JP4026579B2 - 気密漏れ検査方法及び装置 - Google Patents

気密漏れ検査方法及び装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4026579B2
JP4026579B2 JP2003356497A JP2003356497A JP4026579B2 JP 4026579 B2 JP4026579 B2 JP 4026579B2 JP 2003356497 A JP2003356497 A JP 2003356497A JP 2003356497 A JP2003356497 A JP 2003356497A JP 4026579 B2 JP4026579 B2 JP 4026579B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cover
flow path
inspection
suction
valve
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2003356497A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005121481A (ja
Inventor
宏明 佐々木
良勝 堰合
浩司 塩屋
篤史 大谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP2003356497A priority Critical patent/JP4026579B2/ja
Publication of JP2005121481A publication Critical patent/JP2005121481A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4026579B2 publication Critical patent/JP4026579B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Examining Or Testing Airtightness (AREA)

Description

本発明は、ヘリウムガス等の漏洩検査媒体(トレーサガス)を用いて、大気圧下で検査対象物の気密漏れ検査を行う方法及び装置に関する。
検査対象物の微少な気密漏れに対する検査方法には、従来技術として、検査対象物から漏れ出たトレーサガスの量を検出するヘリウムリークディテクタ(ヘリウム漏洩検出器)を用いた検査法があり、この方法として、真空式ヘリウムリーク検査方法とスニファ式ヘリウムリーク検査方法の2つの方法がある。
真空式ヘリウムリーク検査方法は、トレーサガスであるヘリウムを検査対象物中に封入し、排気ポンプにより排気され真空下にある真空容器内に該検査対象物を収容し、この検査対象物から真空容器内に漏れ出たヘリウムを検出器(ヘリウムリークディテクタ)に導入し、ヘリウムの質量分析を利用して漏れ出たヘリウム量を検出するという手法である。
しかし、この方法で微少量の漏れを高速、高精度に検出しようとした場合、検査対象物を真空容器内に入れ、検査対象物の周囲、即ち真空容器内を真空化した上で検出器を接続して使用しなければならない。また、真空容器の内部は、繰り返し使用時にヘリウムの吸着を可能な限り減らすように面精度の高いものにする必要があった。
また、この方法で大型のもの、複雑な形状のものを検査しようとする場合、真空容器が大型となり、その耐久性や面精度を確保するために多大な労力やコストを必要とするという問題がある。また、検査時間を短縮するためには大容量の真空容器内をできるだけ短時間で真空引きするために、真空引きのためのポンプを高能力のものにする必要があり、更なるコストアップとなるという問題もある。
更には、この真空式の検査方法を利用するには、検査対象物の形状は真空容器に入るものに制限されるという問題がある。
一方、もう1つの従来技術であるスニファ式ヘリウムリーク検査方法は、ヘリウムを加圧封入された検査対象物は大気下に晒されたままの状態に置かれ、検出器(ヘリウムリークディテクタ)に接続されたスニファプローブを検査対象物の外面に当接させて走査し、検査対象物の内部からのヘリウムの漏れを検出するという手法である。
