JP3406511B2 - 異常箇所検出装置 - Google Patents

異常箇所検出装置

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JP3406511B2
JP3406511B2 JP09782898A JP9782898A JP3406511B2 JP 3406511 B2 JP3406511 B2 JP 3406511B2 JP 09782898 A JP09782898 A JP 09782898A JP 9782898 A JP9782898 A JP 9782898A JP 3406511 B2 JP3406511 B2 JP 3406511B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、水、油、あるい
はその他の液体またはガス等の気体を通す被検査管とし
ての例えば導管の異常箇所を検出する異常箇所検出装置
に関するもので、特に、検査波として超音波パルスを被
検査管が埋設された伝搬経路に向けて発信し、該伝搬経
路を経由して伝搬してきた超音波を受信して異常箇所を
検出するアクティブな検出方式を採用した異常箇所検出
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種の異常箇所検出装置として
は、例えば特開昭60−238733号公報に開示され
ているように、超音波励振波とその受信信号の位相の差
から、異常箇所として水道管の漏水箇所を検知する漏水
箇所検知装置が知られている。図5は上述した漏水箇所
検知装置を示す構成図である。図5において、12は地
中22に埋設された水道管、31は地表に露出されたパ
イプ(分岐管)であり、消火栓32などを装備してい
る。51はパイプ31の外周面に設置された振動子であ
り、振動子駆動装置41により連続正弦波で駆動され
て、地中22に埋設された水道管12および水道管12
の中の水を超音波励振する。61は超音波マイクであ
り、水道管12より地中22を経由して伝達してくる超
音波を受信する。
【0003】その際に、水道管12に漏水箇所が存在す
れば、その周辺に漏水部が形成される。上記漏水箇所検
知装置では、漏水部と、漏水のない部分では、水と土の
音響特性の差異によって、漏水部を経由して超音波マイ
ク61で受信された受信信号と超音波励振波との間の位
相の差は、漏水部がない部分を経由して受信された受信
信号と超音波励振波との間の位相の差とは異なることを
利用している。このため、同期位相検出器42で、超音
波励振波と受信信号(超音波受信波)の位相の差を検出
し、この位相の差に基づいて、水道管12の漏水を判別
している。なお、43は記録計である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、検査波
としての超音波は伝搬途中で減衰する。したがって、使
用する周波数によっては、伝搬経路中で減衰が激しく、
雑音レベル以下でしか受信されないことが生じる。ま
た、雑音レベル以上のレベルで超音波を受信できたとし
ても、検出される位相は、超音波の励振状況の変動や、
超音波マイク61による受信状況の変動に極めて敏感に
反応する。さらに、地中22は均質でないことを考慮す
ると、地中22の状態にも極めて敏感に反応する。この
ため、安定した漏水の検出が困難であり、検出の確度や
精度が悪い。
【0005】この発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、検査波が伝搬経路途中で減衰することを逆に積極的
に利用することによって、漏水箇所のような異常箇所の
存在の有無とその場所の推定の確度や精度を向上すると
共に安定した検出を可能とする異常箇所検出装置を提供
するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明に係る異常箇所
検出装置は、検査波パルスを被検査管が埋設された伝搬
媒体へ向けて発信する検査波発信源と、上記伝搬媒体か
らの検査波エコー信号を受信する検査波センサと、上記
検査波エコー信号の振幅、上記検査波エコー信号の周波
数スペクトルの中心周波数、上記周波数スペクトルの帯
域幅、上記周波数スペクトルの振幅の絶対値をn乗(n
は1以上の正数)したものを上記検査波パルスの実効帯
域幅にわたって積分した積分値の内、いずれか1つない
しは2つ以上を算出し、該算出結果に基づいて上記被検
査管の異常箇所の有無を判定する信号処理部とを備えた
ものである。
【0007】また、上記検査波発信源と上記検査波セン
サとを一定間隔保持したまま同時に走査する走査機構部
をさらに備えたことを特徴とするものである。
【0008】また、上記検査波発信源の位置情報と上記
検査波センサの位置情報との両方またはいずれか一方を
検出する位置検出センサをさらに備えたことを特徴とす
るものである。
【0009】また、上記信号処理部による異常箇所の有
無判定結果を報知する報知部をさらに備えたことを特徴
とするものである。
【0010】また、上記伝搬媒体は地中であり、上記被
検査管は地中に埋設された導管であり、上記検査波発信
源は検査波パルスとして超音波パルスを発信する超音波
発信源であり、上記検査波センサは超音波エコー信号を
受信する超音波センサであり、上記信号処理部は、上記
超音波エコー信号の振幅、上記超音波エコー信号の周波
数スペクトルの中心周波数、上記周波数スペクトルの帯
域幅、上記周波数スペクトルの振幅の絶対値をn乗(n
は1以上の正数)したものを上記超音波パルスの実効帯
域幅にわたって積分した積分値の内、いずれか1つない
しは2つ以上を算出し、該算出結果に基づいて上記導管
の異常箇所の有無を判定することを特徴とするものであ
る。
【0011】また、上記超音波センサは、上記導管から
反射された超音波エコー信号を受信することを特徴とす
るものである。
【0012】また、上記超音波発振源と上記超音波セン
サとは、同一の1つの超音波送受信センサで構成される
ことを特徴とするものである。
【0013】また、上記信号処理部は、上記超音波エコ
ー信号の振幅と予め記憶した雑音レベルに関する閾値と
の大小関係の判定結果に基づいて異常箇所の存在の有無
を判定することを特徴とするものである。
【0014】また、上記信号処理部は、超音波の伝搬経
路に導管の異常箇所が存在する場合と存在しない場合の
予備実験から得られる統計データに基づいて雑音レベル
に関する閾値を決定することを特徴とするものである。
【0015】また、上記信号処理部は、上記中心周波数
と予め記憶した中心周波数に関する閾値との大小関係の
判定結果に基づいて異常箇所の存在の有無を判定するこ
とを特徴とするものである。
【0016】また、上記信号処理部は、超音波の伝搬経
路に導管の異常箇所が存在する場合と存在しない場合の
予備実験から得られる統計データに基づいて中心周波数
に関する閾値を決定することを特徴とするものである。
【0017】また、上記信号処理部は、上記帯域幅と予
め記憶した帯域幅に関する閾値との大小関係の判定結果
に基づいて異常箇所の存在の有無を判定することを特徴
とするものである。
【0018】また、上記信号処理部は、超音波の伝搬経
路に導管の異常箇所が存在する場合と存在しない場合の
予備実験から得られる統計データに基づいて帯域幅に関
する閾値を決定することを特徴とするものである。
【0019】また、上記信号処理部は、上記積分値と予
め記憶した積分値に関する閾値との大小関係の判定結果
に基づいて異常箇所の存在の有無を判定することを特徴
とするものである。
【0020】また、上記信号処理部は、超音波の伝搬経
路に導管の異常箇所が存在する場合と存在しない場合の
予備実験から得られる統計データに基づいて積分値に関
する閾値を決定することを特徴とするものである。
【0021】また、上記信号処理部は、上記中心周波数
と予め記憶した中心周波数に関する閾値との大小関係の
判定結果と、上記帯域幅と予め記憶した帯域幅に関する
