JPH11209553A - 硬化性エマルション - Google Patents

硬化性エマルション

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JPH11209553A
JPH11209553A JP18163698A JP18163698A JPH11209553A JP H11209553 A JPH11209553 A JP H11209553A JP 18163698 A JP18163698 A JP 18163698A JP 18163698 A JP18163698 A JP 18163698A JP H11209553 A JPH11209553 A JP H11209553A
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JP
Japan
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group
monomer
emulsion
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copolymer
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JP18163698A
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English (en)
Inventor
Takuya Omura
卓也 大村
Takashi Tsuda
隆 津田
Mitsutaka Hasegawa
三高 長谷川
Takenao Yamamura
武尚 山村
Hiroshi Inukai
宏 犬飼
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toagosei Co Ltd
Original Assignee
Toagosei Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】保存安定性に優れ、さらに得られる塗膜が、耐
溶剤性及び耐水性に優れ、さらには耐汚染性及び耐白化
性にも優れる水系の硬化性エマルションの提供。 【解決手段】アルコキシシリル基を有するラジカル重合
性単量体 (a)、これと共重合可能なラジカル重合性単量
体(b) 及びラジカル重合性界面活性剤(c) 〔一般式;Z
−(AO)n −Y(式中、Zはラジカル重合性二重結合
を有する有機基、AOはオキシアルキレン基、n は2以
上の整数、Yはイオン解離性基を示す)〕を構成単位と
する共重合体、及びポリオキシアルキレンセグメントと
ポリオルガノシロキサンセグメントを有するブロックポ
リマーからなる硬化性エマルション、並びにさらにコロ
イド状シリカが分散した硬化性エマルション。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、保存安定性に優
れ、耐汚染性、耐溶剤性及び耐水性に優れた塗膜を形成
することが可能な共重合体を含有する硬化性エマルショ
ン、さらには耐白化性をも付与することが可能な硬化性
エマルションに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、アルコキシシリル基に代表される
加水分解性シリル基を有する硬化性のアクリルシリコン
樹脂は、接着剤、シーリング材、塗料及びコーティング
剤等の用途に汎用されている。特に、アクリルシリコン
樹脂を含有する有機溶剤型塗料は、耐候性に優れる点で
屋外塗装用塗料として使用されている。しかしながら、
自動車排ガス、砂塵、鉄粉、酸性雨及び太陽光線等によ
り、塗膜表面に汚染物質が堆積したり、雨筋状の汚れが
堆積したりすることで美観が損なわれるという問題が顕
在化しており、耐汚染性に優れる材料が要求されてい
る。有機溶剤型のアクリルシリコン樹脂塗料の上記問題
の解決策として、アクリルシリコン樹脂をベース樹脂と
し、アルキルシリケート又は部分加水分解物及び硬化触
媒からなる塗料組成物が提案されている(特開平6−2
48237号)。しかしがら、これは塗膜に親水性と水
中撥油性を付与し、塗膜が雨水で濡れ次いで汚染物質が
雨水と共に流れ落ちる、いわゆるローリングアップ機構
によって汚れを除去するものであるが、塗膜のリコート
性が不充分だったり、塗料の保存安定性が経時的に低下
する等、これまでのところ耐汚染性が充分に満足できる
塗料は開発されていない。
【0003】一方、近年、環境保護、安全衛生の面から
従来の有機溶剤を使用した塗料に替わって水性塗料が注
目されており、アクリルシリコン樹脂エマルションから
なる組成物が提案されている。しかしながら、アクリル
シリコン樹脂はその水性化が困難であったり、得られる
エマルションの保存安定性に問題を有するものであっ
た。さらに、従来のアクリルシリコン樹脂エマルション
は、その塗膜が耐水性及び耐溶剤性を有するものの、耐
汚染性の点では不充分なものであった。さらに又、従来
のアクリルシリコン樹脂エマルションは、降雨等により
塗膜表面が白化する場合があるという点で不充分なもの
であった。
【0004】本発明者らは、保存安定性に優れ、さらに
得られる塗膜が、耐溶剤性及び耐水性に優れ、さらには
