JP7353060B2 - 漏れ検査方法 - Google Patents

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本発明は、検査対象の密封性を漏れ検査する方法に関し、特に、軟包体の内部に内容物が封入された検査対象に適した漏れ検査方法に関する。
漏れ検査(リークテスト)は、検査対象からの漏れを検知することで、検査対象の密封性の良否を判定する技術として知られている(特許文献1、2等参照)。圧力源からの流体圧(試験圧)を、検査対象にて画成された検査空間に導入する。そして、検査空間の圧力を測定する。検査対象の密封性に欠陥がある場合、その欠陥からの流体の漏れのために、測定圧力が閾値を超えて良品範囲から外れる。これによって、漏れの有無を検知でき、ひいては検査対象の密封性の良否を判定できる。
通常、良否判定の閾値を設定する際は、漏れの無い良品試料の圧力測定データを収集する。そのデータ分布のバラツキ度(例えば偏差σ)に基づいて閾値を設定している。詳しくは例えば、
閾値=μ+n・σ、又は閾値=μ-n・σ (1)
としている。ここで、μは、前記データ分布の平均値である。nは、1以上の整数である。
特開2013-002812号公報 特開2012-255687号公報
軟包体の内部に内容物が封入された検査対象においては、通常、内容物の量に関しては厳密に管理されるが、軟包体のヒートシール等による封止部の位置及び幅、並びに封入ガス量に関しては、それほど厳密でないことが多い。そのため、漏れの無い良品であっても体積が一様でなく、漏れ検査の測定データのバラツキ(偏差σ)が大きくなる。したがって、閾値の設定に際し、前記式1におけるnの値を大きくすると、漏れの有る不良品をも良品と誤判定してしまう確率が高くなる。式1におけるnの値を小さくすると、良品であるのに不良品と誤判定してしまう確率が高くなる。
一方、軟包体の封止部の位置及び幅、並びに封入ガス量等は、検査対象の体積には影響するが内容物の品質には直接影響しない項目であり、そのような項目についてまで厳密に管理しようとすると、製造及び管理のコストが高くなってしまう。
前記問題点を解決するために、本発明方法は、
軟包体の内部に内容物が封入された検査対象を漏れ検査する方法であって、
前記検査対象の試料として漏れの有る複数の不良試料の漏れ量の測定データを取得する漏れデータ取得工程と、
前記測定データのバラツキ度に基づいて、前記漏れ検査の閾値を設定する閾値設定工程と、
を備えたことを特徴とする。
内容物の量及び体積が厳密に管理された検査対象においては、不良試料の測定データのバラツキが小さい。したがって、そのバラツキ度に基づく閾値を用いて漏れ判定することによって、検査対象の漏れの有無を精度良く判別することができる。すなわち、漏れの有る不良品を良品と誤判定したり、良品であるのに不良品と誤判定したりする確率を十分に低くできる。これによって、漏れ判定の信頼性を高めることができる。
逆に言うと、漏れの無い良品の検査対象の体積が多少ばらついていても、漏れ判定に支障を及ぼすことがない。したがって、封止部の位置及び幅、並びに封入ガス量等、検査対象の体積には影響するが内容物の品質には直接影響しない項目を厳密に管理する必要がない。この結果、検査対象の生産及び管理コストを低減できる。
前記軟包体に密封欠陥を形成することによって、前記不良試料を得ることが好ましい。
これによって、漏れ量の測定データを適確に取得することができる。前記密封欠陥は、例えば、前記軟包体の外表面から内表面に貫通する穴(切込みを含む)である。前記密封欠陥の大きさは、大漏れレベルであることが好ましい。前記軟包体の外部に試験圧を導入したとき、短時間で(好ましくは1秒以下~数秒以内に)、当該大漏れレベルの密封欠陥を通して、前記軟包体の外部と内部とが互いに等圧になることが好ましい。前記漏れデータ取得工程及び前記閾値設定工程は、比較的大きな漏れ(密封欠陥)の測定及び判定に好適である。
前記漏れ検査方法が、前記検査対象における相対的に大きな漏れを測定する大漏れ測定工程と、
前記検査対象における相対的に小さな漏れを測定する小漏れ測定工程と、
前記大きな漏れの有無を前記閾値によって判定する大漏れ判定工程と、
前記大漏れ測定工程における大漏れ測定データに基づいて、前記小漏れ測定工程における小漏れ測定データを補正することにより小漏れ補正データを得る小漏れデータ補正工程と、
前記小漏れ補正データに基づいて前記大きな漏れの有無を判定する小漏れ判定工程と、
を更に備えていることが好ましい。
大漏れ判定では、検査対象の軟包体に大漏れレベルの密封欠陥が有るか否かを、前記閾値を用いて、的確に判別できる。
また、大漏れレベルの密封欠陥が無い検査対象(小漏れ判定の対象となる検査対象)は、大漏れ測定工程における測定データがばらついており、かつそのバラツキが、当該検査対象の体積と相関する。更にはその体積に応じて小漏れ測定工程における測定感度が影響を受ける。そこで、前記大漏れ測定工程における測定データに基づいて、前記小漏れ測定工程における測定データを補正することで、小漏れ判定においても、検査対象の体積のバラツキに拘わらず、高精度に漏れ判定でき、信頼性を一層高めることができる。