このスニファ式による方法は、検査対象物の漏れ位置や大雑把な漏れ量を知るには有効な手法であるが、漏れ量の定量化や高精度化の実現は困難であるという問題がある。
また、スニファプローブの走査による往復運動の途中が壁や管やワイヤ等で複雑に入り込んだ状態になっている場合には、スニファプローブが検査対象物の検査部近傍にまで近づくことができず正確な検査ができないという問題があった。
上記した問題を解決するものとして、本出願人は、先に図5に示す流路系を有する気密漏れ検査装置及び検査方法を提案している。即ち、この従来の検査装置は、第1〜第5のバルブ12〜16を適宜切り替え操作することで、検査対象物10からのトレーサガスの漏れをカバー11からヘリウム検出器17に第2排気ポンプ19によって導入するテスト流路系と、カバー11内の大気の定常流れ及びヘリウム検出器17内に同様な大気の定常流れとを第1及び第2排気ポンプ18,19によってそれぞれ独立に形成する二系統の初期流路系と、機器(流量計21、圧力計20、圧力・流量制御機器22,23及びバルブ)等及び流路内のクリーンアップを第1及び第2排気ポンプ18,19によって図る浄化流を作る浄化流路系を形成することができ、二系統の初期流路系を使用する検査準備運転と、テスト流路系を使用する漏れ検査運転と、浄化流路系を使用する掃気運転の3段階の工程によって漏れ検査を行うものであり、初期の検査準備運転でカバー11内に大気の定常流れを作ると共に、ヘリウム検出器17内に同様な大気の定常流れを作っておいて、漏れ検査運転時に流れを切り替える方式を採用している。
しかしながら、この出願人が先に提案した従来技術においては、検査個所が1個所である場合はカバー11内に安定した流れを作り易く、検査が容易であったが、検査対象物10の漏れ個所が分らない場合や、1つの検査対象物10に漏れ検査個所が多数ある場合では、検査対象物全体を覆って吸引したり、多数の検査個所をそれぞれ覆って吸引しなくてはならないため、検査対象物全体を覆って吸引する場合では、カバー11内に安定した流れが作りにくく、また多数個所をそれぞれ覆って検査する場合では、それらの個所のバランスを取ることが難しい。
さらに、このような場合、検査対象物10を覆っているカバー11の内容積が大きくなって、漏れ出たトレーサガスが検出器に安定して到達するのに時間がかかる。そこで、短時間で検査をしようとすると排気ポンプの吸引量を増やす必要があり、大容量のポンプが必要になる。特に先に提案した従来技術のように、予めカバー11からの流れとは別の検出器を流れる同等の流れを作っておいて、検査時に切り替える方式では、2系統分の大容量化が必要となるという問題がある。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、検査対象物のどこから漏れるか分らない場合や漏れの検査個所が多数ある場合のように、カバーで検査対象物全体を覆った場合やカバーを多数の検査個所に分ける場合においても、吸引法によって安定した検査を行うことができ、またカバー内の容積が増え、それに伴って吸引量が増えても、大容量のポンプの設置が最小限で済む気密漏れ検査方法及び装置を提供することである。
本発明は、前記課題を解決するための手段として、特許請求の範囲の各請求項に記載の気密漏れ検査方法及び装置を提供する。
請求項1に記載の気密漏れ検査方法は、準備・掃気運転時に、検査対象物を囲むカバーから吸引流路を介して第3排気ポンプに至る経路の流路系と、吸引流路から分岐して第1バルブを経由して第1排気ポンプに至る経路の流路系と、第1大気吸引口から第2バルブを経由して第1バルブを経て第1排気ポンプに至る経路の流路系と、第2大気吸引口から第2バルブを経由して検出器を経て第2排気ポンプに至る経路の流路系との4つの流路系が確立され、第1、第2、第3排気ポンプを運転することによって、カバー内及び検出器内に大気の定常流れを形成する準備運転と、機器及び流路内のクリーンアップを図る掃気運転とを同時に行う準備・掃気運転段階と、検査運転時に、カバーから吸引流路を介して第3排気ポンプに至る経路の流路系は、準備・掃気運転時のままの状態で、第1、第2バルブを切り替え操作することで、吸引流路から分岐して第1バルブ、第2バルブを経由して検出器を経て第2排気ポンプに至る経路の流路系が確立され、少なくとも第2、第3排気ポンプを駆動することによって、カバー内に吸引される吸引エアの一部を分岐して検出器に導き、検査対象物から漏れたトレーサガスを検出器で検出すると同時に、残りの吸引エアは第3排気ポンプから大気に排出するようにしたものであり、これにより、検査対象物が大型化したり、多数個所を検査する場合のように、応答を早めるために吸引流量を増やす場合でも、一部の流量のみを分岐させて検査するので、大容量の排気ポンプを必要最低限の台数にすることができる。
