タンクによる真空排気が有る場合における小容量の被試験体についての真空排気時間と漏れ検出時間を示す説明図である。 本発明の第2実施形態に係る漏れ検査装置の要部構成を示す説明図である。 本発明の第2実施形態に係る漏れ検査装置による漏れ検査工程を示すプロセス図である。 本発明の第2実施形態に係る漏れ検査装置においてスロー排気部が有る場合における低剛性被試験体についての真空排気時間と漏れ検出時間を示す説明図である。 従来の漏れ検査装置の要部構成を示す説明図である。 従来の漏れ検査装置の第1配管と狭小部の各コンダクタンスについての圧力変化を示す説明図である。 従来の漏れ検査装置において被試験体を大気圧から真空排気したときの被試験体の内部圧力と真空計の指示圧力の各時間変化を示す説明図である。 従来の漏れ検査装置の被試験体を大気圧から所定の到達圧力まで真空排気した後の漏れ流量の時間変化を示す説明図である。
以下、添付図面を参照しながら本発明について説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る漏れ検査装置100の要部構成を示す説明図である。
この漏れ検査装置100は、数百μmから数mmの狭小口などの小コンダクタンスな開口を持つ密閉容器(被試験体10)に対し、内部を真空とし且つその外側を探査ガスで満たし、被試験体10の狭小口部10aから真空排気し、探査ガス検出器60によって探査ガスを検出する漏れ検査において、短時間で正確な漏れ検査を実施ことができるように構成されている。なお、漏れ検査で使用される探査ガスはヘリウムである。
その為の構成として、この漏れ検査装置100は、被試験体10を収容し外側を真空引き又は探査ガスで加圧することができる被試験体用外覆容器20と、被試験体10の内部を粗く真空排気する第1真空ポンプ30と、被試験体10の内部を大排気速度で真空排気する第2真空ポンプ40と、第2真空ポンプ40の入口側(吸込み側)に設けられ排気ガスを膨張させながら狭小部12の下流側を真空排気する真空タンク50と、被試験体10の内部から真空排気されるガス中に含まれる探査ガスの漏れ量を検出する探査ガス検出器60と、被試験体10の内部のガスを探査ガス検出器60に導入するためのガス検出器用真空ポンプ70と、探査ガスを貯蔵する探査ガス源80と、狭小部12から下流側の真空度を計測する真空計90と、これらを相互に連結する配管及びバルブとを具備して構成されている。
配管及びバルブについては、被試験体10の狭小部12に接続される第1配管1と、被試験体10の下流側を大気圧に戻すための大気弁1aと、被試験体10の狭小口部10aと第1配管1とを気密に接続し貫通孔を有するシール治具11と、第1配管1と第1真空ポンプ30を連結する第2配管2と、第2配管2を通って第1真空ポンプ30によって吸引される被試験体10内部からの排気ガスの流れを遮断又は通過させる粗引弁2aと、第1配管1と第2真空ポンプ40を連結する第3配管3と、第3配管3を通って第2真空ポンプ40によって吸引される被試験体10内部からの排気ガスの流れを遮断又は通過させるタンク弁3aと、被試験体10の内部から真空排気されるガスを探査ガス検出器60に導入する第4配管4と、探査ガス検出器60に導入される排気ガスの流れを遮断又は通過させるテスト弁4aと、被試験体10の外側を探査ガスで加圧するための加圧弁5aと、被試験体10の外側を真空にするための排気弁6aとを有している。なお、シール治具11は短管11aを含むとする。
図2は、本発明の第1実施形態に係る漏れ検査装置100による漏れ検査方法を示すプロセス図である。
先ずステップS1では、被試験体10を被試験体用外覆容器20にセットし、全ての弁を閉とする。
次にステップS2では、粗引弁2aを開として被試験体10の内部を第1真空ポンプ30によって真空排気する。この真空排気は粗引き(到達圧力が低真空)での真空排気であり、到達圧力は数千から数百Pa、例えば1000Paである。
次にステップS3では、真空計90の指示圧力が所定圧力に到達したか否かを判定する。指示圧力が所定圧力(例えば1000Pa)に到達した場合(YES)、ステップS4を実行する。一方、指示圧力が所定圧力(例えば1000Pa)に到達していない場合(NO)、ステップS2を再度実行する。
次にステップS4では、粗引弁2aを閉とし、第1真空ポンプ30による粗引きの真空排気を停止する。
次にステップS5では、タンク弁3aを開とし、真空タンク50で被試験体10の内部を真空排気する。この真空排気は、真空タンク50を使用した大排気速度での真空引きであり、到達圧力は中真空以下(数十Pa以下)例えば50Pa以下である。
次にステップS6では、真空計90の指示圧力が所定圧力に到達したか否かを判定する。指示圧力が所定圧力(例えば50Pa以下)に到達した場合(YES)、ステップS7を実行する。一方、指示圧力が所定圧力(例えば50Pa以下)に到達していない場合(NO)、ステップS5を再度実行する。
次にステップS7では、タンク弁3aを閉とし、真空タンク50による真空排気を停止する。