前記漏れ検査方法が、前記検査対象の試料として漏れの無い複数の良品試料に対する大漏れ測定データ及び小漏れ測定データ、並びに小漏れ相当の疑似漏れ状態での小漏れ測定データを取得する良品データ取得工程と、
前記良品試料の大漏れ測定データ及び前記疑似漏れ状態での小漏れ測定データに基づいて、前記良品試料の小漏れ測定データを補正することにより良品小漏れ補正データを得る良品小漏れデータ補正工程と、
前記良品小漏れ補正データに基づいて前記小漏れ判定工程における判定の閾値を設定する小漏れ閾値設定工程と、
を更に備えていることが好ましい。
これによって、検査対象の体積のバラツキに拘わらず、小漏れ判定の閾値を適確に設定することができる。
本発明によれば、軟包体の内部に内容物が封入された検査対象の密封性の良否判定を高精度に行なうことができる。しかも、検査対象の内容物の品質に直結しない項目を厳密に管理する必要がなく、製造・管理コストを削減できる。
図1は、本発明の一実施形態に係る漏れ検査装置の回路図である。 図2(a)は、前記漏れ検査装置における試験圧が導入されたカプセル内に、体積が相対的に小さい良品検査対象若しくは良品試料又は小漏れ検査対象が配置された状態を示す解説図である。図2(b)は、前記カプセル内に、体積が相対的に大きい良品検査対象若しくは良品試料又は小漏れ検査対象が配置された状態を示す解説図である。図2(c)は、前記カプセル内に、体積が相対的に小さい大漏れ検査対象又は大漏れ不良試料が配置された状態を示す解説図である。図2(d)は、前記カプセル内に、体積が相対的に大きい大漏れ検査対象又は大漏れ不良試料が配置された状態を示す解説図である。 図3は、前記漏れ検査装置によって大漏れ判定するための閾値を設定する手順を示すフローチャートである。 図4は、実際の検査対象に対する漏れ検査(本検査)の手順の第1態様を示すフローチャートである。 図5は、実際の検査対象又は試料に対する大漏れ測定データの分布を示すヒストグラムである。 図6は、実際の検査対象に対する漏れ検査(本検査)の手順の第2態様を示すフローチャートである。 図7は、前記漏れ検査装置による漏れ検査方法の第3態様を示すフローチャートである。 図8は、実施例1の結果を示すヒストグラムである。 図9は、実施例2の結果を示すヒストグラムである。
以下、本発明の一実施形態を図面にしたがって説明する。
図1に示すように、検査対象90は、内容物91と、軟包体92を備えている。内容物91の種類は、特に限定が無い。内容物91は、固形物(固体)でもよく、液体でもよく、固形物と液体との混合物でもよく、固形の含浸体に液体をしみ込ませたものでもよい。また、内容物91は、樹脂でもよく、金属でもよく、食材でもよく、薬剤その他の化学品でもよい。
一般に、この種の検査対象90においては、内容物91の量ひいては体積は、厳密に管理されている。つまり、検査対象90ごとにおける内容物91の量及び体積のばらつきは極めて小さい。
検査対象90は、例えばピロー包装機によって製造される。軟包体92の材質は、主に軟質樹脂である。樹脂層と金属層とのラミネート構造になっていてもよい。軟包体92の形態は、特に限定が無く、二方封止袋、三方封止袋、四方封止袋、ガゼット袋等であってもよい。SP包装(strip package)やPTP包装(press through package)であってもよい。軟包体92の周縁部や背面部等には、ヒートシールによる封止部94が設けられている。内容物91と軟包体92との間には、包装内空間93が形成されている。包装内空間93には、窒素等の封入ガスが封入されている。
一般に、この種の検査対象90においては、封止部94の位置及び幅、並びに封入ガス量の精度は、内容物91の量及び体積ほどは厳密に管理されておらず、検査対象90ごとにバラツキがある。
ここで、図2(a)及び(b)に示すように、検査対象90のうち漏れの無いものを良品検査対象90Aと表記する。良品検査対象90Aの包装内空間93は密封されている。また、検査対象90のうち相対的に小さな漏れのあるものを小漏れ検査対象90Cと表記する。小漏れ検査対象90Cの軟包体25には、小漏れ相当の微小な密封欠陥(図示省略)が形成されている。ここで、小漏れとは、例えば数十kPa程度の試験圧下での圧力漏れが数Paオーダー以下であることを言う。
図2(c)及び(d)に示すように、検査対象90のうち相対的に大きな漏れのあるものを大漏れ検査対象90Bと表記する。大漏れ検査対象90Bの軟包体92には、大漏れ相当の密封欠陥95が形成されている。ここで、大漏れとは、例えば数十kPa程度の試験圧下での圧力漏れが数十Pa~数kPaオーダーであることを言う。
後述するように、検査対象90は、漏れ判定の閾値を設定するための試料ともなる。すなわち、良品検査対象90Aは、良品試料90Aともなる。大漏れ検査対象90Bは、大漏れ不良試料90Bともなる。
