JP3002065U - 多重反射波連続自動消滅装置 - Google Patents
多重反射波連続自動消滅装置Info
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- JP3002065U JP3002065U JP1994003537U JP353794U JP3002065U JP 3002065 U JP3002065 U JP 3002065U JP 1994003537 U JP1994003537 U JP 1994003537U JP 353794 U JP353794 U JP 353794U JP 3002065 U JP3002065 U JP 3002065U
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 遮蔽物内側の検査物に対し1探触子を用いた
簡単な測定法で多重反射波消滅を行い、連続した自動高
速検査を行える超音波検査技術を提供すること 【構成】 メモリと周辺回路で支援したコンピュ−タに
入力すると同時に一定電圧の負極性パルス送信信号を遮
蔽物内へ発信し、その発信によって得た遮蔽物からのエ
コ−信号を入力したコンピュ−タによって前記送信パル
スと対比、演算し、多重反射波を消滅するのに必要な電
圧と時間差を選び、その選んだ制御信号を可変電圧発生
器と時間差発生器によって正極性パルス送信信号を送信
し、その受信/送信の反復操作によって得た最適制御信
号によって多重反射波を消滅させて検査物を超音波検査
できるように構成した。 【効果】 遮蔽物構造の形状/経年変化部分の測定に対
しても多重反射波を正確、高速に自動消滅させて検査物
の正しいエコ−信号を容易にかつ高精度で得る。
簡単な測定法で多重反射波消滅を行い、連続した自動高
速検査を行える超音波検査技術を提供すること 【構成】 メモリと周辺回路で支援したコンピュ−タに
入力すると同時に一定電圧の負極性パルス送信信号を遮
蔽物内へ発信し、その発信によって得た遮蔽物からのエ
コ−信号を入力したコンピュ−タによって前記送信パル
スと対比、演算し、多重反射波を消滅するのに必要な電
圧と時間差を選び、その選んだ制御信号を可変電圧発生
器と時間差発生器によって正極性パルス送信信号を送信
し、その受信/送信の反復操作によって得た最適制御信
号によって多重反射波を消滅させて検査物を超音波検査
できるように構成した。 【効果】 遮蔽物構造の形状/経年変化部分の測定に対
しても多重反射波を正確、高速に自動消滅させて検査物
の正しいエコ−信号を容易にかつ高精度で得る。
Description
【0001】
本考案は、遮蔽物内側に存在する検査物、滞留液の深さや錆の厚さ等を測定す る技術に係り、例えば電柱上に設置した柱上トランス内に微少浸水や付着錆が生 じた場合に、外板外側から非破壊検査を行って、検査物の形状、寸法を正確に測 定するための検査装置に関する。
【0002】
図2と図3は、従来技術を説明するもので、図2の(A)はその問題点を示す 部分側断面図、(B)、(C)はその多重反射波図で、図3は他の従来技術を説 明する部分側断面図である。 図2(A)に示す、例えば鉄製筐体3内の水量2を、筐体底板に当接した超音 波トランスデュ−サ1で測定する場合、鉄と水の音響インピ−ダンスZの違いか らそれら境界面で、矢印で示す多重反射波が生じ、特に図示のように音波が垂直 入射の場合、この現象は著しい。この反射波は、鉄製底板内音速V、底板厚dか ら決まる周期T(=2d/V)を持ち、かつ伝播物質(鉄)の音波減衰率や境界 における反射率等により指数関数的に減衰する。この鉄製底板が、多重反射を発 生させる遮蔽物3となる。 筐体内水量2が大のときは、鉄板内の多重反射波が減衰した後に、同図(B) に示すように水面反射波が現れるので、明確に識別できるが、水量2が小のとき は、同図(C)に示すように両者は混在して個別識別は難しい。
【0003】 この問題を解決する従来技術の一つに、図3に示す斜角探触子1a、1bを配 置し、斜めに音波を放射して多重反射波発生を押えるものがある(従来例1)。 他の技術として、筐体板厚に固有の時間間隔を示す多重反射波形を予め記憶し 、実際波形と比較してそのパタ−ンの相違を検出する方法がある(従来例2)。