請求項2の該検査方法は、カバーが検査対象物全体を覆うように形成されていて、このカバー内を吸引エアが均等に流れるように、カバーの後部を、接続する吸引流路に向かって勾配をつけてすぼめる先細構造としたものであり、これにより、カバー内を均等にエアが流れ、安定した検査が行えると共に、吸引流路に入るまでの流れが安定し、時間が短縮できる。
請求項3の該検査方法は、先細構造を複数設けたものであり、また請求項4の該検査方法は、先細構造を複数の四角錘体から形成し、四角錘体の頂角を30度にしたものであり、これにより、カバー内を流れるエアの流れが安定し易い。
請求項5の該検査方法は、カバーの前部である大気側にフィルタを設けたものであり、これによって、外部の風の影響がカバー内に及ぶのを防止することができる。
請求項6の該検査方法は、検査対象物が熱交換器の場合に、吸引エアの流れに熱交換器を通過する空気の流れの向きを合わせるようにしたものであり、これにより、吸引エアの流れが安定し易くなり、良好な検査を行うことができる。
請求項7の該検査方法は、カバーが複数設けられ、これらのカバー内に均等に吸引エアが流れるようにしたものであり、これにより、大型の検査対象物全体や多数個所の検査を行う場合でも、安定した検査を行うことができる。
請求項8の該検査方法は、検査対象物の多数の検査部位をそれぞれ別のカバーに分割して覆って同時に吸引する場合、各カバーにおけるカバー内容積/吸引流量の値を合わせるようにしたもので、これにより、各カバー内の漏れ出たトレーサガスの安定時間がそろい、最短の時間で検査ができる。
請求項9の該検査方法は、カバーが複数が設けられ、検査対象物の多数の検査部位を分割して吸引し、それぞれ順に検査する場合、各分割部には予め流れを作っておき、安定時間の短い部分から順に検査するようにしたものであり、これにより、効率的に検査が行え、検査時間が短縮できる。この場合、それぞれのカバーの形状が似ている場合、同じ流量を流すとすると、カバー容積の小さい順に検査することになる。
請求項10の該検査方法は、バックグラウンドはカバーに吸引される前の大気から吸い込んで測定し、バックグラウンドの測定時間を漏れ測定の時期に近付けるようにしたものである。これは、大気吸引口をカバーの取り入れ口の外側に配置し、第2大気吸引口から吸ったときの検出器の出力をバックグラウンドとすることで、大気中のトレーサガスに分布があっても正確にバックグラウンドとの差が測定できる。また、カバーからの流れが安定してこれを測定する直前にバックグラウンドの測定を行うことにより、時間的にも近接した差分測定となり、測定が正確に行える。
請求項11の気密漏れ検査装置は、請求項1乃至10の気密漏れ検査方法を実施するための装置であり、方法の発明を物の発明である装置発明にしたものであり、その作用効果は、方法の発明と同様である。
以下、図面に従って本発明の実施の形態の気密漏れ検査方法及び装置について説明する。図1は、本発明の第1実施形態の気密漏れ検査装置の全体構成を示す図である。本発明の気密漏れ検査装置は、検査対象物1の検査部位を囲むカバー2、気体の流路を切り替え制御する第1及び第2バルブ3A,3B、検査対象物1から漏れたヘリウム(トレーサガス)の質量分析を行うヘリウム検出器(ヘリウムリークディテクタ)4、カバー2内及び流路内に気体の流れを生み出すための第1、第2及び第3排気ポンプ5A,5B,5C、流路内の気体の流れを管理するための圧力計6A及び流量計6Bとそれらの出力をもとに気体の流れの状態を制御する圧力制御機器7A及び流量制御機器7B、検査対象物1内部を真空引きした後にトレーサガス(ヘリウム)を加圧封入するための真空装置(図示せず)及び加圧装置(図示せず)、及び装置全体の一連の動作制御やデータ処理等を行うための制御機器8とから構成されている。