耐汚染性及び耐白化性にも優れるという高品位の塗膜物
性を発現できる水系の硬化性エマルションを見出すため
鋭意検討を行った。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決するためには、特定の原料から製造された共重合
体と特定のポリオルガノシロキサン系ポリマーとを含有
するエマルションが、保存安定性に優れ、得られる塗膜
が耐溶剤性及び耐水性に優れる上、さらには耐汚染性も
良好となり、当該エマルションにさらにコロイド状シリ
カを配合したエマルションが、耐白化性も良好となるこ
とを見出し本発明を完成した。以下、本発明を詳細に説
明する。尚、本明細書においては、アクリル酸エステル
又はメタクリル酸エステルを(メタ)アクリル酸エステ
ルといい、アクリル酸又はメタクリル酸を(メタ)アク
リル酸という。
【0006】
【発明の実施の形態】◎共重合体 本発明における共重合体は、アルコキシシリル基を有す
るラジカル重合性単量体 (a)、当該単量体(a) と共重合
可能なラジカル重合性単量体(b) 及び特定構造のラジカ
ル重合性界面活性剤(c) を構成単位とするものである。
以下各成分について説明する。
【0007】○アルコキシシリル基を有するラジカル重
合性単量体 (a) アルコキシシリル基を有するラジカル重合性単量体 (a)
〔以下単量体(a) という〕としては、種々の化合物が使
用可能である。単量体(a) におけるラジカル重合性基と
しては、エチレン性不飽和基が好ましく、より好ましく
はビニル基及び(メタ)アクリロイル基である。アルコ
キシシリル基におけるアルコキシ単位としては、例えば
メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、
ペンタノキシ基及びヘキサノキシ基等が挙げられる。こ
れらの中でも、炭素数4以下のアルコキシ基が、反応性
に優れるため好ましく、メトキシ基より安定性に優れ、
ブトキシ基より反応性に優れることから、エトキシ基又
はプロポキシ基がより好ましい。ケイ素原子と結合する
アルコキシ基の数は1〜3の範囲であれば幾つでもよい
が、硬化性に優れるため、2個又は3個が好ましい。単
量体(a) の具体例としては、ビニルトリエトキシシラ
ン、ビニルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロキ
シプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプ
ロピルメチルジエトキシシラン、ビニルトリプロポキシ
シラン、ビニルメチルジプロポキシシラン、γ−メタク
リロキシプロピルトリプロポキシシラン及びγ−メタク
リロキシプロピルメチルジプロポキシシラン等を挙げる
ことができる。
【0008】○単量体(a) と共重合可能なラジカル重合
性単量体(b) 上記単量体(a) と共重合可能なラジカル重合性単量体
(b) 〔以下単量体(b) という〕としては、(メタ)アク
リル酸エステル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ス
チレン、並びにα−メチルスチレン等が挙げられる。
(メタ)アクリル酸エステルとしては、(メタ)アクリ
ル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アク
リル酸nブチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、
(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アク
リル酸ラウリル及び(メタ)アクリル酸ステアリル等の
(メタ)アクリル酸アルキル、(メタ)アクリル酸2−
ヒドロキシエチル及び(メタ)アクリル酸2−ヒドロキ
シプロピル等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキ
ル、(メタ)アクリル酸パーフルオロアルキル、グリシ
ジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸N,N
−ジエチルアミノエチル等が挙げられる。
【0009】これら単量体(b) の中でも、共重合性及び
塗膜物性等に優れるため、(メタ)アクリル酸エステル
及びスチレンが好ましく、より好ましくは、炭素数が1
〜8のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキ
ル、炭素数が2〜3のアルキレン基を有する(メタ)ア
クリル酸ヒドロキシアルキル及びグリシジル(メタ)ア
クリレートである。一方、アルコキシリル基との反応性
又は加水分解促進性を有する(メタ)アクリル酸のよう
な酸性単量体は使用しないことが望ましい。
【0010】○ラジカル重合性界面活性剤(c) 本発明におけるラジカル重合性界面活性剤(c) 〔以下界
面活性剤(c) という〕は、下記一般式(1)で表される
ポリオキシアルキレン基とイオン性解離基を含有するア
ニオン性又はカチオン性の界面活性剤である。
【0011】
【化1】Z−(AO)n −Y ・・・・・(1)
【0012】(式中、Zはラジカル重合性二重結合を有
する有機基、AOはオキシアルキレン基、nは2以上の