次にステップS8では、テスト弁4a及び排気弁6aを開とし被試験体10の外側を真空排気する。
次にステップS9では、探査ガス検出器60において探査ガスが検出されないことを確認する。被試験体用外覆容器20の内部に探査ガスは未だ供給されていないため、被試験体10の内部から真空排気されるガスには探査ガスが含まれていない。従って、探査ガス検出器60が正常状態であれば、探査ガスの漏れ流量としてゼロを出力する。このゼロ出力を以て探査ガス検出器60は正常であると、判断される。
次にステップS10では、排気弁6aを閉じ、加圧弁5aを開とし被試験体10の外側に探査ガスを導入しながら漏れを計測する。
次にステップS11では、テスト弁4a及び加圧弁5aを閉とする。
次にステップS12では、大気弁1aを開とする。これにより、第1配管1、シール治具11及び被試験体10が大気圧に戻されることになる。
次にステップS13では、真空計90の指示圧力が大気圧を示すとき大気弁1aを閉とする。
次にステップS14では、被試験体10を被試験体用外覆容器20から取り出す。
[本発明の理論検証]
本発明の漏れ検査装置100及び漏れ検査方法の必須の構成要件について理論的に検証した。本発明の理論検証に先立ち、先ず図11に示される従来の漏れ検査装置の真空排気過程と漏れ流量の時間変化を計算した。これを実行するために、従来の漏れ検査装置の各種パラメーターを以下のように設定した。
被試験体10の内容積:1×10-4。狭小部12の分子流コンダクタンス値:1.1×10-5/s(室温,空気)。ここで、狭小部12の分子流コンダクタンス値は、被試験体10の狭小口部10aとシール治具11の各分子流コンダクタンス値を合成した合成コンダクタンス値を表現したものである。第1配管1の分子流コンダクタンス値:3.0×10-4/s(室温,空気)。第2配管2の分子流コンダクタンス値:7.0×10-5/s(室温,空気)。第4配管4の分子流コンダクタンス値:7.0×10-5/s(室温,空気)。第1真空ポンプ30の排気速度:2×10-3/s。探査ガス検出器60の入口での排気速度:5×10-3/s。
(1)従来の漏れ検査装置の真空排気過程と漏れ検出
[気体の流れ]
従来の漏れ検査装置の真空排気過程を理解するために、10-1Paから大気圧の10Paの圧力領域における第1配管1と狭小部12についての各コンダクタンスを解析(計算)した。計算において、低い圧力の分子流から高い圧力の粘性流のコンダクタンスを連続的に表現したクヌーセンの経験式を用い、圧力領域を狭い圧力区間(例:1.00,1.01,1.02・・・9.99,10.0)に分割して計算した。
図12に、圧力変化に対する第1配管1と狭小部12の各コンダクタンスの計算結果を示す。第1配管1のコンダクタンスは、気体が分子流状態で流れる10-1Pa付近で殆ど一定の2×10-4/sの小さい値を示す一方、10(=1)Pa以上の圧力でコンダクタンスは徐々に増大し、そして約2×10Pa以上でコンダクタンスは線形増大する。他方、第1配管1より小さい孔径×長さを有する狭小部12のコンダクタンスは、10Paの高い圧力まで気体が分子流状態で流れることから1×10-5/sの小さい値を示し、それ以上の圧力でコンダクタンスは徐々に増大し、そして約6×10Pa以上でコンダクタンスは線形増大する。したがって、大気圧から真空排気する場合、比較的大きいコンダクタンスを有する第1配管1の方が真空排気され易く、比較的小さいコンダクタンスを有する狭小部12に連通した被試験体10の内部は真空排気され難いことがわかる。
[真空排気過程]
図11に示される従来の漏れ検査装置を用いて被試験体10を大気圧から真空排気した時の、狭小部12より上流側に位置する被試験体10と下流側に位置する真空計90の指示圧力の時間変化を解析(計算)した。解析では、下記(式1)を用いて圧力PからP[Pa]の圧力区間毎の真空排気時間tを求めた。
(式1):t=[(V/Se)×ln(P/P)]・K、
lnは自然対数eを底とする対数である。Kは補正係数である。
上記式(1)において、tは圧力がPからPに低下した時の真空排気時間である。Vは体積、Seは実効排気速度である。圧力PとPが被試験体10の内部圧力の時、Vは被試験体10の内容積、Seは「狭小部12」と「第1配管1と第2配管2のそれぞれのコンダクタンス」と「第1真空ポンプ30の排気速度」を合成した実効排気速度である。一方、圧力PとPが真空計90の指示圧力の時、Vは被試験体10-狭小部12-第1配管1-第2配管2に至る体積、Seは第2配管2のコンダクタンスと第1真空ポンプ30の排気速度を合成した実効排気速度である。Kは補正係数であり、表面に吸着し易いことから真空排気され難い水蒸気などの影響や経験により決定する係数で、一般に10~10Paの時はK=1、10~10Paの時はK=1.5程度、 10~10Paの時はK=3程度とするものである。
図13に、従来の漏れ検査装置を大気圧から真空排気した時の被試験体10と真空計90の指示圧力の時間変化の計算結果を示す。狭小部12のコンダクタンスが小さいことから、被試験体10の内部圧力は高い圧力で時間推移し、一方、第1配管1と第2配管2のコンダクタンスが大きいことから、真空計90の指示圧力は低い圧力で時間推移することがわかる。
