JPH11218436A - 超音波液位計測装置 - Google Patents

超音波液位計測装置

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JPH11218436A
JPH11218436A JP10032378A JP3237898A JPH11218436A JP H11218436 A JPH11218436 A JP H11218436A JP 10032378 A JP10032378 A JP 10032378A JP 3237898 A JP3237898 A JP 3237898A JP H11218436 A JPH11218436 A JP H11218436A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 被測定対象と非接触で液相内の液位の測定が
精度よく行え、しかも耐環境性を向上させた超音波液位
計測装置を得ることである。 【解決手段】 液槽外壁面に液槽内に向けて設置した複
数個の超音波探触子のいずれか1個に接続された超音波
発信手段から超音波を送信し、残りの超音波探触子に接
続された超音波受信手段により、超音波発信手段により
発信された超音波パルスの液槽内壁面からの反射パルス
を受信する。信号検出手段は、超音波受信手段で受信し
た反射パルスの信号レベル及び伝播時間を各々の超音波
受信手段毎に算出し、液位換算手段は、反射パルスの減
衰率と受信側の超音波探触子および送信側の超音波探触
子との取り付け位置に基づいて液槽内の液位を換算し、
その液位を液位出力手段に出力する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、超音波を用いてタ
ンクや圧力容器等の液槽内の液位や液面位置を検出する
超音波液位計測装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、タンクや圧力容器等の液槽内の
液位測定は、導圧配管を用い液相部と気相部との圧力差
を測定することにより換算液位を測定する差圧計測方式
が用いられている。
【0003】すなわち、図20において、液槽1の液面
Cを境界として、気相部Aから取り出した導圧配管2a
と液相部Bから取り出した導圧配管2bとの圧力差を差
圧伝送器3にて差圧を標準信号(4〜20mADC)に変換
し、液位指示計4にて換算液位を指示する。
【0004】また、超音波を用いてタンク及び圧力容器
等の液槽1内の液位を計測する超音波液位計測方式があ
る。この超音波液位計測方式は、液槽1内へ探触子を導
入し、液槽1の上部や下部の探触子から発信した超音波
の反射時間を計測して液位を求める反射時間計測法、超
音波棒導波の共振周波数の変化を計測して液位を求める
超音波導波捧共振周波数変化計測法などがある。
【0005】一方、タンクや圧力容器等の液槽1外から
の液位計測としては、一定位置に対し液位が上か下かと
いうレベルスイッチ方式の液位計測方法がある。このレ
ベルスイッチ方式の技術として、液槽壁面に設置した探
触子から超音波送受信により液槽1内の液相の有無を判
断する方法がある(Siemens社米国特許No.4,934,19
1)。
【0006】これは、液槽1内に被測定対象である液体
がない場合には、水中に超音波が漏洩しないので反射エ
コーレベルの減少が少ないが、液体がある場合には、水
中に超音波が漏洩するために反射エコーレベルが減少す
ることを利用したものである。
【0007】すなわち、図21(a)において、液槽壁
1aの内面が気相の場合、液槽壁1aの構造材中に検出
器SE1から発信された超音波入射波S1は構造材料と
容器内気相部との音響インピーダンスの相違から、図2
1(b)に示すように、殆どの超音波が反射し反射波S
2として検出器SE1に戻ってくる。また、液槽壁1a
の内面が液相の場合、液槽壁1aの構造村中に検出器S
E2から発信された超音波入射波S3は構造材料と液槽
内の液相部との音響インピーダンスが気相の場合より小
さく、液相内に超音波が漏洩波S5として一部漏洩する
ので、図21(c)に示すように、反射波S4はピーク
値の低い値として検出器SE2に戻ってくる。
【0008】超音波式のレベルスイッチ方式は、この気
相部と液相部に対する超音波の反射波ピーク値の相違か
ら超音波探触子正面における液槽1の内包液の有無を検
出する方式である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来の差圧
計測方式においては、基準水柱(低圧)側と変動水柱
(高圧)側の導圧配管2は水柱内の水の密度が相違する
と水位計測上の誤差となることから、各々の配管ルート
が異なる温度雰囲気を通らないように極力同一ルートを
併走するように施工する必要がある。従って、液槽1及
び導圧配管2の内包水の密度条件が計器校正条件と異な
った場合、その水位指示に対し運転員側で密度補正を実
施し補正する必要がある。また、例えば沸騰水型原子力
発電所においては、原子炉圧力容器に水位計測用の導圧
孔を設け、さらに原子炉格納容器壁に導圧配管用の貫通
部を用意する必要があり、その工事物量は少なくない。
また、差圧計測方式は直接水位を測定するのではなく、
差圧という間接的な手法で測定している。
【0010】ここで、例えば原子炉圧力容器の水位計測
においては、狭帯域、広帯域、燃料域、停止域等、その
用途や要求仕様に応じて各々差圧伝送器3を多重に設置
しており、広レンジ、高精度にて統合できれば物量を大
幅に減少させることが可能である。
【0011】一方、従来の超音波を用いた超音波液位計
測方式は、液槽内への探触子導入の必要性があることか
ら、センサー設置は液槽壁を貫通する加工が必要であ
る。また、液槽外からのレベルスイッチ方式の液位計測
方法は、探触子取り付け位置と液位の位置関係から離散
的な液位情報しか得られず、連続的な液位情報が得られ
なかった。また、送信側探触子から1方向に発信された
超音波の多重反射の受信による液相の有無を判断してお
り、超音波送信方向に応じた位置に受信側探触子を設置
する必要があり、原子炉の制御信号として用いる液位情
報を提供するには不十分であった。
【0012】また、超音波しきい値判定型水位計に用い
る超音波受発信子は原子炉圧力容器のような高温の液槽
の外壁に直接設置する場合、長期間に亘る高温環境の影
響が懸念される。
【0013】本発明の目的は、被測定対象と非接触で液
相内の液位の測定が精度よく行え、しかも耐環境性を向
上させた超音波液位計測装置を得ることである。
【0014】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係わる
超音波液位計測装置は、液槽外壁面に液槽内に向けて設
置した複数個の超音波探触子と、超音波探触子のいずれ
か1個に接続され超音波を送信する超音波発信手段と、
残りの超音波探触子に接続され超音波発信手段により発
信された超音波パルスの液槽内壁面からの反射パルスを
受信する超音波受信手段と、超音波受信手段で受信した
反射パルスの信号レベル及び伝播時間を各々の超音波受
信手段毎に算出する信号検出手段と、反射パルスの減衰
率と受信側の超音波探触子および送信側の超音波探触子
との取り付け位置に基づいて液槽内の液位を換算する液
位換算手段と、液位換算手段で換算された液位を出力す
る液位出力手段とを備えたことを特徴とする。