カバー2は、検査対象物1全体を包囲するように形成されていて、カバー2の一方は、検出器4、排気ポンプ5A,5B,5C等へ通ずる吸引流路へ接続され、他方は大気に開口している。カバー2の前部である大気側には、フィルタ2aが設けられており、吸引流路に接続するカバー2の後部は、吸引流路に向って勾配をつけてすぼめる先細構造2bとなっている。図2に示すようにこの先細構造2bは、複数の四角錘体から形成されている。四角錘体の頂角θは30度以下とすることが好ましい。また、四角錘体に限らず、円錘体や三角錘体等で形成してもよい。カバー2は、検査対象物1全体を包囲するために大量の大気を吸引する必要があり、そのため、カバー2には、大容量の第3排気ポンプ5Cが吸引流路を介して接続している。この吸引流路は、複数の四角錘体の頂部からの配管がまとめられて、一つの吸引流路となっている。カバー2と第3排気ポンプ5Cとを接続する吸引流路から分岐して、吸引気体を検出器4へと導く分岐流路が設けられている。これにより、開口された方から積極的にカバー2内に空気を流すことで、検査対象物1から漏れ出たトレーサガスを逃がさないようにして検出器4に導くことができる。検出器4では、導かれた流れの中から図示していない分析部にトレーサガスを採取して検出する。
このように、カバー2の前面にフィルタ2aが設けられることにより、外部の風の影響がカバー2内に及ぶのを防止する外乱防止作用を奏する。またカバー2の後部を勾配をつけてすぼめる先細構造2bにすることにより、大気をカバー2内に均等に吸引することができ、流れが安定し、流れの拡散防止を図ることができる。また、大容量の第3排気ポンプ5Cにより、カバー2内に大流量の大気を吸引することができ、中、大物製品の気密漏れ検査を行うことができる。
第1及び第2バルブ3A,3Bは、例えば、4ポートボールバルブであり、本発明の気密漏れ検査装置においては、図1に示すように制御機器8により第1及び第2バルブ3A,3Bを適宜切り替え操作することで、実線の矢印で示すような準備・掃気運転時の気体の流れを生じる流路系と、点線の矢印で示すような漏れ検査運転時の気体の流れを生じる流路系とを形成することができる。即ち、準備・掃気運転時においては、第1乃至第3排気ポンプ5A,5B,5Cを駆動することによって、カバー2→第3排気ポンプ5Cという経路の流路系と、カバー2→第1バルブ3A→流量計6B→第1排気ポンプ5Aという経路の流路系と、第1大気吸引口a→第2バルブ3B→第1バルブ3A→流量計6B→第1排気ポンプ5Aという経路の流路系と、第2大気吸引口b→第2バルブ3B→圧力制御機器7A→圧力計6A→検出器4→流量計6B→流量制御機器7B→第2排気ポンプ5Bという経路の流路系という4つの流路系が形成され、カバー2内及び検出器4内に大気の定常流れを形成する準備運転を行うと同時に、機器及び流路内のクリーンアップを図る掃気運転が行われる。なお、第1、第2大気吸引口a,bは、カバー2の取り入れ口の外側に配置されることが好ましい。
漏れ検査運転時においては、第2、第3排気ポンプ5B,5Cを駆動すると共に第1、第2バルブ3A,3Bは切り替えられる。第1排気ポンプ5Aは作動させた状態でよい。これによって、カバー2→第3排気ポンプ5Cという経路の流路系と、カバー2→第1バルブ3A→第2バルブ3B→圧力制御機器7A→圧力計6A→検出器4→流量計6B→流量制御機器7B→第2排気ポンプ5Bという経路の流路系の2つの流路系が形成され、検査対象物1から漏れたトレーサガスが気体の流れによって運ばれ検出器4によって計測される漏れ検査運転が行われる。
以下、本発明の気密漏れ検査装置の作動について説明する。
まず、制御機器8により、第1バルブ3A及び第2バルブ3Bを操作して、図1の実線の矢印で示すような流路系になるようにすると共に、第1排気ポンプ5A、第2排気ポンプ5B及び第3排気ポンプ5Cを駆動する。この場合、第3排気ポンプ5Cは、第1及び第2排気ポンプ5A,5Bに比べて大容量のポンプであるので、カバー2内に吸引された大気は、大部分(大流量)が第3排気ポンプ5C側に流れ、一部(小流量)が第1排気ポンプ5A側に流れる。このようにして、カバー2から吸引された気体の一部が第1バルブ3A及び流量計6Bを経由して第1排気ポンプ5Aから排気される。一方、第2大気吸引口bから吸引された大気は、第2バルブ3B、圧力制御機器7A及び圧力計6Aを通り、ヘリウム検出器4を経由して流量計6B及び流量制御機器7Bを通って第2排気ポンプ5Bから排気される。更に、第1大気吸引口aから吸引された大気は、第2バルブ3B及び第1バルブ3Aを通り、カバー2から吸引された気体と合流して流量計6Bを通って第1排気ポンプ5Aから排気される。
