JPH11209140A - 光ファイバ用多孔質母材の製造装置 - Google Patents

光ファイバ用多孔質母材の製造装置

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JPH11209140A
JPH11209140A JP924698A JP924698A JPH11209140A JP H11209140 A JPH11209140 A JP H11209140A JP 924698 A JP924698 A JP 924698A JP 924698 A JP924698 A JP 924698A JP H11209140 A JPH11209140 A JP H11209140A
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reaction vessel
optical fiber
porous preform
preform
wall
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JP924698A
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Tetsuo Wada
哲郎 和田
Yukio Komura
幸夫 香村
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Furukawa Electric Co Ltd
Original Assignee
Furukawa Electric Co Ltd
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B37/00Manufacture or treatment of flakes, fibres, or filaments from softened glass, minerals, or slags
    • C03B37/01Manufacture of glass fibres or filaments
    • C03B37/012Manufacture of preforms for drawing fibres or filaments
    • C03B37/014Manufacture of preforms for drawing fibres or filaments made entirely or partially by chemical means, e.g. vapour phase deposition of bulk porous glass either by outside vapour deposition [OVD], or by outside vapour phase oxidation [OVPO] or by vapour axial deposition [VAD]
    • C03B37/01406Deposition reactors therefor

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  • General Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
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  • Materials Engineering (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Manufacture, Treatment Of Glass Fibers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 反応容器の内壁に余剰ガラス微粒子が付着・
堆積することを低減し、ガラス化後の母材内に結晶や泡
が発生するのを抑制若しくはなくす。 【解決手段】 反応容器1内にターゲット6を垂下さ
せ、反応容器1内でターゲット6の下端にバーナ7,8
からの火炎を当てて、火炎中で合成したガラス微粒子を
ターゲット6の先端に堆積させて光ファイバ用多孔質母
材を製造する。反応容器1は、母材9を製造する際の母
材9の先端位置から反応容器1の底部内壁までの最短距
離、及び、母材9の外周面からそれに対面する反応容器
1の内壁までの最短距離が、母材9の外径の1.5倍以
上となるようにその大きさを定める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光ファイバ用多孔質