【0015】請求項2の発明に係わる超音波液位計測装
置は、請求項1の発明において、液位換算手段は、壁材
中伝播経路長と壁材中音速から求められる超音波パルス
送信時刻からの遅れ時間により特定された反射回数ごと
の多重反射のエコーパルスについて、予めエコーパルス
毎に基準値を設定し、その基準値に対する波高変化の割
合から求められる減衰率とエコーパルスの多重反射回数
に対して内壁面の接する状態の違いによる反射率の違い
を基に、液相−壁材界面での反射回教と気相−内壁界面
での反射回数とを計算し、多重反射回数に対する液相−
壁材界面での反射回数から、送信側探触子と受信側探触
子の取り付け位置に対する液位を多重反射位置に対する
区間的な相対位置として決定し、反射回数が異なる多重
反射エコーパルス毎に求められる液位の相対位置の情報
を組み合せることにより、液槽内の液位を換算するよう
にしたことを特徴とする。
【0016】請求項3の発明に係わる超音波液位測定装
置は、請求項1または請求項2の発明において、液位換
算手段は、超音波の波高変化測定のための基準値につい
て、超音波探触子間の内壁面がすべて液相に接している
ときの反射エコーパルス強度を基準として決定すること
を特徴とする。
【0017】請求項4の発明に係わる超音波液位測定装
置は、請求項1または請求項2の発明において、液位換
算手段は、超音波の波高変化測定のための基準値につい
て、超音波探触子間の内壁面がすべて気相に接している
ときの反射エコーパルス強度を基準として決定すること
を特徴とする。
【0018】請求項5の発明に係わる超音波液位測定装
置は、請求項1または請求項2の発明において、液位換
算手段は、超音波の波高変化測定のための基準値につい
て、超音波探触子自身での超音波送受信の結果得られる
受信強度に基づき決定することを特徴とする。
【0019】請求項6の発明に係わる超音波液位測定装
置は、請求項1乃至請求項5のうちいずれか1項の発明
において、送信側の超音波探触子と超音波発振手段との
間および受信側の超音波探触子と超音波受信手段との間
に、それぞれ送受信切替回路を設け、送信側の超音波探
触子と受信側の超音波探触子とを切り替えるようにした
ことを特徴とする。
【0020】請求項7の発明に係わる超音波液位測定装
置は、請求項1のうちいずれか1項の発明において、信
号検出手段は、液槽壁の内壁からのエコーパルス間のノ
イズ強度の変化から液槽内部の気液二相混合部の有無お
よび幅を推定することを特徴とする。
【0021】請求項8の発明に係わる超音波液位測定装
置は、請求項7の発明において、信号検出手段は、液槽
壁の内面からのエコーパルス間のノイズ強度から、予め
作成したノイズ強度−ボイド率対応テーブルを参照して
ボイド率を推定することを特徴とする。
【0022】請求項9の発明に係わる超音波液位計測装
置は、請求項1乃至請求項8のうちいずれか1項の発明
において、液位換算手段は、レファレンスとなる参照強
度変化を学習させたニューラルネットワークにより、反
射エコーパルス強度の変化から液位を推定することを特
徴とする。
【0023】請求項10の発明に係わる超音波液位計測
装置は、請求項1乃至請求項9のうちいずれか1項の発
明において、各超音波探触子として、複数の小型超音波
探触子を並べて構成するフェーズドアレイ型としたこと
を特徴とする。
【0024】請求項11の発明に係わる超音波液位計測
装置は、液槽外壁面に液槽内に向けて多段に設置された
複数個の超音波探触子と、超音波探触子を順次切り替え
て超音波の送信を行い液槽内面からの反射エコーパルス
を超音波探触子の切り替え順序で受信する超音波送受信
手段と、超音波送受信手段からの反射エコーパルスの波
高値に基づいて各々の超音波探触子の正面における液槽
内包液の有無を確定して連続した液位を求める信号処理
手段とを備えたことを特徴とする。
【0025】請求項12の発明に係わる超音波液位計測
装置は、請求項11の発明において、信号処理手段は、
超音波の発信パルス波高値を基準として、超音波探触子
の正面における液槽内包液の有無判定のしきい値を随時
決定するようにしたことを特徴とする。
【0026】請求項13の発明に係わる超音波液位計測
装置は、請求項11または請求項12の発明において、
液槽外壁面に液槽内に向けて多段に設置された複数個の
超音波探触子は、千鳥状に配列されたことを特徴とす
る。
【0027】請求項14の発明に係わる超音波液位計測
装置は、請求項11乃至請求項13のうちいずれか1項
の発明において、超音波送受信手段は、超音波探触子の
いずれか1個から超音波を送信して残りの超音波探触子
から液槽内壁面からの反射パルスを受信し、信号処理手
段は、反射パルスの減衰率と受信側の超音波探触子およ
び送信側の超音波探触子との取り付け位置に基づいて液
槽内の液位を求めるようにしたことを特徴とする。
【0028】請求項15の発明に係わる超音波液位計測
装置は、請求項11乃至請求項14のうちいずれか1項
の発明において、超音波探触子の間に次段の超音波探触
子の駆動タイミング信号を出力するための駆動信号遅延
回路を設け、1段目の超音波探触子と超音波送受信手段
との間は駆動信号ケーブルで接続し、残りの超音波探触
子と超音波送受信手段との間は受信専用ケーブルで接続
するようにしたことを特徴とする。
【0029】請求項16の発明に係わる超音波液位計測
装置は、請求項1乃至請求項15のうちいずれか1項の
発明において、液槽と材質を同じくし超音波探触子と断
面積を同じくした冷却部材を液槽と超音波探触子との間
に設けたことを特徴とする。
【0030】請求項17の発明に係わる超音波液位計測
装置は、請求項11乃至請求項15のうちいずれか1項
の発明において、液槽と多段の超音波探触子との間に、
液槽と材質を同じくし多段の超音波探触子に共通の一体
型の冷却部材を設けたことを特徴とする。
【0031】請求項18の発明に係わる超音波液位計測
装置は、請求項11乃至請求項15のうちいずれか1項
の発明において、各々の前記超音波探触子の背面に、液
槽内の液位を表示するためのLED表示回路を設けたこ
とを特徴とする。
【0032】請求項19の発明に係わる超音波液位計測
装置は、請求項1乃至請求項18のうちいずれか1項の
発明において、液槽の胴部にレベルゲージ方式にて取り
出された配管を設け、その配管の外壁面に前記超音波探
触子を設けたことを特徴とする。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。図1は本発明の第1の実施の形態に係わる超音波
液位計測装置のブロック構成図である。この第1の実施
の形態は多重反射エコーパルス方式で液位を計測するも
のである。
【0034】図1において、液体を貯蔵した液槽壁1a
の外部には2個の超音波探触子5、6が設けられてお
り、その一方の超音波探触子5は超音波発信手段7に接
続されている。超音波発信手段7から発生した電気信号
は超音波に変換され、超音波探触子5から液槽壁1aに
向けて発信される。図1中の液槽壁面内部での超音波は
矢印に示す方向に音線として伝搬する。発信した超音波
が液槽壁1aの内壁面にて反射し、その反射波は再び超
音波探触子5、6が接する外壁面に到達し、さらに反射
を繰り返す。この過程が壁面中で繰り返される。
【0035】反射が繰り返されるときに反射面が液相に
接しているときには、液相中に伝播する屈折率が気相へ
の屈折率に比べて大きいため、超音波の反射率が低下す
