JP4523635B2 - 複合粒子分散液の貯蔵安定性を改善する方法 - Google Patents

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Description

発明の詳細な説明
本発明の対象は、ポリマー及び微細の無機固体から構成された粒子(複合粒子)の水性分散液の貯蔵安定性を改善する方法において、水性媒質中に分散した複合粒子(水性複合粒子分散液)の製造前、製造の間又は製造後に、この水性分散媒にヒドロキシ基を含有するアルキルアミノ化合物を添加することを特徴とする方法である。同様に、本発明の対象は、本発明にかかる方法により得られる水性複合粒子分散液並びにかかる水性複合粒子分散液を含有する水性配合物である。
複合粒子の水性分散液は、一般的に公知である。これらは、水性分散媒中の分散相として、互いに組み合わさった複数のポリマー鎖からなるポリマーコイル、いわゆるポリマーマトリックス及び微細の無機固体から構成された粒子を分散分布させて含有する流動系である。この複合粒子の直径は、特に10〜5000nmの範囲内である。
複合粒子及びそれ水性複合粒子分散液の形で製造する方法並びにその使用は当業者に知られており、例えば文献US−A3544500号、US−A4421660号、US−A4608401号、US−A4981882号、EP−A104498号、EP−A505230号、EP−A572128号、GB−A2227739号、WO0118081号、WO0129106号、WO03000760号並びにロングら著、天津大学学報、1991年、4巻、10〜15頁(Long.et al., Tianjin Daxue Xuebao 1991,4,Seiten10 bis 15)、ブーゲート−ラミら著、応用高分子化学、1996年、242巻、105〜122頁(Bourgeat-Lami et al., Die Angewandte Makromolekulare Chemie 1996,242, Seiten 105 bis 122)、ポールケら著、磁気性担体の科学及び臨床用途における常磁性ポリスチレンラテックス粒子の合成研究、69〜76頁、プレナム出版、ニューヨーク、1997年(Paulke et al., Synthesis Studies of Paramagnetic Polystyrene Latex Particles in Scientific and Clinical Applications of Magnetic Carriers, Seiten 69 bis 76, Plenum Press, New York, 1997)、アルメスら著、最新材料、1999年、11巻、5号、408〜410頁(Armes et al., Advanced Materials 1999, 11, Nr.5, Seiten 408 bis 410)に開示されている。
この水性複合粒子分散液又はそれを含有する水性配合物の欠点は、特に≧40℃の温度で長期貯蔵した場合に、粘度増大ないしはゲル化を示しうることである。このために、この水性複合粒子分散液又はそれを含有する水性配合物の処理が困難になることがある。極端な場合には、この水性複合粒子分散液又はそれを含有する水性配合物は処理することができないことすらありうる。
本発明の課題は、水性複合粒子分散液及びそれを含有する水性配合物の貯蔵安定性を改善する新規方法を提供することであった。
これに応じて、冒頭に定義された方法を見出した。
ヒドロキシ基を含有するアルキルアミノ化合物は、水性複合粒子分散液の製造後に、この水性複合粒子分散液の水性分散媒に添加すれば特に有利である。この場合、「水性複合粒子分散液の製造後」の意味には、その製造の際に他の配合物構成成分に加え、水性複合粒子分散液も添加し、そして少なくとも1種のヒドロキシ基を含有するアルキルアミノ化合物を別個に添加する水性配合物の製造も含まれることは勿論である。
ヒドロキシ基を含有するアルキルアミノ化合物を含有する水性複合粒子分散液又はそれを含有する水性配合物のpH値は、≧4、≧5、≧6又は≧7であり、かつ≦10、≦11、≦12又は≦13であれば有利である。このpH値は、特に、≧7であり、かつ≦11の範囲内に調節する。
ヒドロキシ基を含有するアルキルアミノ化合物としては、有利には、少なくとも3個の炭素原子と、少なくとも1個のヒドロキシ基と、少なくとも1個のアミノ基とを有する水溶性の非環式アルキル化合物を使用する。この場合、このアルキルアミノ化合物が第1級アミンであれば、有利であることが判明した。特に、このヒドロキシ基を含有するアルキルアミノ化合物は、少なくとも3個の炭素原子を有し、少なくとも1個のヒドロキシ基と、少なくとも1個の第1級アミノ基とを含有する非環式アルキル化合物である。ヒドロキシ基を含有するアミノ化合物の混合物をも使用できることは勿論である。
少なくとも3個の炭素原子と、少なくとも1個のヒドロキシ基と、少なくとも1個のアミノ基とを有する非環式アルキル化合物としては、例えば、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、2−アミノ−2−メチルエタノール、2−アミノ−2,2−ジメチルエタノール、3−アミノプロパノール−1、3−アミノプロパノール−2、3−アミノプロパンジオール−1,2、2−アミノ−2−メチルプロパンジオール−1,3、4−アミノブタノール−1、2−アミノブタノール−1、2−アミノ−3−メチルブタノール−1、5−アミノペンタノール−1、2−(2−アミノエトキシ)エタノール、6−アミノヘキサノール−1、7−アミノヘプタノール−1、1−アミノプロパノール−2、3−アミノ−3−メチル−プロパノール−1、3−アミノ−2−メチルプロパノール−1、3−アミノ−3−プロピルプロパノール−1、3−アミノ−3−フェニルプロパノール−1、3−アミノ−3−シクロヘキシルプロパノール−1、3−アミノ−3−(シクロヘキサン−3−イル)−プロパノール−1、3−アミノ−1−ビニル−プロパノール−1、3−アミノ−3,3−ジメチルプロパノール−1、3−アミノ−2,2−ジメチルプロパノール−1、3−アミノ−1,1−ジメチルプロパノール−1、3−アミノ−3,3−ジメチル−1−メチルプロパノール−1、3−アミノブタノール−1、4−アミノブタノール−2、4−アミノ−2−メチルブタノール−1、4−アミノ−4,4−ジメチルブタノール−1、5−アミノ−2,2−ジメチルペンタノール−1、5−アミノ−5−メチル−1,1−ジメチルペンタノール−1、7−アミノ−5−メチル−1,1−ジメチルヘキサノール−1又は2−(2−アミノエチルアミノ)−エタノールを使用する。
特に、2−アミノ-2−メチルエタノール、2−アミノ-2,2−ジメチルエタノール、3−アミノプロパノール-1、3−アミノプロパノール-2、3−アミノプロパンジオール−1,2、2−アミノ−2−メチルプロパンジオール−1,3、4−アミノブタノール−1、2−アミノブタノール−1、2−アミノ−3−メチルブタノール−1、5−アミノペンタノール−1、2−(2−アミノエトキシ)−エタノール、6−アミノヘキサノール−1及び7−アミノヘプタノール−1を有する群から選択された、ヒドロキシ基を含有するアミノ化合物を使用する。
このヒドロキシ基を含有するアミノ化合物の量は、水性複合粒子分散液の全量に対して0.01〜10質量%、特に0.05〜5質量%、有利には0.1〜3質量%である。この場合、ヒドロキシ基を含有するアミノ化合物の全量を、複合粒子の製造前に水性分散媒に添加してよい。少なくとも1つの部分量のヒドロキシ基を含有するアミノ化合物を、複合粒子の製造前に、この水性媒質に添加し、そしてその残量を、複合粒子の製造の間にか又はその製造後にこの水性媒質に添加することも可能である。しかしながら、ヒドロキシ基を含有するアミノ化合物の全量を、水性複合粒子分散液又はそれを含有する水性配合物に添加することが有利である。しかしながら、ヒドロキシ基を含有するアミノ化合物の部分量を水性複合粒子分散液に添加し、そしてこのヒドロキシ基を含有するアミノ化合物の残留する残量を、この水性複合粒子分散液を含有する水性配合物に添加することも可能である。
本発明にかかる方法は、WO03000760号に開示された方法により製造された水性複合粒子分散液に好適である点で有利であり、該文献は本出願において参照をもって開示されたものとする。この方法は、少なくとも1種のエチレン性不飽和モノマーを水性媒質中に分散分布させ、そしてそれを少なくとも1種の分散分布された微細の無機固体及び少なくとも1種の分散剤の存在下で少なくとも1種のラジカル重合開始剤を用いてラジカル水性乳化重合法により重合させるにあたり、
a)少なくとも1種の無機固体の安定な水性分散液を使用し、該水性分散液は、開始固体濃度がこの少なくとも1種の無機固体の水性分散液に対して≧1質量%の場合、その製造1時間後に依然として、最初に分散した固体の90質量%を上回る固体を分散した形で含有し、かつその分散した固体粒子の質量平均直径が≦100nmであることを特徴としており、
