JPH11209497A - 連続気泡発泡体の製造方法 - Google Patents

連続気泡発泡体の製造方法

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JPH11209497A
JPH11209497A JP958598A JP958598A JPH11209497A JP H11209497 A JPH11209497 A JP H11209497A JP 958598 A JP958598 A JP 958598A JP 958598 A JP958598 A JP 958598A JP H11209497 A JPH11209497 A JP H11209497A
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flame retardant
phosphorus
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JP958598A
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Kenji Iuchi
謙治 居内
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ハロゲン系難燃剤を使用せずに、高い難燃性
が付与され、かつ低発煙性を有するポリオレフィン系樹
脂からなる連続気泡発泡体が容易に得られる製造方法を
提供する。 【解決手段】 ポリオレフィン系樹脂、熱分解型発泡
剤、架橋剤、並びに、リン含有化合物、窒素含有化合物
及び無機酸化物を含有する難燃剤からなる樹脂組成物
(I)を、無架橋の状態で混練成形した後加熱により架
橋及び発泡を同時進行的に行って架橋発泡体となし、該
架橋発泡体の気泡に機械的変形を加えることにより連通
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は連続気泡発泡体の製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリオレフィン系樹脂からなる連
続気泡発泡体を製造する方法として、幾つかの方法が提
案されている。例えば、特開昭57−191027号公
報には、ポリオレフィン系樹脂に発泡剤及び架橋剤を添
加混練して得られた樹脂組成物を常圧下で加熱すること
によって発泡剤及び架橋剤を分解させ、架橋と発泡とを
同時進行的に行わせた後、機械的変形を加えることによ
って気泡を連通する方法が示されている。
【0003】しかしながら、ポリエチレン系樹脂、ポリ
プロピレン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂は、極めて
燃焼し易いため、ポリオレフィン系樹脂の成形体を床
材、壁材や、航空機、列車、船舶等の内装材に使用する
ことは困難であった。
【0004】上記ポリオレフィン系樹脂からなる連続気
泡発泡体を難燃化する方法として、一般的には、ハロゲ
ン系難燃剤を添加する方法が実施されている。しかしな
がら、この方法ではハロゲン系難燃剤の添加によって、
確かに高度の難燃性を付与することはできるが、加工時
や燃焼時に多量の煙を発生するため、機器の腐食、作業
環境の汚染等を起こすという問題点があった。
【0005】また、特開平2−215844号公報に
は、ハロゲン系難燃剤が配合されたポリオレフィン系樹
脂の連続気泡発泡体に、リン系難燃剤を含浸させ電子線
照射によってグラフトする方法が開示されている。しか
しながら、燃焼時に多量の煙を発生するため、発煙量が
厳しく規制されている航空機、列車、船舶等の内装材に
使用することはできなかった。
【0006】また、特開平2−22317号公報には、
ポリオレフィン系樹脂の連続気泡発泡体に、ビニルフォ
スフォネート化合物を含浸させ電子線照射によってグラ
フトする方法が開示されている。しかしながら、ビニル
フォフォネート化合物のようなリン化合物単独では難燃
効果が十分ではないため、高難燃性の発泡体を得るため
には多量に添加する必要があり、価格的のみならず、製
造工程上からも問題があった。
【0007】また、難燃剤として一般に広く用いられて
いる水酸化アルミニウム等の水和金属酸化物は、十分な
難燃性を付与するためには大量に添加する必要があるた