る。超音波は、発信角度に応じて超音波探触子間の側壁
面の異なる位置で多重反射を経て側面外壁の離れた場所
に設置した他方の超音波探触子6で受信される。
【0036】このときの多重反射エコーパルスの強度の
低下の度合いから、多重反射の間に液相に接した面で反
射した回数と気相で反射した回数とを決定し、多重反射
回数毎に異なる経路を伝播した複数の超音波エコーパル
スから得られる液相下での反射回数の情報を総合する。
これにより、結果として単一方向の多重反射では達成で
きない精度での液位の連続的測定を可能とする。
【0037】超音波探触子6で受信された超音波は、後
段の超音波受信手段8において、その受信強度に応じた
電気信号に変換される。この変換された信号は信号検出
手段9に送られる。この時に受信された超音波信号は、
図3に示すように反射回数と伝播距離に応じて異なるエ
コーパルス強度と時間遅れをもっている。
【0038】図3において、ベースライン30を基準と
してエコーパルスが変化している。特性曲線31は1回
反射波のエコーパルス、以下同様に、特性曲線32は2
回反射波のエコーパルス、特性曲線33は3回反射波の
エコーパルスであり、図3では12回反射波までのエコ
ーパルスが示されている。
【0039】信号検出手段9では、各反射回数に応じて
得られたエコーパルスの信号レベルと超音波到着時間と
の情報を検出する処理を行なう。超音波の伝播時間情報
と振幅情報および超音波探触子5、6の設置位置および
設置間隔の情報を基に、次段の液位換算手段10におい
て液位を算出する処理を行なう。算出された液位の結果
は、数値あるいは構造物高さに対する相対的な液位とし
て液位出力手段11に出力する。
【0040】以上の説明では、2個の超音波探触子5、
6を用いたものを示したが、3個の超音波探触子による
場合の超音波受信について、図2を用いて説明する。図
2において、垂直方向に距離をおいて3個の超音波探触
子21、22、23を設置し、単一の超音波探触子21
から超音波を発信する。そして、壁面中を伝播した超音
波24、25を複数位置(2箇所)で受信できるように
受信側の超音波探触子22、23を配置する。個々の超
音波探触子22、23に入射する超音波は、液槽壁1a
の壁材中で異なる経路をたどり、液槽内壁面での各超音
波音線の反射位置26、27がそれぞれの超音波探触子
22、23のそれぞれの反射回数で異なるため、一対の
超音波探触子5、6による送受信の情報を用いる場合よ
りも情報を多重化でき、結果的に液位測定の精度向上の
効果がある。
【0041】図4は、図3におけるエコーパルス強度の
液位変化に対する変化を示す特性図である。図3中に縦
線として示した超音波エコーパルスは、液位の変化に応
じて液相−壁材界面での反射回数が変化するため減衰率
が変化し、各エコーパルス強度が液位に応じて低下す
る。
【0042】図4において、特性曲線41は2個の超音
波探触子間が完全に気相−壁材界面の時の包絡線波形、
特性曲線42は2個の超音波探触子間の上3/4が気相
−壁材界面の時の包絡線波形、特性曲線43は2個の超
音波探触子間の上1/2が気相−壁材界面の時の包絡線
波形、特性曲線44は2個の超音波探触子間の上1/3
が気相−壁材界面の時の包絡線波形、特性曲線45は2
個の超音波探触子間が完全に気相−壁材界面の時の包絡
線波形である。なお、特性曲線46は送受信信号のエコ
ーパルス間の平均信号強度である。
【0043】すなわち、特性曲線41〜45の5種類の
異なる液位条件で図3のエコーパルスを測定し、そのエ
コーパルス強度の変化の様子を示している。図4の横軸
は超音波発信時刻からの時間遅れから換算した壁材内壁
界面での反射の回数である。
【0044】次に、このエコーパルス強度を基にして、
水を貯蔵した液槽の外壁面に超音波探触子を設置したと
きの減衰率の反射回数に応じた変化の様子を図5に示
す。水−壁材界面での超音波の反射率は約0.94、気
相(ここでは常温常圧の空気)−壁材界面での超音波反
射率はほぼ1.0で全反射に等い。図5では、図4中の
特性曲線41〜45に対応した減衰率を液位を変化させ
た場合についてプロツトしている。
【0045】図6は、図5の減衰率の変化から換算され
た液面下での超音波反射回数を示す特性図である。図6
では、このデータを基にこの減衰率と一回毎の反射率か
ら水−壁材界面での反射回数を求め、液位を変化させた
場合について同様にブロツトしている。
【0046】このように、第1の実施の形態において
は、液槽外壁面に取り付けた複数個の超音波探触子5、
6(21、22、23)を有し、そのうち特定の1個の
超音波探触子5(21)に対して超音波発信手段7を接
続し、発信された超音波の内壁面からの反射波を他の超
音波探触子6(22、23)を介して超音波受信手段8
により受信し、超音波受信手段8の出力が信号検出手段
9の入力となっている。
【0047】超音波発信手段7と超音波受信手段8との
分離により、それらに接続された超音波探触子5(2
1)と超音波探触子6(22、23)との中間位置に存
在する気相と液相の界面の位置が多重反射する超音波受
信強度の変化となるような配置としている。
【0048】さらに、エコーパルス信号の到着時間と信
号強度とを検出する信号検出手段9と、その出力信号を
基に液位に換算する液位換算手段10と、換算された液
位を出力する液位出力手段11とを有し、液位換算手段
10では超音波強度の減衰量と超音波探触子5、6の設
置位置から液位を換算する機能を有する。
【0049】液位換算手段10は、液槽壁1aの壁材中
伝播経路長と壁材中音速から求められるパルス送信時刻
からの遅れ時間により特定された反射回数ごとの多重反
射のエコーパルスについて、予めエコーパルス毎に基準
値を設定し、その基準値に対する波高変化の割合から求
められる減衰率とエコーパルスの多重反射回数に対して
内壁面の接する状態の違いによる反射率の違いを基に、
液相−壁材界面での反射回数と気相−内壁界面での反射
回数を計算し、多重反射回数に対する液相−壁材界面で
の反射回数から、送信側の超音波探触子と受信側の超音
波探触子との取り付け位置に対する液位を多重反射位置
に対する区間的な相対位置として決定する。
【0050】以下、液位換算手段10での処理内容を説
明する。まず、時間情報からパルス発信から受信までの
経路に応じた多重反射回数nを算出する。多重反射回数
nはパルス到着時間のパルス送信時刻に対する遅れ時間
τから、次の(1)式から求められる。
【0051】
【数1】
【0052】次に、振幅情報から、n回多重反射のう
ち、液面下での反射回数iを算出する。超音波は液槽壁
1aの内側界面において反射するが、反射率は界面の接
する内部の状態(液相、気相)により異なる。この性質
を利用して、多数回の反射を繰り返した後で受信側の超
音波探触子6(22、23)に入射した超音波の減衰率
と時間情報とから求めた多重反射回数から算出した入射
角で反射する超音波の反射率から液面下での反射回数i
を算出する。
【0053】そして、液槽に液体が貯蔵され、液面が送
受信探触子の間にあり、液面下での反射回数がi回にな
っているとすると、このときの受信超音波強度Inは
(4)式で表現される。
【0054】
【数2】
【0055】上記の(5)式において、液位の変化に応
じて変化するのは、液相界面での反射回数iの値のみで
あり、α(θn)≠β(θn)であれば、ここで挙げた
各因子について数値的に推定量を求め、多重反射の後に