【0004】 さらに別の技術に、多重反射波と逆位相のパルス信号を発生させ、両者を電気 的に重畳して多重反射波を消滅し必要なエコ−を取り出す装置がある(実公平5 −33960号公報)。この技術はトランスデュ−サが当接する筐体3の材質、 板厚が測定範囲内で一つの固定値を示し、板厚内音波の減衰率、反射率が一定の 測定条件下にある場合に有効である(従来例3)。
【0005】
しかしながら、従来例1では、探触子をその相互位置を代えて広い範囲を測定 するので、その際に移動する探触子の取扱いが複雑になる。従来例2では 、水の反射波の位置が多重反射波の位置と同じになって、かつ水の反射波の振幅 が小の場合に検出限界が生じる欠点がある。従来例3では、筐体に腐食や付着物 が生じて経年変化を受けた場合、測定条件が一様でなくなり、多重反射波を正確 に消滅できないなど、それぞれの従来技術には問題点があった。 本考案は、斜角探触子法のように2つの探触子を用いることなく、1つの探触 子を使用し、かつ簡単な測定法で、多重反射波消滅を行い、連続した自動検査を 高速に行う超音波検査技術を提供することを目的とするものである。
【0006】
本考案に係る多重反射波連続自動消滅装置は、異種媒体と境界を接して有限厚 さ(d)を持つ遮蔽物(3)内部の検査物(2)の超音波検査において、遮蔽物 内へ発信するトランスデュ−サに一定電圧の負極性パルス信号を送信し、そのエ コ−信号をトランスデュ−サを介して受信器に受信し、さらにA/Dコンバ−タ を介してメモリに記憶した後、周辺回路が補助するコンピュ−タに出力すると共 に、その出力信号を前記負極性パルス信号と対比、演算した上で、D/Aコンバ −タを介して可変電圧発生器及び時間差発生器による制御と調整を行い、その制 御信号によって正極性パルスを発生、送信する正極性パルス送信器を配設するこ とによりり超音波の多重反射波を連続的かつ自動的に消滅させることを特徴とす るものである。
【0007】
【作用】 コンピュ−タで制御された負極性パルス送信信号を遮蔽物内へ発信し、その発 信によって得たエコ−信号を入力したコンピュ−タによって前記送信パルスと対 比、演算し、多重反射波を消滅するのに最適の電圧と時間差を選び、その選んだ 制御信号によって正極性パルス送信信号を送信するようにしたので、正極性パル ス信号が正確なタイミングで負極性パルスエコ−信号に重なり合い、多重反射の 影響を正しくかつ自動的に早く除去する。
【0009】
以下、本考案に係る多重反射波連続自動消滅装置を図1によって説明する。図 1は、本考案装置を説明するもので、(A)は構成を示すブロック図、(B)は 入射波の作用図、(C)は時間差説明図である。 同図(A)に示すように、検査物2は、多重反射を発生させる遮蔽物3(以下 、遮蔽物という)の図示右方(=内側)の音場媒質4にある。遮蔽物の図示左方 (=外側)に近接または当接した超音波トランスデュ−サ(以下、トランスデュ −サという)1は、電圧を固定して負極性パルスを発生、送信する負極性パルス 送信器5、及び可変電圧発生器7と時間差発生器9とを付設して、多重反射波の 減衰比Mによって選択した電圧の正極性パルスを発生、適切な時間差Tをもって 送信する正極性パルス送信器6、並びにトランスデュ−サ1が受信した信号を増 幅する受信器11、との各々と接続している。 コンピュ−タ14は、メモリ13と記憶処理を助ける周辺回路15とでル−プ 状に接続すると共に、負極性パルス送信器5とは直接接続し、可変電圧発生器7 と時間差発生器9とはそれぞれD/Aコンバ−タ8、10を介して接続する。受 信器11は、A/Dコンバ−タ12を介してデジタル値に変換した受信信号を記 憶するメモリ13に接続している。
【0010】 ここに、多重反射消滅原理に係る音の強さIと時間差T(=周期)について検 討する。Z2 は境界A、B間距離dの大きさを持つ媒質、例えば遮蔽物3の板状 物質の音響インピ−ダンス(以下、Z2 という)で、Z1 は例えばトランスデュ −サ1側境界Aに隣接する媒質の音響インピ−ダンス(以下、Z1 という)であ る。 Z2 なる媒質内超音波の進行波I1 、I2 等の強さ|I1|、|I2|は、Z1 、Z2 なる媒質の各境界A、Bにおける進行波の反射率、該媒質中の減衰率の影 響を受ける。前記強さを最初の入射波I0 の音の強さ|I0 |との比を用いて、 下記式(1)により定義して次式を得る。但し、M1 、M2 <1である。 