b)この少なくとも1種の無機固体の分散した固体粒子は、分散剤の添加開始前の水性分散媒のpH値に相当するpHの標準塩化カリウム水溶液中で、電気泳動移動度が0ではなく、
c)少なくとも1種のエチレン性不飽和モノマーの添加開始前に、この水性固体粒子分散液と、少なくとも1種の陰イオン性、陽イオン性及び非イオン性の分散剤とを混合し、
d)次いで、この少なくとも1種のモノマーの全量の0.01〜30質量%を、この水性固体粒子分散液に添加し、そして少なくとも90%の変換率まで重合させ、
そして、
e)次いで、この少なくとも1種のモノマーの残量を、重合条件下で、その消費に応じて連続的に添加する
方法により示される。
この方法には、安定な水性分散液を形成する全種の微細の無機固体が好適であり、該水性分散液は、開始固体濃度が少なくとも1種の無機固体の水性分散液に対して≧1質量%の場合、その製造1時間後に依然として、撹拌及び振盪されずに、最初に分散した固体の90質量%を上回る固体を分散した形で含有し、かつその分散した固体の粒径が≦100nmであり、更に分散剤の添加開始前の水性反応媒質のpH値に相当するpHにおいて電気泳動移動度が0ではない。
開始出固体濃度及び1時間後の固体濃度の定量的測定並びに粒径測定は、超遠心分離分析法によって実施する(S.E.ハーディングら著、生物化学及びポリマー科学における超遠心分析、ロイヤルソサエティー・オブ・ケミストリー、ケンブリッジ、英国、1992年、10章、Eight−Cell−AUC−マルチプレクサーを用いるポリマー分散液の分析(S.E.Harding et al., Analytical Ultracentrifugation in Biochemistry and Polymer Science, Royal Society of Chemistry, Cambridge, Great Britain 1992, Chapter 10, Analysis of Polymer Dispersions with an Eight-Cell-AUC-Multiplexer):高分解粒径分布及び密度勾配テクニック、W.メヒトル著、147〜175頁(High Resolution Particle Size Distribution and Density Gradient Techniques, W. Maeschtle, Seiten 147 bis 175))を参照のこと)。粒径の場合に挙げられた値は、いわゆるd50値に相当する。
電気泳動移動度を測定する方法は、当業者に知られている(例えば、R.J.ハンター著、現代コロイド科学への招待、8.4章、241〜248頁、オックスフォード大学出版、オックスフォード、1993年(R.J. Hunter, Introduction to modern Colloid Science, Kapitel8.4, Seiten 241 bis 248, Oxford University Press, Oxford, 1993)並びにK.オカ及びK.フクサワ 界面における電気的現象、界面活性剤科学シリーズ、76巻、151〜232頁、マーセルデッカー、ニューヨーク(K. Oka und K. Furusawa, in Electrical Phenomena at Interfaces, Surfactant Science Series, Vol.76, Kapitel8, Seiten 151 bis 232, Marcel Dekker, NewYork, 1998)を参照のこと)。この反応媒質中に分散した固体粒子の電気泳動移動度は、慣用の電気泳動装置、例えばFa.Malvern Instruments Ltd.社製のZetasizer3000を用いて、20℃及び1バール(絶対圧)で測定する。このために、この水性固体粒子分散液を、pH中性の10ミリモル(mM)の塩化カリウム水溶液(標準塩化カリウム溶液)で希釈して、この固体粒子濃度を約50mg/l〜約100mg/lにする。この測定試料の、分散剤の添加前の水性媒質のpHへの調節は、通常の無機酸、例えば希釈された塩酸若しくは硝酸又は塩基、例えば希釈された水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムを用いて実施する。分散した固体粒子の電場での移動は、いわゆる電気泳動光散乱法を用いて検出する(例えば、B.R.ヴァーレ、W.H.フライガーレ著、ケミカルフィジクスレタース、1971年、12巻、81〜85頁(B.R.Ware und W.H. Flygare, Chem. Phys. Lett. 1971,12,Seiten 81 bis 85)を参照のこと)。この場合、この電気泳動移動度の標識は、分散した固体粒子の移動方向により定義する、すなわち、分散した固体粒子が陽極に移動した場合にはその電気泳動移動度は正であり、それが陰極に移動した場合にはその電気泳動移動度は負である。
分散した固体粒子の特定の範囲内の電気泳動移動度に影響を及ぼすか又はこれを調節するのに好適なパラメータは、水性反応媒質のpH値である。分散した固体粒子のプロトン化若しくは脱プロトン化により、電気泳動移動度は酸性pH範囲(pH値<7)においては正の方向に、アルカリ性範囲(pH値>7)においては負の方向に変化する。WO03000760号に開示された方法に好適なpH範囲は、ラジカル的に開始される水性乳化重合を実施できるpH範囲内である。このpH範囲は、一般的にpH1〜12、特にpH1.5〜11、有利にはpH2〜10である。
水性反応媒質のpH値は、市販の酸、例えば希釈された塩酸、硝酸若しくは硫酸又は塩基、例えば希釈された水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムを用いて調節してよい。特に、pH調節のために使用される酸量又は塩基量の部分量又は全量を、少なくとも1種の微細の無機固体の添加前に水性反応媒質に添加すれば有利である。
WO033000760号により開示された方法は、上述のpH条件下で分散した固体粒子が、
− 負の符号の電気泳動移動度を有する場合には、少なくとも1種のエチレン性不飽和モノマー100質量部当たり、0.01〜10質量部、好ましくは0.05〜5質量部、特に好ましくは0.1〜3質量部の少なくとも1種の陽イオン性分散剤、0.01〜100質量部、好ましくは0.05〜50質量部、特に好ましくは0.1〜20質量部の少なくとも1種の非イオン性分散剤及び少なくとも1種の陰イオン性分散剤を使用し、その際、この量は陰イオン性分散剤と陽イオン性分散剤との当量比が1より大きくなるように計量するか、又は
− 正の符号の電気泳動移動度を有する場合には、少なくとも1種のエチレン性不飽和モノマー100質量部当たり、0.01〜10質量部、好ましくは0.05〜5質量部、特に好ましくは0.1〜3質量部の少なくとも1種の陰イオン性分散剤、0.01〜100質量部、好ましくは0.05〜50質量部、特に好ましくは0.1〜20質量部の少なくとも1種の非イオン性分散剤及び少なくとも1種の陽イオン性分散剤を使用し、その際、陽イオン性分散剤と陰イオン性分散剤との当量比が1より大きくなるように計量することが有利である。
陰イオン性分散剤と陽イオン性分散剤との当量比は、使用される陰イオン性分散剤のモル数にこの陰イオン性分散剤1モル当たりに含まれる陰イオン性基の数を掛けて、それを、使用される陽イオン性分散剤のモル数にこの陽イオン性分散剤1モル当たりに含まれる陽イオン性基の数を掛けた数で割った比と解する。これと同じことが陽イオン性分散剤と陰イオン性分散剤との当量比に当てはまる。
WO03000760号により使用される少なくとも1種の陰イオン性、陽イオン性及び非イオン性分散剤の全量は、この水性固体分散液中に装入してよい。しかしながら、単に上述の分散剤の部分量を水性固体分散液中に装入すること、及び残った残量をラジカル乳化重合の間に連続的にか又は不連続的に添加することも可能である。しかしながら、方法の本質は、ラジカル的に開始される乳化重合の前及びその間、微細固体の電気泳動の符号に応じて上述の陰イオン性分散剤と陽イオン性分散剤との当量比を維持することである。従って、上述のpH条件下で電気泳動移動度が負の符号を示す無機固体粒子を使用するのであれば、陰イオン性分散剤と陽イオン性分散剤との当量比は、乳化重合全体の間にわたって1より大きくなければならない。相応して、電気泳動移動度が正の符号を有する無機固体粒子の場合には、陽イオン性分散剤と陰イオン性分散剤との当量比は、乳化重合全体の間にわたって1より大きくなければならない。この当量比が≧2、≧3、≧4、≧5、≧6、≧7、又は≧10であるならば有利であり、その際、当量比が2〜5の範囲内であれば特に有利である。