受信された電気信号強度と上記の数値の代入により、液
相での反射回数を求めることができる。この反射回数i
と、探触子設置位置情報から液面の位置lを(5)式の
不等式にて換算できる。
【0056】
【数3】
【0057】多重反射の回数が異なると超音波の反射す
る位置が異なることを利用し、複数の多重反射の結果の
液位を総合することにより反射回数が異なる多重反射エ
コーパルス毎に求められる液位に比べてその精度が向上
する。
【0058】全反射回数nと液相での反射回数iと、超
音波探触子の設置位置情報dから液面の位置lを(6)
式の不等式にて換算できる。
【0059】 d(2i+1)/2n<l<d{2(i+1)+1}/2n …(6) 各多重反射回数nに対して、このような不等式により液
位の高さ(液位の位置l)を限定できる。
【0060】単一の反射回数nにより得られる液面の分
解能はd/nであるが、複数の多重反射回数nに対して
得られる液面不等式の情報の活用により、液面分解能
は、各反射回数毎の反射位置の間隔の最小値により決定
され、d/2n〜d/2n(n−1)に向上できる。
【0061】ここで、液位換算手段10は、超音波の波
高変化測定のための基準値を超音波探触子間の内壁面が
すべて液相に接しているときの測定結果のエコーパルス
強度を基準した液位換算処理を行なう。これにより、超
音波送受信における角度依存性などの補正量の影響を打
ち消し合うようにする。これは、図4に示す特性曲線4
5の波形(2個の超音波探触子間が完全に気相−壁材界
面の時の包絡線波形)を基にして、残りの特性曲線41
〜44を計算することに相当する。
【0062】
【数4】
【0063】これにより、式中の細かいγ、σなどの係
数の影響を打ち消し合うことができる。
【0064】また、液位換算手段10は、超音波の波高
変化測定のための基準値を超音波探触子間の内壁面がす
べて気相に接しているときの測定結果のエコーパルス強
度を基準した液位換算処理を行なうことにより、超音波
送受信における角度依存性などの補正量の影響を打ち消
し合うようにする。これは、図4に示す特性曲線41の
波形(2個の超音波探触子間が完全に気相−壁材界面の
時の包絡線波形)を基にして、残りの特性曲線42〜4
5を計算することに相当する。
【0065】
【数5】
【0066】これにより、式中の細かいγ、σなどの係
数の影響を打ち消し合うことができる。
【0067】また、液位換算手段10は、各超音波探触
子について波高変化測定の基準値を超音波探触子自身で
の超音波送受信の結果得られる受信強度に基づき補正す
る。ことにより、超音波探触子の劣化などによる変化の
影響を打ち消す。
【0068】図7に示すように定期的に送信側の超音波
探触子71および受信側の超音波探触子72から壁材方
向に垂直に超音波73、74を送受信し、内部状態が同
じときの受信信号強度を信号検出手段9に保持してお
く。そして、液位換算手段10での処理において、この
情報を利用することにより、反射回数の評価精度を向上
させる。
【0069】次に、図8に示すように、超音波の送受信
を行う超音波探触子の接続を順次切り替えることができ
るように、送信側の超音波探触子81と超音波発振手段
7との間および受信側の超音波探触子82と超音波受信
手段8との間に、それぞれ送受信切替回路12を設け
る。
【0070】すなわち、多重反射の回数が異なると超音
波の反射する位置が異なることを利用し、送信側の超音
波探触子81と受信側の超音波探触子82とを切り替
え、反射回数が異なる多重反射エコーパルス毎に求めら
れる液位の相対位置の情報の組み合せにより推定される
液位の区間を狭め、連続的な液位測定をできるようにす
る。
【0071】このように、超音波探触子の送信側と受信
側とを順次切り替えることにより、発信側の超音波探触
子が異なれば超音波多重反射位置が微妙に異なることを
利用し、超音波探触子の配置は同じでも超音波が壁材中
を伝播する経路を変えることが可能である。また、各送
信毎に得られる波形情報を組み合わせることにより、液
位の測定精度の向上および一部の超音波探触子の故障の
発見の早期実現、故障した超音波探触子の存在条件下で
も他の超音波探触子により、喪失された情報の補足がで
きる。
【0072】次に、図9に示すように、液槽壁1aの内
壁からのエコーパルス間のノイズ強度の変化に基づい
て、信号検出手段9により液槽内部の気液二相混合部の
有無および幅を推定するようにする。これは、液槽内部
の液相に気泡が混入している状態を測定することにより
行う。
【0073】図9において、送信側の超音波探触子91
から発信された超音波93は、液槽壁1aの壁材中を伝
播し、液相−壁材界面において反射を起こすが、この場
合、混合相中の超音波94、95のように一部の超音波
が液相中に透過する。混合相中に透過した超音波の進行
方向に、気泡96が存在しない場合には、透過した超音
波95のように液相中をそのまま伝播していく。
【0074】一方、超音波の進行方向に気泡96がある
場合には、その超音波94が混合相中の気泡96の表面
に到達すると気泡96の表面で反射が起こり、その反射
した超音波は、超音波97のように液槽壁1aの壁材中
に伝播する。この伝播した超音波97が受信側の超音波
探触子92に入射することで、混合相中の気泡96の存
在を示す超音波の反射波を検出できる。
【0075】この反射波97は壁材中内部のみの反射に
より入射した超音波に比べて微弱であり、また伝播時間
も気相液相中の音速の違いにより異なり、また気泡位置
も液相中に広く分布するため、図3に示すエコーパルス
においてはベースライン30上の雑音成分に寄与する。
すなわち、図4におけるエコーパルス間の平均強度の特
性曲線46の変化から、気泡96による反射成分の強さ
を評価でき、気泡96の存在の有無を測定できる。
【0076】このように、信号検出手段9は液槽壁1a
の内壁からのエコーパルス間のノイズ強度の変化を検出
する。液槽壁1aの壁材界面にて液相に透過し、液槽内
部の気液二相混合部の気泡表面で反射後、受信側の超音
波探触子92に入射した超音波97の有無から気液二相
混合部の有無を測定する。
【0077】液相中に2相状態が形成されているときに
は、液面下で液相−壁材界面に入射した超音波94の一
部が液相中に透過する。この透過波94が気泡96表面
において反射し、再び壁材方向に戻ってくる成分を生じ
る。壁材に液相方向から入射する超音波の一部は壁材中
を伝播し、受信側の超音波探触子92に入射するが、そ
の際に液相での音波速度が壁材中に比べて低いこと、伝
播経路が異なることから壁材内部を伝播してきた超音波
と異なる遅れ時間を有し、かつ低い超音波強度であるこ
とから、これらの状態の有無は、超音波エコーパルスピ
ークには寄与せず、反射回数の異なるエコーパルスの間
の散乱超音波成分に寄与する。気泡96が存在する場合
には、この散乱成分が増大することを検出し、2相状態
の有無が検出できる。
【0078】ここで、図9の条件において、実際の測定
条件と同様の体系において気泡96が液相中に含まれる
割合すなわちボイド率を、気泡96の流量を変化させる
ことにより変化させ、同時に別な手法でボイド率を予め
測定しておく。一方、得られた受信信号のノイズ強度を
測定し、ノイズ強度−ボイド率の対応テーブルを作成し
予め信号検出手段9に記憶しておく。そして、ノイズ強
度が変化したときには、このノイズ強度−ボイド率対応
テーブルを参照してボイド率を推定する。これにより、