閾値との大小関係の判定結果と、上記積分値と予め記憶
した積分値に関する閾値との大小関係の判定結果との多
数決論理に基づいて異常箇所の存在の有無を判定するこ
とを特徴とするものである。
【0022】また、上記信号処理部は、超音波の伝搬経
路に導管の異常箇所が存在する場合と存在しない場合の
予備実験から得られる統計データに基づいて中心周波
数、帯域幅及び積分値に関する閾値をそれぞれ決定する
ことを特徴とするものである。
【0023】また、上記信号処理部は、各判定結果に異
なる重み付けを行い重み付け多数決論理に基づいて異常
箇所の存在の有無を判定することを特徴とするものであ
る。
【0024】また、上記超音波発信源は、電気信号によ
って駆動されて超音波パルスを発生することを特徴とす
るものである。
【0025】また、上記超音波発信源は、機械的手段に
よって機械的動力で駆動されて超音波パルスを発生する
ことを特徴とするものである。
【0026】さらに、上記超音波発信源に、反力センサ
が装着されていることを特徴とするものである。
【0027】
【発明の実施の形態】実施の形態1.この発明の実施の
形態1に係る異常箇所検出装置について図1を参照しな
がら説明する。図1はこの発明の実施の形態1に係る異
常箇所検出装置を示す構成図である。図1において、1
は水、油、あるいはその他の液体またはガス等気体を通
す被検査管としての導管、21は地表、22は後述する
検査波パルスとしての超音波パルスの伝搬媒体となる地
中であり、この地中22に上記導管が埋設されている。
11は導管1の異常箇所、23は異常箇所11から液体
が地中22へ滲み出すことによって、性状が周囲とは異
なる状態となった地中22の中の漏洩部であり、漏洩部
23の例としては、地中22内において水道管の亀裂や
破裂などによる異常箇所11からの漏水によって生じる
漏水部などが挙げられる。
【0028】また、図1において、異常箇所検出装置
は、検査波パルスとしての超音波パルスを発信する超音
波発信源5と、検査波エコー信号としての超音波エコー
信号を受信する検査波センサとしての超音波センサ6
と、送受信装置7と、超音波発信源5および超音波セン
サ6の位置検出センサ8と、超音波発信源5および超音
波センサ6の走査機構部9とを備えている。なお、図1
では、超音波発信源5および超音波センサ6の位置検出
センサ8を、走査機構部9とは別個に設けた場合を図示
しているが、位置検出センサ8は走査機構部9に含まれ
るように構成しても構わない。そして、超音波発信源5
と超音波センサ6とは、同一の1つの超音波送受信セン
サで構成することもでき、また、ある一定の所定の間隔
を保つように配されており、これらは、走査機構部9に
よって同時に、上記所定の間隔を保ったまま空間的に移
動される。また、位置検出センサ8は、超音波発信源5
と超音波センサ6の空間的位置の情報を検出する。した
がって、超音波発信源5と超音波センサ6とは、ある一
定の所定の間隔を保っているので、超音波発信源5の位
置あるいは超音波センサ6の位置のいずれか片方が検出
できれば、他方の位置は簡単に算出できる。
【0029】また、図1において、超音波発信源5およ
び超音波センサ6は、地表21に当てて置かれている。
なお、図1では、超音波発信源5が地表21に直接接触
している場合を図示しているが、地中22に超音波を伝
達できるものであれば良く、この目的が達成できるなら
ば、超音波発信源5は地表21に特に直接接触していな
くても構わない。また、図1では、超音波センサ6が地
表21に直接接触している場合を図示しているが、超音
波センサ6は地中22を伝搬してきた超音波を受信する
ことが目的であり、この目的が達成できるならば、超音
波センサ6は地表21に特に直接接触していなくても構
わない。
【0030】また、超音波は、人間の耳に聞こえない程
度に高い周波数の音波や弾性波を指す言葉として使われ
るが、この発明では、周波数は特に規定しないものとす
る。すなわち、人間の耳で聞こえる周波数の上限の限界
よりも高い周波数に限らず、この上限の限界よりも低い
周波数の音波や弾性波も含めた検査波を用いてもよく、
無論、人間の耳で聞こえる周波数の下限の限界よりも低
い周波数の音波や弾性波も含む。
【0031】また、図1において、送受信装置7は、送
信部71と、受信部72と、信号処理部73と、報知手
段としての表示部74と、制御部75と、超音波発信源
5および超音波センサ6の位置検出部76とを含む。ま
た、超音波発信源5は送信部71に接続され、超音波セ
ンサ6は受信部72に接続されている。受信部72は信
号処理部73に接続されている。信号処理部73は表示
部74に接続されている。
【0032】また、図1において、位置検出センサ8は
位置検出部76に接続されている。位置検出センサ8か
らの出力信号が位置検出部76に入力される。位置検出
部76は信号処理部73に接続されており、上述したよ
うに、位置検出部76で検出された超音波発信源5およ
おび超音波センサ6の空間的位置の情報が信号処理部7
3に入力される。なお、超音波発信源5と超音波センサ
6との間の間隔を信号処理部73に予め入力しておい
て、上述したように、超音波発信源5の位置、あるい
は、超音波センサ6の位置の内、いずれか一方を検出し
ておいて、他方の位置は、保信号処理部73で演算によ
って算出しても良い。
【0033】また、図1において、制御部75は、送信
部71、受信部72、信号処理部73、表示部74、位
置検出部76、並びに、走査機構部9に接続されてい
る。なお、使用する位置検出センサ8の種類によって
は、制御部75は、位置検出センサ8にも接続される。
また、信号処理部73は、図示はしていないが、内部に
メモリを有する。このメモリに演算処理された種々の結
果が適宜記憶されるとともに、信号処理部73に入力さ
れた入力信号が適宜記憶される。
【0034】また、図示はしていないが、信号処理部7
3からは、処理状況を示す信号が適宜、制御部75に入
力され、制御部75は、その入力信号に基づいて、送信
部71、受信部72、信号処理部73、表示部74、位
置検出部76、走査機構部9に対し制御信号を出力して
それらの制御を司る。なお、上述したように、制御部7
5が、位置検出センサに接続されている場合には、制御
部75は、上記と同様に制御信号を出力して、これらの
位置検出センサ8の制御を司る。なお、図1において、
道管1の中の液体は、流れていても、流れていなくても
構わない。また、流れている場合には、流れの方向はど
ちら向きでも構わない。
【0035】次に、図1に示した異常箇所検出装置の動
作について図2を参照しながら説明する。図2(a)〜
(c)は、この発明の実施の形態1に係る送信信号の例
である。送信部71で発生された電気的送信信号によっ
て、超音波発信源5が駆動される。この送信信号はパル
スであり、図2(a)〜(c)に示すように、ある一定
の繰り返し周期で繰り返して発生される。このパルスと
しては、図2(a)に示すように、ある一定のキャリア
周波数を有するパルスでも良いし、また、図2(b)に
示すように、継続時間が有限な振動波形でも良いし、ま
た、図2(c)に示すように、複数個のDCサブパルス
波形からなるパルスでも良い。
【0036】超音波発信源5および超音波センサ9の空
間的位置の情報が、上述したように、位置検出センサ8
によって検出され、その情報は、位置検出センサ8から
位置検出部76へ伝達され、さらに、位置検出部76か
ら信号処理部73へ伝達される。
【0037】超音波発信源5から、地中22に超音波パ
ルスが発生する。この超音波パルスは、図1において矢
印を付した点線で示すように、地中22を伝搬した後、
導管1によって反射され、再び地中22を伝搬して超音
波センサ6で電気信号に変換され、上述した送信信号の
繰り返し周期ごとに、超音波エコー信号として受信され
る。
【0038】超音波センサ6で受信された超音波エコー
信号は、受信部72を介して信号処理部73に入力され
る。信号処理部73では、この超音波エコー信号に対し
