JPH10182180A - 光ファイバ用多孔質母材の製造装置 - Google Patents

光ファイバ用多孔質母材の製造装置

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JPH10182180A
JPH10182180A JP33785896A JP33785896A JPH10182180A JP H10182180 A JPH10182180 A JP H10182180A JP 33785896 A JP33785896 A JP 33785896A JP 33785896 A JP33785896 A JP 33785896A JP H10182180 A JPH10182180 A JP H10182180A
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JP
Japan
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reaction vessel
optical fiber
porous preform
flame
streamline
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JP33785896A
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Inventor
Tetsuo Wada
哲郎 和田
Sadanori Ishida
禎則 石田
Yukio Komura
幸夫 香村
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Furukawa Electric Co Ltd
Original Assignee
Furukawa Electric Co Ltd
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    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B37/00Manufacture or treatment of flakes, fibres, or filaments from softened glass, minerals, or slags
    • C03B37/01Manufacture of glass fibres or filaments
    • C03B37/012Manufacture of preforms for drawing fibres or filaments
    • C03B37/014Manufacture of preforms for drawing fibres or filaments made entirely or partially by chemical means, e.g. vapour phase deposition of bulk porous glass either by outside vapour deposition [OVD], or by outside vapour phase oxidation [OVPO] or by vapour axial deposition [VAD]
    • C03B37/01406Deposition reactors therefor

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  • General Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Geochemistry & Mineralogy (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Manufacture, Treatment Of Glass Fibers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 コア火炎の位置またはコア火炎中のガラス微
粒子流の流線を安定化させることができる光ファイバ用
多孔質母材の製造装置を得る。 【解決手段】 反応容器1内にその上部の開口部から種
棒6を垂下させ、反応容器1内で種棒6の下端にコアバ
ーナ7とクラッドバーナ8からの火炎を当てて、火炎中
で合成したガラス微粒子を種棒6の下端に堆積させて光