迅速にボイド率を推定することができる。
【0079】このように、気液二相混合部のボイド率の
増大により気泡96の表面積が増える結果、気泡表面で
の超音波の反射量が増え、液槽壁1aの内壁からのエコ
ーパルス間のノイズ強度が増大するという性質を利用し
て、予め作成したノイズ強度−ボイド率対応テーブルを
参照してボイド率を推定する。
【0080】次に、図10は液位換算手段10にニュー
ラルネットワークを導入したときのアルゴリズムの説明
図である。液位換算手段10は、レファレンスとなる参
照強度変化を学習させたニューラルネットワークによ
り、反射エコーパルス強度の変化から液位を推定する。
【0081】図4に示したような液位をパラメータとし
たエコーパルス包絡線の特性曲線41〜45のような波
形が各液位に対応して予め得られているとすると、その
波形情報を図10のピーク形状101のように異なる液
位に対応する波形形状を入力として、液位を出力とする
ような誤差逆伝播アルゴリズムに基づくフィードフォワ
ード型人工神経回路網102により学習を行なう。そし
て、学習が終了した人工神経回路網104を液位換算手
段10の処理機構として組み込む。これにより、測定さ
れた波形形状103を入力として液位情報を推定する。
【0082】このように、液位換算手段10としてレフ
ァレンスとなる参照強度変化を学習させたニューラルネ
ットワークを採用し、反射エコーパルス強度の変化から
液位を推定する。従って、液位をより精度良くかつ迅速
に推定できるようになる。
【0083】図11は、超音波探触子としてフェーズド
アレイセンサを用いた場合の説明図である。図11に示
すように、小型超音波探触子を並べて構成したフェーズ
ドアレイ超音波探触子111、112を設置する。これ
により超音波113が液槽壁1aの内壁面で反射する位
置にフェーズドアレイによる焦点114を合わせ、その
位置での反射率の相違から液相の有無を検出する。フェ
ーズドアレイにおいて合成超音波発信方向はアレイを構
成する超音波探触子の発信時刻の遅れ時間を制御するこ
とで実現されており、この遅れ時間を連続的に変化させ
ることで、液槽内壁面での焦点位置114を連続的に移
動させ、液面の位置を連続的に測定する。
【0084】このように、超音波探触子として、複数の
小型超音波探触子を並べて構成するフェーズドアレイ型
の超音波探触子を用いることにより、液槽壁内面の特定
位置にフェーズドアレイから発信した超音波の焦点11
4をあわせ、その位置での液位の有無を高分解能で測定
し、さらに焦点位置を連続的に変化させることにより液
位の連続的測定を可能とする。
【0085】次に、本発明の第2の実施の形態を説明す
る。図12は本発明の第2の実施の形態を示すブロック
構成図である。この第2の実施の形態は連続しきい値判
定方式で液位を計測するものである。すなわち、複数個
の超音波探触子SE1〜SE9を多段に液槽外壁面に液
槽内に向けて設置し、超音波送受信手段13により、こ
れら超音波探触子SE1〜SE9を順次切り替えて超音
波の送信を行い液槽内面からの反射エコーパルスを超音
波探触子の切り替え順序で受信する。そして、信号処理
手段14により超音波送受信手段SE1〜SE9からの
反射エコーパルスの波高値に基づいて各々の超音波探触
子SE1〜SE9の正面における液槽内包液の有無を確
定して連続した液位を求めるようにしたものである。
【0086】超音波送受信手段13は第1の実施の形態
の超音波発信手段7および超音波受信手段8に相当し、
複数個の超音波探触子SE1〜SE9を順次切り替えて
受信する機能を有する。また、信号処理手段14は第1
の実施の形態の信号検出手段9および液位換算手段10
に相当し、順次受信した反射エコーパルスに基づき液位
を連続的に求めるものである。
【0087】図12において、液槽1の液槽壁1aの外
面に液槽1内に向けて多段の超音波探触子SE1、SE
2、SE3、SE4、SE5、SE6、SE7、SE
8、SE9を配置する。超音波送受信手段13は、これ
ら超音波探触子SE1〜SE9を切り替え駆動する切替
駆動機能と、超音波探触子SE1〜SE9からの信号を
受信する受信機能と、所定の周波数で発信される超音波
の発信機能とを有する。
【0088】信号処理手段14は、受信信号を所定のし
きい値で2値化する検波機能と、2値化した信号に基づ
いて各々の超音波探触子SE1〜SE9の正面の液槽内
包液の有無を判定する。そして、これら内包液の有無か
ら液面を確定する機能と、連続した液位を信号処理し外
部出力する出力機能を有する。
【0089】まず、信号処理手段14からの駆動信号に
より超音波送受信手段13は、超音波探触子SE1から
順番に選択切替し、選択切り替えした超音波探触子から
超音波を発信させる。そして、超音波送受信手段13
は、超音波を発信させた超音波探触子から反射波を受信
する。
【0090】図12では2番目の超音波探触子SE2か
ら超音波S1が発信されたものを示しており、液槽壁1
aから発信された超音波S1は液槽壁1a内を伝播し、
液槽1の内面が空気または蒸気相である場合には、発信
信号とほぼ同じ波高値の反射波S2が超音波探触子SE
2に戻ってくる。この反射波S2の波高値は所定のしき
い値より大きいことから、液槽1内の超音波探触子SE
2の正面は、空気または蒸気相であることを判定し記憶
する。この液槽1の内包液の有無を判定し終わると、次
段の超音波探触子SE3に切り替える。このようにし
て、各々の超音波探触子位置での液槽1の内包液の有無
を判定する。例えば、超音波探触子SE6においては、
入射波S3に対し、鉄鋼材と水の音響インピーダンスの
差が空気と蒸気の場合と比較し小さいことから、超音波
S3の漏洩波S5が発生し、超音波探触子SE6に戻っ
てくる反射波S4の波高値が内包液がない場合より小さ
くなる。このことから、受信した反射波S4の波高値は
所定のしきい値より小さくなり、液槽1内の超音波探触
子SE6の正面には内包液が存在すると判定し記憶す
る。
【0091】このようにして、超音波探触子SEを順次
切り替えて内包液の有無の境界点から確定された水面位
置を、液位信号として信号処理手段14から液位出力手
段11に出力する。
【0092】すなわち、複数個の超音波探触子SEを多
段に設置し、各段の測定(超音波送受信及び信号処理)
が完了した後、次段の超音波探触子SEの送受信を開始
するタイムシェアリング方式により頂番に液位の有無を
確認することで、各超音波探触子SEの超音波干渉を防
ぐ。また、測定精度は超音波探触子である圧電素子の構
造寸法に依存することから、小型の圧電素子を用いるこ
とにより測定精度向上が図れ、多段、一列に超音波探触
子を配列し高速スキャンすることで連続的な液位測定が
可能となる。
【0093】ここで、超音波探触子SEの正面における
液槽内包液の有無判定のしきい値は、信号処理手段14
により、超音波の発信パルス波高値を基準として随時決
定するようにしている。
【0094】図13(a)および図13(b)に示すよ
うに、圧力容器又はタンク等の液槽内包液の有無を判定
するしきい値EPは、発信した超音波S1(S3)の波
高値E1から減衰分ΔE1を減じた値として随時決定し
更新する。
【0095】例えば、図13(a)において、超音波入
射波S1のパルス波高値E1に対し、ある一定の減衰分
ΔE1(3%)を考慮した値をしきい値とする。つま
り、しきい値EPはE1−ΔE1となる。液槽内で超音