整数、Yはイオン解離性基を示す。) 前記一般式(1)における好ましいZは、芳香族炭化水
素基、アルキル置換芳香族炭化水素基、高級アルキル基
又は脂環式炭化水素基等の疎水性基とラジカル重合性二
重結合とが組み合わされた有機基である。Zにおけるラ
ジカル重合性二重結合としては、(メタ)アリル基、プ
ロペニル基又はブテニル基等が好ましい。
【0013】本発明における界面活性剤(c) の好ましい
イオン性はアニオンであり、したがってYとしては、基
(AO)n とアニオン性の基で結合可能であり、当該ア
ニオン性の基にカチオンがイオン結合した塩が好まし
い。好ましいYの具体例としては、−SO3 Na、−S
3 NH4 、−COONa、−COONH4 、−PO3
Na2 及び−PO3 (NH4 2 等が挙げられ、さらに
好ましくは−SO3 Na又は−SO3 NH4 である。基
(AO)n におけるnは2以上の整数である。nが1の
場合は、単量体(a)中のアルコキシシリル基が不安定に
なり分解し易くなってしまう。好ましいnとしては、3
00以下であり、さらに好ましくは5〜50である。n
が5未満であると、前記単量体(a) 中のアルコキシシリ
ル基の安定性が不足し易くなる場合があり、一方nが3
00を越えると得られる硬化性エマルションから形成さ
れる塗膜の物性が低下する傾向を示すことがある。又、
基(AO)n における単位A、すなわちアルキレン基と
しては、エチレン基又はプロピレン基が好ましい。
【0014】成分(c) の具体例としては、例えば下記式
(2)〜(4)で表される化合物等が挙げられる。式
(2)及び(3)において、R1 及びR2 としては、炭
素数6〜18の直鎖状又は分岐状アルキル基が好まし
い。(4)において、R3 は水素原子又はメチル基であ
り、R4 としては、炭素数8〜24のアルキル基が好ま
しい。又、式(2)〜(4)において、A1 、A2 及び
3 は、アルキレン基を示し、又いずれの化合物におい
てもnは2以上の整数である。又、式(3)〜(5)に
おいて、Y1 、Y2 及びY3 はイオン解離性基を示し、
その具体例としては、Yと同様のものを挙げることがで
きる。
【0015】
【化2】
【0016】
【化3】
【0017】
【化4】
【0018】これら界面活性剤(c) の好ましいものは市
販されており、例えば下記式(5)で表されるアクアロ
ン〔第一工業製薬(株)製〕及び(6)で表されるアデ
カリアリープ〔旭電化工業(株)製〕等がある。アクア
ロンHS05、同HS10及び同HS20は、それぞれ
式(5)において、ポリオキシエチレン基の縮合度であ
るnが5、10及び20のものであり、アデカリアリー
プSE−10Nは、式(6)において、nが10の化合
物である。
【0019】
【化5】
【0020】式(5)の化合物は、式(2)において、
1 がノニル基、A1 がエチレン基、Y1 がSO3 NH
4 の例である。
【0021】
【化6】
【0022】式(6)の化合物は、式(3)において、
2 がノニル基、A2 がエチレン基、Y2 がSO3 NH
4 の例である。
【0023】○製造方法 本発明における共重合体は、上記単量体(a) 、単量体
(b) 及び界面活性剤(c)を水性媒体中でラジカル重合し
て得ることができる。ここで、各成分の使用割合として
は、単量体(a) 、単量体(b) 及び界面活性剤(c) の合計
量〔以下(a) (b) (c) 合計量という〕を基準にして、単
量体 (a)が0.5〜49.5重量%の範囲であることが
好ましく、より好ましくは3〜20重量%、単量体 (b)
が99〜50重量%の範囲であることが好ましく、より
好ましくは96〜75重量%、及び界面活性剤 (c)が
0.5〜20重量%の範囲であることが好ましく、より
好ましくは1〜5重量%の範囲である。上記単量体(a)
の共重合割合が0.5重量%未満であると、得られる硬
化性エマルションの硬化性が不充分となり、その塗膜に
白化を生じる場合があり、一方49.5重量%を越える
と貯蔵安定性が低下し易くなる場合がある。単量体(b)
の割合が50重量%未満であると、得られる硬化性エマ
ルションの造膜性及び塗膜の基材に対する密着性等が劣
ることがある。界面活性剤(c) の割合が、0.5重量%
未満であると重合安定性が低下し易く、一方20重量%
を越えると塗膜の耐水性が不足することがある。
【0024】単量体(a) 、単量体(b) 及び界面活性剤
(c) をラジカル重合する方法としては、種々の方法が採
用され、油溶性重合開始剤を使用して油溶性の前記単量
体の微粒子中で重合させるミクロ懸濁重合、乳化剤によ
るミセル中で水溶性重合開始剤による単量体を重合させ
る乳化重合等が採用できるが、単量体(a) の重合安定性
に優れるため、ミクロ懸濁重合を採用することが好まし
い。ミクロ懸濁重合においては、単量体の分散粒子中に
油溶性ラジカル重合開始剤が含まれているため、重合は
各単量体分散微細粒子内で起こるもので、乳化剤が形成
するミセル内で水溶性開始剤により重合が起こる乳化重
合法とは区別されるものである。
【0025】ミクロ懸濁重合をするためには、先ず単量
体(a) 、単量体(b) 及び油溶性重合開始剤からなる微粒
子を水性媒体中に、好ましくはpH緩衝剤を溶解させた
水性媒体中に分散させる。この単量体等の水性媒体中へ
の分散操作において、界面活性剤(c) は、pH緩衝剤と