て後述する信号処理が実行され、この信号処理結果は表
示部74に伝達される。
【0039】超音波発信源5および超音波センサ6は、
走査機構部9によって、上述したように、ある一定の間
隔を保って同時に逐次走査される。超音波発信源5の位
置および超音波センサ6の位置の情報は、超音波発信源
5および超音波センサ6が走査機構部9によって次の空
間的位置に移動するごとに、上述したように、位置検出
センサ8によって検出され、その情報は、位置検出部7
6を介して信号処理部73へ伝達される。
【0040】超音波発信源5から超音波パルスを発生
し、超音波センサ6によって超音波エコー信号を受信
し、その超音波エコー信号と、超音波発信源5および超
音波センサ6の空間的位置の情報を信号処理部73へ入
力し、後述する信号処理を実行し、この信号処理結果を
表示部74に伝達するまでの一連の操作が、超音波発信
源5および超音波センサ6を走査しながら、逐次行われ
る。
【0041】なお、超音波発信源5および超音波センサ
6の空間的な走査ピッチ、すなわち、空間的な移動ピッ
チが固定している場合には、その走査ピッチの情報を、
信号処理部73に予め入力・記憶しておき、走査を始め
る前の超音波発信源5および超音波センサの初期の位置
を何らかの手段で予め入力するようにすれば、走査(移
動)するたびに、超音波発信源5の位置および超音波セ
ンサ6の位置を、位置検出センサ8によって検出する必
要はない。
【0042】さて、信号処理部73で行われる信号処理
について図3を参照しながら次に説明する。図3は各種
信号の周波数スペクトルを概念的に示したものである。
図中、横軸は周波数fであり、縦軸は周波数スペクトル
F(f)の絶対値である。この周波数スペクトルF
(f)は、上記信号をフーリエ変換したものであり、図
3ではその絶対値を示している。また、記号aを付して
示したものは、超音波発信源5から発生された超音波パ
ルスの周波数スペクトルであり、記号bとcを付して示
したものは、超音波センサ6で受信された2種類の超音
波エコー信号の周波数スペクトルである。
【0043】信号処理部73において、超音波センサ6
によって受信された超音波エコー信号の振幅が雑音レベ
ルに関するある規定された閾値に比べて、大か小かを判
定する。これは、超音波エコー信号が、信号として雑音
レベルに対して認識できるレベルとして受信されている
か否かの判定を行っていることを意味する。
【0044】信号処理部73には、雑音レベルに関する
上記閾値データが入力・記憶されている。この閾値デー
タは予備実験によって決められている。この予備実験
は、超音波の伝搬経路に異常箇所としての漏洩部23が
存在する場合と、実質上、存在しない場合について、こ
の実施の形態1に係る異常箇所検出装置と同じかまたは
同様の異常箇所検出装置を用いて行われている。このよ
うな予備実験から得られた統計データから、雑音レベル
に関する上記の閾値データが予め決められている。
【0045】信号処理部73において、超音波エコー信
号の振幅と、雑音レベルに関する上記閾値との間の大小
関係の判定結果が信号処理部73に記憶される。上記判
定結果として、超音波エコー信号の振幅の方が、雑音に
関する上記閾値に比べて大の場合には、次に、上記超音
波エコー信号の周波数スペクトルを演算し、その結果か
ら、周波数スペクトルの中心周波数、帯域幅、および送
信された超音波パルスの実効帯域幅にわたって周波数ス
ペクトルの絶対値の積分値を演算して記憶するという信
号処理に進む。
【0046】上記超音波エコー信号の振幅が雑音レベル
に関する上記閾値以下の場合には、後述するように、漏
洩部23が存在している場合に対応していることもある
し、漏洩部23が存在していない場合に対応しているこ
ともある。上記雑音レベルに関する閾値と比較して大で
ある場合が漏洩部23が存在して、小である場合が漏洩
部23が存在しないという対応関係が成立しているか、
または、上記雑音レベルに関する閾値と比較して大であ
る場合が漏洩部23が存在せず、小である場合が漏洩部
23が存在するという対応関係が成立しているかについ
ての情報は、予め信号処理部73に入力・記憶されてい
る。上記超音波エコー信号の振幅が上記雑音レベルに関
する閾値以下の場合には、このような対応関係に関する
情報に基づいて、漏洩部23の存在の有無の判定が信号
処理部73で行われる。
【0047】そして、この判定結果が、表示部74へ信
号処理部73から入力され、表示部74で表示される。
なお、表示部74へ信号処理部73から情報を入力する
際、上記判定結果だけでなく、これに加えて、上記超音
波エコー信号が得られたときの超音波発信源5の位置の
情報、超音波センサ6の空間的位置の情報、および上記
雑音レベルに関する閾値の情報内、全ての情報、あるい
は、いずれかを1つ、あるいは2つ以上を選んで、表示
部74へ入力して、表示部74で表示しても良い。表示
の方法については後述する。上述の判定結果だけでな
く、上述のような付加的な情報を、検査結果の記録とし
て、記録・保管しておけば、ある一定期間後の定期検査
の際の参照データとして役立つ作用効果を奏する。
【0048】その後、超音波発信源5および超音波セン
サ6を走査して別の空間的位置において超音波発信源5
から超音波を発生し超音波センサ6で超音波エコー信号
を受信し、この超音波エコー信号を信号処理部73にお
いて処理するという一連の操作が続行される。
【0049】次に、上述した周波数スペクトル、その中
心周波数、帯域幅、および送信された超音波パルスの実
効帯域幅にわたる周波数スペクトルの絶対値の積分値を
演算する信号処理について説明する。
【0050】信号処理部73において、超音波エコー信
号の周波数スペクトルが演算によって求められるととも
に、その中心周波数、帯域幅および送信された超音波パ
ルスの実効帯域幅にわたる周波数スペクトルの絶対値の
積分値が演算によって求められる。これらの周波数スペ
クトル、中心周波数、帯域幅、および送信された超音波
パルスの実効帯域幅にわたる周波数スペクトルの絶対値
の積分値の情報は信号処理部73に記憶される。
【0051】なお、超音波発信源5から発生された超音
波パルスの周波数スペクトルは、超音波発信源5の特
性、送信部71の特性、並びに、送信部71から送信さ
れた図2(a)〜(c)に示したような送信信号の特性
などに基づいて計算によって算出しても良いし、実際
に、超音波発信源5に対向させて地中22と同じ超音波
特性を有する超音波伝搬媒体を介して受信センサを設け
て、実験によって求めても良い。
【0052】信号処理部73において、上記超音波エコ
ー信号の周波数スペクトルの演算結果として得られるも
のは、図3において記号bあるいは記号cを付して示し
たようなものになる。図3から分かるように、記号a
と、記号bと、記号cを付して示した3つの周波数スペ
クトルを比較すると、それぞれ、中心周波数、帯域幅、
および、送信された超音波パルスの実効帯域幅にわたる
周波数スペクトルの絶対値の積分値が異なっている。
【0053】ここで、送信された超音波パルスの実効帯
域幅は、記号aを付して示した超音波発信源5から発生
された超音波パルスの周波数スペクトルにおいて、その
実効的な帯域幅を意味する。これは、−3dB帯域幅で
定義してもよいし、−6dB帯域幅、あるいはその他の
値、例えば−9dB、−12dBなどで定義される帯域
幅でも構わない。要は、記号aを付して示した周波数ス
ペクトルにおいて、この周波数スペクトルの振幅が雑音
レベル以上の有為なレベルを有する帯域幅であれば良
い。
【0054】図3において、送信中心周波数の高い方か
ら低い方へ順番で並べれば、記号aに対応するもの、次
に、記号bに対応するもの、次に、記号cに対応するも
のの順番になっている。また、帯域幅が広い方から狭い
方へ順番で並べれば、記号aに対応するもの、次に、記
号bに対応するもの、次に、記号cに対応するものの順
番になっている。さらにまた、送信された超音波パルス