WO03000760号に開示された方法並びに複合粒子の一般的製造方法に使用可能な好適な微細の無機固体は、金属、金属化合物、例えば金属酸化物及び金属塩であるが、半金属化合物及び非金属化合物も好適である。微細の金属粉末としては、貴金属コロイド、例えばパラジウム、銀、ルテニウム、白金、金及びロジウム並びにこれらを含有する合金を使用してよい。微細の金属酸化物としては、例として、二酸化チタン(例えば、Fa.Sachtleben Chemie GmbH社のHombitec(R)商標として市販されている)、酸化ジルコニウム(IV)、酸化スズ(II)、酸化スズ(IV)(例えば、Fa.Akzo−Nobel社のNyacol(R)SN商標として市販されている)、酸化アルミニウム(例えば、Akzo−Nobel社のNyacol(R)AL商標として市販されている)、酸化バリウム、酸化マグネシウム、種々の酸化鉄、例えば酸化鉄(II)(ウエスタイト(Wuestit))、酸化鉄(III)(ヘマタイト)及び酸化鉄(II/III)(マグネタイト)、酸化クロム(III)、酸化アンチモン(III)、酸化ビスマス(III)、酸化亜鉛(例えば、Fa.Sachtleben Chemie GmbH社のSachtotec(R)商標として市販されている)、酸化ニッケル(II)、酸化ニッケル(III)、酸化コバルト(II)、酸化コバルト(III)、酸化銅(II)、酸化イットリウム(III)(例えば、Fa.Akzo−Nobel社のNyacol(R)YTTRIA商標として市販されている)、酸化セリウム(IV)(例えば、Fa.Akzo−Nobel社のNyacol(R)CEO2商標として市販されている)、非晶質及び/又はその種々の結晶変態並びにそのオキシ水酸化物、例えばオキシ水酸化チタン(IV)、オキシ水酸化ジルコニウム(IV)、オキシ水酸化アルミニウム(例えば、Fa.Condea−Chemie GmbH社のDisperal(R)商標として市販されている)及びオキシ水酸化鉄(III)、非晶質及び/又はその種々の結晶変態が挙げられる。以下の非晶質及び/又はその種々の結晶構造で存在する金属塩は、本発明にかかる方法において原則的に使用することができる:硫化物、例えば硫化鉄(II)、硫化鉄(III)、二硫化鉄(II)(黄鉄鉱)、硫化スズ(II)、硫化スズ(IV)、硫化水銀(II)、硫化カドミウム(II)、硫化亜鉛、硫化銅(II)、硫化銀、硫化ニッケル(II)、硫化コバルト(II)、硫化コバルト(III)、硫化マンガン(II)、硫化クロム(III)、硫化チタン(II)、硫化チタン(III)、硫化チタン(IV)、硫化ジルコン(IV)、硫化アンチモン(III)、硫化ビスマス(III)、水酸化物、例えば水酸化スズ(II)、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化亜鉛、水酸化鉄(II)、水酸化鉄(III)、硫酸塩、例えば硫酸カルシウム、硫酸ストロンチウム、硫酸バリウム、硫酸鉛(IV)、炭酸塩、例えば炭酸リチウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸亜鉛、炭酸ジルコニウム(IV)、炭酸鉄(II)、炭酸鉄(III)、オルトリン酸塩、例えばオルトリン酸リチウム、オルトリン酸カルシウム、オルトリン酸亜鉛、オルトリン酸マグネシウム、オルトリン酸アルミニウム、オルトリン酸スズ(III)、オルトリン酸鉄(II)、オルトリン酸鉄(III)、メタリン酸塩、例えばメタリン酸リチウム、メタリン酸カルシウム、メタリン酸アルミニウム、ピロリン酸塩、例えばピロリン酸マグネシウム、ピロリン酸カルシウム、ピロリン酸亜鉛、ピロリン酸鉄(III)、ピロリン酸スズ(II)、リン酸塩アンモニウム、例えばリン酸マグネシウムアンモニウム、リン酸亜鉛アンモニウム、ヒドロキシルアパタイト[Ca5{(PO43OH}]、オルトケイ酸塩、例えばオルトケイ酸リチウム、オルトケイ酸カルシウム/マグネシウム、オルトケイ酸アルミニウム、オルトケイ酸鉄(II)、オルトケイ酸鉄(III)、オルトケイ酸マグネシウム、オルトケイ酸亜鉛、オルトケイ酸ジルコニウム(III)、オルトケイ酸ジルコニウム(IV)、メタケイ酸塩、メタケイ酸リチウム、メタケイ酸カルシウム/マグネシウム、メタケイ酸カルシウム、メタケイ酸マグネシウム、メタケイ酸亜鉛、層状ケイ酸塩、例えばアルミニウムケイ酸ナトリウム及びマグネシウムケイ酸ナトリウム、特に自然に離層した形、例えばOptigel(R)SH(Suedchemie AG社の商標)、Saponit(R)SKS−20及びHektorit(R)SKS21(Hoechst AG社の商標)並びにLaponite(R)RD及びLaponite(R)GS(Laporte Industries Ltd.社の商標)、アルミン酸塩、例えばアルミン酸リチウム、アルミン酸カルシウム、アルミン酸亜鉛、ホウ酸塩、例えばメタホウ酸マグネシウム、オルトホウ酸マグネシウム、シュウ酸塩、例えばシュウ酸カルシウム、シュウ酸ジルコニウム(IV)、シュウ酸マグネシウム、シュウ酸亜鉛、シュウ酸アルミニウム、酒石酸、例えば酒石酸カルシウム、アセチルアセトネート、例えばアルミニウムアセチルアセトネート、鉄(III)アセチルアセトネート、サリチル酸塩、例えばサリチル酸アルミニウム、クエン酸塩、例えばクエン酸カルシウム、クエン酸鉄(II)、クエン酸亜鉛、パルミチン酸塩、例えばパルミチン酸アルミニウム、パルミチン酸カルシウム、パルミチン酸マグネシウム、ステアリン酸塩、例えばステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、ラウリン酸塩、例えばラウリン酸カルシウム、リノール酸塩、例えばリノール酸カルシウム、オレイン酸塩、例えばオレイン酸カルシウム、オレイン酸鉄(II)又はオレイン酸亜鉛。
本発明により主として使用可能な半金属化合物は、非晶質及び/又は種々の結晶構造で存在する二酸化ケイ素が公知である。本発明により好適な二酸化ケイ素は市販されており、例えばAerosil(R)(Fa.Degussa AG社の商標)、Levasil(R)(Fa.Bayer AG社の商標)、Ludox(R)(Fa.DuPont社の商標)、Nyacol(R)及びBindzil(R)(Fa.Akzo−Nobel社の商標)及びSnowtex(R)(Fa.Nissan Chemical Industries,Ltd.)を入手してよい。本発明により好適な非金属化合物は、例えばコロイドで存在するグラファイト又はダイヤモンドである。
微細の無機固体としては、20℃及び1バール(絶対圧)での水への溶解度が≦1g/l、好ましくは≦0.1g/l、特に好ましくは0.01g/lである無機固体が特に好適である。二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化スズ(IV)、酸化イットリウム(III)、酸化セリウム(IV)、オキシ水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、オルトリン酸カルシウム、オルトリン酸マグネシウム、メタリン酸カルシウム、メタリン酸マグネシウム、ピロリン酸カルシウム、ピロリン酸マグネシウム、オルトケイ酸塩、例えばオルトケイ酸リチウム、オルトケイ酸カルシウム/マグネシウム、オルトケイ酸アルミニウム、オルトケイ酸鉄(II)、オルトケイ酸鉄(III)、オルトケイ酸マグネシウム、オルトケイ酸亜鉛、オルトケイ酸ジルコニウム(III)、オルトケイ酸ジルコニウム(IV)、メタケイ酸塩、例えばメタケイ酸マグネシウム、メタケイ酸カルシウム/マグネシウム、メタケイ酸カルシウム、メタケイ酸マグネシウム、メタケイ酸亜鉛、層状ケイ酸塩、例えば特に自然に離層した形のアルミニウムケイ酸ナトリウム及びマグネシウムケイ酸ナトリウム、例えばOptifel(R)SH、Saponit(R)SKS−20及びHektorit(R)SKS21並びにLaponite(R)RD及びLaponite(R)GS、酸化鉄(II)、酸化鉄(III)、酸化鉄(II/III)、二酸化チタン、ヒドロキシルアパタイト、酸化亜鉛及び硫化亜鉛を有する群から選択された化合物が特に好ましい。ケイ素含有化合物、例えば熱分解法ケイ酸及び/又はコロイドケイ酸、二酸化ケイ素ゾル及び/又は層状ケイ酸塩が特に好ましい。特に、これらのケイ素含有化合物は負の符号の電気泳動移動度を有する。
有利には、市販化合物のAerosil(R)、Levasil(R)、Ludox(R)、Nyacol(R)、及びBindzil(R)商標(二酸化ケイ素)、Disperal(R)商標(オキシ水酸化アルミニウム)、Nyacol(R)AL商標(酸化アルミニウム)、Hombitec(R)商標(二酸化チタン)、Nyacol(R)SN商標(酸化スズ(IV))、Nyacol(R)YTTRIA商標(酸化イットリウム(III))、Nyacol(R)CEO2商標(酸化セリウム(IV))及びSachtotec(R)商標(酸化亜鉛)を本発明にかかる方法に使用することができる。
複合粒子の製造に使用可能な微細の無機固体は、水性反応媒質中に分散した固体粒子の粒径が≦100nmを有する。分散した粒子が粒径>0nmであるが、≦90nm、≦80nm、≦70nm、≦60nm、≦50nm、≦40nm、≦30nm、≦20nm又は≦10nm及びその間の全ての値を有する微細の無機固体を使用すると効果が上がる。粒径が≦50nmである微細の無機固体を使用することが有利である。この粒径の測定は、分析用遠心分離の方法により実施する。