波探触子正面に内包液が存在しない場合(空気や蒸気相
の場合)、液槽の壁内面からの反射波S2は殆ど減衰し
ないパルス波高値E2で受信され、しきい値EPを越え
ることから、内包液なしと判定する。
【0096】また、図13(b)において、超音波入射
波S3のパルス波高値E3に対し、ある一定の減衰分Δ
E3(3%)とすると、その場合のしきい値EPはE3
−ΔE3となる。液槽内で超音波探触子正面に内包液が
存在する場合(液相の場合)、液槽1の壁内面からの反
射波S4は液相側への超音波の漏洩分S5が反射しない
ことから、パルス波高値E4が受信され、しきい値EP
を下回ることから、内包液ありと判定する。これを全て
の超音波探触子SEについて、繰り返すことにより連続
した液位を算出する。
【0097】以上のような処理を用いることにより、超
音波探触子SEの入射波のパルス波高値の経年変化や波
高値の不安定性に対応することが可能となる。
【0098】また、液槽壁外面に容器内に向けて設置し
た多段の超音波探触子については、超音波探触子SEの
配置を図14に示すように千鳥状に配置する。図14
(a)は液槽壁1aの側面方向から見た図であり、図1
4(b)は液槽壁1aの平面方向から見た図である。図
14に示すように超音波探触子SEを千鳥状に配列し、
このような配列の超音波探触子SEの一列目の超音波探
触子SE(2m-1)と二列目の超音波探触子SE(2m)とから
交互に、つまり、SE1、SE2、SE3、SE4、S
E5、…の順番にて液位の有無を計測する。これによ
り、連続的に液位計測を行うことができ、超音波探触子
SEの寸法以下の液位を測定することが可能となる。
【0099】以上のように、この第2の実施の形態で
は、多段の超音波探触子SEを設け、連続的に液位計測
を行う連続しきい値判定方式であるが、第1の実施の形
態における多重反射エコーパルス方式を合わせて採用す
ることも可能である。すなわち、第1の実施の形態にお
ける多重エコーパルス方式の機能を超音波送受信手段1
3および信号処理手段14に持たせ、第2の実施の形態
における連続しきい値判定方式とを、信号処理手段14
にて切り替えて用いる。これにより、単一装置にて2種
類の測定方式を実施できる。
【0100】連続的に液位測定する連続しきい値判定方
式の構成は、図12に示したものとと同様である。一
方、超音波送受信手段13は、超音波探触子SEのいず
れか1個から超音波を送信して残りの超音波探触子から
液槽内壁面からの反射パルスを受信し、信号処理手段1
4は、その反射パルスの減衰率と受信側の超音波探触子
および送信側の超音波探触子との取り付け位置に基づい
て液槽内の液位を求める。これにより、第1の実施の形
態における多重反射エコーパルス方式が実現される。
【0101】そして、多重反射エコーパルス方式と連続
しきい値判定方式とをタイムシェアリング処理にて切り
替えて用いる。従って、常時2種類の異なる測定方式に
よる液位監視の多様化が可能となる。
【0102】例えば、多重反射エコーパルス方式にて、
第1回目のフルレンジスキャンが終了し液位が確定した
後に、連続しきい値判定方式による液位計測を開始す
る。これを繰り返し、常時2種類の測定方式で液位を確
認することとなる。
【0103】また、通常時は一方の測定方式とし、ある
一定期間毎に中央操作室や計器校正室等から遠隔操作に
より他の測定方式で1点校正や超音波探触子の健全性確
認を行う方法として用いることができる。
【0104】ここで、図12に示したものでは、超音波
探触子SEと超音波送受信手段13との間は駆動信号ケ
ーブルで接続しているが、図15に示すように、超音波
探触子SEの間に次段の超音波探触子SEの駆動タイミ
ング信号を出力するための駆動信号遅延回路15を設
け、1段目の超音波探触子SE1と超音波送受信手段1
3との間は駆動信号ケーブル16で接続し、残りの超音
波探触子SEと超音波送受信手段13との間は受信専用
ケーブル17で接続し、駆動信号ケーブルを大幅に削減
することも可能である。
【0105】図15において、多段の超音波探触子SE
間に、駆動信号遅延回路15を各々設け、超音波探触子
SEの駆動信号ケーブル16を1段目の超音波探触子S
E1への1ループとする。これにより、多段に設置され
た超音波探触子SE毎の駆動信号ケーブルを大幅に削減
することが可能となる。信号処理手段14から超音波送
受信手段13を介して、ある周波数で発信された超音波
探触子SEの駆動信号は超音波探触子SEの駆動用と反
射波受信側を一体化した駆動信号ケーブル16を伝播
し、超音波探触子SE1が駆動され、超音波入射波及び
壁面からの反射波がその駆動信号ケーブル16を伝播
し、超音波送受信手段13を介して信号処理手段14に
入力され、液位の有無を判定しその結果を記憶する。
【0106】次に、最適な遅れ時間に調整された駆動信
号遅延回路15を介して、次段の超音波探触子SE2が
駆動され、超音波入射波及び壁面からの反射波が受信専
用ケーブル17を伝搬し、超音波送受信手段13を介し
て信号処理手段14に入力され液位の有無を判定しその
結果を記憶する。こうして、最終段の超音波探触子SE
まである最適な遅れ時間で順々に駆動し、その受信信号
から信号処理手段14にて液位を算出し液位出力手段1
1に信号出力する。
【0107】次に、本発明の第3の実施の形態を説明す
る。図16は第3の実施の形態に係わる超音波液位計測
装置の超音波探触子部分の説明図である。この第3の実
施の形態は、第1の実施の形態または第2の実施の形態
に対し、液槽と材質を同じくし超音波探触子と断面積を
同じくした冷却部材を液槽と超音波探触子との間に設け
たものである。
【0108】図16において、被測定対象である圧力容
器やタンク(液槽)が高温となる場合を考慮して、超音
波探触子SEへの熱伝達を低減するために、冷却部材1
8を液槽と超音波探触子との間に設ける。
【0109】すなわち、超音波探触子SE1〜SE5を
液槽である液槽壁1aの外面に設置する際に、液槽1と
材質を同じくし各超音波探触子SE1〜SE5と断面積
を同じくした冷却部材18を液槽壁1aにロウ付けと
し、その冷却部材18に超音波探触子SEを取り付け
る。この冷却部材18の熱は外気によるフィン効果で放
熱される。このように冷却部材18で液槽である液槽1
からの熱を空冷することにより、超音波探触子SEへの
熱伝達を低減し、極度の高温状態で特性が劣化すること
を防ぐ。
【0110】また、第2の実施の形態のように多段の超
音波探触子SEを設ける場合においては、図17に示す
ように、液槽である液槽の壁1aと多段の超音波探触子
SEとの間に、液槽と材質を同じくし多段の超音波探触
子SEに共通の一体型の冷却部材18を設けるようにす
る。
【0111】図17において、各超音波探触子SEの共
通の一体型の冷却部材18を超音波探触子SE1〜SE
5とロウ付け一体とし、冷却部材18の両端を液槽壁1
aに溶接した固定治具19に締付ボルト20にて取り付
ける。これにより、超音波探触子SEの裾付や取り外し
を容易にする。また、上部の締付ボルト20と冷却部村
18の接触面を滑らかにすることにより、液槽の温度状
態により垂直方向に伸縮し、超音波液位計測装置事態が
破損等に至ることを防止することが可能となる。
【0112】ここで、第2の実施の形態または第3の実
施の形態のように多段の超音波探触子SEを設ける場合
においては、図18に示すように、連続的に液槽内の液
位を計測する多段の超音波探触子SEに対して、それら