の実効帯域幅にわたる周波数スペクトルの絶対値の積分
値が大きい方から小さい方へ順番で並べれば、記号aに
対応するもの、次に、記号bに対応するもの、次に、記
号cに対応するものの順番になっている。
【0055】これらの中心周波数、帯域幅、並びに、送
信された超音波パルスの実効帯域幅にわたる周波数スペ
クトルの絶対値の積分値に関する順番については、図3
に示した周波数スペクトルの形から理解できるであろ
う。実施の形態1においては、このような中心周波数、
帯域幅、および送信された超音波パルスの実効帯域幅に
わたる周波数スペクトルの絶対値の積分値の差異を情報
として利用するが、その利用方法の説明の前に、このよ
うな差異が生じる要因について次に説明する。
【0056】超音波発信源5から超音波センサ6に到る
超音波の上述した伝搬経路において、超音波は減衰す
る。この減衰は、周波数が高いほど大きく、周波数が低
いほど小さい。したがって、図3において、記号aを付
して示した超音波発振源5から発生された超音波パルス
の周波数スペクトルの高い周波数成分ほど大きく減衰を
受けるので、記号bならびに記号cを付して示した周波
数スペクトルを有する超音波エコー信号が超音波センサ
6によって受信されることになる。
【0057】すなわち、中心周波数は、超音波発振源5
から発生された超音波パルスのものに比べて、超音波セ
ンサ6で受信された超音波エコー信号の方が低くなる。
また、帯域幅も、超音波発振源5から発生された超音波
パルスのものに比べて、超音波センサ6で受信された超
音波エコー信号の方が狭くなる。更にまた、送信された
超音波パルスの実効帯域幅にわたる周波数スペクトルの
絶対値の積分値も、超音波発振源5から発生された超音
波パルスのものに比べて、超音波センサ6で受信された
超音波エコー信号の方が小さくなる。
【0058】超音波エコー信号の間で周波数スペクトル
を比較すると、超音波の上述した伝搬経路に漏洩部23
が存在する場合と、上述した伝搬経路に漏洩部23が実
質上ないと見なして差し支えない場合には、上記周波数
スペクトルの間に、図3において記号bと記号cを付し
て示したような差異が生じる。伝搬経路での漏洩部23
の存在の有無と、上記記号bとcとの間の対応関係は、
2種類の場合がある。
【0059】すなわち、漏洩部23が存在した場合が上
記記号cの場合に対応して、漏洩部23が存在しない場
合が上記記号bの場合に対応する対応関係の場合と、こ
れとは逆に、漏洩部23が存在した場合が上記記号bの
場合に対応して、漏洩部23が存在しない場合が上記記
号cの場合に対応する対応関係の場合とがある。
【0060】この2種類のいずれの対応関係が成立する
かについては、地中22の土質、ならびに、漏洩部23
の土質などに依存して決まる。すなわち、これらの領域
を伝搬する超音波の伝搬特性に依存する。上記2種類の
対応関係の内、いずれの対応関係が成立するかについて
は、予め行った予備実験によって決定し、その対応関係
の情報は、信号処理部73に予め入力・記憶されてい
る。
【0061】次に、上記2種類の対応関係の内、漏洩部
23が存在した場合が上記記号cの場合に対応して、漏
洩部23が存在しない場合が上記記号bの場合に対応す
る対応関係の場合についてもう少し説明する。この対応
関係の場合においては、伝搬経路に漏洩部23が存在す
る場合に対応する記号cを付して示した周波数スペクト
ルにおける中心周波数の方が、伝搬経路に漏洩部23が
実質上ないと見なして差し支えない場合に対応する記号
bを付して示した周波数スペクトルにおける中心周波数
の方に比べて低い。
【0062】また、伝搬経路に漏洩部23が存在する場
合に対応する記号cを付して示した周波数スペクトルに
おける帯域幅の方が、伝搬経路に漏洩部23が実質上な
いと見なして差し支えない場合に対応する記号bを付し
て示した周波数スペクトルにおける帯域幅の方に比べて
狭い。さらにまた、伝搬経路に漏洩部23が存在する場
合に対応する記号cを付して示した周波数スペクトルに
おける送信された超音波パルスの実効帯域幅にわたる絶
対値の積分値の方が、伝搬経路に漏洩部23が実質上な
いと見なして差し支えない場合に対応する記号bを付し
て示した周波数スペクトルにおける送信された超音波パ
ルスの実効帯域幅にわたる絶対値の積分値に比べて小さ
い。
【0063】これは、例えば、漏洩部23の方が、地中
22のその他の領域に比較して、超音波の減衰がより大
きい場合などに生じる。なお、一般に地中22並びに漏
洩部23における超音波の減衰も周波数が高いほど大き
く、周波数が低いほど小さい。さらに、液体の漏出量が
多すぎて、地中22の一部の土砂が流し去られて、漏洩
部23が実質上、空洞になっている場合には、漏洩部2
3における超音波の減衰は特に大きい。このような場合
には、図3における記号bと記号cを付して示した周波
数スペクトルに関連して上述した中心周波数帯域幅、お
よび送信された超音波パルスの実効帯域幅にわたる周波
数スペクトルの絶対値の積分値の差異は、特に顕著にな
って現れる。伝搬経路に、実質上、空洞になっている漏
洩部23が存在する極端な場合には、減衰が激しく超音
波エコー信号が全く受信されない場合もある。このよう
な場合が、超音波エコー信号の振幅が、上述した雑音に
関する閾値以下になっている場合に相当する。
【0064】上記2種類の対応関係の内、漏洩部23が
存在した場合が上記記号bの場合に対応して、漏洩部2
3が存在しない場合が上記記号cの場合に対応する対応
関係の場合については、例えば、上述したものとは逆
に、漏洩部23の方が、地中22のその他の領域に比較
して、超音波の減衰がより小さい場合などに生じる。こ
のような場合で、漏洩部23と地中22のその他の領域
との間の減衰の差が極端に大きい場合には、漏洩部23
が存在しない場合に、超音波エコー信号の振幅が、上述
した雑音に関する閾値以下になっていることがある。
【0065】ところで、信号処理部73には、予備実験
を行って得られた周波数スペクトルの中心周波数、帯域
幅、および送信された超音波パルスの実効帯域幅にわた
る周波数スペクトルの絶対値の積分値に関する閾値デー
タが予め入力・記憶されている。この予備実験は、超音
波の伝搬経路に漏洩部23が存在する場合と、実質上、
存在しない場合について、発明の形態1と同じかまたは
同様の異常箇所検出装置を用いて行われている。その結
果として、超音波エコー信号の周波数スペクトルの中心
周波数、帯域幅、および送信された超音波パルスの実効
帯域幅にわたる周波数スペクトルの絶対値の積分値が、
超音波の伝搬経路に漏洩部23が存在する場合と、実質
上、存在しない場合について、どのように変化するかの
統計データを得て、この統計データに基づいて、上記の
中心周波数、帯域幅、および送信された超音波パルスの
実効帯域幅にわたる周波数スペクトルの絶対値の積分値
に関する閾値データが決められている。
【0066】さて、信号処理部73において、上述した
信号処理の結果として得られた中心周波数と予め記憶さ
れている上記の中心周波数に関する閾値とを比較してそ
の大小関係を判定する。また、上述した信号処理の結果
として得られた帯域幅と予め記憶されている上記の帯域
幅に関する閾値とを比較してその大小関係を判定する。
さらにまた、上述した信号処理の結果として得られた送
信された超音波パルスの実効帯域幅にわたる周波数スペ
クトルの絶対値の積分値と、予め記憶されている上記の
送信された超音波パルスの実効帯域幅にわたる周波数ス
ペクトルの絶対値の積分値に関する閾値とを比較してそ
の大小関係を判定する。これらの判定結果は、信号処理
部73に記憶される。
【0067】さらに、これらの3つの大小関係の判定結
果と、これに加えて、上述したように、予め信号処理部
73に記憶された、伝搬経路での漏洩部23の存在の有
無と、上記記号bとcとの間の上述した2種類の対応関
係の情報に基づいて、伝搬経路に漏洩部23が存在して
いるか否かの判定を行う。この判定は、上記の中心周波
数とこれに関する閾値との間の大小関係に関する情報、