ファイバ用多孔質母材9を製造する。反応容器1は八角
筒状の反応容器本体23と平坦な底部24とに分離して
形成する。反応容器本体23と底部24とはクランプ手
段25で気密にクランプする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ファイバ用多孔
質母材の製造装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】VAD法による光ファイバ用多孔質母材
の製造は、反応容器内のバーナからの酸・水素火炎中で
原料ガス(例えば、SiCl4 ,GeCl4 )からガラ
ス微粒子を生成し、このガラス微粒子をターゲットであ
る種棒の下端に順次成長させることにより行っている。
【0003】図10(A)(B)は、従来のこの種の光
ファイバ用多孔質母材の製造装置の構成を示したもの
で、(A)はこの装置の正面図、(B)は(A)のF−
F線断面図である。
【0004】この光ファイバ用多孔質母材の製造装置に
おいては、上部が開口され下部が閉塞された反応容器1
を備え、この反応容器1内は反応室2となっている。こ
の反応容器1は内径D1 の有底円筒状であり、該反応室
1の上部は小径部1aとなっていて、内径D1 の部分の
反応容器1の上部の曲率半径はR1 、底部の曲率半径は
R2 となっている。反応室1の小径部1aの上端外周に
は上側フランジ部1bが設けられている。この小径部1
aの上側フランジ部1b上には、上部筒3がその下側フ
ランジ部3aを重ねて設けられている。反応容器1と上
部筒3とは、両者のフランジ部1b,3aがクランプ手
段4で気密に連結されている。クランプ手段4は、一端
側がヒンジ部(図示せず)で枢支された断面コ字状の1
対のクランプアーム4aでフランジ部1b,3aを挟持
し、これらクランプアーム4aの他端をボルト4bとナ
ット(図示せず)で締結した構造になっている。上部筒
3の上端外周には上側フランジ部3bが設けられ、この
上側フランジ部3bに上蓋5が重ねられて上部筒3の上
側開口部が閉塞されている。上蓋5の中央部の図示しな
い孔よりなる開口部からターゲットとしての種棒6が昇
降自在に垂下され、その下部が反応室2内に臨むように
されている。
【0005】反応室2内で種棒6の先端には、コアバー
ナ7のコア火炎とクラッドバーナ8のクラッド火炎から
なる酸・水素火炎中で生成したガラス微粒子を堆積さ
せ、成長させてスートと呼ばれる光ファイバ用多孔質母
材9を得るようになっている。バーナ7,8の位置に対
して光ファイバ用多孔質母材9を挟んだ反対側の反応容
器1の部分には排気管10が接続され、この排気管10
には反応室2内の圧力を制御する圧力制御部11が設け
られている。排気管10の位置から周方向の90°異なる
位置の反応容器1の部分には観察用筒部12が接続さ
れ、その先端のフランジ部12aに透明板13が当接さ
れて観察用筒部12の先端が閉塞され、この透明板13
を経て内部が覗けるようになっている。透明板13はフ
ランジ部12aにクランプ手段14で気密にクランプさ
れている。クランプ手段14は、一端側がヒンジ部14
aで枢支された断面コ字状の1対のクランプアーム14
bでフランジ部12aと透明板13とを挟持し、これら
クランプアーム14aの他端をボルト14cとナット1
4dで締結した構造になっている。上部筒3には、吸気
口15が設けられている。
【0006】このような装置で製造される光ファイバ用
多孔質母材9の重量,体積,濃度分布及び形状は、バー
ナ7,8の位置,各火炎7a,8aの位置,母材表面温
度などの要因で変化する。従来は、光ファイバ用多孔質
母材9の製造中の成長速度,母材形状,母材表面温度を
見て、ガス条件,バーナ7,8の位置,排気圧力,吸気
量を調整し、品質の安定化を図っていた。
【0007】この際に光ファイバ用多孔質母材9は、図
示しない母材先端位置検出器からのオン−オフ信号を利
用して引き上げる。反応室2内の圧力は、排気管10に
設置した圧力制御部11で一定に制御する。光ファイバ
用多孔質母材9の製造中の調整では、例えば、母材先端
の形状を目視で確認しながらガス条件,バーナ7,8の
位置を調整し、成長速度,母材表面温度を所定量に合わ
せている。
【0008】しかしながら、光ファイバ用多孔質母材9
の堆積が進行するにつれ母材形状が変化することがある
が、これを調整で元の形状に戻すことは困難であり、ま
た制御することも難しいので、都合が悪い。この結果、