第1排気ポンプ5A及び第2排気ポンプ5Bの手前には、それぞれ流量計6Bが設けられており、カバー2からの流れが安定して、両流量計6Bが定常流れを示しているときに、バックグラウンドの測定を行う。このバックグラウンドの測定は、第2大気吸引口bから大気を吸引したときの検出器4の出力をバックグラウンドとすることで行う。初期状態において、このような定常流れを予め作っておくことにより、検査の高精度化、高速化を図ることができる。このようにして、初期状態において定常流れを予め作っておく準備運転と、機器及び流路内のクリーンアップを図る掃気運転とが同時に行われる。
検査対象物1からのトレーサガスの漏れ検査時においては、第1バルブ3Aと第2バルブ3Bが切り替え操作されると同時に、第2排気ポンプ5B及び第3排気ポンプ5Cが駆動を続ける。第1排気ポンプ5Aは作動させた状態でよい。これにより、カバー2内に吸引された気体は、カバー2から第3排気ポンプ5Cを経由して排気される経路と、カバー2からその一部が分岐して第1バルブ3A及び第2バルブ3Bを通り、ヘリウム検出器4を経由して第2排気ポンプ5Bから排出される経路とが確立される。このとき、先の準備運転で周囲の環境の大気中(バックグラウンド)のヘリウム量を計測しており、検査対象物1にトレーサガス(ヘリウム)を加圧封入後であれば、大気中のヘリウムに加えて検査対象物1からの漏れによるヘリウム量を計測することになる。なお、検査対象物1にトレーサガスを封入する前であれば、このときにバックグラウンドを計測してもよい。この漏れ検査運転時においても、検出器4を通る気体の流量は、準備運転である初期状態のときと同じになるように調整されることが好ましい。このようにして、検査対象物1の気密漏れ検査運転が行われる。
こうして、気密漏れ検査装置の準備・掃気運転と漏れ検査運転とが繰り返し行われる。
以上の構成よりなる本発明の気密漏れ検査方法及び装置においては、大容量の第3排気ポンプ5Cによってカバー2内に大流量を流し、そこから分岐して吸引法による検査流路に導いている。これによってカバー2内に漏れ出たトレーサガスの安定時間が短縮される。また、検査対象物1全体をカバー2で囲っており、そこから均等に気体を吸えるようにカバー2の後部が多数の四角錐体でそれぞれの領域から吸い込む気体をすぼめて吸引流路に導く先細構造2bとなっている。これによって、管の接続部のような小さな個所だけでなく、製品一体での検査が可能になる。また、漏れ個所が分らない検査対象物でも検査できる。更にカバー2の大気取り入れ口には連泡のウレタンフォームなどによるフィルタ2aがつけてあるので、外部の風の影響がカバー内に及ぶのを防止できる。
更には、検査対象物1が熱交換器のように熱交換器を通過する空気の流れに方向がある場合には、カバー2内を流れる気体の向きに合わせた方向に気体が流れるように熱交換器をカバー2内に置くことで、気体の流れが安定し易くなる。
図3は、本発明の第2実施形態の気密漏れ検査装置の全体構成を示す図である。第2実施形態では、複数のカバー2A,2B,2C,2Dが並列に配置されていて、複数の検査部位1a,1b,1c,1dを同時に検査することができる。この並列配置の複数のカバー2A〜2Dは、まとめられて第3排気ポンプ5Cに接続している。この第3排気ポンプ5Cは大容量であるので、複数のカバー2A〜2Dの吸引量を十分に補うことができる。その他の構成は、第1実施形態と同様である。こうして多数個所の検査を同時に行うことができる。
この第2実施形態は、漏れ個所が多数ある検査対象物1の検査を行う例で、多数のカバー2A〜2Dでそれぞれの漏れ個所(検査部位)1a〜1dを覆って同時に吸引し、合計での漏れを検査する。このとき、それぞれのカバー2A〜2Dのカバー内容積/吸引エア流量の値を合わせることで、各カバー2A〜2D内の漏れ出たトレーサガスの安定時間がそろい、最短の時間で検査を行うことができる。