め、高い発泡倍率の連続気泡発泡体を得ることが困難で
あった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ハロ
ゲン系難燃剤を使用せずに、高い難燃性が付与され、か
つ低発煙性を有するポリオレフィン系樹脂の連続気泡発
泡体が容易に得られる製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明(以
下、本発明1という)の連続気泡発泡体の製造方法は、
ポリオレフィン系樹脂100重量部、熱分解型発泡剤1
〜30重量部、架橋剤0.3〜3重量部、並びに、リン
含有化合物、窒素含有化合物及び無機酸化物を含有する
難燃剤5〜100重量部からなり、該難燃剤中のリン含
有化合物、窒素含有化合物及び無機酸化物の重量比が、
1000:(100〜3000):(1〜200)であ
る樹脂組成物(I)を、無架橋の状態で混練成形した後
加熱により架橋及び発泡を同時進行的に行って架橋発泡
体となし、該架橋発泡体の気泡に機械的変形を加えるこ
とにより連通することを特徴とする。
【0010】本発明1で用いられる樹脂組成物(I)
は、ポリオレフィン系樹脂、熱分解型発泡剤、架橋剤、
並びに、リン含有化合物、窒素含有化合物及び無機酸化
物よりなる難燃剤からなる。
【0011】上記ポリオレフィン系樹脂としては、例え
ば、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度
ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、アイソタク
チックポリプロピレン、シンジオタクチックポリプロピ
レン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。
これらの中でも、高発泡倍率の発泡体が容易に得られる
点で、低密度ポリエチレン及びエチレン−酢酸ビニル共
重合体が好ましい。
【0012】上記熱分解型発泡剤としては、分解温度
が、上記ポリオレフィン系樹脂の融点(DSCでのピー
ク温度)より20〜70℃高いものが好ましく、かつ、
分解終了温度が150〜210℃の範囲にあるものが好
ましい。分解終了温度が、低くなると発泡性が低下し、
高くなると発泡が不完全に終わることが多くなる。
【0013】このような熱分解型発泡剤としては、例え
ば、アゾジカルボンアミド(分解開始温度=200℃、
分解終了温度=210℃)、N,N’−ジニトロソペン
タメチレンテトラミン(分解開始温度=200℃、分解
終了温度=205℃)、4,4'-オキシビスベンゼンス
ルホニルヒドラジド(分解開始温度=155℃、分解終
了温度=160℃)等が挙げられ、これらは単独で使用
されても2種以上が併用されてもよい。上記熱分解型発
泡剤の中でも、発生ガス量、取扱いの容易さ等の点か
ら、特にアゾジカルボンアミドが好ましい。
【0014】上記樹脂組成物(I)において、熱分解型
発泡剤の添加量は所望の発泡倍率に応じて適宜決定され
るが、少なくなると所望の発泡倍率が得られず、多くな
ると架橋と発泡とを同時進行的に行うことが困難になる
ので、上記ポリオレフィン系樹脂100重量部に対し
て、1〜30重量部に制限される。
【0015】上記熱分解型発泡剤には、その分解温度、
分解速度等を調節する目的で、発泡助剤が添加されても
よい。発泡助剤としては、例えば、酸化亜鉛;尿素又は
その誘導体;ステアリン酸マグネシウムなどのステアリ
ン酸塩等が挙げられ、これらは単独で使用されても2種
以上が併用されてもよく、所望の発泡倍率、気泡形状等
に応じて、組み合わせや添加量が適宜決定される。
【0016】上記架橋剤は、分解速度が速すぎたり遅す
ぎたりすると架橋と発泡とを同時進行的に行うことが困
難になるので、1分間の半減温度(以下、「半減温度」
と記す)が150〜190℃のものが好ましい。このよ
うな架橋剤としては、例えば、ジクミルペルオキシド
(半減温度=171℃)、α,α’−ビス(t−ブチル
ペルオキシイソプロピル)ベンゼン(半減温度=182
℃)、t−ブチルペルオキシクメン(半減温度=178
℃)等が挙げられる。
【0017】上記樹脂組成物(I)において、架橋剤の
添加量は所望の架橋度に応じて適宜決定されるが、少な
くなると所望の架橋度が得られず、多くなると架橋と発
泡とを同時進行的に行うことが困難になるので、ポリオ