上記の帯域幅とこれに関する閾値との間の大小関係に関
する情報、および上記の送信された超音波パルスの実効
帯域幅にわたる周波数スペクトルの絶対値の積分値とこ
れに関する閾値との間の大小関係に関する情報の内、い
ずれが1つによって判定してもよいし、2つあるいは、
3つの情報を組み合わせて判定してもよい。
【0068】なお、上記の大小関係に関する情報の内、
より多くの情報を組み合わせて判定を行えば、より確度
の高い判定を行うことができる作用効果が得られる。特
に、各判定結果について異なる重み付けを行って重み付
け多数決の論理を使って判定すれば、上記の3つの判定
結果がバラバラの判定結果になったとき、より確度の高
い判定結果を得ることができる。重み付け多数決の判定
に使う重みの係数については、上述したものと同様の予
備実験から決めれば、判定の確度は更に高くできる。
【0069】そして、上述した判定結果は、信号処理部
73から表示部74へ入力され、表示部74で表示され
る。なお、信号処理部73から表示部74へ情報を入力
する際、上記判定結果に関する情報だけでなく、これに
加えて、上記判定結果を得た超音波エコー信号が得られ
たときの超音波発信源5が位置している空間的位置の情
報、超音波センサ6が位置している空間的位置の情報、
上記超音波エコー信号の周波数スペクトル、上記周波数
スペクトルの中心周波数、これに関する閾値、上記周波
数スペクトルの帯域幅、これに関する閾値、送信された
超音波パルスの実効帯域幅にわたる上記周波数スペクト
ルの絶対値の積分値、および、これに関する閾値の内、
全部の情報、あるいは、上記の情報の内のいずれか1つ
あるいは2つ以上を選んで、信号処理部73から表示部
74へ入力して、表示部74で表示しても良い。表示の
方法については後述する。
【0070】上記の判定結果だけでなく、上述したよう
な付加的な情報を、検査結果の記録として、記録・保管
しておけば、ある一定期間後の定期検査の際の参照デー
タとして役立つ作用効果を奏する。以上の操作を、超音
波発信源5および超音波センサ6を走査しながら繰り返
して、所要の走査範囲にわたって行う。
【0071】さて、以上述べた操作によって、超音波発
信源5の空間的位置および超音波センサ6の空間的位置
と、超音波センサ6によって超音波エコー信号を受信し
た際の超音波の伝搬経路における漏洩部23の有無が判
定できた。
【0072】次に、漏洩部23の空間的位置ならびに導
管1の異常箇所11の空間的位置を決める方法について
述べる。超音波発信源5の指向性ならびに超音波センサ
6の指向性の情報、あるいは、超音波発信源5と超音波
センサ6との送受信総合での指向性に関する情報を予め
測定などの手段で把握しておく。これによって最も感度
良く超音波を送受信できる方向が分かる。この方向に沿
った方向で、導管1と交わる交点近傍に、漏洩部23な
らびに導管1の異常箇所11があると判定する。例え
ば、最も感度良く超音波を送受信できる方向を、超音波
発信源5と超音波センサ6の中間位置から、地中22の
真下方向になるように、超音波発信源5と超音波センサ
6とを設置すれば、漏洩部23並びに異常箇所11は、
上記中間の位置の真下方向にあると判定する。
【0073】このような判定は、超音波発信源5の指向
性ならびに超音波センサ6の指向性の情報、あるいは、
超音波発信源5と超音波センサ6との送受信総合での指
向性に関する情報を信号処理部73に入力・記憶してお
いて信号処理部73で行って、表示部74へ漏洩部23
や異常箇所11の位置の情報を入力して、表示部74で
表示しても良い。あるいは、この操作は行わず、上述し
たように表示部74に入力された漏洩部23の存在の有
無の判定結果に、超音波発信源5の指向性ならびに超音
波センサ6の指向性の情報、あるいは、超音波発信源5
と超音波センサ6との送受信総合での指向性に関する情
報を加味して検査者自身が判定してもよい。
【0074】なお、実施の形態1においては、導管1か
らの超音波の反射を用いているので、超音波発振源5と
超音波センサ6の送受総合での指向性を考慮して、超音
波発振源5と超音波センサ6とを、それらの向きや、そ
れらの間の間隔を、導管1からの反射が最も大きくなる
ように設置すれば、感度良く検査を行える利点がある。
以上によって、超音波発信源5および超音波センサ6を
所定の範囲にわたたって走査した検査が終了した。
【0075】次に、表示部74に入力された情報の表示
の方法について述べる。表示部74には、上述したよう
に、漏洩部23の存在の有無に関する情報が入力され
た。この情報は、2値の情報である。したがって、これ
を光のオン・オフや、表示のほかに警報音のオン・オフ
など、検査者の五感に反応する形式で検査者に報知でき
るように表示部以外に他の報知手段を設けて伝えるよう
にしても良い。また、特に、超音波発信源5および超音
波センサ6の走査が時間的にゆっくりしている場合に
は、超音波発信源5および超音波センサ6の位置は検査
者が目で見て判断してその位置を特定するようにしても
良い。このような場合には、言うまでもないが、位置検
出センサ8や位置検出部76を、図1に示した異常箇所
検出装置の構成から取り除いても構わない。これによっ
て、装置が低廉化できる作用効果が得られることは言う
までもない。
【0076】また、表示部74では、漏洩部23の存在
の有無に関する情報だけでなく、超音波エコー信号が得
られたときの超音波発信源5が位置している空間的位置
の情報、超音波センサ6が位置している空間的位置の情
報、超音波発信源5から発生された超音波パルスの周波
数スペクトル、その実効帯域幅、上記超音波エコー信号
の周波数スペクトル、上記超音波エコー信号の周波数ス
ペクトルの中心周波数、これに関する閾値、上記超音波
エコー信号の周波数スペクトルの帯域幅、これに関する
閾値、送信された超音波パルスの実効帯域幅にわたる上
記超音波エコー信号の周波数スペクトルの絶対値の積分
値、これに関する閾値、および、漏洩部23や異常箇所
11の位置の情報などの内、全ての情報、あるいは、上
記の情報の内のいずれか1つあるいは2つ以上を表示
し、さらに記憶・保管しておけば、検査の安定性がより
増すばかりでなく、ある一定期間後の定期検査の際の参
照データとして役立つ作用効果を奏する。
【0077】また、ある一定期間を過ぎて、再度の検査
を行う際に、検査データの再現性の確認や、経時変化の
調査に役立てることができる。さらに、上述した多数決
論理にしたがって判定した場合には、その基となった個
別の判定結果、並びに、多数決論理にしたがった判定に
用いた重み係数なども、表示・記憶・保管しておけば上
述したものと同様の作用効果を奏することは言うまでも
ない。
【0078】また、図1に示した異常箇所検出装置にお
いて、超音波発信源5の空間的な位置の情報および超音
波センサ6の空間的な位置の情報を特に必要としない場
合には、位置検出センサー8と位置検出部76はなくて
も良い。また、超音波発信源5および超音波センサ6を
マニュアルで走査・移動する場合には、走査機構部9は
特になくてもよい。さらに、走査機構部9を電気的に制
御する必要がない場合には、走査機構部9は、送受信装
置7とは別に独立させて備えても良い。以上のような構
成が許容される場合には、装置全体の価格が廉価にでき
ることは言うまでもない。
【0079】また、以上は、超音波の発生に超音波発信
源5を使用し、超音波の受信に超音波センサ6を使用す
る場合について説明したが、超音波の送信と受信は1つ
の超音波送受信センサで兼用しても良い。この場合に
は、上記超音波送受信センサは、送信部71と受信部7
2とに接続される。その他の構成は図1に示したものと
同じであり、その動作は、上述したものと同様である。
【0080】また、以上は、超音波エコー信号の周波数
スペクトルの絶対値(|F(f)|)を、送信された超
音波パルスの実効帯域幅にわたって積分した値を用いた
場合について説明したが、この発明はこれに限らず、こ