準備・掃気運転及び漏れ検査運転の作動については、第1実施形態と同様である。
図4は、本発明の第3実施形態の気密漏れ検査装置の全体構成を示す図である。この第3実施形態では、並列配置された複数のカバー2A〜2Dのそれぞれの後方に切替弁9A,9B,9C,9Dが設けられていて、これらの切替弁9A〜9Dをそれぞれ切り替え操作することで、図4に実線で示された流路から点線で示された流路に切り替えることができる。これらの複数のカバー2A〜2D及び切替弁9A〜9Dは、まとめられて第3排気ポンプ5Cに接続している。この点線で示された流路が第3排気ポンプ5Cへの流路に結合する点Sは、各カバー2A〜2Dが第3排気ポンプ5Cへと接続する流路が第1バルブ3Aに分岐する分岐点Tよりも下流に設けられている。その他の構成は、第2実施形態と同様である。こうして、多数の検査部位1a〜1dを適宜選択して連続して検査を行うことができる。
第3実施形態においては、今回の検査対象から外す場合は、例えば、検査部位1dを今回の検査対象から外す場合は、切替弁9Dを切り替えて図4において点線で示す流路を形成するようにする。これにより、カバー2Dに吸引された大気は、結合点Sを通って全て第3排気ポンプ5Cから排出されることになり、検査部位1dの漏れ検査が行われることはない。このようにして、切替弁9A〜9Dを適宜切替操作することで、必要な検査部位1a〜1dが選択できる。
このように第3実施形態においては、各カバー2A〜2Dごとに切替弁9A〜9Dが設置されており、カバー2A〜2Dごとの検査を行うことができる。この場合、各カバー2A〜2Dの容積が異なる場合では、予め全てのカバー2A〜2Dに吸引エアの流れを作っておく、吸引エアの流れが安定するまでの流れの安定時間の短い順に効率的に検査ができる。それぞれのカバー2A〜2Dの形状が似ている場合、同じ流量を各カバーに流すとすると、カバーの容積の小さい順に検査することになる。
なお、この第3実施形態においても、準備・掃気運転及び漏れ検査運転の作動については、第1実施形態と同様である。
このように本発明の気密漏れ検査方法及び装置においては、検査対象物が大型化したり、検査部位が多数ある場合において、応答を早めるために流量を増しても、一部の流量のみを分岐させて吸引法で検査するので、大容量の排気ポンプが一台で済む。また、多数の検査部位を検査する場合、吸引流路を枝分かれさせるなどして、均等に流れを作るので安定した検査を行うことができ、検査対象物全体をカバーで覆って検査する場合、カバーの後部が多数の四角錘体が寄せ集められ、カバーの検査対象物を覆う部分から吸引流路に向かって勾配をつけてすぼめる先細構造に形成されているため、カバー内を吸引エアが均等に流れ、吸引流路に入るまでの流れが安定し、時間が短縮される。
更に、カバーの取り入れ口の外側に配置した第2大気吸引口から吸ったときの検出器の出力をバックグラウンドとすることで、大気中のトレーサガスに分布があっても正確にバックグラウンドとの差が測定できる。また、このバックグラウンドの測定時期をカバーからの吸引エアの流れが安定してこれを測定する直前に行うと、時間的にも近接した差分測定となるので正確である。
更には、従来では、(1)準備運転、(2)漏れ検査運転、(3)掃気運転の3段階であった工程を、(1)準備・掃気運転、(2)漏れ検査運転の2工程に統合してサイクルタイムの短縮を可能にすると共に、装置の能力向上を図ることができる。また従来では、図5に示すように5個のバルブを必要としていたものを、4ポートのボールバルブ2個で構成することができ、配管経路の簡略化、使用機器の低減及び制御の簡略化によるコストダウンが図れる。
本発明の第1実施形態の気密漏れ検査装置の全体構成を示す図である。 本発明の第1実施形態の気密漏れ検査装置におけるカバーの後部の正面図である。 本発明の第2実施形態の気密漏れ検査装置の全体構成を示す図である。 本発明の第3実施形態の気密漏れ検査装置の全体構成を示す図である。 従来の気密漏れ検査装置の全体構成を示す図である。
符号の説明
1…検査対象物
2,2A〜2D…カバー
3A,3B…第1及び第2バルブ
4…ヘリウム検出器(検出器)
5A,5B,5C…第1〜第3排気ポンプ
6A…圧力計
6B…流量計
7A…圧力制御機器
7B…流量制御機器
8…制御機器
9A〜9D…切替弁