同様に事前に水性媒体中へ溶解させておいても良い。水
性媒体中に分散させる単量体の割合は、単量体(a) 及び
単量体(b) の合計量100重量部当り、水性媒体20〜
150重量部程度が適当である。
【0026】ミクロ懸濁重合に使用される油溶性ラジカ
ル重合開始剤は、20℃の水に対する溶解度が10重量
%以下のものが好ましく使用される。例えば、2,2’
−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−
2,4ジメチルバレロニトリル、1ーアゾビス−1−シ
クロヘキサンカルボニトリル及びジメチル−2,2’−
アゾビスイソブチレート等のアゾ系開始剤、ラウロイル
パーオキシド、ベンゾイルパーオキシド、ジクミルパー
オキシド、シクロヘキサノンパーオキシドジ−n−プロ
ピルパーオキシジカルボネート及びt−ブチルパーオキ
シピバレート等の有機過酸化物が好適に用いられる。こ
れら重合開始剤の量は、単量体の合計量に対して0.1
〜10重量%が適当であり、好ましくは0.5〜5重量
%の範囲に設定される。
【0027】この場合、単量体(a) におけるアルコキシ
シリル基の安定化のため、pH緩衝剤を配合することが
好ましい。pH緩衝剤は、水性乳化分散体における水性
媒体のpHを中性乃至弱アルカリ性領域、具体的にはp
H6〜10に保持するために適した緩衝機能があるもの
が好ましく使用される。この種のpH緩衝剤としては、
炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、りん酸一ナト
リウム、りん酸一カリウム、りん酸二ナトリウム、りん
酸三ナトリウム、酢酸ナトリウム、酢酸アンモニウム及
び蟻酸ナトリウム等が挙げられるが、少量の添加でpH
が安定する炭酸水素ナトリウムを用いることが好まし
い。前記化合物は2種以上組み合わせて使用することも
でき、例えば炭酸水素ナトリウムとリン酸一ナトリウム
の併用により、pHを7.5の近傍に維持できる。pH
緩衝剤の好適な使用量は、水に対して0.01〜5重量
%の範囲である。pH緩衝剤の使用により、水性乳化分
散体における水性媒体のpHは6〜10の範囲に制御さ
れ、アルコキシリル基を有するラジカル重合単量体(a)
又は該単量体を一成分とする重合体におけるアルコキシ
シリル基の加水分解が抑制される。なお、前記pH緩衝
剤と共に、必要に応じてアンモニア、モノエチルアミ
ン、トリエチルアミン、エタノールアミン等の弱アルカ
リ化合物をpH調整剤に使用してもよい。
【0028】乳化分散の方法としては、通常の回転式ホ
モミキサーで十分に乳化分散させることができる。単量
体(a) 、単量体(b) 及び界面活性剤(c) からなる乳化分
散体の粒子径としては、粒子径の小さい水性乳化分散体
であることが好ましく、具体的には1μm以下が好まし
く、より好ましくは0.2〜0.05μmである。この
様な粒子径のエマルションとすることにより、重合後に
得られる乳化分散体の粒子径を小さくすることができ、
さらにこれから得られる塗膜が耐溶剤性及び耐水性に優
れるものとなる。この様な粒子径にするためには、回転
式ホモミキサーによる処理後に、高圧式乳化分散機(ホ
モジナイザー)、タービン型ミキサー等高度の剪断エネ
ルギーを有する分散装置を用いて粒子径を微細化するこ
とが望ましい。
【0029】上記操作により得られる単量体(a) 及び単
量体(b) 等からなるエマルション(以下「単量体エマル
ション」という)の重合操作は、単量体エマルションを
撹拌下に加熱されている水性媒体中に連続的又は間欠的
に供給する方法で行われる。単量体エマルションの供給
方法としては、滴下ロートから徐々に滴下する手段を採
ることが好ましい。この際、重合容器に仕込む水性媒体
の好ましい量は、単量体エマルション100重量部当た
り10〜50重量部の範囲である。重合温度は、用いる
重合開始剤によって異なるが、通常40〜100℃程度
であり、好ましくは70〜90℃である。
【0030】当該重合方法により、平均粒径が0.1μ
m 程度の共重合体粒子が安定に乳化分散した水性分散液
が製造される。
【0031】エマルション中の共重合体の含有割合とし
ては、20〜70重量%が好ましい。この割合が20重
量%に満たない場合は、塗膜物性が不充分となることが
あり、他方、70重量%を超えるとエマルションの安定
性が低下する場合がある。
【0032】◎ブロックポリマー 本発明の硬化性エマルションを構成するブロックポリマ
ーは、ポリオキシアルキレンセグメントとポリオルガノ
シロキサンセグメントからなり、珪素含有量が35〜8
5重量%であるブロックポリマー(以下、単に「ポリオ
ルガノシロキサンブロックポリマー」という)であり、
塗膜の耐汚染性を改良するために機能する必須の成分で
ある。
【0033】ポリオルガノシロキサンブロックポリマー
のGPCによるポリスチレン換算の数平均分子量として
は、1,000〜30,000が好ましい。又、ポリオ
ルガノシロキサンセグメントの数平均分子量は400〜
10,000であることが好ましく、又ポリオキシアル
キレンセグメントは数平均分子量が200〜10,00
0であることが好ましい。ポリオルガノシロキサンブロ
ックポリマー中のポリオルガノシロキサンセグメントの
割合は、珪素含有量として35〜85重量%でなければ