[漏れ検出]
図13に示されるように、従来の漏れ検査装置において真空計90の指示圧力が50Pa未満となる時間は第1真空ポンプ30による粗引き真空排気の開始から45秒後であった。そこで、第1真空ポンプ30による粗引き真空排気を開始してから45秒後に、探査ガス検出器60(ガス検出器真空ポンプ70)への真空排気に切り替えた場合の被試験体10と真空計90の指示圧力の時間変化と、48秒後から探査ガスであるヘリウムガスを被試験体10の外側に加圧導入した時の漏れ検出の時間変化の計算結果を図14に示す。ここでは説明の都合上、探査ガス検出器60による漏れ検出用のヘリウムガスの漏れ流量は1×10-5Pam/sとした。なお、漏れ検出を実行中の被試験体10の実効排気速度が約1×10-5/sであることから、探査ガスの漏れ流量1×10-5Pam/sによる被試験体10の内部圧力上昇は約1Paと非常に低い。このことは、狭小部12の上流の被試験体10から流れる気体の殆どは、被試験体10に残留した空気であることを意味する。
圧力の時間変化において、被試験体10の内部圧力の時間変化は、図13のそれと同様であった、これは、被試験体10の実効排気速度が狭小部12のコンダクタンスに大きく依存するためである。一方、真空計90の指示圧力の時間変化も図13のそれと同様であった。これは、粗引き真空排気の第2配管2と探査ガス検出器60への第4配管4が同一の径と長さを持つからである。
図14の上段に示す探査ガスの漏れ検出シグナルにおいて、0.63×漏れ流量となる漏れ応答時間は、ヘリウムガス導入開始から53秒後であった。これは、漏れ検出を実行している48秒後以降において、被試験体10と真空計90の指示圧力差が100~40Paと小さいこと、被試験体10の実効排気速度が3.3×10-5~1.0×10-5/sと小さいこと、そして被試験体10と第1配管1と第4配管4の合計の体積が約1.4×10-3と大きいことに起因する。以上のことから、従来の漏れ検査装置において、大気圧からの真空排気開始から漏れ検出終了(0.63×漏れ流量の検出)までの時間は101秒の長時間であった。
上記従来の漏れ検査装置の理論検証から、狭小口部10aを持つ被試験体10の漏れ検査の長時間化の要因は、探査ガス検出器60の入口圧力を、許容導入圧力の数十Pa(例:50Pa)以下に低下させるために、数十秒(従来の漏れ検査装置では45秒)以上真空排気することと、この長時間の真空排気により被試験体10の内部圧力も低下することにより、狭小部12のコンダクタンスが低下し、漏れ応答時間が長時間化(従来の漏れ検査装置では53秒)することであることが明らかになった。なお、数十秒以上の長時間の真空排気を行うと、従来の漏れ検査装置では、被試験体10の内部圧力が約100Paとなり、空気中の水蒸気の吸着の影響により数十%圧力変動し、漏れ検査の誤判定を招くことも懸念される。
(2)本発明の漏れ検査装置100の真空排気過程と漏れ検出
本発明の漏れ検査装置100は、狭小部12の上流側と下流側の内部圧力を数千から数百Paに(低真空に)真空排気した後に、狭小部12の上流側の内部圧力は低真空に維持したまま狭小部12の下流側の内部圧力は数十Pa(中真空)以下に真空排気するために、真空タンク50を用いて大排気速度で数秒の真空排気を行うように構成されている。これにより、数秒程度の短時間で真空計90の指示圧力を許容導入圧力以下(数十Pa以下)に到達させるだけでなく、被試験体10の内部圧力を数千から数百Paの高い圧力とすることができるようになる。これにより、被試験体10の狭小口部10aとシール治具11の孔の各コンダクタンス(狭小部12のコンダクタンス)を大きくでき且つ被試験体10の内部圧力(狭小部12の上流側)と真空計90の指示圧力(狭小部12の下流側)との圧力差も大きくできるようになる。これにより、被試験体10の残留気体に混入した探査ガス(ヘリウムガス)を探査ガス検出器60に有効に導くことができ、短時間の漏れ応答時間が達成できるようになる。なお、被試験体10の内部圧力が数千から数百Pa([(10Pa、10Pa])の時は、空気成分ガス(窒素と酸素)が支配的であり、水蒸気の吸着の影響は小さくなることから、圧力変動は小さくなる。
続いて本発明の漏れ検査装置100の真空タンク50による数秒の真空排気の効果について理論的に説明する。
本発明の漏れ検査装置100は、図11に示される従来の漏れ検査装置に対して、タンク弁3aを介して第3配管3と真空タンク50を接続し、その後段に仕切弁3bを介して第2真空ポンプ40を接続したものである。この漏れ検査装置100における理論検証のため、真空タンク50による真空排気ラインの下記各種パラメーターを新たに設定した。
第3配管3の分子流コンダクタンス値:1.2×10-3/s(室温,空気)。真空タンク50の内容積:1.8×10-2。ガス検出器用真空ポンプ70の排気速度:1×10-2/s。
[真空排気過程]