Claims (11)

  1. 検査対象物中にトレーサガスを加圧封入し、大気圧下で該検査対象物からのトレーサガスの漏れを検査する気密漏れ検査方法において、この方法が以下の段階
    (1)準備・掃気運転時に、該検査対象物を囲むカバーから吸引流路を介して第3排気ポンプに至る経路の流路系と、前記カバーから吸引流路で分岐して第1バルブを経由して第1排気ポンプに至る経路の流路系と、第1大気吸引口から第2バルブを経由して第1バルブを経て前記第1排気ポンプに至る経路の流路系と、第2大気吸引口から前記第2バルブを経由して検出器を経て第2排気ポンプに至る経路の流路系との4つの流路系が確立され、前記第1、第2、第3排気ポンプを運転することによって、前記カバー内及び前記検出器内に大気の定常流れを形成する準備運転と、機器及び流路内のクリーンアップを図る掃気運転とが同時に行われる準備・掃気運転段階と、
    (2)検査運転時に、前記カバーから吸引流路を介して前記第3排気ポンプに至る経路の流路系は、準備・掃気運転時のままの状態で、前記第1、第2バルブを切り替え操作することで、前記カバーに接続する前記吸引流路から分岐して前記第1バルブ及び前記第2バルブを経由して前記検出器を経て前記第2排気ポンプに至る経路の流路系が確立され、少なくとも前記第2、第3排気ポンプを駆動することによって、前記カバー内に吸引される吸引エアの一部を分岐して前記検出器に導き、前記検査対象物から漏れたトレーサガスを前記検出器で検出すると同時に、残りの吸引エアは第3排気ポンプから大気に排出する運転検査段階と、
    を具備することを特徴とする気密漏れ検査方法。
  2. 前記カバーが検査対象物全体を覆うように形成され、前記カバー内を吸引エアが均等に流れるように、前記カバーの後部が接続する前記吸引流路に向かって勾配をつけてすぼめる先細構造となっていることを特徴とする請求項1に記載の気密漏れ検査方法。
  3. 前記カバーの後部には、前記吸引流路に向かって勾配をつけてすぼめる先細構造が複数からなっていることを特徴とする請求項2に記載の気密漏れ検査方法。
  4. 前記先細構造が、複数の四角錘体からなり、該四角錘体の頂角が30度以下であることを特徴とする請求項2又は3に記載の気密漏れ検査方法。
  5. 前記カバーの前部である大気側には、外部空気の流れの影響を受けにくくするフィルタが設けられていることを特徴とする請求項2,3又は4に記載の気密漏れ検査方法。
  6. 前記検査対象物が熱交換器の場合は、吸引エアの流れと熱交換器を通過する空気の流れの向きを合わせることを特徴とする請求項2〜5のいずれか一項に記載の気密漏れ検査方法。
  7. 前記カバーが複数設けられ、該複数のカバー内に均等に吸引エアが流れることを特徴とする請求項1に記載の気密漏れ検査方法。
  8. 前記カバー内を同時に吸引する場合、各々のカバーにおけるカバー内容積/吸引エア流量の値を合わせることを特徴とする請求項7に記載の気密漏れ検査方法。
  9. 異なる容積の前記カバーが複数設けられ、検査対象物の多数の検査部位を分割して吸引しそれぞれ順に検査する場合、各分割部には予め吸引エアの流れを作っておき、吸引エアの流れが安定するまでの安定時間の短い部分から順に検査することを特徴とする請求項1に記載の気密漏れ検査方法。
  10. バックグラウンドは、前記カバーに吸引される前の大気から吸い込んで測定し、バックグラウンドの測定時間を漏れ測定の時期に近付けることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の気密漏れ検査方法。
  11. 請求項1〜10のいずれか一項に記載の気密漏れ検査方法を実施するための気密漏れ検査装置が、
    検査対象物を囲むカバー、吸引流路及び第3排気ポンプとから構成される流路系と、前記吸引流路から分岐して、第1バルブ及び第1排気ポンプとから構成される流路系と、第1大気吸引口、第2バルブ、前記第1バルブ及び前記第1排気ポンプとから構成される流路系と、第2大気吸引口、前記第2バルブ、検出器及び第2排気ポンプとから構成される流路系との4つの流路系からなる準備・掃気運転のための流路系と、
    前記カバー、前記吸引流路及び前記第3排気ポンプとから構成される流路系は、そのままの状態で、前記吸引流路から分岐して、前記第1バルブ、前記第2バルブ、前記検出器及び前記第2排気ポンプとから構成される流路系からなる、検査対象物からのトレーサガスの漏れ検査運転のための流路系と、
    を有し、
    前記第1バルブ及び前記第2バルブを切り替え操作することにより、前記カバー内及び前記検出器内に気体の定常流れを発生させる掃気運転と、流路系を形成する流路及び機器類をクリーンアップする掃気運転とを同時に行う、準備・掃気運転のための流路系から、前記カバー内に吸引される吸引エアの一部を分岐して前記検出器に導き、検査対象物から漏れたトレーサガスを前記検出器で検出すると同時に、残りの吸引エアを大気に排出する漏れ検査運転のための流路系に切り替えることができることを特徴とする気密漏れ検査装置。
JP2003356497A 2003-10-16 2003-10-16 気密漏れ検査方法及び装置 Expired - Fee Related JP4026579B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003356497A JP4026579B2 (ja) 2003-10-16 2003-10-16 気密漏れ検査方法及び装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003356497A JP4026579B2 (ja) 2003-10-16 2003-10-16 気密漏れ検査方法及び装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005121481A JP2005121481A (ja) 2005-05-12
JP4026579B2 true JP4026579B2 (ja) 2007-12-26