図1に示すように、漏れ検査装置1は、検査回路10と、カプセル20(検査対象収容器)を備えている。カプセル20は、開閉可能かつ密閉可能になっている。カプセル20に検査対象90が収容されている。カプセル20の内壁と検査対象90との間に検査空間29が画成されている。言い換えると、検査対象90が、カプセル20と協働して検査空間29を画成している。
後述するように、密閉状態のカプセル20内には試験圧が導入される。本実施形態における試験圧は負圧である。そのため、図2に示すように、軟包体92が膨らむ。膨らんだ軟包体92の外表面と、カプセル20の内壁との間が、前記検査空間29となる。前述したように、検査対象90においては封止部94の位置及び幅、並びに封入ガス量が厳密でないために、軟包体92の膨らみ度合ひいては検査対象90の体積は一様でない。したがって、検査空間29の容積も一様でない。
一方、図2(c)及び(d)に示すように、検査対象90のうち、大漏れ検査対象90Bにおいては、包装内空間93が、密封欠陥95を介して検査空間29と一体に連なる。以下、包装内空間93と検査空間29を合わせた空間を大漏れ時検査空間29Bと称す。大漏れ時検査空間29Bの容積は、空の状態のカプセル20の容積から内容物91の体積及び軟包体92の体積(内容積を除く実部の体積)を差し引いた大きさである。内容物91の体積及び軟包体92の体積(内容積を除く実部の体積)はバラツキが小さいから、大漏れ時検査空間29Bの容積もバラツキが小さい。
図1に示すように、漏れ検査装置1の検査回路10は、タンク圧調整路11と、測定共通路10aと、大漏れ測定路12と、小漏れ測定路13を含む。
タンク圧調整路11は、真空ポンプ2(圧力源)から延びている。タンク圧調整路11には、真空ポンプ2側から、真空レギュレータ3、タンク遮断弁V1、及びタンク4(圧力槽)が順次配置されている。真空レギュレータ3(圧力制御手段)は、その二次圧を所定の負圧(設定圧P)になるよう調節する。タンク遮断弁V1は、例えば常開の電磁開閉弁によって構成されている。好ましくは、タンク4の内容積は、検査空間29の内容積(正確には、検査空間29に加えて、これに連なる大漏れ測定路12、弁V2より下流側の測定共通路10a、小漏れ測定路13a,13c、及び後述の弁V4より上流側の残圧解放路14、並びに被検室31の合計容積)よりも小さい。
タンク4に圧力計40(大漏れ測定手段)が接続されている。圧力計40は、タンク4内の圧力を測定する。圧力計40としては、ゲージ圧計が用いられているが絶対圧計であってもよい。
タンク圧調整路11から測定共通路10aが延びている。測定共通路10aには、大漏れ測定弁V2が設けられている。大漏れ測定弁V2は、例えば常閉の電磁開閉弁によって構成されている。測定共通路10aの下流端(タンク4とは反対側の端部)には、大漏れ測定路12と、小漏れ測定路13とが接続されている。大漏れ測定路12は、カプセル20へ延び、検査空間29に連なっている。
小漏れ測定路13は、差圧センサ30(小漏れ測定手段)と、被検室路13aと、基準室路13bと、被検側連通路13cと、基準側連通路13dを含む。被検室路13a及び被検側連通路13cが、測定共通路10aに連なっている。
差圧センサ30は、被検室31と、基準室32を含む。被検室31が被検室路13aと連なっている。基準室32は、基準室路13bと連なり、かつ基準室路13bが基準側連通路13dと連なっている。被検側連通路13cと基準側連通路13dとの間に、小漏れ測定弁V3が介在されている。小漏れ測定弁V3は、例えば常開の電磁開閉弁によって構成されている。
被検側連通路13cから残圧解放路14が延びている。残圧解放路14には、残圧解放弁V4が設けられている。残圧解放弁V4は、例えば常開の電磁開閉弁によって構成されている。残圧解放路14の端部は、大気解放されている。
被検側連通路13cと残圧解放路14との接続部から疑似漏れ路16が延びている。疑似漏れ路16には疑似漏れ発生器6が設けられている。
基準室路13bと基準側連通路13dとの接続部に急速破壊路15が連なっている。急速破壊路15上に急速破壊弁V5が設けられている。急速破壊弁V5は、例えば常閉の電磁開閉弁によって構成されている。急速破壊路15の端部には、コンプレッサ5が接続されている。
更に、漏れ検査装置1には、コントローラ8(制御手段)が備えられている。コントローラ8によって、弁V1~V5の駆動や、圧力計40及び差圧センサ30の測定値の読み込み、演算処理、漏れ判定等が実行される。詳細な図示は省略するが、コントローラ8は、CPUや、弁V1~V5等の駆動回路の他、記憶部8mを有している。記憶部8mには、制御プログラムの他、大漏れ判定のための閾値Psや、小漏れ判定のための閾値Pf等が格納されている。
[漏れ検査装置1による漏れ検査方法(第1態様)]
漏れ検査装置1によって検査対象90を漏れ検査する方法の第1態様を説明する。検査に先立ち、予め閾値Ps,Pfを設定する。
<閾値Psの設定方法>
大漏れ判定のための閾値Psは、次のようにして設定する。
