JP2008157899A - 密閉品並びにその漏れ検査方法及び製造方法 - Google Patents

密閉品並びにその漏れ検査方法及び製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】漏れ検査を容易に行うことのできる密閉品並びにその漏れ検査方法及び製造方法を提供する。
【解決手段】水11を収容する容器部10と、容器部10に形成された注入口部20と、注入口部20を封止する内側封止部30と、内側封止部30の外側で注入口部20をさらに封止する外側封止部50と、内側封止部30と外側封止部50との間に形成され、外側封止部50の漏れ検査用のトレーサガスが封入された密閉空間部40とを有するように構成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、内容物が封入される密閉品並びにその漏れ検査方法及び製造方法に関するものである。
従来、密閉品の密閉性(気密性)を検査するために、ボンビング法を用いた漏れ検査が行われている(例えば、特許文献1及び2参照)。ボンビング法では、まず密閉品をボンビング装置内に入れ、ボンビング装置内を排気した後にヘリウム(He)ガスに代表されるトレーサガスを導入し、トレーサガスにより密閉品を外側から数時間程度加圧(ボンビング)する。このとき、密閉品に漏れが生じていれば、漏れの程度に応じた量のトレーサガスが密閉品内に漏入する。ボンビングが終了したら、密閉品をボンビング装置から取り出して真空チャンバ内に入れる。そして真空チャンバ内を減圧し、密閉品からのトレーサガスの漏出量をリークディテクタにより検出する。密閉品の密閉性は、検出されたトレーサガスの漏出量に基づいて評価される。
また、ボンビング法を用いずに密閉品の漏れ検査を行うための手法として、Heガス等のトレーサガスを密閉品の製造段階で予め内部に封入する方法がある(例えば、特許文献3参照)。この方法は、比較的多量で高濃度のトレーサガスを短時間で密閉品内部に封入できる点でボンビング法に比べて有利である。
特開平11−30565号公報 特開2006−53106号公報 特開2002−134164号公報
しかしながら、密閉品の性能を保つため、内部に予め封入できるトレーサガスの量には上限がある場合がある。例えば密閉型の熱交換器では、トレーサガス等の非凝縮性ガスの熱交換器内部での圧力を製品寿命内において所定圧力(例えば5kPa)以下としなければならないものがある。このため、密閉品の実際の使用期間中にも大気中の非凝縮性ガスが徐々に内部に漏入することを考慮すると、製造段階では比較的少量のトレーサガスしか密閉品内に封入できない。したがって、漏出量を検出するのに十分な量のトレーサガスを密閉品から漏出させることができないため、密閉品の漏れ検査が困難になってしまうという問題が生じる。
特に、密閉品内に液体が存在するとトレーサガスが液体に溶解してしまうため、漏れ検査の際に漏出するトレーサガスの量がさらに減少し、密閉品の漏れ検査がさらに困難になるという問題が生じる。この問題に対し、密閉品内に封入された液体や当該液体が気化した気体(例えば、水が封入された熱交換器では水や水蒸気)の漏出を検出して漏れ検査を行うことも考えられる。ところが、水や水蒸気はHeのように微量の漏れを高感度で検出できる物質ではない。このため、高い密閉性が要求される密閉品では漏れ検査が困難になる。
本発明の目的は、漏れ検査を容易に行うことのできる密閉品並びにその漏れ検査方法及び製造方法を提供することにある。
本発明は上記目的を達成するために、以下の技術的手段を採用する。
請求項1に記載の発明は、内容物(11)を収容する容器部(10)と、容器部(10)に形成された管状の開口部(20)と、開口部(20)を封止する第1の封止部(30)と、第1の封止部(30)の外側で開口部(20)をさらに封止する第2の封止部(50)と、第1の封止部(30)と第2の封止部(50)との間に形成された密閉空間部(40)とを有することを特徴としている。
これにより、密閉品は第1の封止部(30)によって密閉されるとともに、密閉空間部(40)を介して第1の封止部(30)の外側に設けられた第2の封止部(50)によっても密閉される。容器部(10)に隣接していない第2の封止部(50)の漏れ検査を行うことによって、漏れ検査の際の容器部(10)内部に対する影響を軽減できる。したがって、容器部(10)内に予め封入できるトレーサガスの量に上限がある密閉品や、容器部(10)内に液体が存在する密閉品の漏れ検査を容易に行うことができる。
請求項2に記載の発明は、密閉空間部(40)に、第2の封止部(50)の漏れ検査用のトレーサガスが封入されていることを特徴としている。容器部(10)内に予め封入できるトレーサガスの量に上限があっても、密閉空間部(40)には濃度や分圧の高いトレーサガスを封入できる。また、容器部(10)内に液体が存在しても、密閉空間部(40)のトレーサガスは当該液体に溶解してしまうことがない。したがって、漏出量を検出するのに十分な量のトレーサガスを漏出させることができるため、密閉品の漏れ検査を容易に行うことができる。
請求項3に記載の発明は、第1の封止部(30)は、封入されたトレーサガスを漏れ検査まで密閉空間部(40)内に保持する封止性を少なくとも有することを特徴としている。また請求項4に記載の発明は、第2の封止部(50)は、封入されたトレーサガスを漏れ検査まで密閉空間部(40)内に保持する封止性を少なくとも有することを特徴としている。これにより、密閉空間部(40)に封入したトレーサガスが漏れ検査までに漏出してしまい、漏れ検査が困難になることを防止できる。