ならない。35重量%未満では耐汚染性の改良が不十分
で、又塗膜の耐水性が低下する。一方、85重量%を越
えると耐汚染性の改良が不十分である。
【0034】ポリオルガノシロキサンブロックポリマー
は、種々のポリマーが使用可能であり、好ましくはポリ
オキシアルキレンセグメントとポリオルガノシロキサン
セグメントがアルキレン基の連結基を介して交互に繰り
返し結合しているものであり、下記式(7)で表される
骨格を有するポリマーがより好ましい。
【0035】
【化7】
【0036】式(7)において、R5 及びR6 は脂肪族
不飽和結合を含まない1価の炭化水素基を表し、1分子
中のR5 及びR6 は、それぞれ同一でも異なっていても
良い。Aは一端がケイ素原子に、他端が酸素原子に結合
する2価の有機基を表し、aは4以上の整数を表し、b
は4以上の整数を表し、cは2以上の整数を表し、nは
2、3又は4の整数を表す。
【0037】式(7)におけるR5 及びR6 としては、
メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブ
チル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル
基、ドデシル基、オクタデシル基及びエイコシル基等の
アルキル基;フェニル基及びナフチル基等のアリール
基;ベンジル基及びフェニルエチル基等のアラルキル
基;トリル基、キシリル基及びシクロヘキシル基等を挙
げることができる。
【0038】式(7)におけるAは一端がケイ素原子
に、他端が酸素原子に結合する2価の有機基、すなわ
ち、隣接ケイ素原子には炭素−ケイ素結合によって結合
し、そして隣接酸素原子を介してポリオキシアルキレン
セグメントに結合する2価の有機基である。Aの好適な
例は以下のものがある:−CH2 CH2 −、−CH2
2 CH2 −、−CH2 CH(CH3 )CH2 −、−C
2 CH2 CH2 CH2 −、−(CH2 2 CO−、−
(CH2 3 NHCO−、−(CH2 3 NHCONH
(C6 4 )NHCO−、−(CH2 3 OOCN(C
6 4 )NHCO−。
【0039】又、式(7)におけるポリオキシアルキレ
ンセグメント、即ち(Cn 2nO)b 単位としては、具
体的にはC2 4 O、C3 6 O及びC4 8 O等があ
り、異なる2種類の単位を有するものであっても良い。
好ましい例としては、C2 4 O単位とC3 6 O単位
がブロック共重合したものが挙げられる。
【0040】上記ポリオルガノシロキサンブロックポリ
マーは、ポリアルキレンオキサイドの両末端にメタアリ
ル基を有するジメタアリルポリエーテルとジヒドロポリ
オルガノシロキサンとの反応等により製造することがで
きる。ポリオルガノシロキサンブロックポリマーの具体
例としては、日本ユニカ(株)製ABN SILWET
シリーズ等が挙げられる。
【0041】本発明におけるポリオルガノシロキサンブ
ロックポリマーの含有量は共重合体100重量部に対
し、1〜30重量部である。1重量部未満では耐汚染性
の改良が不十分なことがあり、一方、30重量部を越え
ると、塗膜の耐候性が低下し易い。
【0042】◎コロイド状シリカ 本発明の共重合体及びポリオルガノシロキサンブロック
ポリマーからなるエマルションは、その塗膜が耐溶剤
性、耐水性及び耐汚染性に優れているものであるが、過
酷な環境条件下においては、配合するポリオルガノシロ
キサンブロックポリマーを原因とする耐白化性の問題が
発生する場合があった。本発明において、得られる塗膜
に耐白化性をさらに高度に付与する場合には、コロイド
状シリカを配合する。本発明におけるコロイド状シリカ
は、粒子径10μm以下のものが好ましく、より好まし
くは1μm以下のものである。コロイド状シリカの粒子
径が10μmを超えるものは、エマルション中への分散
性に劣り、又得られる塗膜が脆くなってしまうことがあ
る。コロイド状シリカとしては、シリカ微粒子が水又は
アルコール等の有機溶剤に分散したものを使用すること
ができる。さらに、本発明では、水中にシリカ微粒子が
分散した水性のコロイド状シリカが、得られるエマルシ
ョンへの分散性に優れる点で好ましい。水性のコロイド
状シリカとしては、pHは3〜11であることが好まし
い。pHが3未満か又は11を越えると、得られるエマ
ルションの安定性が低下する場合がある。シリカゾルは
市販されており、スノーテックス〔日産化学工業(株)
製〕、セラゾール(コルコート社製)、ルドックス(デ
ュポン社製)、ミトン(モンサントケミカル社製)シリ
カドール〔日本化学(株)製〕、カタロイド〔触媒化成
工業(株)製〕及びアデライト〔旭電化工業(株)製〕
等がある。
【0043】組成物中のシリカの配合割合としては、共
重合体100重量部に対し、シリカがSiO2 換算で
0.1〜20重量部が好ましく、より好ましくは、1〜
10重量部である。この割合が0.1重量部未満である
と、塗膜の耐白化性が不充分となる場合があり、他方2
0重量部を越えると塗膜が脆くなることがある。
【0044】◎製造方法 本発明の硬化性エマルションは、共重合体とポリオルガ
ノシロキサンブロックポリマーを乳化剤の存在下に水性
媒体中で常法に従い混合することにより製造することが
でき、コロイド状シリカを配合する場合は、これらにさ