微細固体の入手可能性は、当業者には原則的に知られており、例えば沈殿反応又は気相中の化学反応によって実施する(このために、E.マティジェビック著 ケミカルマテリアル1993年、5月、412〜426頁(E.Matijevic,Chem.Mater.1993,5,Seiten412 bis 426);ウールマン工業化学百科事典、A23巻、583〜660頁、化学出版、ヴァインハイム、1992年(Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry,Vol.A23,Seiten 583 bis 660, Verlag Chemie, Weinheim, 1992);D.F.エバンス、H.ヴェナーストローム著コロイド領域、363〜405頁、化学出版、ヴァインハイム、1994年(D.F. Evans, H.Wennerstroem in The Colloidal Domain, Seiten 363 bis 405, Verlag Chemie, Weinheim, 1994)及びR.J.ハンター著コロイド化学の基礎、I巻、10〜17頁、クラレンドン出版、オックスフォード、1991年(R.J.Hunter in Foundations of Colloid Science, Vol. I, Seiten 10 bis 17, Clarendon Press, Oxford,1991を参照のこと)。
安定の固体分散液の製造は、特に、水性媒質中における微細の無機固体の合成の際に直接にか又は代替的に微細の無機固体の水性媒質中への分散導入によって実施する。これは、微細の無機固体の製造経路に応じて、例えば沈殿された若しくは熱分解法二酸化ケイ素、酸化アルミニウム等の場合には直接に、又は好適な補助装置、例えば分散機又は超音波ソノトロード(sonotrode)を利用して達成される。
水性複合粒子分散液の製造のためには、有利には、微細の無機固体の水性固体分散液が、開始固体濃度が微細の無機固体の水性分散液に対して≧1質量%である場合、その製造1時間後に、若しくは沈殿した固体粒子の撹拌又は振盪により、更に撹拌又は浸透されずに、最初に分散した固体の90質量%を上回る固体を依然として分散した形で含有し、かつその分散した固体粒子の直径が≦100nmである微細の無機固体が好適である。慣用的には、開始固体濃度は≦60質量%である。しかしながら、有利には、微細の無機固体の水性分散液に対して≦55質量%、≦50質量%、≦45質量%、≦40質量%、≦35質量%、≦30質量%、≦25質量%、≦20質量%、≦15質量%、≦10質量%であり、かつ≧2質量%、≧3質量%、≧4質量%又は≧5質量%及びその間の全ての値の開始固体濃度を使用してよい。水性複合粒子分散液の製造の際に、少なくとも1種のエチレン性不飽和モノマー100質量部に対して、特に1〜1000質量部、一般的には5〜300質量部、有利には10〜200質量部の少なくとも1種の微細の無機固体を使用する。
WO03000760号による水性複合粒子分散液の製造の際に、微細の無機固体粒子も、モノマーの液滴及び形成された複合粒子も水相中に分散分布させて維持する分散剤を併用し、そしてこの生じた水性複合粒子分散液の安定性が確保される。分散剤としては、このラジカル水性乳化重合の実施に慣用的に使用される保護コロイドも乳化剤も挙げられる。
好適な保護コロイドは、例えばホウベンーヴェイル(Houben-Weyl)の有機化学の手法XIV/1巻、高分子材料、ゲオルグティエメ出版、シュツットガルト、1961年、411〜420頁(Methoden der organischen Chemie, band XIV/1, Makromolekulare Stoffe, Georg-Thieme-Verlag, Stuttgart, 1961, Seiten 411 bis 420)に詳細に記載されている。
好適な中性保護コロイドは、例えばポリビニルアルコール、ポリアルキレングリコール、セルロース誘導体、デンプン誘導体及びゼラチン誘導体である。
陰イオン性保護コロイド、すなわち分散作用を示す成分が少なくとも1価の負電荷を有する保護コロイドとしては、例えばポリアクリル酸及びポリメタクリル酸並びにそのアルカリ金属塩、アクリル酸、メタクリル酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、4−スチレンスルホン酸及び/又は無水マレイン酸を含有するコポリマー及びそのアルカリ金属塩並びに高分子化合物、例えばポリスチレンのスルホン酸のアルカリ金属塩が挙げられる。
好適な陽イオン性保護コロイド、すなわち分散作用を示す成分が少なくとも1価の正電荷を有する保護コロイドは、例えば、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルカルバゾール、1−ビニルイミダゾール、2−ビニルイミダゾール、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、アクリルアミド、メタクリルアミド、アミン基を含有するアクリレート、メタクリレート、アクリルアミド及び/又はメタクリルアミドを含有するホモポリマー及びコポリマーの窒素プロトン化及び/又は窒素アルキル化誘導体である。
乳化剤及び/又は保護コロイドからの混合物も使用してよいことは勿論である。特に分散剤として、相対分子量が保護コロイドとは異なって慣用的に1500未満である乳化剤をもっぱら使用する。界面活性剤物質の混合物を使用する場合には、個々の成分が互いに相溶性でなければならず、このことが疑わしい場合には少しの予備試験に基づいて検査してよいことは勿論である。好適な乳化剤の概要は、例えばホウベンーヴェイル(Houben-Weyl)の有機化学の手法XIV/1巻、高分子材料、ゲオルグティエメ出版、シュツットガルト、1961年、192〜208頁(Methoden der organischen Chemie, band XIV/1, Makromolekulare Stoffe, Georg-Thieme-Verlag, Stuttgart 1961, Seiten 192 bis 208)に見出される。
慣用の非イオン性乳化剤は、例えばエトキシ化されたモノ−、ジ−及びトリアルキルフェノール(EO度:3〜50、アルキル基:C4〜C12)並びにエトキシ化された脂肪アルコール(EO度:3〜80;アルキル基:C8〜C36)である。この例は、BASF社製のLutensol(R)A商標(C1214−脂肪アルコールエトキシレート、EO度:3〜8)、Lutensol(R)AO商標(C1315−オキソアルコールエトキシレート、EO度:3〜30)、Lutensol(R)AT商標(C1618−脂肪アルコールエトキシレート、EO度:11〜80)、Lutensol(R)ON商標(C10−オキソアルコールエトキシレート、EO度:3〜11)及びLutensol(R)TO商標(C13−オキソアルコールエトキシレート、EO度:3〜20)である。慣用の陰イオン性乳化剤は、例えばアルキルスルフェート(アルキル基:C8〜C12)、エトキシ化されたアルカノール(EO度:4〜30、アルキル基:C12〜C18)及びエトキシ化されたエトキシ化されたアルキルフェノール(EO度:3〜50、アルキル基:C4〜C12)の硫酸半エステル、アルキルスルホン酸(アルキル基:C12〜C18)及びアルキルアリールスルホン酸(アルキル基:C9〜C18)のアルカリ金属塩及びアンモニウム塩である。
更なる陰イオン性乳化剤として、一般式I
Figure 0004523635
[式中、R1及びR2は、H原子であるか又はC4〜C24−アルキルであり、かつ同時にH原子ではなく、かつA及びBは、アルカリ金属イオン及び/又はアンモニウムイオンであってよい]の更なる化合物が判明している。一般式Iにおいては、R1及びR2は、好ましくは6〜18個、特に6、12及び16個のC原子を有する直鎖状又は分枝鎖状のアルキル基又は−Hであり、その際、R1及びR2は同時にH原子ではない。A及びBは、ナトリウム、カリウム又はアンモニウムであることが好ましく、ナトリウムが特に好ましい。A及びBがナトリウムであり、R1が12個のC原子を有する分枝鎖状のアルキル基であり、かつR2がH原子であるか又はR1である化合物Iが特に有利である。特に、50〜90質量%のモノアルキル化生成物の割合を有する工業用混合物、例えばDowfax(R)2A1(Dow Chemical Company社の商標)を使用する。この化合物Iは、例えばUS−A4269749号から一般的に公知であり、かつ市販されている。
