JPH10114534A - 光ファイバ用多孔質母材の製造装置及び製造方法 - Google Patents

光ファイバ用多孔質母材の製造装置及び製造方法

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JPH10114534A
JPH10114534A JP26594196A JP26594196A JPH10114534A JP H10114534 A JPH10114534 A JP H10114534A JP 26594196 A JP26594196 A JP 26594196A JP 26594196 A JP26594196 A JP 26594196A JP H10114534 A JPH10114534 A JP H10114534A
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burner
optical fiber
porous preform
base material
axis
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JP26594196A
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Tetsuo Wada
哲郎 和田
Yukio Komura
幸夫 香村
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Furukawa Electric Co Ltd
Original Assignee
Furukawa Electric Co Ltd
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    • C03B37/0142Reactant deposition burners
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 バーナ先端中心と光ファイバ用多孔質母材の
所要位置またはその近傍の定点との間の距離を一定と
し、かつ、コア火炎の位置を一定に制御できる光ファイ
バ用多孔質母材の製造装置を得る。 【解決手段】 反応容器内の反応室にその上部の開口部
からターゲットを垂下させ、反応室内でターゲットの下
端にバーナ7,8の火炎9,10中で合成したガラス微
粒子を堆積させて光ファイバ用多孔質母材11を製造す
る。バーナ7を支持するバーナ支持機構12として、バ
ーナ7を把持するバーナ把持部12aが光ファイバ用多
孔質母材11の所定位置またはその近傍の定点を回転中
心として駆動する構造のものを用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ファイバ用多孔
質母材の製造装置及び該装置を用いた光ファイバ用多孔
質母材の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】VAD法による光ファイバ用多孔質母材
の製造は、反応容器内のバーナからの酸・水素火炎中に
原料ガス(例えば、SiCl4 ,GeCl4 )を導入し
てSiO2 ,GeO2 のガラス微粒子を生成し、このガ
ラス微粒子をターゲットである種棒の下部に順次堆積さ
せることにより行っている。
【0003】図8は、従来のこの種の光ファイバ用多孔
質母材の製造装置の構成を示したものである。この光フ
ァイバ用多孔質母材の製造装置は、ベルジャと呼ばれる
上部が開口され下部が閉塞されている反応容器1を備
え、該反応容器1の上部筒部1aの先端には開口部2が
設けられており、その開口部2を閉塞する上蓋3の孔4
からターゲットとしての種棒5が昇降自在に反応容器1
内の反応室6に垂下され、この種棒5の先端にコアバー
ナ7とクラッドバーナ8からの酸・水素火炎からなるコ
ア火炎9,クラッド火炎10中で生成したガラス微粒子
を堆積させ、成長させてスートと呼ばれる光ファイバ用
多孔質母材11を得るようになっている。コアバーナ7
とクラッドバーナ8は、バーナ支持機構12,13によ
りそれぞれ支持されている。反応容器1の上部筒部1a
には吸気口14が設けられ、該吸気口14から吸気され
た空気は該吸気口14に対応して上部筒部1a内に同心
状に配置された内筒15と該上部筒部1aとの間の通路
16から反応室6内に供給されるようになっている。光