らにシリカを併用して前記と同様に混合することにより
製造することができる。種々の製造方法の中でも、共重
合体の水性分散液とポリオルガノシロキサンブロックポ
リマーを混合する方法が製造が容易であるという理由で
好ましく、シリカを配合する場合も同様である。
【0045】当該製造方法は、種々の方法が採用でき、
例えば、塗料添加剤のひとつである造膜助剤中にポリオ
ルガノシロキサンブロックポリマーを予め溶解してお
き、これに共重合体の水性分散液を添加する方法、ポリ
オルガノシロキサンブロックポリマーを水性媒体と適当
な界面活性剤で乳化分散しておき、これに共重合体の水
性分散液を添加する方法、及び界面活性剤等を加えず、
ポリオルガノシロキサンブロックポリマーと水で乳化分
散させておき、これに共重合体の水性分散液を添加する
方法等が挙げられる。コロイド状シリカを配合する場合
は、共重合体の水性分散液、及び/又はポリオルガノシ
ロキサンブロックポリマーにコロイド状シリカ添加混合
しておき、これらを混合する方法、或いは共重合体の水
性分散液とポリオルガノシロキサンブロックポリマーの
混合物に、コロイド状シリカを添加混合する方法等が挙
げられる。
【0046】本発明では、硬化性エマルションに造膜助
剤を配合することが好ましい。造膜助剤は通常水性塗料
で用いられているものが使用でき、例えば、炭素数5〜
10の直鎖状、分岐状又は環状の脂肪族アルコール類、
芳香族基を含有するアルコール類;一般式HO−(CH
2 CHXO)n −R(R:炭素数1〜10の直鎖又は分
岐状のアルキル基、X:水素又はメチル基、n≦5の整
数)で示される(ポリ)エチレングリコール又は(ポ
リ)プロピレングリコール等のモノエーテル類;一般式
7 COO−(CH2 CHXO)n −R8 (R7
8 :炭素数1〜10の直鎖又は分岐状のアルキル基、
X:水素又はメチル基、n≦5の整数)で示される(ポ
リ)エチレングリコールエーテルエステル又は(ポリ)
プロピレングリコールエーテルエステル類;トルエン及
びキシレン等の芳香族系有機溶剤、2,2,4−トリメ
チル−1,3−ペンタンジオールのモノ又はジイソブチ
レート、3−メトキシブタノール、3−メチキシブタノ
ールアセテート、3−メチル−3−メトキシブタノール
及び3−メチル−3−メトキシブタノールアセテート等
が挙げられる。
【0047】該硬化性エマルションは、実施例において
具体的に説明するとおり、温度60℃で1ケ月間放置し
ても安定なエマルション状態を維持し、しかも良好な自
己硬化性能を保持し、塗膜物性としての耐汚染性に優れ
ている。
【0048】本発明の硬化性エマルションは、単量体
(a) に由来するアルコキシシリルシリル基の加水分解に
よって生じるシラノール基が主体となって起こる縮合反
応により硬化するが、必要に応じて硬化触媒を配合する
こともできる。硬化触媒として、例えばイソプロピルト
リイソステアロイルチタネート及びイソプロピルトリ
(ジオクチルピロホスフェート)チタネート等の有機チ
タネート化合物、ジオクチル酸錫、ジブチル錫ジラウレ
ート及びジブチル錫マレート等の有機錫化合物、並びに
パラトルエンスルフォン酸等の有機酸触媒を挙げること
ができる。又、前記硬化触媒とともに、本発明エマルシ
ョンの使用に際し、適当量の無機酸を加え、エマルショ
ンのpHを3〜5程度の酸性域に調整すれば、一層架橋
性が改善された被膜を作製することが可能となる。
【0049】本発明の硬化性エマルションには、必要に
応じて顔料、消泡剤、増粘剤、防黴剤、防腐剤、抗菌
剤、紫外線吸収剤、光安定剤、レベリング剤、スリップ
剤、たれ防止剤、色別れ防止剤、酸化防止剤及び熱安定
剤等の通常水性塗料で使用される添加剤を配合しても良
い。又、顔料を分散させる場合には、顔料分散剤を添加
しても良い。これらは前記ポリオルガノシロキサンブロ
ックポリマーを配合する前の硬化性エマルションに予め
配合しておくこともできる。
【0050】本発明の硬化性エマルションは被覆剤とし
て好適であり、適用できる基材としては、繊維、ガラ
ス、スレート、金属、木材、プラスチック及びコンクリ
ート等が挙げられる。又、その用途としては、建材用の
塗料、耐酸性雨用塗料、防汚性塗料及び無機建材用溌水
剤の他に、電気電子部品の防湿コーティング剤、磁気テ
ープのバックコート剤、繊維用の硬化仕上げ剤、溌水
剤、シーリング剤、接着剤、バインダー並びに粘着剤等
が挙げられる。
【0051】本発明の硬化性エマルションの塗装は、水
性塗料で通常行われている方法に従えば良く、例えばス
プレー塗装、はけ塗り、ロール等によって塗装すること
ができる。この場合、塗料の膜厚としては、目的に応じ
て選択すれば良いが、下地保護性、乾燥性のバランスの
点から10〜50μmであることが好ましい。
【0052】
【作用】本発明の硬化性エマルションが、保存安定性に
優れ、得られる塗膜が耐溶剤性及び耐水性に優れる上、
さらには耐汚染性及び耐白化性にも優れる理由は不明で
あるが、以下のことが推察される。即ち、本発明の硬化
性エマルションにおいて、その構成成分の共重合体は、
単量体(a) とポリオキシアルキレン基及びイオン解離性
の基を有する界面活性剤(c) との共重合体であることに
より、界面活性剤(c) が共重合時に単に乳化剤として機
能するばかりでなく、単量体(a) とラジカル重合して、