母材の製造装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】VAD法による光ファイバ用多孔質母材
の製造は、反応容器内のバーナからの酸・水素火炎中に
原料ガス(例えば、SiCl4 ,GeCl4 )を導入
し、SiO2 ,GeO2 のガラス微粒子を生成し、この
ガラス微粒子をターゲットである種棒の下部に順次堆積
させることにより行っている。
【0003】図7(A)(B)は、従来のこの種の光フ
ァイバ用多孔質ガラス母材の製造装置の構成を示したも
ので、図7(A)はこの装置の正面図、図7(B)は図
7(A)のG−G線断面図である。
【0004】この光ファイバ用多孔質母材の製造装置に
おいては、上部が開口され下部が閉塞された反応容器1
を備え、この反応容器1内は反応室2となっている。こ
の反応容器1は内径D0 の有底円筒状であり、該反応室
2の上部は小径筒部1aとなっていて、内径D0 の部分
の反応容器1の上部の曲率半径はR3 ,底部の曲率半径
はR4 となっている。反応室2の小径筒部1aの上部外
周には上側フランジ部1bが設けられている。この小径
筒部1aの上側フランジ部1b上には、上部筒3がその
下側フランジ部3aを重ねて設けられている。反応容器
1と上部筒3とは、両者のフランジ部1b,3aがクラ
ンプ手段4で気密に連結されている。クランプ手段4
は、一端側がヒンジ部(図示せず)で枢支された断面コ
字状の一対のクランプアーム4aでフランジ部1b,3
aを挟持し、これらクランプアーム4aの他端をボルト
4bとナット(図示せず)で締結した構造になってい
る。上部筒3の上端外周には上側フランジ部3bが設け
られ、この上側フランジ部3bに上蓋5が重ねられて上
部筒3の上側開口部が閉塞されている。上蓋5の中央部
の図示しない孔よりなる開口部から種棒からなるターゲ
ット6が昇降自在に垂下され、その下部が反応室2内に
臨むようにされている。
【0005】また、本装置で光ファイバ用多孔質母材9
を製造すると、図7(B)に示すように母材9の表面と
反応容器1の内壁までの距離L23は母材径Dの1.5倍
より小さくなる(即ち、L23<1.5D)。さらに、図
8に示すように母材9の先端から反応容器1り下部内壁
までの最短距離L24も母材径Dの1.5倍より小さくな
る(即ち、L24<1.5D)。
【0006】反応室2内でターゲット6の先端には、コ
アバーナ7のコア火炎7aとクラッドバーナ8のクラッ
ド火炎8aからなる酸・水素火炎中で生成したガラス微
粒子を堆積させ、成長させてスートと呼ばれる光ファイ
バ用多孔質母材9を得るようになっている。バーナ7,
8の位置に対して光ファイバ用多孔質母材9を挟んだ反
対側の反応容器1の部分には排気管10が接続され、こ
の排気管10には反応室2内の圧力を制御する圧力制御
部11が設けられている。排気管10の位置から周方向
の90°異なる位置の反応容器1の部分には観察用筒部
12が接続され、その先端のフランジ部12aに透明板
13が当接されて観察用筒部12の先端が閉塞され、こ
の透明板13を経て内部が覗けるようになっている。透
明板13はフランジ部12aにクランプ手段14で気密
にクランプされている。クランプ手段14は、一端側が
ヒンジ部14aで枢支された断面コ字状の一対のクラン
プアーム14bでフランジ部12aと透明板13とを挟
持し、これらクランプアーム14bの他端をボルト14
cとナット14dで締結した構造になっている。これら
観察用筒部12,透明板13,クランプ手段14により
観察窓16が構成されている。上部筒3には、吸気口1
5が設けられている。
【0007】このような装置で製造される光ファイバ用
多孔質母材9の重量,体積,濃度分布及び形状は、バー
ナ7,8の位置、各火炎7a,8aの位置、母材9の表
面温度などの要因で変化する。従来は、光ファイバ用多
孔質母材9の製造中の成長速度,母材形状,母材表面温
度を見て、ガス条件、バーナ7,8の位置、排気圧力、
吸気量を調節し、母材9の品質の安定化を図っていた。
【0008】この際に光ファイバ用多孔質母材9は、図
示しない母材先端位置検出器からのオン−オフ信号を利
用して引き上げる。反応室2内の圧力は、排気管10に
設置した圧力制御部11で一定に制御する。光ファイバ
用多孔質母材9の製造中の調整では、例えば、母材先端
の形状を観察窓16から目視で確認しながらガス条件、
バーナ7,8の位置を調節し、成長速度,母材表面温度
を所定量に合わせている。
【0009】図8(A)(B)は、反応容器1内を可視
化して、コア火炎7aと、光ファイバ用多孔質母材9に
堆積しなかった余剰ガラス微粒子流の流線27とを観察
したときの状態を示す。この図において、図8(A)は
該装置に反応容器1の箇所での横断面図、図8(B)は
図8(A)のH−H線断面図である。
【0010】余剰ガラス微粒子流の流線27は、反応容
器1の内壁に沿った流れとなり、サーモフォレシス効果
によって反応容器1の内壁に堆積する。この堆積層は壊
れやすく、再飛散する。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】このように従来の光フ
ァイバ用多孔質母材の製造装置では、光ファイバ用多孔
質母材9の製造中の余剰ガラス微粒子流の流線27が反
応容器1の内壁に沿った流れとなり、サーモフォレシス
効果によって該反応容器1の内壁に堆積する。この堆積
層は壊れやすく、再飛散して、製造中の母材9に付着し
てしまう。これが核となって、ガラス化後の母材内で結
晶,泡が発生する。これら結晶や泡はプリフォームから
紡糸する工程で内部欠陥として残り、光ファイバの破断
や接続不良を引き起こす問題点があった。
【0012】本発明の目的は、反応容器の内壁に余剰ガ
ラス微粒子が付着・堆積することを低減し、これらが再
飛散して母材に付着し、ガラス化後の母材内に結晶や泡
が発生するのを抑制若しくはなくすことができる光ファ
イバ用多孔質母材の製造装置を提供することにある。
【0013】本発明の他の目的は、光ファイバ用多孔質
母材の大型化を図る際に、光ファイバ用多孔質母材の大
きさに合った大きさの反応容器を備えた光ファイバ用多
孔質母材の製造装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、反応容器内に
その上部の開口部からターゲットを垂下させ、反応容器
内でターゲット下端にバーナからの火炎を当てて、火炎
中で合成したガラス微粒子を該ターゲットの先端に堆積
させて光ファイバ用多孔質母材を製造する光ファイバ用
多孔質母材の製造装置を改良するものである。
【0015】本発明に係る光ファイバ用多孔質母材の製
造装置において、反応容器は、光ファイバ用多孔質母材
を製造する際の該光ファイバ用多孔質母材の先端位置か
ら該反応容器の底部内壁までの最短距離、及び、光ファ
イバ用多孔質母材の外周面からそれに対面する該反応容
器の内壁までの最短距離が、光ファイバ用多孔質母材の
外径の1.5倍以上となるように、その大きさが定めら
れている。
【0016】このように反応容器の大きさを設定する
と、反応容器内壁に余剰ガラス微粒子が到達しにくくな
り、該内壁への余剰ガラス微粒子の付着・堆積が著しく
減少する。このため、これら反応容器内壁に付着・堆積
した余剰ガラス微粒子堆積層が壊れて発生するガラス微
粒子が再飛散して、製造中の母材に再付着することを著
しく抑制することができ若しくはなくすことができ、ガ
ラス化後の母材内に結晶や泡が発生するのを著しく抑制
することができ若しくはなくすことができる。
【0017】また、このような光ファイバ用多孔質母材
の製造装置によれば、光ファイバ用多孔質母材の大型化
を図る際に、光ファイバ用多孔質母材の大きさに合った
大きさの反応容器の決定を容易に行うことができる。
【0018】
【発明の実施の形態】(実施の形態の第1例)図1
(A)(B)は本発明に係る光ファイバ用多孔質母材の
製造装置における実施の形態の第1例を示したものであ
り、図1(A)は該装置の正面図、図1(B)は図1
(A)のA−A線断面図である。
【0019】図2(A)(B)はこの第1例の光ファイ
バ用多孔質母材の製造装置における反応容器内を可視化
して、余剰ガラス微粒子流の流線を観察したときの状態
を示す。この図において、図2(A)は該装置の反応容
器の横断面図、図2(B)は図2(A)のB−B線断面
図である。
【0020】この例の光ファイバ用多孔質母材の製造装
置においては、反応容器1は八角筒状の石英製の反応容
器本体23aと八角筒状の石英製の小径筒部23bとを
継ぎ合わせて構成されている。反応容器本体23aは石
英板を八角筒状に継ぎ合わせて形成され、小径筒部23
bは一体成形で八角筒状に形成されている。反応容器本
体23aには、前述した同様の構造をして石英製透明板
13を備えた観察窓16と、排気管口10とが設けられ
ている。
【0021】この例の反応容器1では、図1(B)に示
すように、光ファイバ用多孔質母材9の外周から八角筒
状をなす反応容器本体23aを構成する各石英板の内壁
までの最短距離L1 ,…,L8 がいずれも母材9の外径
Dの1.5倍以上となり、また、図2(B)に示すよう
に、母材9の先端位置から該反応容器本体23aの底部
24の内壁までの最短距離L9 も母材9の外径Dの1.