の背面にLED表示回路21を設置し、現場のタンクや
圧力容器等の液槽の外壁面において液位指示することも
可能である。
【0113】図18において、各々の超音波探触子SE
の背面には制御回路22とLED表示回路21が設置さ
れている。超音波探触子SEが受信した反射波を制御回
路22にて、その超音波探触子SEの正面における液槽
内包液の有無判定のしきい値と比較し、その比較結果を
LED表示回路21にて表示する。このように、液位の
有無を各々出力することで、現場のタンクや圧力容器等
の液槽の外壁面にて液位指示することが可能となる。な
お、図18では、図15に示した超音波液位計測装置に
対してLED表示回路21を設置したものを示している
が、図12、図14、図16、図17に示した超音波液
位計測装置に対して、LED表示回路21を設けるよう
にしても良いことは言うまでもない。
【0114】次に、図19に示すように、液槽1の胴部
にレベルゲージ方式にて取り出された配管23を設け、
その配管23の外壁面に超音波探触子SEを設けるよう
にしても良い。
【0115】例えば、沸騰水型原子力発電所における原
子炉圧力容器の胴部より枝管にて取り出された配管23
に対して、その配管23の外壁面に超音波探触子SEを
設ける。つまり、原子炉の圧力容器から超音波探触子S
Eを離隔することにより、超音波探触子SEの放射線劣
化を軽減し、耐熱性を向上させる。
【0116】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明によれ
ば、被測定対象と非接触で液相内の液位の測定が精度よ
く行え、しかも耐環境性を向上できる。すなわち、原理
的にタンクや圧力容器等の液槽外からの非接触液位測定
であるので、差圧計測方式の場合の導圧配管用タップは
不要となり、また、液位を電気信号として出力すること
から、差圧式計測のように基準水柱や変動水柱の配管ル
ートが異なる温度雰囲気を通さず極力同一ルートを併走
するようにできる。従って、液槽及び導圧配管の内包水
の密度条件が計器校正条件と異なった場合の液位指示に
対する密度補正を実施する必要もなくなる。
【0117】また、液槽が沸騰水型原子力発電所の圧力
容器である場合には、原子炉液位測定について、原子炉
格納容器壁に導圧配管用貫通部を設ける必要もなくな
り、その工事物量を削減できる。さらに、測定精度が測
定スパンに依存しないことから、用途や仕様別の差圧伝
送器を多数設置する必要がなくなり、設備要素の個数を
削減することができる。
【0118】また、原子炉圧力容器のような高温の圧力
容器に対しては、その外壁に超音波探触子を設置する場
合には冷却部材を介在させて設置し、またレベルゲージ
方式にて取り出された配管23を設けてその配管23に
超音波探触子を設置するので、高温環境における耐久性
や又は耐放射線性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係わる超音波液位
計測装置のブロック構成図。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係わる超音波液位
計測装置で受信側の超音波探触子を複数個(2個)設け
た場合のブロック構成図。
【図3】本発明の第1の実施の形態における超音波受信
手段で受信された超音波のエコーパルスの波形図。
【図4】液位変化に対する図3のエコーパルス強度の変
化を示す特性図。
【図5】図4のエコーパルス強度の変化から換算された
各反射波毎の減衰率を示す特性図。
【図6】図5の減衰率の変化から換算された液面下での
超音波反射回数を示す特性図。
【図7】本発明の第1の実施の形態における各超音波探
触子について波高変化測定の基準値を超音波探触子自身
での超音波送受信の結果得られる受信強度に基づき補正
する場合の超音波の送受信の説明図。
【図8】本発明の第1の実施の形態における送信側と受
信側の超音波探触子の接続を順次切り替えるための送受
信切替回路の説明図。
【図9】本発明の第1の実施の形態におけるタンク内部
の気液二相混合部の有無および幅を推定する場合の超音
波の散乱の様子の説明図。
【図10】本発明の第1の実施の形態における液位換算
手段にニューラルネットワークを導入したときのアルゴ
リズムの説明図。
【図11】本発明の第1の実施の形態における超音波探
触子としてフェーズドアレイセンサを用いた場合の説明
図。
【図12】本発明の第2の実施の形態に係わる超音波液
位計測装置のブロック構成図。
【図13】本発明の第2の実施の形態における信号処理
手段での超音波探触子の正面における液槽内包液の有無
判定のしきい値の説明図。
【図14】本発明の第2の実施の形態における複数個の
超音波探触子を千鳥状に配置した場合の説明図。
【図15】本発明の第2の実施の形態における多段の超
音波探触子間に駆動信号遅延回路を設けた場合の超音波
液位計測装置のブロック構成図。
【図16】本発明の第3の実施の形態に係わる超音波液
位計測装置の超音波探触子部分の説明図。
【図17】図16の冷却部材を各々の超音波探触子に共
通の一体型の冷却部材とした場合の説明図。
【図18】本発明の第2の実施の形態または第3の実施
の形態に係わる超音波液位計測装置の液槽の外壁面にお
いて液位指示する場合の説明図。
【図19】本発明の第1の実施の形態乃至第3の実施の
形態のうちのいずれかに係わる超音波液位計測装置の液
槽胴部にレベルゲージ方式にて取り出された配管を設け
た場合の超音波探触子の取付の説明図。
【図20】従来の差圧測定方式で液位を計測する場合の
説明図。
【図21】従来の超音波式のレベルスイッチ方式で液位
を計測する場合の説明図。
【符号の説明】
1 圧力容器 2 導圧配管 3 差圧伝送器 4 液位指示計 5、6 超音波探触子 7 超音波発信手段 8 超音波受信手段 9 信号検出手段 10 液位換算手段 11 液位出力手段 12 送受信切替回路 13 超音波送受信手段 14 信号処理手段 15 駆動信号遅延回路 16 駆動信号ケーブル 17 受信専用ケーブル 18 冷却部材 19 固定金具 20 締付ボルト 21 LED表示回路 22 制御回路 23 配管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上妻 由佳 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内 (72)発明者 小野寺 徹 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液槽外壁面に液槽内に向けて設置した複
    数個の超音波探触子と、前記超音波探触子のいずれか1
    個に接続され超音波を送信する超音波発信手段と、残り
    の超音波探触子に接続され前記超音波発信手段により発
    信された超音波パルスの液槽内壁面からの反射パルスを
    受信する超音波受信手段と、前記超音波受信手段で受信
    した反射パルスの信号レベル及び伝播時間を各々の超音
    波受信手段毎に算出する信号検出手段と、前記反射パル
    スの減衰率と受信側の超音波探触子および送信側の超音
    波探触子との取り付け位置に基づいて前記液槽内の液位
    を換算する液位換算手段と、前記液位換算手段で換算さ
    れた液位を出力する液位出力手段とを備えたことを特徴
    とする超音波液位計測装置。