M1 =|I1|/|I0| 、M2 =|I2|/|I0| (1) (1)式から、 |I1|=M1|I0|、|I2|=M2|I0| ここで、減衰比M=M2/M1 とする。 次に、境界Aを入射波I1 が出発する時点から、反射波I2 が境界Aを出発す る迄の時間差Tは、A、B間距離がd、媒質中の音速Vのときに、T=2d/V を得る。 同図(C)に示すように最初の負極性入射波I0 に引き続いて、時間差T時間 後にその強さがM|I0|の正極性の超音波MI0′を境界Aに入射させると、境 界A、B間の媒質中に生ずる正極性の透過波I2′ の音波の強さは、次式で得ら れる。ここにIの右肩に付した「′」は、正極性パルスを示す。 M1・MI0′=M2 I0′=I2′ この正極性の透過波I2′ は、負極性の反射波I2 と強さは同じで極性が反対 の進行波で、境界A、B間を反射波I2 と並走する。従ってそのとき透過波I2 ′は、反射波I2 と同じ物理現象を現すので、重ね合わせたとき、結果的に多重 反射波部分が消滅する一方、入射波I1 には何も影響が及ばない。
【0011】 次に以上の原理に基づき構成した本考案装置の動作を4つの段階に分けて、図 1によって説明する。 (第1段階)コンピュ−タ14を介して一定の負極性パルスをトランスデュ− サ1に加え、同図(B)に示すように負極性超音波I0 を遮蔽物3内へ入射する 。ここで一般に媒質の音響インピ−ダンスがZ1 =Z2 の場合は透過波P1 のみ であるが、Z1 ≠Z2 の場合は、Z1 の媒質からZ2 の媒質(=遮蔽物3)へ最 初の負極性入射波I0 が進行して、境界Aで反射波R1 と、Z2 の媒質への透過 波I1 が生じ、次に透過波I1 によって境界Bで反射波IR1 と透過波P1 を生 じる。さらに音波は反射波IR1 が減衰しながら進行して境界Aで反射波I2 と Z1 の媒質への透過波R2 になる。このように以下同様な現象を繰り返しながら Z2 の媒質(=遮蔽物3)内に多重反射が生じる。 得られた多重反射波を含むエコ−信号は、全て負極性(=逆位相)で最初の入 射波I0 と同位相であり、トランスデュ−サ1に到達した音波は電気信号に変換 して受信器11で増幅する。増幅した出力は、A/Dコンバ−タ12でデジタル 変換し、そのデジタル化信号を周辺回路15の指示によりメモリ13に記憶する 。ついでコンピュ−タ14がメモリ13中のデジタル化信号を処理し、多重反射 波の減衰比Mと時間差Tを演算する。
【0012】 (第2段階)コンピュ−タ14は、演算した減衰比Mから正極性パルスの最適 電圧を計算して得た制御信号を可変電圧系のD/Aコンバ−タ8へ出力する。同 様に演算した時間差Tと、次段階で説明する予め決めた微小時間差△Tとの差T −△Tに相当する制御信号を時間差系のD/Aコンバ−タ10へ出力する。
【0013】 (第3段階)微小時間差△Tは、数種の時間差信号を設定、試行して最適制御 信号を得るための調整値であり、T−△TよりT+△Tまでの時間差範囲内で予 め設定した2△T/K(K≠0で任意の整数)毎に区分して、その区分した時間 差数値毎の制御信号を、コンピュ−タ14がD/Aコンバ−タ10に出力する。 この出力のタイミングは、コンピュ−タ14が負極性パルス送信器5を駆動し て、T−△T+2△T・N/K、(N=0〜K)時間後に正極性パルス送信器6 を操作して、正極性パルスを発生、送信するために設けるもので、そのタイミン グに合わせてトランスデュ−サ1より正極性パルスを発信する。 上記した負極性パルス送信後の、時間差について前記N値を替えた正極性パル スの送信操作を、N=0〜K回行い、遮蔽物3に入射して得られたエコ−信号を 受信器11ないしメモリ13の系中で調べて、多重反射波の振幅が最小になった ものが求めるエコ−信号であり、その場合に用いた時間差信号が最適時間差制御 信号となる。以上の予備測定繰り返し操作は、コンピュ−タ14による自動化し た高速動作によって行う。
【0014】 (最終段階)各段階で得た多重反射波の減衰比Mと最適時間差Tを用いて、検 査物2に対し最適制御信号M及びTを動作させた超音波検査を行い、多重反射波 を消去した状態で、寸法、形状等の所要のデ−タを収集する。多数の測定点に対 して連続的に自動検査する場合には、第1段階から最終段階までの操作を繰り返 す。
【0015】