光ファイバ用多孔質母材9の長手方向の品質が変化して
しまい、ガラス化後の母材断面の比屈折率差が長手方向
に変化するので、光ファイバの品質の安定性が十分に得
られないという問題点があった。
【0009】ガラス化後の母材断面の比屈折率差が長手
方向に変化するのは、コア火炎の位置またはコア火炎内
のガラス微粒子流の流線が光ファイバ用多孔質母材9の
製造中に変化するのが要因であるという報告(特願平5
−312118号,特願平5−338123号,特願平
6−20283号)がある。これらコア火炎の位置また
はガラス微粒子流の流線の変動は、光ファイバ用多孔質
母材9の成長(体積増加)に伴って生じる反応容器1内
のガス流れが変化するために起こる。
【0010】図11(A)(B)は、反応容器1内を可
視化して、コア火炎7aの位置と、光ファイバ用多孔質
母材9に堆積しなかった高濃度の余剰ガラス微粒子流の
流線27とを観察したときの状態を示す。この高濃度の
余剰ガラス微粒子流の流線27は、反応容器1の内壁に
沿った流れとなっている。この図において、(A)は該
装置の反応容器1の箇所での横断面図、(B)は(A)
のG−G線断面図である。
【0011】このときの高濃度の余剰ガラス微粒子流の
流線27がコア火炎7aの位置にどの程度の影響を与え
るかを図11の火炎位置測定装置16で調べた。この火
炎位置測定装置16は、コア火炎7aをCCDカメラ1
7で撮影して電気信号として画像処理部18に入力し2
値化処理し、モニタ19に表示すると共に、コア火炎画
像7a´に測定用ウインドウ20をかけ、このコア火炎
画像7a´の中心点0の座標を火炎位置としてコンピュ
ータ21で処理して表示部22に経時変化として表示さ
せるようになっている。
【0012】この火炎位置測定装置16によるコア火炎
7aの位置の変化状況の測定結果を図12に示す。この
図12で、横軸は光ファイバ用多孔質母材9の引き上げ
距離(mm)、縦軸はコア火炎7aの位置(mm)である。
【0013】この測定結果から、長さが600mm の光ファ
イバ用多孔質母材9を製造する間(約12時間)に、コア
火炎7aの位置が0.6mm 上昇していることが判明した。
【0014】図13は、得られた光ファイバ用多孔質母
材9をガラス化した後、屈折率を測定したときの長手方
向の比屈折率差の変化を示したものである。この図13
で、横軸は測定位置を光ファイバ用多孔質母材9の引き
上げ距離に換算した値、縦軸は比屈折率差である。
【0015】この測定結果から、ガラス化された長さが
600mm の光ファイバ用母材はその長手方向に比屈折率差
が0.03%変化していることが判明した。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】このように従来の光フ
ァイバ用多孔質母材の製造装置では、光ファイバ用多孔
質母材9の製造中の高濃度の余剰ガラス微粒子流の流線
27の制御に限界があり、コア火炎7aの位置または高
濃度の余剰ガラス微粒子流の流線27の制御が困難であ
り、そのため得られた光ファイバ用多孔質母材9をガラ
ス化した後の長手方向の比屈折率差に変化が生ずる問題
点があった。
【0017】本発明の目的は、コア火炎の位置またはコ
ア火炎中のガラス微粒子流の流線を安定化させることが
できる光ファイバ用多孔質母材の製造装置を提供するこ
とにある。
【0018】本発明の他の目的は、高濃度の余剰ガラス
微粒子流の流線を安定化することができる光ファイバ用
多孔質母材の製造装置を提供することにある。
【0019】本発明の他の目的は、得られた光ファイバ
用多孔質母材をガラス化した後の長手方向の比屈折率差
を安定化させることができる光ファイバ用多孔質母材の
製造装置を提供することにある。
【0020】本発明の他の目的は、反応容器の底面から
の気流の反射による悪影響を回避でき、しかも反応容器
内の清掃が容易な光ファイバ用多孔質母材の製造装置を
提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明は、反応容器内に
その上部の開口部からターゲットを垂下させ、該反応容
器内でターゲットの下端にバーナからの火炎を当てて、
火炎中で合成したガラス微粒子を該ターゲットの先端に
堆積させて光ファイバ用多孔質母材を製造する光ファイ
バ用多孔質母材の製造装置を改良するものである。
【0022】本発明で用いる反応容器は、その反応容器
本体が多角筒状に形成されていることを特徴とする。
【0023】このように反応容器本体を多角筒状に形成
すると、反応容器本体に内壁の各コーナ部で該反応容器
本体内に低濃度の余剰ガラス微粒子の流線の渦が発生
し、これら流線の渦で高濃度の余剰ガラス微粒子流の流
線を整流するので、コア火炎の位置またはコア火炎中の
ガラス微粒子流の流線を安定化することができ、このた
め、得られた光ファイバ用多孔質母材のガラス化後の母
材断面の比屈折率差を長手方向に安定化することがで
き、光ファイバの品質の安定化を図ることができる。
【0024】また、本発明で用いる反応容器は、多角筒
状の反応容器本体と、その下部を着脱可能に閉塞してい
る底部とを備えていて、特に底部が有底多角筒状になっ
ていることが好ましい。この場合、多角筒状の反応容器
本体と有底多角筒状の底部の横断面形状は実質的に同じ
になっている。
【0025】このように多角筒状の反応容器本体の下部
を閉塞する底部を有底多角筒状にすると、反応容器の下
部を延長することができ、このため該反応容器内の気流
が該反応容器の底面で反射してコア火炎の位置またはコ
ア火炎中のガラス微粒子流の流線を乱すのを回避するこ
とができ、コア火炎の位置またはコア火炎中のガラス微
粒子流の流線をより一層安定化することができ、このた
め得られた光ファイバ用多孔質母材のガラス化後の母材
断面の比屈折率差をより一層長手方向に安定化すること
ができ、光ファイバの品質のより一層の安定化を図るこ
とができる。また、このように底部を有底多角筒状にし
て反応容器の下方への延長を図ると、反応容器の接続箇
所数を最少限にすることができる。
【0026】さらに、本発明で用いる反応容器は、多角
筒状の反応容器本体と、該反応容器本体の下部に着脱可
能に連結された多角筒状の延長反応容器本体と、該延長
反応容器本体の下端を着脱可能に閉塞している底部とで
構成された構造にすることもできる。この場合、反応容
器本体と延長反応容器本体との横断面形状は同じになっ
ている。
【0027】このように多角筒状の反応容器本体の下部
に多角筒状の延長反応容器本体を接続し、該延長反応容
器本体の下端を底部で閉塞しても、反応容器の下部を延
長することができ、このため該反応容器内の気流が該反
応容器の底面で反射してコア火炎の位置またはコア火炎
中のガラス微粒子流の流線を乱すのを回避することがで
き、コア火炎の位置またはコア火炎中のガラス微粒子流
の流線をより一層安定化することができ、このため得ら
れた光ファイバ用多孔質母材のガラス化後の母材断面の
比屈折率差をより一層長手方向に安定化することがで
き、光ファイバの品質のより一層の安定化を図ることが
できる。
【0028】
【発明の実施の形態】
(実施の形態の第1例)図1(A)(B)は本発明に係
る光ファイバ用多孔質母材の製造装置における実施の形
態の第1例を示したものであり、(A)は該装置の正面
図、(B)は(A)のA−A線断面図である。なお、前
述した図10(A)(B)と対応する部分には、同一符
号を付けて示している。
【0029】本例の装置においては、反応容器1は反応
容器本体23と底部24と分離して形成されている。反
応容器本体23は多角筒状に形成され、底部24は平坦
化されて平板状に形成されている。この例では、反応容
器本体23は八角筒状に形成され、8つのコーナ部23
eの角度はそれぞれ135 °となっている。底部24は丸
形に形成されている。また、反応容器本体23と底部2
4とは、90°をなすように組み合わされている。この角
度については、±60°の範囲で変えてもよい。
【0030】八角筒状の反応容器本体23の上部は、八
角筒形のテーパ筒部23aを経て八角筒形の小径筒部2
3bとなっていて、この小径部23bの上端外周には上
側フランジ部23cが設けられている。この小径筒部2
3bの上側フランジ部23c上には、上部筒3がその下
側フランジ部3aを重ねて設けられ、相互のフランジ部
23c,3aがクランプ手段4で気密に連結されてい
る。反応容器本体23の下端には下側フランジ部23d
が設けられ、この下側フランジ部23dには反応容器本
体23の下部を塞ぐように平坦な底部24が当接され、
下側フランジ部23dと底部24とはクランプ手段25
で気密にクランプすることにより着脱可能に連結されて
いる。クランプ手段25は、一端側がヒンジ部25aで
枢支された断面コ字状の1対のクランプアーム25bで
フランジ部23dと底部24とを挟持し、これらクラン
プアーム25aの他端をボルト25cとナット25dで
締結した構造になっている。
【0031】図2(A)(B)は、この第1例の光ファ
イバ用多孔質母材の製造装置における反応容器1内を可
視化して、余剰ガラス微粒子の流線及び気流の流線を観
察したときの状態を示す。この図において、(A)は該
装置の反応容器1の箇所での横断面図、(B)は(A)
のB−B線断面図である。なお、前述した図1(A)
(B)と対応する部分には、同一符号を付けて示してい
る。
【0032】この装置では、図2(A)に示すように、
八角筒状の反応容器本体23内の8箇所のコーナ部23
eに低濃度の余剰ガラス微粒子の流線の渦26aが発生
し、これら流線の渦26aで高濃度の余剰ガラス微粒子
流の流線27を整流していた。また、反応容器本体23
内の下部にも、光ファイバ用多孔質母材9の下側に低濃
度の余剰ガラス微粒子の流線の渦26bが発生し、反応
容器本体23と底部24とのコーナ部28内にも低濃度
の余剰ガラス微粒子の流線の渦26cが発生し、これら
流線の渦26b,26cで高濃度の余剰ガラス微粒子流
の流線27を整流していた。
【0033】これら低濃度の余剰ガラス微粒子の流線の
渦26a,26b,26cによる高濃度の余剰ガラス微
粒子流の流線27の整流作用により、該高濃度の余剰ガ
ラス微粒子流の流線27の流れが安定し、排気管10に
導かれていた。
【0034】本装置を用いて光ファイバ用多孔質母材9
を製造し、このときのコア火炎7aの位置の変化を図1
1に示す火炎位置測定装置16で調べた。
【0035】図3は、このときのコア火炎7aの位置の
変化状況の結果を示す。この図3で、横軸は光ファイバ
用多孔質母材9の引き上げ距離(mm)、縦軸はコア火炎
7aの位置(mm)である。600mm の光ファイバ用多孔質
母材9を製造する間に、コア火炎7aの位置は0.4mm 上
昇したが、これは従来の装置に比べ2/3の変化量であ
り、コア火炎7aの位置の変動は小さくなった。
【0036】さらに図4は、このようにして製造した光
ファイバ用多孔質母材9をガラス化した後、屈折率を測
定したときの長手方向の比屈折率差の変化を示したもの
である。この図4で、横軸は測定位置を光ファイバ用多
孔質母材9の引き上げ距離に換算した値、縦軸は比屈折
率差である。この結果、長手方向の比屈折率差の変化は
0.02%であり、従来の装置の場合に比べ2/3の変化量
に抑えられている。なお、この光ファイバ用多孔質母材
9の製造での成長速度は±0.5mm /h,堆積面温度は±
3℃で安定していた。
【0037】本装置の反応容器1は石英ガラスで形成し
たが、テトラフロロエチレン,SiC,TiC等でコー
ティングしたステンレススチール,アルミニウム等の金
属で形成してもよい。
【0038】(実施の形態の第2例)図5(A)(B)
は本発明に係る光ファイバ用多孔質母材の製造装置にお
ける実施の形態の第2例を示したものであり、(A)は
該装置の正面図、(B)は(A)のC−C線断面図であ
る。なお、前述した図1(A)(B)と対応する部分に
は、同一符号を付けて示している。
【0039】本例の装置においても、反応容器1は多角
筒状の反応容器本体23と底部24´と分離して形成さ
れている。この例では、反応容器本体23は六角筒状に
形成され、6つのコーナ部23eの角度はそれぞれ120
°となっている。底部24´は有底の六角筒状に形成さ
れている。即ち、底部24´は、有底の六角筒部24a
´と、その上端外周に設けられた上側フランジ部24b
´とを有して形成されている。有底の六角筒部24a´
の底面も平坦となっている。この六角筒部24a´とそ
の底面とのなす角度も90°となっている。この角度につ
いても、±60°の範囲で変えてもよい。このような底部
24´は、その上側フランジ部24b´を反応容器本体
23の下側フランジ部23dに重ねてクランプ手段4で
クランプすることにより着脱可能に気密に連結されてい
る。六角筒状の反応容器本体23の下側の大径部と、六
角筒部24a´との横断面形状は、両者の間に段差がで
きないように実質的に同じに形成されている。その他の
構成は、第1例と同様になっている。
【0040】図6(A)(B)は、この第2例の光ファ
イバ用多孔質母材の製造装置における反応容器1内を可
視化して、余剰ガラス微粒子の流線及び気流の流線を観
察したときの状態を示す。この図において、(A)は該
装置の反応容器1の箇所での横断面図、(B)は(A)
のD−D線断面図である。なお、前述した図5(A)
(B)と対応する部分には、同一符号を付けて示してい
る。
【0041】この装置では、図6(A)に示すように、
六角筒状の反応容器本体23内の8箇所のコーナ部23
eに低濃度の余剰ガラス微粒子の流線の渦26aが発生
し、これら流線の渦26aで高濃度の余剰ガラス微粒子
流27を整流していた。また、底部24´を構成する有
底の六角筒部24a´内の下部にも、光ファイバ用多孔
質母材9の下側に低濃度の余剰ガラス微粒子の流線の渦
26bが発生し、また六角筒部24a´とその底面との
コーナ部24c´内にも低濃度の余剰ガラス微粒子の流
線の渦26cが発生し、これら流線の渦26b,26c
で高濃度の余剰ガラス微粒子流の流線27を整流してい
た。
【0042】これら低濃度の余剰ガラス微粒子の流線の
渦26a,26b,26cによる高濃度の余剰ガラス微
粒子流の流線27の整流作用により、該高濃度の余剰ガ
ラス微粒子流の流線27の流れが安定し、排気管10に
導かれていた。
【0043】本装置を用いて光ファイバ用多孔質母材9
を製造し、このときのコア火炎7aの位置の変化を図1
1に示す火炎位置測定装置16で調べた。
【0044】図7は、このときのコア火炎7aの位置の
変化状況の結果を示す。この図7で、横軸は光ファイバ
用多孔質母材9の引き上げ距離(mm)、縦軸はコア火炎
7aの位置(mm)である。600mm の光ファイバ用多孔質
母材9を製造する間に、コア火炎7aの位置は0.2mm 上
昇したが、これは従来の装置に比べ1/3の変化量であ
り、コア火炎7aの位置の変動はさらに小さくなった。
【0045】さらに図8は、このようにして製造した光
ファイバ用多孔質母材9をガラス化した後、屈折率を測
定したときの長手方向の比屈折率差の変化を示したもの
である。この図8で、横軸は測定位置を光ファイバ用多
孔質母材9の引き上げ距離に換算した値、縦軸は比屈折
率差である。この結果、長手方向の比屈折率差の変化は
0.01%であり、従来の装置の場合に比べ1/3の変化量
に抑えられている。なお、この光ファイバ用多孔質母材
9の製造での成長速度は±0.3mm /h,堆積面温度は±
2℃で安定していた。また、コア火炎7a内のガラス微
粒子流の流線についても、コア火炎7aの位置と同レベ
ルで安定していた。
【0046】特に、この第2例のように底部24´を有
底筒状にして反応容器1の下方への延長を図ると、反応
容器1の接続箇所数を最少限にすることができる。
【0047】(実施の形態の第3例)図9(A)(B)
は本発明に係る光ファイバ用多孔質母材の製造装置にお
ける実施の形態の第3例を示したものであり、(A)は
該装置の正面図、(B)は(A)のE−E線断面図であ
る。なお、前述した図1(A)(B)と対応する部分に
は、同一符号を付けて示している。
【0048】本例の装置において反応容器1は、多角筒
状の反応容器本体23と、該反応容器本体23の下部に
着脱可能に連結された多角筒状の延長反応容器本体29
と、該延長反応容器本体29の下端を着脱可能に閉塞し
ている多角形状の底部24とで構成されている。本例で
は、反応容器本体23は第2例と同様に六角筒状に形成
され、その上部側の構造も第2例と同様になっている。
延長反応容器本体29は、反応容器本体23の大径の下
部側と同じ断面形状の六角筒状に形成され、その長さは
反応容器本体23より短く設定されている。該延長反応
容器本体29の上側と下側の外周には、上側フランジ部
29aと下側フランジ部29bとが設けられている。該
延長反応容器本体29はその上側フランジ部29aを反
応容器本体23の下側フランジ部23dに重ねてクラン
プ手段30でクランプすることにより着脱可能に気密に
連結されている。クランプ手段30は、一端側がヒンジ
部30aで枢支された断面コ字状の1対のクランプアー
ム30bでフランジ部23d,29aを挟持し、これら
クランプアーム30bの他端をボルト30cとナット3
0dで締結した構造になっている。延長反応容器本体2
9の下側フランジ部29bには、該延長反応容器本体2
9の下部を塞ぐように平坦な底部24が当接され、下側
フランジ部29bと底部24とはクランプ手段31で気
密にクランプすることにより着脱可能に連結されてい
る。クランプ手段31は、一端側がヒンジ部(図示せ
ず)で枢支された断面コ字状の1対のクランプアーム3
1aでフランジ部29bと底部24とを挟持し、これら
クランプアーム31aの他端をボルト31bとナット
(図示せず)で締結した構造になっている。その他の構
成は、第1例と同様になっている。
【0049】このような構造にしても、反応容器1の下
部を延長することができ、第2例とほぼ同様の効果を得
ることができる。
【0050】なお、本発明で用いる反応容器1は、他の
多角筒状(例えば、3〜20角筒状)についても、同様の
効果が見られたが、実施の形態1,2,3の方が優れて
いた。
【0051】また、多角筒状の反応容器1の製造は、成
形に限らず、石英ガラス板や、テトラフロロエチレン,
SiC,TiC等でコーティングした金属板等の板を、
所要の角度で連結して形成することもできる。このよう
な形成の仕方をとると、大型の反応容器1の製造を容易
に行うことができる。
【0052】以下、本明細書に記載した複数の発明の幾
つかについてその構成要件を記載する。
【0053】(I) 反応容器内にその上部の開口部か
らターゲットを垂下させ、前記反応容器内で前記ターゲ
ットの下端にバーナからの火炎を当てて、火炎中で合成
したガラス微粒子を該ターゲットの先端に堆積させて光
ファイバ用多孔質母材を製造する光ファイバ用多孔質母
材の製造装置において、前記反応容器はその反応容器本
体が多角筒状に形成されていることを特徴とする光ファ
イバ用多孔質母材の製造装置。
【0054】(II) 前記反応容器本体の底部が平坦化
されていることを特徴とする前記(I)に記載の光ファ
イバ用多孔質母材の製造装置。
【0055】(III ) 前記反応容器は多角筒状の前記
反応容器本体とその下部を着脱可能に閉塞している有底
多角筒状の底部とを有する構成になっていることを特徴
とする前記(I)に記載の光ファイバ用多孔質母材の製
造装置。
【0056】(IV) 前記有底多角筒状の底部の底面は
平坦化されていることを特徴とする前記(III )に記載
の光ファイバ用多孔質母材の製造装置。
【0057】(V) 前記反応容器は、多角筒状の前記
反応容器本体と、該反応容器本体の下部に着脱可能に連
結された多角筒状の延長反応容器本体と、該延長反応容
器本体の下端を着脱可能に閉塞している前記底部とで構
成されていることを特徴とする請求項1に記載の光ファ
イバ用多孔質母材の製造装置とを特徴とする (VI) 前記底部が平坦化されていることを特徴とする
前記(V)に記載の光ファイバ用多孔質母材の製造装
置。
【0058】
【発明の効果】本発明に係る光ファイバ用多孔質母材の
製造装置では、反応容器本体を多角筒状に形成している
ので、該反応容器本体の内壁の各コーナ部で該反応容器
本体内に低濃度の余剰ガラス微粒子の流線の渦が発生
し、これら流線の渦で高濃度の余剰ガラス微粒子流の流
線が整流され、このためコア火炎の位置またはコア火炎
中のガラス微粒子流の流線を安定化することができる。
それ故、得られた光ファイバ用多孔質母材のガラス化後
の母材断面の比屈折率差を長手方向に安定化することが
でき、光ファイバの品質の安定化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光ファイバ用多孔質母材の製造装
置における実施の形態の第1例を示したもので、(A)
は該装置の正面図、(B)は(A)のA−A線断面図で
ある。
【図2】この第1例の光ファイバ用多孔質母材の製造装
置における反応容器内を可視化して、余剰ガラス微粒子
の流線及び気流の流線を観察したときの状態を示したも
ので、(A)は該装置の反応容器の箇所での横断面図、
(B)は(A)のB−B線断面図である。
【図3】図1の光ファイバ用多孔質母材の製造装置で光
ファイバ用多孔質母材を製造中のコア火炎の位置を図1
1の火炎位置測定装置で測定した結果を示す線図であ
る。
【図4】第1例の光ファイバ用多孔質母材の製造装置で
製造した光ファイバ用多孔質母材をガラス化した後、屈
折率を測定したときの長手方向の比屈折率差の変化を示
した線図である。
【図5】本発明に係る光ファイバ用多孔質母材の製造装
置における実施の形態の第2例を示したもので、(A)
は該装置の正面図、(B)は(A)のC−C線断面図で
ある。
【図6】この第2例の光ファイバ用多孔質母材の製造装
置における反応容器内を可視化して、余剰ガラス微粒子
の流線及び気流の流線を観察したときの状態を示したも
ので、(A)は該装置の反応容器の箇所での横断面図、
(B)は(A)のD−D線断面図である。
【図7】図5の光ファイバ用多孔質母材の製造装置で光
ファイバ用多孔質母材を製造中のコア火炎の位置を図1
1の火炎位置測定装置で測定した結果を示す線図であ
る。
【図8】第2例の光ファイバ用多孔質母材の製造装置で
製造した光ファイバ用多孔質母材をガラス化した後、屈
折率を測定したときの長手方向の比屈折率差の変化を示
した線図である。
【図9】本発明に係る光ファイバ用多孔質母材の製造装
置における実施の形態の第3例を示したもので、(A)
は該装置の正面図、(B)は(A)のE−E線断面図で
ある。
【図10】従来の光ファイバ用多孔質母材の製造装置の
構成を示したもので、(A)は該装置の正面図、(B)
は(A)のF−F線断面図である。
【図11】この従来例の光ファイバ用多孔質母材の製造
装置における反応容器内を可視化して、余剰ガラス微粒
子の流線及び気流の流線を観察したときの状態を示した
もので、(A)は該装置の反応容器の箇所での横断面
図、(B)は(A)のG−G線断面図である。
【図12】図10の光ファイバ用多孔質母材の製造装置
で光ファイバ用多孔質母材を製造中のコア火炎の位置を
図11の火炎位置測定装置で測定した結果を示す線図で
ある。
【図13】従来の光ファイバ用多孔質母材の製造装置で
製造した光ファイバ用多孔質母材をガラス化した後、屈
折率を測定したときの長手方向の比屈折率差の変化を示
した線図である。
【符号の説明】
1 反応容器 1a 小径部 1b 上側フランジ部 2 反応室 3 上部筒 3a 下側フランジ部 3b 上側フランジ部 4 クランプ手段 4a クランプアーム 4b ボルト 5 上蓋 6 種棒 7 コアバーナ 7a コア火炎 7a´ コア火炎画像 8 クラッドバーナ 8a クラッド火炎 9 光ファイバ用多孔質母材 10 排気管 11 圧力制御部 12 観察用筒部 12a フランジ部 13 透明板 14 クランプ手段 14a ヒンジ部 14b クランプアーム 14c ボルト 14d ナット 15 吸気口 16 火炎位置測定装置 17 CCDカメラ 18 画像処理部 19 モニタ 20 測定用ウインドウ 21 コンピュータ 22 表示部 23 反応容器本体 23a テーパ筒部 23b 小径筒部 23c 上側フランジ部 23d 下側フランジ部 23e コーナ部 24,24´ 底部 24a´ 六角筒部 24b´ 上側フランジ部 24c´ コーナ部 25 クランプ手段 25a ヒンジ部 25b クランプアーム 25c ボルト 25d ナット 26a,26b,26c 低濃度の余剰ガラス微粒子の
流線の渦 27 高濃度の余剰ガラス微粒子流の流線 28 コーナ部 29 延長反応容器本体 29a 上側フランジ部 29b 下側フランジ部 30,クランプ手段 30a ヒンジ部 30b クランプアーム 30c ボルト 30d ナット 31 クランプ手段 31a クランプアーム 31b ボルト

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 反応容器内にその上部の開口部からター
    ゲットを垂下させ、前記反応容器内で前記ターゲットの
    下端にバーナからの火炎を当てて、火炎中で合成したガ
    ラス微粒子を該ターゲットの先端に堆積させて光ファイ
    バ用多孔質母材を製造する光ファイバ用多孔質母材の製
    造装置において、 前記反応容器はその反応容器本体が多角筒状に形成され
    ていることを特徴とする光ファイバ用多孔質母材の製造
    装置。
  2. 【請求項2】 前記反応容器は、多角筒状の前記反応容
    器本体と、その下部を着脱可能に閉塞している底部とを
    備え、該底部は有底多角筒状になっていることを特徴と
    する請求項1に記載の光ファイバ用多孔質母材の製造装
    置。
  3. 【請求項3】 前記反応容器は、多角筒状の前記反応容
    器本体と、該反応容器本体の下部に着脱可能に連結され
    た多角筒状の延長反応容器本体と、該延長反応容器本体
    の下端を着脱可能に閉塞している底部とで構成されてい
    ることを特徴とする請求項1に記載の光ファイバ用多孔
    質母材の製造装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113105112A (zh) * 2021-03-22 2021-07-13 武汉光谷航天三江激光产业技术研究院有限公司 一种新型耐辐照增益的制备方法及光纤
CN113917600A (zh) * 2021-12-14 2022-01-11 武汉长盈通光电技术股份有限公司 无源匹配激光光纤及制备方法

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