図3のフローチャートに示すように、先ず、漏れの無い検査対象90からなる良品試料90Aを複数用意する(ステップ100)。
各良品試料90Aの軟包体92に密封欠陥95を形成する(図2(c),(d)参照)。これによって、不良試料90Bを得る(ステップ101)。
<漏れデータ取得工程>
不良試料90B及び漏れ検査装置1を用いて、以下のようにして、漏れ量データを取得する(ステップ110)。
漏れ検査装置1のカプセル20を開けて、1つの不良試料90Bをカプセル20内に収容した後(ステップ111)、カプセル20を密閉する(図2(c),(d)参照)。この段階の検査空間29は、大気圧になっている。
なお、図1に示すように、漏れ検査装置1における初期状態のタンク遮断弁V1は開状態、大漏れ測定弁V2は閉状態、小漏れ測定弁V3は開状態、残圧解放弁V4は開状態、急速破壊弁V5は閉状態になっている。また、疑似漏れ発生器6は完全に閉止されている。
真空ポンプ2の駆動によって、タンク4内のガスを真空吸引する。これによって、タンク4内に真空圧を蓄圧する(ステップ112)。このとき、真空レギュレータ3によって、タンク4の内圧を設定圧Pになるように調節する。
次に、タンク遮断弁V1及び残圧解放弁V4を閉じる。タンク遮断弁V1の閉止によって、タンク4が真空レギュレータ3から遮断される(ステップ113)。
次いで、大漏れ測定弁V2を開く。これによって、タンク4と検査空間29とが互いに連通され、タンク4から検査空間29に試験圧(負圧)が導入される(ステップ115)。試験圧の大きさは、真空レギュレータ3の設定圧Pと、タンク4の容積と、検査空間29の容積とによって決まり、設定圧Pよりも大気圧に近い。
更に、不良試料90Bにおいては、短時間で(少なくとも後記圧力測定(ステップ116)のタイミングよりも早く)検査空間29から密封欠陥95を通して包装内空間93へ圧力漏れが起きる。要するに、検査空間29と包装内空間93とを合わせた大漏れ時検査空間29Bに試験圧が導入される。
大漏れ測定弁V2の開時から1秒~数秒後、圧力計40によってタンク4ひいては大漏れ時検査空間29Bの圧力を測定する(ステップ116)。この測定圧力を、不良試料90Bの漏れ量の測定データP9Bとする。
なお、ステップ115の試験圧導入工程前にタンク4の内圧(連通前タンク圧P)を圧力計40によって測定しておき、設定圧Pと連通前タンク圧Pとの比(P/P)を大漏れ時検査空間29Bの前記測定圧力に乗じる等した値を、不良試料90Bの漏れ量の測定データP9Bとしてもよい(レギュレータ精度補正処理工程)。理想的には、真空レギュレータ3の二次圧ひいては連通前タンク圧Pは、安定的に設定圧Pになっているべきであるが、真空レギュレータ3の性能上、実際には設定圧Pよりも少し大きくなったり小さくなったりする。レギュレータ精度補正処理を実行することによって、この変動を補償することができる。そうすることで、真空レギュレータ3を超高感度ないしは超高性能にする必要がなくなり、漏れ検査装置1の製品コストを抑えることができる。
圧力測定後、(測定データP9Bの取得後)、不良試料90Bをカプセル20から取り出す(ステップ117)。
更に、未測定の不良試料90Bに対して(ステップ118)、同じ処理(ステップ111~118)を実行することで、複数の不良試料90B,90B…の測定データP9B,P9B…を得る。
<閾値設定>
続いて、これら不良試料90B,90B…の測定データP9B,P9B…の平均値Pμ及び標準偏差σ(ばらつき度)を求める(ステップ120)。前述したように、大漏れ時検査空間29Bの容積のバラツキが小さいから、測定データP9Bのバラツキも小さく、標準偏差σの値は小さい。
更に、平均値Pμ及び標準偏差σに基づいて、大漏れ判定の閾値Psを例えば次の式2のようにして設定する(ステップ121)。
Ps=Pμ-n・σ (2)
ここで、nは、1以上の整数である。好ましくは、n=3~16であり、より好ましくはn=4~8である。
なお、好ましくは、設定した閾値Psの妥当性を検証する。詳しくは、例えば、良品試料90A,90A…の測定データP9A,P9A…をも、前記不良品測定データP9B,P9B…と同様の手順で取得する。そして、これら良品測定データP9A,P9A…及び前記不良品測定データP9B,P9B…の分布上に前記閾値Psをプロットし、閾値Psが2つの分布の間にあるかを確認する。
小漏れ判定用の閾値Pfは、疑似漏れ発生器6から小漏れレベルの疑似漏れを起こさせたときの差圧センサ30の測定データP8C等に基づいて設定する。なお、閾値Pfについても、閾値Psと同様の手順を行うことによって設定してもよい。更に好ましくは、設定した閾値Pfの妥当性を測定データP8C等から検証する。
<本検査>
その後、実際の検査対象90に対して、漏れ検査(本検査)を実行する。
<本検査~大漏れ測定工程>