図3に本発明の漏れ検査装置100によって被試験体10を大気圧から真空排気した時の真空計90の指示圧力の時間変化の計算結果を示す。第1真空ポンプ30による真空排気開始から4秒後に真空タンク50による排気に切り替え、そして10秒後に探査ガス検出器60に切り替え、そして13秒後からヘリウムガスを被試験体用外覆容器20に導入し漏れ検出を実施した。この時、被試験体10の内部圧力(狭小部12の上流側の内部圧力)は4秒後に8.9×10Paに、10秒後に8.1×10Paに、そして30秒後に1.2×10Paに時間推移した。一方、真空計90の指示圧力(狭小部12の下流側の内部圧力)は、4秒後の6.7×10Paから真空タンク50による排気に切り替えることで10秒後に40Paへと大きく低下した。13秒後に探査ガス検出器60への真空排気に切り替え、30秒後に16Paと緩やかに低下した。このように、被試験体10の内部圧力(狭小部12の上流側の内部圧力)と真空計90の指示圧力(狭小部12の下流側の内部圧力)との圧力差は4秒後に2.2×10Pa、10秒後に7.7×10Pa、その後、探査ガス検出器60への真空排気に切り替えた後13秒後の圧力差は約450Pa、30秒後の圧力差は約100Paであった。
[漏れ検出]
本発明の漏れ検査装置100では、真空排気開始から10秒後に、探査ガス検出器60への真空排気に切り替えた後13秒後に探査ガス(ヘリウムガス)を被試験体用外覆容器20に導入し漏れ検出を実施した時の探査ガスの漏れ検出シグナルの時間変化を図3の上段に示す。探査ガスの漏れ検出シグナルにおいて、0.63×漏れ流量となる漏れ応答時間は、ヘリウムガス導入から16秒後であった。これは、従来漏れ検査装置の漏れ応答時間53秒と比較して短時間であった。
これは漏れ検出を実行している13秒後以降において、被試験体10の内部圧力(狭小部12の上流側の内部圧力)と真空計90の指示圧力(狭小部12の下流側の内部圧力)との圧力差が450~100Paと従来の漏れ検査装置のそれと比較して大きいこと、被試験体10の実効排気速度が8.7×10-5~2.7×10-5/sと従来装置のそれと比較して大きいことに起因する。以上のことから、本発明の漏れ検査装置100において、大気圧からの真空排気開始から漏れ検出終了(0.63×漏れ流量の検出)までの時間は30秒と従来の漏れ検出時間(101秒)に比べ大幅に短縮することができた。なお、本発明の漏れ検査装置100において漏れ検出を実行している9秒から35秒の時間における被試験体10の内部圧力は700~330Paであり、従来の漏れ検査装置の100~60Paと比較して水蒸気による圧力変動の影響を小さくできる。このことから、誤判定を回避するための漏れ検出時間の長時間化を抑制することが可能となる。
[漏れ応答時間の検討]
ここで、体積V[m]の真空容器に配管を介して探査ガス検出器を接続した解析モデルにおける漏れ検査を実行する。この時、真空容器に漏れ流量Q[Pam/s]があると、その漏れ流量Qの時間変化Q(t)は、真空容器の出口の実効排気速度をSe[m/s]とすると、下記(式2)で記述することができる。
(式2):Q(t)=Q[1-exp{-(Se/V)t}]
t=V/Seの時、上記(式2)はQ(t)=Q[1-exp(―1)] =0.63Q
となる。このt=V/Seとなる時間を特に「漏れ応答時間」と呼ぶ。
表1に狭小口を有する被試験体10の漏れ検査における、「被試験体10から探査ガス検出器60までの全内容積」と「漏れ検出時の被試験体10の実効排気速度Se」と「漏れ応答時間」の相関関係を示す。被試験体10から探査ガス検出器60までの全体積が5×10-3と大きい場合、漏れ検出時の被試験体10の実効排気速度Seは10-4/sオーダーに大きくする必要がある。一方、被試験体から探査ガス検出器までの全体積が5×10-4と小さい場合、漏れ検出時の被試験体10の実効排気速度Seは10-5/sオーダーと比較的小さくても良いことがわかる。
漏れ検出時の被試験体10の実効排気速度Seは、「被試験体10の狭小口部10aのコンダクタンス」と「短管11aを含むシール治具11の孔とのコンダクタンス」と「その他探査ガス検出器60に至る配管のコンダクタンス」と「探査ガス検出器60の入口排気速度」の合成コンダクタンスから構成される。これらの中で、「被試験体10の狭小口部10aのコンダクタンス」と「短管11aを含むシール治具11の孔とのコンダクタンス」とを合成した狭小部12のコンダクタンスは小さい。そのため、漏れ検出時の狭小部12のコンダクタタンスとしては1× 10-5/s以上が望ましいことがわかる。本発明の漏れ検査装置100では漏れ検出時の被試験体10の内部圧力が数千から数百Paになる可能性があることを考慮すると、狭小部12の分子流コンダクタンス値は1×10-6/s以上が望ましいことになる。
(実施例1)
内容積2×10-3の大容積の被試験体10を用いて本発明の漏れ検査装置100による漏れ検査を実行した。本発明の漏れ検査装置100の各種パラメーターを以下のように設定した。