ファイバ用多孔質母材11を間にしてバーナ7,8とは
反対側の反応容器1の周壁部には、排気管17がその基
端を開口させて接続され、排気口18が形成されてい
る。排気管17には、排気圧力を制御する圧力制御部1
9が設けられている。
【0004】このような光ファイバ用多孔質母材の製造
装置においては、種棒5に堆積する光ファイバ用多孔質
母材11の重量,体積,濃度分布及び母材形状は、バー
ナ7,8の位置,火炎9,10の位置と母材表面温度な
どの要因で変化する。
【0005】従来は、製造中の光ファイバ用多孔質母材
11の成長速度,母材形状,表面温度を見て、ガス条
件,バーナ位置,排気圧力,給気量を調整し、品質の安
定化を図っている。例えば、光ファイバ用多孔質母材1
1の先端形状を目視で確認しながらガス条件,バーナ
7,8の位置を調整し、成長速度,スート表面温度を所
定量に合わせている。バーナ7,8の位置は、バーナ支
持機構12,13を構成する、X軸(バーナ7,8の中
心軸を水平面に投影したときにできる水平線に平行な水
平軸)方向に移動可能なX軸ステージ12X,13X、
Y軸(X軸と直交する水平軸)方向に移動可能なY軸ス
テージ12Y,13Y、Z軸(X軸,Y軸に直交する鉛
直方向の軸)方向に移動可能なZ軸ステージ12Z,1
3Zで鉛直方向と水平方向を調整し、θステージ12
θ,13θでバーナ把持部12a,13aを回転中心と
する方向を調整していた。なお、12Za,13Zaは
Y軸ステージ12Y,13Y上に立設されていてZ軸ス
テージ12Z,13Zの昇降のガイドを行うZ軸スタン
ドである。
【0006】このような光ファイバ用多孔質母材11の
製造に際して、該光ファイバ用多孔質母材11の先端位
置11aは該母材11の成長につれて下降するが、この
先端位置11aが常に鉛直方向の同じ位置に存在するよ
うに該母材11は図示しない引上げ手段で引上げられる
ようになっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の光ファイバ用多孔質母材の製造装置では、バ
ーナ支持機構12,13によってバーナ7,8の位置を
調整する際に、バーナ先端中心と光ファイバ用多孔質母
材11の先端位置等の所要位置またはその近傍の定点と
の距離を保ちつつ、バーナ7,8の角度のみを変更する
ことが困難である。バーナ7,8の角度のみの調整がで
きないと、光ファイバ用多孔質母材11の成長速度,堆
積面温度,形状に大きな変化が生じてしまうので、調整
上都合が悪い。また、光ファイバ用多孔質母材11の堆
積が進行すると、該光ファイバ用多孔質母材11の長さ
の増加とともに成長速度,堆積面温度,形状が変化する
ことがあり、これらを制御できない。この結果、光ファ
イバ用多孔質母材11の長手方向の品質が変化してしま
い、ガラス化後の母材断面の比屈折率差が長手で変化す
るので、品質の安定性が十分に得られていないという問
題点がある。
【0008】母材断面の比屈折率差が光ファイバ用多孔
質母材11の長手方向で変化するのは、コア火炎9の位
置またはコア火炎9内のガラス微粒子流の位置が光ファ
イバ用多孔質母材11の製造中に変位するのが要因であ
るという報告(特願平5−312118号,特願平5−
338123号,特願平6−20283号)もある。
【0009】これらコア火炎9の位置またはガラス微粒
子流の位置の変動は、光ファイバ用多孔質母材11の成
長(体積増加)に伴って生じる反応室6内のガス流れが
変化するためである。
【0010】例えば、図9は前述した従来の光ファイバ
用多孔質母材の製造装置でのコア火炎9の位置変化の測
定例を示したもので、長さが500mm の光ファイバ用多孔
質母材11を製造する間(約10時間)に、コア火炎9の
位置が約0.6mm 上昇していた。
【0011】図10は、コア火炎9,クラッド火炎10
の位置を測定する火炎位置測定装置の具体例を示したも
のである。この火炎位置測定装置では、コア火炎9とク
ラッド火炎10とをCCDカメラ20で撮影して電気信
号として画像処理部21に入力して画像処理を行い、モ
ニタ22に表示するとともに、コア火炎画像9´とクラ
ッド火炎画像10´とに測定用ウインドウ23,24を
かけ、それぞれの中心点の座標をコンピュータ25で処
理して表示部26に表示させるようになっている。
【0012】このように従来の光ファイバ用多孔質母材
の製造装置では、光ファイバ用多孔質母材11の製造中