請求項5に記載の発明は、密閉空間部(40)でのトレーサガスの封入量と、製品寿命内において第2の封止部(50)を介して外部から密閉空間部(40)に漏入する気体の漏入量との和は、容器部(10)への気体の漏入が許容される量以下であることを特徴としている。これにより、漏れ検査の困難な第1の封止部(30)に仮に比較的大きい漏れが生じていたとしても、密閉品の性能が低下するのを防止できる。
請求項6に記載の発明は、密閉空間部(40)は、容器部(10)内の内容物(11)以外の空間(12)より小さい容積を有することを特徴としている。トレーサガスが封入される密閉空間部(40)の容積を小さく設定することによって、トレーサガスの封入量が少量であっても、密閉空間部(40)内でのトレーサガスの濃度や分圧を高くすることができる。このため、トレーサガスを用いた密閉品の漏れ検査が容易になる。
請求項7に記載の発明のように、内容物(11)は液体であってもよい。
請求項8に記載の発明は、内容物(11)を収容する容器部(10)と、容器部(10)に形成された管状の開口部(20)と、開口部(20)を封止する第1の封止部(30)と、第1の封止部(30)の外側で開口部(20)をさらに封止する第2の封止部(50)と、第1の封止部(30)と第2の封止部(50)との間に形成され、トレーサガスが封入された密閉空間部(40)とを有する密閉品の第2の封止部(50)の漏れ検査を行う際に、密閉空間部(40)から第2の封止部(50)を介して漏出するトレーサガスの漏出量を検出することを特徴としている。
容器部(10)内に予め封入できるトレーサガスの量に上限があっても、密閉空間部(40)には濃度や分圧の高いトレーサガスを封入できる。また、容器部(10)内に液体が存在しても、密閉空間部(40)のトレーサガスは当該液体に溶解してしまうことがない。したがって、漏出量を検出するのに十分な量のトレーサガスを漏出させることができるため、密閉品の漏れ検査を容易に行うことができる。
請求項9に記載の発明は、管状の開口部(20)を備えた容器部(10)を作製し、開口部(20)を封止して第1の封止部(30)を形成し、第1の封止部(30)の外側にトレーサガスを導入し、トレーサガスが導入された状態で、開口部(20)を第1の封止部(30)の外側でさらに封止して、第2の封止部(50)とトレーサガスが封入された密閉空間部(40)とを形成し、密閉空間部(40)から第2の封止部(50)を介して漏出するトレーサガスの漏出量を検出して第2の封止部(50)の漏れ検査を行うことを特徴としている。
容器部(10)内に予め封入できるトレーサガスの量に上限があっても、密閉空間部(40)には濃度や分圧の高いトレーサガスを封入できる。また、容器部(10)内に液体が存在しても、密閉空間部(40)のトレーサガスは当該液体に溶解してしまうことがない。したがって、漏出量を検出するのに十分な量のトレーサガスを漏出させることができるため、密閉品の漏れ検査を容易に行うことができる。
請求項10に記載の発明は、第1の封止部(30)は、封入されたトレーサガスを漏れ検査まで密閉空間部(40)に保持する封止性を少なくとも有するように形成されることを特徴としている。また請求項11に記載の発明は、第2の封止部(50)は、封入されたトレーサガスを漏れ検査まで密閉空間部(40)に保持する封止性を少なくとも有するように形成されることを特徴としている。これにより、密閉空間部(40)に封入したトレーサガスが漏れ検査までに漏出してしまい、漏れ検査が困難になることを防止できる。
ここで、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について図1乃至図13を用いて説明する。図1は、本実施形態における密閉品として、水11が冷媒として封入された密閉型の熱交換器1の構成を模式的に示す断面図である。ここで、図1では熱交換器1を単純な形状で示しているが、実際の熱交換器1はチューブ、フィン、ヘッダタンク等を備えた複雑な形状を有している。図1に示すように、熱交換器1は、水(内容物)11を収容する容器部10と、容器部10内に水11を注入するために開口された開口端20aを備える管状の注入口部(開口部)20とを有している。容器部10内のうち水11以外の空間12は、負圧に維持されている。容器部10及び注入口部20は例えば金属製である。また熱交換器1は、容器部10内を密閉するために注入口部20を封止する内側封止部30と、容器部10に隣接せず、内側封止部30の外側(開口端20a側)で注入口部20をさらに封止する外側封止部50とを有している。外側封止部50は、容器部10を最終的に封止する最終封止部として機能する。さらに熱交換器1は、内側封止部30及び外側封止部50間に形成された密閉空間部40を有している。
図2は、内側封止部30及び外側封止部50近傍の構成を拡大して示す断面図である。図2に示すように、内側封止部30及び外側封止部50は、管状の注入口部20のかしめ加工を行った後に、ろう材21を溶融させるろう付け加工を行い、ろう材21で開口部を塞ぐことによってそれぞれ形成されている。密閉空間部40は、注入口部20の管壁、内側封止部30及び外側封止部50により密閉されている。密閉空間部40内の空間は、内側封止部30により容器部10内の空間12から分離されるとともに、外側封止部50により熱交換器1の外部から分離されている。密閉空間部40の容積は、容器部10内の空間12の体積(容積)よりも小さく設定されている。
密閉空間部40には、外側封止部50の漏れ検査用のトレーサガス(又はトレーサガスを含む気体)が製造工程で予め封入されている。封入されたトレーサガスのうち一部は外側封止部50の漏れ検査工程で漏出し、残りが密閉空間部40内に残存している。トレーサガスとしてはアルゴン、水素、六フッ化硫黄などを用いることもできるが、検出感度を重視する場合はHeを選択するとよい。製造段階で密閉空間部40に封入されるトレーサガスの封入量は、漏れ検査が終了した後の密閉空間部40でのトレーサガスの封入量と、熱交換器1の製品寿命内に外側封止部50を介して外部から密閉空間部40に漏入する他の気体の漏入量との和が、容器部10内への気体の漏入が許容される漏入許容量以下になるように調整されている。トレーサガスの封入量は、封入圧力や密閉空間部40の容積を変えることにより調整可能である。熱交換器1の製品寿命内に密閉空間部40に漏入する他の気体の漏入量は、後述する外側封止部50の等価標準リークに基づき算出される。容器部10内への気体の漏入許容量は、容器部10内に漏入しても熱交換器1の性能低下が生じない気体の量の最大値である。
次に、本実施形態における熱交換器1の漏れ検査方法及びそれを含む熱交換器1の製造方法について説明する。密閉型の熱交換器1の漏れ検査は、内部からの水11の漏出や、外部からの非凝縮性ガスの漏入が生じないことを確認するために行われる。図3は、熱交換器1の製造工程及び漏れ検査工程の概略の流れを示すフローチャートである。図3に示すように、まず所定形状の容器部10と注入口部20とを備えた熱交換器本体を作製する(ステップS1)。続いて、作製した熱交換器本体のうち容器部10の漏れ検査を行う。容器部10の漏れ検査は、容器部10内にトレーサガスを封入して外部への漏出量を検出する方法や、外部にトレーサガスを充満させて容器部10内への漏入量を検出する方法などを用いて行われる。
次に、注入口部20から水11を容器部10内に注入する(ステップS2)。続いて、容器部10内の空間12の圧力を設定圧力(負圧)に調整する。
次に、内側封止部30及び外側封止部50を注入口部20に形成し、外側封止部50の漏れ検査を行う(ステップS3)。
図4は、上記ステップS3における内側封止部30及び外側封止部50の形成工程、並びに外側封止部50の漏れ検査工程の流れを示すフローチャートである。図4に示すように、容器部10内の空間12の圧力が調整された状態で、かしめ加工及びろう付け加工により注入口部20を封止し、内側封止部30を形成する(ステップS11)。これにより容器部10は所定の密閉度で密閉されるので、以降の工程では空間12の圧力が維持される。内側封止部30は、容器部10内の水11を密閉空間部40側に漏出させず、かつ後の工程で密閉空間部40に封入されるHeガスを漏れ検査まで密閉空間部40内に保持できる程度の封止性を少なくとも有するように形成される。
次に、内側封止部30より開口端20a側(密閉空間部40となる部分)に所定圧力のHeガスを導入する(ステップS12)。この工程は、注入口部20のうち内側封止部30より開口端20a側を減圧して空気をできるだけ取り除いた後に、所定圧力のHeガス雰囲気にすることにより行われる。
次に、所定圧力のHeガス雰囲気を保った状態で、注入口部20のうち内側封止部30より開口端20a側をかしめ加工及びろう付け加工によって封止し、外側封止部50を形成する(ステップS13)。これにより、外側封止部50と内側封止部30との間には、所定圧力のHeガスが封入された密閉空間部40が形成される。外側封止部50は、密閉空間部40に封入されたHeガスを漏れ検査まで密閉空間部40内に保持できる程度の封止性を少なくとも有するように形成される。ここで、外側封止部50を形成する際の加工条件や、外側封止部50と内側封止部30との間の距離は、既に形成されている内側封止部30の封止性が低下してしまうことがないように設定される。以上の工程を経て熱交換器1が作製される。
次に、密閉空間部40に封入したHeガスを用いて、外側封止部50の漏れ検査を行う(ステップS14)。外側封止部50又は内側封止部30で漏れが生じていると、密閉空間部40内のHeガスは時間の経過と共に減少していく。このため、外側封止部50の形成から所定時間内に漏れ検査を行うことが必要になる。
図5は、上記ステップS14における外側封止部50の漏れ検査工程の例を示す模式図である。図5に示すように、まず熱交換器1全体を真空チャンバ60に入れる。続いて、粗引き弁61を開けて真空ポンプ62により排気し、真空チャンバ60内を減圧する。真空チャンバ60内の圧力が所定圧力まで低下したら、質量分析法によりHeイオンを検出するHeリークディテクタ63を用いて、外側封止部50を介して密閉空間部40から漏出するHeガスの漏出量を検出する。
ここで、Heガスをトレーサガスとして用いた漏れ検査における検査可能範囲について説明する。検査可能範囲は、漏れ検査により検出されたHeガスの漏出量(実測リーク)Rと、検査対象物の実際の空気の漏れ量を表す等価標準リークLとの関係から求めることができる。実測リークR(Pa・m/s)と等価標準リークL(Pa・m/s)との関係は以下の式(1)で表される。
Figure 2008157899
・・・(1)
ただし、Pe:密閉空間部40でのHeガスの封入圧力(Pa)、Po:大気圧(=101325(Pa))、Ma:空気の分子量(=29)、M:Heの分子量(=4)、T:Heガス封入(外側封止部50の形成)から漏れ検査までの時間(s)、V:密閉空間部40の容積(m)である。
一例として、密閉空間部40でのHeガスの封入圧力Peを101325Paとし、Heガス封入から漏れ検査までの時間Tを3600sとし、密閉空間部40の容積Vを0.000002mとした場合の検査可能範囲を求める。
図6は、Heガスの実測リークRと等価標準リークLとの関係を示すグラフである。グラフの横軸は等価標準リークL(Pa・m/s)を常用対数で表し、縦軸は実測リークR(Pa・m/s)を常用対数で表している。曲線C1は、上記条件(Pe=101325(Pa)、T=3600(s)、V=0.000002(m))を式(1)に当てはめた場合の実測リークRと等価標準リークLとの関係を示している。また、線C2は外側封止部50での漏れが生じていない場合に検出されるHeガスの実測レベル(バックグラウンド(BG)レベル)R1を示し、線C3はBGレベルR1に基づいてSN比を確保するのに必要な最小の実測リークレベルR2を示している。
図6に示すように、曲線C1は等価標準リークL2で極大値をとっている。等価標準リークLがL2以下の範囲では等価標準リークLの増加に伴って実測リークRも増加し、等価標準リークLがL2より大きい範囲では等価標準リークLの増加に伴って実測リークRが急激に減少する。これは、等価標準リークLが大きくなると、密閉空間部40内のHeガスが漏れ検査の前に漏出してしまうため、Heガスの漏出量を検出するのが困難になることを表している。
SN比を確保できる範囲の実測リークR(R≧R2)に対応する等価標準リークLの範囲は、最小値がL1であり最大値がL4である。すなわち漏れ検査の検査可能範囲は、本来なら等価標準リークL1以上L4以下の範囲になる。しかしながら、等価標準リークL4は、漏れ量がこれより多くなるとHeガスが漏れ検査の前に漏出してしまうため検査不能になってしまう値である。このため、等価標準リークL4近傍では等価標準リークLに対する実測リークRの変化が大きいことや、設定した条件の誤差等により曲線C1が図6中の左方にずれる場合があることを考慮すると、検出可能範囲は等価標準リークL4より小さい値を最大値とするのが安全である。したがって、曲線C1において実測リークRが極大値をとる等価標準リークL2と等価標準リークL4との間の任意の値(例えば、等価標準リークL3(≒(L2×L4)1/2))を検査可能範囲の最大値に設定する。これにより、等価標準リークL1以上L3以下の範囲が上記条件における漏れ検査の検査可能範囲となり、等価標準リークL3を超える範囲が、検査前にHeガスが漏出してしまい検査不能になる大漏れ範囲となる。
この検査可能範囲は、密閉空間部40でのHeガスの封入圧力Pe、Heガス封入から漏れ検査までの時間T、又は密閉空間部40の容積Vのいずれかを変化させることにより調整できる。例えば、Heガス封入量を増加させずに大漏れ側の検査可能範囲を広げたい場合には、密閉空間部40の容積Vを増加させてHeガスの封入圧力Peを減少させる。
図7は、容積Vを増加させて封入圧力Peを減少させた場合の検査可能範囲の変化を示すグラフである。グラフの横軸及び縦軸、並びに曲線C1及び線C3は、図6に示したグラフと同一である。曲線C4は、Pe=10132.5(Pa)(曲線C1の条件におけるPeの1/10倍)、T=3600s、V=0.00002(m)(曲線C1の条件におけるVの10倍)の条件を式(1)に当てはめた場合の実測リークRと等価標準リークLとの関係を示している。
図7に示すように、曲線C1の条件に対して容積Vを増加させて封入圧力Peを減少させた場合、実測リークRと等価標準リークLとの関係を示す曲線C4は、曲線C1より大漏れ側(図中の右側)にずれる。これにより検査可能範囲の最大値は、等価標準リークL6(>L3)になる。したがって、容積Vを増加させて封入圧力Peを減少させることによって、大漏れ側の検査可能範囲が広がることが分かる。ただし、検査可能範囲の最小値が等価標準リークL5(>L1)になるため、最小値側の検査可能範囲は狭まる。
外側封止部50の大漏れ範囲の漏れは、既に述べたように密閉空間部40内のHeガスを用いた漏れ検査では検出できない。したがって、外側封止部50を形成する工程の工程能力によっては、外側封止部50の大漏れ範囲の漏れ検査が必要になる場合がある。
また、本実施形態では外側封止部50が容器部10の最終封止部として機能するので、内側封止部30の漏れ検査は必ずしも必要でない。しかしながら、内側封止部30での漏れ量が多いと、密閉空間部40に封入したHeガスが漏れ検査開始までに容器部10側に漏出してしまい、Heガスを用いた外側封止部50の漏れ検査が困難になる。したがって、内側封止部30を形成する工程の工程能力によっては、内側封止部30の大漏れ検査が必要になる場合がある。
図8は、図3のステップS3において、内側封止部30及び外側封止部50の双方の大漏れ検査を行う場合の内側封止部30及び外側封止部50の形成工程並びに漏れ検査工程の流れを示すフローチャートである。
図8に示すように、まず図4のステップS11と同様に、内側封止部30を形成する(ステップS21)。
次に、例えば差圧リークテスタを用いて、内側封止部30の大漏れ検査を行う(ステップS22)。この大漏れ検査では、容器部10内の水11が密閉空間部40側に漏出せず、密閉空間部40に封入されるトレーサガスを外側封止部50の形成(ステップS24)から外側封止部50の漏れ検査(ステップS25)まで密閉空間部40内に保持できる程度の封止性を内側封止部30が有するか否かが検査される。
次に、図4のステップS12と同様に、密閉空間部40となる部分に所定圧力のHeガスを導入する(ステップS23)。
次に、図4のステップS13と同様に、外側封止部50及び密閉空間部40を形成する(ステップS24)。
次に、図4のステップS14と同様に、外側封止部50の漏れ検査を行う(ステップS25)。
次に、例えば差圧リークテスタを用いて、外側封止部50の大漏れ検査を行う(ステップS26)。この大漏れ検査では、密閉空間部40に封入されたトレーサガスをステップS25の漏れ検査まで密閉空間部40内に保持できる程度の封止性を外側封止部50が有するか否かが検査される。もし外側封止部50が上記の封止性を有していなければ、ステップS25の漏れ検査で検出された実測リークRが例えばR2以下であったとしても、外側封止部50には大漏れ範囲の漏れが生じていることになる。この大漏れ検査はステップS25の漏れ検査の前に行うこともできるが、その場合であっても、ステップS25の漏れ検査は外側封止部50の形成から所定時間内に行う必要がある。
以上説明したように、本実施形態における熱交換器1は、内側封止部30によって密閉されるとともに、密閉空間部40を介して内側封止部30の外側に設けられた外側封止部50によっても密閉される。最終封止部として機能する外側封止部50は容器部10に隣接していないため、外側封止部50の漏れ検査を行うことによって、漏れ検査の際の容器部10内部に対する影響を軽減できる。本実施形態では、容器部10内に予め封入できるHeガスの量に上限があっても、容器部10から分離された密閉空間部40には濃度や分圧の高いHeガスを封入できる。したがって、漏出量を検出するのに十分な量のHeガスを漏出させることができるため、熱交換器1の漏れ検査を容易に行うことができる。
また本実施形態では、容器部10から分離された密閉空間部40内のHeガスは容器部10内の水11に接触しないようになっているため、Heガスが水11に溶解してしまうことがない。したがって、漏れ検査工程では、漏出量を検出するのに十分な量のHeガスを外側封止部50から漏出させることができるため、熱交換器1の漏れ検査を容易に行うことができる。
さらに本実施形態では、内側封止部30及び外側封止部50が、密閉空間部40に封入されるHeガスを漏れ検査まで密閉空間部40内に保持できる程度の封止性を少なくとも有するように形成されている。したがって、密閉空間部40に封入したHeガスが漏れ検査までに密閉空間部40から漏出してしまい、漏れ検査が困難になることを防止できる。
また本実施形態では、漏れ検査の困難な内側封止部30に比較的大きい漏れが生じていると、密閉空間部40内に封入したHeガスが熱交換器1の実際の使用期間中に全て容器部10内に漏入する場合もあり得る。しかしながら本実施形態によれば、密閉空間部40内でのHeガスの封入量と、製品寿命内において密閉空間部40に漏入する気体の漏入量との和が、容器部10内への気体の漏入許容量以下になっているため、熱交換器1の性能が低下するのを防止できる。
さらに本実施形態では、密閉空間部40が容器部10内の空間12より小さい容積を有している。Heガスが封入される密閉空間部40の容積を小さく設定することによって、Heガスの封入量が少量であっても、密閉空間部40内でのHeガスの濃度や分圧を高くすることができる。したがって、Heガスの使用量を削減できるとともに、熱交換器1の漏れ検査が容易になる。
また本実施形態では、トレーサガスを用いた漏れ検査が行われる外側封止部50は水11と接触しないため、外側封止部50の濡れによってトレーサガスの漏出が妨げられることがない。
さらに本実施形態では、例えば同量のHeガスを用いても、Heガスの封入圧力Pe、Heガス封入から漏れ検査までの時間T、又は密閉空間部40の容積Vのいずれかを変化させることにより、漏れ検査の検査可能範囲を調整できる。
また本実施形態では、熱交換器1をHeガスによりボンビングする工程が不要になるため、漏れ検査工程を簡略化することができる。
さらに本実施形態では、注入口部20が内側封止部30及び外側封止部50により二重に封止されているため、熱交換器1の密閉性の信頼度が向上する。
図9は本実施形態における熱交換器1の漏れ検査工程(図4のステップS14又は図8のステップS25)の変形例1を示す模式図であり、図10は図9のA部を拡大して示す断面図である。図9及び図10に示すように、本変形例は、注入口部20の開口端20a近傍を囲む比較的小型のチャンバ64を用いる点で図5に示した漏れ検査工程と異なっている。チャンバ64は、吸引機能を有するHeリークディテクタ63に接続されている。チャンバ64の先端部内周には、比較的高い弾力性を有するシール部65が形成されている。
漏れ検査を行う際には、まずチャンバ64を注入口部20に被せて圧入する。これにより、注入口部20の開口端20a近傍は、チャンバ64及びシール部65によって隙間なく囲まれる。Heリークディテクタ63の吸引機能によって注入口部20の外側封止部50より開口端20a側を減圧し、所定の圧力まで低下したら外側封止部50でのHeガスの漏出量を検出する。
本変形例によれば、熱交換器1全体を入れる真空チャンバ60よりも小型のチャンバ64内を減圧することによって漏れ検査を行うことができる。このため、減圧時間を短縮でき、漏れ検査工程を簡略化できる。
図11は本実施形態における熱交換器1の漏れ検査工程の変形例2を示す模式図であり、図12は図11のB部を拡大して示す断面図である。図11及び図12に示すように、本変形例では、注入口部20の開口端20a近傍を上方から緩く囲む吸引プローブ66と、気体中のHeガス濃度を測定するガス測定器67とが用いられ、外側封止部50の漏れ検査が大気圧下で行われる。
漏れ検査を行う際には、まず吸引プローブ66を注入口部20に被せる。これにより、注入口部20の開口端20a近傍は、吸引プローブ66により緩く囲まれる。次に、ポンプ68を用いて、吸引プローブ66内からの気体の移動を促進させる気流を発生させる。これにより、外側封止部50から漏出するHeガスを含む吸引プローブ66内の気体は、ポンプ68側に移動する。ポンプ68側に移動する気体中のHeガス濃度をガス測定器67により検出することによって、外側封止部50の漏れ検査を行う。
本変形例のように大気圧下で行われる漏れ検査は真空中での漏れ検査に比べて一般に検出感度が低いものの、チャンバ内の減圧が不要になるため、漏れ検査工程を簡略化できる。
ただし、外側封止部50に漏れが生じていると、密閉空間部40に封入されているHeガスは時間の経過と共に減少していくので、上記変形例1又は2のいずれの場合であっても、外側封止部50の形成から所定時間内に漏れ検査を行うことが必要になる。
図13は、本実施形態における熱交換器の構成の変形例3を模式的に示す断面図である。図13に示すように、本変形例における熱交換器2は、水を収容する金属製の容器部14と、容器部14内に水を注入するために容器部14に接合された樹脂性の注入口部22とを有している。また熱交換器2は、注入口部22内にかしめ球23が挿入されて熱かしめされることにより形成された内側封止部31と、注入口部22のうち内側封止部31よりも外側にかしめ球24が挿入されて熱かしめされることにより形成された外側封止部51とを有している。内側封止部31と外側封止部51との間には密閉空間部41が形成されている。密閉空間部41には、トレーサガスとしてHeガスが封入されている。
本変形例における熱交換器2によっても、図1及び図2に示した熱交換器1と同様の効果が得られる。
なお、内側封止部及び外側封止部は超音波接合などを用いて形成してもよいし、内側封止部と外側封止部とを互いに異なる方法を用いて形成してもよい。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について図14乃至図16を用いて説明する。図14は、本実施形態における密閉品として、密閉型の熱交換器3の構成を模式的に示す断面図である。図14に示すように、熱交換器3は、第1実施形態の熱交換器1と同様に、容器部10と注入口部20とを有している。また熱交換器3は、容器部10内を密閉するために注入口部20を封止する内側封止部32と、内側封止部32の開口端20a側で注入口部20をさらに封止する外側封止部52と、内側封止部32及び外側封止部52間に形成された密閉空間部42とを有している。
密閉空間部42内の空間は、内側封止部32により容器部10内の空間から分離され、外側封止部52により熱交換器3外部から分離されている。密閉空間部42の容積は、容器部10内の空間12の容積よりも小さくなっている。第1実施形態の密閉空間部40と異なり、密閉空間部42にはHeガス等のトレーサガスが封入されていない。密閉空間部42には、例えば空間12に封入された気体と同一の気体が、空間12の圧力(例えば負圧)と同一の圧力で封入されている。
次に、本実施形態における熱交換器3の漏れ検査方法及びそれを含む熱交換器3の製造方法について説明する。ここで、熱交換器本体を作製して容器部10に水11を注入し、容器部10内の圧力調整を行うまでの工程は、図3に示した第1実施形態の熱交換器1の製造工程及び漏れ検査工程の流れ(図3のステップS1及びS2)と同様であるので説明を省略する。
図15は、図3のステップS3にほぼ対応する内側封止部32及び外側封止部52の形成工程、並びに漏れ検査工程の流れを示すフローチャートである。図15に示すように、容器部10内の空間12の圧力が調整された状態で注入口部20を内側及び外側の2箇所で封止し、内側封止部32及び外側封止部52を同工程で形成する(ステップS31)。この工程では容器部10及び密閉空間部42が共に密閉されるので、空間12及び密閉空間部42には互いに同一の気体が同一の圧力で封入される。これにより熱交換器3が作製される。
次に、熱交換器3全体をボンビング装置内に入れ、ボンビング装置内を排気した後にHeガスを導入し、Heガスにより熱交換器3を外側から所定圧力で数時間程度加圧する(ステップS32)。このとき、外側封止部52に漏れが生じていれば、Heガスが密閉空間部42内に漏入する。密閉空間部42内に漏入したHeガスは、内側封止部32に漏れが生じていれば容器部10内にまで漏入し得るが、密閉空間部42内の圧力と空間12の圧力とは同一であるため、熱交換器3外部から密閉空間部42内に漏入するHeガス量に比較すると、さらに容器部10内にまで漏入するHeガス量は比較的少ない。この工程は、開口端20a近傍のみを囲むボンビング装置を用いて行ってもよい。
ボンビングが終了したら、熱交換器3をボンビング装置から取り出して真空チャンバ内に入れる。そして真空チャンバ内を減圧し、外側封止部52から漏出するHeガスの漏出量をHeリークディテクタにより検出する漏れ検査を行う(ステップS33)。漏れ検査は、ボンビング終了から所定時間内に行われる。この工程は、図9に示したような開口端20a近傍を囲む小型のチャンバ64と、吸引機能を有するHeリークディテクタ63を用いて行ってもよい。
ここで、上記の漏れ検査における検査可能範囲は、Heガスの実測リークR(Pa・m/s)と、等価標準リークL(Pa・m/s)との関係を表す式(2)を用いて、第1実施形態と同様の手順により求めることができる。
Figure 2008157899
・・・(2)
ただし、Pe:Heガスによる熱交換器3の加圧圧力(Pa)、Po:大気圧(=101325(Pa))、Ma:空気の分子量(=29)、M:Heの分子量(=4)、T1:加圧時間(s)、T2:加圧終了から漏れ検査までの時間(s)、V:密閉空間部42の容積(m)である。
検査可能範囲は、Heガスによる熱交換器3の加圧圧力Pe、加圧時間T1、加圧終了から漏れ検査までの時間T2、又は密閉空間部42の容積Vのいずれかを変化させることにより調整できる。
ここで、本実施形態では外側封止部52が容器部10の最終封止部として機能するので、内側封止部32の漏れ検査は必ずしも必要でない。しかしながら、内側封止部32での漏れ量が多いと、ボンビングにより密閉空間部42に漏入したHeガスが漏れ検査開始までに容器部10側に漏出してしまい、Heガスを用いた外側封止部52の漏れ検査が困難になる。したがって、内側封止部32を形成する工程の工程能力によっては、内側封止部32の大漏れ検査が必要になる場合がある。
また、外側封止部52を形成する工程の工程能力によっては、外側封止部52の大漏れ範囲の漏れ検査が必要になる場合もある。
図16は、内側封止部32及び外側封止部52の双方の大漏れ検査を行う場合の内側封止部32及び外側封止部52の形成工程、並びに漏れ検査工程の流れを示すフローチャートである。
図16に示すように、容器部10内の空間12の圧力が調整された状態で、かしめ加工及びろう付け加工により注入口部20を封止し、内側封止部32を形成する(ステップS41)。これにより容器部10は所定の密閉度で密閉されるので、以降の工程では空間12の圧力が維持される。
次に、例えば差圧リークテスタを用いて、内側封止部32の大漏れ検査を行う(ステップS42)。
次に、例えば大気圧下で、注入口部20のうち内側封止部32より開口端20a側をかしめ加工及びろう付け加工によって封止し、外側封止部52を形成する(ステップS43)。これにより、外側封止部52と内側封止部32との間には密閉空間部42が形成される。このとき密閉空間部42には、例えば空間12に封入された気体と異なる気体が大気圧に等しい圧力で封入される。以上の工程を経て熱交換器3が作製される。
次に、熱交換器3全体をボンビング装置内に入れ、ボンビング装置内を排気した後にHeガスを導入し、Heガスにより熱交換器3を外側から所定圧力で数時間程度加圧する(ステップS44)。このとき、外側封止部52に漏れが生じていれば、Heガスが密閉空間部42内に漏入する。
ボンビングが終了したら、熱交換器3をボンビング装置から取り出して真空チャンバ内に入れる。そして真空チャンバ内を減圧し、外側封止部52から漏出するHeガスの漏出量をHeリークディテクタにより検出する漏れ検査を行う(ステップS45)。漏れ検査は、ボンビング終了から所定時間内に行われる。
次に、例えば差圧リークテスタを用いて、外側封止部52の大漏れ検査を行う(ステップS46)。
本実施形態における熱交換器3は、内側封止部32によって密閉されるとともに、密閉空間部42を介して内側封止部32の外側に設けられた外側封止部52によっても密閉される。最終封止部として機能する外側封止部52は容器部10に隣接していないため、外側封止部52の漏れ検査を行うことによって、漏れ検査の際の容器部10内部に対する影響を軽減できる。本実施形態では、ボンビングによりHeガスを漏入させる密閉空間部42は容器部10から分離されている。このため、密閉空間部42に漏入したHeガスは容器部10内の水11に接触しないので、Heガスが水11に溶解してしまうことがない。したがって、漏れ検査工程では、漏出量を検出するのに十分な量のHeガスを外側封止部52から漏出させることができるため、熱交換器3の漏れ検査を容易に行うことができる。
また本実施形態では、ボンビングによりHeガスを漏入させる密閉空間部42の容積が比較的小さいため、空間12の容積が大きい熱交換器3であってもボンビング時間を短縮できる。
さらに本実施形態では、密閉空間部42にトレーサガスを予め封入する工程が不要になるので、第1実施形態と比較して熱交換器3の製造工程を簡略化することができる。
また本実施形態では、トレーサガスを用いた漏れ検査が行われる外側封止部52は水11と接触しないため、ボンビングの際のトレーサガスの漏入や、漏れ検査工程におけるトレーサガスの漏出が外側封止部52の濡れによって妨げられることがない。
さらに本実施形態では、注入口部20が内側封止部32及び外側封止部52により二重に封止されているため、熱交換器3の密閉性の信頼度が向上する。
(その他の実施形態)
上記第1及び第2実施形態では水が封入された密閉型の熱交換器を例に挙げたが、本発明は熱交換器に限らず、電解液が封入された電池等の他の液体が封入された密閉品や、固体や気体が封入された密閉品等にも適用可能である。