被試験体10の内容積:2×10-3。狭小口部10aの分子流コンダクタンス値:1.1×10-4/s(室温,空気)。シール治具11の分子流コンダクタンス値:4.3×10-5/s(室温,空気)。被試験体10-第1配管1-真空計90- 第4配管4の内容積:2.9×10-3。第1配管1の分子流コンダクタンス値:2.8×10-5/s(室温,空気) 。第2配管2の分子流コンダクタンス値:1.4×10-5/s(室温,空気) 。第1真空ポンプ30の排気速度:7.0×10-2/s。第3配管3の分子流コンダクタンス値:9.1×10-4/s(室温,空気) 。真空タンク50の内容積:4.0×10-2。第4配管4の分子流コンダクタンス値:4.4×10-4/s(室温,空気) 。探査ガス検出器60の入口排気速度:5×10-3/s。
[真空タンク50による真空排気無しの場合]
本発明の漏れ検査装置100において、真空タンク50による数秒の真空排気を実施しない従来漏れ検査方法により漏れ検査を実行した。被試験体10の内部圧力(狭小部12の上流側の内部圧力)と真空計90の指示圧力(狭小部12の下流側の内部圧力)の時間変化と漏れ検出シグナルの時間変化の結果を図4に示す。ここで、被試験体10の内部圧力(狭小部12の上流側の内部圧力)は計算値、真空計90の指示圧力(狭小部12の下流側の内部圧力)と漏れ検出シグナルはともに測定値である。真空計90の指示圧力(狭小部12の下流側の内部圧力)が50Pa未満となる圧力は、第1真空ポンプ30を用いた粗引き真空排気開始から45秒後であった。そこで、45秒後に探査ガス検出器60の真空排気に切り替え、そして48秒後に探査ガスであるヘリウムガスを被試験体用外覆容器20に加圧導入し漏れ検出を開始した。
図4の上段に漏れ検出シグナルの時間変化の測定結果を示す。被試験体10の内部圧力は漏れ検出開始の48秒後に約700Pa、62秒後に500Paであり、この時、被試験体10に対する実効排気速度は、48秒後に2.1×10-4/s、62秒後に1.7 ×10-4/sであった。これにより、漏れ応答時間は、漏れ検出開始から約15秒であった。
以上より、本発明の漏れ検査装置100において真空タンク50による数秒の真空排気を実施しない漏れ検査方法による、内容積2×10-3の大容積の被試験体10についての漏れ検査時間は、63秒であった。
[真空タンク50による真空排気有りの場合]
本発明の漏れ検査装置100において、真空タンク50による数秒の真空排気を実施する本発明の検査方法により漏れ検査を実行した。ここで、第1真空ポンプ30による粗引き真空排気を3秒行い、その後真空タンク50による真空排気に切り替えて3秒真空排気を行い、その後探査ガス検出器60の真空排気に切り替え、そして検査開始の9秒後からヘリウムガスを被試験体用外覆容器20に加圧導入し漏れ検出を開始した。
ここで、粗引弁2aとタンク弁3aの開閉の時間変動による圧力変動をキャンセルするために、真空タンク50による真空排気において、真空タンク50による排気開始の1秒後に(排気開始から4秒後)に後段の仕切弁3bを閉じて第2真空ポンプ40による真空タンク50の真空排気を停止し、被試験体10の内部圧力(狭小部12の上流側の内部圧力)と真空計90の指示圧力(狭小部12の下流側の内部圧力)の各時間推移を安定化させた。
図5は、被試験体10の内部圧力の時間変化の計算結果と、真空計90の指示圧力の時間変化の測定結果、そして漏れ検出シグナルの時間変化の測定結果を示す。真空タンク50による3秒間の真空排気によって、その前後で真空計90の指示圧力(狭小部12の下流側の内部圧力)は、450Pa(低真空)から20Pa(高真空)に急激に低下した。一方、被試験体10の内部圧力(狭小部12の上流側の内部圧力)は8×10Paから4×10Pa(低真空)と高い圧力で時間推移した。
図5の上段は漏れ検出シグナルの時間変化の測定結果を示す。被試験体10の内部圧力(狭小部12の上流側の内部圧力)は漏れ検出開始の9秒後に約3×10Pa、15秒後に2×10Paであり、この時、被試験体10に対する実効排気速度は、9秒後に6.5×10-4/s、15秒後に4.5 ×10-4/sであった。これにより、漏れ応答時間は、漏れ検出開始から約7sと短時間であった。
以上より、本発明の漏れ検査装置100と本発明の検査方法による内容積2×10-3の被試験体10についての漏れ検査時間は16秒であった。この16秒の漏れ検査時間は、上記従来漏れ検査方法による漏れ検査時間(63秒)の約1/4の短時間であった。
(実施例2)
内容積2×10-5の小容積の被試験体10を用いて本発明の漏れ検査装置100による漏れ検査を実行した。本発明の漏れ検査装置100の各種パラメーターを以下のように設定した。
被試験体10の内容積:2×10-5。狭小口部10aの分子流コンダクタンス値:3.6×10-5/s(室温,空気)。シール治具11の分子流コンダクタンス値:6.4×10-6/s(室温,空気)。被試験体10-第1配管1-真空計90-第4配管4の内容積:9.1×10-4。第1配管1の分子流コンダクタンス値:1.2×10-5/s(室温,空気)。第2配管2の分子流コンダクタンス値:1.4×10-5/s(室温,空気)。第1真空ポンプ30の排気速度:7.0×10-2/s。第3配管3の分子流コンダクタンス値:9.1×10-4/s(室温,空気) 。真空タンク50の内容積:1.6×10-2。第4配管4の分子流コンダクタンス値:4.4×10-4/s(室温,空気) 。探査ガス検出器60の入口排気速度:5×10-3/s。
