JP2004202490A - 鉱物下地の下塗り法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】付加重合体と微粒子状の無機固体とから成り、かつ少なくとも1種のエチレン性不飽和アルコキシシランモノマーを含むエチレン性不飽和モノマーの混合物を、水性媒体中で、分散状態で分布した微粒子状の無機固体と少なくとも1種の分散剤との存在でフリーラジカル乳化重合することにより得ることができる複合粒子の水性分散液を鉱物下地に塗布する工程を含むことを特徴とする、鉱物下地の下塗り法。
【選択図】なし
Description
a)少なくとも1種の無機固体の安定な水性分散液を使用し、これは、少なくとも1種の無機固体の水性分散液に対して1質量%以上の初期固形分で、その製造の1時間後に、なお、分散された元の固体の90質量%を超える分を分散された形で含み、かつその分散された固体粒子は100nm以下の粒径を有しており、
b)分散剤の添加が開始される前の水性反応媒体のpHに相当するpHの塩化カリウム標準水溶液中で、少なくとも1種の無機固体の分散された固体粒子がゼロでない電気泳動度を有し、
c)エチレン性不飽和モノマーの混合物の添加を開始する前に、少なくとも1種のアニオン性、カチオン性及び非イオン性分散剤を固体粒子の水性分散剤に添加し、
d)その後、モノマーの混合物の全量の0.01〜30質量%を固体粒子の水性分散液に添加し、少なくとも90%の転化率まで重合を行い、
かつ
e)引き続き、モノマーの混合物の残留分を重合条件下で、この残留分が消費される速度で添加する。
−負の符号を有する電気泳動度を有し、少なくとも1種のエチレン性不飽和モノマー100質量部当たり、少なくとも1種のカチオン性分散剤0.01〜10質量部、有利に0.05〜5質量部、殊に有利に0.1〜3質量部、少なくとも1種の非イオン性分散剤0.01〜100質量部、有利に0.05〜50質量部、殊に有利に0.1〜20質量部、及びカチオン性分散剤に対するアニオン性分散剤の当量比が1を上回るような量の少なくとも1種のアニオン性分散剤を使用するか、又は
−正の符号を有する電気泳動度を有し、少なくとも1種のエチレン性不飽和モノマー100質量部当たり、少なくとも1種のアニオン性分散剤0.01〜10質量部、有利に0.05〜5質量部、殊に有利に0.1〜3質量部、少なくとも1種の非イオン性分散剤0.01〜100質量部、有利に0.05〜50質量部、殊に有利に0.1〜20質量部、及びアニオン性分散剤に対するカチオン性分散剤の当量比が1を上回るような量の少なくとも1種のカチオン性分散剤を使用する場合、有利である。
還流凝縮器、温度計、機械的撹拌機及び測定機器を備えた2l四ツ口フラスコに、20〜25℃(室温)及び1バール(絶対)で、窒素雰囲気下で撹拌しながら(200r.p.m.)Nyacol(登録商標)2040 416.6gを添加し、次いでメタクリル酸2.5gと濃度10質量%の水酸化ナトリウム水溶液12gとの混合物を5分間に亘り添加した。撹拌した反応混合物を引き続き、非イオン性界面活性剤Lutensol(登録商標)AT18(BASF AGの商標、18個のエチレンオキシド単位を有するC16C18脂肪アルコールエトキシレート)の20質量%濃度の水溶液10.4gと15分に亘り混合した。引き続き、60分間に亘り、N−セチル−N,N,N−トリメチルアンモニウムブロミド(CTAB)0.83gを脱イオン水200g中に溶解したものを反応混合物中に計量供給した。その後、反応混合物を76℃の反応温度へと加熱した。
実施例1による水性分散液に代わり、市販のアクリレート分散液Acronal(登録商標)S 559を使用した。
実施例1による水性分散液に代わり、市販のアクリレート分散液Acronal(登録商標)S 533を使用した。
計器:エリクセン被膜延伸フレーム(Erichsen film drawing frame)、クロスハッチテスター
下地:ガラスプレート 480×70mm
施与:100μm ウェット
乾燥:SC(標準条件、23℃及び相対湿度50%)下で24時間