のガス流れの制御に限界があり、コア火炎9の位置、ま
たはガラス微粒子流の位置の制御が困難であった。
【0013】また、図8に示すようなX軸ステージ12
X,13X、Y軸ステージ12Y,13Y、Z軸ステー
ジ12Z,13Z、θステージ12θ,13θを使って
バーナ7,8の位置を制御しても、バーナ先端中心と光
ファイバ用多孔質母材11の先端位置等の所要位置また
はその近傍の定点との間の距離Lを一定に保ちながらバ
ーナ7,8を駆動させることが困難であり、例えば図1
1に示すように該距離Lが目標距離に対して約±0.5mm
の範囲で変化してしまっていた。これにより、図12に
示すように母材成長速度変化量が目標成長速度変化量に
対して約±1.5mm/hの範囲で変化し、図13に示すよう
に母材堆積面温度変化量が目標堆積面温度変化量に対し
て約±10℃の範囲で変化してしまうので、光ファイバ用
多孔質母材11における断面の比屈折率差の長手方向の
変化が大きくなるという問題点が生じていた。
【0014】本発明の目的は、バーナ先端中心と光ファ
イバ用多孔質母材の所要位置またはその近傍の定点との
間の距離を一定とし、かつ、コア火炎の位置を一定に制
御できる光ファイバ用多孔質母材の製造装置を提供する
ことにある。
【0015】本発明の他の目的は、バーナ先端中心と光
ファイバ用多孔質母材の所要位置またはその近傍の定点
との間の距離を一定とし、かつ、コア火炎の位置を一定
に制御できる光ファイバ用多孔質母材の製造方法を提供
することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は、反応容器内の
反応室にその上部の開口部からターゲットを垂下させ、
反応室内でターゲットの下端にバーナの火炎中で合成し
たガラス微粒子を堆積させて多孔質母材を製造する光フ
ァイバ用多孔質母材の製造装置及び該装置を用いた光フ
ァイバ用多孔質母材の製造方法を改良するものである。
【0017】本発明に係る光ファイバ用多孔質母材の製
造装置においては、バーナを把持するバーナ把持部が光
ファイバ用多孔質母材の所定位置またはその近傍の定点
を回転中心として駆動する構造のバーナ支持機構が設け
られていることを特徴とする。
【0018】また、本発明に係る光ファイバ用多孔質母
材の製造方法においては、バーナを把持するバーナ把持
部が光ファイバ用多孔質母材の所定位置またはその近傍
の定点を回転中心として駆動する構造のバーナ支持機構
を用い、このバーナ支持機構を使って火炎の位置を一定
に制御することを特徴とする。
【0019】このようにバーナを把持するバーナ把持部
が光ファイバ用多孔質母材の所定位置またはその近傍の
定点を回転中心として駆動する構造のバーナ支持機構を
用いて火炎の位置を制御すると、バーナ先端中心と光フ
ァイバ用多孔質母材の先端位置等の所要位置またはその
近傍の定点との間の距離を一定に保ちながらバーナを駆
動させることができ、コア火炎等の位置またはコア火炎
等中のガラス微粒子流の位置を一定に制御でき、このた
め光ファイバ用多孔質母材の成長速度,堆積面温度を一
定とすることができる。その結果、ガラス化後の母材断
面の比屈折率差の長手方向の変化を抑えることができ、
ガラス化後の母材断面の比屈折率差の長手変化を抑える
ことができ、光ファイバの品質の向上に寄与することが
できる。
【0020】
【発明の実施の形態】
(実施の形態の第1例)図1(A)(B)は、本発明に
係る光ファイバ用多孔質母材の製造装置における実施の
形態の第1例を示したものである。
【0021】本例の光ファイバ用多孔質母材の製造装置
においては、バーナ支持機構12,13の構造に特徴が
あり、その他の構造は図示していないが前述した図8と
同様である。なお、この図1(A)(B)では、バーナ
支持機構12の構造についてのみ示しているが、バーナ
支持機構13の構造も同様になっている。また、前述し
た図8と対応する部分には、同一符号を付けて示してい
る。
【0022】本例のバーナ支持機構12においては、コ
アバーナ7の中心軸を水平面に投影したときにできる水
平線に平行な水平方向のX軸の方向に移動可能なX軸ス
テージ12Xを備え、該X軸ステージ12X上にX軸と
直交する水平なY軸の方向に移動可能にY軸ステージ1
2Yが設けられ、該Y軸ステージ12Yに鉛直方向に立
設されたZ軸スタンド12ZaにZ軸ステージ12Zが
昇降自在に支持され、該Z軸ステージ12Zにθステー