[真空タンク50による真空排気無しの場合]
本発明の漏れ検査装置100において、真空タンク50による数秒の真空排気を実施しない従来漏れ検査方法により漏れ検査を実行した。被試験体10の内部圧力(狭小部12の上流側の内部圧力)と真空計90の指示圧力(狭小部12の下流側の内部圧力)の時間変化と漏れ検出シグナルの時間変化の結果を図6に示す。ここで、被試験体10の内部圧力(狭小部12の上流側の内部圧力)は計算値、真空計90の指示圧力(狭小部12の下流側の内部圧力)と漏れ検出シグナルはともに測定値である。真空計90の指示圧力(狭小部12の下流側の内部圧力)が50Pa未満となる圧力は、第1真空ポンプ30を用いた粗引き真空排気開始から45秒後であった。
この45秒という真空排気時間は、上記実施例1に係る「大容積の被試験体10について真空タンク50による真空排気無し」の漏れ検査のそれとほぼ同一である。その理由は狭小部12よりも下流の装置構成がほぼ同一であるからである。そして、45秒後に探査ガス検出器60の真空排気に切り替え、そして48秒後に探査ガスであるヘリウムガスを被試験体用外覆容器20に導入し漏れ検査を開始した。
図6の上段は漏れ検出シグナルの時間変化の測定結果を示す。被試験体10の内部圧力(狭小部12の上流側の内部圧力)は漏れ検出開始の48秒後に140Pa、100秒後に65Paであり、この時、被試験体10に対する実効排気速度は、48秒後に1.3×10-5/s、100秒後に8.8×10-6/sであった。これにより、漏れ応答時間は、漏れ検出開始から約70秒と長時間であった。
以上より、本発明の漏れ検査装置100において真空タンク50による数秒の真空排気を実施しない漏れ検査方法による、内容積2×10-5の小容積の被試験体10についての漏れ検査時間は、118秒であった。
[真空タンク50による真空排気有りの場合]
本発明の漏れ検査装置100において、真空タンクによる数秒の真空排気を実施する本発明の漏れ検査方法により漏れ検査を実行した。ここで、第1真空ポンプ30による粗引き真空排気を3秒行い、その後真空タンク50による真空排気を3秒行い、その後探査ガス検出器60の真空排気に切り替え、そして検査開始の9秒後からヘリウムガスを被試験体用外覆容器20に加圧導入し漏れ検出を開始した。
図7は、被試験体10の内部圧力の時間変化の計算結果と真空計90の時間変化の測定結果、そして漏れ検出シグナルの時間変化の測定結果を示す。真空タンク50による真空排気によって真空計90の指示圧力(狭小部12の下流側の内部圧力)は、400Pa(低真空)から20Pa(中真空)に急激に低下した。一方、被試験体10の内部圧力(狭小部12の上流側の内部圧力)は2×10Paから1×10Pa(低真空)と高い圧力で時間推移した。
図7の上段は漏れ検出シグナルの時間変化の測定結果を示す。被試験体10の内部圧力(狭小部12の上流側の内部圧力)は漏れ検出開始の9秒後に約750Pa、30秒後に200Paである。この時、被試験体10に対する実効排気速度は、9秒後に4.3×10-5/s、30秒後に1.7 ×10-5/sであった。これにより、漏れ応答時間は、漏れ検出開始から21秒と比較的短時間であった。
以上より、本発明の漏れ検査装置100において真空タンク50による数秒の真空排気を実施する本発明の漏れ検査方法による、内容積2×10-5の小容積の被試験体10についての漏れ検査時間は、30秒であった。この30秒の漏れ検査時間は、従来漏れ検査方法の検査時間(118秒)の約1/4の短時間であった。
(第2実施形態)
図8は、本発明の第2実施形態に係る低剛性被試験体用漏れ検査装置200を示す説明図である。
第2実施形態に係る被試験体10’は、パウチ加工が施され板厚が薄い樹脂製品(以下「低剛性被試験体」という。)である。低剛性被試験体10’の内容積は、第1実施形態における実施例2と同様に、2×10-5の小内容積である。そのため、図1に示される漏れ検査装置100では第1真空ポンプ30による粗引き真空排気の初期において被試験体10の筐体及び狭小口部10aが変形し、漏れ検査装置に真空漏れが発生し、漏れ検査不可能となる事態が時々発生した。そこで図8に示される低剛性被試験体用漏れ検査装置200では、低剛性被試験体10’の筐体及び狭小口部10aの変形を好適に防止しながら、低剛性被試験体10’について安定して漏れ検査を実施することができるように構成されている。
パウチ加工が施された薄い樹脂部品の耐圧について調査したところ、その耐圧は5×10Pa(0.5気圧)であった。そこで、低剛性被試験体用漏れ検査装置200では、図1に示される漏れ検査装置100に対し、第2極小部12aと第2仕切弁13bと第2真空計13cから構成されるスロー排気部13が第1配管1の途中に付加されている。