の値の代わりに、あるいは、この値に併用して、nを1
以上の正の値として、超音波エコー信号の周波数スペク
トルの絶対値のn乗(|F(f)|n)を、送信された
超音波パルスの実効帯域幅にわたって積分した値を用い
ても良い。
【0081】また、以上は、超音波エコー信号が、信号
として雑音レベルに対して認識できるレベルとして受信
されている場合に、さらに上記エコー信号の周波数スペ
クトルを演算する手順を踏んでいた。しかし、超音波エ
コー信号が、信号として雑音レベルに対して認識できる
レベルとして受信されているか否かの判定結果のみか
ら、漏洩部23の存在の有無、漏洩部23ならびに異常
箇所11の場所を推定してもよい。これにより、これら
の推定を行う速度を向上させ、超音波発信源5および超
音波センサ6の走査速度を向上させることが可能になる
という作用効果を得ることができる。
【0082】さらに、この発明の実施の形態1において
は、従来とは異なり、基本的には超音波の減衰を利用し
ているので、従来の位相を利用する方法に比べて、安定
した検出が可能であり、さらに、超音波センサ6で受信
される超音波エコー信号の周波数スペクトル、周波数ス
ペクトルの中心周波数、帯域幅、および送信された超音
波パルスの実効帯域幅にわたる超音波エコー信号の周波
数スペクトルの絶対値の積分値の情報に基づいて、漏洩
部23の存在の有無、漏洩部23ならびに異常箇所11
の場所を推定するようにしたので、これらの推定の確度
や精度を向上できるという作用効果を得ることができ
る。
【0083】実施の形態2.この発明の実施の形態2に
係わる異常箇所検出装置について図4を参照しながら説
明する。図4は実施の形態2に係る異常箇所検出装置を
示す構成図である。図4において、5Aは機械式超音波
発信源であり、実施の形態1の場合とは異なり、機械的
動力によって超音波を発生する。例えば、固体物体を地
表21に衝突させるなどの手段によって超音波パルスを
地中22に発生できる。10は、機械式超音波発信源5
Aに装着された反力センサであり、例えば、加速度セン
サである。
【0084】反力センサは、例えば、機械式超音波発信
源5Aが、上記固体物体を地表21に衝突することによ
って超音波パルスを地中22に発生させる場合には、機
械式超音波発信源5Aに対応する上記固体物体が地表か
ら受ける反力を感知するために備えられている。77
は、反力信号受信部であり、反力センサ10に接続され
ている。反力信号受信部77は制御部75に接続されて
いる。反力センサ10によって受信された反力信号は、
反力信号受信部77を介して、制御部75に入力され
る。制御部75において、超音波センサ6によって受信
される超音波エコー信号の信号処理部73への取り込み
のタイミングが決定される。
【0085】すなわち、どの時間タイミングからどの時
間タイミングまでの信号を、超音波エコー信号として取
り込み、それに対して信号処理を実行するかが決定され
る。この制御信号も、他の実施の形態1におけると同じ
または同様の制御信号と共に、制御部75から、受信部
72、信号処理部73、表示部74、位置検出部76、
走査機構部9、および、位置検出センサ8に送られ、上
記各部が制御される。その他の構成は、実施の形態1に
関連して説明した図1の構成と同じである。
【0086】次に、実施の形態2の動作について説明す
る。次に図4に示した異常箇所検出装置において、機械
式超音波発信源5Aによって超音波パルスが発生され
る。この超音波パルスは、地中22を伝搬した後、導管
1によって反射され、再び地中22を伝搬して超音波セ
ンサ6で超音波エコー信号として受信される。機械式超
音波発信源5Aの空間的位置の情報並びに超音波センサ
6の空間的位置の情報が、位置検出センサ8によって検
出され、その情報は、位置検出センサ8から位置検出部
76へ伝達され、さらに、位置検出部76から信号処理
部73へ伝達される。
【0087】上記超音波エコー信号は、信号処理部73
で信号処理を施され、信号処理の結果は表示部74へ入
力され、表示される。反力センサ10によって受信さ
れ、反力信号受信部77を介して、制御部75に入力さ
れた反力信号に基づいて、どの時間タイミングからどの
時間タイミングまでの信号を、超音波エコー信号として
取り込み、それに対して信号処理を実行するかが決定さ
れる。信号処理部73で行われる信号処理の内容および
手順は、さらに、信号処理の結果を表示部74で表示す
る表示の方法は、実施の形態1の場合と同じである。
【0088】機械式超音波発信源5Aと超音波センサ6
は、走査機構部9によって空間的に逐次、走査される。
機械式超音波発信源5Aと超音波センサ6の空間的な各
位置ごとに、上記の操作が、所要の走査範囲にわたって
行われる。以上によって、超音波の伝搬経路における漏
洩部23の有無の判定や、漏洩部23の空間的位置なら
びに導管1の異常箇所11の空間的位置を決めることが
できる。
【0089】上述した実施の形態1においては、超音波
伝搬経路における漏洩部23の有無の情報に付加して、
超音波エコー信号が得られたときの超音波発信源5が位
置している空間的位置の情報、超音波センサ6が位置し
ている空間的位置の情報、超音波発信源5Aから発生さ
れた超音波パルスの周波数スペクトル、その実効帯域
幅、上記超音波エコー信号の周波数スペクトル、上記超
音波エコー信号の周波数スペクトルの中心周波数、これ
に関する閾値、上記超音波エコー信号の周波数スペクト
ルの帯域幅、これに関する閾値、送信された超音波パル
スの実効帯域幅にわたる上記超音波エコー信号の周波数
スペクトルの絶対値の積分値、これに関する閾値、およ
び、漏洩部23や異常箇所11の位置の情報、多数決論
理にしたがって判定した場合には、その基となった個別
の判定結果、並びに、多数決論理にしたがった判定に用
いた重み係数などを表示・記憶・保管したが、この実施
の形態2においては、これらの付加的な情報にさらに加
えて、さらに、反力信号も表示・記憶・保管しておけ
ば、実施の形態1と同じ作用効果が得られる。
【0090】また、実施の形態2においては、実施の形
態1とは異なり、機械式超音波発信源5Aによって超音
波を発生させるようにしたので、大きな動力源にて超音
波を発生させることが可能であり、このため、深度の深
いところに存在する漏洩部23も検出できる作用効果が
得られる。さらに、超音波発信源5の電気的駆動部であ
る送信部71が不要となったので、装置の低消費電力化
が可能になるという作用効果があり、こによって、装置
全体の価格が廉価にできる作用効果も得られる。これら
の作用効果は、言うまでもなく、実施の形態1で得られ
た作用効果に相乗して得られる。なお、実施の形態1で
述べた各種の変形例を実施の形態2に適宜適用すれば、
実施の形態1と同じ作用効果が得られることは言うまで
もない。
【0091】
【発明の効果】以上のように、この発明に係る異常箇所
検出装置によれば、検査波パルスを被検査管が埋設され
た伝搬媒体へ向けて発信する検査波発信源と、上記伝搬
媒体からの検査波エコー信号を受信する検査波センサ
と、上記検査波エコー信号の振幅、上記検査波エコー信
号の周波数スペクトルの中心周波数、上記周波数スペク
トルの帯域幅、上記周波数スペクトルの振幅の絶対値を
n乗(nは1以上の正数)したものを上記検査波パルス
の実効帯域幅にわたって積分した積分値の内、いずれか
1つないしは2つ以上を算出し、該算出結果に基づいて
上記被検査管の異常箇所の有無を判定する信号処理部と
を備えたので、被検査管からの漏洩部ならびに被検査管
の異常箇所を精度よく検出することができる。
【0092】また、上記検査波発信源と上記検査波セン
サとを一定間隔保持したまま同時に走査する走査機構部
をさらに備えたので、上記異常箇所の有無を上記被検査
管に関する所定の範囲にわたって判定するとともに上記
異常箇所の位置を検出するので、被検査管からの漏洩部
ならびに被検査管の異常箇所を精度よく検出することが
できる。
【0093】また、上記検査波発信源の位置情報と上記