Family

ID=34613725

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003356497A Expired - Fee Related JP4026579B2 (ja) 2003-10-16 2003-10-16 気密漏れ検査方法及び装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4026579B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105092163A (zh) * 2015-08-26 2015-11-25 赵西城 基于容器密封试验的倒气装置

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4475224B2 (ja) 2005-11-15 2010-06-09 株式会社デンソー 気密漏れ検査装置
JP2007147327A (ja) 2005-11-24 2007-06-14 Denso Corp 気密漏れ検査装置
WO2007111351A1 (ja) * 2006-03-28 2007-10-04 Hitachi Kokusai Electric Inc. 半導体装置の製造方法
DE102009004363B4 (de) 2009-01-08 2022-08-25 Inficon Gmbh Leckdetektionsverfahren
DE102009059824A1 (de) * 2009-12-21 2011-06-22 Inficon GmbH, 50968 Verfahren und Vorrichtung zur Leckbestimmung

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105092163A (zh) * 2015-08-26 2015-11-25 赵西城 基于容器密封试验的倒气装置
CN105092163B (zh) * 2015-08-26 2017-11-03 赵西城 基于容器密封试验的倒气装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005121481A (ja) 2005-05-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8646315B2 (en) Method and device for tightness testing
JP4829326B2 (ja) 漏れを検査しかつ漏れの箇所をつきとめるための方法ならびに該方法を実施するために適した装置
JP5337802B2 (ja) 吸込み式漏れ検出器
US8893543B2 (en) Leak detection method
JP2010516998A (ja) 検査対象のシール品質の決定方法および装置
JP6791944B2 (ja) 密封製品の耐漏洩性を制御する方法及び漏洩検出装置
JP3698108B2 (ja) 気密漏れ検査方法及び装置
JP2008209220A (ja) 漏れ検査方法及び装置
US20180328810A1 (en) Leak Detection with Oxygen
JP4026579B2 (ja) 気密漏れ検査方法及び装置
JP2002147393A (ja) 漏れ検出ポンプ
JP4374241B2 (ja) 対象物の密封性を測定するためのシステム及び方法
JP4016927B2 (ja) 気密漏れ検査方法及び装置
JP2023554280A (ja) 試験体のガスリークを検出するガスリーク検知装置およびガスリーク検知方法
CN109341973A (zh) 一种三通阀以及内外漏检测转换装置
JP2003106930A (ja) リーク検出装置
JP2010256018A (ja) 気密試験装置及び気密試験方法
JP7058428B1 (ja) エアリーク検査方法及び装置
JP3390506B2 (ja) ガス漏れ検査装置
CN208999032U (zh) 一种三通阀以及内外漏检测转换装置
JP7162952B1 (ja) エアリーク検査装置及び方法
JPH1048087A (ja) ヘリウムリークディテクタ
CN109163859A (zh) 一种快速检测产品密封性的自动化装置及方法
JPH10213516A (ja) ヘリウムリークデテクタ
RU2085887C1 (ru) Способ определения негерметичности технологической магистрали в составе гермоотсека

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20051214

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070607

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070626

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070821

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070918

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20071001

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101019

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees