JP2601948Y2 - 光ファイバ用多孔質母材の製造装置 - Google Patents

光ファイバ用多孔質母材の製造装置

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JP2601948Y2 JP1993068691U JP6869193U JP2601948Y2 JP 2601948 Y2 JP2601948 Y2 JP 2601948Y2 JP 1993068691 U JP1993068691 U JP 1993068691U JP 6869193 U JP6869193 U JP 6869193U JP 2601948 Y2 JP2601948 Y2 JP 2601948Y2
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  • Glass Melting And Manufacturing (AREA)
  • Manufacture, Treatment Of Glass Fibers (AREA)

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は光ファイバ用多孔質母材
の製造に使用される装置に関する。
【0002】
【従来技術】光ファイバ用多孔質母材のクラッド部分
は、図3に示すような製造装置20を用いて、いわゆる
外付け法によって以下のようにして製造されることが多
い。すなわち、まずVAD法などによって製造された多
孔質体を脱水、ガラス化せしめてクラッドの一部が付い
たコアロッドを製造する。該コアロッドをターゲットロ
ッド1とし、これを製造容器7内に収容するとともにそ
の両端を支持部材2a、2bを介して保持部材3a、3
bによって水平に保持する。しかる後、両保持部材3
a、3bを同期させて矢印方向に回転させる。次いで、
ターゲットロッド1の長手方向(矢印A方向)に沿って
ガラス微粒子合成用バーナ4を往復移動させ、ターゲッ
トロッド1の外周にガラス微粒子堆積層5を形成し、光
ファイバ用多孔質母材6を製造する。なお、この製造装
置20の側壁には、該製造装置20の内部に内部雰囲気
ガスを供給する供給口8a、8bおよび排気ガスを排出
する排気口9とが設けられている。
【0003】近年、技術の発達によって従来の光ファイ
バ用多孔質母材よりも大型の光ファイバ用多孔質母材を
製造することが可能となってきた。しかしながら、図3
に示すような横型の光ファイバ用多孔質母材の製造装置
20で、従来よりも大型の光ファイバ用多孔質母材を製
造すると従来には見られなかった新たな問題が生じた。
具体的には、回転するターゲットロッド1上にガラス微
粒子を堆積せしめている間に該ターゲットロッド1およ
びガラス微粒子堆積層5、すなわち光ファイバ用多孔質
母材6が下方へたわむように曲がってしまった。この曲
がりの原因は、製造される光ファイバ用多孔質母材6が
大型化されてその重量が増し、該光ファイバ用多孔質母
材6に作用する重力が大きくなったためである。そこ
で、従来の横型の製造装置による光ファイバ用多孔質母
材の製造方法から、重力による曲がりの問題のない縦型
の製造装置による光ファイバ用多孔質母材の製造方法へ
と移行することが必要になってきた。
【0004】従来の横型の光ファイバ用多孔質母材の製
造装置を何ら構成を変えずにそのまま縦型の製造装置に
転用したのが、図4に示す製造装置30である。この製
造装置30を用いて光ファイバ用多孔質母材を製造する
方法は以下の通りである。まず、VAD法などによって
製造された多孔質体を脱水、ガラス化せしめたクラッド
部の一部が付いたコアロッドを製造する。該コアロッド
をターゲットロッド1として製造容器7内に収容すると
ともに、その上端を支持部材10を介して保持部材11
によって鉛直に保持し、その下端は下端保持部材12に
よって固定する。しかる後、保持部材11を矢印方向に
回転させる。次いで、ターゲットロッド1の長手方向
(矢印A方向)に沿ってガラス微粒子合成用バーナ4を
往復移動させ、ターゲットロッド1の外周にガラス微粒
子堆積層5を形成せしめ、光ファイバ用多孔質母材6を
製造する。なお、この製造装置30の側壁には、該製造
装置30の内部に内部雰囲気ガスを供給する供給口8お
よび内部の排気ガスを排出する排気口9とが設けられて
いる。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】しかしながら、図4に
示した光ファイバ用多孔質母材の製造装置では、該製造
装置の上部および下部で気流の流れが停滞し、この部分
の排出されるべき排気ガスが十分には排出されない、と
いう問題が生じた。特に前記製造装置の上部では、ター
ゲットロッド上に付着しなかったガラス微粒子が内部の
上昇気流に乗って運び込まれて排気されず、浮遊してい
るガラス微粒子の量が非常に多くなっていた。
【0006】前記浮遊しているガラス微粒子は、ターゲ
ットロッド上の目標位置以外の場所に再付着して光ファ
イバ用多孔質ガラス母材の外径変動の原因となったり、
光ファイバ用多孔質ガラス母材に不純物を付着させたり
する。また、一度製造装置の上部内壁に付着してしまっ
たガラス微粒子が剥離してターゲットロッド上に落下す
ると、該ターゲットロッド、すなわち製造中の光ファイ
バ用多孔質ガラス母材が破損してしまうこともあった。
また、前記光ファイバ用多孔質ガラス母材が破損に至ら
ないまでも、前記浮遊しているガラス微粒子が前記光フ
ァイバ用多孔質ガラス母材に付着することによって、不
純物が混入してしまうこともあった。さらにターゲット
ロッド上に付着しなかったガラス微粒子は製造装置内を
浮遊した後に不特定の場所に付着してしまうため、製造
装置内の清掃作業は非常に大変であった。
【0007】そこで、近年要望されている大型の光ファ
イバ用多孔質ガラス母材を安定して製造することが可能
な光ファイバ用多孔質母材の製造装置を開発することが
必要とされていた。具体的には、光ファイバ用多孔質母
材の製造装置内、より具体的には製造容器内の排気能力
のより一層の向上が望まれている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本考案は、光ファイバ用
多孔質母材の製造中に該光ファイバ用多孔質母材が破損
することなく、かつ後の工程で線引きした際に高品質の
光ファイバを得ることができる光ファイバ用多孔質母材
を得るための製造装置を提供することを目的とする。
【0009】本考案は、製造容器内にターゲットロッド
を支持部材を介して鉛直方向に保持し、かつ回転するタ
ーゲットロッド外周に、ガラス原料ガスを火炎加水分解
せしめて合成したガラス微粒子を堆積させて光ファイバ
用多孔質母材を製造する装置において、前記反応容器内
の上方に、前記製造容器内の気体の流速を高めるための
流速上昇用部材を具備したことを特徴とする。
【0010】
【作用】本発明のように、製造容器内において製造中の
光ファイバ用多孔質母材の上方に、気体の流速を高める
ための流速上昇用部材を設ければ、停滞しがちな部分の
内部雰囲気、すなわち内部の気体の流速を積極的に上げ
ることができる。そのため製造装置内部、具体的には製
造容器内部の気体は効率よく排気がなされ、気体が特定
の箇所で停滞することもない。したがって、製造容器
内、特に製造容器の上部で浮遊しているガラス微粒子の
量も少なくなり、この浮遊しているガラス微粒子が、タ
ーゲットロッド上の目標位置以外の場所に再付着して光
ファイバ用多孔質ガラス母材の外径変動の原因となった
り、光ファイバ用多孔質ガラス母材に不純物を付着させ
たりすることも少なくなる。また、製造容器の内壁への
ガラス微粒子の付着が少なくなるから一度製造容器の上
部内壁に付着してしまったガラス微粒子が剥離してター
ゲットロッド上に落下して、該ターゲットロッド、すな
わち製造中の光ファイバ用多孔質ガラス母材が破損した
り、不純物が混入してしまうこともなくなる。それゆ
え、後の工程で線引きして得られる光ファイバの品質も
高品質である。
【0011】
【実施例】以下、本考案の実施例を図面を参照して詳細
に説明する。実施例1としては図1に示すような光ファ
イバ用多孔質母材の製造装置40を用いて光ファイバ用
多孔質母材の製造をおこなった。まず、VAD法などに
よって製造された多孔質体を脱水・ガラス化せしめて、
外径40mm、平行部の長さ1mのクラッド部の一部が
付いたコアロッドを製造した。該コアロッドをターゲッ
トロッド1として用い、その上端を長さ300mmの支
持部材10を介して製造容器7内に保持部材11によっ
て鉛直に保持し、その下端は下端保持部材12で固定し
た。しかる後、該保持部材11を矢印方向に200rp
mで回転させた。次いで、ターゲットロッド1の長手方
向(矢印A方向)に沿ってガラス微粒子合成用バーナ4
を600mm/minで往復移動させ、ターゲットロッ
ド1の外周にガラス微粒子堆積層5を形成せしめ、光フ
ァイバ用多孔質母材6を製造した。なお、この製造装置
40の側壁には、製造装置40の内部に内部雰囲気ガス
を供給する供給口8および内部の排気ガスを排出する排
気口9とが設けられている。また、前記製造容器7の上
部にはターゲットロッドと同軸状に製造容器7内の気体
の流速を高めるためプロペラ、すなわち流速上昇用部材
18が設けられている。なお、このプロペラは光ファイ
バ用多孔質母材6を製造している間は常に回転させてお
いた。
【0012】上述したようにして、外径200mmφの
光ファイバ用多孔質母材を製造したところ、製造中に光
ファイバ用多孔質母材が破損することはなかった。ま
た、製造終了後、製造容器7内を観察したがガラス微粒
子の付着は見られなかった。さらに前記光ファイバ用多
孔質母材を脱水・ガラス化したのち線引きしたが、得ら
れた光ファイバの強度は高く、かつ安定していた。従来
の用に多数の低強度部の発生などの品質上の問題は見ら
れなかった。
【0013】実施例2としては、図2に示すような光フ
ァイバ用多孔質母材の製造装置を用いて光ファイバ用多
孔質母材の製造をおこなった。すなわち、雰囲気の流速
上昇用部材18を2つ、ターゲットロッド1の軸心を中
心に対称の位置に設けたこと、および製造容器7内にお
ける設置位置が実施例1で用いた流速上昇用部材18と
異なる以外は全く同様な光ファイバ用多孔質母材の製造
装置40とした。また、その製造に関する諸条件も実施
例1と全く同様とした。
【0014】その結果、実施例1と同様に製造中に光フ
ァイバ用多孔質母材が破損することはなく、また製造終
了後に製造容器7内を観察したがガラス微粒子の付着は
見られなかった。さらに前記光ファイバ用多孔質母材を
脱水・ガラス化したのち線引きしたが、ここで得た光フ
ァイバには、多数の低強度部の発生などの品質上の問題
は見られなかった。
【0015】以下、本考案の比較例を詳細に説明する。
比較例としては、図4に示すような光ファイバ用多孔質
母材の製造装置を用いて光ファイバ用多孔質母材の製造
をおこなった。すなわち、実施例1および実施例2と
は、流速上昇用部材18がないこと以外は全く同様な光
ファイバ用多孔質母材の製造装置とした。また、その製
造に関する諸条件も実施例1および実施例2と全く同様
とした。
【0016】しかしながら、図4に示した光ファイバ用
多孔質母材の製造装置を用いて外径200mmφの光フ
ァイバ用多孔質母材を製造したところ、製造中に光ファ
イバ用多孔質母材が破損してしまった。この結果につい
て調査したところ、この破損は製造装置30の製造容器
7の上部内壁に付着したガラス微粒子が剥離し、製造中
の光ファイバ用多孔質母材上に落下した衝撃で起こった
ものであることが分かった。
【0017】参考までに、実施例1、実施例2および比
較例で使用した光ファイバ用多孔質母材の製造装置内の
B点およびC点においてその雰囲気の流速を測定したと
ころ、実施例1および実施例2ではともにB点は3m/
sec、C点は1m/secであったが、比較例ではB
点は0.5m/sec、C点は1m/secであった。
【0018】
【考案の効果】本考案の製造装置によれば、光ファイバ
用多孔質母材の製造中に該光ファイバ用多孔質母材が破
損することなく、かつ後の工程で線引きした際に高品質
の光ファイバを得ることができる光ファイバ用多孔質母
材を得るための製造装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の一実施例である光ファイバ用
多孔質母材の製造装置である。
【図2】図2は、本発明の一実施例である光ファイバ用
多孔質母材の製造装置である。
【図3】図3は、従来の横型の光ファイバ用多孔質母材
の製造装置である。
【図4】図4は、従来の縦型の光ファイバ用多孔質母材
の製造装置である。
【符号の説明】
1…ターゲットロッド 2a、2b…支持部材 3a、3b…保持部材 4…ガラス微粒子合成用バーナ 5…ガラス微粒子堆積層 6…光ファイバ用多孔質母材 7…製造容器 8、8a、8b…供給口 9…排気口 10…支持部材 11…保持部材 12…下端保持部材 18…流速上昇用部材 20、30、40…製造装置

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 製造容器内にターゲットロッドを支持部
    材を介して鉛直方向に保持し、かつ回転するターゲット
    ロッド外周に、ガラス原料ガスを火炎加水分解せしめて
    合成したガラス微粒子を堆積させて光ファイバ用多孔質
    母材を製造する装置において、前記製造容器内の上方
    に、前記製造容器内の気体の流速を高めるための流速上
    昇用部材を具備したことを特徴とする光ファイバ用多孔
    質母材の製造装置。
JP1993068691U 1993-12-22 1993-12-22 光ファイバ用多孔質母材の製造装置 Expired - Fee Related JP2601948Y2 (ja)

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