本考案装置によって遮蔽物内側の検査物をその外側から超音波検査すれば、1 探触子を用いたコンピュ−タ支援の自動検査プログラムによって、複雑な検査技 術を駆使しないで、容易に多重反射波を高速に自動除去し、遮蔽物構造の曲部や 凹凸のある形状変化部分、経年変化によって遮蔽物板厚が一様でなくなった場合 でも、多重反射波を正確に自動消滅させて、検査物の正しいエコ−信号を得る超 音波検査ができるなど、本考案の効果は著しく大きい。
【図1】本考案の多重反射波連続自動消滅装置を説明す
るもので、(A)は構成を示すブロック図、(B)は入
射波の作用図、(C)は時間差説明図である。
るもので、(A)は構成を示すブロック図、(B)は入
射波の作用図、(C)は時間差説明図である。
【図2】従来技術の問題点を説明するもので、(A)は
多重反射現象を示す部分側断面図、(B)はその多重反
射波図、(C)は他の多重反射波図である。
多重反射現象を示す部分側断面図、(B)はその多重反
射波図、(C)は他の多重反射波図である。
【図3】従来技術を説明する部分側断面図である。
1 トランスデュ−サ 1a、1b 斜角探触子(二探触子) 2 検査物(液体、水) 3 多重反射を発生させる遮蔽物 4 音場媒質 5 負極性パルス送信器 6 正極性パルス送信器 7 可変電圧発生器 8 D/Aコンバ−タ 9 時間差発生器 10 D/Aコンバ−タ 11 受信器 12 A/Dコンバ−タ 13 メモリ 14 コンピュ−タ 15 周辺装置 A、B 媒質の境界 d A、B間の距離 I0 入射波(負極性) I0′ 入射波(正極性) I1 、I2 媒質Z2 内の入射波(負極性) I2′ 媒質Z2 内の入射波(正極性) IR1 反射波 M 多重反射波の減衰比 P1 透過波 R1 、R2 反射波 T 時間差 Z1 、Z2 媒質の音響インピ−ダンス
Claims (1)
- 【請求項1】 異種媒体と境界を接して有限厚さ(d)
を持つ遮蔽物(3)内部の検査物(2)の超音波検査に
おいて、遮蔽物(3)内へ発信するトランスデュ−サ
(1)に一定電圧の負極性パルス信号を送信し、そのエ
コ−信号をトランスデュ−サ(1)を介して受信器(1
1)に受信し、さらにA/Dコンバ−タ(12)を介し
てメモリ(13)に記憶した後、周辺回路(15)が補
助するコンピュ−タ(14)に出力すると共に、その出
力信号を前記負極性パルス信号と対比、演算した上で、
D/Aコンバ−タ(8または10)を介して可変電圧発
生器(7)及び時間差発生器(9)による制御と調整を
行い、その制御信号によって正極性パルスを発生、送信
する正極性パルス送信器(6)を配設することにより超
音波の多重反射波を連続的かつ自動的に消滅させること
を特徴とする多重反射波連続自動消滅装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1994003537U JP3002065U (ja) | 1994-03-16 | 1994-03-16 | 多重反射波連続自動消滅装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1994003537U JP3002065U (ja) | 1994-03-16 | 1994-03-16 | 多重反射波連続自動消滅装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP3002065U true JP3002065U (ja) | 1994-09-13 |
Family
ID=43138035
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1994003537U Expired - Lifetime JP3002065U (ja) | 1994-03-16 | 1994-03-16 | 多重反射波連続自動消滅装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3002065U (ja) |
-
1994
- 1994-03-16 JP JP1994003537U patent/JP3002065U/ja not_active Expired - Lifetime
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