検査波センサの位置情報との両方またはいずれか一方を
検出する位置検出センサをさらに備えたので、被検査管
からの漏洩部ならびに被検査管の異常箇所を精度よく検
出することができる。
【0094】また、上記信号処理部による異常箇所の有
無判定結果を報知する報知部をさらに備えたので、異常
箇所の存在の有無を人の五感に反応する形式で報知する
ことができ、被検査管からの漏洩部ならびに被検査管の
異常箇所を精度よく検出することができる。
【0095】また、上記伝搬媒体は地中であり、上記被
検査管は地中に埋設された導管であり、上記検査波発信
源は検査波パルスとして超音波パルスを発信する超音波
発信源であり、上記検査波センサは超音波エコー信号を
受信する超音波センサであり、上記信号処理部は、上記
超音波エコー信号の振幅、上記超音波エコー信号の周波
数スペクトルの中心周波数、上記周波数スペクトルの帯
域幅、上記周波数スペクトルの振幅の絶対値をn乗(n
は1以上の正数)したものを上記超音波パルスの実効帯
域幅にわたって積分した積分値の内、いずれか1つない
しは2つ以上を算出し、該算出結果に基づいて上記導管
の異常箇所の有無を判定するようにしたので、導管から
の漏洩部ならびに導管の異常箇所を精度よく検出するこ
とができる。
【0096】また、上記超音波センサは、上記導管から
反射された超音波エコー信号を受信するようにしたので
導管からの漏洩部並びに導管の異常箇所を精度よく検出
することができる。
【0097】また、上記超音波発振源と上記超音波セン
サとは、同一の1つの超音波送受信センサで構成された
ものを用いることにより、導管からの漏洩部ならびに導
管の異常箇所を精度よく検出することができる。
【0098】また、上記信号処理部は、上記超音波エコ
ー信号の振幅と予め記憶した雑音レベルに関する閾値と
の大小関係の判定結果に基づいて異常箇所の存在の有無
を判定するので、導管からの漏洩部ならびに導管の異常
箇所を精度よく検出することができる。
【0099】また、上記信号処理部は、超音波の伝搬経
路に導管の異常箇所が存在する場合と存在しない場合の
予備実験から得られる統計データに基づいて雑音レベル
に関する閾値を決定するので、導管からの漏洩部ならび
に導管の異常箇所を精度よく検出することができる。
【0100】また、上記信号処理部は、上記中心周波数
と予め記憶した中心周波数に関する閾値との大小関係の
判定結果に基づいて異常箇所の存在の有無を判定するの
で、導管からの漏洩部ならびに導管の異常箇所を精度よ
く検出することができる。
【0101】また、上記信号処理部は、超音波の伝搬経
路に導管の異常箇所が存在する場合と存在しない場合の
予備実験から得られる統計データに基づいて中心周波数
に関する閾値を決定するので、導管からの漏洩部ならび
に導管の異常箇所を精度よく検出することができる。
【0102】また、上記信号処理部は、上記帯域幅と予
め記憶した帯域幅に関する閾値との大小関係の判定結果
に基づいて異常箇所の存在の有無を判定するので、導管
からの漏洩部ならびに導管の異常箇所を精度よく検出す
ることができる。
【0103】また、上記信号処理部は、超音波の伝搬経
路に導管の異常箇所が存在する場合と存在しない場合の
予備実験から得られる統計データに基づいて帯域幅に関
する閾値を決定するので、導管からの漏洩部ならびに導
管の異常箇所を精度よく検出することができる。
【0104】また、上記信号処理部は、上記積分値と予
め記憶した積分値に関する閾値との大小関係の判定結果
に基づいて異常箇所の存在の有無を判定するので、導管
からの漏洩部ならびに導管の異常箇所を精度よく検出す
ることができる。
【0106】また、上記信号処理部は、超音波の伝搬経
路に導管の異常箇所が存在する場合と存在しない場合の
予備実験から得られる統計データに基づいて積分値に関
する閾値を決定するので、導管からの漏洩部ならびに導
管の異常箇所を精度よく検出することができる。
【0107】また、上記信号処理部は、上記中心周波数
と予め記憶した中心周波数に関する閾値との大小関係の
判定結果と、上記帯域幅と予め記憶した帯域幅に関する
閾値との大小関係の判定結果と、上記積分値と予め記憶
した積分値に関する閾値との大小関係の判定結果との多
数決論理に基づいて異常箇所の存在の有無を判定するの
で、導管からの漏洩部ならびに導管の異常箇所を精度よ
く検出することができる。
【0108】また、上記信号処理部は、超音波の伝搬経
路に導管の異常箇所が存在する場合と存在しない場合の
予備実験から得られる統計データに基づいて中心周波
数、帯域幅及び積分値に関する閾値をそれぞれ決定する
ので、導管からの漏洩部ならびに導管の異常箇所を精度
よく検出することができる。
【0109】また、上記信号処理部は、各判定結果に異
なる重み付けを行い重み付け多数決論理に基づいて異常
箇所の存在の有無を判定するので、多数決論理に基づい
て判定の確度をさらに高めることができる。
【0110】また、上記超音波発信源は、電気信号によ
って駆動されて超音波パルスを発生するので、導管から
の漏洩部ならびに導管の異常箇所を精度よく検出するこ
とができる。
【0111】また、上記超音波発信源は、機械的手段に
よって機械的動力で駆動されて超音波パルスを発生する
ので、導管からの漏洩部ならびに導管の異常箇所を精度
よく検出することができる。
【0112】さらに、上記超音波発信源に、反力センサ
が装着されているので、導管からの漏洩部ならびに導管
の異常箇所を精度よく検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1による異常箇所検出
装置の構成を示す模式図である。
【図2】 この発明の実施の形態1および実施の形態2
における送信信号の例を示す説明図である。
【図3】 この発明の実施の形態1および実施の形態2
における受信信号の例を示す図である。
【図4】 この発明の実施の形態2による異常箇所検出
装置の構成を示す模式図である。
【図5】 従来例に係る異常箇所検出装置の構成を示す
模式図である。
【符号の説明】
1 導管、11 異常箇所、12 水道管、21 地
表、22 地中、23 漏洩部、31 パイプ(分岐
管)、32 消火栓、41 振動子駆動装置、42 同
期位相検出器、43 記録計、5 超音波発信源、5A
機械式超音波発信源、51 振動子、6 超音波セン
サ、61 超音波マイク、7 送受信装置、71 送信
部、72 受信部、73 信号処理部、74 表示部、
75 制御部、76 位置検出部、77 反力信号受信
部、8 位置検出センサ、9 走査機構部、10 反力
センサ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−21629(JP,A) 特開 平5−302973(JP,A) 特開 昭60−238733(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01M 3/24 F17D 5/02 G01N 29/20

Claims (19)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 検査波パルスを被検査管が埋設された伝
    搬媒体へ向けて発信する検査波発信源と、 上記伝搬媒体からの検査波エコー信号を受信する検査波
    センサと、 上記検査波エコー信号の振幅、上記検査波エコー信号の
    周波数スペクトルの中心周波数、上記周波数スペクトル
    の帯域幅、上記周波数スペクトルの振幅の絶対値をn乗
    (nは1以上の正数)したものを上記検査波パルスの実
    効帯域幅にわたって積分した積分値の内、いずれか1つ
    ないしは2つ以上を算出し、該算出結果に基づいて上記
    被検査管の異常箇所の有無を判定する信号処理部とを備
    上記伝搬媒体は地中であり、上記被検査管は地中に埋設
    された導管であり、上記検査波発信源は検査波パルスと
    して電気信号によって駆動されて超音波パルスを発信す