  2. 【請求項2】 請求項1の発明において、前記液位換算
    手段は、壁材中伝播経路長と壁材中音速から求められる
    超音波パルス送信時刻からの遅れ時間により特定された
    反射回数ごとの多重反射のエコーパルスについて、予め
    エコーパルス毎に基準値を設定し、その基準値に対する
    波高変化の割合から求められる減衰率とエコーパルスの
    多重反射回数に対して内壁面の接する状態の違いによる
    反射率の違いを基に、液相−壁材界面での反射回教と気
    相−内壁界面での反射回数とを計算し、多重反射回数に
    対する液相−壁材界面での反射回数から、送信側探触子
    と受信側探触子の取り付け位置に対する液位を多重反射
    位置に対する区間的な相対位置として決定し、反射回数
    が異なる多重反射エコーパルス毎に求められる液位の相
    対位置の情報を組み合せることにより、前記液槽内の液
    位を換算するようにしたことを特徴とする超音波液位計
    測装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2の発明におい
    て、前記液位換算手段は、超音波の波高変化測定のため
    の基準値について、前記超音波探触子間の内壁面がすべ
    て液相に接しているときの反射エコーパルス強度を基準
    として決定することを特徴とする超音波液位計測装置。
  4. 【請求項4】 請求項1または請求項2の発明におい
    て、前記液位換算手段は、超音波の波高変化測定のため
    の基準値について、前記超音波探触子間の内壁面がすべ
    て気相に接しているときの反射エコーパルス強度を基準
    として決定することを特徴とする超音波液位計測装置。
  5. 【請求項5】 請求項1または請求項2の発明におい
    て、前記液位換算手段は、超音波の波高変化測定のため
    の基準値について、前記超音波探触子自身での超音波送
    受信の結果得られる受信強度に基づき決定することを特
    徴とする超音波液位計測装置。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至請求項5のうちいずれか1
    項の発明において、送信側の超音波探触子と超音波発振
    手段との間および受信側の超音波探触子と超音波受信手
    段との間に、それぞれ送受信切替回路を設け、送信側の
    超音波探触子と受信側の超音波探触子とを切り替えるよ
    うにしたことを特徴とする超音波液位計測装置。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至請求項6のうちいずれか1
    項の発明において、前記信号検出手段は、液槽壁の内壁
    からのエコーパルス間のノイズ強度の変化から前記液槽
    内部の気液二相混合部の有無および幅を推定することを
    特徴とする超音波液位計測装置。
  8. 【請求項8】 請求項7の発明において、前記信号検出
    手段は、液槽壁の内面からのエコーパルス間のノイズ強
    度から、予め作成したノイズ強度−ボイド率対応テーブ
    ルを参照してボイド率を推定することを特徴とする超音
    波液位計測装置。
  9. 【請求項9】 請求項1乃至請求項8のうちいずれか1
    項の発明において、前記液位換算手段は、レファレンス
    となる参照強度変化を学習させたニューラルネットワー
    クにより、反射エコーパルス強度の変化から液位を推定
    することを特徴とする超音波液位計測装置。
  10. 【請求項10】 請求項1乃至請求項9のうちいずれか
    1項の発明において、各超音波探触子として、複数の小
    型超音波探触子を並べて構成するフェーズドアレイ型と
    したことを特徴とする超音波液位計測装置。
  11. 【請求項11】 液槽外壁面に液槽内に向けて多段に設
    置された複数個の超音波探触子と、前記超音波探触子を
    順次切り替えて超音波の送信を行い前記液槽内面からの
    反射エコーパルスを前記超音波探触子の切り替え順序で
    受信する超音波送受信手段と、前記超音波送受信手段か
    らの反射エコーパルスの波高値に基づいて各々の超音波
    探触子の正面における前記液槽内包液の有無を確定して
    連続した液位を求める信号処理手段とを備えたことを特
    徴とする超音波液位計測装置。
  12. 【請求項12】 請求項11の発明において、前記信号
    処理手段は、超音波の発信パルス波高値を基準として、
    前記超音波探触子の正面における前記液槽内包液の有無
    判定のしきい値を随時決定するようにしたことを特徴と
    する超音波液位計測装置。
  13. 【請求項13】 請求項11または請求項12の発明に
    おいて、液槽外壁面に液槽内に向けて多段に設置された
    複数個の超音波探触子は、千鳥状に配列されたことを特
    徴とする超音波液位計測装置。
  14. 【請求項14】 請求項11乃至請求項13のうちいず
    れか1項の発明において、前記超音波送受信手段は、前
    記超音波探触子のいずれか1個から超音波を送信して残
    りの超音波探触子から液槽内壁面からの反射パルスを受
    信し、前記信号処理手段は、前記反射パルスの減衰率と
    受信側の超音波探触子および送信側の超音波探触子との
    取り付け位置に基づいて前記液槽内の液位を求めるよう
    にしたことを特徴とする超音波液位計測装置。
  15. 【請求項15】 請求項11乃至請求項14のうちいず
    れか1項の発明において、前記超音波探触子の間に次段
    の超音波探触子の駆動タイミング信号を出力するための
    駆動信号遅延回路を設け、1段目の超音波探触子と前記
    超音波送受信手段との間は駆動信号ケーブルで接続し、
    残りの超音波探触子と前記超音波送受信手段との間は受
    信専用ケーブルで接続するようにしたことを特徴とする
    超音波液位計測装置。
  16. 【請求項16】 請求項1乃至請求項15のうちいずれ
    か1項の発明において、前記液槽と材質を同じくし前記
    超音波探触子と断面積を同じくした冷却部材を前記液槽
    と前記超音波探触子との間に設けたことを特徴とする超
    音波液位計測装置。
  17. 【請求項17】 請求項11乃至請求項15のうちのい
    ずれか1項の発明において、前記液槽と多段の前記超音
    波探触子との間に、前記液槽と材質を同じくし多段の前
    記超音波探触子に共通の一体型の冷却部材を設けたこと
    を特徴とする超音波液位計測装置。
  18. 【請求項18】 請求項11乃至請求項15のうちのい
    ずれか1項の発明において、各々の前記超音波探触子の
    背面に、液槽内の液位を表示するためのLED表示回路
    を設けたことを特徴とする超音波液位計測装置。
  19. 【請求項19】 請求項1乃至請求項18の発明のうち
    いずれか1項の発明において、前記液槽の胴部にレベル
    ゲージ方式にて取り出された配管を設け、その配管の外
    壁面に前記超音波探触子を設けたことを特徴とする超音
    波液位計測装置。
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