好適な陽イオン活性乳化剤は、一般的にはC6〜C18−アルキル−、−アラルキル−又は複素環基を有する第1級、第2級、第3級又は第4級アンモニウム塩、アルカノールアンモニウム塩、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩、オキサゾリニウム塩、モルホリニウム塩、チアゾリニウム塩並びにアミンオキシドの塩、キノリニウム塩、イソキノリニウム塩、トロピリウム塩、スルホニウム塩及びホスホニウム塩である。例として、ドデシルアンモニウムアセテート又は相応の塩酸塩、種々の2−(N,N,N−トリメチルアンモニウム)エチルパラフィン酸エステルの塩化物又はアセテート、N−セチルピリジニウムクロリド、N−ラウリルピリジニウムスルフェート並びにN−セチル−N,N,N−トリメチルアンモニウムブロミド、N−ドデシル−N,N,N−トリメチルアンモニウムブロミド、N−オクチル−N,N,N−トリメチルアンモニウムブロミド、N,N−ジステアリル−N,N−ジメチルアンモニウムクロリド並びにジェミニ界面活性剤N,N’−(ラウリルジメチル)エチレンジアミンジブロミドが挙げられる。更なる多数の例は、H.ステシェ著、界面活性剤ポケットブック、カールハンザー出版、ミュンヘン、ウイーン、1981年(H.Staeche, Tensid-Taschenbuch, Carl-Hanser-Verlag, Muenchen, Wien, 1981)及びマクカトチェオン著、乳化剤&界面活性剤、MC出版社、グレンロック、1989年(McCutcheon's, Emulsifiers & Detergents, MC Publishing Company, Glen Rock, 1989)に見出される。
特に、水性複合粒子分散液の製造のために、それぞれ水性複合粒子分散液の全量に対して0.1〜10質量%、有利には0.5〜7.0質量%、特に1.0〜5.0質量%の分散剤を使用する。乳化剤を使用することが好ましい。
複合粒子の製造のために、エチレン性不飽和モノマーとしては、とりわけ、特に簡単にラジカル重合可能なモノマー、例えばエチレン、ビニル芳香族モノマー、例えばスチレン、α−メチルスチレン、o−クロロスチレン又はビニルトルエン、ビニルアルコールと1〜18個のC原子を有するモノカルボン酸とのエステル、例えばビニルアセテート、ビニルプロピオネート、ビニル−n−ブチレート、ビニルラウレート及びビニルステアレート、好ましくは3〜6個のC原子を有するα,β−モノエチレン性不飽和モノ−及びジカルボン酸、例えば特にアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸及びイタコン酸と、一般的には1〜12個、好ましくは1〜8個、特に好ましくは1〜4個のC原子を有するアルカノールとのエステル、例えば特にアクリル酸−及びメタクリル酸メチル−、−エチル−、−n−ブチル−、−イソブチル及び−2−エチルヘキシルエステル、マレイン酸ジメチルエステル又はマレイン酸−ジ−n−ブチルエステル、α,β−モノエチレン性不飽和カルボン酸のニトリル、例えばアクリロニトリル並びにC4-8−共役ジエン、例えば1,3−ブタジエン及びイソプレンが挙げられる。上述のモノマーは、一般的に、本発明にかかる方法により重合されるべきモノマーの全量に対して通常は≧50質量%、≧80質量%又は≧90質量%の割合を占める主要モノマーを形成する。一般的に、これらのモノマーは水中で通常条件[20℃、1バール(絶対圧)]の場合に、中程度ないしは低程度の溶解度を有するにすぎない。
ポリマーマトリックスの皮膜の内部強度を慣用的に高めるポリマーは、通常、少なくとも1個のエポキシ基、ヒドロキシ基、N-メチロール基又はカルボニル基を有するか又は少なくとも2つの非共役エチレン性不飽和二重結合を有する。この例は、2個のビニル基を有するモノマー、2個のビニリデン基を有するモノマー並びに2個のアルケニル基を有するモノマーである。この場合、2価アルコールとα,β−モノエチレン性不飽和モノカルボン酸とのジエステルが特に有利であり、このカルボン酸のうちアクリル酸及びメタクリル酸が好ましい。かかる2価の非共役エチレン性不飽和二重結合を有するモノマーの例は、アルキレングリコールジアクリレート及び−ジメタクリレート、例えばエチレングリコールジアクリレート、1,2−プロピレングリコールジアクリレート、1,3−プロピレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,4−ブチレングリコールジアクリレート及びエチレングリコールジメタクリレート、1,2−プロピレングリコールジメタクリレート、1,3−プロピレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,4−ブチレングリコールジメタクリレート並びにジビニルベンゼン、ビニルメタクリレート、ビニルアクリレート、アリルメタクリレート、アリルアクリレート、ジアリルマレエート、ジアリルフマレート、メチレンビスアクリルアミド、シクロペンタンジエニルアクリレート、トリアリルシアヌレート又はトリアリルイソシアヌレートである。これと関連して、メタクリル酸−及びアクリル酸−C1−C8−ヒドロキシアルキルエステル、例えばn−ヒドロキシエチル−、n−ヒドロキシプロピル−、又はn−ヒドロキシブチルアクリレート及び−メタクリレート並びに例えばジアセトンアクリルアミド及びアセチルアセトキシエチルアクリレート若しくは−メタクリレートの化合物が特に重要である。本発明によれば、上述のモノマーは、重合されるべきモノマーの全量に対して5質量%までの量で重合導入させる。
場合により、シロキサン基を含有するモノマー、例えばビニルトリアルコキシシラン、例えばビニルトリメトキシシラン、アルキルビニルジアルコキシシラン、アクリルオキシアルキルトリアルコキシシラン、又はメタクリルオキシアルキルトリアルコキシシラン、例えばアクリルオキシエチルトリメトキシシラン、メタクリルオキシエチルトリメトキシシラン、アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン又はメタクリルオキシプロピルトリメトキシシランを使用することもできる。これらのモノマーは、モノマー全量に対して2質量%まで、特に0.01〜1質量%、有利には0.05〜0.5質量%の量で使用する。
更に、モノマーとして、付加的に、少なくとも1個の酸基及び/又はそれに相応する陰イオンを含有するエチレン性不飽和モノマーAか、又は少なくとも1個のアミノ基、アミド基、ウレイド基又はN−複素環基及び/又は窒素でプロトン化又はアルキル化されたアンモニウム誘導体を含有するエチレン性不飽和モノマーBを使用してよい。モノマーA若しくはモノマーBの量は、モノマー全量に対して10質量%まで、有利には0.1〜7質量%、特に0.2〜5質量%である。
モノマーAとしては、少なくとも1個の酸基を有するエチレン性不飽和モノマーを使用する。この場合、酸基は、例えばカルボン酸基、スルホン酸基、硫酸基、リン酸基及び/又はホスホン酸基であってよい。モノマーAの例は、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、クロトン酸、4−スチレンスルホン酸、2−メタクリルオキシエチルスルホン酸、ビニルスルホン酸及びビニルホスホン酸並びにn−ヒドロキシアルキルアクリレート及びn−ヒドロキシアルキルメタクリレートのリン酸モノエステル、例えばヒドロキシエチルアクリレート、n−ヒドロキシプロピルアクリレート、n−ヒドロキシブチルアクリレート及びヒドロキシエチルメタクリレート、n−ヒドロキシプロピルメタクリレート又はn−ヒドロキシブチルメタクリレートのリン酸モノエステルである。しかし、本発明によれば、少なくとも1個の酸基を有する上述のエチレン性不飽和モノマーのアンモニウム塩及びアルカリ金属塩を使用することもできる。アルカリ金属としては、ナトリウム及びカリウムが特に好ましい。この例は、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、クロトン酸、4−スチレンスルホン酸、2−メタクリルオキシエチルスルホン酸、ビニルスルホン酸及びビニルホスホン酸のアンモニウム塩、ナトリウム塩及びカリウム塩並びにヒドロキシエチルアクリレート、n−ヒドロキシプロピルアクリレート、n−ヒドロキシブチルアクリレート及びヒドロキシエチルメタクリレート、n−ヒドロキシプロピルメタクリレート又はn−ヒドロキシブチルメタクリレートのリン酸モノエステルのモノ−及びジ−アンモニウム塩、−ナトリウム塩、及び−カリウム塩である。
アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、クロトン酸、4−スチレンスルホン酸、2−メタクリルオキシエチルスルホン酸、ビニルスルホン酸及びビニルホスホン酸を使用することが好ましい。
モノマーBとしては、少なくとも1個のアミノ基、アミド基、ウレイド基又はN−複素環基及び/又は窒素でプロトン化又はアルキル化されたそのアンモニウム誘導体を含有するエチレン性不飽和モノマーを使用する。