5倍以上となるように、反応容器1の大きさが定められ
ている。
【0022】反応容器1の上部に設けられた小径筒部2
3bの上端外周には、図1(A)に示すように上側フラ
ンジ部23cが設けられている。この小径筒部23bの
上側フランジ部23cの上には、前述したと同様に上部
筒3がその下側フランジ部3aを重ねて設けられ、相互
のフランジ部3a,23cがクランプ手段4で気密に連
結されている。反応容器本体23aの下端には、図1
(A)及び図2(B)に示すように下側フランジ部23
dが設けられている。この下側フランジ部23dには反
応容器本体23aの下部を塞ぐように平坦な底部24が
当接され、下側フランジ部23dと底部24とはクラン
プ手段25で気密にクランプすることにより着脱可能に
連結されている。クランプ手段25は、一端側がヒンジ
部25aで枢支された断面コ字状の一対のクランプアー
ム25bでフランジ部23dと底部24とを挟持し、こ
れらクランプアーム25aの他端を図1(B)及び図2
(A)に示すようにボルト25cとナット25dで締結
した構造になっている。
【0023】この装置では、光ファイバ用多孔質母材9
の先端位置から反応容器本体23aの底部24の内壁ま
での最短距離L9 、及び、光ファイバ用多孔質母材9の
外周面からそれに対面する八角筒状をなす反応容器本体
23aの各石英板の内壁までの最短距離L1 〜L8 が、
光ファイバ用多孔質母材9の外径の1.5倍以上となる
ように、その大きさが定められているので、図2(A)
(B)に示すように、余剰ガラス微粒子の流線27の流
れが安定し、該余剰ガラス微粒子が排気管10に導かれ
ていた。このため、反応容器1の内壁には余剰ガラス微
粒子の付着・堆積が著しく減少し若しくはなくなった。
これにより、反応容器1の内壁に付着・堆積していた余
剰ガラス微粒子堆積層が壊れて発生するガラス微粒子が
再飛散して、製造中の母材に付着することが著しく減少
し若しくはなくなった。このため、ガラス化後のプリフ
ォーム内に結晶や泡が発生することが著しく減少し若し
くはなくなった。
【0024】本装置の反応容器1は石英ガラスで形成し
たが、他のガラス(例えば、ホウケイ酸ガラス,ソーダ
石灰ガラス,鉛ガラス等)でもよい。また、テトラフロ
ロエチレン,SiC,TiC等でコーティングしたステ
ンレススチール,アルミニウム等の金属で形成してもよ
い。
【0025】(実施の形態の第2例)図3(A)(B)
は本発明に係る光ファイバ用多孔質母材の製造装置にお
ける実施の形態の第2例を示したもので、図3(A)は
該装置の正面図、図3(B)は図3(A)のC−C線断
面図である。
【0026】図4(A)(B)はこの第2例の光ファイ
バ用多孔質母材の製造装置における反応容器内を可視化
して、余剰ガラス微粒子流の流線を観察したときの状態
を示したもので、図4(A)は該装置の反応容器の横断
面図、図4(B)は図4(A)のD−D線断面図であ
る。
【0027】この例の光ファイバ用多孔質母材の製造装
置においては、反応容器1は内周面に8つの凹面部を有
する反応容器本体26aと円筒状の小径筒部26bとを
継ぎ合わせて構成されている。反応容器本体26aは湾
曲した石英板(半径R1 の円筒ガラスから切り出したも
の)を継ぎ合わせ、下部には石英の半球部26a´を底
部として溶着して形成されている。小径筒部26bは、
一体成形で円筒状に石英により形成されている。反応容
器本体26aには、前述した同様の構造をしていて石英
製透明板13を備えた観察窓16と、排気管口10とが
設けられている。
【0028】この例の反応容器1では、図3(B)に示
すように、光ファイバ用多孔質母材9の外周から、内周
に8つの内向き突部を有する反応容器本体26aのこれ
ら8つの内向き突部の先端までの最短距離L10,…,L
17がいずれも母材9の外径Dの1.5倍以上となり、ま
た、図4(B)に示すように、母材9の先端位置から該
反応容器本体26aの底部である半球部26a´の内壁
までの最短距離L18と母材9の先端位置から該反応容器
本体26aの肩部内面までの最短距離L19も母材9の外
径Dの1.5倍以上となるように、該反応容器1の大き
さが定められている。
【0029】反応容器1の上部に設けられた円筒状の小
径筒部26bの上端外周には、前記した例と同様に上側
フランジ部(図示せず)が設けられている。この小径筒
部26bの上側フランジ部の上には、上部筒3がその下
側フランジ部(図示せず)を重ねて設けられ、相互のフ
ランジ部が前述したと同様の構造のクランプ手段4で気
密に連結されている。
【0030】この装置でも、反応容器1の大きさが前述