レフィン系樹脂100重量部に対して、0.3〜3重量
部に制限される。
【0018】上記難燃剤としては、リン含有化合物、窒
素含有化合物及び無機酸化物の混合物が用いられる。
【0019】上記リン含有化合物としては、例えば、赤
リン、リン酸亜鉛、リン酸メラミン、リン酸カルシウ
ム、リン酸マグネシウム、ポリリン酸アミド、ポリリン
酸アンモニウム、トリフェニルホスフェート、トリクレ
ジルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート等
が挙げられる。これらの中でも、特にポリリン酸アンモ
ニウムが、高い難燃効果や使用上の安全性の点から好ま
しい。
【0020】上記ポリリン酸アンモニウムは、一般式
(NH4 PO3)n で表される易流動性の粉末で水に難溶
性の物質であり、分散性の点から、n=100〜1,0
00のものが好ましい。
【0021】上記窒素含有化合物としては、例えば、尿
素、メラミン、シアヌル酸、ビウレット、バルビツール
酸、尿酸、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌ
レート等が挙げられる。これらの中でも、特にトリス
(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートは、ポリオ
レフィン系樹脂との親和性に優れており、高い難燃性や
高発泡倍率の発泡体が得られるので好ましい。
【0022】上記無機酸化物としては、例えば、酸化
鉄、酸化コバルト、酸化アルミニウム、酸化マグネシウ
ム、酸化ニッケル、酸化チタン、酸化銅、酸化珪素、酸
化マンガン、酸化亜鉛等が挙げられる。これらの中で、
複数の酸化状態を取り得るものもあるが、いかなる酸化
数の化合物を用いてもよく、これらは単独で使用されて
も2種以上が併用されてもよい。但し、三酸化アンチモ
ンは、ハロゲン系難燃剤との併用による相乗効果は高い
が、リン含有化合物や窒素含有化合物との相乗効果が小
さく、毒性があるため、本発明での使用は好ましくな
い。
【0023】上記難燃剤におけるリン含有化合物、窒素
含有化合物及び無機酸化物の3成分の重量比は、100
0:(100〜3000):(1〜200)であること
が好ましい。3成分の重量比が、上記範囲を外れると、
得られる連続気泡発泡体に十分な難燃性を付与すること
ができなくなる。
【0024】上記樹脂組成物(I)において、難燃剤の
添加量は、少なくなると発泡体に十分な難燃性を付与す
ることができず、多くなると成形が困難になって高発泡
倍率の発泡体が得られなくなるので、ポリオレフィン系
樹脂100重量部に対して、5〜100重量部に制限さ
れ、好ましくは10〜40重量部である。
【0025】また、上記難燃剤を熱重量分析した際に1
000℃における燃焼残渣は、少なくなると、燃焼時に
リン含有化合物、窒素含有化合物及び無機酸化物の3成
分から生成する難燃性皮膜の強度が不足して、高い難燃
性の連続気泡発泡体が得られなくなるので、10重量%
以上が好ましい。
【0026】上記樹脂組成物(I)には、得られる連続
気泡発泡体の破泡性を改良する目的で、各種添加剤が添
加されてもよい。このような添加剤としては、例えば、
炭酸カルシウム、タルク等の無機物が用いられる。上記
添加剤によって、発泡体のセル壁の強度が脆弱なものと
なり、機械的変形を施す際に気泡が容易に破壊する。
【0027】上記樹脂組成物(I)には、さらに必要に
応じて、抗菌剤、消臭剤、顔料等が添加されてもよい。
【0028】本発明1の製造方法では、上記ポリオレフ
ィン系樹脂、熱分解型発泡剤、架橋剤及び難燃剤をニー
ダー等の混練機に供給して混練し、得られた樹脂組成物
(I)を所定の形状の金型に仕込み、プレス成形機にて
加圧下でポリオレフィン系樹脂や架橋剤の種類に応じて
所定の温度で成形する。
【0029】上記成形の工程では、成形物が無架橋の状
態を維持できるような加熱条件(温度及び時間)が好ま
しく、具体的な加熱条件としては、例えば、架橋剤とし
てジクミルペルオキシド(1分間半減温度171℃)を
用いた場合は、130〜140℃、10〜30分間が好
ましい。尚、本発明でいう無架橋の状態とは架橋度が実
質的に0%の状態をいう。
【0030】上記架橋度は以下の方法により測定された
値である。まず、任意の時点での発泡体を厚さ方向に精
密に約100mg秤取し、120℃のキシレン100m
l中に24時間浸した後、200メッシュのステンレス
製金網でろ過し、金網上の不溶解分を真空乾燥する。次
に、不溶解分の重量を精密に秤量し、架橋度を以下の式
により百分率で算出する。 架橋度(%)=(不溶解分の重量/秤取した発泡体の重
量)×100
【0031】上記成形の工程で架橋が生じると、後の工
程で機械的変形により気泡を連通しても、連続気泡率が
極めて低い発泡体しか得られない。この工程では、通常
発泡剤の分解は起こらないことが好ましいが、発泡助剤
の種類や量によって発泡剤に若干の分解が起こってもよ
い。
【0032】次いで、成形された樹脂組成物(I)を、
常圧下で加熱することによって、架橋剤及び熱分解型発
泡剤の分解を同時進行的に行って架橋発泡体を得る。加
熱方法としては、特に限定されず、例えば、所定の形状
の金型内に樹脂組成物(I)の成形物を供給して加熱し
た後冷却して架橋発泡体を得る。加熱条件は、使用する
ポリオレフィン系樹脂や熱分解型発泡剤の種類によって
適宜決定されるが、通常は150〜200℃の温度で、
10〜90分間の加熱時間が好ましい。
【0033】上記架橋発泡体は独立気泡性のものである
が、機械的変形を加えることにより気泡を連通し、連続
気泡発泡体が得られる。
【0034】上記機械的変形を加える方法としては、従
来公知の任意の方法が採用されてよく、例えば、等速で
回転する2本のロール間に独立気泡性の発泡体を通し、
発泡体厚さの1〜10%程度の厚さに圧縮する方法が挙
げられる。機械的変形は1回加えるだけでもよく、複数
回繰返して加えてもよい。
【0035】次に、請求項4記載の発明について説明す
る。請求項4記載の発明(以下、本発明4という)の連
続気泡発泡体の製造方法は、ポリオレフィン系樹脂10
0重量部、熱分解型発泡剤1〜30重量部、架橋剤0.
3〜3重量部、並びに、熱膨張性黒鉛及びリン含有化合
物を含有する難燃剤5〜100重量部からなり、難燃剤
中の熱膨張性黒鉛及びリン含有化合物の重量比が、1:
30〜30:1である樹脂組成物(II)を、無架橋の状
態で混練成形した後加熱により架橋及び発泡を同時進行
的に行って架橋発泡体となし、該架橋発泡体の気泡に機
械的変形を加えることにより連通することを特徴とす
る。
【0036】本発明4で用いられる樹脂組成物(II)
は、ポリオレフィン系樹脂、熱分解型発泡剤、架橋剤、
並びに、熱膨張性黒鉛及びリン含有化合物を含有する難
燃剤からなる。
【0037】上記樹脂組成物(II)において、ポリオレ
フィン系樹脂、熱分解型発泡剤及び架橋剤としては、本
発明1と同様のものが用いられる。
【0038】上記樹脂組成物(II)において、難燃剤と
して熱膨張性黒鉛及びリン含有化合物を含有する混合物
が用いられる。
【0039】上記熱膨張性黒鉛は、従来公知の物質であ
り、例えば、天然鱗状グラファイト、熱分解グラファイ
ト、キッシュグラファイト等の粉末を、濃硫酸、硝酸、
セレン酸等の無機酸と、濃硝酸、過塩素酸、過塩素酸
塩、過マンガン酸塩、重クロム酸塩、過酸化水素等の強
酸化剤とで処理することにより生成するグラファイト層
間化合物であり、炭素の層状構造を維持したままの結晶
化合物である。
【0040】上述のように酸処理して得られた熱膨張性
黒鉛は、更にアンモニア、脂肪族低級アミン、アルカリ
金属化合物、アルカリ土類金属化合物等で中和すること
が好ましい。
【0041】上記脂肪族低級アミンとしては、例えば、
モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミ
ン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン等が
挙げられる。上記アルカリ金属化合物及びアルカリ土類
金属化合物としては、例えば、カリウム、ナトリウム、
カルシウム、バリウム、マグネシウム等の水酸化物、酸
化物、炭酸塩、硫酸塩、有機酸塩などが挙げられる。
【0042】上記中和処理された熱膨張性黒鉛の粒度
は、20〜200メッシュが好ましい。粒度が200メ
ッシュより小さくなると、黒鉛の膨張度が小さくなるた
め発泡体の難燃性が低下し、粒度が20メッシュより大
きくなると、黒鉛の膨張度が大きくなるため発泡体の難
燃性は向上するが、ポリオレフィン系樹脂と混練する際
に分散性が悪くなり、物性の低下が避けられない。
【0043】上記リン含有化合物としては、本発明1と
同様のものが用いられるが、特にポリリン酸アンモニウ
ム又は赤リンの使用が、難燃性及び取扱いの容易さから
好ましい。
【0044】上記赤リンは、市販の赤リンを用いること
ができるが、耐湿性、混練時に自然発火しない等の安全
性の点から、赤リン粒子の表面を樹脂でコーティングし
たものが好適に用いられる。
【0045】上記難燃剤における熱膨張性黒鉛及びリン
含有化合物の重量比は、1:30〜30:1であること
が好ましい。熱膨張性黒鉛の割合が多くなると、燃焼時
に膨張した黒鉛が飛散するため十分な難燃性を有する発
泡体が得られず、逆にリン含有化合物の割合が多くなる
と黒鉛の量が不足するため、発泡体の難燃性が低下す
る。
【0046】上記樹脂組成物(II)において、難燃剤の
添加量は、少なくなると発泡体に十分な難燃性を付与す
ることができず、多くなると成形が困難になって高発泡
倍率の発泡体が得られなくなるので、ポリオレフィン系
樹脂100重量部に対して、3〜100重量部に制限さ
れ、好ましくは5〜30重量部である。
【0047】本発明4の製造方法では、上記ポリオレフ
ィン系樹脂、熱分解型発泡剤、架橋剤及び難燃剤をニー
ダー等の混練機に供給して混練し、得られた樹脂組成物
(II)を使用して、本発明1と同様の方法で連続気泡発
泡体を得る。
【0048】本発明で得られる連続気泡発泡体は、ポリ
オレフィン系樹脂の特徴である、高い耐水性、耐薬品
性、耐候性等の優れた性質と同時に、高い圧縮回復性、
連続気泡率を有し、かつ優れた難燃性と低発煙性を有す
る。
【0049】
【発明の実施の形態】以下に実施例を挙げて本発明の態
様を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみ
に限定されるものではない。
【0050】(実施例1〜4、比較例1〜4)高密度ポ
リエチレン〔密度:0.920g/cm3 、メルトイン
デックス(MI)=3〕50重量部、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体(酢酸ビニル含有量:15重量%)50重
量部、熱分解型発泡剤としてアゾジカルボンアミド20
重量部、発泡助剤として酸化亜鉛0.1重量部、架橋剤
としてジクミルペルオキシド0.7重量部、及び、表
1、表2に示した所定量の成分からなる難燃剤を110
℃のニーダーで混練した後、混練物を30cm×30c
m×5cm(深さ)のサイズの凹部を有する金型に供給
して、135℃で25分間加熱して樹脂組成物を調製し
た。上記樹脂組成物を、175℃のオーブン中で60分
間加熱して、架橋及び発泡を同時に行わせ、発泡倍率3
0倍の架橋発泡体を得た。次いで、得られた架橋発泡体
を厚み5cmにスライスした後、2本の等速ロール(ロ
ール直径10cm、回転速度5rpm)間を通過させ
て、厚み2mmに機械的に圧縮し連続気泡発泡体を得
た。
【0051】上記実施例及び比較例で得られた連続気泡
発泡体につき、下記項目(1)〜(5)の測定及び評価
を行い、その結果を表1及び表2に示した。 (1)発泡倍率 連続気泡発泡体の密度を、ミラージュ社製電子比重計
「ED120T」を用いて測定し、密度の逆数から発泡
倍率を算出した。 (2)独立気泡率 ASTM D−1940−62Tに準拠して測定した。 (3)外観 連続気泡発泡体の両面を目視で観察し、表面に発泡ムラ
等の外観不良が見られなかった場合を○、外観不良が見
られた場合を×と、評価した。 (4)難燃性 JIS D 1201に準拠して酸素指数を測定し、酸
素指数25以上のものを○、酸素指数25未満のものを
×と、評価した。 (5)発煙性 JIS D 1201に準拠して発煙性を評価した。
【0052】(6)難燃剤の燃焼残差 セイコー電子社製熱重量分析装置「TG/DTA32
0」を用いて、約10mgの試料(難燃剤)を、窒素雰
囲気下、昇温速度10℃/分の条件で、常温から100
0℃まで加熱して熱重量分析を行い、その残存重量を測
定した後、難燃剤の初期重量と残存重量から燃焼残差
〔(残存重量/初期重量)×100〕(%)を算出し、
表1及び表2に示した。
【0053】
【表1】
【0054】
【表2】
【0055】(実施例5〜10、比較例5〜10)直鎖状低
密度ポリエチレン〔密度:0.870g/cm3 、メル
トインデックス(MI)=5〕50重量部、エチレン−
酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル含有量:15重量%)
50重量部、熱分解型発泡剤としてアゾジカルボンアミ
ド20重量部、発泡助剤として酸化亜鉛0.1重量部、
架橋剤としてジクミルペルオキシド0.7重量部、及
び、表3、表4に示した所定量の成分からなる難燃剤を
110℃のニーダーで混練した後、混練物を30cm×
30cm×5cm(深さ)のサイズの凹部を有する金型
に供給して、135℃で25分間加熱して樹脂組成物を
調製した。上記樹脂組成物を、175℃のオーブン中で
60分間加熱して、架橋及び発泡を同時に行わせ、発泡
倍率30倍の架橋発泡体を得た。次いで、得られた架橋
発泡体を厚み5cmにスライスした後、2本の等速ロー
ル(ロール直径10cm、回転速度5rpm)間を通過
させて、厚み2mmに機械的に圧縮し連続気泡発泡体を
得た。
【0056】上記実施例5〜10及び比較例5〜10で得ら
れた連続気泡発泡体につき、実施例1と同様にして、上
記項目(2)〜(5)の測定及び評価を行い、その結果
を表3及び表4に示した。
【0057】
【表3】
【0058】
【表4】
【0059】
【発明の効果】本発明の連続気泡発泡体の製造方法は、
上述の通りであり、得られるポリオレフィン系樹脂の連
続気泡発泡体は、高い難燃性及び低発煙性を有するの
で、航空機、列車、船舶等の内装材に好適に使用するこ
とができる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオレフィン系樹脂100重量部、熱
    分解型発泡剤1〜30重量部、架橋剤0.3〜3重量
    部、並びに、リン含有化合物、窒素含有化合物及び無機
    酸化物を含有する難燃剤5〜100重量部からなり、該
    難燃剤中のリン含有化合物、窒素含有化合物及び無機酸
    化物の重量比が、1000:(100〜3000):
    (1〜200)である樹脂組成物(I)を、無架橋の状
    態で混練成形した後加熱により架橋及び発泡を同時進行
    的に行って架橋発泡体となし、該架橋発泡体の気泡に機
    械的変形を加えることにより連通することを特徴とする
    連続気泡発泡体の製造方法。
  2. 【請求項2】 リン含有化合物がポリリン酸アンモニウ
    ムであり、窒素含有化合物がトリス(2−ヒドロキシル
    エチル)イソシアヌレートであることを特徴とする請求
    項1記載の連続気泡発泡体の製造方法。
  3. 【請求項3】 難燃剤を熱重量分析した際に1000℃
    における燃焼残渣が10重量%以上であることを特徴と
    する請求項1又は2記載の連続気泡発泡体の製造方法。
  4. 【請求項4】 ポリオレフィン系樹脂100重量部、熱
    分解型発泡剤1〜30重量部、架橋剤0.3〜3重量
    部、並びに、熱膨張性黒鉛及びリン含有化合物を含有す
    る難燃剤5〜100重量部からなり、該難燃剤中の熱膨
    張性黒鉛及びリン含有化合物の重量比が、1:30〜3
    0:1である樹脂組成物(II)を、無架橋の状態で混練
    成形した後加熱により架橋及び発泡を同時進行的に行っ
    て架橋発泡体となし、該架橋発泡体の気泡に機械的変形
    を加えることにより連通することを特徴とする連続気泡
    発泡体の製造方法。
  5. 【請求項5】 リン含有化合物がポリリン酸アンモニウ
    ム又は赤リンであることを特徴とする請求項4記載の連
    続気泡発泡体の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005264005A (ja) * 2004-03-19 2005-09-29 Sanwa Kako Co Ltd 難燃性導電性架橋ポリオレフィン系発泡体の製造方法
JP2018002903A (ja) * 2016-07-04 2018-01-11 株式会社ブリヂストン ゴム発泡体用ゴム組成物、それを発泡させてなるゴム発泡体及びシール材
JP2019065151A (ja) * 2017-09-29 2019-04-25 三和化工株式会社 ノンハロゲン難燃性ポリオレフィン系発泡体及びその製造方法

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