少なくとも1個のアミノ基を含有するモノマーBの例は、2−アミノエチルアクリレート、2−アミノエチルメタクリレート、3−アミノプロピルアクリレート、3−アミノプロピルメタクリレート、4−アミノ−n−ブチルアクリレート、4−アミノ−n−ブチルメタクリレート、2−(N−メチルアミノ)エチルアクリレート、2−(N−メチルアミノ)エチルメタクリレート、2−(N−エチルアミノ)エチルアクリレート、2−(N−エチルアミノ)エチルメタクリレート、2−(N−n−プロピルアミノ)エチルアクリレート、2−(N−n−プロピルアミノ)エチルメタクリレート、2−(N−イソプロピルアミノ)エチルアクリレート、2−(N−イソプロピルアミノ)エチルメタクリレート、2−(N−t−ブチルアミノ)エチルアクリレート、2−(N−t−ブチルアミノ)エチルメタクリレート(例えば、Fa.Elf Atochem社のNorsocryl(R)TBAEMAとして市販されている)、2−(N,N−ジメチルアミノ)エチルアクリレート(例えば、Fa.Elf Atochem社のNorsocryl(R)ADAMEとして市販されている)、2−(N,N−ジメチルアミノ)エチルメタクリレート(例えば、Fa.Elf Atochem社のNorsocryl(R)MADAMEとして市販されている)、2−(N,N−ジエチルアミノ)エチルアクリレート、2−(N,N−ジエチルアミノ)エチルメタクリレート、2−(N,N−ジ−n−プロピルアミノ)エチルアクリレート、2−(N,N−ジ−n−プロピルアミノ)エチルメタクリレート、2−(N,N−ジ−イソプロピルアミノ)エチルアクリレート、2−(N,N−ジ−イソプロピルアミノ)エチルメタクリレート、3−(N−メチルアミノ)プロピルアクリレート、3−(N−メチルアミノ)プロピルメタクリレート、3−(N−エチルアミノ)プロピルアクリレート、3−(N−エチルアミノ)プロピルメタクリレート、3−(N−n−プロピルアミノ)プロピルアクリレート、3−(N−n−プロピルアミノ)プロピルメタクリレート、3−(N−イソプロピルアミノ)プロピルアクリレート、3−(N−イソプロピルアミノ)プロピルメタクリレート、3−(N−t−ブチルアミノ)プロピルアクリレート、3−(N−t−ブチルアミノ)プロピルメタクリレート、3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピルアクリレート、3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピルメタクリレート、3−(N,N−ジエチルアミノ)プロピルアクリレート、3−(N,N−ジエチルアミノ)プロピルメタクリレート、3−(N,N−ジ−n−プロピルアミノ)プロピルアクリレート、3−(N,N−ジ−n−プロピルアミノ)プロピルメタクリレート、3−(N,N−ジ−イソプロピルアミノ)プロピルアクリレート及び3−(N,N−ジ−イソプロピルアミノ)プロピルメタクリレートである。
少なくとも1個のアミド基を含有するモノマーBの例は、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−エチルメタクリルアミド、N−n−プロピルアクリルアミド、N−n−プロピルメタクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N−イソプロピルメタクリルアミド、N−t−ブチルアクリルアミド、N−t−ブチルメタクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N,N−ジエチルメタクリルアミド、N,N−ジ−n−プロピルアクリルアミド、N,N−ジ−n−プロピルメタクリルアミド、N,N−ジ−イソプロピルアクリルアミド、N,N−ジ−イソプロピルメタクリルアミド、N,N−ジ−n−ブチルアクリルアミド、N,N−ジ−n−ブチルメタクリルアミド、N−(3−N’,N’−ジメチルアミノプロピル)メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N,N’−メチレンビスアクリルアミド、N−(ジフェニルメチル)アクリルアミド、N−シクロヘキシルアクリルアミドであるが、N−ビニルピロリドン及びN−ビニルカプロラクタムも挙げられる。
少なくとも1個のウレイド基を含有するモノマーBの例は、N,N’−ジビニルエチレン尿素及び2−(1−イミダゾリン−2−オニル)エチルメタクリレート(例えば、Fa.Elf Atochem社のNorsocryl(R)100として市販されている)である。
少なくとも1個のN−複素環基を含有するモノマーBの例は、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、1−ビニルイミダゾール、2−ビニルイミダゾール及びN−ビニルカルバゾールである。
以下の化合物:2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、2−ビニルイミダゾール、2−(N,N−ジメチルアミノ)エチルアクリレート、2−(N,N−ジメチルアミノ)エチルメタクリレート、2−(N,N−ジエチルアミノ)エチルアクリレート、2−(N,N−ジエチルアミノ)エチルメタクリレート、2−(N−t−ブチルアミノ)エチルメタクリレート、N−(3−N’,N’−ジメチルアミノプロピル)メタクリルアミド及び2−(1−イミダゾリン−2−オニル)エチルメタクリレートを使用することが好ましい。
水性反応媒質のpH値に応じて、上述の窒素含有モノマーBの一部又は全量が、窒素でプロトン化された第4級アンモニウム形で存在していてよい。
窒素で第4級アルキルアンモニウム構造を有するモノマーBとしては、例として、2−(N,N,N−トリメチルアンモニウム)エチルアクリレートクロリド(例えば、Fa.Elf Atochem社のNorsocryl(R)ADAMQUAT MC80として市販されている)、2−(N,N,N−トリメチルアンモニウム)エチルメタクリレートクロリド(例えば、Fa.Elf Atochem社のNorsocryl(R)MADQUAT MC75として市販されている)、2−(N−メチル−N,N−ジエチルアンモニウム)エチルアクリレートクロリド、2−(N−メチル−N,N−ジエチルアンモニウム)エチルメタクリレートクロリド、2−(N−メチル−N,N−ジプロピルアンモニウム)エチルアクリレートクロリド、2−(N−メチル−N,N−ジプロピルアンモニウム)エチルメタクリレート、2−(N−ベンジル−N,N−ジメチルアンモニウム)エチルアクリレートクロリド(例えば、Fa.Elf Atochem社のNorsocryl(R)ADAMQUAT BZ80として市販されている)、2−(N−ベンジル−N,N−ジメチルアンモニウム)エチルメタクリレートクロリド(例えば、Fa.Elf Atochem社のNorsocryl(R)MADQUAT BZ75として市販されている)、2−(N−ベンジル−N,N−ジエチルアンモニウム)エチルアクリレートクロリド、2−(N−ベンジル−N,N−ジエチルアンモニウム)エチルメタクリレートクロリド、2−(N−ベンジル−N,N−ジプロピルアンモニウム)エチルアクリレートクロリド、2−(N−ベンジル−N,N−ジプロピルアンモニウム)エチルメタクリレートクロリド、3−(N,N,N−トリメチルアンモニウム)プロピルアクリレートクロリド、3−(N,N,N−トリメチルアンモニウム)プロピルメタクリレートクロリド、3−(N−メチル−N,N−ジエチルアンモニウム)プロピルアクリレートクロリド、3−(N−メチル−N,N−ジエチルアンモニウム)プロピルメタクリレートクロリド、3−(N−メチル−N,N−ジプロピルアンモニウム)プロピルアクリレートクロリド、3−(N−メチル−N,N−ジプロピルアンモニウム)プロピルメタクリレートクロリド、3−(N−ベンジル−N,N−ジメチルアンモニウム)プロピルアクリレートクロリド、3−(N−ベンジル−N,N−ジメチルアンモニウム)プロピルメタクリレートクロリド、3−(N−ベンジル−N,N−ジエチルアンモニウム)プロピルアクリレートクロリド、3−(N−ベンジル−N,N−ジエチルアンモニウム)プロピルメタクリレートクロリド、3−(N−ベンジル−N,N−ジプロピルアンモニウム)プロピルアクリレートクロリド及び3−(N−ベンジル−N,N−ジプロピルアンモニウム)プロピルメタクリレートクロリドが挙げられる。上述の塩化物の代わりに、相応の臭化物及び硫化物を使用してよいことは勿論である。
2−(N,N,N−トリメチルアンモニウム)エチルアクリレートクロリド、2−(N,N,N−トリメチルアンモニウム)エチルメタクリレートクロリド、2−(N−ベンジル−N,N−ジメチルアンモニウム)エチルアクリレートクロリド及び2−(N−ベンジル−N,N−ジメチルアンモニウム)エチルメタクリレートクロリドを使用することが好ましい。
上述のエチレン性不飽和モノマーの混合物を使用してもよいことは勿論である。
ラジカル重合による水性複合粒子分散液の製造のために、ラジカル水性乳化重合を生ずることができる全種のラジカル重合開始剤が挙げられる。このラジカル重合開始剤には、原則的にペルオキシドもアゾ化合物も該当する。勿論、レドックス開始剤系も挙げられる。ペルオキシドとしては、原則的に、無機ペルオキシド、例えば過酸化水素又はペルオキソ二硫酸塩、例えばペルオキソ二硫酸のモノ−及びジ−ナトリウム−、−カリウム−若しくはアンモニウム塩又は有機ペルオキシド、例えばアルキルヒドロペルオキシド、例えばt−ブチル−、p−メンチル−又はクミルヒドロペルオキシド、並びにジアルキル−又はジアリールペルオキシド、例えばジ−t−ブチル−又はジクミルペルオキシドを使用する。アゾ化合物としては、主として2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)及び2,2’−アゾビス(アミジノプロピル)二塩酸塩(AIBA、Wako Chemicals社のV−50に相当)を使用する。レドックス開始剤系のための酸化剤としては、主として上述のペルオキシドが挙げられる。相応の還元剤としては、酸化度が小さい硫黄化合物、例えばアルカリ亜硫酸塩、例えば亜硫酸カリウム及び/又は亜硫酸ナトリウム、アルカリ亜硫酸水素塩、例えば亜硫酸水素カリウム及び/又は亜硫酸水素ナトリウム、アルカリメタ重亜硫酸塩、例えばメタ重亜硫酸カリウム及び/又はメタ重亜硫酸ナトリウム、ホルムアルデヒドスルホキシル酸塩、例えばホルムアルデヒドスルホキシル酸カリウム及び/又はホルムアルデヒドスルホキシル酸ナトリウム、アルカリ塩、特に脂肪族スルフィン酸のカリウム塩及び/又はナトリウム塩、並びにアルカリ金属硫化水素、例えば硫化水素カリウム及び/又は硫化水素ナトリウム、多価金属塩、例えば硫酸鉄(II)、硫酸鉄(II)アンモニウム、リン酸鉄(II)、エンジオール、例えばジヒドロキシマレイン酸、ベンゾイン及び/又はアスコルビン酸並びに還元糖類、例えばソルボース、グルコース、フルクトース及び/又はジヒドロキシアセトンを使用することができる。一般的に、使用されるラジカル重合開始剤の量は、モノマー混合物の全量に対して0.1〜5質量%である。
微細の無機固体の存在下でのラジカル水性重合反応のための反応温度としては、0〜170℃の全範囲が挙げられる。この場合、一般的には50〜120℃、特に60〜110℃、有利には≧70〜100℃の温度を適用する。このラジカル水性乳化重合は、1バール(絶対圧)より小さい圧力、これと同じ圧力又はこれより大きい圧力で実施してよく、その際、この重合温度は100℃を超過しており、かつ170℃までであってよい。易揮発性のモノマー、例えばエチレン、ブタジエン又は塩化ビニルを、圧力を高めて重合させることが好ましい。この場合、1.2、1.5、2、5、10、15バールの圧力又は更に高い値を設定してよい。乳化重合を低圧で実施するのであれば、950ミリバール、特に900ミリバール、有利には850ミリバール(絶対圧)の圧力に調節する。ラジカル水性重合を1バール(絶対圧)で不活性ガス雰囲気下で、例えば窒素又はアルゴン下で実施することが有利である。
この水性反応媒質は、原則的に、わずかな程度で、水溶性有機溶剤、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、ペンタノールを有してよいが、アセトン等も有してよい。しかしながら、この重合反応はかかる溶剤の不存在下で実施することが好ましい。
水性複合粒子分散液を製造する方法においては、上述の成分の他に、場合により、ラジカル連鎖移動化合物を使用し、重合により得られるポリマーの分子量を減らすか若しくは調節してもよい。この場合、主として、脂肪族及び/又は芳香脂肪族のハロゲン化合物、例えば、塩化n−ブチル、臭化n−ブチル、ヨウ化n−ブチル、塩化メチレン、二塩化エチレン、クロロホルム、ブロモホルム、ブロモトリクロロメタン、ジブロモジクロロメタン、四塩化炭素、四臭化炭素、塩化ベンジル、臭化ベンジル、有機チオ化合物、例えば第1級、第2級又は第3級脂肪族チオール、例えばエタンチオール、n−プロパンチオール、2−プロパンチオール、n−ブタンチオール、2−ブタンチオール、2−メチル−2−プロパンチオール、n−ペンタンチオール、2−ペンタンチオール、3−ペンタンチオール、2−メチル−2−ブタンチオール、3−メチル−2−ブタンチオール、n−ヘキサンチオール、2−ヘキサンチオール、3−ヘキサンチオール、2−メチル−2−ペンタンチオール、3−メチル−2−ペンタンチオール、4−メチル−2−ペンタンチオール、2−メチル−3−ペンタンチオール、3−メチル−3−ペンタンチオール、2−エチルブタンチオール、2−エチル−2−ブタンチオール、n−ヘプタンチオール及びその異性体化合物、n−オクタンチオール及びその異性体化合物、n−ノナンチオール及びその異性体化合物、n−デカンチオール及びその異性体化合物、n−ウンデカンチオール及びその異性体化合物、n−ドデカンチオール及びその異性体化合物、n−トリデカンチオール及びその異性体化合物、置換チオール、例えば2−ヒドロキシエタンチオール、芳香族チオール、例えばベンゼンチオール、オルト−、メタ−、又はパラ−メチルベンゼンチオール、並びにポリマーハンドブック第3版、1989年、J.ブランドラップ、E.H.イマーグート著、ジョンウェレイ&サンス、II章、133〜141頁(Polymerhandbook 3rd edition, 1989, J.Brandrup und E.H.Immergut, John Weley & Sons, Abschnitt II, Seiten 133 bis 141)に記載されている他の全種の硫黄化合物を使用するが、脂肪族及び/又は芳香族アルデヒド、例えばアセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド及び/又はベンズアルデヒド、不飽和脂肪酸、例えばオレイン酸、非共役二重結合を有するジエン、例えばジビニルメタン又はビニルシクロヘキサン又は容易に引抜き可能な水素原子を有する炭化水素、例えばトルエンをも使用する。しかし、妨げにならない上述のラジカル連鎖移動化合物の混合物を使用することも可能である。場合により使用されるラジカル連鎖移動化合物の全量は、重合されるべきモノマーの全量に対して一般的に≦5質量%、有利には≦3質量%、特に≦1質量%である。
本発明により使用される水性複合粒子分散液は、慣用的に、全固体含有率が1〜70質量%、特に5〜65質量%、有利には10〜60質量%である。
本発明により使用される複合粒子の粒径は、一般的に>10nmでありかつ≦1000nm、特に≦500nm、有利には≦250nmである。この粒径の測定も、分析用遠心分離の方法により実施する。挙げられた値は、いわゆるd50値に相当する。
本発明により使用される複合粒子は、種々の構造を有していてよい。この場合、この複合粒子は、1種又は複数種の微細の固体粒子を含有してよい。この微細の固体粒子は、ポリマーマトリックスにより完全に包囲されていてよい。しかし、一部の微細の固体粒子をポリマーマトリックスにより包囲させる一方で、その他の粒子をそのポリマーマトリックスの表面上に配置させることも可能である。大部分の微細の固体粒子をポリマーマトリックスの表面上に結合させることも勿論可能である。
特に、複合粒子が皮膜化可能なポリマーから構成されており、かつ最低皮膜形成温度が≦150℃、好ましくは≦100℃、特に好ましくは≦50℃である複合粒子分散液を使用する。この0℃未満の最低皮膜形成温度は測定不可能であるので、最低皮膜形成温度の下限値はガラス転移温度によってのみ示すことができる。この場合、このガラス転移温度はー60℃、好ましくはー30℃未満でないことが好ましい。この最低皮膜形成温度の測定は、DIN53787若しくはISO2115により実施し、かつガラス転移温度の測定は、DIN53765(示差走査熱分析、20K/分、中点値測定)により実施する。
本発明にかかる方法により得られる水性複合粒子分散液は、ヒドロキシ基を含有するアルキルアミノ化合物を含有しない水性複合粒子分散液とは異なって、明らかに貯蔵安定性が大きい。
本発明にかかる複合粒子分散液は、特に水性配合物の製造、並びに接着剤、例えば圧感接着剤、建築用接着剤又は工業用接着剤、バインダー、例えば紙塗工用、分散着色剤用又はプラスチックフィルム印刷のためのインク及び印刷塗料用のバインダーの製造、フリース原料の製造並びに例えば下塗りの際の保護層及び防湿層の製造のための原料として好適である。更に、本発明にかかる方法により得られる複合粒子分散液は、セメント配合物及びモルタル配合物の改変に利用することもできる。本発明にかかる方法により得られる複合粒子は、原則的に、医学診断並びに他の医学用途に使用することもできる(例えば、K.モスバフ、L.アンデルソン著、ネイチャー誌、1977年、270号、259〜261頁(K. Mosbach und L. Andersson, Nature, 1977, 270, Seiten 259 bis 261);P.L.クロニック著、サイエンス誌、1978年、200号、1074〜1076頁(P.L.Kronick, Science 1978, 200, Seiten 1074 bis 1076);US−A4157323号を参照のこと)。有利には、本発明にかかる複合粒子分散液は、水性被覆剤、例えば分散着色剤、塗料又は下塗剤の製造に好適である。