したように定められているので、図4(A)(B)に示
すように、余剰ガラス微粒子の流線27の流れが安定
し、排気管10に導かれていた。このため、反応容器1
の内壁には余剰ガラス微粒子の付着・堆積が著しく減少
し若しくはなくなった。これにより、反応容器1の内壁
に付着・堆積していた余剰ガラス微粒子堆積層が壊れて
発生するガラス微粒子が再飛散して、製造中の母材に付
着することが著しく減少し若しくはなくなった。このた
め、ガラス化後のプリフォーム内に結晶や泡が発生する
ことが著しく減少し若しくはなくなった。
【0031】本装置の反応容器1も石英ガラスで形成し
たが、他のガラス(例えば、ホウケイ酸ガラス,ソーダ
石灰ガラス,鉛ガラス等)でもよい。また、テトラフロ
ロエチレン,SiC,TiC等でコーティングしたステ
ンレススチール,アルミニウム等の金属で形成してもよ
い。
【0032】(実施の形態の第3例)図5(A)(B)
は本発明に係る光ファイバ用多孔質母材の製造装置にお
ける実施の形態の第3例を示したものであり、図5
(A)は該装置の正面図、図5(B)は図5(A)のE
−E線断面図である。
【0033】図6(A)(B)はこの第3例の光ファイ
バ用多孔質母材の製造装置における反応容器内を可視化
して、余剰ガラス微粒子流の流線を観察したときの状態
を示したもので、図6(A)は該装置の反応容器の横断
面図、図6(B)は図6(A)のF−F線断面図であ
る。
【0034】この例の光ファイバ用多孔質母材の製造装
置においては、反応容器1は内周面が球面をなす反応容
器本体27aと円筒状の小径筒部27bとを継ぎ合わせ
て構成されている。反応容器本体27aは内径がD1 の
石英球体により形成されている。小径筒部27bは、一
体成形で円筒状に石英により形成されている。反応容器
本体27aには、前述した同様の構造をしていて石英製
透明板13を備えた観察窓16と、排気管口10とが設
けられている。
【0035】この例の反応容器1では、図5(B)に示
すように、光ファイバ用多孔質母材9の外周から反応容
器本体27aの内壁までの最短距離L20が母材9の外径
Dの1.5倍以上となり、また図6(B)に示すよう
に、母材9の先端位置から該反応容器本体27aの底部
内壁までの最短距離L21と母材9の先端位置から該反応
容器本体27aの肩部内壁までの最短距離L22も母材9
の外径Dの1.5倍以上となるように、該反応容器1の
大きさが定められている。
【0036】反応容器1の上部に設けられた円筒状の小
径筒部27bの上端外周には、前記した例と同様に上側
フランジ部(図示せず)が設けられている。この小径筒
部27bの上側フランジ部の上には、上部筒3がその下
側フランジ部(図示せず)を重ねて設けられ、相互のフ
ランジ部が前述したと同様の構造のクランプ手段4で気
密に連結されている。
【0037】この装置でも、反応容器1の大きさが前述
したように定められているので、図6(A)(B)に示
すように、余剰ガラス微粒子の流線27の流れが安定
し、排気管10に導かれていた。このため、反応容器1
の内壁には余剰ガラス微粒子の付着・堆積が著しく減少
し若しくはなくなった。これにより、反応容器1の内壁
に付着・堆積していた余剰ガラス微粒子堆積層が壊れて
発生するガラス微粒子が再飛散して、製造中の母材に付
着することが著しく減少し若しくはなくなった。このた
め、ガラス化後のプリフォーム内に結晶や泡が発生する
ことが著しく減少し若しくはなくなった。
【0038】本装置の反応容器1も石英ガラスで形成し
たが、他のガラス(例えば、ホウケイ酸ガラス,ソーダ
石灰ガラス,鉛ガラス等)でもよい。また、テトラフロ
ロエチレン,SiC,TiC等でコーティングしたステ
ンレススチール,アルミニウム等の金属で形成してもよ
い。
【0039】
【発明の効果】本発明に係る光ファイバ用多孔質母材の
製造装置では、反応容器が、光ファイバ用多孔質母材を
製造する際の該光ファイバ用多孔質母材の先端位置から
該反応容器の底部内壁までの最短距離、及び、光ファイ
バ用多孔質母材の外周面からそれに対面する該反応容器
の内壁までの最短距離が、光ファイバ用多孔質母材の外
径の1.5倍以上となるように、その大きさが定められ
ているので、反応容器内壁に余剰ガラス微粒子が到達し
にくくなり、該内壁への余剰ガラス微粒子の付着・堆積
を著しく減少させることができる。このため、これら反
応容器内壁に付着・堆積した余剰ガラス微粒子堆積層が
壊れて発生するガラス微粒子が再飛散して、製造中の母
材に再付着することを著しく抑制することができ若しく
はなくすことができ、ガラス化後の母材内に結晶や泡が