ジ12θがZ軸スタンド12Zaに対して直交する向き
で回転自在に支持され、該θステージ12θに水平向き
でブラケット27が突設され、コアバーナ7を把持する
バーナ把持部12aとブラケット27との間に、光ファ
イバ用多孔質母材11の所定位置である、この例では母
材先端位置11aからなる所定位置またはその近傍の定
点に回転中心を持つゴーニオステージ28が介在されて
いる。ゴーニオステージ28は、歯車,ボールネジなど
で回転中心までの曲率半径のレール29aを持った保持
部材29と、そのレール29a上を駆動するステージ面
30aを持った可動部材30とを備えた構造になってい
る。この可動部材30にバーナ把持部12aを介してコ
アバーナ7が固定されている。コアバーナ7の中心軸上
に母材先端位置11aまたはその近傍の定点が乗るよう
にバーナ支持機構12は設置されている。
【0023】このようなゴーニオステージ28を持つ構
造のバーナ支持機構12によれば、コアバーナ7を把持
するバーナ把持部12aが光ファイバ用多孔質母材11
の先端位置11aからなる所定位置またはその近傍の定
点を回転中心として駆動するように制御できる。このた
め光ファイバ用多孔質母材11の製造中にコア火炎9の
絶対位置が上昇したとき、コア火炎9の絶対位置が下降
するようにゴーニオステージ28の可動部材30を上向
きに動かせば、コア火炎9の位置は一定に保たれる。逆
に、コア火炎9の絶対位置が下降した場合には、ゴーニ
オステージ28の可動部材30を下向きに動かせば、コ
ア火炎9の絶対位置は上昇し、コア火炎9の位置は一定
に保たれる。
【0024】本例の光ファイバ用多孔質母材の製造方法
においては、コアバーナ7を把持するバーナ把持部12
aが光ファイバ用多孔質母材11の先端位置11a等の
所定位置またはその近傍の定点を回転中心として駆動す
る構造の前述したバーナ支持機構12を用い、このバー
ナ支持機構12を使ってコア火炎9の位置が一定になる
ように図示しないコントローラを用いて自動制御する。
【0025】図2(A)(B)には、図10に示す火炎
位置測定装置で、本例の光ファイバ用多孔質母材の製造
装置及び製造方法による効果を確かめた結果を示す。
【0026】図2(A)は、コア火炎9の位置の測定値
を見て、手動でゴーニオステージ28を駆動させたとき
の結果を示したもので、コア火炎9の位置を基準位置に
対して±0.2mm の範囲に抑えることができた。
【0027】図2(B)は、コア火炎9の位置データを
図示しないコントローラにフィードバックし、図示しな
いゴーニオステージ駆動モータを自動制御させたときの
結果を示したもので、コア火炎9の位置を基準位置に対
して±0.1mm の範囲に抑えることができた。
【0028】このとき、コアバーナ9の先端中心と光フ
ァイバ用多孔質母材11の先端位置11aとの間の距離
Lは、図3に示すように目標距離に対して約±0.05mmの
範囲で変化するだけで安定しており、図11に示す従来
例の約10倍の精度で制御できるようになった。
【0029】これにより母材成長速度変化量を図4に示
すように目標成長速度変化量に対して約±0.5mm/h 以
内、母材堆積面温度変化量を図5に示すように目標堆積
面温度変化量に対して約±3℃以内に安定させることが
できた。
【0030】(実施の形態の第2例)図6(A)(B)
は、本発明に係る光ファイバ用多孔質母材の製造装置に
おける実施の形態の第2例を示したものである。
【0031】本例の光ファイバ用多孔質母材の製造装置
においても、バーナ支持機構12,13の構造に特徴が
あり、その他の構造は図示していないが前述した図8と
同様である。なお、この図6(A)(B)でも、バーナ
支持機構12の構造についてのみ示しているが、バーナ
支持機構13の構造も同様になっている。また、前述し
た図8と対応する部分には、同一符号を付けて示してい
る。
【0032】本例のバーナ支持機構12においては、コ
アバーナ7の中心軸を水平面に投影したときにできる水
平線に平行な水平方向のX軸に対して直交する水平なY
軸の方向に移動可能なY軸ステージ12Yを有し、該Y
軸ステージ12Y上に鉛直方向にZ軸スタンド12Za
が立設され、該Z軸スタンド12ZaにZ軸ステージ1
2Zが昇降自在に支持され、該Z軸ステージ12Zに回
転軸心を水平向きにして第1の関節部12bが取り付け
られ、該第1の関節部12bに第1のアーム12cの基
部が上下方向に回動可能に連結され、該第1のアーム1