    る超音波発信源であり、上記検査波センサは超音波エコ
    ー信号を受信する超音波センサであり、上記信号処理部
    は、上記超音波エコー信号の振幅、上記超音波エコー信
    号の周波数スペクトルの中心周波数、上記周波数スペク
    トルの帯域幅、上記周波数スペクトルの振幅の絶対値を
    n乗(nは1以上の正数)したものを上記超音波パルス
    の実効帯域幅にわたって積分した積分値の内、いずれか
    1つないしは2つ以上を算出し、該算出結果に基づいて
    上記導管の異常箇所の有無を判定する ことを特徴とする
    異常箇所検出装置。
  2. 【請求項2】 検査波パルスを被検査管が埋設された伝
    搬媒体へ向けて発信する検査波発信源と、 上記伝搬媒体からの検査波エコー信号を受信する検査波
    センサと、 上記検査波エコー信号の振幅、上記検査波エコー信号の
    周波数スペクトルの中心周波数、上記周波数スペクトル
    の帯域幅、上記周波数スペクトルの振幅の絶対値をn乗
    (nは1以上の正数)したものを上記検査波パルスの実
    効帯域幅にわたって積分した積分値の内、いずれか1つ
    ないしは2つ以上を算出し、該算出結果に基づいて上記
    被検査管の異常箇所の有無を判定する信号処理部と を備
    え、 上記伝搬媒体は地中であり、上記被検査管は地中に埋設
    された導管であり、上記検査波発信源は検査波パルスと
    して機械的手段によって機械的動力で駆動されて超音波
    パルスを発信する超音波発信源であり、上記検査波セン
    サは超音波エコー信号を受信する超音波センサであり、
    上記信号処理部は、上記超音波エコー信号の振幅、上記
    超音波エコー信号の周波数スペクトルの中心周波数、上
    記周波数スペクトルの帯域幅、上記周波数スペクトルの
    振幅の絶対値をn乗(nは1以上の正数)したものを上
    記超音波パルスの実効帯域幅にわたって積分した積分値
    の内、いずれか1つないしは2つ以上を算出し、該算出
    結果に基づいて上記導管の異常箇所の有無を判定する
    とを特徴とする 異常箇所検出装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の異常箇所検出
    装置において、上記検査波発信源と上記検査波センサと
    を一定間隔保持したまま同時に走査する走査機構部をさ
    らに備えたことを特徴とする異常箇所検出装置。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれかに記載の異
    常箇所検出装置において、上記検査波発信源の位置情報
    と上記検査波センサの位置情報との両方またはいずれか
    一方を検出する位置検出センサをさらに備えたことを特
    徴とする異常箇所検出装置。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれかに記載の異
    常箇所検出装置において、上記信号処理部による異常箇
    所の有無判定結果を報知する報知部をさらに備えたこと
    を特徴とする異常箇所検出装置。
  6. 【請求項6】 請求項1または2に記載の異常箇所検出
    装置において、上記超音波センサは、上記導管から反射
    された超音波エコー信号を受信することを特徴とする異
    常箇所検出装置。
  7. 【請求項7】 請求項に記載の異常箇所検出装置にお
    いて、上記超音波発振源と上記超音波センサとは、同一
    の1つの超音波送受信センサで構成されることを特徴と
    する異常箇所検出装置。
  8. 【請求項8】 請求項ないし7のいずれかに記載の異
    常箇所検出装置において、上記信号処理部は、上記超音
    波エコー信号の振幅と予め記憶した雑音レベルに関する
    閾値との大小関係の判定結果に基づいて異常箇所の存在
    の有無を判定することを特徴とする異常箇所検出装置。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載の異常箇所検出装置にお
    いて、上記信号処理部は、超音波の伝搬経路に導管の異
    常箇所が存在する場合と存在しない場合の予備実験から
    得られる統計データに基づいて雑音レベルに関する閾値
    を決定することを特徴とする異常箇所検出装置。
  10. 【請求項10】 請求項ないし7のいずれかに記載の
    異常箇所検出装置において、上記信号処理部は、上記中
    心周波数と予め記憶した中心周波数に関する閾値との大
    小関係の判定結果に基づいて異常箇所の存在の有無を判
    定することを特徴とする異常箇所検出装置。
  11. 【請求項11】 請求項10に記載の異常箇所検出装置
    において、上記信号処理部は、超音波の伝搬経路に導管
    の異常箇所が存在する場合と存在しない場合の予備実験
    から得られる統計データに基づいて中心周波数に関する
    閾値を決定することを特徴とする異常箇所検出装置。
  12. 【請求項12】 請求項ないし7のいずれかに記載の
    異常箇所検出装置において、上記信号処理部は、上記帯
    域幅と予め記憶した帯域幅に関する閾値との大小関係の
    判定結果に基づいて異常箇所の存在の有無を判定するこ
    とを特徴とする異常箇所検出装置。
  13. 【請求項13】 請求項12に記載の異常箇所検出装置
    において、上記信号処理部は、超音波の伝搬経路に導管
    の異常箇所が存在する場合と存在しない場合の予備実験
    から得られる統計データに基づいて帯域幅に関する閾値
    を決定することを特徴とする異常箇所検出装置。
  14. 【請求項14】 請求項ないし7のいずれかに記載の
    異常箇所検出装置において、上記信号処理部は、上記積
    分値と予め記憶した積分値に関する閾値との大小関係の
    判定結果に基づいて異常箇所の存在の有無を判定するこ
    とを特徴とする異常箇所検出装置。
  15. 【請求項15】 請求項14に記載の異常箇所検出装置
    において、上記信号処理部は、超音波の伝搬経路に導管
    の異常箇所が存在する場合と存在しない場合の予備実験
    から得られる統計データに基づいて積分値に関する閾値
    を決定することを特徴とする異常箇所検出装置。
  16. 【請求項16】 請求項ないし7のいずれかに記載の
    異常箇所検出装置において、上記信号処理部は、上記中
    心周波数と予め記憶した中心周波数に関する閾値との大
    小関係の判定結果と、上記帯域幅と予め記憶した帯域幅
    に関する閾値との大小関係の判定結果と、上記積分値と
    予め記憶した積分値に関する閾値との大小関係の判定結
    果との多数決論理に基づいて異常箇所の存在の有無を判
    定することを特徴とする異常箇所検出装置。
  17. 【請求項17】 請求項16に記載の異常箇所検出装置
    において、上記信号処理部は、超音波の伝搬経路に導管
    の異常箇所が存在する場合と存在しない場合の予備実験
    から得られる統計データに基づいて中心周波数、帯域幅
    及び積分値に関する閾値をそれぞれ決定することを特徴
    とする異常箇所検出装置。
  18. 【請求項18】 請求項16または17に記載の異常箇
    所検出装置において、上記信号処理部は、各判定結果に
    異なる重み付けを行い重み付け多数決論理に基づいて異
    常箇所の存在の有無を判定することを特徴とする異常箇
    所検出装置。
  19. 【請求項19】 請求項に記載の異常箇所検出装置に
    おいて、上記超音波発信源に、反力センサが装着されて
    いることを特徴とする異常箇所検出装置。
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