図4のフローチャートにて示すように、本検査では、先に、検査対象90における相対的に大きな漏れを測定する大漏れ測定工程を行なう(ステップ201)。大漏れ測定(ステップ201)の手順は、前述した閾値Psの設定のための漏れデータ取得の手順(図3)と実質的に同じである。すなわち、検査対象90のカプセル20内への収容、タンク4への蓄圧、タンク4と真空レギュレータ3との遮断、検査空間29への試験圧導入、検査空間29の圧力測定(測定データPの取得)を順次実行する。図2に示すように、試験圧(負圧)の導入によって軟包体92が膨らむ。
なお、閾値Psの設定のための漏れデータ取得において、真空レギュレータ3の二次圧変動分の補正処理を行なった場合には、実際の検査対象90に対する本検査でも同様の補正処理を行う。
<小漏れ測定工程>
図4に示すように、引き続いて、検査対象90における相対的に小さな漏れを測定する小漏れ測定工程を行う(ステップ202)。詳しくは、大漏れ測定弁V2を閉じるとともに、小漏れ測定弁V3を閉じることで、被検室31と基準室32とを遮断する。そして、差圧センサ30によって被検室31と基準室32との間の差圧を測定する。この測定差圧が、小漏れの測定データPとなる。
<大漏れ判定工程>
次に、検査対象90における大漏れの有無を判定する(ステップ203)。詳しくは、測定データPを閾値Psと比較する。測定データPが閾値Psよりも良品圧力範囲側(高負圧側)であるときは、検査対象90を「大漏れ無し(良品又は小漏れ有り)」と判定する。測定データPが閾値Psよりも不良品圧力範囲側(低負圧側)であるときは、検査対象90を「大漏れ有り」と判定し、「NG(不良品)」として処理する(ステップ209)。
前述したように、この種の検査対象90においては、試験圧(負圧)で膨らんだ状態の検査対象90の体積は一様でなく、検査空間29の容積も一様でない(図2)。また、検査対象90が漏れの無い良品90A又は小漏れ品90C(図2(a)及び(b))である場合における検査空間29の圧力すなわち測定データP9Aは、検査空間29の容積に依存する。したがって、図5に示すように、測定データP9Aはバラツキが大きい。そのため、もしも、良品検査対象90Aを用いて閾値Psを設定しようとした場合、閾値を例えば3σ相当値以上(式1においてn≧3)に設定すると、図5の網掛け部Rbのように、大漏れ有り(不良品)であるのに良品と誤判定してしまう確率が高くなる。一方、閾値を例えば1σ~2σ相当値(式1においてn=1~2)に設定すると、図5の網掛け部Raのように、良品であるのに大漏れ有り(不良品)と誤判定してしまう確率が高くなる。
これに対して、大漏れ品90B(図2(c)及び(d))における測定データP9Bは、大漏れ時検査空間29Bの容積に依存し、かつ大漏れ時検査空間29Bの容積は一定である。このため、図5に示すように、大漏れ品90Bの測定データP9Bのバラツキは小さい。したがって、大漏れ品90Bの測定データP9Bの偏差σに基づいて閾値Psを設定することで、検査対象90の密封性を精度良く判定できる。すなわち、閾値Psの設定に際し、式2のn値を十分に大きく採ることができる。例えば、閾値Psを3σ~16σ相当値(式2においてn=3~16)に設定することができる。これによって、大漏れ品であるのに良品と誤判定してしまう確率を十分に低くできる。かつ、式2におけるn値を大きくしても、閾値Psが良品のデータ分布(P9A)に入る可能性は極めて小さく、漏れの無い良品であるのに不良品と誤判定してしまう確率を十分に低くできる。
逆に言うと、検査対象90の体積にバラツキがあっても、漏れ判定に支障を及ぼすことがない。したがって、封止部94の位置及び幅、並びに封入ガス量等、検査対象90の体積には影響するが内容物91の品質には直接影響しない項目についてまで厳密に管理する必要がない。この結果、検査対象90の生産及び管理コストを低減できる。
<小漏れ判定工程>
図4に示すように、「大漏れ無し」と判定された検査対象90については、更に、小漏れの有無を判定する(ステップ205)。詳しくは、小漏れの測定差圧Pが、小漏れの閾値Pfよりも良品圧力範囲側(高負圧側)であるときは「OK(良品)」と判定する(ステップ208)。小漏れの測定差圧Pが、小漏れの閾値Pfよりも不良品圧力範囲側(低負圧側)であるときは「小漏れ有り」と判定し、「NG(不良品)」として処理する(ステップ209)。
<終了工程>
前記小漏れ測定工程(ステップ202)の終了後、タンク遮断弁V1を開く。
また、小漏れ測定弁V3及び残圧解放弁V4を開けるとともに、急速破壊弁V5を開ける。そして、コンプレッサ5からエアを、急速破壊路15、基準側連通路13d、被検側連通路13c、及び大漏れ測定路12を順次経て、検査空間29へ強制導入する。これによって、検査空間29を短時間で大気圧に戻すことができる。
その後、カプセル20を開けて、検査対象90を交換する。
そして、次の検査対象90の漏れ検査を同様の手順で行う。
[漏れ検査装置1による漏れ検査方法(第2態様)]
次に、漏れ検査装置1による漏れ検査方法の第2態様を、図6のフローチャートにしたがって説明する。第2態様では、検査対象90の体積のバラツキによる小漏れ測定データPへの影響分を、大漏れ測定データPを用いて補正したうえで、小漏れ判定している。
すなわち、良品検査対象90A及び小漏れ検査対象90Cの体積が大きいと(図2(b)参照)、検査空間29が小さくなるために、差圧センサ30の検出感度が高くなり、測定差圧(P)が増大側へシフトする。反対に、検査対象90A,90Cの体積が小さいと(図2(a)参照)、検査空間29が大きくなるために、差圧センサ30の検出感度が低くなり、測定差圧(P)が減少側へシフトする。一方、図5に示すように、検査対象90A,90Cの大漏れ測定データP9Aは、検査対象90A,90Cの体積に依存する。
そこで、図6のフローチャートにて示すように、大漏れ測定(ステップ201)及び小漏れ測定(ステップ202)の後、大漏れ判定(ステップ203)において大漏れ無し、すなわち良品90A又は小漏れ品90Cと判定された場合には、その大漏れ測定データP9Aに基づいて小漏れ測定データPを補正する(ステップ204)。詳しくは、例えば式3等の演算を行う。
Figure 0007353060000001
ここで、f(P9A)は、P9Aの一次関数であるが、これに限られず、P9Aの二次関数その他の高次関数等であってもよい。また、αは、定数であるが、これに限られず、f(P9A)よりも低次のP9Aの関数等でもよい。
これによって、大漏れ測定データP9Aが大きい値である程、小漏れ測定データPをより大きく減少するように補正したり、大漏れ測定データP9Aが小さい値である程、小漏れ測定データPをより大きく増大するように補正したりすることで、小漏れ補正データP'を得る。そして、小漏れ補正データP'に基づいて小漏れ判定を行う(ステップ205)。これによって、検査対象90の体積のバラツキに拘わらず、高精度に小漏れ判定でき、信頼性を一層高めることができる。
第2態様におけるその他の操作は、第1態様又は第2態様と同様である。
[漏れ検査装置1による漏れ検査方法(第3態様)]
次に、漏れ検査装置1による漏れ検査方法の第3態様を説明する。第3態様においては、検査対象90の体積のバラツキによる影響を小漏れ閾値Pfの設定に反映させている。
<良品データ取得工程>
詳しくは、図7のフローチャートに示すように、先ず良品データ取得を行なう(ステップ300)。すなわち、複数の良品試料90A,90A…を用意する(ステップ301)。そして、以下のようにして、漏れの無い状態での測定(ステップ310)と、小漏れ相当の疑似漏れ状態での測定(ステップ320)を行う。
漏れ無し状態での測定手順は、実際の検査対象90に対する本検査における大漏れ測定及び小漏れ測定(図4のステップ201~202)と同様である。疑似漏れ発生器6は、完全に閉止しておく(ステップ311)。大漏れ測定によって、大漏れ測定データP9Aが得られる(ステップ312)。小漏れ測定によって、小漏れ測定データP8Aが得られる(ステップ313)。同じ操作を複数の良品試料90A,90A…について反復して実行することで(ステップ314)、複数の大漏れ測定データP9A,P9A…及び複数の小漏れ測定データP8A,P8A…を得る。
次に、疑似漏れ発生器6から所定の小漏れレベルの疑似漏れを発生させる(ステップ321)。好ましくは、例えば数十kPa程度の試験圧下での差圧センサ30の測定データP8CがP8C=数Paオーダー以下になる程度の疑似漏れを起こす。この疑似漏れ状態で、実際の検査対象90に対する本検査における大漏れ測定及び小漏れ測定(図4のステップ201~202)と同様の操作を行なう。大漏れ測定によって、大漏れ測定データP9Cが得られる(ステップ322)。なお、ステップ322は省略してもよい。小漏れ測定によって、小漏れ測定データP8cが得られる(ステップ323)。同じ操作を複数の良品試料90A,90A…について反復して実行することで(ステップ324)、疑似漏れ状態での複数の大漏れ測定データP9C,P9C…及び複数の小漏れ測定データP8C,P8C…を得る。
なお、疑似漏れ状態での測定(ステップ320)を先に実行し、その後、漏れ無し状態での測定(ステップ310)を実行してもよい。
<良品小漏れデータ補正工程>
次に、これら良品試料90A,90A…の大漏れ測定データP9A,P9A…及び疑似漏れ状態での小漏れ測定データP8C,P8C…等に基づいて、良品試料90A,90A…の小漏れ測定データP8A,P8A…を補正する(ステップ330)。
詳しくは、漏れ無し状態の大漏れ測定データP9A,P9A…と、疑似漏れ状態の小漏れ測定データP8C,P8C…とから補正係数(例えば下式4のβの値)を算出する(ステップ331)。好ましくは、補正後(例えば式4の右辺の演算後)の疑似漏れ状態の小漏れ補正データP'8Cが、対応するP9A及びP8Cの値に拘わらず、疑似漏れ発生器6の疑似漏れ量になるべく近似した値になるようにする。
Figure 0007353060000002
次に、漏れ無し状態の各小漏れ測定データP8Aを、対応する大漏れ測定データP9A及び前記補正係数βを用いて、例えば下式5のようにして補正することで、良品小漏れ補正データP'8Aを算出する(ステップ332)。
Figure 0007353060000003
<小漏れ閾値設定工程>
そして、複数の良品小漏れ補正データP'8Aに基づいて、例えば式1等を使って小漏れ閾値Pfを設定する(ステップ340)。好ましくは、複数の良品小漏れ補正データP'8Aと、疑似漏れ状態での小漏れ補正データP'8Cとから小漏れ閾値Pfを設定する。これによって、検査対象90の体積のバラツキに拘わらず、小漏れ閾値Pfを適確に設定することができる。
さらに好ましくは、設定した小漏れ閾値Pfの妥当性を測定データP8A,P8Cから検証する。
第3態様におけるその他の操作は、第1態様又は第2態様と同様である。
本発明は、前記実施形態に限られず、その趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改変をなすことができる。
例えば、図4のフローチャートにおいて、大漏れ測定(ステップ201)の後、大漏れ判定(ステップ203)を行ない、大漏れ無しであった場合のみ、小漏れ測定(ステップ202)及び小漏れ判定(ステップ205)を行ない、大漏れ有りの場合は、小漏れ測定及び小漏れ判定を省略してもよい。図6のフローチャートにおいて、大漏れ測定(ステップ201)の後、大漏れ判定(ステップ203)を行ない、大漏れ無しであった場合のみ、小漏れ測定(ステップ202)、補正(ステップ204)及び小漏れ判定(ステップ205)を行ない、大漏れ有りの場合は、小漏れ測定、補正及び小漏れ判定を省略してもよい。
試験圧が正圧であってもよい。圧力源として、真空ポンプ2に代えてコンプレッサ等の圧縮エア供給手段を用いてもよい。圧力制御手段として、真空レギュレータ3に代えて正圧レギュレータを用いてもよい。この場合、急速破壊路15には、コンプレッサ5に代えて、真空ポンプを接続する。
大漏れ測定データPを測定するための専用の圧力計を、圧力計40とは別途に、カプセル20又は大漏れ測定路12に設けてもよい。
漏れ検査装置1の回路構成を適宜改変してもよい。
実施例を説明する。ただし、本発明がこの実施例に限定されるものではない。
図1の漏れ検査装置1と同様の回路を有する装置を用いた。
真空レギュレータ3としては、株式会社フクダ製電空レギュレータAPUを用いた。なお、この電空レギュレータ(APU)の圧力変動幅は、設定圧の0.1%程度であり、一般的なレギュレータ(0.5%程度)よりも小さい。
タンク4の容積は、20ccであった。
検査空間29の容積(正確には、検査空間29に加えて、これに連なる大漏れ測定路12、弁V2より下流側の測定共通路10a、小漏れ測定路13a,13c、及び弁V4より上流側の残圧解放路14、並びに被検室31の合計容積)は、50ccであった。
実施例1の検査対象90として、大塚製薬株式会社製カロリーメイト(登録商標)を多数用意した。この検査対象90の内容物91は重さ40gの固体であり、軟包体(内袋)92はガゼット袋の軟包密封体であり、更に軟包体(内袋)92が紙製の外箱に収容されている。
外箱未開封の検査対象90すなわち良品試料90Aを1つずつカプセル20に収容し、カプセル20を密閉した。
続いて、タンク4内を真空引きした後、タンク4と真空レギュレータ3とを遮断した。真空レギュレータ3の設定圧は、-70kPaとした。
その後、タンク4とカプセル20とを連通させ、検査空間29に試験圧(-20kPa程度)を導入した。
そして、圧力センサ40によって、良品試料9Aの測定データP9Aを取得した。
次に、各検査対象90の外箱を開けて、軟包体(内袋)92に針で孔(密封欠陥95)を開けることで、不良試料90Bを複数作製した。この不良試料90B(外箱入り)を1つずつカプセル20に収容し、カプセル20を密閉した。
続いて、タンク4内を真空引きした後、タンク4と真空レギュレータ3とを遮断した。真空レギュレータ3の設定圧は、-70kPaとした。
その後、タンク4とカプセル20とを連通させ、検査空間29に試験圧(-20kPa程度)を導入した。
そして、圧力センサ40によって、不良品試料90Bの測定データP9Bを取得した。
結果を図8のヒストグラムにして示す。なお、同図の横軸は、良品試料90Aの測定データP9Aの最小値付近を基準(0kPa)とし、該基準圧力からの圧力差を表わす。
不良試料90Bは、良品90Aに比べて測定データPのバラツキが非常に小さいことが確認された。
不良試料90Bの測定データP9Bの偏差σは、σ=0.0492であった。
これによって、閾値Psを8σ相当(Ps=Pμ-8σ)に設定することで、大漏れ品を確実に検知でき、かつ良品を大漏れ品と誤判定してしまう確率が殆ど0であることが判明した。更に、閾値Psを16σ相当(Ps=Pμ-16σ)に設定することも可能であり、そうすることで、大漏れ品を一層確実に検知でき、かつ良品を大漏れ品と判定してしまう確率を十分に低くできることが確認された。
これに対して、良品試料90Aの測定データP9Aの偏差は、σ=1.00であった。このため、良品の測定データP9Aを基にして閾値を設定しようとすると、せいぜい2σ相当(閾値=平均値+2σ)までが限度であり、3σ相当(閾値=平均値+3σ)に設定すると、大漏れ品までもが良品と誤判定されてしまうことが確認された。2σ相当の閾値では良品であるのに不良品と誤判定してしまう確率が高くなってしまう。
実施例2では、検査対象として、小林製薬株式会社製メガネクリーナを多数用意した。この検査対象の軟包体は、四方封止の密封袋であった。内容物91は、不織布に液剤が含浸された状態であった。
実験手順は、実施例1と同じであり、先ず未開封の良品状態で測定データP9Aを取得した。次に、検査対象の軟包体にハサミで切込み(密封欠陥95)を入れた不良試料で測定データP9Bを取得した。
結果を図9のヒストグラムにして示す。なお、同図の横軸は、良品の測定データP9Aの平均値を基準(0kPa)とし、該基準圧力からの圧力差を表わす。
不良品の測定データP9Bの偏差σは、σ=0.01847であった。不良試料は、良品に比べて検査圧のバラツキが十分に小さいことが確認された。これによって、閾値Psを4σ相当(Ps=Pμ-4σ)に設定することで、大漏れ品か否かを精度良く判定できることが確認された。
これに対して、良品の測定データP9Aの偏差σは、σ=0.08339であった。このため、良品の測定データP9Aを基にして閾値を設定しようとすると、せいぜい2σ相当(閾値=平均値+2σ)までが限度であり、3σ相当(閾値=平均値+3σ)に設定すると、大漏れ品までもが良品と誤判定されてしまうことが確認された。
本発明は、例えばピロー包装にて作製された軟包密封袋等の密封性試験に適用できる。
1 漏れ検査装置
90 検査対象
90A 良品
90B 大漏れ品(不良試料)
90C 小漏れ品
91 内容物
92 軟包体
95 密封欠陥
大漏れ測定データ
9A 良品又は小漏れ品の大漏れ測定データ
9B 大漏れ品の大漏れ測定データ(漏れ量の測定データ)
小漏れ測定データ
8A 良品の小漏れ測定データ
P'8A 良品小漏れ補正データ
8C 小漏れ品又は疑似漏れ状態での小漏れ測定データ
P'8C 小漏れ品又は疑似漏れ状態での小漏れ補正データ
Pf 小漏れ判定の閾値
Ps 大漏れ判定の閾値(漏れ検査の閾値)
σ 偏差(ばらつき度)

Claims (4)

  1. 軟包体の内部に内容物が封入された検査対象を密閉されるカプセルに収容して漏れ検査する方法であって、
    前記検査対象の試料として漏れの有る複数の不良試料及び良品試料の漏れ量の測定データを取得する漏れデータ取得工程と、
    前記不良試料の測定データの平均値(Pμ)及び標準偏差(σ)に基づいて、前記漏れ検査の閾値(Ps)を、Ps=Pμ-n・σ (nは8以上16以下の整数)となるように設定する閾値設定工程と、
    を備え、前記不良試料を収容した前記カプセルに前記漏れ検査のための試験圧を導入すると、数秒以内に、前記不良試料の内部空間と、前記不良試料の外部かつ前記カプセルの内部の空間とが、互いに等圧になることを特徴とする漏れ検査方法。
  2. 軟包体の内部に内容物が封入された検査対象を密閉されるカプセルに収容して漏れ検査する方法であって、
    前記検査対象の試料として漏れの有る複数の不良試料の漏れ量の測定データを取得する漏れデータ取得工程と、
    前記測定データのバラツキ度に基づいて、前記漏れ検査の閾値を設定する閾値設定工程と、
    前記検査対象における相対的に大きな漏れを測定する大漏れ測定工程と、
    前記検査対象における相対的に小さな漏れを測定する小漏れ測定工程と、
    前記大きな漏れの有無を前記閾値によって判定する大漏れ判定工程と、を備え、
    さらに、前記大漏れ判定において大漏れ無しと判定された場合、前記大漏れ測定工程における大漏れ測定データに基づいて、前記小漏れ測定工程における小漏れ測定データを補正することにより小漏れ補正データを得る小漏れデータ補正工程と、
    前記小漏れ補正データに基づいて前記小さな漏れの有無を判定する小漏れ判定工程と、
    を備えたことを特徴とする漏れ検査方法。
  3. 前記検査対象の試料として漏れの無い複数の良品試料に対する大漏れ測定データ及び小漏れ測定データ、並びに小漏れ相当の疑似漏れ状態での小漏れ測定データを取得する良品データ取得工程と、
    前記良品試料の大漏れ測定データ及び前記疑似漏れ状態での小漏れ測定データに基づいて、前記良品試料の小漏れ測定データを補正することにより良品小漏れ補正データを得る良品小漏れデータ補正工程と、
    前記良品小漏れ補正データに基づいて前記小漏れ判定工程における判定の閾値を設定する小漏れ閾値設定工程と、
    を更に備えたことを特徴とする請求項2に記載の漏れ検査方法。
  4. 前記軟包体に密封欠陥を形成することによって、前記不良試料を得ることを特徴とする請求項1~3の何れか1項に記載の漏れ検査方法。
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