2cの先端に回転軸心を水平向きにして第2の関節部1
2dが取り付けられ、該第2の関節部12dに第2のア
ーム12eの基部が上下方向に回動可能に連結され、該
第2のアーム12eの先端に回転軸心を水平向きにして
第3の関節部12fが取り付けられ、該第3の関節部1
2fに第3のアーム12gの基部が上下方向に回動可能
に連結され、該第3のアーム12gの先端に回転軸心を
水平向きにして第4の関節部12hが取り付けられ、該
第4の関節部12hに第4のアーム12iの基部が上下
方向に回動可能に連結され、該第4のアーム12iの先
端にバーナ把持部12aを介してコアバーナ7が支持さ
れている。第1,第2,第3,第4の関節部12b,1
2d,12f,12hは、図示していないアクチュエー
タ(電気モータによる駆動や油圧または空圧による駆動
など)でこれらを回転させて第1,第2,第3,第4の
アーム12c,12e,12g,12iを動かし、コア
バーナ7の先端中央点と母材先端位置11aまたはその
近傍の定点11b(固定)を回転中心とし、コアバーナ
7を駆動できる機能を持っている。コアバーナ7の中心
軸上に母材先端位置11aまたはその近傍の定点11b
が乗るようにバーナ支持機構12は設置されている。
【0033】このような第1,第2,第3,第4の関節
部12b,12d,12f,12h及び第1,第2,第
3,第4のアーム12c,12e,12g,12iを持
つ構造のバーナ支持機構12でも、コアバーナ7を把持
するバーナ把持部12aが光ファイバ用多孔質母材11
の所定位置11aまたはその近傍の定点11bを回転中
心として駆動するように制御できる。このため、第1例
と同様に、コア火炎9の位置が移動したら、元の位置に
戻るようにコアバーナ7をバーナ支持機構12で駆動さ
せる。このとき、コア火炎9の位置データは図示してい
ないコントローラにフィードバックされ、基準位置に到
達するよう駆動系を制御する。これによりコア火炎9の
位置は一定に保たれる。
【0034】実際に効果を確かめた結果、図2(B)と
同様、コア火炎9の位置の変化を±0.1mm の範囲に抑え
ることができた。
【0035】このとき、コアバーナ7の先端中心と光フ
ァイバ用多孔質母材11の先端位置11aとの間の距離
Lも、図3に示すように目標距離に対して約±0.05mmの
範囲で変化するだけで安定しており、図11に示す従来
例の約10倍の精度で制御できるようになった。
【0036】これにより母材成長速度変化量を図4に示
すように目標成長速度変化量に対して約±0.5mm/h 以
内、母材堆積面温度変化量を図5に示すように目標堆積
面温度変化量に対して約±3℃以内に安定させることが
できた。
【0037】(実施の形態の第3例)図7(A)(B)
は、本発明に係る光ファイバ用多孔質母材の製造装置に
おける実施の形態の第3例を示したものである。
【0038】本例の光ファイバ用多孔質母材の製造装置
においても、バーナ支持機構12,13の構造に特徴が
あり、その他の構造は図示していないが前述した図8と
同様である。なお、この図7(A)(B)でも、バーナ
支持機構12の構造についてのみ示しているが、バーナ
支持機構13の構造も同様になっている。また、前述し
た図8と対応する部分には、同一符号を付けて示してい
る。
【0039】本例のバーナ支持機構12においては、コ
アバーナ7の中心軸を水平面に投影したときにできる水
平線に平行な水平方向のX軸に対して直交する水平なY
軸の方向に移動可能なY軸ステージ12Yを有し、該Y
軸ステージ12Y上に鉛直方向にZ軸スタンド12Za
が立設され、該Z軸スタンド12Zaの先端に回転軸心
を水平向きにして第1の関節部12bが取り付けられ、
該第1の関節部12bに第1のアーム12cの基部が上
下方向に回動可能に連結され、該第1のアーム12cの
先端に回転軸心を水平向きにして第2の関節部12dが
取り付けられ、該第2の関節部12dに第2のアーム1
2eの基部が上下方向に回動可能に連結され、該第2の
アーム12eの先端に回転軸心を水平向きにして第3の
関節部12fが取り付けられ、該第3の関節部12fに
第3のアーム12gの基部が上下方向に回動可能に連結
され、該第3のアーム12gの先端にバーナ把持部12
aを介してコアバーナ7が支持されている。第1,第
2,第3の関節部12b,12d,12fは、図示して
いないアクチュエータ(電気モータによる駆動や油圧ま