また、被試験体用外覆容器20に第3真空計21を新たに付加した。ここで、第2狭小部13aは、大気圧から5×10Paまでの真空排気を5秒程度とするための部品である。第2狭小部13aの分子流コンダクタンス値は3.7×10-8/sに設定されている。この値は、低剛性被試験体10’の狭小口部10aとシール治具11から構成される狭小部12の分子流コンダクタンス値3.7×10-6/sの1/100である。なお、このスロー排気部13は、小容積の低剛性被試験体10’の漏れ検出までの真空排気(第1真空ポンプ30による粗引き真空排気と真空タンク50による数秒の大排気速度の真空排気)による圧力低下を防ぐ役割も果たすように考慮されている。
図9は、本発明の第2実施形態に係る低剛性被試験体用漏れ検査装置200による漏れ検査方法を示す工程図である。図10は低剛性被試験体10’の内部圧力の時間変化の計算結果と、真空計90と第2真空計13cの各指示圧力の時間変化についての測定結果、そして漏れ検出シグナルの時間変化を示す。
低剛性被試験体用漏れ検査装置200による漏れ検査方法は、図2に示される漏れ検査装置100による漏れ検査方法に比べ、図2のステップS3がステップS3-1とステップS3-2に変更されている。また、図2のステップS8がステップS8’に変更されている。以下、低剛性被試験体用漏れ検査装置200による漏れ検査方法について簡単に説明する。
ステップS1及びステップS2に示されるように、スロー排気部13の仕切弁12bを閉じて、低剛性被試験体10’の真空排気は第2狭小部13aを介する状態とする。第1真空ポンプ30による粗引き真空排気を7秒間行った。この時の低剛性被試験体10’の内部圧力と第2真空計13cの指示圧力は4×10Pa、第1真空計90の圧力は200Paであった。
ステップS3-1及びステップS3-2に示されるように、第2真空計13cの圧力が5.5×10Paに到達した時(真空排気開始から約4秒後)に、被試験体用外覆容器20の真空排気を開始した。ステップS1からステップS3-2の工程により、被試験体用外覆容器20と低剛性被試験体10’内部の圧力差は5×10Pa未満となり、低剛性被試験体10’の筐体及び狭小口部10aの圧力による変形は回避できた。
ステップS5に示されるように、真空排気開始から7秒後に、真空タンク50による大排気速度の真空排気を3秒間(真空排気開始から10秒後まで)行った。なお、低剛性被試験体10’はこの間も第2極小部12aを介して真空排気した。10秒後の低剛性被試験体10’の内部圧力と第2真空計13cの指示圧力は共に3×10Paであり、高い圧力が維持できた。一方、真空計90の指示圧力は30Paであり、探査ガス検出器60への排気に切り替え可能な圧力であった。
ステップS8’に示されるように、真空タンク50による大排気速度の真空排気終了の10秒後に、スロー排気部13の第2仕切弁13bを開としスロー排気を終了し、そして低剛性被試験体10’からのガスを探査ガス検出器60へ導き、漏れ無し測定を3秒間(真空排気開始から13秒後まで)実行した。
ステップS10に示されるように、被試験体用外覆容器20に探査ガスであるヘリウムガスを5×10-4Paで導入し、漏れ検出を開始した。
図10の上段は漏れ検出シグナルの時間変化の測定結果を示す。低剛性被試験体10’の圧力は漏れ検出開始の13秒後に3.3×10Pa、20秒後に9.0×10Paと高圧であり、この時、低剛性被試験体10’に対する実効排気速度は、13秒後に1.6×10-4/s、20秒後に5.0×10-5/sであった。これにより、漏れ応答時間は、漏れ検出開始から7秒と短時間であった。ここで、導入ヘリウムガスが5×10-4Paと低圧であることから、飽和漏れ流量は加圧導入時の1×10-5Pam/sから1.2×10-6Pam/sに変化した。この飽和漏れ流量の低下は漏れマスタによる漏れ検出を実行することで、問題とならない。
以上より、スロー排気部13を備えた本発明の低剛性被試験体用漏れ検査装置200による内容積2×10-5の低剛性被試験体10’の漏れ検査時間は20秒であり、スロー排気部13を付加しない場合の漏れ検査時間30秒よりさらに短時間の漏れ検査が実行できた。また、漏れ検出実行中の低剛性被試験体10’の圧力が10Paであることと、漏れ応答時間が7秒であることから、水蒸気による圧力変動の影響を小さくでき、誤判定を回避することが可能であった。
符合の説明
1 第1配管(真空排気用配管)
1a 大気弁
2 第2配管
2a 粗引弁
3 第3配管
3a タンク弁
3b 仕切弁
4 第4配管
4a テスト弁
5 探査ガス加圧ライン
5a 加圧弁
6 排気ライン
6a 排気弁
10 被試験体(密閉容器)
10’ 低剛性被試験体(密閉容器)
10a 狭小口部(排気口部)
11 シール治具
11a 短管
12 狭小部
13 スロー排気部
13a 第2狭小部
13b 第2仕切弁
13c 第2真空計
20 被試験体用外覆容器
21 第3真空計
30 第1真空ポンプ
40 第2真空ポンプ
50 真空タンク
60 探査ガス検出器(Heリークディテクタ)
70 ガス検出器用真空ポンプ
80 探査ガス源(Heガス源)
90 真空計
100 漏れ検査装置
200 低剛性被試験体用漏れ検査装置