共重合体中のアルコキシシリル基と近接し、界面活性剤
(c) のポリオキシアルキレン基が共重合体中のアルコキ
シシリル基を効果的に保護できるため、最終的に得られ
る硬化性エマルションの保存安定性が向上する。さらに
構成成分のポリオルガノシロキサンブロックポリマー
は、そのポリオルガノシロキサンセグメントの界面張力
の低さにより、ポリオルガノシロキサンブロックポリマ
ーを塗膜表面に局在化させ、該セグメント間に挟まれた
親水性のポリオキシアルキレンセグメントがうまく塗膜
表面に配列し、その結果塗膜表面を親水化できるため、
雨水等により汚染物質が流れ落とされ易くなるためであ
ると推定される。一方、コロイド状シリカは、共重合体
と架橋し、これにより塗膜表面が強化され、耐白化性が
付与されるものと推定される。
【0053】
【実施例】以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をさ
らに具体的に説明する。尚、各例において、部は重量部
を意味し、%は重量%を意味する。 ○製造例(アルコキシシラン共重合体の水性分散液の製
造) ・予備エマルションの合成 単量体(a) 、単量体(b) 、界面活性剤(c) 、油溶性ラジ
カル重合開始剤及び水性媒体を表1に示す配合量で混合
し、ホモミキサーで混合したのち、さらにホモジナイザ
ー〔ゴーリン社製〕で乳化分散処理を施し、pH8.5
の単量体エマルションを調製した。
【0054】
【表1】 ※アクアロンHS20は、式(5)において、nが20の化合物である。
【0055】・重合反応 撹拌機、温度計及び冷却器を備えたフラスコに水性媒体
として脱イオン水40部を仕込み、液温を85℃に昇温
したのち、水性媒体を高速で撹拌しながら上記の単量体
エマルションを2時間かけて滴下した。滴下終了後、8
5℃の温度に2時間保持して共重合させ、ついで室温ま
で冷却した。重合中、フラスコ内壁に凝集物が僅かに付
着したが、液分離及びブロッキングは起こらず、重合は
安定に行われた。この重合操作により、樹脂固形分が4
0重量%、重合体粒子の平均粒径が0.11μm で、p
Hが8.5の共重合体の水性分散液を得た。
【0056】○実施例1 オルガノシロキサンブロックポリマーである日本ユニカ
ー(株)製直鎖状ポリエーテル変性シリコーンABN
SILWET F1−009−11(珪素含有量40重
量%、以下F1)を造膜助剤(トリプロピレングリコー
ルノルマルブチルエーテル、以下TPNB)に重量部と
してF1/TPNB=1/3の割合で混合し溶解せしめ
た(混合液A)。製造例で得られた共重合体の水性分散
液100部に、混合液Aの24部(共重合体100部に
対して、オルガノシロキサンブロックポリマーが15部
となる割合)を添加し、攪拌混合して硬化性エマルショ
ンを得た。得られた硬化性エマルションを、下記に従い
評価した。それらの結果を表3に示す。
【0057】○評価 エマルション安定性 硬化性エマルションを密封容器に入れて1ケ月間60℃
の温度に保持した後、アルコキシシリル基が分解して生
成したアルコール量をガスクロマトグラフィーにより分
析した。仕込み単量体(a) のアルコキシシリルが全て加
水分解したと仮定した場合のアルコール量に対する前記
アルコールの割合を計算した〔加水分解割合(重量
%)〕。又、当該1カ月保存後の硬化性エマルションと
製造直後の硬化性エマルションとから形成した塗膜につ
いて弾力性の変化も評価した。弾力性は、乾燥塗膜を半
分に折り曲げ、次に逆方向に折り曲げる操作を10回繰
り返した際の状態で判定した。
【0058】耐水性 硬化性エマルションを剥離紙に塗布し、常温下に10日
間乾燥することにより厚さ1mm程度の塗膜を有する試験
体を作製した。試験体を常温の水に7日間浸漬し、この
後の透明度を評価した(○:透明性保持、△:多少白
化、×:完全に白化)。
【0059】耐溶剤性耐水性試験と同様の試験体を、
常温のアセトンに1日浸漬し、その後の重量を測定して
初めの重量に対する割合〔ゲル分率(%)〕として評価
した。
【0060】耐汚染性 0.6mm厚のアルミ板に白色のフッ素系塗料〔フロン
コート900、川上塗料(株)製〕を塗装後、得られた
硬化性エマルションをバーコーターを使用して塗装し
(乾燥膜厚は約30μm )、常温で1週間乾燥した。得
られた塗膜を名古屋市南部工業地帯において、6ケ月
間、45゜の角度で暴露試験を行い、試験前後のL値の
変化であるΔLを測定した。ΔL値の絶対値が小さい
程、耐汚染性が良好であることを示す。
【0061】耐白化性 耐水性試験と同様の試験体を、40℃の温水に10日間
浸漬し、この後の透明度を評価した(○:透明性保持、
△:多少白化、×:完全に白化)。
【0062】○実施例2 製造例の共重合体の水性分散液100部に、オルガノシ
ロキサンブロックポリマーの水性分散体である日本ユニ
カー(株)製直鎖状ポリエーテル変性シリコーンABN
SILWET F4−016−01(珪素含有量60
%、固形分30%、以下F4)27部(共重合体100
部に対してオルガノシロキサンブロックポリマーが20
部となる割合)を添加し、攪拌混合して硬化性エマルシ
ョンを得た。得られた硬化性エマルションについて、実
施例1と同様に評価を行った結果を表3に示す。
【0063】○実施例3 製造例で得られた共重合体の水性分散液100部に、実