たは空圧による駆動など)でこれらを回転させて第1,
第2,第3のアーム12c,12e,12gを動かし、
コアバーナ7の先端中央点と母材先端位置11aまたは
その近傍の定点11b(固定)を回転中心とし、バーナ
を駆動できる機能を持っている。コアバーナ7の中心軸
上に母材先端位置11aまたはその近傍の定点が乗るよ
うにバーナ支持機構12は設置されている。
【0040】このような第1,第2,第3の関節部12
b,12d,12f及び第1,第2,第3のアーム12
c,12e,12gを持つ構造のバーナ支持機構12で
も、コアバーナ7を把持するバーナ把持部12aが光フ
ァイバ用多孔質母材11の所定位置11aまたはその近
傍の定点を回転中心として駆動するように制御できる。
このため、第1例と同様に、コア火炎9の位置が移動し
たら、元の位置に戻るようにコアバーナ7をバーナ支持
機構12で駆動させる。このとき、コア火炎9の位置デ
ータは図示していないコントローラにフィードバックさ
れ、基準位置に到達するよう駆動系を制御する。これに
よりコア火炎9の位置は一定に保たれる。
【0041】実際に効果を確かめた結果、図2(B)と
同様、コア火炎9の位置の変化を±0.1mm の範囲に抑え
ることができた。
【0042】このとき、コアバーナ7の先端中心と光フ
ァイバ用多孔質母材11の先端位置11aとの間の距離
Lも、図3に示すように目標距離に対して約±0.05mmの
範囲で変化するだけで安定しており、図11に示す従来
例の約10倍の精度で制御できるようになった。
【0043】これにより母材成長速度変化量を図4に示
すように目標成長速度変化量に対して約±0.5mm/h 以
内、母材堆積面温度変化量を図5に示すように目標堆積
面温度変化量に対して約±3℃以内に安定させることが
できた。
【0044】なお、クラッドバーナ8を支持するバーナ
支持機構13の場合の光ファイバ用多孔質母材11の所
定位置とは、該母材11の先端部より上方の膨らんだ肩
の部分付近をいう。
【0045】上記第2例,第3例でコアバーナ9の先端
中心と光ファイバ用多孔質母材11の先端位置11aと
の間の距離Lとコアバーナ9の向きを一定にする制御
は、関節部12b,12d,12f,12h等の回転角
度を何度にすればそのような条件を満たすようになるか
コンピュータで計算し、その指示に基づいて各関節部を
それぞれアクチュエータで回転駆動すること等により行
うことができる。距離Lの確認は図10に示す火炎位置
測定装置のCCDカメラ20で光ファイバ用多孔質母材
11の先端側とコアバーナ9の先端側とを同時に撮影
し、モニタ22の画面上等で測定することにより行うこ
とができる。
【0046】以下、本願明細書に記載した複数の発明の
いくつかについて、その構成要件を記載する。
【0047】(i) 反応容器内の反応室にその上部の
開口部からターゲットを垂下させ、前記反応室内で前記
ターゲットの下端にバーナの火炎中で合成したガラス微
粒子を堆積させて多孔質母材を製造する光ファイバ用多
孔質母材の製造装置において、前記バーナを把持するバ
ーナ把持部が前記光ファイバ用多孔質母材の所定位置ま
たはその近傍の定点を回転中心として駆動する構造のバ
ーナ支持機構が設けられ、該バーナ支持機構は前記バー
ナの中心軸を水平面に投影したときにできる水平線に平
行なX軸方向に移動可能なX軸ステージ上に、前記X軸
に直交する水平なY軸の方向に移動可能にY軸ステージ
が設けられ、該Y軸ステージに鉛直方向に立設されたZ
軸スタンドにZ軸ステージが昇降自在に支持され、該Z
軸ステージにθステージがZ軸スタンドに対して直交す
る向きで回転自在に支持され、該θステージに水平向き
でブラケットが突設され、前記バーナを把持するバーナ
把持部と前記ブラケットとの間に、前記光ファイバ用多
孔質母材の所定位置またはその近傍の定点に回転中心を
持つゴーニオステージが介在された構造になっているこ
とを特徴とする光ファイバ用多孔質母材の製造装置。
【0048】(ii) 反応容器内の反応室にその上部の
開口部からターゲットを垂下させ、前記反応室内で前記
ターゲットの下端にバーナの火炎中で合成したガラス微
粒子を堆積させて多孔質母材を製造する光ファイバ用多
孔質母材の製造装置において、前記バーナを把持するバ
ーナ把持部が前記光ファイバ用多孔質母材の所定位置ま
たはその近傍の定点を回転中心として駆動する構造のバ
ーナ支持機構が設けられ、該バーナ支持機構は前記バー