方法:試験分散液を、ドクターブレードを使用して、予め脱脂され/清浄化されたガラスプレートに施与する。乾燥被膜厚は50μmであるのが好ましい。被膜を標準条件下で24時間乾燥させ、その後クロスハッチ試験を行った。その後試料を水浴中に垂直に5/10分間浸漬し、その後、被膜から水分を慎重に蒸発させた。接着ストリップを、切断格子に接着させて平坦になるようにならし、その後、接着ストリップを一定の速度で試験片から除去し、生じた損傷を評価する。
評価:0=剥離なし(切り口は完全に平滑である。)
1=剥離された領域はセグメントの5%〜15%である。
計器:エリクセン被膜延伸フレーム(Erichsen film drawing frame)
下地:ガラスプレート 480×70mm
施与:100μm ウェット
乾燥:標準条件下で24時間
方法:試験分散液を、ドクターブレードを使用して、予め脱脂され/清浄化されたガラスプレートに施与する。乾燥被膜厚は50μmであるのが好ましい。被膜を標準条件下で24時間乾燥させ、その後試料を水浴中に垂直に半分浸漬させ、120分後に白化を評価する。
評価:0=曇りなし
1=極めてわずかな曇り
2=より強度の曇り
3=激しい曇り
4=極めて激しい曇り
プライマー試験の結果
まず水性ポリマー分散液を製造し、その後シリカゾル30%とブレンドした。比較のために、ブレンドしないポリマー分散液に対してクロスハッチ試験を行った。
SC: 固体含量
NaPS:ペルオキソ二硫酸ナトリウム
EHA: エチルヘキシルアクリレート
n−BA:n−ブチルアクリレート
AA: アクリル酸
S: スチレン
窒素下で、水270g及び濃度33質量%の水性シードラテックス(ポリスチレン)10.6gを重合反応器に装入する。この初期装入分を85℃に加熱し、温度を保持しながら供給流2の10%をこの初期装入分に添加する。5分後、同時に開始しかつ一定速度で、供給流1を180分間に亘り添加し、供給流2の残留分を210分間に亘り添加する。供給流1及び2の終了後、混合物を65℃に冷却し、残留モノマー含分を低減させるために、供給流3及び4を同時に開始して90分間に亘り計量供給する。分散液を室温に冷却し、濃度10質量%の水酸化ナトリウム溶液26.6gを添加する。
モノマーの全量:700g
モノマーの特質:以下参照
水273.7g
乳化剤Dowfax 2A1 38.9g(C12〜C14アルキル基及び2個のSO3K基で誘導体化されたジフェニルエーテルのナトリウム塩の濃度45質量%水溶液)
乳化剤Disponil FES 77(エトキシル化されたC12アルカノール(約30のエトキシル化度)の硫酸モノエステルのナトリウム塩の濃度33質量%の水溶液)5.8g
供給流2(開始剤供給):
水30g
ペルオキソ二硫酸ナトリウム1.4g
供給流3:
t−ブチルヒドロペルオキシド(水中で濃度10質量%)
供給流4:
アセトン重亜硫酸塩(acetone-bisulfite)付加物の濃度13質量%の水溶液28g
その後、種々の試験分散液をそれぞれシリカゾル30%とブレンドした。クロスハッチ及び白化に関する結果を以下の表にまとめた。
Claims (10)
- 鉱物下地の下塗り法において、付加重合体と微粒子状の無機固体とから成り、かつ少なくとも1種のエチレン性不飽和アルコキシシランモノマーを含むエチレン性不飽和モノマーの混合物を、水性媒体中で、分散状態で分布した微粒子状の無機固体と少なくとも1種の分散剤との存在でフリーラジカル乳化重合することにより得ることができる複合粒子の水性分散液を鉱物下地に塗布する工程を含むことを特徴とする、鉱物下地の下塗り法。
- 鉱物下地がガラス様の下地である、請求項1記載の方法。
- 鉱物下地の下塗り法において、少なくとも1種のエチレン性不飽和アルコキシシランモノマーを含むエチレン性不飽和モノマーの混合物を水性媒体中でフリーラジカル乳化重合することにより得ることができる付加重合体と、分散状態で分布した微粒子状の無機固体とを、少なくとも1種の分散剤の存在でブレンドすることにより得ることができる水性分散液を、ガラス様の下地に塗布する工程を含むことを特徴とする、鉱物下地の下塗り法。