発生するのを著しく抑制することができ若しくはなくす
ことができる。
【0040】また、このような光ファイバ用多孔質母材
の製造装置によれば、光ファイバ用多孔質母材の大型化
を図る際に、光ファイバ用多孔質母材の大きさに合った
大きさの反応容器の決定を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)(B)は本発明に係る光ファイバ用多孔
質母材の製造装置における実施の形態の第1例を示した
ものであり、(A)は該装置の正面図、(B)は(A)
のA−A線断面図である。
【図2】(A)(B)はこの第1例の光ファイバ用多孔
質母材の製造装置における反応容器内を可視化して、余
剰ガラス微粒子流の流線を観察したときの状態を示した
ものであり、(A)は該装置の反応容器の横断面図、
(B)は(A)のB−B線断面図である。
【図3】(A)(B)は本発明に係る光ファイバ用多孔
質母材の製造装置における実施の形態の第2例を示した
もので、(A)は該装置の正面図、(B)は(A)のC
−C線断面図である。
【図4】(A)(B)はこの第2例の光ファイバ用多孔
質母材の製造装置における反応容器内を可視化して、余
剰ガラス微粒子流の流線を観察したときの状態を示した
もので、(A)は該装置の反応容器の横断面図、(B)
は(A)のD−D線断面図である。
【図5】(A)(B)は本発明に係る光ファイバ用多孔
質母材の製造装置における実施の形態の第3例を示した
ものであり、(A)は該装置の正面図、(B)は(A)
のE−E線断面図である。
【図6】(A)(B)はこの第3例の光ファイバ用多孔
質母材の製造装置における反応容器内を可視化して、余
剰ガラス微粒子流の流線を観察したときの状態を示した
もので、(A)は該装置の反応容器の横断面図、(B)
は(A)のF−F線断面図である。
【図7】(A)(B)は従来の光ファイバ用多孔質ガラ
ス母材の製造装置の構成を示したもので、(A)はこの
装置の正面図、(B)は(A)のG−G線断面図であ
る。
【図8】(A)(B)は従来の反応容器内を可視化し
て、コア火炎と、光ファイバ用多孔質母材に堆積しなか
った余剰ガラス微粒子流の流線とを観察したときの状態
を示したもので、(A)は該装置に反応容器の箇所での
横断面図、(B)は(A)のH−H線断面図である。
【符号の説明】
1 反応容器 1a 小径筒部 1b 上側フランジ部 2 反応室 3 上部筒 3a 下側フランジ部 3b 上側フランジ部 4 クランプ手段 4a クランプアーム 4b ボルト 5 上蓋 6 ターゲット 7 コアバーナ 7a コア火炎 8 クラッドバーナ 8a クラッド火炎 9 光ファイバ用多孔質母材 10 排気管 11 圧力制御部 12 観察用筒部 12a フランジ部 13 透明板 14 クランプ手段 14a ヒンジ部 14b クランプアーム 14c ボルト 14d ナット 15 吸気口 16 観察窓 23a 反応容器本体 23b 小径筒部 23c 上側フランジ部 23d 下側フランジ部 24 底部 25 クランプ手段 25a ヒンジ部 25b クランプアーム 25c ボルト 25d ナット 26a 反応容器本体 26a´ 半球部 26b 小径筒部 27a 反応容器本体 27b 小径筒部

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 反応容器内にその上部の開口部からター
    ゲットを垂下させ、前記反応容器内でターゲット下端に
    バーナからの火炎を当てて、火炎中で合成したガラス微
    粒子を該ターゲットの先端に堆積させて光ファイバ用多
    孔質母材を製造する光ファイバ用多孔質母材の製造装置
    において、 前記反応容器は、前記光ファイバ用多孔質母材を製造す
    る際の該光ファイバ用多孔質母材の先端位置から該反応
    容器の底部内壁までの最短距離、及び、前記光ファイバ
    用多孔質母材の外周面からそれに対面する該反応容器の
    内壁までの最短距離が、前記光ファイバ用多孔質母材の
    外径の1.5倍以上となるようにその大きさが定められ
    ていることを特徴とする光ファイバ用多孔質母材の製造
    装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002284533A (ja) * 2001-03-23 2002-10-03 Sumitomo Electric Ind Ltd ガラス母材の製造方法および製造装置
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