ナの中心軸を水平面に投影したときにできる水平線に平
行なX軸に対して直交する水平なY軸の方向に移動可能
なY軸ステージを備え、該Y軸ステージ上に鉛直方向に
Z軸スタンドが立設され、該Z軸スタンドにZ軸ステー
ジが昇降自在に支持され、該Z軸ステージに回転軸心を
水平向きにして第1の関節部が取り付けられ、該第1の
関節部に第1のアームの基部が上下方向に回動可能に連
結され、該第1のアームの先端に回転軸心を水平向きに
して第2の関節部が取り付けられ、該第2の関節部に第
2のアームの基部が上下方向に回動可能に連結され、該
第2のアームの先端に回転軸心を水平向きにして第3の
関節部が取り付けられ、該第3の関節部に第3のアーム
の基部が上下方向に回動可能に連結され、該第3のアー
ムの先端に回転軸心を水平向きにして第4の関節部が取
り付けられ、該第4の関節部に第4のアームの基部が上
下方向に回動可能に連結され、該第4のアームの先端に
バーナ把持部を介してコアバーナが支持された構造にな
っていることを特徴とする光ファイバ用多孔質母材の製
造装置。
【0049】(iii ) 前記第1,第2の関節部は、ア
クチュエータで駆動されるようになっていることを特徴
とする前記(ii)に記載の光ファイバ用多孔質母材の製
造装置。
【0050】(iv) 反応容器内の反応室にその上部の
開口部からターゲットを垂下させ、前記反応室内で前記
ターゲットの下端にバーナの火炎中で合成したガラス微
粒子を堆積させて多孔質母材を製造する光ファイバ用多
孔質母材の製造装置において、前記バーナを把持するバ
ーナ把持部が前記光ファイバ用多孔質母材の所定位置ま
たはその近傍の定点を回転中心として駆動する構造のバ
ーナ支持機構が設けられ、該バーナ支持機構は前記バー
ナの中心軸を水平面に投影したときにできる水平線に平
行なX軸に対して直交する水平なY軸の方向に移動可能
なY軸ステージ上に鉛直方向に立設されたZ軸スタンド
の先端に回転軸心を水平向きにして第1の関節部が取り
付けられ、該第1の関節部に第1のアームの基部が上下
方向に回動可能に連結され、該第1のアームの先端に回
転軸心を水平向きにして第2の関節部が取り付けられ、
該第2の関節部に第2のアームの基部が上下方向に回動
可能に連結され、該第2のアームの先端に回転軸心を水
平向きにして第3の関節部が取り付けられ、該第3の関
節部に第3のアームの基部が上下方向に回動可能に連結
され、該第3のアームの先端にバーナ把持部を介してコ
アバーナが支持された構造になっていることを特徴とす
る光ファイバ用多孔質母材の製造装置。
【0051】(v ) 前記第1,第2,第3の関節部
は、アクチュエータで駆動されるようになっていること
を特徴とする前記(iv)に記載の光ファイバ用多孔質母
材の製造装置。
【0052】
【発明の効果】本発明に係る光ファイバ用多孔質母材の
製造装置においては、バーナを把持するバーナ把持部が
光ファイバ用多孔質母材の所定位置またはその近傍の定
点を回転中心として駆動する構造のバーナ支持機構を用
いて火炎の位置を制御するので、バーナ先端中心と光フ
ァイバ用多孔質母材の先端位置等の所要位置またはその
近傍の定点との間の距離を一定に保ちながらバーナを駆
動させることができ、コア火炎等の位置またはコア火炎
等中のガラス微粒子流の位置を一定に制御でき、このた
め光ファイバ用多孔質母材の成長速度,堆積面温度を一
定とすることができる。その結果、ガラス化後の母材断
面の比屈折率差の長手方向の変化を抑えることができ、
ガラス化後の母材断面の比屈折率差の長手変化を抑える
ことができ、光ファイバの品質の向上に寄与することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)(B)は本発明に係る光ファイバ用多孔
質母材の製造装置における実施の形態の第1例のバーナ
支持機構を示す正面図及びその右側面図である。
【図2】(A)はコア火炎の位置の測定値を見て、手動
で第1例のバーナ支持機構を駆動させたときのコア火炎
の位置の変化を測定した際の測定データを示す図、
(B)はコア火炎の位置データを第1例のバーナ支持機
構のコントローラにフィードバックし、ゴーニオステー
ジ駆動モータを制御させたときのコア火炎の位置の変化
を測定した際の測定データを示す図である。
【図3】第1例のバーナ支持機構を自動制御して、コア
バーナの先端中心と光ファイバ用多孔質母材の先端位置