Claims (10)

  1. 表面に排気口部(10a)を有する密閉容器(10、10’)の内部を低真空とし且つその外側(20)を探査ガスで置換・加圧しながら、前記密閉容器(10、10’)の内部を真空排気して排気ガス中に含まれる探査ガスの流量を検出する漏れ検査方法であって、
    前記排気口部(10a)と真空排気用配管(1)を密に接続するシール治具(11b)と前記排気口部(10a)から構成される狭小部(12)において、前記狭小部(12)の上流側と下流側の内部圧力が大気圧の1/10未満の低真空に到達するまで、前記密閉容器(10、10’)の内部を真空排気する第1プロセス(S2、S3、S4)と、
    前記第1プロセス(S2、S3、S4)の後に、前記狭小部(12)の上流側の内部圧力は大気圧の1/10未満の低真空を維持したまま前記狭小部(12)の下流側の内部圧力は大気圧の1/1000未満の中真空以下になるように、真空ポンプ(40)が接続された真空タンク(50)によって排気ガスを膨張させながら前記狭小部(12)の下流側を真空排気する第2プロセス(S5、S6、S7)と、
    前記第2プロセスの後に前記密閉容器(10、10’)の外側(20)を探査ガスで置換・加圧して前記密閉容器(10、10’)の内部を真空排気して前記密閉容器(10、10’)の内部から漏れ出る探査ガスの漏れ流量を検出する第3プロセス(S10)とを備えた
    ことを特徴とする漏れ検査方法。
  2. 請求項1に記載の漏れ検査方法において、
    前記真空タンク(50)によって前記密閉容器(10、10’)の内部を真空排気する場合、真空排気の最初または途中において前記真空ポンプ(40)による前記真空タンク(50)に対する真空排気を停止する
    ことを特徴とする漏れ検査方法。
  3. 請求項1に記載の漏れ検査方法において、
    前記第1プロセス(S2、S3、S4)では、前記密閉容器(10’)の外側(20)を真空排気しながら前記密閉容器(10’)の内部を真空排気する
    ことを特徴とする漏れ検査方法。
  4. 請求項1に記載の漏れ検査方法において、
    前記第2プロセス(S5、S6、S7)で使用される配管(3)は、前記第1プロセス(S2、S3、S4)で使用される配管(2)より内径が大きい
    ことを特徴とする漏れ検査方法。
  5. 請求項1に記載の漏れ検査方法において、
    前記狭小部(12)の前記分子流コンダクタンスは、温度20℃の空気において1×10-6/s以上である
    ことを特徴とする漏れ検査方法。
  6. 表面に排気口部(10a)を有する密閉容器(10、10’)を内部に収容する外覆容器(20)と、
    前記外覆容器(20)に挿通され前記密閉容器(10、10’)内のガスを外部に移送する第1配管(1)と、
    前記密閉容器(10、10’)および前記第1配管(1)を気密に接続するシール治具(11b)と、
    前記排気口部(10a)と前記シール治具(11b)から構成され所定の分子流コンダクタンスを有する狭小部(12)と、
    前記密閉容器(10、10’)の内部を所定の圧力まで真空排気する真空ポンプ(30、40、70)と、
    前記第1配管(1)と前記真空ポンプ(30)を連結する第2配管(2)と、
    前記密閉容器(10、10’)の内部から漏れ出る探査ガスの流量を検出する探査ガス検出器(60)と、
    前記第1配管(1)と前記探査ガス検出器(40)を連結する探査ガス検出ライン(4)とを備えた漏れ検査装置(100、200)であって、
    前記第1配管(1)には前記第2配管(2)に対し別個独立した第3配管(3)が接続され、
    該第3配管(3)には前記密閉容器(10、10’)の内部から真空排気される排気ガスを膨張させながら前記狭小部(12)の下流側の内部圧力を所定の圧力まで真空排気可能な真空タンク(50)が設けられ、
    該真空タンク(50)の排気側には前記真空ポンプ(40)が接続されている
    ことを特徴とする漏れ検査装置。
  7. 請求項6に記載の漏れ検査装置において、
    前記真空タンク(50)と前記真空ポンプ(40)との間には仕切弁(3b)が設けられている
    ことを特徴とする漏れ検査装置。
  8. 請求項6に記載の漏れ検査装置において、
    前記狭小部(12)の下流に、所定の分子流コンダクタンスを有する第2狭小部(13a)と、探査ガスの漏れ流量検出時に開となる仕切弁(13b)の並列接続を連結する
    ことを特徴とする漏れ検査装置。
  9. 請求項6に記載の漏れ検査装置において、
    前記第3配管(3)の内径は前記第2配管(2)の内径より大きい
    ことを特徴とする漏れ検査装置。
  10. 請求項6に記載の漏れ検査装置において、
    前記狭小部(12)の前記分子流コンダクタンスは、温度20℃の空気において1×10-6/s以上である
    ことを特徴とする漏れ検査装置。
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