施例1の混合液Aの24部(共重合体100部に対し
て、オルガノシロキサンブロックポリマーが15部とな
る割合)添加し、更にコロイド状シリカ〔日産化学
(株)製:商品名スノーテックス40、固形分40重量
%、pH=9〜10.5、粒径10〜20nm〕を5部
(共重合体100部に対してSiO換算で5部となる割
合)添加し、攪拌混合して硬化性エマルションを得た。
得られた硬化性エマルションについて、実施例1と同様
に評価を行った結果を表3に示す。
【0064】○実施例4 製造例の共重合体の水性分散液100部に、F4の27
部(共重合体100部に対してオルガノシロキサンブロ
ックポリマーが20部となる割合)を添加し、更にコロ
イド状シリカ(スノーテックス40)を5部(共重合体
100部に対してSiO換算で5部となる割合)なるよ
うに添加し、攪拌混合して硬化性エマルションを得た。
得られた硬化性エマルションについて、実施例1と同様
に評価を行った結果を表3に示す。
【0065】○比較例1 ポリオルガノシロキサンブロックポリマー及びコロイド
状シリカを含まない、製造例の共重合体の水性分散液の
みを用いて、実施例1と同様に評価を行った結果を表3
に示す。
【0066】○比較例2 製造例において、予備エマルションの合成の段階で界面
活性剤(c) “アクアロンHS-20 ”の代わりに、下記化8
で示されるアルケニルコハク酸ソーダ塩タイプの界面活
性剤〔花王(株)製、“ラテムルS180A ”〕を5部配合
した。その他の組成及び重合操作は全て同一条件によ
り、アルコキシシラン共重合体の水性分散液を製造し
た。得られた水性分散液に、実施例2と同一の配合条件
でポリオルガノシロキサンブロックポリマーを配合して
硬化性エマルションを得た。当該硬化性エマルションに
ついて、実施例1と同様に特性評価を行った結果を表3
に示す。
【0067】
【化8】
【0068】
【表2】 1)実:実施例、比:比較例 2)界面活性剤(c) 以外の界面活性剤により重合して得られた共重合体
【0069】
【表3】
【0070】
【発明の効果】本発明の共重合体及びポリオルガノシロ
キサンブロックポリマーからなるエマルションは、保存
安定性に優れ、又その塗膜が、耐汚染性、耐水性及び耐
溶剤性に優れる高品質のものとなり、さらに当該エマル
ションにコロイド状シリカを含むエマルションは、その
塗膜が、耐白化性にも優れるものとなり、従って、本発
明のエマルションは、屋外用の使用を始めとして、塗
料、シーリング剤及びコーティング剤等の各種の用途に
極めて有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI (C08L 43/04 83:12) (C09D 143/04 183:12) (72)発明者 山村 武尚 愛知県名古屋市港区船見町1番地の1東亞 合成株式会社名古屋総合研究所内 (72)発明者 犬飼 宏 愛知県名古屋市港区船見町1番地の1東亞 合成株式会社名古屋総合研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アルコキシシリル基を有するラジカル重合
    性単量体 (a)、当該単量体(a) と共重合可能なラジカル
    重合性単量体(b) 及び下記ラジカル重合性界面活性剤
    (c) を構成単位とする共重合体、及びポリオキシアルキ
    レンセグメントとポリオルガノシロキサンセグメントか
    らなり、珪素含有量が35〜85重量%であるブロック
    ポリマーの水性分散液であって、前記共重合体100重
    量部に対し前記ブロックポリマーが1〜30重量部であ
    る硬化性エマルション。 ○ラジカル重合性界面活性剤(c) :一般式;Z−(A
    O)n −Y(式中、Zはラジカル重合性二重結合を有す
    る有機基、AOはオキシアルキレン基、n は2以上の整
    数、Yはイオン解離性基を示す)で表されるラジカル重
    合性界面活性剤。
  2. 【請求項2】さらにコロイド状シリカが分散してなる請
    求項1記載の硬化性エマルション。
  3. 【請求項3】共重合体が、ラジカル重合性界面活性剤
    (c) の存在下に、上記単量体(a) 、単量体(b) 及び油溶
    性ラジカル重合開始剤を水性媒体中で乳化分散させ、当
    該水性乳化分散体を加熱された水性媒体中に滴下して前
    記単量体(a) 、単量体(b) 及びラジカル重合性界面活性
    剤(c) を共重合させて得られたものである請求項1又は
    請求項2記載の硬化性エマルション。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004202490A (ja) * 2002-12-20 2004-07-22 Basf Ag 鉱物下地の下塗り法
JP2004292686A (ja) * 2003-03-27 2004-10-21 Asahi Kasei Chemicals Corp 塗料用水性組成物
JP2006117812A (ja) * 2004-10-22 2006-05-11 Daicel Chem Ind Ltd 無機板用水分散性樹脂組成物

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