との間の距離Lの目標距離に対する変化を測定した際の
測定データを示す図である。
【図4】第1例のバーナ支持機構を自動制御して、母材
成長速度変化量の目標成長速度変化量に対する変化を測
定した際の測定データを示す図である。
【図5】第1例のバーナ支持機構を自動制御して、母材
堆積面温度変化量の目標堆積面温度変化量に対する変化
を測定した際の測定データを示す図である。
【図6】(A)(B)は本発明に係る光ファイバ用多孔
質母材の製造装置における実施の形態の第2例のバーナ
支持機構を示す正面図及びその右側面図である。
【図7】(A)(B)は本発明に係る光ファイバ用多孔
質母材の製造装置における実施の形態の第3例のバーナ
支持機構を示す正面図及びその右側面図である。
【図8】従来の光ファイバ用多孔質母材の製造装置の構
成を示す縦断面図である。
【図9】従来の光ファイバ用多孔質母材の製造装置での
コア火炎の位置の変化を測定した際の測定データを示す
図である。
【図10】火炎位置測定装置の概略構成を示すブロック
図である。
【図11】従来の光ファイバ用多孔質母材の製造装置お
けるバーナ支持機構を制御して、コアバーナの先端中心
と光ファイバ用多孔質母材の先端位置との間の距離Lの
目標距離に対する変化を測定した際の測定データを示す
図である。
【図12】従来の光ファイバ用多孔質母材の製造装置お
けるバーナ支持機構を制御して、母材成長速度変化量の
目標成長速度変化量に対する変化を測定した際の測定デ
ータを示す図である。
【図13】従来の光ファイバ用多孔質母材の製造装置お
けるバーナ支持機構を制御して、母材堆積面温度変化量
の目標堆積面温度変化量に対する変化を測定した際の測
定データを示す図である。
【符号の説明】
1 反応容器 1a 上部筒部 2 開口部 3 上蓋 4 孔 5 種棒(ターゲット) 6 反応室 7 コアバーナ 8 クラッドバーナ 9 コア火炎 9´ コア火炎画像 10 クラッド火炎 10´ クラッド火炎画像 11 光ファイバ用多孔質母材 11a 母材先端位置 12,13 バーナ支持機構 12X,13X X軸ステージ 12Y,13Y Y軸ステージ 12Z,13Z Z軸ステージ 12Za,13Za Z軸スタンド 12θ,13θ θステージ 12a,13a バーナ把持部 12b 第1の関節部 12c 第1のアーム 12d 第2の関節部 12e 第2のアーム 12f 第3の関節部 12g 第3のアーム 12h 第4の関節部 12i 第4のアーム 14 吸気口 15 内筒 16 通路 17 排気管 18 排気口 19 圧力制御部 20 CCDカメラ 21 画像処理部 22 モニタ 23,24 測定用ウインドウ 25 コンピュータ 26 表示部 27 ブラケット 29 保持部材 29a レール 30 可動部材 30a ステージ面

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 反応容器内の反応室にその上部の開口部
    からターゲットを垂下させ、前記反応室内で前記ターゲ
    ットの下端にバーナの火炎中で合成したガラス微粒子を
    堆積させて多孔質母材を製造する光ファイバ用多孔質母
    材の製造装置において、 前記バーナを把持するバーナ把持部が前記光ファイバ用
    多孔質母材の所定位置またはその近傍の定点を回転中心
    として駆動する構造のバーナ支持機構が設けられている
    ことを特徴とする光ファイバ用多孔質母材の製造装置。
  2. 【請求項2】 反応容器内の反応室にその上部の開口部
    からターゲットを垂下させ、前記反応室内で前記ターゲ
    ットの下端にバーナの火炎中で合成したガラス微粒子を
    堆積させて多孔質母材を製造する光ファイバ用多孔質母
    材の製造方法において、 前記バーナを把持するバーナ把持部が前記光ファイバ用
    多孔質母材の所定位置またはその近傍の定点を回転中心
    として駆動する構造のバーナ支持機構を用い、 このバーナ支持機構を使って前記火炎の位置を一定に制
    御することを特徴とする光ファイバ用多孔質母材の製造
    方法。
JP26594196A 1996-10-07 1996-10-07 光ファイバ用多孔質母材の製造装置及び製造方法 Pending JPH10114534A (ja)

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