この場合、水性複合粒子分散液並びに少なくとも1種のヒドロキシ基を含有するアルキルアミノ化合物を含有する水性配合物が、明らかに貯蔵安定性が大きく、従ってより長時間の貯蔵後にも確実に処理することができる点が重要である。
実施例
I.水性複合粒子分散液の製造
還流冷却器、温度計、機械的撹拌機並びに計量供給装置を備えた2lの4首フラスコ中に、20〜25℃(室温)で、かつ1バール(絶対圧)で窒素雰囲気下で撹拌しつつ(毎分200回転)、416.6gのNyaol(R)2040を添加し、次いで2.5gのメタクリル酸と12gの水酸化ナトリウム10質量%水溶液とからの混合物を5分以内で添加した。次いで、この撹拌された反応混合物に、15分にわたって、10.4gの非イオン性界面活性剤Lutensol(R)AT18(BASF AG社の商標、平均18個のエチレンオキシド単位を有するC1618−脂肪アルコールエトキシレート)20質量%水溶液と、108.5gの脱イオン水とからの混合物を添加した。次いで、この反応混合物に、60分にわたって、0.83gのN−セチル−N,N,N−トリメチルアンモニウムブロミド(CATB)を200gの脱イオン水に溶かして計量供給した。次いで、この反応混合物を80℃の反応温度まで加熱した。
これと並行して、供給物1として、117.5gのメチルメタクリレート、130gのn−ブチルアクリレート及び0.5gのメタクリルオキシプロピルメトキシシランからなるモノマー混合物並びに、供給物2として、2.5gのペルオキソ二硫酸ナトリウム、7gの水酸化ナトリウム10質量%水溶液及び200gの脱イオン水からなる開始剤溶液を製造した。
次いで、この反応温度で、撹拌された反応混合物に、5分にわたって、2本の別個の供給管を介して21.1gの供給物1及び57.1gの供給物2を添加した。次いで、この反応混合物を反応温度で1時間にわたって撹拌した。次いで、この反応混合物に、0.92gのDowfax(R)2A1の45質量%水溶液を添加した。この反応混合物に、供給物1及び供給物2の残部を、同時に開始して2時間にわたって連続的に計量供給した。次いで、この反応混合物を更に1時間にわたって反応温度で撹拌し、次いでそれを室温に冷却した。
こうして得られた水性複合粒子分散液の固体含有率は、この水性複合粒子分散液の全質量に対して35.1質量%であった。
II.応用技術的試験
a)水性複合粒子分散液の貯蔵安定性
貯蔵安定性の検査のために、0.175g(水性複合粒子分散液の固体含有率に対して0.5質量%相当)及び0.35g(水性複合粒子分散液の固体含有率に対して1.0質量%に相当)のヒドロキシ基を含有するアルキルアミノ化合物の50質量%水溶液を有するそれぞれ50gの上述の水性複合粒子分散液を使用し、均質に混合し、次いで閉じられた100mlの試料容器中で70℃で貯蔵し、そして毎日、視覚的にゲル化(顕著な粘度増加「蜂蜜様の粘性」)を調査した。第1表に、この種々のアルキルアミノ化合物について得られたゲル化時間を列記する。
第1表:ヒドロキシ基を含有するアルキルアミノ化合物で安定化された水性複合粒子分散液のゲル化時間(日)
Figure 0004523635
b)水性被覆配合物の貯蔵安定性
以下に挙げた構成成分(量(g))から、室温でディスク攪拌機を用いて毎分1000回転で撹拌しつつ、これらの両方の顔料ペーストP1及びP2を混合した。この場合、この混合物の個々の構成成分は挙げられた順序で添加した。
Figure 0004523635
添加完了後に、この両方の顔料ペーストを20分にわたって毎分1000回転で更に撹拌した。次いで、この両方の顔料ペーストそれぞれを更に撹拌しつつ、それぞれに1gの消泡剤(Byk(R)022、Fa.Byk−Chemie GmbH社)、5質量%の固体含有率に希釈された20gの増粘剤溶液(Collacral(R)LR8990、Fa.BASF AG社)並びに597gの上述の水性複合粒子分散液及び27gの脱イオン水を添加した。こうして得られた水性被覆剤を、20分にわたって毎分500回転で撹拌した。更なる試験の前に、この被覆剤を24時間にわたって室温で放置させた。上述の放置段階のうちに、被覆剤P2はゲル化した。
貯蔵安定性の試験のために、この水性被覆剤P1の23℃での粘度を、ICIコーンプレート粘度計(ASTM D4287に準拠)及びブルークフィールドKU1−粘度計(Brookfield KU 1−Viskosimeter)(ASTM D562に準拠)を用いて、50℃での14日間の貯蔵の前及び後に測定した。この場合、粘度変化は実質的に確認できなかった。

Claims (10)

  1. 少なくとも1種のエチレン性不飽和モノマーを重合することにより得られる最低皮膜形成温度が≦50℃のポリマー及び微細の無機固体としてケイ素含有化合物から構成された粒子(複合粒子)であって、該無機固体がポリマーマトリックスにより包囲されている粒子の水性分散液の貯蔵安定性を改善する方法において、水性媒質中に分散した複合粒子の水性分散液(水性複合粒子分散液)の製造前、製造の間又は製造後に、この水性媒質に少なくとも3個の炭素原子を有し、少なくとも1個のヒドロキシ基及び少なくとも1個の第1級アミノ基を含有する非環式アルキル化合物であるヒドロキシ基を含有するアルキルアミノ化合物を添加することを特徴とする方法。
  2. ヒドロキシ基を含有するアルキルアミノ化合物を、水性複合粒子分散液の製造後に、この水性複合粒子分散液の水性媒質に添加することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. ヒドロキシ基を含有するアルキルアミノ化合物を含有する水性複合粒子分散液のpH値が、≧7であり、かつ≦11であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
  4. ヒドロキシ基を含有するアミノ化合物の量が、水性複合粒子分散液の全量に対して0.01〜10質量%であることを特徴とする、請求項1から3までの何れか1項に記載の方法。
  5. 水性複合粒子分散液が、少なくとも1種のエチレン性不飽和モノマーを水性媒質中に分散分布させ、そしてそれを少なくとも1種の分散分布された微細の無機固体及び少なくとも1種の分散剤の存在下で少なくとも1種のラジカル重合開始剤を用いてラジカル水性乳化重合法により重合させる方法により製造されており、その際、
    a)少なくとも1種の無機固体の安定な水性分散液を使用し、該水性分散液は、開始固体濃度がこの少なくとも1種の無機固体の水性分散液に対して≧1質量%の場合、その製造1時間後に依然として、最初に分散した固体の90質量%を上回る固体を分散した形で含有し、かつその分散した固体粒子の質量平均直径が≦100nmであることを特徴としており、
    b)この少なくとも1種の無機固体の分散した固体粒子は、分散剤の添加開始前の水性媒質のpH値に相当するpHの標準塩化カリウム水溶液中で、電気泳動移動度が0ではなく、
    c)少なくとも1種のエチレン性不飽和モノマーの添加開始前に、この水性固体粒子分散液と、少なくとも1種の陰イオン性、陽イオン性及び非イオン性の分散剤とを混合し、
    d)次いで、この少なくとも1種のモノマーの全量の0.01〜30質量%を、この水性固体粒子分散液に添加し、そして少なくとも90%の変換率まで重合させ、
    そして、
    e)次いで、この少なくとも1種のモノマーの残量を、重合条件下で、その消費に応じて連続的に添加することを特徴とする、請求項1から4までの何れか1項に記載の方法。
  6. 微細の無機固体が、熱分解法ケイ酸及び/又はコロイドケイ酸及び/又は層状ケイ酸塩であることを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項に記載の方法。
  7. ヒドロキシ基を含有するアミノ化合物が、2−アミノ−2−メチルエタノール、2−アミノ−2,2−ジメチルエタノール、3−アミノプロパノール−1、3−アミノプロパノール−2、3−アミノプロパンジオール−1,2、2−アミノ−2−メチルプロパンジオール−1,3、4−アミノブタノール−1、2−アミノブタノール−1、2−アミノ−3−メチルブタノール−1、5−アミノペンタノール−1、2−(2−アミノエトキシ)−エタノール、6−アミノヘキサノール−1及び7−アミノヘプタノール−1を有する群から選択された化合物であることを特徴とする、請求項1から6までの何れか1項に記載の方法。
  8. 請求項1から7までの何れか1項に記載の方法により得られる水性複合粒子分散液。
  9. 請求項8に記載の水性複合粒子分散液を含有する、水性被覆剤。
  10. 請求項8に記載の水性複合粒子分散液を、水性被覆剤の製造に用いる使用。
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