- エチレン性不飽和アルコキシシランモノマーを、エチレン性不飽和基としてビニル基、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基を含むトリアルコキシシランから選択する、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
- 水性分散液を製造するために、少なくとも1種のアニオン性、カチオン性及び非イオン性分散剤の存在で、フリーラジカル水性乳化重合法により重合を実施し、その際、
a)少なくとも1種の無機固体の安定な水性分散液を使用し、これは、少なくとも1種の無機固体の水性分散液に対して1質量%以上の初期固形分で、その製造の1時間後に、なお、分散された元の固体の90質量%を超える分を分散された形で含み、かつその分散された固体粒子は100nm未満の粒径を有しており、
b)分散剤の添加が開始される前の水性反応媒体のpHに相当するpHの塩化カリウム標準水溶液中で、少なくとも1種の無機固体の分散された固体粒子がゼロでない電気泳動度を有し、
c)エチレン性不飽和モノマーの混合物を添加を開始する前に、少なくとも1種のアニオン性、カチオン性及び非イオン性分散剤を固体粒子の水性分散剤に添加し、
d)その後、モノマーの混合物の全量の0.01〜30質量%を固体粒子の水性分散液に添加し、少なくとも90%の転化率まで重合を行い、
かつ
e)引き続き、モノマーの混合物の残留分を重合条件下で、この残留分が消費される速度で添加する、
請求項1記載の方法。 - 水性分散液を製造するために、エチレン性不飽和モノマーの混合物100質量部に対して、少なくとも1種の、微粒子状の無機固体1〜1000質量部を使用し、その際、分散された固体粒子が
a)負の符号を有する電気泳動度を有し、少なくとも1種のカチオン性分散剤0.01〜10質量部、少なくとも1種の非イオン性分散剤0.01〜100質量部、及び、カチオン性分散剤に対するアニオン性分散剤の当量比が1を上回るような量の少なくとも1種のアニオン性分散剤を使用するか、又は
b)正の符号を有する電気泳動度を有し、少なくとも1種のアニオン性分散剤0.01〜10質量部、少なくとも1種の非イオン性分散剤0.01〜100質量部、及び、アニオン性分散剤に対するカチオン性分散剤の当量比が1を上回るような量の少なくとも1種のカチオン性分散剤を使用する、
請求項5記載の方法。 - a)負の符号を有する電気泳動度を有する分散された固体粒子が存在する際、少なくとも1種のアニオン性分散剤の一部又は全部を、少なくとも1種の酸基及び/又はその相応するアニオンを含む当量の少なくとも1種のモノマーAと置換し、かつ
b)正の符号を有する電気泳動度を有する分散された固体粒子が存在する際、少なくとも1種のカチオン性分散剤の一部又は全部を、少なくとも1個のアミノ基、アミド基、ウレイド基又はN−複素環式基及び/又は窒素上でアルキル化又はプロトン化されたこのような基のアンモニウム誘導体を含む当量の少なくとも1種のモノマーBと置換する、
請求項6記載の方法。 - 少なくとも1種の非イオン性分散剤を、少なくとも1種のカチオン性及びアニオン性分散剤の前に添加する、請求項5から7までのいずれか1項記載の方法。
- 少なくとも1種の無機固体を、シリカ、アルミナ、オキシ水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、オルトリン酸カルシウム、オルトリン酸マグネシウム、酸化鉄(II)、酸化鉄(III)、酸化鉄(II/III)、酸化スズ(IV)、酸化セリウム(IV)、酸化イットリウム(III)、二酸化チタン、ヒドロキシアパタイト、酸化亜鉛及び硫化亜鉛を含む群から選択する、請求項1から8までのいずれか1項記載の方法。
- 少なくとも1種の無機固体が、負の符号を有する電気泳動度を有するシリカゾルである、請求項1から9までのいずれか1項記載の方法。
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