本発明の第1実施形態における熱交換器の構成を模式的に示す断面図である。 熱交換器の内側封止部及び外側封止部近傍の構成を拡大して示す断面図である。 本発明の第1実施形態における熱交換器の製造工程及び漏れ検査工程の流れを示すフローチャートである。 内側封止部及び外側封止部の形成工程、並びに外側封止部の漏れ検査工程の流れを示すフローチャートである。 外側封止部の漏れ検査工程の例を示す模式図である。 Heガスの実測リークRと等価標準リークLとの関係を示すグラフである。 容積Vを増加させて封入圧力Peを減少させた場合の検査可能範囲の変化を示すグラフである 大漏れ検査を行う場合の内側封止部及び外側封止部の形成工程、並びに漏れ検査工程の流れを示すフローチャートである。 本発明の第1実施形態における熱交換器の漏れ検査工程の変形例1を示す模式図である。 図9のA部を拡大して示す断面図である。 本発明の第1実施形態における熱交換器の漏れ検査工程の変形例2を示す模式図である。 図11のB部を拡大して示す断面図である。 本発明の第1実施形態における熱交換器の構成の変形例3を示す断面図である。 本発明の第2実施形態における熱交換器の構成を模式的に示す断面図である。 本発明の第2実施形態における熱交換器の内側封止部及び外側封止部の形成工程、並びに漏れ検査工程の流れを示すフローチャートである。 大漏れ検査を行う場合の内側封止部及び外側封止部の形成工程、並びに漏れ検査工程の流れを示すフローチャートである。
符号の説明
1、2、3 熱交換器
10、14 容器部
11 水(内容物)
12 空間
20、22 注入口部(開口部)
30、31、32 内側封止部
40、41、42 密閉空間部
50、51、52 外側封止部

Claims (11)

  1. 内容物(11)を収容する容器部(10)と、
    前記容器部(10)に形成された管状の開口部(20)と、
    前記開口部(20)を封止する第1の封止部(30)と、
    前記第1の封止部(30)の外側で前記開口部(20)をさらに封止する第2の封止部(50)と、
    前記第1の封止部(30)と前記第2の封止部(50)との間に形成された密閉空間部(40)とを有することを特徴とする密閉品。
  2. 前記密閉空間部(40)に、前記第2の封止部(50)の漏れ検査用のトレーサガスが封入されていることを特徴とする請求項1に記載の密閉品。
  3. 前記第1の封止部(30)は、封入された前記トレーサガスを前記漏れ検査まで前記密閉空間部(40)内に保持する封止性を少なくとも有することを特徴とする請求項2に記載の密閉品。
  4. 前記第2の封止部(50)は、封入された前記トレーサガスを前記漏れ検査まで前記密閉空間部(40)内に保持する封止性を少なくとも有することを特徴とする請求項2又は3に記載の密閉品。
  5. 前記密閉空間部(40)での前記トレーサガスの封入量と、製品寿命内において前記第2の封止部(50)を介して外部から前記密閉空間部(40)に漏入する気体の漏入量との和は、前記容器部(10)への気体の漏入が許容される量以下であることを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載の密閉品。
  6. 前記密閉空間部(40)は、前記容器部(10)内の前記内容物(11)以外の空間(12)より小さい容積を有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の密閉品。
  7. 前記内容物(11)は液体であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の密閉品。
  8. 内容物(11)を収容する容器部(10)と、前記容器部(10)に形成された管状の開口部(20)と、前記開口部(20)を封止する第1の封止部(30)と、前記第1の封止部(30)の外側で前記開口部(20)をさらに封止する第2の封止部(50)と、前記第1の封止部(30)と前記第2の封止部(50)との間に形成され、トレーサガスが封入された密閉空間部(40)とを有する密閉品の前記第2の封止部(50)の漏れ検査を行う際に、
    前記密閉空間部(40)から前記第2の封止部(50)を介して漏出する前記トレーサガスの漏出量を検出することを特徴とする密閉品の漏れ検査方法。
  9. 管状の開口部(20)を備えた容器部(10)を作製し、
    前記開口部(20)を封止して第1の封止部(30)を形成し、
    前記第1の封止部(30)の外側にトレーサガスを導入し、
    前記トレーサガスが導入された状態で、前記開口部(20)を前記第1の封止部(30)の外側でさらに封止して、第2の封止部(50)と前記トレーサガスが封入された密閉空間部(40)とを形成し、
    前記密閉空間部(40)から前記第2の封止部(50)を介して漏出する前記トレーサガスの漏出量を検出して前記第2の封止部(50)の漏れ検査を行うことを特徴とする密閉品の製造方法。
  10. 前記第1の封止部(30)は、封入された前記トレーサガスを前記漏れ検査まで前記密閉空間部(40)に保持する封止性を少なくとも有するように形成されることを特徴とする請求項9に記載の密閉品の製造方法。
  11. 前記第2の封止部(50)は、封入された前記トレーサガスを前記漏れ検査まで前記密閉空間部(40)に保持する封止性を少なくとも有するように形成されることを特徴とする請求項9又は10に記載の密閉品の製造方法。
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